文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループでは、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。」というグループ理念のもと、「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して、社会に新たな価値を提供することをグループビジョン(目指す姿)として掲げています。
その上で、従業員の持つべき共通の価値観を「誠実」「挑戦」「創造」と定めており、すべてのステークホルダーの皆さまに対し「誠実」に経営することを通じて、社会の課題解決や事業環境の変化に積極果敢に「挑戦」し、絶えず新たな価値を「創造」することで、事業を通じて企業の社会的責任を果たしていくことを基本方針としています。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは、企業としての本来の事業活動の成果を示す「営業利益」を主要な経営指標と位置付けていますが、これに加え、「当期純利益」「キャッシュ・フロー」「営業利益率」などを、また、財務体質強化の観点からは「D/Eレシオ」、資本効率指標として「ROE」を目標とする主要な経営指標としています。
(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
世界経済の成長により様々な課題が現れている中、持続的な成長を可能にするため、環境に関する要求が高まっており、電池や再生エネルギー関連、軽量化素材や断熱材などの分野において、イノベーションが求められてきています。また、我が国においては高齢化の進行により、安心・安全で快適な社会への要求が高まっており、人びとの健康や安心できる住空間、快適な生活をもたらす消費財などへの期待が増してきています。
このような経営環境の中、当社グループでは「クリーンな環境エネルギー社会」と「健康・快適で安心な長寿社会」の実現を課題ととらえ、3カ年の中期経営計画「Cs for Tomorrow 2018」を進めています。「Cs for Tomorrow 2018」では、「収益性の高い付加価値型事業の集合体」という10年後の当社グループのあるべき姿を見据え、基本戦略を「成長・収益性の追求」「新事業の創出」「グローバル展開の加速」と定め、3年間で「多角的な事業・多様な人財の結束で飛躍の基盤をつくる」ことを目指します。
(4) 当社グループの対処すべき課題
当社グループは「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。」をグループ理念として、「事業」「技術」「人財」の多様性を活かした価値の創造を図っています。現在実行中の2016年度から2018年度までの中期経営計画「Cs for Tomorrow 2018」では、「クリーンな環境エネルギー社会(Environment)」、「健康・快適で安心な長寿社会(Social)」の実現に向けた経営を最適なガバナンス(Governance)体制によって推進し、「収益性の高い付加価値型事業の集合体」となるべく、飛躍に向けた3つの基本戦略と、持続的成長に向けた事業基盤づくりを進めています。
① 3つの基本戦略について
基本戦略として、「成長・収益性の追求」「新事業の創出」「グローバル展開の加速」を掲げています。
「成長・収益性の追求」では、領域ごとに方針を定め、事業活動を推進しています。マテリアル領域では、事業間の融合・シナジーを追求し、事業ポートフォリオの最適化を通じて、高収益化を図ります。住宅領域では、社会が求めるニーズをつかみ、「製品・施工・サービス」の総合力で事業をさらに強化するとともに、バリューチェーンを拡げる事業展開を図ります。ヘルスケア領域では、国内の収益力強化と、グローバルの事業基盤強化を進め、マテリアル、住宅に次ぐ当社グループの第3の柱に成長させるため拡大を図ります。
「新事業の創出」では、多様性を活かした当社グループの「技術」と「事業」「人財」の組み合わせで価値を創出することを目指し、外部機関との連携も強化し、イノベーションの推進・加速を図っています。
「グローバル展開の加速」では、米国、アジア、欧州を中心に、それぞれのエリアに応じた事業展開を進めています。
② 持続的成長に向けた事業基盤づくりについて
持続的成長に向けた事業基盤づくりでは、「コンプライアンス徹底の取組み」「事業活動高度化に向けた基盤づくり」「事業戦略と人財戦略の連動」を進めています。
「コンプライアンス徹底の取組み」に関しては、2015年10月に公表した杭工事施工データの流用等の問題を踏まえ、当社グループ全体のリスク管理とコンプライアンス対応を強化しています。当社グループの役員・従業員の行動の拠りどころとなる「旭化成グループ行動規範」の整備、社長を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」の設置、グループ全体でのリスクの洗い出し、各職場でのコンプライアンス教育などを実施しています。これらの活動を通じ、コンプライアンスの強化を図るとともに、「現場」「現物」「現実」を重視して行動する三現主義を徹底することで、社会から常に信頼される企業の実現を目指します。
