帝人グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において帝人グループが判断したものです。
(1) 帝人グループが目指す姿
帝人グループは、企業理念に基づき、持続可能な社会の実現に向けて、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」になることを目指しています。
長期ビジョンを実現するために、帝人グループは、世界的な社会課題とSDGsが掲げるゴールを踏まえ、自社にとってのリスクと機会を整理し、優先的に取り組む5つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。すなわち、重要社会課題である「気候変動の緩和と適応」「サーキュラーエコノミーの実現」「人と地域社会の安心・安全の確保」「人々の健康で快適な暮らしの実現」と重要経営課題である「持続可能な経営基盤のさらなる強化」です。
帝人グループはこれらマテリアリティに対して、「環境価値」「安心・安全・防災」「少子高齢化・健康志向」の3つのソリューションを中心に価値を社会に提供し、持続可能な社会の実現と企業価値のさらなる向上を目指します。
<3つのソリューション>
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環境価値ソリューション |
気候変動に対する緩和や適応、サーキュラーエコノミーの実現など、 世界的な地球環境目標の達成に貢献する製品・サービスを提供 |
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安心・安全・防災ソリューション |
災害、事故などの様々なリスクから生命と暮らしを守る製品・サービスを提供 |
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少子高齢化・健康志向ソリューション |
あらゆる年齢の人々の健康的で快適な生活を支える製品・サービスを提供 |
(2) 対処すべき課題
a)中期経営計画と定量目標について
2020年2月に「中期経営計画 2020-2022 ALWAYS EVOLVING」(以下、「中期経営計画」)を公表し、中期経営計画期間を「成長基盤確立期」と位置付けました。中期経営計画では、将来の収益獲得のために育成が必要な事業を「Strategic Focus」、既に収益を上げており、さらなる成長を目指す事業を「Profitable Growth」として位置付け、積極的に投資を進める方針を掲げています。
中期経営計画では、「投資効率」「稼ぐ力」の両面に力点を置き、収益性指標として「ROE」(全社)と「営業利益ROIC」(全社・事業別)、成長性指標として「EBITDA」(全社・事業別)を最重要指標とし、2022年度の定量目標としてROE 10%以上、営業利益ROIC 8%以上、EBITDA 1,500億円を設定しています。また、これらの目標の達成、さらには将来に向けた成長基盤の確立のため、中期期間(3年累計)における設備投資・M&A枠として4,500億円を設定し、D/Eレシオ0.9を目安とした財務健全性や資本コストにも留意しながら、企業価値向上に資する事業ポートフォリオ実現に向けた投資を実行しています。
b)対処すべき課題
COVID-19の蔓延はグローバルレベルで経済、人々の生活、価値観に劇的な変化をもたらしました。また、足元では、半導体不足、原材料価格や欧州天然ガス価格、物流費の高騰などの様々な影響によって収益力が低下したことに加え、国際的な政治・地政学的なリスクの発現による不確実性の高まりもあり、2022年度業績見通し(2022年5月公表)は中期経営計画の定量目標を下回る状況です。そうした環境変化においても、SDGsを踏まえ社会課題の解決を目指す帝人グループの方向性は変わることなく、むしろ帝人グループが捉えるビジネス機会に向けて加速していると考えています。2022年度は次期中期経営計画策定の年にあたりますが、こうした変化を機会と捉え、各事業の収益力強化のための諸施策を実行してまいります。さらに、帝人グループの各事業の位置づけを改めて評価し、企業価値向上に資する事業ポートフォリオ構築に取り組み、次期中期経営計画へとつなげていきたいと考えています。
<経営指標推移>
*21年5月にセグメント内訳の見直し実施
■マテリアル事業領域
マテリアルでは、モビリティの軽量化、素材・部品の環境対応などを始めとしたさまざまな社会のニーズをビジネス機会として捉えることで成長し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。中期経営計画では、高機能素材とマルチマテリアル化による高付加価値用途への展開を戦略とし、Strategic Focus分野として自動車向け複合成形材料・航空機向け炭素繊維中間材料を育成するとともに、Profitable Growth分野ではアラミド繊維・高機能樹脂・炭素繊維などの自社素材において高付加価値用途の拡大に取り組んでいます。他方、足元では、原材料/天然ガス価格・物流費・北米労務費の高騰などにより収益性が大幅に低下しており、収益力の回復・向上がマテリアル事業の課題となっています。
<「Strategic Focus」分野(将来の収益源育成)>
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自動車向け 複合成形材料 |
·収益性の早期改善に向けた施策の実行(価格政策・生産性・エリア戦略) ·自動車部品事業のプラットフォーム化・マルチマテリアル化・ライフサイクル アセスメント対応推進 |
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航空機向け 炭素繊維中間材料 |
·将来の航空機向け新規大型プログラム獲得に向けた開発の推進 |
<「Profitable Growth」分野(利益ある成長)>
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アラミド |
·用途開拓の推進による業界リーダーポジションの維持・強化 ·増設ラインの早期効果発現 |
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樹 脂 |
·高付加価値品の拡大による収益力の維持・向上 |
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炭素繊維 |
·北米の新設製造ラインの早期効果発現 ·非航空機向け高収益用途の探索・拡販による収益性改善 |
■ヘルスケア事業領域
帝人グループは、「予防/健康増進→治療→リハビリ/介護」のケアサイクル全体において、それぞれのプロセスに応じた製品・サービスを提供する地域密着型総合ヘルスケアサービスプロバイダーとなることを目指しています。帝人グループが医薬・在宅医療を中心に40年以上培ってきた有形・無形のユニークな事業基盤をさらに強化し、地域に密着したチーム営業体制により、医薬品・医療機器・医療材料・食品・ITサービスなどを総合的に提供したいと考えています。そのような中、現中期経営計画に織り込んだM&Aの実施を含む新事業の拡大に遅れが生じており、また、主力医薬品「フェブリク」の後発品が2022年度に参入することが想定され、それによる収益の低下影響を可能な限り克服し、持続的に成長するための事業基盤と製品・サービスを構築していくことがヘルスケア事業の課題となっています。
<「Strategic Focus」分野(将来の収益源育成)>
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地域包括ケア 関連新事業 |
·地域包括ケア関連市場での新規サービス事業の立上げ及び地域包括ケアシステム基盤の強化拡充 |
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機能性食品 |
·既存製品の拡販、新製品の着実な上市 |
<「Profitable Growth」分野(利益ある成長)>
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医薬品、在宅医療 |
·主力医薬品(2型糖尿病治療剤)、HOT(在宅酸素療法)用酸素濃縮装置、CPAP(持続陽圧呼吸療法)用治療器の最大化 ·地域包括ケアシステム基盤を活用できる医薬品、医療機器等のパイプライン強化 ·医薬品・在宅医療事業の組織統合による独自性構築と事業構造改革の実施 |
■繊維・製品/IT事業
<「Profitable Growth」分野(利益ある成長)>
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繊維・製品 |
·不採算ビジネス撤収を含む基礎収益力強化施策の継続的な実行 ·環境関連ニーズに対応するサステナビリティ戦略の推進 |
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IT |
·ネットビジネス事業の拡大と海外展開検討 ·ヘルスケア事業における介護・健康領域での新規サービス展開 |
■その他
<「Strategic Focus」分野(将来の収益源育成)>
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再生医療新事業 埋込型医療新事業* |
·CDMO事業体制及びJ-TEC協業体制の構築 ·埋込型医療機器の拡販と整形領域における再生医療新事業とのシナジー創出 |
*2022年度より、ヘルスケアセグメントからその他セグメントに移管
c)気候変動への対応(TCFDに基づく開示)
帝人グループは持続可能な社会の実現に向けて、「気候変動の緩和と適応」を重要課題(マテリアリティ)として捉え、軽量化・効率化技術を活かして脱炭素社会への移行に貢献するとともに、事業活動に伴う温室効果ガス排出の削減に努めています。
■ガバナンス
気候変動問題については、サステナビリティ、リスクマネジメントの重要課題として、その取り組み方針・計画および進捗はTRM(トータル・リスクマネジメント)コミティー(*)の審議を経て取締役会に報告され、取締役会の指示・監督のもと活動に取り組んでいます。
(*)TRMコミティー:CEOを委員長とし「経営戦略リスク」と「業務運営リスク」を統合管理する会議体
■戦略
「気候変動の緩和」を事業の成長機会と捉え、高機能・高付加価値化材料によるモビリティの軽量化や高耐久化を中心とした「環境価値ソリューション」を提供します。「気候変動への適応」では、高機能素材によるインフラ補強材や、ヘルスケアやIT等の技術やサービスを通し、自然災害発生時の被害低減と迅速な復旧に役立つ「安心・安全・防災ソリューション」の提供に取り組みます。一方、事業活動に伴う地球環境への負荷低減として、脱石炭火力を図るとともに、省エネ・再エネ化の推進やプロセスイノベーションなどの技術革新にも取り組みます。
■リスク管理
気候変動リスクについては、TRMのグループ重大リスクと位置付けTRM体制のもとで管理しており、グループ会社の移行リスク、物理的リスクを、TRMのリスクアセスメントにおいて他のリスクとともに抽出して対応しています。移行リスクに対しては、各種政策動向のモニタリングを行いながら、ネット・ゼロ達成に向けたロードマップを策定しCO₂排出量の増減を伴う設備投資を対象としたインターナルカーボンプライシング制度(帝人グループ内グローバル共通炭素価格:€ 50/t-CO₂)も導入して、自社グループおよびサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量の削減に取り組むことで、リスクの影響度を抑制していくようにしています。また、気温上昇や、海面上昇などの物理リスクに対しては、水害リスクなどの評価を行い必要な対策を実施するとともに、BCPを随時見直し、各種防災訓練を行っています。
■指標と目標
ネット・ゼロの実現に向けた取り組みを加速すべく、自社グループ排出温室効果ガスについては、2030年度に2018年度比20%削減する目標を30%削減にまで引き上げました。当該目標は「2℃を十分に下回る目標水準(Well-below2℃)」であるとして、パリ協定の定める目標に科学的に整合する温室効果ガスの排出削減目標「Science Based Targets(SBT)」の認定を受けています。
また、新たにサプライチェーンの温室効果ガス排出を2030年度に2018年度比15%削減する数値目標も設定しました。
