(1)業績
当事業年度における世界経済は、米国においては企業業績や雇用、個人消費が安定して推移する一方で、後半には急速な原油価格の低下や資源国経済の軟調を背景に輸出等での陰りが見えるなど不安要素も発生してまいりました。また、欧州経済も緩やかな回復が継続したものの難民問題等の懸念事項も存在し、回復テンポの鈍化も見られました。一方で新興国では、中国経済の内外需双方での減速傾向は継続し、その他新興国経済も全体として不透明な状況で推移致しました。このように世界経済全体としては、米・欧経済にも不安要素が発生し、中国を中心とした新興国の状況も含めて不安定な情勢が続く年度となりました。
一方、日本経済も堅調な雇用・所得情勢により回復基調は維持されつつも個人消費が横ばい推移するなど、踊り場の状況で、中国経済等の減速に伴う影響懸念も払拭できず、世界経済同様、不透明な状況でありました。
このように国内外経済が推移する中ではありましたが、当社の属するファインケミカル業界は、原油価格の低下に伴う燃料価格の低下と原材料価格の安定化により一定の環境改善がありました。しかしながら、今後の為替動向が流動的であるなど引き続き懸念事項は残り、グローバルな販売価格競争も加味すれば、収益環境全般の状況に大きな変化はありません。同様に当社も安心できる環境には置かれておりませんが、売上高については、グローバルな紫外線吸収剤等の生産状況を背景とした需給バランスの変化から徐々に増加傾向にあります。一方で、当社の主力マーケットである欧州自動車産業は、昨年来の諸問題等、多くの懸案事項を抱える状況であることから、当社の経営環境についても引き続き予断を許さない状況であります。
このような状況の下、当社の当事業年度における業績は、主力製品である紫外線吸収剤が販売数量増加を主要因として売上高が増加し、写真薬中間体や電子材料などでも売上高が増加しました。加えて、ホーム産業事業でも、前年の消費税率引上げによる影響からの持ち直し等により増収となり、販売競争激化の影響による製紙用薬剤の売上高減少や受託製品などを含むその他等での売上高減少をカバーし、売上高全体では、前年同期比560百万円増加の9,208百万円(前年同期比6.5%増)となりました。利益面は、グローバルな販売価格競争の継続はあるものの売上高の増加や原材料価格の落着きなどから営業利益は227百万円(同23.0%増)、経常利益も生産休止費用45百万円を計上したものの、補助金収入と還付事業税等で22百万円を計上した結果、113百万円(同90.4%増)となりました。税引前当期純利益につきましては、平成27年9月17日付けで開示いたしました通り「ふくしま産業復興企業立地補助金」確定により国庫補助金として310百万円を特別利益に計上し、同補助金対象設備について309百万円の圧縮記帳を行い、同額を固定資産圧縮損として特別損失に計上した結果、113百万円となりました。当期純利益につきましては、法人税等が52百万円となったものの繰延税金資産を計上した結果、法人税等調整額(△は利益)が、△102百万円となり163百万円(同165.9%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(化学品事業)
当事業年度の売上高は、主力製品である紫外線吸収剤の販売数量増加や販売価格の一部改定等により同製品の売上高が前年同期比585百万円増の5,690百万円(前年同期比11.5%増)となり、酸化防止剤でも同98百万円増の436百万円(同29.0%増)となりました。一方で、製紙用薬剤が同65百万円減の262百万円(同19.9%減)、受託製品などを含むその他等で同207百万円減の1,488百万円(同12.3%減)となりましたが、全体では同476百万円増の8,257百万円(同6.1%増)で着地いたしました。また、セグメント利益では520百万円(同14.3%増)を計上いたしました。
(ホーム産業事業)
当事業年度の売上高は、前年の消費税率引上げによる影響からの持ち直しに加え、新規商材販売による増収もあり木材保存薬剤の売上高が前年同期比60百万円増加し、820百万円(前年同期比8.0%増)となり、全体では同83百万円増の951百万円(同9.7%増)となりました。また、セグメント利益では56百万円(同13.6%増)を計上いたしました。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては1,150百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては269百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては227百万円の支出となった結果、前事業年度末に比し654百万円増加し、3,370百万円となりました。
当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,150百万円(前年同期比1,089百万円増)となりました。
これは主に税引前当期純利益が113百万円計上されたこと、減価償却費が386百万円計上されたこと、仕入債務の増加額82百万円、売上債権の減少額312百万円、たな卸資産の減少額160百万円などの増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、269百万円(前年同期比60.2%減)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出が574百万円計上された一方で、国庫補助金による収入が310百万円計されたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、227百万円(前年同期比126.4%増)となりました。
これは主に長期借入による収入950百万円、長期借入金の返済による支出1,025百万円とリース債務の返済による支出110百万円が計上されたこと、配当金の支払い41百万円が計上されたことによるものであります。
