第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において帝人グループが判断したものです。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 

1) 経営成績

帝人グループの当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高が前年同期比で微減収(0.8%減)の2,146億円となりました。営業利益は、アラミド繊維と国内ヘルスケア事業が堅調であったものの、樹脂においてポリカーボネートの市況が大幅に悪化した影響を受け、全体で前年同期比7.1%減の170億円となりました。経常利益は為替影響による営業外損益の悪化等もあり、前年同期比20.4%減の169億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は特別損失の増加等により、同44.7%減の108億円となりました。

 

当第1四半期連結累計期間におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりです。

マテリアル領域

:[売上高 1,599億円(前年同期比2.7%減)、営業利益 64億円(前年同期比28.6%減)]

◆マテリアル事業:

アラミド繊維分野では、主力のパラアラミド繊維「トワロン」が摩擦材、ゴム補強材等の自動車関連用途の販売数量においてやや減少したものの、売値・販売構成の改善が収益に貢献しました。

炭素繊維分野では、炭素繊維「テナックス」が航空機用途では順調に推移したものの、コンパウンド用途では前期終盤から続く市況低迷により販売が減少しました。

樹脂分野では、主力のポリカーボネート樹脂が汎用品で前期第2四半期以降の市況価格の大幅下落の影響を受けましたが、高付加価値品販売が収益を下支えしました。

フィルム分野では、自動車や電子部品用PENフィルム等が堅調に推移しましたが、工程用離型フィルム「ピューレックス」の販売は低調に推移しました。なお、フィルム分野に属する子会社を東洋紡株式会社に2019年10月1日付(予定)で譲渡することを決定しました。

 

◆繊維・製品事業:

衣料繊維分野では、国内の市況影響により衣料製品販売で苦戦したものの、産業資材分野では、主に短繊維の販売が好調を維持しました。

 

◆複合成形材料事業ほか:

複合成形材料分野では、北米のピックアップトラックやSUV等の需要増や新規モデルの立上げを背景に、米国Continental Structural Plastics社の自動車向け量産部品の販売が堅調に推移しました。

 

ヘルスケア領域

:[売上高 398億円(前年同期比1.5%増)、営業利益 105億円(前年同期比6.1%増)]

医薬品分野では、国内市場において、高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク」が順調に販売を拡大しました。

在宅医療分野では、睡眠時無呼吸症候群治療における在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)市場において、機器のレンタル台数が順調に伸長しました。また、在宅酸素療法(HOT)市場においても、携帯型酸素濃縮器の積極展開等により、高い水準のレンタル台数を維持しました。

新規ヘルスケア分野では、埋め込み型医療機器事業の業績が堅調に推移しました。

 

その他

:[売上高 149億円(前年同期比16.6%増)、営業利益 13億円(前年同期比106.2%増)]

IT事業では、電子コミック配信サービスの売上が順調に拡大しました。また、病院向けITサービス事業も順調に推移しました。

 

2) 財政状態

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、保有意義が希薄化した株式の売却等で投資有価証券が減少したこと等により、前期末対比181億円減少の10,026億円となりました。

負債は、長短借入金の減少等により、前期末対比75億円減少の5,860億円となりました。

純資産は、その他有価証券評価差額金の減少等により、前期末対比106億円減少の4,166億円となりました。

 

 

(帝人グループの資本の財源及び資金の流動性について)

帝人グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、各事業の販売拡大や原燃料価格上昇等に伴う運転資本の増加、複合成形材料分野や医薬品分野を中心とした研究開発活動費等があります。また、設備投資資金需要の主なものとしては、航空機向けの需要増を見据えて、成長素材である炭素繊維の新たな生産拠点を米国サウスカロライナ州に建設中です。2020年度の稼働を予定しており、総投資額は日本の三島事業所におけるプリカーサ*の生産能力の増強も合わせて350億円を予定しています。その他にも複合成形材料事業の新規受注に伴う生産能力増強投資等に積極的に取り組んでいます。

 * 炭素繊維の原料として用いる特殊なアクリル繊維

帝人グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により資金調達をおこなっており、自己資本比率やD/Eレシオ等の財務健全性指標やROEを注視しながら、最適な選択を実施しています。また、日米欧中の各拠点においては、グループ内余剰資金を活用するためにキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上に努めています。

なお、当第1四半期連結会計期間末の有利子負債残高は3,743億円となりました。資金調達コストの低減に努める一方、設備投資に対応する借入の大部分については、長期調達するとともに過度に金利変動リスクに晒されないよう金利スワップ等の手段を活用し、固定化しています。

また、金融機関には十分な借入枠を有しており、高水準で維持している現預金と併せ、中期経営計画で掲げた戦略投資を機動的に実施することが可能となっています。

 