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項 目 |
目標年度 |
目 標 |
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CO2*1削減貢献量*2 |
2030 |
「削減貢献>総排出」達成 |
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自社グループCO2排出量 |
2030 |
2018年度比 30%削減(総量目標) |
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2050 |
実質ゼロ実現 |
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サプライチェーンCO2排出量*3 |
2030 |
2018年度比15%削減 |
*1 CO2以外に、メタン、一酸化二窒素を含んでいます。
*2 当社製品使用による、サプライチェーン川下でのCO₂削減効果を貢献量として算出しています。
*3 スコープ3排出量のうち、カテゴリー1(購入した製品・サービス)の商社ビジネスを除く範囲を対象としています。
また、事業活動に伴う環境・社会への負の影響を最小限とするべく、CO2排出量のみならず、淡水取水量、有害
化学物質排出量、埋立廃棄物量について数値を設定し、サーキュラーエコノミーの実現を目指しています。
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項 目 |
目標年度 |
目 標 |
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水 |
2030 |
2018年度比 30%改善(淡水取水量売上高原単位) |
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有害物質 |
2030 |
2018年度比 20%改善(有害化学物質排出量売上高原単位) |
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資源循環 |
2030 |
2018年度比 10%改善(埋立廃棄物量売上高原単位) |
d)経営基盤強化
帝人グループでは、未来の社会を支える製品・サービスの創造からビジネス構築、そして、利益創出までの一連の活動をイノベーションとして捉え、グローバルな視点で社会のニーズや課題に応えるために、帝人グループならではの総合力と機動力を発揮することを目指しています。具体的には、継続的かつ的確なソリューション提供、市場開拓を加速する仕組みとして、「組織」「シナジー」「技術」「人財」の観点でイノベーションの創出基盤を強化し、事業機会の創出を加速しています。
「組織」、「シナジー」については、2021年に設立した「コーポレートビジネスインキュベーション部門」を中心に、全社的・長期的な視点でのM&A・アライアンスの検討・実施を推進するとともに、次世代を担う新規領域の探索や育成、研究開発や新事業開発を推進し、イノベーション創出の基盤構築を進めています。マテリアル事業領域内、ヘルスケア事業領域内でのシナジーのみならず、マテリアル事業やヘルスケア事業に、IT事業や繊維・製品事業を掛け合わせることで、グループ内外の協創を実現し、単独では創出困難な革新的製品・サービスを拡充していきます。
「技術」においては、ビジネスモデル変革のために、デジタルトランスフォーメーション(DX)に積極的に取り組んでいます。当社IT事業の中核を担うインフォコム株式会社との協業体制をさらに強化するとともに、ゼロトラストをはじめとするセキュリティ技術のアップデート等により場所を選ばない多様な働き方などのニューノーマル環境への対応、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)による研究開発の強化、スマートプラントの推進などによる製造現場の生産性向上など、多様な事業、分野においてDXの取組みを行っています。さらに、専門領域でのビッグデータやデジタル技術利活用についてアカデミアとの共同研究や企業連携を進め、マテリアル領域・ヘルスケア領域・IT領域での新たなサービスやビジネスの創出を目指しており、これらの取組みを推進するスマートテクノロジーセンターを設置し、AIやIT等の最先端技術の獲得と活用を進めています。また、知的財産戦略としては、詳細な事業環境分析に基づいて競争優位性の根源となり得るコア技術を客観的に特定し、このコア技術を中心に知的財産を創出・取得することで、競争優位性を確保するために積極的に知的財産を活用しています。知財情報解析の戦略的活用としてIPランドスケープの手法を活用し、帝人グループが保有する知的財産の状況を定期的に評価することにより、経営戦略に沿って知的財産ポートフォリオの最適化を図っています。
帝人グループでは、企業の競争力の源泉が「人財」であるとの認識のもと、グローバルに事業活動を行う上では、人種、宗教、性、文化的背景などが異なる多様な「人財」の能力を活かすことが不可欠であると考えています。中期経営計画におけるアクションプランでは、経営戦略・事業戦略と連動したグローバルでの人的資本(Human Capital)にかかわる戦略として、以下の取り組みを推進しています。
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[中期経営計画における主要アクションプラン]
① 人事部門体制のグローバル化 グローバルの各リージョン(日本、欧州、米州、中国及びアジア太平洋)に、人事・総務管掌の直属として人財マネジメントの統括責任者(ダイレクター)を配置し、グローバルで人財管理を行っています。統括責任者間で人財戦略を共有し、リージョン内あるいはリージョンを超えたグローバルな事業戦略に一元的に対応できる組織を構築しています。
② グローバルタレントマネジメント 帝人グループのグローバル経営を担う将来のリーダーを育成するために、全世界のグループ会社社員の中からコア人財を選抜し、リーダーシップ開発プログラムを展開しています。2020年度から、プログラムの全面的なリニューアルに着手し、戦略的なアサイメント・人事配置(経験の幅出し)、経営陣によるメンター制度、コア人財の新しい評価制度、女性や非日本人の候補者割合に関するKPI(25%以上)も導入しました。
③ 働き方改革 多様な人財・働き方に対応できる柔軟な人事・処遇制度を整備していきます。特に、新型コロナウイルス感染防止から生じた「New Normal(新常態)」への対応により、新しい「働き方」へのシフトが加速しており、生産性の維持・向上を前提に、社員個々人が、ワークライフバランスを確保しながら仕事の仕方を最適化できるよう、マインドセットと仕事の仕組みの変革を推進しています。また、様々な改革の推進と並行し、社員の健康を尊重する企業として、心身ともに健康で働き甲斐が感じられる職場を目指しています。その基本的な価値観を「帝人グループ健康経営宣言」として表明しており、優良な健康経営を実践している企業として、経済産業省から健康経営優良法人にも6年連続して認定されています。
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さらに、これらアクションプランを着実に実行する中で、さまざまな価値観や経験を持つ人財が能力を最大限に発揮し、多様なコラボレーションが生まれることが、イノベーション創出を加速させると考え、イノベーション創出に向けたダイバーシティ&インクルージョンの推進、企業風土形成、新アワード等の導入を図るとともに、社員エンゲージメント調査の実施による効果測定・課題抽出を行っています。
ⅰ)人財多様性の推進
帝人グループは、多様な人財を活用することが創造性を高め、イノベーションを促進すると考え、2000年より女性の活躍の推進などに積極的に取り組んできました。事業のグローバル化に伴い、日本を中心とした取り組みを世界に広げ、役員層の多様性推進のためのKPIを設定しているほか、日本だけでなく、グローバルの各地域それぞれの課題状況に応じた地域戦略とKPIを設置し、その達成に向けて施策を実行しています。なお、日本ではその活動が評価され、5年連続「なでしこ銘柄」に選定されています。
また、事業ポートフォリオの変革に合わせた人財の獲得や、新鮮なアイディアや価値観を取り入れて、組織を活性化させるため等の理由から中途採用者を積極的に活用しています。入社時は経験・スキル等の適正な評価に基づき処遇を決定し、入社後は他の社員と同様に業績や能力伸長・組織貢献等を総合評価することで、中途採用者がハンデなく働ける人事制度を採用しています。
*1 取締役、監査役、グループ執行役員・理事 *2 地域別の課題に応じて設定 *3 国内グループ主要4社:帝人㈱、帝人ファーマ㈱、
帝人フロンティア㈱、インフォコム㈱ *4 グループ会社社長を含む上級管理職 *5 すでに相当数存在する管理職からグループ執行役員
候補として選抜・認定された人財 *6 KPI設定時のデータ(中国・ASEANについては2020年8月基準でKPI設定)
ⅱ)企業風土変革
多様化していく人財・組織を受け入れ、イノベーティブでアジャイルな企業風土を形成するために、2020年度より役員層を対象に開始した「Power of Culture Project(企業風土変革プロジェクト)」を2021年度にはグローバルの部長層に広げて展開しています。役員層で目指すべき姿を議論し、今後の風土改革の基盤となる「パワー・オブ・カルチャ・リーダーシップ憲章」を制定しています。
<パワー・オブ・カルチャ・リーダーシップ憲章>
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「組織をリードする」 |
・部門や地域を超えた異動を促す。 ・事業横断の相乗効果を探求する。 |
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「個人をリードする」 |
・「変わらなくてよい」ではなく「変えなければならない」へ意識を変えるため の支援をする。 ・社員を数ではなく個人として尊重し、多様な人々からのオープンに意見交換す ることを奨励する。 ・勇敢であり、人々に行動する自由を与えます。 |
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「チームをリードする」 |
・メンバーの発言を制限する障壁を取り除く。 ・試行錯誤(考え方・姿勢)を奨励し、自分とは異なる人との関わり、お互いか ら学び合うことを求める。 ・信頼関係を通じてもっと権限委譲する。 |
ⅲ)新アワード「Designing the Future Award」
2021年度からグループ・グローバル全社員を対象として、「ダイバーシティ&インクルージョン」「イノベーション」、「サステナビリティ」の3つの領域において経済的効果がまだ出ていない優れた取り組みを表彰する「Designing the Future Award」を実施しています。グループ・グローバルの中での価値観を共有しつつ、組織横断的な協創やイノベーション創出の機運を高めていく企業風土づくりを進めます。
ⅳ)社員エンゲージメント調査
2021年度より全世界の社員(約19,500名)を対象にエンゲージメントサーベイを開始し、会社や組織に対する意識や貢献意欲を把握しています。初回調査では参加者の約6割が「とても満足」または「満足」、約3割が「普通」との回答がありました。調査を通じて見えてきた課題に対して改善アクションを継続して実行することにより、すべての社員が自分の能力を最大限に発揮できるインクルーシブでエンゲージメントの高い環境を整え、事業活動に貢献し、長期ビジョンの実現を目指します。
(3) 社会貢献活動
社会と共に変化するステークホルダーからの企業に対する期待と要請に応え、2021年1月に帝人グループ社会貢献基本方針を改訂しました。帝人グループでは、本方針に則り、自然との調和を大切にし、地域コミュニティとともに発展するため、よき企業市民として事業特性や地域性を尊重した適切な社会貢献活動を推進しています。2021年度における社会貢献活動については、以下のとおりです。
まず、ウクライナ及び避難先において生活が困難な状況にある方々に対し、「すべての人間の尊厳と権利を尊重する」人権方針のもと人道的支援を行っています。
