第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等はなく、また、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についても重要な変更はありません。 

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社、以下同じ)が判断したものです。

 

(1) 業績の状況

当第1四半期連結累計期間における世界経済は、米国や欧州で堅調な個人消費を背景に緩やかな景気回復がみられた一方、英国のEU離脱問題等により金融市場が混乱し、中国や新興国では経済成長の鈍化が続くなど不透明な状況にありました。また、日本経済は個人消費に停滞感がみられるとともに、円高傾向や中国等の景気減速により輸出が低調にとどまるなど景気回復はやや足踏みの状況となりました。
 このような状況の中で、当社グループの当第1四半期連結累計期間における連結業績は、円高の影響に加え、エレクトロニクス事業でPolypore買収に伴うのれん償却費等を計上したこと、医薬事業において薬価改定の影響を受けたことなどから、売上高は4,258億円となり前年同四半期連結累計期間比365億円(7.9%)の減収、営業利益は299億円で前年同四半期連結累計期間比57億円(15.9%)の減益、経常利益は283億円で前年同四半期連結累計期間比82億円(22.5%)の減益となりました。
 一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益は、投資有価証券売却益を計上したことや、法人税等が減少したことなどから、241億円で前年同四半期連結累計期間比34億円(16.4%)の増益となりました。

 

(セグメント別概況)

当社グループは、平成28年4月より新たな中期経営計画をスタートし、事業ポートフォリオを再編しました。それに伴い、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントを従来の「ケミカル・繊維」「住宅・建材」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」の4報告セグメント及び「その他」の区分から、「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」の3報告セグメント及び「その他」の区分に変更しています。なお、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。

 

「マテリアル」セグメント

売上高は2,289億円で前年同四半期連結累計期間比357億円(13.5%)の減収となり、営業利益は173億円で前年同四半期連結累計期間比61億円(25.9%)の減益となりました。
 繊維事業では、カーインテリア向けが好調な人工皮革「ラムース™」などで販売量を伸ばしましたが、各製品において円高の影響に加え、原燃料価格下落に伴い販売価格が下落しました。 
 ケミカル事業の石油化学事業では、各製品において原油安、ナフサ安の影響を受け原燃料価格が下落しましたが、スチレンモノマーの販売量が減少しました。高機能ポリマー事業では、各製品において円高の影響を受けましたが、省燃費型高性能タイヤ向け合成ゴムの販売量が増加しました。高機能マテリアルズ事業・消費財事業では、各製品において円高の影響を受けたものの、電子材料製品や結晶セルロース「セオラス™」、HDI系ポリイソシアネート「デュラネート™」などの塗料原料の販売が堅調に推移し、「サランラップ™」の販売量が増加しました。
 エレクトロニクス事業のセパレータ事業では、リチウムイオン二次電池用セパレータ「ハイポア™」の販売量が増加し、前年度第2四半期より連結したPolyporeの業績を取り込みましたが、買収に伴うのれん償却費等を計上し、円高の影響も受けました。電子部品事業では、円高の影響に加え、スマートフォン向けで電子コンパスやカメラモジュール用電子部品などの販売量が減少しました。

 

「住宅」セグメント

売上高は1,261億円で前年同四半期連結累計期間比40億円(3.2%)の増収となり、営業利益は85億円で前年同四半期連結累計期間比18億円(25.8%)の増益となりました。
 住宅事業では、建築請負部門で戸建住宅「へーベルハウス™」と集合住宅「ヘーベルメゾン™」の引渡戸数が増加しました。また、リフォーム部門で労務費などの販管費が増加したものの、不動産部門で賃貸管理事業が順調に推移しました。
 建材事業では、フェノールフォーム断熱材「ネオマ™フォーム」の販売が堅調に推移したものの、基礎事業やALC事業で販売量が減少しました。

 

「ヘルスケア」セグメント

売上高は667億円で前年同四半期連結累計期間比45億円(6.4%)の減収となり、営業利益は96億円で前年同四半期連結累計期間比11億円(10.4%)の減益となりました。
 医薬事業では、骨粗鬆症治療剤「テリボン™」や血液凝固阻止剤「リコモジュリン™」などの販売量が増加しましたが、薬価改定の影響を受けるとともに排尿障害改善剤「フリバス™」が後発医薬品の影響を受けました。
 医療事業では、円高の影響や国内の透析関連製品において償還価格改定の影響を受けたものの、ウイルス除去フィルター「プラノバ™」の販売量が増加しました。
 クリティカルケア事業では、現地通貨ベースで営業活動強化に伴う販管費が増加しましたが、着用型自動除細動器「LifeVest™」の業績が引き続き順調に拡大し、その他の除細動器の販売も堅調に推移しました。なお、財務諸表の円換算において円高に伴う影響を受けました。
 

「その他」

売上高は41億円で前年同四半期連結累計期間比3億円(6.7%)の減収となり、営業利益は7億円で前年同四半期連結累計期間比3億円(78.3%)の増益となりました。

 

 