「事業活動高度化に向けた基盤づくり」に関しては、製造、生産技術の革新や新たなビジネスモデルの構築などに向け、IoT、AIなどの潮流の経営への取り込みを進めています。
「事業戦略と人財戦略の連動」に関しては、人財の確保・育成・強化が成長戦略や諸課題に対する施策の遂行に欠かせないとの考えから重要な課題として位置付け、高度なプロフェッショナル人財を育成するための高度専門職制度の改定や、高いマネジメント能力を持つ経営人財、グローバル人財の育成に取り組んでいます。
当社グループは、これらの経営課題に真摯に向き合い、「誠実」に行動し、果敢に「挑戦」し、新たな価値を「創造」していきます。そのうえで、ESGの観点を重視し、さらなる企業価値の向上と持続的成長を図っていきます。
(5) 会社の支配に関する基本方針
① 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要と考えています。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主の皆様全体の意思に基づいて行われるべきものと考えており、当社株式の大量取得であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量取得の中には、その目的などからみて企業価値や株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量取得の内容などについて検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との協議・交渉を必要とするものなど、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
特に、当社が今後持続的に企業価値を向上させていくためには、多彩な技術を持ち、多様な市場において多面的な事業モデルを展開する多角化企業として、それらのシナジー(相乗効果)を活かし、挑戦的風土やブランド力をさらに活用・強化していくことが必要不可欠です。当社株式の大量取得を行う者が、当社グループの財務及び事業の内容を理解するのは勿論のこと、当社の企業価値の源泉を理解した上で、それを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量取得を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、次の施策を実施しています。
Ⅰ 「中期経営計画」による取組み
当社は、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。」というグループ理念のもと、事業環境の変化に対応するため、中長期の当社グループの目指す姿を見据えながら3~5年間にわたる中期経営計画を策定し、多角化された各事業のシナジーを活かして、そこで掲げられた目標の達成に向けて取り組んでいます。
Ⅱ コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。」というグループ理念のもと、「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して、世界の人びとに新たな価値を提供し、社会的課題の解決を図っていくことをグループビジョン(目指す姿)としています。その上で、イノベーションを起こし、多様な事業の融合によりシナジーを生み出すことで、社会に貢献し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しています。
そのために、事業環境の変化に応じ、透明・公正かつ迅速・果断に意思決定を行うための仕組みとして、当社にとって最適なコーポレート・ガバナンスの在り方を継続的に追求していきます。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための
取組み
当社は、当社株式の大量取得行為を行おうとする者に対しては、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じていきます。
なお、上記②及び③に記載の取組みは、上記①に記載の基本方針に従い、当社の企業価値・株主共同の利益に沿うものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を下記のとおり記載します。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をしていきます。
下記事項には、将来に関するものが含まれますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2018年6月27日)現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1) 原油・ナフサの市況変動
当社グループにおいて、ケミカル事業を中心に、原油・ナフサなどの価格の変動をタイムリーに製品価格に反映できず、そのスプレッドを十分確保することができなかった場合、原油・ナフサなどの市況変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(2) 為替レートの変動