(1)生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比 (%) |
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化学品事業(千円) |
7,974,576 |
103.7 |
|
ホーム産業事業(千円) |
715,368 |
109.3 |
|
合計(千円) |
8,689,945 |
104.2 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比 (%) |
|
化学品事業(千円) |
5,711 |
43.3 |
|
ホーム産業事業(千円) |
205,221 |
123.1 |
|
合計(千円) |
210,932 |
117.2 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注状況
当社は見込生産を行っているため、該当事項はありません。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比 (%) |
|
化学品事業(千円) |
8,257,269 |
106.1 |
|
ホーム産業事業(千円) |
951,036 |
109.7 |
|
合計(千円) |
9,208,306 |
106.5 |
(注)1.最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に
対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
BASFジャパン㈱ |
3,135,308 |
36.3 |
3,054,755 |
33.2 |
|
大塚化学㈱ |
1,041,141 |
12.0 |
861,709 |
9.4 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)当社の現状の認識について
当社は、事業環境の変化に迅速かつ適切に対応するとともに、常に創造的革新に挑戦し、技術に支えられた高品質の製品をもって顧客に大きな満足を提供すること及び自然環境との調和を図り、環境保全活動を効果的かつ継続的に推進して環境にやさしい会社を目指すこと、これにより業界はもとより広く産業の発展、社会の発展に寄与するとともに、企業基盤の支えとなる株主をはじめ、すべてのステークホルダーの信頼と期待に応えることを経営の基本として認識しております。
(2)当面の対処すべき課題の内容と方針
当社の現状を踏まえた上で、当社の主力製品である紫外線吸収剤につきましては、独自ノウハウを駆使し、品質改善による顧客満足度の向上と生産効率の更なる向上による製品競争力の強化を最重点目標としております。また、将来性のある事業分野の有機エレクトロ・ルミネッセンス等のディスプレイ用電子材料関連分野での生産技術向上、供給能力増強等を踏まえた機動的販売強化と盤石な販売ルート構築を目標としています。また、木材保存薬剤においては、製品企画力の強化と環境への負荷に配慮した製品の品質改良を行い、安定的な事業の確保を課題としております。
(3)具体的な取組状況等
当社主力製品の紫外線吸収剤などのプラスティック添加剤は、当事業年度対比増収になるものと考えており、強化している新規受託ビジネスや海外市場の開拓活動等が寄与していくものと予想しております。当社といたしましては、グローバルな販売強化と付加価値の高いビジネスを積極的に展開することにより収益の拡大に努め、生産性改善など利益体質の改善に向けた経営戦略の実現により、適切な利益の確保を行い、安定した配当の継続と内部留保の充実を図ってまいります。
また、利益確保と在庫削減などによる財源確保により、有利子負債の圧縮に努め、財務体質の健全化に努めてまいります。
当社の経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成28年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
1. 当社の事業内容について
〔特定販売先への依存度について〕
当社の柱となる化学品事業における製品は、主力の紫外線吸収剤など各種添加剤と各種化成品により構成されております。化学品事業における販売はOEM販売が主流であり、主要顧客であるBASF社については総売上高の約3割強の依存関係となっております。当社にとって高い依存関係にある同社とは、主力製品である紫外線吸収剤の安定的な供給を当社が保証する供給基本契約を取り交わしております。
従って、BASF社の販売戦略によっては、当社の業績に重要な影響を受ける可能性があります。
〔原材料の市況変動について〕
当社の原材料調達は主に国内での見積り合わせ方式によっておりますが、その他に国内代理店等を通じた輸入があり、その主なものは調達コストの安価なアジア・欧州圏であります。これらの取引先とは安定的な品質と供給量の基本契約を取り交わしてはおりますが、政治・経済情勢の変動により供給が不安定になる可能性があります。
また、当社が使用する原材料には原油の国際的な変動や資源輸出国の経済情勢などの影響を受けて価格変動するものが含まれているため、当社の業績に影響を受ける可能性があります。
〔法的規制について〕
当社の製造する製品・消費する原材料のうち、有機化学工業薬品類は、国内においては消防法・毒物及び劇物取締法・高圧ガス保安法・化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律等の規制を受けております。今後これらの法律が改正され規制強化された場合、製品の製造・販売などに影響を受ける可能性があります。
〔為替リスクについて〕
当社の取引には、外貨による取引が含まれており、為替相場の変動が当社の業績に影響を与える可能性があります。
2. 今後の事業について
〔今後の事業計画に重要な影響を与える要因〕
(1)材料価格及び販売価格の変動