(2) 資産、負債及び純資産の状況

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、無形固定資産が465億円、「住宅」セグメントを中心として受取手形及び売掛金が181億円、保有株式の時価の下落などにより投資有価証券が162億円それぞれ減少したことなどから、前連結会計年度末に比べて1,056億円減少し、2兆1,061億円となりました。
 有利子負債は、長期借入金が1,049億円、コマーシャル・ペーパーが560億円増加したものの、短期借入金が1,723億円減少したことなどから、前連結会計年度末に比べて116億円減少し、4,381億円となりました。
 純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益を241億円計上したものの、為替換算調整勘定が569億円減少したことや、配当金の支払140億円があったことなどから、前連結会計年度末に比べて576億円減少し、9,998億円となりました。
 この結果、自己資本比率は46.8%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは335億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは226億円の支出となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は108億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは108億円の支出となり、これらに加え、現金及び現金同等物に係る換算差額による減少99億円などがありました。以上の結果、現金及び現金同等物の当第1四半期連結累計期間末の残高は、前連結会計年度末に比べ96億円減少し、1,357億円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、未払費用の減少169億円、法人税等の支払136億円などの支出があったものの、税金等調整前四半期純利益304億円、減価償却費214億円、売上債権の減少112億円などの収入があったことから、335億円の収入(前年同四半期連結累計期間比13億円の収入の減少)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入43億円などがあったものの、有形固定資産の取得による支出189億円、投資有価証券の取得による支出59億円などがあったことから、226億円の支出(前年同四半期連結累計期間比75億円の支出の増加)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入1,259億円、コマーシャル・ペーパーの増加560億円などの収入があったものの、短期借入金の減少1,779億円、配当金の支払140億円などの支出があったことから、108億円の支出(前年同四半期連結累計期間比75億円の支出の増加)となりました。

 

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

(当社グループの対処すべき課題)

当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題として新たに発生した重要な項目はありません。

 

(会社の支配に関する基本方針)

① 基本方針の内容

当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要と考えています。

当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主の皆様全体の意思に基づいて行われるべきものと考えており、当社株式の大量取得であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。

しかしながら、株式の大量取得の中には、その目的などからみて企業価値や株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量取得の内容などについて検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との協議・交渉を必要とするものなど、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

特に、当社が今後持続的に企業価値を向上させていくためには、多彩な技術を持ち、多様な市場において多面的な事業モデルを展開する多角化企業として、それらのシナジー(相乗効果)を生かし、挑戦的風土やブランド力をさらに活用・強化していくことが必要不可欠です。当社株式の大量取得を行う者が、当社グループの財務および事業の内容を理解するのは勿論のこと、当社の企業価値の源泉を理解した上で、それを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。

当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量取得を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

 

② 基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための特別な取組みとして、次の施策を実施しています。

Ⅰ 「中期経営計画」による取組み

当社は、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します」というグループ理念のもと、事業環境の変化に対応するため3~5年間にわたる中期経営計画を策定し、多角化された各事業のシナジーを生かして、そこで掲げられた目標の達成に向けて取り組んでいます。

Ⅱ コーポレート・ガバナンスの強化

当社は、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します」というグループ理念のもと、「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して、世界の人びとに新たな価値を提供し、社会的課題の解決を図っていくことをグループビジョン(目指す姿)としています。その上で、イノベーションを起こし、多様な事業の融合によりシナジーを生み出すことで、社会に貢献し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しています。

そのために、事業環境の変化に応じ、透明・公正かつ迅速・果断に意思決定を行うための仕組みとして、当社にとって最適なコーポレート・ガバナンスの在り方を継続的に追求していきます。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、当社株式の大量取得行為を行おうとする者に対しては、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じていきます。

 

なお、上記②および③に記載の取組みは、上記①に記載の基本方針に従い、当社の企業価値・株主共同の利益に沿うものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

(5) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間における当社及び連結子会社の研究開発活動の金額は、18,461百万円です。また、当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の変更の内容は、次のとおりです。

新中期経営計画の実行に伴い、グループ融合による研究開発を進めるため、人財を結集し事業持株会社の研究・開発本部にマテリアル系の研究開発組織を統合しました。これにより各事業本部、事業会社との連携を強化し、グループ総合力で新事業を創出する活動をさらに強化していきます。新事業開発は「グループのマーケットチャネル及び事業プラットフォームのフル活用」、「事業の高付加価値化の追求」、「コア技術の育成、獲得の強化」の3軸の視点から推進します。

 

(6) 従業員数

① 連結会社の状況

当第1四半期連結累計期間において、連結会社の従業員数の著しい増減はありません。

② 提出会社の状況

当第1四半期累計期間において、当社は平成28年4月1日付で当社の連結子会社であった旭化成ケミカルズ㈱、旭化成せんい㈱及び旭化成イーマテリアルズ㈱を吸収合併しました。これに伴い、従業員数は6,307名増加しています。

なお、従業員数は就業人員数です。 

 

(7) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当第1四半期連結累計期間において、生産実績に著しい変動はありません。 

② 受注及び販売の実績

当第1四半期連結累計期間において、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。なお、受注及び販売の実績の詳細は、(1) 業績の状況をご覧ください。

 

(8) 主要な設備

① 主要な設備の状況

当第1四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。

 

② 設備の新設、除却等の計画

Ⅰ 設備の新設・拡充の計画

当第1四半期連結累計期間において、前連結会計年度末における設備の新設・拡充の計画に著しい変更はありません。

Ⅱ 設備の除却・売却の計画

当第1四半期連結累計期間において、前連結会計年度末における設備の除却・売却の計画に著しい変更はありません。