学術・教育、スポーツなどを通じた次世代の育成の支援としては、若き科学技術者の育成を目的に創設した公益財団法人帝人奨学会による帝人久村奨学金制度を通じ、約70年にわたり1,700人近くの理工系学生を支援しています。また、「全国高校サッカー選手権大会」への協賛や、公益財団法人日本ユニセフ協会「子どもの権利とスポーツの原則」への賛同等、青少年のスポーツ支援に取り組んでいます。その他、社員のボランティア活動を支援する様々な仕組みを継続的に運用しています。
当社は、株主価値を高めるとともに、株主をはじめとするあらゆるステークホルダーの皆様に価値を提供し、持続可能な事業活動を行う使命のもと、その実現を脅かすあらゆるリスク(不確実性)を統合的かつ効率的に把握・評価・管理し、グループ経営に活かす組織的・体系的アプローチを行っています。当社の持続的成長にかかわるあらゆるリスクに対処するために、経営戦略・経営計画策定、戦略的なアクション、個別投資プロジェクトの決定等に伴う「経営戦略リスク」と、業務運営に悪影響をもたらす様々な有害事象である「業務運営リスク」を対象とするTRM(トータル・リスク・マネジメント)体制を構築し、リスクの統合管理を行っています。
2003年度からCEOを委員長とする「TRMコミティー」を取締役会のもとに設置しています。取締役会は、TRMコミティーから提案されるTRM基本方針、TRM年次計画等の審議・決定を行うとともに、重要なリスクを管理し、事業継続のための体制を整備します。また、監査役は、取締役会がTRMに関する適切な方針決定、監視・監督を行っているか否かについて監査します。「経営戦略リスク」の評価についてはCEOが直接担当し、取締役会等における重要な経営判断材料として提供します。「業務運営リスク」についてはCSR管掌が担当し、海外を含むグループ全体の業務運営リスクの管理を行います。各事業グループ、グループ会社等が行う個別のリスク管理を全社横断的に把握・確認し、統一的な対応指針を策定するなど、グループ全体のリスク管理体制を強化しています。また、マクロ環境動向については、帝人グループへの影響としてのリスクと機会の両面について、マテリアリティと関連づけて捉えています。
なお、以下の文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において帝人グループが判断したものです。また、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでいます。当社グループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面しておりますが、これらのリスクの影響により、実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは異なってくる可能性があります。
<新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するリスクと対応>
COVID-19が長期化する中、帝人グループの事業に与える影響をモニタリングし、既発現影響への対応策を実行するとともに、長期化により想定される影響への対応策の準備を継続しています。自動車・航空機向け用途を重点市場とするマテリアル事業領域ではCOVID-19による世界経済の影響を受けており、特に炭素繊維における航空機向け需要は回復基調にあるものの低迷が継続しています。その対応策として、需要が旺盛な他用途への展開による生産稼働率の向上や販売構成の改善による収益性改善策の実行、中長期的な需要回復を見据えた航空機向け炭素繊維中間材料の新規大型プログラム獲得に向けた開発を進めるとともに、収益性のモニタリングを行っています。また、2022年3月末より始まった、中国のゼロコロナ政策によるロックダウンについて、長期継続した場合のさらなるサプライチェーンの混乱、自社・顧客製造拠点の稼働停止などの影響を注視しています。
COVID-19拡大に伴う業務運営上のリスクに対処するため、2020年1月にCSR管掌を本部長とする「新型コロナウイルス感染症緊急対策本部」を立ち上げ、グローバルに感染が拡大した4月から6月の間はCEOを本部長とする体制としました。2021年4月からは「新型コロナウイルス対策本部」として、従業員とその家族の安全確保と事業継続のための、グローバルな視点での方針決定と施策推進を行っています。各拠点は、帝人グループグローバル方針に定められた感染予防と健康確保、通勤と勤務、業務出張、会合とイベント、人権への配慮の各項目について、各国各地域の法令等に基づき、運用ガイドラインを制定しています。
<地政学的リスクに関する対応>
2022年2月に始まったロシア軍によるウクライナ侵攻においては、緊急対応体制を整備し人道支援等を開始するとともに、直接的および間接的影響を整理し、事業に与える影響を評価したうえで対応を行っています。
(1)事業運営リスクの抽出・分析と対応方針
事業運営リスクは、「影響度」と「頻度」の観点から最新のリスクを抽出・分析し、下記4項目のグループ横断的リスクを「グループ重大リスク」と位置づけ、対応方針を策定しています。
① 気候変動リスク
② 人権侵害リスク
③ 情報セキュリティリスク
④ 地政学リスク
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業務運営リスクマップ(抜粋)
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[短期的な業務運営リスクへの対応方針]
①グループ重大リスクに対して、グループ横断での対応に注力する。
②事業継続マネジメントの取り組みを強化する。
[中長期的な業務運営リスクへの対応方針]
①グループリスクマネジメント規程に則ったリスクマネジメントを遂行するとともに事業継続マネジメントの整
備を進める。
②「3つの防衛線(第1線:業務運営部門、第2線:リスク管理部門等、第3線:内部監査部門等)」における第
2の防衛線による「支援力」を強化する。
[業務運営リスク:グループ重大リスクへの具体的取り組み]
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リスク項目 |
リスク概要 |
関連するマテリアリティ* |
対応策 |
頻度 |
影響度 |
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気候変動 リスク |
・気候変動に伴う制度変更等に対応できない場合、事業継続に支障をきたす可能性があります。 ・気候変動に伴う自然災害の発生 例えば、マテリアル事業においては自然災害による物流の混乱、サプライチェーンへの影響、エネルギートランジションによる原燃料高騰等が想定されます。 |
A |
気候変動を起因とする各事業における関連リスクを網羅的・体系的に把握し管理するものとし、各事業の気候変動リスク棚卸しとリスク管理PDCAの深化を図ります。 また、具体的な事業への影響が経営戦略リスクに相当するものについては、経営戦略リスクへの対応策として取り組みます。 |
中~高 |
大 |
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サプライ チェーンの 人権侵害 リスク |
・サプライチェーン上に存在する人権問題に適切に対応できない場合、事業継続に支障をきたす可能性があります。 |
E |
取引先による法令遵守にとどまらずソフトロー対応状況までを、当社の一貫した方針・ガイドラインの下に把握し管理するものとし、取引先のコンプライアンス管理を強化します。 |
中~高 |
大 |
|
情報セキュリティリスク |
・予期せぬ情報漏洩により競争力を損なう、あるいは、法に抵触し制裁金の対象となる可能性があります。 ・サイバー攻撃により事業継続に支障をきたす、また、重大な情報漏洩、身代金請求につながる可能性があります。
|
E |
情報資産・営業秘密の管理・移転、サイバー攻撃について、物理的脅威・脆弱性、技術的脅威・脆弱性、人的脅威・脆弱性の観点でリスク対応を図り、情報セキュリティガバナンス体制・プロセスの構築を進めるものとし、情報セキュリティ部会を通じて具体的取り組みを推進します。 |
中~高 |
大 |
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地政学リスク |
・紛争やテロにより当社グループ社員の人命・資産が脅かされる、あるいは、物流・調達・インフラの寸断により事業継続に支障をきたす可能性があります。 |
E |
グローバルベースでいずれの事業拠点が巻き込まれても支援出来るよう平時から緊急対応体制を整備するものとし、グローバル危機管理体制整備と訓練を実施します。 |
低 |
大 |
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[業務運営リスク:グループ重大リスク以外の主なリスクへの具体的取り組み] |
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リスク項目 |
リスク概要 |
関連するマテリアリティ |
対応策 |
頻度 |
影響度 |
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危険物・有害物質漏洩・ 爆発火災等 リスク |
・当社グループの生産活動において化学プラントを多く保有しており、それらを取り扱う中で意図せず危険物・有害物質の漏洩や、爆発火災を起こす可能性があります。 |
E |
当社グループ内で「特別防災工場」を指定し、プロセス安全管理を導入するとともに、エンジニアリング組織と連携して防災管理体制を構築します。 |
中 |
大 |
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供給リスク |
・当社グループとサプライチェーンを取り巻く様々な供給に関するリスクとしては、災害時の事業継続に係るもの、労働・人権に係るもの、環境影響に係るもの、不正・腐敗に係るものなどが想定されます |
E |
経営レベルのBCP・緊急対応体制を見直すと共に、サプライチェーンを俯瞰した顧客起点のBCP整備を行います。またグリーバンスシステムを整備し、CSR調達対象の拡大と調達先の監査を進めます。 |
低 |
大 |
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製品・品質 リスク |
・当社の製品・サービスにおいて予期しない重大な品質問題が発生する可能性があります。 |
E |
当社グループでは、帝人(株)及び帝人ファーマ(株)等の主要な子会社に、他の部門から独立した専任の品質・信頼性保証部門を設置し、厳格な品質管理基準に基づき、事業活動全般における品質保証を確保する体制を敷いています。 |
低 |
大 |
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企業倫理・ コンプライアンスリスク |
・当社グループの事業の多様化、グローバル化が進展する中、事業を展開する国や地域において様々な規制に違反した場合、また規制の新設・強化や想定外の適用等に事業活動が抵触するようになった場合、監督当局による行政処分、訴訟対応、事業活動の停止、企業ブランド価値の棄損、ないし、社会的信用失墜のリスクがあります。また、人権課題や腐敗防止への対応等、ソフトローに適切に対応できない事象が発生した場合、事業運営への支障や社会的な信頼の棄損などの影響が生じる可能性があります。 |
E |
当社グループにおけるグローバルレベルでのコンプライアンス推進を管理監督するための、トップマネジメントへの報告体制、コンプライアンス関連規程の見直しを進めると共に、グローバルな内部通報対応体制を整備し、不祥事予防のための啓発・教育活動を継続していきます。 |
中~高 |
大 |
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知的財産 リスク |
・第三者から知的財産権侵害の指摘を受け、製造販売の差止めや損害賠償等が生じた場合、又は当社が保有する知的財産権が第三者によって不法に侵害された場合に、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。 ・当社が営業秘密として管理する未公開の技術ノウハウ等が第三者によって不正に取得された場合に、当社グループの競争優位性が損なわれる可能性があります。 |