当社の原材料価格は、原油価格の国際的な変動、資源輸出国の経済情勢などにより大きく変動することがあります。当社の主力製品である紫外線吸収剤は世界各国で使用されており、その販売価格はグローバル競争の中にあります。当社は、販売シェアの確保・収益性向上の為、コスト競争力の強化に努めていますが、急激な原材料価格の変動は、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の取引には外貨による取引が含まれており、為替相場の変動は原材料価格及び販売価格の変動を通して、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)有機EL等電子材料関連製品の動向
当社は、有機エレクトロ・ルミネッセンス(有機EL)等の電子材料関連事業に経営資源を重点的に配分し、将来の成長事業に育成すべく注力しております。有機EL関連特許(出願中含む)も相当数保有していますが、最先端分野であり、競合各社も新規製品開発に取り組んでおり、当社が開発した製品が中・長期的に販売できないケースがあります。
また、有機ELを使用したディスプレイの本格的な普及が、価格や利便性などで遅れる可能性があります。
(3)写真薬中間体製品の動向
当社は、写真フィルムに使用される写真薬中間体を大手フィルムメーカー等に供給していますが、デジタルカメラの普及が進展し、フィルムや写真印画紙の使用量が年々縮小しており、当社の写真薬中間体の販売量が徐々に減少していくと予想しています。当社はこれに対処するため、新たな生産品目の開発などを進めて行く計画であります。
〔業界の動向、法規制強化による業界環境の激変等の可能性について〕
化学品事業に係わる業界動向は、自動車や家電製品等工業製品の市場変化よりも遅れた形で現れる傾向にあります。当社製品はこれらに使用される有機工業製品には欠かせない添加物であり、有機工業製品への添加規制や、新規添加物質への切替等、環境の激変がないかぎり、急激な需要下落はないと判断しておりますが、市場環境の急激な変化が起こった場合、業績が大きく左右される可能性があります。
ホーム産業事業に係わる業界動向は環境配慮型製品の開発が加速されることから、地球環境保全を最重点課題とした有害な元素を含まず、厳しい環境下においても長期にわたり優れた性能を示す新規成分を配合した水性の木材保存薬剤等の開発に取り組んでおりますが、開発遅延等により業績が左右される可能性があります。
〔特有の法的規制について〕
当社は、化学品事業、ホーム産業事業の一部において、有機化学工業薬品の製造販売を行っており、これらの製品に使用される原材料等は、消防法・毒物及び劇物取締法、高圧ガス保安法、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律等の規制を受けております。今後これらの法律が改正され規制強化された場合、製品の製造・販売などに影響を受ける可能性があります。
〔環境負荷について〕
当社の製造する製品の多くは、有機化学工業薬品に分類されるものであり、事業活動に伴う環境負荷に対するリスク管理については、環境マネジメントシステムを導入し、環境評価を行い環境負荷の把握と環境リスクの低減に努めております。しかしながら環境負荷が発生しないという保証はなく、環境汚染などの問題が生じた場合には、業績・財政状態などに影響を受ける可能性があります。
〔固定資産の減損会計適用による影響について〕
当社では、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。この基準の適用に伴い、今後の土地等の時価や事業環境の大幅な変動によっては、当社の業績・財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
〔繰延税金資産の回収可能性について〕
税効果会計会計における繰延税金資産の回収可能性については、一時差異等のスケジューリングや課税所得の十分性等に基づき判断しておりますが、一時差異等のスケジューリングが不能となった場合や収益力の低下により課税所得の十分性が確保されないとの判断に至った場合、繰延税金資産を取り崩すことにより税金費用が計上され、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
〔訴訟などの影響について〕
当社では、現在係争中の訴訟事件はございませんが、将来において当社の事業活動に関して重要な訴訟が提起された場合には、当社の業績・財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社との供給契約
|
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
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BASFジャパン㈱ |
日本 |
紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系) |
平成27年10月5日 |
1.当社より、BASFジャパン㈱への紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系)の安定的供給についての基本契約。 2.当社製品である紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系)の国外における実質的独占販売権をBASFジャパン㈱に許与する。 3.BASFジャパン㈱は、当社より紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系)を一定量以上購入する。 |
平成27年10月1日から平成30年9月30日まで |
当社は、将来の事業拡大と経営基盤の強化・安定化を図るため、紫外線吸収剤及び有機エレクトロ・ルミネッセンス(有機EL)材料をはじめとする電子材料関連等、各種分野にわたって研究開発に取り組んでおり、独自技術を駆使して新製品の開発を進めております。
