また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はない。
当第2四半期連結累計期間の世界経済は、米国や欧州では、一部に弱めの動きが見られたものの、景気は回復基調が持続した。中国では景気減速が続き、他の新興国・資源国については、一部の国で持ち直しの動きが見られた。国内経済については、輸出と生産が横ばいとなるなど弱さが見られたものの、雇用・所得環境の改善を背景に、基調としては緩やかな景気回復が続いた。
為替は、米国ドルをはじめ主要通貨に対して前年同四半期連結累計期間比大幅な円高水準で推移し、海外子会社の円換算売上高・利益が減少するなどの影響を受けた。また、原油価格が前年同四半期連結累計期間比下落したことで、原燃料価格や販売価格が下落するなどの影響を受けた。
このような事業環境の中で、当社グループは、2014年度から2016年度の3ヵ年を期間とする中期経営課題“プロジェクトAP-G 2016”に基づき、「成長分野・事業機会の取り込み」及び「成長国・地域での事業拡大」を要とした成長戦略を実行するとともに、トータルコスト競争力の更なる強化に努めている。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期連結累計期間比7.0%減の9,570億円、営業利益は同1.5%増の763億円、経常利益は同0.8%増の761億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同8.0%増の534億円となった。
セグメントの業績は、次のとおりである。
(繊維事業)
国内では、衣料用途・産業用途とも需要が引き続き低調に推移する中で、全般的に拡販に努めるとともに、糸綿/テキスタイル/製品一貫型ビジネスの推進をはじめとする事業の高度化や原価改善を進めることで採算の改善に注力した。
海外では、衣料用途を中心に、欧州や中国などにおける需要低迷の影響を受けた。一方、自動車関連用途向けや衛生材料向けは総じて堅調に推移した。
以上の結果、繊維事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比8.2%減の4,002億円、営業利益は同1.2%減の346億円となった。
(プラスチック・ケミカル事業)
樹脂事業は、日本や米国での自動車生産台数増加を背景に、国内外で関連用途向けの出荷が概ね堅調に推移した。自動車以外の用途でも、ABS樹脂などの拡販を進めた。
フィルム事業は、海外では欧米を中心に需要が低調であったが、国内では包装用途向けが堅調であった。また、国内外で価格競争の影響を受けたが、高付加価値品の拡販や原価改善に注力することで採算の改善に努めた。
一部のケミカル製品は、円高や市況悪化の影響から販売価格が下落した。
以上の結果、プラスチック・ケミカル事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比8.0%減の2,367億円、営業利益は同1.7%増の159億円となった。
(情報通信材料・機器事業)
フラットパネルディスプレイ向けでは、スマートフォンやタブレット端末の関連材料は、有機EL用途向けの出荷が拡大するなど、堅調に推移した。
リチウムイオン二次電池向けバッテリーセパレータフィルムは、需要の伸長を背景に、出荷が拡大した。
また、国内子会社の液晶カラーフィルター製造装置等が堅調であった。
以上の結果、情報通信材料・機器事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比2.9%増の1,286億円、営業利益は同32.8%増の159億円となった。
(炭素繊維複合材料事業)
航空機の最終需要は堅調に推移したが、サプライチェーンにおける在庫調整などを反映して、炭素繊維中間加工品(プリプレグ)の需要は弱含みで推移した。圧縮天然ガスタンク向けでは、原油価格下落の影響を受けて、需要が低調に推移した。一方、風車用途は、旺盛な需要を背景に、順調に出荷を拡大した。
以上の結果、炭素繊維複合材料事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比14.6%減の806億円、営業利益は同13.7%減の160億円となった。
(環境・エンジニアリング事業)
水処理事業は、逆浸透膜などの拡販を進めたが、日本からの輸出は円高進行の影響を受けた。海外子会社の業績は概ね堅調に推移した。
国内子会社では、エンジニアリング子会社の産業機器が堅調に推移した。一方、海外景気減速の影響から一部商社の取扱高が減少した。
以上の結果、環境・エンジニアリング事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比4.9%減の786億円、営業利益は同102.9%増の33億円となった。
(ライフサイエンス事業)
医薬事業は、経口そう痒症改善剤レミッチ®*が、2015年に取得した効能追加承認を背景に販売数量を伸ばしたが、2016年4月の薬価改定の影響を受けた。天然型インターフェロンβ製剤フエロン®や経口プロスタサイクリン誘導体製剤ドルナー®の出荷は、代替治療薬や後発医薬品の影響を受けて低調に推移した。
医療機器事業は、ダイアライザーの出荷が国内外で堅調に推移した。
以上の結果、ライフサイエンス事業全体では、売上高は前年同四半期連結累計期間比4.4%減の252億円、営業利益は同18.4%増の7億円となった。
*レミッチ®は、鳥居薬品㈱の登録商標である。
(その他)
売上高は前年同四半期連結累計期間比0.3%減の72億円、営業利益は同42.9%減の3億円となった。
当第2四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の増加が投資活動による資金の減少を122億円上回ったが、為替換算差額等を含めると、当第2四半期連結累計期間末には前連結会計年度末比53億円(4.8%)増加の1,151億円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において営業活動による資金の増加は、前年同四半期連結累計期間比150億円(24.3%)増の767億円となった。これは、税金等調整前四半期純利益が748億円(前年同四半期連結累計期間比21億円増)、減価償却費が429億円(同34億円減)であった一方、たな卸資産の増加額が344億円(同152億円減)、法人税等の支払額が149億円(同45億円増)であったこと等によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において投資活動による資金の減少は、前年同四半期連結累計期間比22億円(3.3%)減の645億円となった。これは、有形固定資産の取得による支出が609億円(前年同四半期連結累計期間比157億円増)であったこと等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において財務活動による資金の減少は、前年同四半期連結累計期間比328億円(99.8%)減の1億円となった。これは、短期借入金の純減少額が164億円(前年同四半期連結累計期間比124億円減)、長期借入金の返済による支出が240億円(同70億円減)、配当金の支払額が112億円(同16億円増)であった一方、コマーシャル・ペーパーの純増加額が200億円(同10億円増)、長期借入れによる資金の調達が336億円(同214億円減)であったこと等によるものである。
当第2四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び連結子会社)が対処すべき課題について、重要な変更はない。
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費総額は286億円である。
当第2四半期連結会計期間末の財政状態は、資産の部は、受取手形及び売掛金や有形固定資産が減少したことを主因に前連結会計年度末比689億円減少の2兆2,095億円となった。
負債の部は、支払手形及び買掛金が減少したことを主因に前連結会計年度末比266億円減少の1兆2,269億円となった。
純資産の部は、為替換算調整勘定の変動などにより前連結会計年度末比423億円減少の9,826億円となり、このうち自己資本は9,062億円となった。
当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況は、「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いた当第2四半期連結累計期間のフリー・キャッシュ・フローは、前年同四半期連結累計期間比172億円増加し、122億円の資金収入となった。