(2) 経営方針、経営戦略及び対処すべき課題等

当第1四半期連結累計期間において、帝人グループの経営方針、経営戦略及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。

 

① 当社の株主の在り方に関する基本方針

(会社法施行規則第118条第3号にいう、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)

当社の株主の在り方について、当社は、株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えています。したがって、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。

しかし、当社株式の大量取得行為や買付提案の中には、「企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの」「株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの」「買付の対価が当社の企業価値に鑑み不十分なもの」等も想定されます。このような大量取得行為や買付提案を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えています。

② 基本方針の実現に資する取り組み

当社では、多数の投資家の皆様に長期的に当社に投資を継続して頂くために、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、次の施策を既に実施しています。これらの取り組みは、上記①の基本方針の実現にも資するものと考えています。

ア.中長期での取り組み

帝人グループでは、2017年2月に、長期ビジョン実現に向けた次の3か年の実行計画として、中期経営計画2017-2019『ALWAYS EVOLVING』を策定し、公表しました。この中期経営計画に基づき、「成長戦略」による基礎収益力の更なる強化、「発展戦略」による新規コアビジネスの確立を推進するとともに、それを支える経営システム基盤の強化を図っていきます。

株主還元については、「連結業績に連動した配当」を行うことを利益配分の基本方針とし、中期的な連結配当性向は当期純利益の30%を目安としながら、「財務体質の健全性や中長期の配当の継続性及び将来の成長戦略投資に必要な内部留保の確保」を総合的に勘案し配当を実施します。

 

イ.「コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化」による企業価値向上への取り組み

帝人グループでは、株主価値の持続的向上を基本的使命であると踏まえた上、多様なステークホルダー(利害関係者)に対する責任を果たしていくために、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。コーポレート・ガバナンスの基本を「透明性の向上」「公正性の確保」「意思決定の迅速化」「監視・監督の独立性の確保」とし、「アドバイザリー・ボード」、「独立社外取締役を含む取締役会と執行役員制」、「独立社外監査役を含む監査役体制」等を通じ、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の構築・強化に努めています。また、コーポレート・ガバナンスに関する指針を帝人グループ「コーポレート・ガバナンスガイド」として制定し、公表しています。

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

当社は、当社株式の大量買付行為を行い、または行おうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求めるとともに、当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のために必要な時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令に基づき、適切な措置を講じていきます。

 

(3) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、79億円です。

なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

(子会社株式の譲渡)

当社は、2019年4月26日開催の取締役会において、当社の連結子会社である帝人フィルムソリューション株式会社(以下TFS社)ならびにP.T. Indonesia Teijin Film Solutions(以下ITFS社)の当社所有株式全てを、東洋紡株式会社(以下東洋紡)に譲渡する方針を決議し、2019年5月22日付で東洋紡との間で株式譲渡契約を締結しました。

 

1.譲渡の理由

帝人グループは、ポリエステルフィルム事業の競争力強化に向け、2016年に日本の生産拠点を宇都宮事業所に集約する等様々な対策を講じてきました。また、その過程で、事業運営の柔軟性と意思決定の迅速性を向上するため、合弁パートナーであったE.I. du Pont de Nemours and Company(以下デュポン社)から日本及びインドネシアの合弁会社のデュポン社持分を取得し、各々100%子会社として運営してきました。その結果、ポリエステルフィルム事業は一定の収益を上げる体質へと強化されましたが、TFS社ならびにITFS社の更なる成長及び帝人グループの経営資源の最適配分の観点から、今回の決定に至ったものです。

 

2.譲渡する相手会社の名称

東洋紡株式会社

 

3.譲渡の時期

2019年10月1日(予定)

 

4.譲渡の対象となる子会社の名称、事業内容及び当社との取引内容

(1) TFS社の概要

① 名称     :帝人フィルムソリューション株式会社

② 事業の内容  :フィルムの製造、販売

③ 当社との取引 :当社がTFS社に原料の販売等を行っています。

 

(2) ITFS社の概要

① 名称     :P.T. Indonesia Teijin Film Solutions

② 事業の内容  フィルムの製造、販売

③ 当社との取引 :記載すべき取引関係はありません。

 

5.譲渡する株式の譲渡価額、譲渡株式数、譲渡後の持分比率

(1) 譲渡価額

TFS社及びITFS社の譲渡対価は約100億円を予定していますが、譲渡日における所定の調整を加え決定されます。

 

(2) 対象会社の譲渡株式数

TFS社  :1,000株

ITFS社 :378,000株(間接所有株式10株を含む)

 

(3) 株式譲渡後の持分比率

TFS社及びITFS社のいずれについても0%(所有株式数0株)です。