当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において帝人グループが判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
1) 経営成績
帝人グループの当第3四半期連結累計期間の連結決算は、売上高が前年同期比微減の6,475億円となりました。営業利益は、ポリカーボネート樹脂の市況低迷や欧米での主力医薬品の後発品発売による売上減少があったものの、マテリアル事業のアラミド繊維、国内ヘルスケア事業及びIT事業等が堅調であり、全体で前年同期(481億円)並みの482億円となりました。経常利益は為替影響による営業外収益の減少等もあり、前年同期比7.5%減の474億円、親会社株主に帰属する四半期純利益はフィルム事業子会社譲渡に係る一時費用を特別損失へ計上したこと等により、同26.0%減の302億円となりました。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりです。
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マテリアル領域 |
:[売上高 4,815億円(前年同期比3.4%減)、営業利益172億円(前年同期比0.1%減)] |
◆マテリアル事業:
アラミド繊維分野では、主力のパラアラミド繊維「トワロン」が摩擦材、ゴム補強材等の自動車関連用途の販売数量においてやや減少したものの、売値・販売構成の改善が収益に貢献しました。
炭素繊維分野では、炭素繊維「テナックス」が、サプライチェーンでの在庫調整等を反映して航空機用途は前年同期並みの推移となりました。また、コンパウンド用途では前期終盤から続く需要減により販売が減少しました。
樹脂分野では、主力のポリカーボネート樹脂が中国・アセアンでの需要低迷により汎用品の販売価格において影響を受けました。
フィルム分野に属する子会社を東洋紡株式会社に2019年10月1日付で譲渡しました。
◆繊維・製品事業:
衣料繊維分野では、天候不順等による市況低迷で重衣料やスポーツ衣料が苦戦しました。産業資材分野では、自動車関連部材が欧州や中国の自動車販売低迷の影響を受けましたが、インフラ補強材や水処理フィルター用のポリエステル短繊維の販売は好調を維持しました。
◆複合成形材料事業ほか:
複合成形材料分野では、北米のピックアップトラックやSUV等の需要増を背景に、米国Continental Structural Plastics社の自動車向け量産部品の販売が堅調に推移しました。
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ヘルスケア領域 |
:[売上高 1,192億円(前年同期比0.7%減)、営業利益 291億円(前年同期比6.9%減)] |
医薬品分野では、国内市場において、高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク」が順調に販売を拡大しましたが、欧米では後発品の影響を受けました。
在宅医療分野では、睡眠時無呼吸症候群治療における在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)市場において、機器のレンタル台数が順調に伸長しました。また、在宅酸素療法(HOT)市場においても、携帯型酸素濃縮器の積極展開等により、高い水準のレンタル台数を維持しました。
新規ヘルスケア分野では、埋め込み型医療機器事業の業績が堅調に推移しました。
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その他 |
:[売上高 467億円(前年同期比14.3%増)、営業利益 56億円(前年同期比45.4%増)] |
IT事業では、電子コミック配信サービス及び病院・企業向けITサービスが好調に推移しました。
2) 財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、売上債権が減少した一方、現預金の増加やIFRS第16号「リース」の適用による有形固定資産の増加により、前期末対比212億円増加の10,419億円となりました。
負債は、IFRS第16号「リース」の適用による有利子負債の増加等により、前期末対比131億円増加の6,065億円となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定が減少した一方、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したこと等により、前期末対比82億円増加の4,354億円となりました。
(帝人グループの資本の財源及び資金の流動性について)
帝人グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、各事業の販売拡大や原燃料価格上昇等に伴う運転資本の増加、複合成形材料分野や医薬品分野を中心とした研究開発活動費等があります。また、設備投資資金需要の主なものとしては、航空機向けの需要増を見据えて、成長素材である炭素繊維の新たな生産拠点を米国サウスカロライナ州に建設中です。2020年度の稼働を予定しており、総投資額は日本の三島事業所におけるプリカーサ*の生産能力の増強も合わせて350億円を予定しています。その他にも複合成形材料事業の新規受注に伴う生産能力増強投資等に積極的に取り組んでいます。
* 炭素繊維の原料として用いる特殊なアクリル繊維。
帝人グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により資金調達をおこなっており、自己資本比率やD/Eレシオ等の財務健全性指標やROEを注視しながら、最適な選択を実施しています。また、日米欧中の各拠点においては、グループ内余剰資金を活用するためにキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上に努めています。
なお、当第3四半期連結会計期間末の有利子負債残高は3,982億円となりました。資金調達コストの低減に努める一方、設備投資に対応する借入の大部分については、長期調達するとともに過度に金利変動リスクに晒されないよう金利スワップ等の手段を活用し、固定化しています。
また、金融機関には十分な借入枠を有しており、高水準で維持している現預金と併せ、中期経営計画で掲げた戦略投資を機動的に実施することが可能となっています。
(2) 経営方針、経営戦略及び対処すべき課題等
当第3四半期連結累計期間において、帝人グループの経営方針、経営戦略及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
① 当社の株主の在り方に関する基本方針
(会社法施行規則第118条第3号にいう、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
当社の株主の在り方について、当社は、株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えています。したがって、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。
しかし、当社株式の大量取得行為や買付提案の中には、「企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの」「株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの」「買付の対価が当社の企業価値に鑑み不十分なもの」等も想定されます。このような大量取得行為や買付提案を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えています。
② 基本方針の実現に資する取り組み
当社では、多数の投資家の皆様に長期的に当社に投資を継続して頂くために、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、次の施策を既に実施しています。これらの取り組みは、上記①の基本方針の実現にも資するものと考えています。
ア.中長期での取り組み
帝人グループでは、2017年2月に、長期ビジョン実現に向けた次の3か年の実行計画として、中期経営計画2017-2019『ALWAYS EVOLVING』を策定し、公表しました。この中期経営計画に基づき、「成長戦略」による基礎収益力の更なる強化、「発展戦略」による新規コアビジネスの確立を推進するとともに、それを支える経営システム基盤の強化を図っていきます。
株主還元については、「連結業績に連動した配当」を行うことを利益配分の基本方針とし、中期的な連結配当性向は当期純利益の30%を目安としながら、「財務体質の健全性や中長期の配当の継続性及び将来の成長戦略投資に必要な内部留保の確保」を総合的に勘案し配当を実施します。
イ.「コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化」による企業価値向上への取り組み
帝人グループでは、株主価値の持続的向上を基本的使命であると踏まえた上、多様なステークホルダー(利害関係者)に対する責任を果たしていくために、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。コーポレート・ガバナンスの基本を「透明性の向上」「公正性の確保」「意思決定の迅速化」「監視・監督の独立性の確保」とし、「アドバイザリー・ボード」、「独立社外取締役を含む取締役会と執行役員制」、「独立社外監査役を含む監査役体制」等を通じ、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の構築・強化に努めています。また、コーポレート・ガバナンスに関する指針を帝人グループ「コーポレート・ガバナンスガイド」として制定し、公表しています。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、当社株式の大量買付行為を行い、または行おうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求めるとともに、当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のために必要な時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令に基づき、適切な措置を講じていきます。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社及び連結子会社の研究開発活動の金額は、246億円です。
なお、当社は、帝人ファーマ株式会社において研究開発及び生産活動を担う組織を再編し、画期的な治療の実現
に向けた専門性の深化と、医薬品・在宅医療機器という異なる事業で培った技術の融合により、新たな価値創造
を促進するために、10月1日付で、生物医学総合研究所、医薬開発・生産部門、在宅医療企画技術部門の3つの部
署から成る「研究開発技術本部」を新設しました。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。