当社グループの円貨建以外の項目は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、当社グループは、通貨変動に対するヘッジなどを通じて、短期的な為替の変動による影響を最小限に止める措置を講じていますが、短期及び中長期の予測を超えた為替変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(3) 海外での事業活動
海外での事業活動には、予期しない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、人材の採用・確保の困難など、経済的に不利な要因の存在又は発生、テロ・戦争・その他の要因による社会的又は政治的混乱などのリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化することによって、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び将来計画に影響を与える可能性があります。
(4) 住宅関連税制及び金利の動向
当社グループの住宅事業は、国内の住宅取得に関連する税制及び金利動向の影響を受けます。住宅関連税制や消費税及び金利の動向が住宅事業に影響を及ぼし、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(5) エレクトロニクス関連事業の収益力
当社グループのエレクトロニクス関連事業は、業界特性として市況の変化が激しいため、比較的短期間に収益力が大きく低下し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。当社グループの製品は、世代交替の早い先端のエレクトロニクス製品の部品又は材料として、タイムリーに開発・提供していく必要があり、開発遅延や、想定外の需要変動があった場合に、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(6) 医薬・医療事業及びクリティカルケア事業の環境
当社グループの医薬・医療事業及びクリティカルケア事業において、各国政府の医療政策やその他の制度改定などによって大きな影響を受ける可能性があります。また、予想できない副作用や不具合の発生によって大きな問題となる可能性や、再審査によって承認が取り消される可能性、後発品の参入により競争が激化する可能性もあります。開発中の新薬や新医療機器の場合は、医薬品や医療機器としての承認を受けられない又は承認に長期間を要する可能性や、想定ほど市場に受け入れられない可能性、想定していた薬価や償還価格が得られない可能性もあります。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(7) 産業事故・自然災害
当社グループの工場などにおいて、万一大きな産業事故災害や自然災害などが発生した場合には、それに伴って生ずる社会的信用の失墜や、補償などを含む産業事故災害への対策費用、また、工場設備の被災や原材料調達などサプライチェーンの障害に伴う生産活動の停止による機会損失などによって、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(8) 知的財産・製造物責任(PL)・法規制
当社グループの事業運営上において、知的財産に係わる紛争が将来生じ、当社グループに不利な判断がなされたり、製品の欠陥に起因して大規模な製品回収や損害賠償につながるリスクが現実化し、これを保険により填補できない事態が生じたり、当社グループが事業展開している各国の法規制により事業活動が制限されたりする可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(9) 取引先などによるリスク
当社グループ取引先の不正行為や、信用不安による予期せぬ貸倒れリスクなどが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(10) 事業・資本提携
当社グループが実施する企業買収や他社との戦略的事業・資本提携について、買収などの対象事業や提携先などを取り巻く事業環境が悪化し、当初想定していた成果やシナジーを得られない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、出資先が業績不振となり「のれん」などの減損損失を計上する場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度(2017年4月1日~2018年3月31日、以下、「当期」)における世界経済は、米国トランプ政権の通商政策や北朝鮮情勢などのリスクが懸念されたものの、概ね堅調に推移しました。一方、日本経済は輸出の増加や設備投資の回復、底堅い個人消費などに支えられ、緩やかな景気回復が続きました。
