第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはない。
 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はない。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はない。

なお、当第2四半期連結会計期間の末日後に、当社の連結子会社であるToray Composites (America), Inc.は、アメリカのBoeing Co.との間で、2005年11月に締結した契約を延長し、既存の「787」プログラムに加え新型機   「777X」プログラム向けの炭素繊維複合材料の供給契約を締結した。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

当第2四半期連結累計期間の世界経済は、中国では緩やかな景気減速が続き、他の多くの新興国でも景気に弱さが見られたが、米国の景気は回復が継続し、欧州の景気も持ち直し傾向が続いた。国内経済については、生産や輸出に足踏みは見られたものの、企業収益や雇用・所得環境は引き続き改善し、基調としては緩やかな景気回復が続いた。

このような事業環境の中で、当社グループは、2014年4月からスタートし2016年度を最終年度とする中期経営課題“プロジェクトAP-G 2016”に基づき、「成長分野・事業機会の取り込み」及び「成長国・地域での事業拡大」を要とした成長戦略を実行するとともに、トータルコスト競争力の更なる強化に努めている。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期連結累計期間比8.5%増の1兆286億円、営業利益は同46.4%増の751億円、経常利益は同33.6%増の755億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同19.8%増の494億円となった。

 

セグメントの業績は、次のとおりである。

 

(繊維事業)

国内では、衣料用途は需要が低調で、産業用途も自動車関連用途向けの一部で顧客による在庫調整の影響が出る中、全般的に拡販に努めるとともに、糸綿/テキスタイル/製品一貫型ビジネスの推進をはじめとする事業の高度化などを進めることで採算の改善に注力した。

海外では、欧州需要の低迷や中国内需の伸び悩みの影響を受けたが、中国や東南アジアのテキスタイル子会社が拡販と高付加価値品へのシフトを進めた。またエアバッグ用基布や内装材料といった自動車関連用途向けが堅調に推移し、衛生材料向けも東南アジアやインドにおける需要が拡大した。

以上の結果、繊維事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比12.9%増の4,358億円、営業利益は同54.0%増の350億円となった。

 

(プラスチック・ケミカル事業)

樹脂事業は、国内では自動車生産台数の減少を背景に関連用途向けの出荷が低調に推移したが、それ以外の用途については概ね堅調であった。海外では米国の子会社で自動車関連用途向けの出荷が拡大し、マレーシアの子会社もABS樹脂の出荷が堅調に推移した。

フィルム事業は、包装用途向けが国内外で堅調であった。また、多くの用途で価格競争の影響を受けたが、高付加価値品の拡販や原価改善に注力することで採算の改善に努めた。

以上の結果、プラスチック・ケミカル事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比4.5%増の2,572億円、営業利益は同33.6%増の157億円となった。

 

 

(情報通信材料・機器事業)

大型液晶パネル向けでは、大画面化が進展し4Kテレビの需要も拡大したが、フィルム・フィルム加工品等の関連材料は顧客の生産調整の影響を受けた。スマートフォンやタブレット端末の関連材料は、韓国の子会社で高機能回路材料の出荷が拡大するなど、堅調に推移した。一方で、各材料とも引き続き価格競争の影響を受けており、原価改善などにより採算の維持に努めた。

以上の結果、情報通信材料・機器事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比2.6%増の1,250億円、営業利益は同16.0%増の120億円となった。

 

(炭素繊維複合材料事業)

レギュラートウ炭素繊維は、航空機需要の拡大や圧縮天然ガスタンクなど環境・エネルギー関連需要の拡大を背景に、航空宇宙用途や一般産業用途向けに炭素繊維及び中間加工品(プリプレグ)の出荷が拡大した。また、2014年後半及び2015年前半に生産を開始した新規設備が増産と拡販に寄与したほか、燃料電池自動車向けの製品の出荷が本格的に開始された。

米国のラージトウ炭素繊維子会社では、主力の風車用途向けに出荷が拡大し、航空機のブレーキに使われる耐炎糸の出荷も堅調であった。

以上の結果、炭素繊維複合材料事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比23.1%増の943億円、営業利益は同57.9%増の186億円となった。

 

(環境・エンジニアリング事業)

水処理事業は、コストダウンの進展や円安を背景に、逆浸透膜などの日本からの輸出について採算の改善が進んだ。また、韓国や中国の子会社の業績が堅調に推移した。

国内子会社は、エンジニアリング子会社でプラント工事が減少し、建設子会社ではマンション販売戸数が前年同四半期連結累計期間を下回った。

以上の結果、環境・エンジニアリング事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比0.9%減の826億円、営業利益は同22.3%減の16億円となった。

 

(ライフサイエンス事業)

医薬事業は、天然型インターフェロンβ製剤フエロン®や経口プロスタサイクリン誘導体製剤ドルナー®の出荷が低調に推移した。経口そう痒症改善剤では、5月にレミッチ®*の国内における慢性肝疾患向けの効能追加承認を取得するとともに、国内子会社が新薬ノピコール®の販売を開始した。

医療機器事業は、ダイアライザーの出荷が拡大したことに加え、輸出採算の改善が進んだことから、業績は堅調に推移した。

以上の結果、ライフサイエンス事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比0.5%減の264億円、営業利益は同63.6%減の6億円となった。

 

*レミッチ®は、鳥居薬品㈱の登録商標である。

 

(その他)

売上高は前年同四半期連結累計期間比0.0%減の72億円、営業利益は同28.2%減の5億円となった。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物の増加が410億円となった一方、投資活動による資金の減少が営業活動による資金の増加を50億円上回ったこと、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出を主因に財務活動による資金の減少が328億円となったこと等により、前連結会計年度末比5億円(0.4%)増加し、当第2四半期連結累計期間末には1,130億円となった。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間において営業活動による資金の増加は、前年同四半期連結累計期間比574億円増の617億円となった。これは、税金等調整前四半期純利益が727億円(前年同四半期連結累計期間比183億円増)、減価償却費が463億円(同68億円増)であった一方、たな卸資産の増加額が495億円(同116億円増)、法人税等の支払額が105億円(同35億円減)であったこと等によるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間において投資活動による資金の減少は、前年同四半期連結累計期間比39億円(5.6%)減の667億円となった。これは、有形固定資産の取得による支出が452億円(前年同四半期連結累計期間比154億円減)、投資有価証券の取得による支出が92億円(同54億円増)であったこと等によるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間において財務活動による資金の減少は、前年同四半期連結累計期間比1,008億円増の328億円となった。これは、短期借入金の純減少額が288億円(前年同四半期連結累計期間比530億円増)、長期借入金の返済による支出が310億円(同33億円増)、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が330億円(同330億円増)であった一方、長期借入れによる資金の調達が550億円(同401億円増)であったこと等によるものである。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び連結子会社)が対処すべき課題について、重要な変更はない。

 

(4) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費総額は287億円である。

 

(5) 財政状態

当第2四半期連結会計期間末の財政状態は、資産の部は、有形固定資産などが減少したものの、たな卸資産が増加したことを主因に前連結会計年度末比27億円増加の2兆3,607億円となった。
 負債の部は、有利子負債が増加したことを主因に前連結会計年度末比346億円増加の1兆3,118億円となった。
 純資産の部は、為替換算調整勘定の変動などにより前連結会計年度末比319億円減少の1兆489億円となり、このうち自己資本は9,693億円となった。

当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況は、「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いた当第2四半期連結累計期間のフリー・キャッシュ・フローは、前年同四半期連結累計期間比614億円増加し、50億円の支出となった。