また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はない。
当第3四半期連結会計期間において、当社の連結子会社であるToray Composites (America), Inc.は、アメリカの
Boeing Co.との間で、2005年11月に締結した契約を延長し、既存の「787」プログラムに加え新型機「777X」プログラム向けの炭素繊維複合材料の供給契約を締結した。
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、中国では緩やかな景気減速が続き、他の多くの新興国でも景気に弱さが見られたが、米国の景気は回復が継続し、欧州の景気も持ち直し傾向が続いた。国内経済については、生産や輸出に足踏みは見られたものの、企業収益や雇用・所得環境は引き続き改善し、基調としては緩やかな景気回復が続いた。
このような事業環境の中で、当社グループは、2014年4月からスタートし2016年度を最終年度とする中期経営課題“プロジェクトAP-G 2016”に基づき、「成長分野・事業機会の取り込み」及び「成長国・地域での事業拡大」を要とした成長戦略を実行するとともに、トータルコスト競争力の更なる強化に努めている。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期連結累計期間比6.3%増の1兆5,803億円、営業利益は同36.6%増の1,181億円、経常利益は同27.9%増の1,177億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同21.8%増の762億円となった。
セグメントの業績は、次のとおりである。
(繊維事業)
国内では、衣料用途は需要が低調で、産業用途も自動車関連用途向けの一部で顧客による在庫調整の影響が出る中、全般的に拡販に努めるとともに、糸綿/テキスタイル/製品一貫型ビジネスの推進をはじめとする事業の高度化などを進めることで採算の改善に注力した。
海外では、欧州需要の低迷や中国内需の伸び悩みの影響を受けたが、中国や東南アジアのテキスタイル子会社が拡販と高付加価値品へのシフトを進めた。またエアバッグ用基布や内装材料といった自動車関連用途向けが堅調に推移し、衛生材料向けも東南アジアやインドにおける需要が拡大した。
以上の結果、繊維事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比8.5%増の6,936億円、営業利益は同36.1%増の562億円となった。
(プラスチック・ケミカル事業)
樹脂事業は、国内では自動車関連用途向けの出荷が生産台数減少の影響を受けたが、それ以外の用途は全体として堅調であった。海外では米国の子会社で自動車関連用途向けの出荷が拡大し、マレーシアの子会社もABS樹脂の出荷が堅調に推移した。
フィルム事業は、包装用途向けが国内外で堅調であった。また、多くの用途で価格競争の影響を受けたが、高付加価値品の拡販や原価改善に注力することで採算の改善に努めた。
以上の結果、プラスチック・ケミカル事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比4.0%増の3,854億円、営業利益は同38.7%増の244億円となった。
(情報通信材料・機器事業)
大型液晶パネル向けでは、大画面化が進展し4Kテレビの需要も拡大したが、フィルム・フィルム加工品等の関連材料は顧客の生産調整の影響を受けた。スマートフォンやタブレット端末の関連材料は、韓国の子会社で高機能回路材料の出荷が拡大するなど、堅調に推移した。また、国内子会社が液晶カラーフィルター製造装置等の販売を拡大した。一方で、各材料とも引き続き価格競争の影響を受けており、原価改善などにより採算の維持に努めた。
以上の結果、情報通信材料・機器事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比1.8%増の1,876億円、営業利益は同20.8%増の194億円となった。
(炭素繊維複合材料事業)
レギュラートウ炭素繊維は、航空機需要の拡大や圧縮天然ガスタンクなど環境・エネルギー関連需要の拡大を背景に、航空宇宙用途や一般産業用途向けに炭素繊維及び中間加工品(プリプレグ)の出荷が拡大した。また、2014年後半及び2015年前半に生産を開始した新規設備が増産と拡販に寄与したほか、燃料電池自動車向けの製品の出荷が本格的に開始された。
米国のラージトウ炭素繊維子会社では、主力の風車用途向けに出荷が拡大し、航空機のブレーキに使われる耐炎糸の出荷も堅調であった。
以上の結果、炭素繊維複合材料事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比20.3%増の1,401億円、営業利益は同43.2%増の265億円となった。
(環境・エンジニアリング事業)
水処理事業は、コストダウンの進展や円安を背景に、逆浸透膜などの日本からの輸出について採算の改善が進んだ。また、韓国や中国の子会社の業績が堅調に推移した。
国内子会社は、エンジニアリング子会社でプラント工事が減少し、建設子会社ではマンション販売戸数が前年同四半期連結累計期間を下回った。
以上の結果、環境・エンジニアリング事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比2.3%減の1,222億円、営業利益は同5.5%減の34億円となった。
(ライフサイエンス事業)
医薬事業は、天然型インターフェロンβ製剤フエロン®や経口プロスタサイクリン誘導体製剤ドルナー®の出荷が、代替治療薬や後発医薬品の影響を受けたことなどにより低調に推移した。また、ライセンス収入が減少した。
医療機器事業は、ダイアライザーの出荷が拡大したことに加え、輸出採算の改善が進んだことから、業績は堅調に推移した。
以上の結果、ライフサイエンス事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比0.6%減の409億円、営業利益は同42.1%減の18億円となった。
(その他)
売上高は前年同四半期連結累計期間比1.5%増の106億円、営業利益は同5.0%減の10億円となった。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び連結子会社)が対処すべき課題について、重要な変更はない。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費総額は433億円である。
当第3四半期連結会計期間末の財政状態は、資産の部は、受取手形及び売掛金やたな卸資産が増加したことを主因に、前連結会計年度末比593億円増加の2兆4,172億円となった。
負債の部は、有利子負債が増加したことを主因に前連結会計年度末比709億円増加の1兆3,480億円となった。
純資産の部は、為替換算調整勘定の変動などにより前連結会計年度末比116億円減少の1兆691億円となり、このうち自己資本は9,886億円となった。