E |
当社グループに関連する事業分野において他社が保有する知的財産権を定常的に監視するとともに、当社知的財産権の侵害被疑品に対しては正当な権利主張を行っています。 営業秘密管理の当社グループ統一基準である「グループ営業秘密管理ガイドライン」等に基づく管理と、定期的な管理状況の監査により、厳格な営業秘密の管理を行っています。 |
低 |
大 |
*マテリアリティ A:気候変動の緩和と適応、B:サーキュラーエコノミーの実現、C:人と地域社会の安心・安全の確保、D:人々の健康で快適
な暮らしの実現、E:持続可能な経営基盤のさらなる強化
(2)経営戦略リスクの抽出・分析と対応方針
経営戦略リスクは下記カテゴリーでリスクを分類し、基本的な対応策を設定しています。また、事業戦略における既発現のリスクを含む具体的かつ最新のリスクについて、経営戦略リスクマップを用いて、「影響度」と「発現時期」および「リスクの増減傾向」の観点から分析し、緊急度や影響度に応じた対応方針を設定の上、速やかに対策に着手しています。
<リスク分類>
①マクロ環境リスク
②計画前提リスク
1) 制度変化リスク
2) 市場・競合環境変動リスク
3) 資源投入リスク
4) 資金調達・財務健全性リスク
③個別戦略リスク
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経営戦略リスクマップ(抜粋)
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[短期的な経営戦略リスクへの対応方針]
①地政学的リスク、インフレーションの高進、COVID-19が事業に与える影響を引き続きモニタリングし、経営環境の
悪化に適時に対応する。
②事業計画の進捗状況について、環境変化を含めた定期的なモニタリングを行い、計画との乖離が発生した際に、早急に対応策のアクションを実行する。
③事業創出・拡大に向け計画・実行しているプロジェクトについては、事業環境の変化を考慮し、個別課題に関する具体的なアクションプランを重点的にフォローする。
[中長期的な経営戦略リスクへの対応方針]
①現中期経営計画の実行段階における変化に応じた施策の見直しを確実に行う。
②リスクの一方にあるビジネス機会を逸しないよう既存事業の成長、企業再編や新事業獲得機会を追求する。また、長期ビジョン達成に向けたStrategic Focus領域(将来の収益源育成)やProfitable Growth(利益ある成長)領域への戦略投資において、中長期的に発生するリスクを考慮しながら競争優位性の再検証と具体的な戦略/施策の立案・再検証を行う。
③不測の事態を想定した対応策の準備は常に継続する。
[経営戦略リスク:全般的リスクと基本的対応方針]
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リスク項目 |
リスク概要 |
基本的対応方針 |
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①マクロ環境 リスク |
・各国・地域の景気動向や経済状況、主要な供給先である自動車・航空機市場の動向による販売量の変動 ・原燃料価格変動によるコスト変動 ・外貨建て取引の財務諸表への反映および海外連結子会社の財務諸表の円換算等で必要となる為替レートの変動(対米ドル1円の円高の場合、営業利益で約3億円/年の減益影響) ・金利の変動による支払利息の変動 |
例えばCOVID-19による自動車や航空機市場における影響など、業績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性のあるものを中心に抽出し、アセスメントを実施しています。 原燃料価格は適正在庫水準の確保、長期契約による購入価格安定化や適切な販売価格政策、為替レートは為替予約取引等の活用や海外投資に対する現地通貨建てでの資金調達、金利については負債の長期・金利固定化を通じ、リスク低減を図っています。 |
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②-1)制度変化 リスク |
・温室効果ガス排出規制、プラスチック製品規制等の想定以上の強化 ・米中貿易摩擦の再燃等をはじめとする、世界的な保護主義の台頭や経済安全保障リスクの高まり ・国内における薬価改定等の医療費抑制政策の加速 |
各国・地域における環境規制や保護主義の台頭などの制度変化リスクや、それらの影響も含めた市場・競合環境の変動リスクに対しては、影響する個別事業において事前にコンティンジェンシープランを作成するとともに、予兆も含めモニタリングを継続し、戦略の変更等早めの対応ができるよう準備しています。また、経済安全保障に関しては関連する情報取得を進め、危機の早期把握に努めています。 |
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②-2)市場・競合環境変動リスク |
・競合環境の変化による需給構造の変動 ・素材・中間材料・部品供給ビジネスにおける、末端の需要動向がもたらすサプライチェーン各段階での実体経済以上の在庫調整 ・感染症や災害、地政学的リスクの発現等による生産活動への影響や物流の停滞等のサプライチェーンの混乱がもたらす需給構造の変動 |
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②-3)資源投入 リスク |
・戦略に適合する案件が探索できず、設備投資・M&Aの実施が不可となる、もしくは遅延 ・研究開発費の投入に対し、研究開発の成果が目標から大きく乖離 |
事業創出・拡大のための大型戦略投資案件については、事業環境を考慮した見極めや個別課題へのアクションプランを重点的にフォローしています。 |
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②-4)資金調達・財務健全性リスク |
・経営環境の著しい悪化等で生じる収益性の低下等による、保有する固定資産についての減損損失の発生 ・将来の課税所得の予測・仮定が変更されることで繰延税金資産の一部または全部が回収できないと判断された場合の繰延税金資産の減額 |
資金調達に際しては、短中期的な大規模資金需要や自己資本毀損リスクも踏まえ、財務健全性に配慮した最適資金調達を検討します。定期的に「ネット有利子負債/EBITDA」「自己資本比率」「D/Eレシオ」等をモニタリングするとともに、減損懸念資産や繰延税金資産の継続的なモニタリングを通じて自己資本毀損リスク規模を把握しています。また、運転資本管理、政策保有株式縮減等による資産圧縮を徹底しています。 |
[経営戦略リスク:事業戦略上の主要リスク(経営戦略リスクマップにおける影響度「大」)への対応]
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事業 |
リスク分類 |
リスク概要 |
関連するマテリアリティ* |
対応策 |
時期 |
影響度 |
リスクレベル 増減傾向 |
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マテリアル |
|||||||
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アラミド |
① マクロ環境 |
・欧州天然ガス価格の更なる高騰による収益悪化 |
A~C |
設備改善、省力化等を通じたコストダウンを推進するとともに、適切な価格政策によりリスク低減を図ります。 |
既発現 |
大 |
↑ |
|
③ 個別戦略 |
・生産回復の遅れ、在庫不足による販売数量減 |
A~C |
生産量の回復プログロムを着実に実施し、長期安定的な生産・供給を図ります。 |
短~中期 |
大 |
↓ |
|
|
複合成形 材料 |
① マクロ環境 |
・北米労働力不足 ・原材料価格高騰の長期化 ・世界的な半導体不足 ・自動車販売台数の減少 |
A |
製造ラインの自動化や塗装ラインの内製化を進めます。 適切な価格政策によりリスク低減を図ります。自動車の需要動向を的確に把握するとともに、新規大型プログラムを着実に立ち上げます。エリア毎の事業環境や競合優位性の変化に応じて、適切に戦略の見直しを図ります。 |
既発現 ~短期 |
大 |
→ |
|
②-2) 市場・競合環境 |
・グローバル基盤構築遅れ |
A |
エリア毎の事業環境や競合優位性の変化に応じて、適切に戦略の見直しを図ります。 |
既発現 |
大 |
↑ |
|
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炭素繊維 |
②-2) 市場・競合環境 |
・次世代航空機向け開発プロジェクトの中止・規模縮小・遅延による競争激化 |
A |
事業環境を見極めつつ、供給先の多元化・多様化を推進し、リスクの分散を図ります。他社動向の情報収集に努めるとともに、技術面・営業面から提案力を強化し、リスク発現時にはリカバリー策を機動的に展開します。 |
中〜長期 |
大 |
→ |
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ヘルスケア |
|||||||
|
医薬・ 在宅医療 |
②-1) 制度変化 |
・薬価・診療報酬改定による売上減 |
C、D |
一定の薬価・診療報酬改定影響を、事業計画に織り込んだうえ、マーケットシェア、販売量拡大により影響の極小化を図ります。 |
短~中期 |
大 |
→ |
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②-2) 市場・競合環境 |
・医薬開発パイプライン不足 |
D |
開発品の導入および自社研究を推進し、開発パイプラインの充足化を図ります。 |
中~長期 |
大 |
→ |
|
|
・「フェブリク」後発品上市によるシェア低下 ・糖尿病治療薬の競争激化 |
D |
一定の影響は事業計画に織り込んだうえ、製品間のシナジーを活かし、販路・販売量の拡大を推進することで、マイナス影響の極小化を図ります。 |
短~中期 |
大 |
→ |
||
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ヘルスケア新事業 |
③ 個別戦略 |
・地域包括ケア事業基盤構築を含む、ヘルスケア新事業の拡大未達 |
C、D |
モニタリングを継続し、計画の前提に変化が生じる場合に、その要因に応じた対応策を講じます。 |
中~長期 |
大 |
→ |
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再生医療事業 |
③ 個別戦略 |
・再生医療事業の展開に遅れ |
D |
現時点で計画通りに進捗しており、現状では遅れが生じる可能性は低いものの、モニタリングを継続し、遅れが生じる場合にその要因に応じた対応策を講じます。 |
中~長期 |
大 |
→ |
*マテリアリティ A:気候変動の緩和と適応、B:サーキュラーエコノミーの実現、C:人と地域社会の安心・安全の確保、D:人々の健康で快適
な暮らしの実現、E:持続可能な経営基盤のさらなる強化
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において帝人グループが判断したものです。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
2021年度は、前期に引き続き新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延し、グローバルレベルで社会・経済活動の制限が継続しました。自動車産業や航空機産業を中心に需要が回復に向かう一方、各産業においてサプライチェーンが停滞したほか、半導体不足や原燃料価格・物流費の高騰などが企業業績に大きな影響をもたらしました。またロシアによるウクライナ侵攻勃発後、エネルギーや鉱物などの価格が供給不安によって上昇するなど、経済の先行き不透明感が増大しました。