このような状況の中で、当社、連結子会社及び持分法適用会社(以下、「当社グループ」)の当期における連結業績は、マテリアル領域においてケミカル事業の交易条件が改善したことに加え、各事業の販売も好調に推移したことなどから、売上高は2兆422億円となり前連結会計年度(以下、「前期」)比1,592億円の増収、営業利益は1,985億円で前期比392億円の増益、経常利益は2,125億円で前期比519億円の増益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益を計上したことや、米国税制改正の影響により法人税等が減少したことなどから、1,702億円で前期比552億円の増益となりました。これにより、売上高は、初めて2兆円を超え、過去最高を更新し、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益全ての利益項目についても過去最高を更新しました。
(セグメント別概況)
当社グループの3つの報告セグメント「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」及び「その他」に区分してご説明します。なお、第1四半期連結会計期間より、組織変更に伴い、従来「その他」に含めていた電気供給事業を「マテリアル」セグメントに含めて表示しています。それに伴い、前期比較については、前期の数値を更新後のセグメント区分に組替えた数値で比較しています。
「マテリアル」セグメント
売上高は1兆877億円で前期比1,098億円の増収となり、営業利益は1,219億円で前期比334億円の増益となりました。
繊維事業では、原燃料価格高騰の影響を受けましたが、自動車内装などに使用されるマイクロファイバースエード「ラムース™」を中心に業績が堅調に推移し、前期比増収、微増益となりました。
ケミカル事業の石油化学事業では、アクリロニトリルなどの交易条件が改善し、前期比増収、増益となりました。高機能ポリマー事業では、低燃費タイヤ向け合成ゴムにおいて交易条件が改善したことや、自動車用部品などに使用されるエンジニアリング樹脂の販売数量が増加したことなどから、前期比増収、増益となりました。高機能マテリアルズ事業・消費財事業では、イオン交換膜や電子材料製品などの販売数量が増加したことや、「サランラップ™」の販売が堅調に推移したことなどから、前期比増収、増益となりました。
エレクトロニクス事業のセパレータ事業では、リチウムイオン二次電池用セパレータを中心に各製品の販売数量が大幅に増加したことなどから、前期比増収、増益となりました。電子部品事業では、スマートフォン向けカメラモジュール用電子部品や家電向け磁気センサなどの販売が堅調に推移したことなどから、前期比増収、増益となりました。
なお、繊維事業では、宮崎県延岡市において、昨年9月にマイクロファイバースエード「ラムース™」の製造設備増設を、本年1月にナイロン66繊維「レオナ™」の製造設備増設を決定しました。
ケミカル事業では、昨年7月に、シンガポールにおける低燃費タイヤ向け合成ゴムの製造設備増設を決定しました。また、昨年8月に、中国・常熟市におけるエンジニアリング樹脂のコンパウンド製造工場の建設を決定しました。
エレクトロニクス事業では、本年1月に、滋賀県守山市及び米国・ノースカロライナ州におけるリチウムイオン二次電池用セパレータの製造設備の増設をすることを決定しました。また、本年1月に、当社子会社の旭化成エレクトロニクス㈱が、スウェーデンのガスセンサモジュールメーカーであるSenseair ABの株式を取得する契約を締結しました。
「住宅」セグメント
売上高は6,410億円で前期比220億円の増収となり、営業利益は644億円で前期比3億円の微増益となりました。
住宅事業では、集合住宅「へーベルメゾン™」を中心に引渡単価が上昇しましたが、労務費や広告宣伝費などが増加したことなどから、前期比増収、営業利益は前期並みとなりました。建築請負部門の受注高は、戸建住宅は減少しましたが、集合住宅が増加したことから、前期比1.2%の増加となりました。また、不動産部門では、賃貸管理事業が順調に推移し、リフォーム部門も前期並みの業績で推移したことなどから、前期比増収、増益となりました。
建材事業では、フェノールフォーム断熱材「ネオマフォーム™」などの販売数量が堅調に推移しましたが、原燃料価格高騰の影響を受けたことなどから、前期比増収、減益となりました。
なお、住宅事業では、昨年7月に、オーストラリアにおいて戸建住宅の建築請負を中心とする住宅事業に参入するため、McDonald Jones Homes Pty Ltd.との資本提携を実施しました。
建材事業では、本年1月に、最高性能のフェノールフォーム断熱材「ネオマゼウス™」の販売を開始しました。
「ヘルスケア」セグメント
売上高は2,963億円で前期比261億円の増収となり、営業利益は395億円で前期比75億円の増益となりました。
医薬事業では、骨粗鬆症治療剤「テリボン™」などの販売数量が増加しましたが、排尿障害改善剤「フリバス™」を中心に後発医薬品の影響を受けたことなどから、前期比減収、減益となりました。
医療事業では、為替の効果に加え、各事業とも堅調に推移したことなどから、前期比増収、増益となりました。
クリティカルケア事業では、医療機関向け除細動器の販売数量が大幅に増加し、着用型自動除細動器「LifeVest™」の業績が堅調に推移したことなどから、前期比増収、増益となりました。
なお、医薬事業では、昨年5月に、骨粗鬆症治療剤「テリボン™」の投与期間上限延長の承認を取得しました。
医療事業では、昨年12月に、宮崎県延岡市におけるウイルス除去フィルター「プラノバ™」の紡糸工場新設による中空糸生産能力増強の決定をしました。
「その他」