研究開発に従事する人員は、有機電子材料技術本部等を合わせて総勢30名であり、総従業員数の14.3%となっております。また、当事業年度における研究開発費の総額は399百万円(対売上高比4.3%)となりました。
当事業年度におけるセグメント別の研究開発成果は次のとおりであります。
〔化学品事業〕
当事業年度において、紫外線吸収剤及び有機エレクトロ・ルミネッセンス(有機EL)材料をはじめとする電子材料関連等の新製品及び新製法の開発を継続しております。紫外線吸収剤においては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系及びトリアジン系の生産効率の向上を、有機EL材料においては、電子輸送材料、ホール輸送材料、発光材料及びホスト材料等の新規材料合成や物性評価等の研究開発を行っております。当事業に係る研究開発費は362百万円であります。
〔ホーム産業事業〕
前事業年度に引き続き、環境にやさしい木材保存薬剤等の研究開発を継続しております。当事業に係る研究開発費は37百万円であります。
文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成28年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
(1)財政状態に関する分析
(資産、負債及び純資産の状況)
当事業年度(以下「当期」という)の総資産は、前事業年度末(以下「前期末」という)比77百万円増加し、13,832百万円となりました。流動資産は同281百万円増加の8,640百万円、固定資産は同202百万円減少の5,192百万円となりました。
流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が654百万円、繰延税金資産が97百万円増加する一方で、売掛金が304百万円、商品及び製品が179百万円減少したことによるものであり、固定資産の減少の主な要因は、福島工場の竣工に伴い建設仮勘定556百万円が減少し、建物(純額)が218百万円、機械及び装置(純額)が221百万円増加したこと、リース資産が55百万円減少したことなどによるものであります。
当期の負債は前期末比14百万円減少し9,893百万円となりました。流動負債は同447百万円増加の7,320百万円、固定負債は同461百万円減少の2,573百万円となりました。
流動負債の増加の主な要因は、支払手形が90百万円、1年内返済予定の長期借入金が86百万円、リース債務が154百万円増加したことに加え、社債100百万円の償還日が1年以内となり流動負債に振り替わったことなどによるものであります。固定負債の減少の主な要因は、長期借入金が161百万円、リース債務が212百万円減少したことによるものであります。
当期の純資産は前期末比91百万円増加し、3,938百万円となりました。この増加の主な要因は、当期純利益163百万円を計上した一方で、その他有価証券評価差額金が30百万円減少したこと、配当金の支払41百万円があったことであります。
この結果、自己資本比率は、前期末の28.0%から28.5%となりました。
(2) 経営成績の分析
当社の属するファインケミカル業界は、原油価格の低下に伴う燃料価格の低下と原材料価格の安定化により一定の環境改善がありました。しかしながら、今後の為替動向が流動的であるなど引き続き懸念事項は残り、グローバルな販売価格競争も加味すれば、収益環境全般の状況に大きな変化はありません。同様に当社も安心できる環境には置かれておりませんが、売上高については、グローバルな紫外線吸収剤等の生産状況を背景とした需給バランスの変化から徐々に増加傾向にあります。一方で、当社の主力マーケットである欧州自動車産業は、昨年来の諸問題等、多くの懸案事項を抱える状況であることから、当社の経営環境についても引き続き予断を許さない状況であります。
このような状況の下、当社の当事業年度における業績は、主力製品である紫外線吸収剤が販売数量増加を主要因として売上高が増加し、写真薬中間体や電子材料などでも売上高が増加しました。加えて、ホーム産業事業でも、前年の消費税率引上げによる影響からの持ち直し等により増収となり、販売競争激化の影響による製紙用薬剤の売上高減少や受託製品などを含むその他等での売上高減少をカバーし、売上高全体では、前年同期比560百万円増加の9,208百万円(前年同期比6.5%増)となりました。
利益面は、グローバルな販売価格競争の継続はあるものの売上高の増加や原材料価格の落着きなどから営業利益は227百万円(同23.0%増)、経常利益も生産休止費用45百万円を計上したものの、補助金収入と還付事業税等で22百万円を計上した結果、113百万円(同90.4%増)となりました。税引前当期純利益につきましては、平成27年9月17日付けで開示いたしました通り「ふくしま産業復興企業立地補助金」確定により国庫補助金として310百万円を特別利益に計上し、同補助金対象設備について309百万円の圧縮記帳を行い、同額を固定資産圧縮損として特別損失に計上した結果、113百万円となりました。当期純利益につきましては、法人税等が52百万円となったものの繰延税金資産を計上した結果、法人税等調整額(△は利益)が、△102百万円となり163百万円(同165.9%増)となりました。
また、1株当たり当期純利益は10.00円となりました。
なお、セグメントの売上及びセグメント利益の概況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
(3) キャッシュ・フローに関する分析
当社の営業キャッシュ・フローは期中におけるグローバルな紫外線吸収剤等の生産状況を背景とした需給バランスの変化から、営業利益等の増加による税引前当期純利益の増加と、売上債権及びたな卸資産の減少、仕入債務の増加等の影響を受けております。
当事業年度の状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。