帝人グループは、持続可能な社会の実現に貢献し、「未来の社会を支える会社」になるという長期ビジョンのもと、2020年度から3か年の中期経営計画を「成長基盤の確立期」と位置づけ、各施策を推進しています。中期経営計画2年目である当期においては、COVID-19の影響を受けながらも、将来の収益拡大に向けた投資として、マテリアル事業領域においてはオランダでパラアラミド繊維の生産能力増強の設備投資を進め、北米では自動車向け複合成形材料のテキサス新工場の建設や炭素繊維新工場の立ち上げを実行しました。また、ヘルスケア事業領域では武田薬品工業株式会社から糖尿病治療薬の販売権を取得し、着実に販売移管を進めるなど、収益基盤の強化と将来の事業拡大に向けた基盤構築を進めました。また、事業間の融合分野として参入した再生医療等製品事業について、子会社化した株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(以下、「J-TEC」)との事業計画を策定し、協同での取り組みに着手しました。このような状況のもと、帝人グループの当連結会計年度の経営成績及び財政状態は以下のとおりとなりました。
1)経営成績
帝人グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高9,261億円(前期対比10.7%増)、営業利益442億円(同19.5%減)、経常利益497億円(同7.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益232億円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失 67億円)となりました。
(単位:億円)
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|
155期 (2021年3月期) |
156期 (2022年3月期) |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
8,365 |
9,261 |
895 |
10.7% |
|
営業利益 |
549 |
442 |
△107 |
△19.5% |
|
経常利益 |
537 |
497 |
△40 |
△7.4% |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失 |
△67 |
232 |
298 |
- |
報告セグメントごとの経営成績の概況は次のとおりです。 (単位:億円)
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|
155期 (2021年3月期) |
156期 (2022年3月期) |
増減額 |
増減率 |
|
|
売 上 高 |
マテリアル |
2,970 |
3,851 |
881 |
29.7% |
|
ヘルスケア |
1,487 |
1,836 |
349 |
23.5% |
|
|
繊維・製品 |
3,149 |
2,825 |
△325 |
△10.3% |
|
|
IT |
581 |
538 |
△43 |
△7.5% |
|
|
その他 |
178 |
212 |
33 |
18.6% |
|
|
合計 |
8,365 |
9,261 |
895 |
10.7% |
|
|
営 業 利 益 |
マテリアル |
10 |
△57 |
△67 |
- |
|
ヘルスケア |
315 |
432 |
116 |
37.0% |
|
|
繊維・製品 |
175 |
56 |
△119 |
△67.8% |
|
|
IT |
104 |
97 |
△7 |
△6.7% |
|
|
その他 |
△2 |
△21 |
△19 |
- |
|
|
消去又は全社 |
△52 |
△64 |
△12 |
- |
|
|
合計 |
549 |
442 |
△107 |
△19.5% |
|
|
マテリアル事業領域 |
:[売上高 3,851億円(前期比29.7%増)、営業損失 57億円(前期 営業利益 10億円)] |
売上高は3,851億円と前期比881億円の増収、営業損失は57億円と前期比67億円の減益となりました。
|
ヘルスケア事業領域 |
:[売上高 1,836億円(前期比23.5%増)、営業利益 432億円(同37.0%増)] |
売上高は1,836億円と前期比349億円の増収、営業利益は432億円と前期比116億円の増益となりました。
|
繊維・製品事業 |
:[売上高 2,825億円(前期比10.3%減)、営業利益 56億円(同67.8%減)] |
売上高は2,825億円と前期比325億円の減収、営業利益は56億円と前期比119億円の減益となりました。
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IT事業 |
:[売上高 538億円(前期比7.5%減)、営業利益 97億円(同6.7%減)] |
売上高は538億円と前期比43億円の減収、営業利益は97億円と前期比7億円の減益となりました。
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その他 |
:[売上高 212億円(前期比18.6%増)、営業損失 21億円(前期 営業損失 2億円)] |
売上高は212億円と前期比33億円の増収、営業損失は21億円と前期比19億円の減益となりました。
2)財政状態

当期末の総資産は、前期末に比べて1,665億円増加し、12,076億円となりました。流動資産は、現金及び預金や売掛債権、その他流動資産等の増減により、前期末に比べて374億円増加しました。固定資産は、償却を上回る設備投資により有形固定資産が327億円増加したことや、武田薬品工業株式会社からの2型糖尿病治療剤の販売権取得により販売権が1,182億円増加した一方で、主に退職給付信託への拠出資産を一部返還したことにより、退職給付に係る資産が228億円減少しており、前期末に比べて1,290億円増加しました。
負債は、前期末に比べて1,320億円増加し、7,428億円となりました。主に販売権の取得資金として社債を発行したことで、有利子負債が1,051億円増加しました。
純資産は、前期末に比べて344億円増加し、4,648億円となりました。主に親会社株主に帰属する当期純利益232億円の計上、及び主要通貨に対する円安の進行による為替換算調整勘定の増加によるものです。
これらの結果、Ⅾ/Eレシオは1.10倍、自己資本比率は36.4%となりました。(前期末 Ⅾ/Eレシオ0.94倍、自己資本比率39.0%)
なお、当期末のBS換算レートは、122円/米ドル、137円/ユーロ、1.12米ドル/ユーロ(前期末111円/米ドル、130円/ユーロ、1.17米ドル/ユーロ)となっています。
② キャッシュ・フローの状況

当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益の計上や、減価償却費等の非資金項目、退職給付信託に拠出していた資産の一部返還による収入があった一方、運転資本の増加による支出等があり、合計で897億円の収入(前期は1,077億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入があった一方、主に武田薬品工業株式会社からの2型糖尿病治療剤の販売権の取得や、設備投資等の支出により、1,984億円の支出(前期は796億円の支出)となりました。
この結果、営業活動に投資活動を加えたフリー・キャッシュ・フローは1,087億円の支出(前期は281億円の収入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当の支払があった一方、主に社債の発行や短期・長期借入金の借入による収入により、711億円の収入(前期は209億円の支出)となりました。
これらの結果、現金及び現金同等物に係る換算差額等も加え、当期における最終的な現金及び現金同等物の減少額は358億円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
帝人グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各報告セグメントの経営成績に関連付けて示しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等
経営者の視点による帝人グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
帝人グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
また、帝人グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えています。
1) 貸倒引当金の計上基準
帝人グループでは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を繰入計上しています。将来、顧客の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
2) 棚卸資産の評価基準
帝人グループの販売する製品の価格は、市場相場変動の影響を強く受ける傾向にあるので、その評価基準として主に原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しています。)を採用しています。
3) 投資有価証券の減損処理
帝人グループは、金融機関や、製造・販売等に係る取引会社及び関係会社の株式を保有しています。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクや、経営状態・財務状況の悪化による価値下落リスクを負っているため、合理的な基準に基づき、投資有価証券の減損処理を行っています。
4) のれんを含む固定資産の評価
帝人グループは、のれんを含む固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」、IFRS及び米国会計基準に基づき、減損処理の要否を検討しています。事業損益見込みの悪化や事業撤収の決定等があった場合には、将来キャッシュ・フローや回収可能価額を合理的に見積り、減損損失を計上しています。
5) 繰延税金資産の回収可能性
帝人グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、将来の課税所得を合理的に見積っています。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するので、課税所得の見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 経営成績等
a) 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
帝人グループの当期の経営成績は、売上高が前期対比10.7%増の9,261億円となり、営業利益は同19.5%減の442億円となりました。経常利益は持分法投資利益の計上等により前期対比7.4%減の497億円、親会社株主に帰属する当期純利益は減損損失の計上等により232億円(前期は67億円の損失)となりました。営業利益に関して、ヘルスケア事業領域では、好調な「フェブリク」販売や糖尿病治療薬の販売承継効果で大幅増益となり、IT事業も底堅い収益を確保しました。一方、マテリアル事業領域では自動車用途や航空機用途を中心に、COVID-19影響から需要が回復し販売量が増加したものの、第2四半期から顕在化した半導体不足の影響や、原燃料価格・物流費の高騰、一部事業での定修や停電による生産休止の影響を受け減益となり、繊維・製品事業も医療用防護具(ガウン)の官需が収束した影響で減益となりました。
その結果、収益性を示すROEは中期経営計画最終年度(2022年度)目標(10%以上)を大きく下回る5.5%となり、営業利益ROICについても中期経営計画最終年度目標(8%以上)を下回る5.5%となりましたが、キャッシュ創出力を示すEBITDAは前期(1,068億円)を上回る水準の1,130億円となりました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりです。
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マテリアル事業領域 |
:[売上高 3,851億円(前期比 29.7%増)、営業損失 57億円(前期 営業利益 10億円)、EBITDA 250億円(同 20.6%減)] |
COVID-19影響からの需要回復により自動車用途や航空機用途を中心に販売量が増加したものの、半導体不足や原燃料価格・物流費高騰、一部事業の定修や生産休止などが収益に大きく影響しました。各事業分野で販売価格改定を進め、収益性の改善を図りました。
売上高は3,851億円と前期対比881億円の増収(29.7%増)、営業損失は57億円(前期は10億円の営業利益)となりました。EBITDAは前期対比65億円減の250億円となり、営業利益ROICは△2%となりました。
アラミド事業分野では、主力のパラアラミド繊維「トワロン」において、自動車用途を中心とし各市場において需要回復が進み、販売量が増加しました。一方、第1四半期に実施した大型定修とその期間延長、並びに第3四半期に発生した原料工場の停電による生産休止により在庫が逼迫し、販売量にも影響しました。また、欧州の天然ガス価格高騰による燃料コストの上昇を受けて、販売価格改定を進めました。結果、前期対比増収・減益となりました。
樹脂事業分野では、半導体不足、COVID-19による顧客における稼働減少の影響を受け、販売量は前期対比若干減少しました。また、主原料であるBPAの価格高騰影響を受けて、販売価格改定を進めました。結果、前期対比増収・増益となりました。
炭素繊維事業分野では、航空機、風力発電、レクレーションを含む用途全般において炭素繊維「テナックス」の販売量が増加しました。また、主原料であるANの需給逼迫による価格高騰を受けて、販売価格の改定を進めました。結果、前期対比増収・増益となりました。当期において北米新工場の稼働を開始しており、将来に向けた航空機向け中間材料開発を継続しています。
電池部材事業分野では、リチウムイオンバッテリー(LIB)用セパレータ「リエルソート」がスマートフォン向けの販売量を伸ばしました。また、ライセンス供与しているコーティング技術を使用した電気自動車向けLIB用セパレータの販売の進展に伴い、ライセンス対価の受領が始まっています。結果、前期対比増収・増益となりました。
複合成形材料事業分野では、半導体や部品の供給不足により主要顧客であるOEMの生産休止が継続したことで、Teijin Automotive Technologies* が米国において注力するSUV・ピックアップトラック向けの部材生産にもその影響が波及しました。また、需給逼迫による原材料価格の高騰が継続し、製造コストに大きく影響しました。そのため、顧客との販売価格改定交渉を進め、第4四半期より一部の顧客との間で価格改定を実現しました。米国における失業給付加算の終了後も低位に推移していた労働市場参加率は期後半より少しずつ改善の傾向を示しており、Teijin Automotive Technologies(米)における人員確保の状況は徐々に改善しました。結果、前期対比増収・減益となりました。
* 自動車向け複合成形材料事業のグローバル事業ブランド
マテリアル事業領域のEBITDAの増減分析(前年対比)は以下のとおりです。

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ヘルスケア事業領域 |
:[売上高 1,836億円(前期比 23.5%増)、営業利益 432億円(同 37.0%増)、EBITDA 705億円(同 61.4%増)] |
主力製品である「フェブリク」の販売や在宅医療機器のレンタルは堅調となりました。販売承継した糖尿病治療薬も順調に推移し、増収・増益に大きく貢献しました。2017年に米国メルク社へライセンス供与したアルツハイマー病治療薬候補のマイルストーン(一時金)収入がありました。過去最高の営業利益を計上しました。
売上高は1,836億円と前期対比349億円の増収(23.5%増)、営業利益は432億円と前期対比116億円の増益(37.0%増)となりました。EBITDAは前期対比268億円増の705億円となり、営業利益ROICは20%となりました。
医薬品分野では、2021年4月1日付で武田薬品工業株式会社より承継した2型糖尿病治療剤4製品の販売が順調に推移しました。また、主力製品である「フェブリク」や先端巨大症・下垂体性巨人症/神経内分泌腫瘍治療剤「ソマチュリン*」が順調に販売量を拡大しました。さらに、2021年6月に「下肢痙縮」の効能追加承認を取得した「ゼオマイン」も、堅調に販売量を拡大しました。2017年に米国メルク社へライセンス供与したアルツハイマー病治療薬候補の臨床試験開始に伴うマイルストーン収入(一時金)を2021年12月に受領しました。
* ソマチュリン®/Somatuline®は、Ipsen Pharma(仏)の登録商標です。
在宅医療分野では、在宅酸素療法(HOT)市場において、医療機関におけるCOVID-19向け病床確保のための入院抑制・在宅療養へのシフトが継続し、酸素濃縮器のレンタル台数が伸長しました(前期末対比約3%増)。また、在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)市場では、検査数が緩やかな回復基調となり、レンタル台数の増加が継続しました(前期末対比約8%増)。
結果、医薬品・在宅医療分野においては、前期対比増収・増益となりました。
ヘルスケア新事業分野では、人工関節・吸収性骨接合材等の埋め込み型医療機器事業において、手術数の回復
傾向に加え、新製品の販売が順調に伸長しました。ただし、地域包括ケア等の新規事業の先行費用の影響もあり、前期対比増収・減益となりました。
ヘルスケア事業領域のEBITDAの増減分析(前年対比)は以下のとおりです。

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繊維・製品事業 |
:[売上高 2,825億円(前期比 10.3%減)、営業利益 56億円(同 67.8%減)、EBITDA 121億円(同 49.3%減)] |
売上高は2,825億円と前期対比325億円の減収(10.3%減)、営業利益は56億円と前期対比119億円の減益(67.8%減)となりました。EBITDAは前期対比118億円減の121億円となり、営業利益ROICは4%となりました。
衣料繊維は、欧米や中国向けの素材・製品の販売や重衣料の国内販売に回復が見られるものの、COVID-19による国内市況低迷や海外工場のロックダウン、原燃料価格や物流費の高騰により、全般的に苦戦しました。産業資材では、自動車関連部材や電子部品向けの化成品の販売は好調に推移し、水処理フィルター向けのポリエステル短繊維も好調を維持しましたが、第2四半期以降、半導体不足による自動車生産台数減少の影響を受けました。医療用防護具(ガウン)の官需が収束した影響があるものの、事業の選択と集中による基礎収益力の底上げや、コロナ禍に対応したデジタルツールの活用等による販管費減が業績に寄与しました。またコスト上昇に対する販売価格改定を進めました。
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IT事業 |
:[売上高 538億円(前期比 7.5%減)、営業利益 97億円(同 6.7%減)、EBITDA 108億円(同 4.3%減)] |
売上高は538億円と前期対比43億円の減収(7.5%減)、営業利益は97億円と前期対比7億円の減益(6.7%減)となりました。EBITDAは前期対比5億円減の108億円となり、営業利益ROICは61%となりました。
ネットビジネス分野では、電子コミックサービスにおいて前期の外出自粛による特需の収束や海賊版サイトの影響が続いたため減収となりましたが、広告費最適化により利益を確保しました。ITサービス分野では、COVID-19の影響が残る中、堅調に推移しました。なお、主にオフィス移転による販管費増のため全体では減益となっています。
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その他 |
:[売上高 212億円(前期比 18.6%増)、営業損失 21億円(前期 営業損失2億円)] |
売上高は212億円と前期対比33億円の増収(18.6%増)、営業損失は21億円(前期は営業損失2億円)となり、EBITDAは前期対比6億円減の1億円となりました。
J-TECにおいて、2021年6月に製造販売承認を取得した「オキュラル」(角膜上皮幹細胞疲弊症に対する口腔粘膜上皮細胞を用いた世界初の再生医療等製品)が2021年12月に保険収載され、販売を開始しました。また、2021年11月、他家(同種)培養表皮の治験を開始しました。再生医療製品事業及び研究開発支援事業の売上は拡大した一方で、前親会社でかつ主要取引先であった富士フイルム株式会社との受託開発取引停止に伴う再生医療受託事業の売上減少により、前期比減収となりました。
b) 財政状態及びキャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の財政状態、キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 2)財政状態、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(帝人グループの資本の財源及び資金の流動性について)
帝人グループは、持続可能な社会の実現に向けて、「環境価値」「安心・安全・防災」「少子高齢化・健康志向」の3つのソリューションを中心とした価値を提供することで「未来の社会を支える会社」になることを目指し、事業ポートフォリオ変革に取り組んでいます。そのため、獲得した資金は財務体質の健全性を維持しながら「将来の成長に向けての投資」に優先的に配分しますが、「安定的・継続的な配当」にも配慮し、中期的な配当性向は30%を目安とし、状況に応じて自己株式取得等も機動的に実施します。また、積極的な成長投資を実行しながら企業価値を向上させていくために、資本コストを意識した経営を行っており、ROEや営業利益ROICを最重要指標として位置付け、資本効率の向上に取り組んでいます。
帝人グループの資金需要の主なものは、製品製造のための原材料等の購入、製造費、販売費やサービス提供費用等の運転資金需要に加え、設備投資や研究開発活動費等の「将来の成長に向けての投資」としての資金需要があります。マテリアル事業領域では、パラアラミド繊維の生産能力増強の設備投資を進めた他、北米において自動車向け複合成形材料のテキサス新工場、および炭素繊維のサウスカロライナ新工場がそれぞれ完成し、稼働を開始しました。ヘルスケア事業領域では、2021年4月1日付で武田薬品工業株式会社から2型糖尿病治療剤の日本における販売移管等を実施し、承継価額は1,330億円となりました。また、再生医療等製品事業への参入を目的としたJ-TECのTOBによる子会社化を行うなど、大型投資を推し進めました。中期経営計画2020-2022『ALWAYS EVOLVING』の3年累計では、設備投資及びM&A枠として当初3,500億円の資源投入規模を設定していましたが、上記大型投資を踏まえて4,500億円まで拡大し、今後も「将来の成長に向けての投資」を継続していきます。研究開発費については、マテリアル事業領域の複合成形材料分野やヘルスケア事業領域を中心に同中期経営計画の3年累計で1,100億円の資源投入を計画しています。
帝人グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により資金調達を行っており、財務体質の健全性を維持(D/Eレシオ0.9が目安)しながら資本効率の維持・向上を図るべく、最適な選択を実施していきます。また、日米欧中の各拠点においては、グループ内余剰資金を活用するためにキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上に努めています。帝人グループは、国内格付機関である格付投資情報センターから格付を取得しており、本報告書提出時点においてはAマイナス(安定的)となっています。金融機関には十分な借入枠を有しており、帝人グループの事業運営に必要な運転資金や将来の成長に向けた投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識するとともに、高水準で維持している現預金も含め、緊急時の流動性を確保しています。
なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は4,852億円となりました。 資金調達コストの低減に努める一方、設備投資に対応する借入の大部分については、長期調達するとともに過度に金利変動リスクに晒されないよう金利スワップ等の手段を活用し、固定化しています。また、2021年4月1日付の2型糖尿病治療剤販売承継のための資金の一部として、格付会社より発行額の50%に対して資本性が認定されたハイブリッド社債を2021年7月21日付で600億円発行し、一時的に悪化する財務体質を改善し将来の収益源育成に向けた資源投入の実行を支える財務健全性を確保することとしました。今後はハイブリッド社債の資本性考慮後ベースにて「D/Eレシオ目安0.9」の水準までの早期改善を目指します。
2) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
3) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2020年2月に公表した中期経営計画2020-2022『ALWAYS EVOLVING』では、前中期経営計画に引き続き、投資効率を測るための指標としてROEと営業利益ROICを重視するとともに、効率だけでは無く稼ぐ力を測るための指標としてEBITDAも重視しています。中期経営計画においては、最終年度である2022年度でROEは10%以上、営業利益ROICは8%以上、またEBITDAは1,500億円という目標を掲げています。
中期経営計画2年目となる当期においてはROEが5.5%、営業利益ROICは5.5%となり、EBITDAは1,130億円と前年度対比増加しました。
また、各種指標の推移は以下のとおりです。
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第152期 (2018年3月期) |
第153期 (2019年3月期) |
第154期 (2020年3月期) |
第155期 (2021年3月期) |
第156期 (2022年3月期) |
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ROE(%) |
12.5 |
11.2 |
6.3 |
△1.7 |
5.5 |
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営業利益ROIC(%) |
11.2 |
9.3 |
8.7 |
8.6 |
5.5 |
|
EBITDA(億円) |
1,155 |
1,076 |
1,072 |
1,068 |
1,130 |
(注)各指標はいずれも当社連結ベースの財務数値を用いて算出しています。
・ROE:親会社株主に帰属する当期純利益/期首・期末平均自己資本
・営業利益ROIC:営業利益/期首・期末平均投下資本
※投下資本・・・純資産+有利子負債-現金及び預金
・EBITDA:営業利益+減価償却費(のれんを含む)
中期経営計画最終年度である2022年度の見通しは、COVID-19蔓延による経済への影響が未だ継続しており、予断を許さない状況ですが、世界各国でのワクチン接種や、経口抗ウイルス薬の普及等により、感染が一定程度収束することを前提としています。一方、ロシアによるウクライナへの侵攻に伴う社会不安の増大や急激な物価上昇の継続が懸念され、先行きは引き続き不透明感が強い状況にあることを踏まえ、2022年度経営指標の見通しを、ROE6%、営業利益ROIC6%、EBITDA1,250億円としています。ヘルスケア事業領域では主力製品である高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク」の後発品参入影響があるものの、マテリアルにおけるCOVID-19からの回復や各事業での生産能力増強、新工場稼働による販売数量の増加、継続する天然ガス・原材料価格高騰に対する販売価格改定やコスト削減施策の発現により、EBITDAは2021年度から増加を見込んでいますが、中期経営計画最終年度の目標に対して、ROE、営業利益ROIC、EBITDAのいずれも下回る見込みです。
EBITDAの中期計画目標未達の主な要因として、マテリアル事業領域では複合成形材料事業における原材料価格の想定以上の高騰や労務費高騰等による収益性改善遅れやアラミド事業の期首の販売可能在庫不足影響等を見込んでいます。一方、ヘルスケア事業領域では、武田薬品工業株式会社からの糖尿病治療薬販売承継が大きく貢献する一方で、M&Aの実施を含む新事業の収益化遅れ等を見込んでいます。
セグメント別の営業利益ROICおよびEBITDAの見通しは以下の通りです。
営業利益ROIC
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2021年度 |
2022年度 見通し |
差 (対2021年度) |
|
2022年度 中期計画目標 |
差 (対中期計画) |
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マテリアル |
△2% |
4% |
6% |
- |
- |
|
|
ヘルスケア |
20% |
13% |
△7% |
- |
- |
|
|
繊維・製品 |
4% |
6% |
2% |
- |
- |
|
|
IT |
61% |
58% |
△3% |
- |
- |
|
|
その他 |
- |
- |
- |
- |
- |
|
|
合計 |
5.5% |
6% |
0% |
8% |
△2% |
EBITDA (億円)
|
|
2021年度 |
2022年度 見通し |
差 (対2021年度) |
|
2022年度 中期計画目標* |
差 (対中期計画) |
|
マテリアル |
250 |
520 |
270 |
650 |
△130 |
|
|
ヘルスケア |
705 |
525 |
△180 |
600 |
△75 |
|
|
繊維・製品 |
121 |
150 |
29 |
250 |
△45 |
|
|
IT |
108 |
110 |
2 |
|||
|
その他 |
△54 |
△55 |
△1 |
|||
|
合計 |
1,130 |
1,250 |
120 |
1,500 |
△250 |
*2021年5月 セグメント別内訳見直し後

* 繊維・製品、IT、 その他および消去又は全社の合計
また、当社は持続的な成長基盤の確立やESG観点を踏まえ、役員の業績連動報酬の評価指標の一部として、ポートフォリオ変革の達成度(Strategic Focus分野でのEBITDA割合)および女性役員と非日本人役員の人数目標といった非財務KPIを設定しています。こうした指標を評価指標として組み込むことで各種施策の積極的な推進を図っています。
業績連動型株式報酬の業績評価期間及び業績評価指標等(抜粋)
<非財務指標>
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業績評価指標 |
目標値 |
役位別株式報酬基準額の構成割合(1年間分) |
業績評価期間 |
|
1)Changing Portfolio |
2022年度のStrategic Focus分野のEBITDAの割合≧15% |
10% |
2年間 |
|
2)Diversity and Inclusion |
2022年度の女性役員6名以上、非日本人役員6名以上(※「役員」には、執行役員、理事を含む) |
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。
(1) 研究開発活動
帝人グループは、「たゆまぬ変革と挑戦」によって新しい価値を創造し、持続可能な社会の実現に向けてソリューションを提供することで「未来の社会を支える会社」になることを目指しています。重要社会課題として取り組む「気候変動の緩和と適応」「サーキュラーエコノミーの実現」「人と地域社会の安心・安全の確保」「人々の健康で快適な暮らしの実現」に対して、人を中心に考え、Quality of Lifeを向上させる「環境価値」、「安全・安心・防災」、「少子高齢化・健康志向」の3つのソリューション領域を通して価値を社会に提供することを目指しています。また、事業活動に伴う環境、社会への負の影響を最小限とする取り組みも続けています。
中期経営計画2020‐2022「ALWAYS EVOLVING」では、イノベーションの創出基盤を強化し、事業機会の創出を加速することを経営基盤強化の基本方針の1つに掲げています。
イノベーション創出に向け、研究開発においては、マテリアル、ヘルスケア、繊維・製品およびIT事業を併せ持つ帝人グループの特徴を生かした技術の連携・活用と融合・複合化により、グループとしての総合力・機動力を発揮することを推進しています。また、帝人グループ内の技術や人財だけではなく、外部技術の積極的な活用により開発のスピードアップを推進し、IoTモニタリング技術、機械学習やAI技術、またマテリアルズインフォマティックスの利活用による研究開発力の強化にも取り組んでいます。
研究開発体制については、国内12カ所、海外13カ所の拠点からなるグローバルなネットワークを有しており、グループ各社の連携を強化して組織を活性化するとともに、コーポレート組織に新規事業の探索・立ち上げおよびイノベーション創出のための環境整備を実行する組織体制を作り、多様な人財が能力を発揮してイノベーション創出を加速する仕組みを取り入れています。
なお、当連結会計年度の研究開発費は
報告セグメントごとの研究開発活動の概要は次のとおりです。
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<マテリアル事業領域> 「環境価値ソリューション」に関わる取り組みとして、高機能素材とマルチマテリアル化により高付加価値用途へ展開し、製品の長寿命化を図るとともに、ケミカルリサイクル技術の応用や複合材料リサイクルの技術課題にも取り組み、カーボンニュートラルの社会実現に資する技術開発・研究開発を行っています。環境対応分野に注力した開発拠点として「European Sustainable Technology Innovation Center」(ESTIC)を設置し、バイオマテリアルの開発、サーキュラーエコノミーの実現や、風力や水素などの代替エネルギーに関する研究開発を推進しています。「安心・安全・防災ソリューション」に向けた取り組みとして、震災対策の一環で構造物の耐震補強材として高強度と柔軟性を兼ね備えたアラミド繊維や炭素繊維の開発を進めています。また、「少子高齢化・健康志向ソリューション」に向けた取り組みでは、ヘルスケア事業との融合領域として骨や再生医療などの分野での研究開発を推進しています。さらに、研究開発のみならず生産工場へのマテリアルインフォマテックス活用やICTの導入を積極的に行い、デジタルトランスフォーメーションを推進しています。 アラミド事業分野では、その高い機能性を活かして自動車、航空用コンテナ、消防服、ロープやケーブル補強など幅広い分野に使用されており、ライフプロテクション、プロテクティブアパレル、オートモーティブ、エアロスペース、インダストリーの5つを主力テーマとして、アラミド繊維製造技術および新商品の開発に取り組んでいます。パラ系アラミド繊維である「トワロン」「テクノーラ」を用いて、海洋ロープ用途開発では、安全性が高く、かつリサイクル可能な海洋ロープの開発を進め、防護衣料用途では製品寿命の延長による環境負荷低減技術の開発に着手するなど、環境に配慮した製品づくりに取り組んでいます。また、メタ系アラミド繊維である「コーネックス」においては、その耐久性、難燃性を生かし、フォーミュラE参戦のEnvision Virgin Racing向け軽量レーシングスーツに採用されました。なお、「トワロン」はグローバル市場における需要の拡大に対応するため、2022年度までに生産能力を25%以上増強する計画を進めています。当該生産能力増強において、CO₂排出量削減技術の導入を予定しており、これにより社会と企業の持続的な発展を目指すとともに、独自のCUSTOMER BENEFIT MODELによりサプライチェーン上での環境負荷低減の見える化の取り組みも開始しています。 樹脂事業分野では、今後成長が見込まれる高速通信、自動車先進化、カーボンニュートラルに対応した高機能材料の研究開発を行っています。ポリカーボネート樹脂では、高度な分子設計技術と重合制御技術を活かして、世界最高水準の屈折率を有するスマートフォンカメラレンズ向け樹脂の開発を進めました。コンパウンド製品では、耐薬品性・耐熱性・硬度・摺動性などの機能を持つ製品群の開発と、持続可能な社会の実現に向けてリサイクル技術を活用した環境対応材料の開発を進めています。加工製品では車載ディスプレイ大型化に対応する高機能シート・フィルムの開発を行っています。また、これらの樹脂材料開発全般において、マテリアルズインフォマティックスを活用することで研究の高速化、高度化に役立っています。 炭素繊維事業分野では、高収益・高成長分野での事業拡大を進めるとともに、環境規制の高まりに伴う低燃費化の要請に応え、環境価値ソリューションとして「軽くて強い」高機能素材の拡大を図っています。特に未来の最新鋭航空機に向けたソリューションとして、炭素繊維原糸から織物基材、熱可塑性及び熱硬化性樹脂を使用した中間材料や工法の開発に積極的に取り組んでおります。炭素繊維については、製造に際してのCO₂排出量の算出方法を確立し、当社が展開する炭素繊維についてライフサイクルアセスメント(LCA)への対応を可能としました。今後は短繊維や中間材料へと、LCA対象範囲の拡大を進めます。また、CO₂排出量低減を目標に、炭素繊維リサイクル技術の開発、社外との業務提携によるリサイクル炭素繊維を使用した製品の生産・供給体制の構築に向けた取り組みを進めており、幅広い潜在ニーズに応える製品の開発をより一層強化し、革新的な高性能材料とソリューションを提供していきます。 複合成形材料事業分野では、成長を続ける電気自動車をはじめとする次世代自動車向けに、環境配慮型の材料やソリューション技術の開発に注力しています。素材から加工、成形、リサイクルに至るバリューチェーン全体のライフサイクルにおけるCO₂排出量削減に向けた技術開発や様々な取り組みの強化を続けており、自動車業界が求める軽量化、安全性と耐久性を実現しながら、素材および製品の開発・設計の段階から環境負荷低減を組み込んでいくことができる世界にも類をみないTier-1サプライヤーとしてのポジションを確立していきます。また、複合材料と金属材料を組み合わせたマルチマテリアル技術を駆使した自動車パーツの製造段階において、積極的に自動化およびICT技術の導入を進めています。この効果により、製品の性能安定性と品質を向上させると同時に生産効率やコスト効率を高めることで、顧客が要求する、より軽く、より複雑な形状の高外観製品を、安定して量産供給することを可能にしています。 新事業分野では、リチウムイオン二次電池(LIB)に使用される溶剤系コーティングセパレータの製造に関して、エンドユーザーや基材メーカーとの連携による次世代新製品の開発を進めるとともに、ライセンスビジネスの極大化を図っています。また、メンブレン事業については、液体フィルターの最先端用途向けに小孔径かつ高流量を実現する膜の開発を継続しています。 当セグメントに係る研究開発費は |
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<ヘルスケア事業領域> 骨・関節、リハビリ・脳神経、呼吸器、代謝・循環器を重点領域に定め、医薬品と在宅医療のシナジーも生かしながら、患者さんのQuality of Life 向上、新たな治療選択肢の提供につながる医薬品、医療機器、そして付加価値サービスを生み出すために、積極的な研究開発を行っています。また、デジタルヘルスケア、機能性食品素材などの分野で、未病~疾病~介護の全てに対応するヘルスケア事業基盤の構築、情報プラットフォームを活用した新規事業の創出に注力しています。 医薬品分野では、「ゼオマイン」の適応拡大として、2021年6月に「下肢痙縮」の効能・効果の追加承認を取得しました。加えて、2021年7月に「ゼオマイン」の流涎症への適応拡大に向けた第III相試験に着手しました。また、2017年にMerck & Co., Inc. にライセンス供与したアルツハイマー病治療薬候補「抗リン酸化タウ抗体」の臨床試験開始に伴い、マイルストーン(一時金)を2021年12月に受領しました。Iktos SASと、医薬品候補化合物の探索プロセスを人工知能(AI)で効率化する技術について共同で研究開発を行う契約を締結しました。2022年1月に医療技術研究所を生物医学総合研究所に移管し、医薬品と医療機器の人財・技術の共創によるユニークなヘルスケアソリューションの創出を目指します。 在宅医療分野では、当社独自技術により40%酸素の制御を可能とした酸素濃縮装置「マイルドサンソ 40i」を上市しました。既に展開中の統合型濃縮器「ハイサンソi」と同様の見やすい液晶表示や通信機能の搭載によって、よりきめ細やかにアドヒアランスの確認をサポートできる製品です。引続き、周辺機器を含めた製品ラインナップの充実のため研究開発を進めます。2020年4月に出資した米国ヘルスケアベンチャーキャピタルファンドであるMedtech Convergence Fundでは米国を中心に医療機器のスタートアップ企業に対する投資やインキュベーション活動を進めており、これらを通じて画期的なヘルスケア領域の新規製品・サービスの獲得を目指します。また、米医療機器メーカーのelectroCoreから、群発頭痛や片頭痛など慢性頭痛を和らげる効果が期待できる機器を日本で独占的に開発・販売する権利を獲得しました。これから日本国内で医療機器としての承認・発売を目指します。 新事業分野では、医療機器分野において、大阪医科大学、福井経編興業㈱との3社で共同開発を進めている心・血管修復パッチ「 OFT-G1(仮称)」について、その臨床試験で目標としていた症例数の被験者登録を完了しており、承認申請および上市を目指して開発を継続して進めています。また、人工関節事業を展開する帝人ナカシマメディカル㈱は、2012年より日本医療研究開発機構(AMED)において東京医科歯科大学を代表機関とするプロジェクトの成果として、自家骨を粉砕して充填することのない脊椎固定用デバイス「UNIOS PLスペーサー」を開発し、2021年6月に上市しました。 当セグメントに係る研究開発費は |
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<繊維・製品事業> 繊維・製品事業では、衣料製品や産業資材を中心とする様々な用途で付加価値の高い繊維製品を開発し、人々の暮らしを進化させていくとともに、環境問題をはじめとする様々な社会課題に対するソリューションを提供しています。未来を見据えた、豊かな暮らしの実現と、サステナブルな社会を支えていくことが重要な課題です。コロナ禍における巣ごもり需要に対応する機能性原綿として、抗菌・抗ウイルス性能を有する「ウイルサラバ」と、抗菌・防ダニ性能を有する「ダニスト」を開発するとともに、医療従事者向けに、高い安全性と快適性を兼ね備えた着脱しやすい形状の医療用ガウンを開発しました。また、環境戦略「THINK ECO」のもと、リサイクルポリエステル原料を使用した超極細ポリエステルナノファイバー「ナノフロント」の量産化技術を確立しました。これにより、当社が展開する衣料用のポリエステル繊維は、全てリサイクル原料を使用することが可能となりました。 当セグメントに係る研究開発費は |
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<IT事業> ネットビジネス分野において、電子コミック配信サービス「めちゃコミック」へのAIの適用について、 またITサービス分野において、ヘルスケア領域等でのデータ活用・AI活用について研究開発を行いました。 当セグメントに係る研究開発費は
上記セグメントに属さない研究開発活動として、再生医療事業領域において、当社の子会社である㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングが自家培養口腔粘膜上皮「オキュラル」の製造販売承認を取得し、また、他家(同種)培養表皮「Allo-JaCE03」の治験を開始しました。また同社は、2022年1月に、第 10 回 技術経営・イノベーション大賞において、日本初の再生医療等製品 自家培養表皮「ジェイス」の普及に関する功績で「経済産業大臣賞」を受賞しました。同社はヒト培養表皮モデル、ヒト培養角膜上皮モデルである「ラボサイト」シリーズを製造販売していますが、帝人の技術も組み合わせて「ラボサイト」後継品の開発を推進し、高い成長率が想定される動物実験代替製品事業の拡大を目指します。 この他、グループ共通の基盤技術の向上やエンジニアリング分野に関する研究開発等を行っています。 これに係る研究開発費は |
(2) 知的財産活動
帝人グループの知財活動は、経営戦略である「ポートフォリオ変革」の実現に向けて、帝人グループの知財ポートフォリオ変革を目的とし、将来の収益獲得のために育成するStrategic Focus分野及びさらなる成長を目指すProfitable Growth分野の両方において、経営戦略に沿った事業目標を達成するため、それぞれの事業分野において以下を基本方針とした知財・無形資産の創出を推進しています。
<Strategic Focus分野(将来の収益源育成)>
事業戦略に沿ってテーマ毎に、競争優位性を確保するための知財創出目標を策定し、目標の達成に向けて知的財産を、R&Dだけではなく、M&A等も含めて戦略的に創出・取得しています。知財創出目標の策定に当たっては、各種産業財産権に限らず、著作権、営業秘密及び知財関係契約等を総合的に活用する「知財ミックス」を重視しています。
<Profitable Growth分野(利益ある成長)>
事業競争優位性の維持・向上のため、既存の知財網を延命化する知的財産の創出・取得を継続しており、また、基本技術に関する知的財産権の存続期間満了後も事業競争優位性を維持できるよう、独自の技術ノウハウについては営業秘密として厳格な管理を維持継続しています。
このような各分野の戦略に基づく知財活動の推進により、帝人グループの知財ポートフォリオは変化し始めており、例えば、帝人グループが保有する特許権がカバーする技術領域は、Profitable Growth分野を確実に維持しながら、Strategic Focus分野において拡大しています(図1)。また、帝人グループが保有する特許権の総価値(Patent Asset Index™)に占めるStrategic Focus分野の特許価値の割合も徐々に増加しており(図2)、「ポートフォリオ変革」の実現に向けて着実に知財ポートフォリオの変革を進めています。
図1 帝人グループ特許ポートフォリオ
[図中の各点は特許を表し、各点間の距離は技術の類似性により決まる。テキストマイニング技術によって技術的に近い特許は集合を形成する。]
2014年からの対比において、2021年ではマテリアルのStrategic Focus領域の自動車向け複合成形材料や航空機向け炭素繊維中心に特許ポートフォリオが充実化(緑囲み)。ヘルスケアのStrategic Focus領域では、人工関節分野や吸収性インプラント関連の特許が充実化するとともに、再生医療分野への参入により当該分野の特許が加わっている(赤囲み)。一方、フィルム事業の2019年度の事業譲渡によりフィルム関連特許は大きく減少している。
図2 特許価値(Patent Asset Index™)のSF/PG割合
[Patent Asset Index™は各特許における各国特許庁審査官の特許引用度(技術的価値に相当)及び各国出願・権利化状況(市場的価値)から算出される。]
2014年からの対比において、2021年ではStrategic Focus領域の特許価値割合が全体の22%に増加。特にマテリアル事業のStrategic Focus分野である自動車向け複合成形材料や航空機向け炭素繊維関連への積極投資を反映し、当該分野の特許価値が増加。
以上のような知財ポートフォリオの変革に向けた活動に加え、知財情報解析の戦略的活用として、IPランドスケープを経営・事業の意思決定に役立てる取り組みを推進しています。具体的には、グローバル知財情報に学術論文情報や市場情報等の非知財情報をミックスした情報解析手法や特許価値評価手法を独自に開発し、それらを①M&A・アライアンス候補先の探索・評価、②新規事業・新規R&Dテーマ探索、③保有知的財産権の価値評価と維持管理の適正化等の目的に活用しています。また、重要技術ノウハウ等の営業秘密(トレードシークレット)も知的財産権と同様に競争優位性の確保に資する重要な経営資産であるとの理解の下、グループ統一基準である「グループ営業秘密管理ガイドライン」等を策定し、これに基づいた厳格な営業秘密管理を継続しています。さらに、グループの新規事業の創出、既存事業の新規技術分野の開拓に多大な貢献をなした製品に関する特許を対象とする「帝人発明賞」や事業の発展維持に顕著な効果を持つ出願を対象とする「帝人特許実施賞」といった表彰制度を設け、業務の革新と創造に取り組む気風を醸成するとともに、社員のチャレンジへの意識高揚を後押ししています。こうした知財活動が評価され、令和3年度「知財功労賞」において「経済産業大臣表彰」を受賞しました。