売上高は173億円で前期比12億円の増収となり、営業利益は19億円で前期比1億円の減益となりました。
当期末の総資産は、売上が好調であったことや期末日が休日であったことの影響で現金及び預金並びに受取手形及び売掛金が増加したことなどから、前期比616億円増加し、2兆3,161億円となりました。
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは2,499億円の収入(前期比809億円の収入の増加)、投資活動によるキャッシュ・フローは1,103億円の支出(前期比204億円の支出の増加)となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は1,396億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは1,344億円の支出(前期比605億円の支出の増加)となりました。以上の結果、当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期に比べ45億円増加し1,486億円となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産の状況については、(経営成績等の状況の概要)における各セグメントの業績に関連付けて示しています。
当社グループは注文住宅に関して受注生産を行っており、その受注状況は次のとおりです。その他の製品については主として見込生産を行っているので、特記すべき受注生産はありません。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
住宅 |
405,581 |
101.2 |
520,860 |
101.0 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
販売実績(百万円) |
前期比(%) |
|
マテリアル |
1,087,720 |
111.6 |
|
住宅 |
640,988 |
103.6 |
|
ヘルスケア |
296,258 |
109.7 |
|
その他 |
17,251 |
91.1 |
|
合計 |
2,042,216 |
108.5 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 前期及び当期において、主要な販売先として記載すべきものはありません。
4 第1四半期連結会計期間より、組織変更に伴い、従来「その他」に含めていた電気供給事業を「マテリアル」セグメントに含めて表示しています。それに伴い、前期比較については、前期の数値を更新後のセグメント区分に組替えた数値で比較しています。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月27日)現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社、以下同じ)が判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。
当社グループは、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金、たな卸資産の評価、投資その他の資産の評価、訴訟等の偶発事象などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(流動資産)
流動資産は、受取手形及び売掛金が386億円、たな卸資産が130億円増加したことなどから、前期比644億円増加し、9,590億円となりました。
(固定資産)
固定資産は、投資有価証券が307億円増加したものの、無形固定資産が482億円減少したことなどから、前期比28億円減少し、1兆3,572億円となりました。
(流動負債)
流動負債は、支払手形及び買掛金が239億円、未払法人税等が135億円増加したものの、コマーシャル・ペーパーが360億円、1年内償還予定の社債が200億円減少したことなどから、前期比57億円減少し、5,891億円となりました。
(固定負債)
固定負債は、長期借入金が494億円、繰延税金負債が141億円減少したことなどから、前期比697億円減少し、4,218億円となりました。
(有利子負債)
有利子負債は、前期比1,011億円減少し、3,017億円となりました。
(純資産)
純資産は、配当の支払391億円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益を1,702億円計上したことなどから、当期末の純資産は前期末の1兆1,681億円から1,371億円増加し、1兆3,052億円になりました。
その結果、1株当たり純資産額は前期比97円75銭増加し922円11銭となり、自己資本比率は前期末の51.1%から55.6%となりました。D/Eレシオは、前期末から0.12ポイント改善し、0.23となりました。
(売上高と営業利益)
当期の売上高は、2兆422億円で前期比1,592億円の増収となりました。海外売上高は、7,677億円で「マテリアル」セグメントを中心に前期比1,113億円増加し、売上高に占める海外売上高の割合は、37.6%で前期比2.7ポイント増加しました。国内売上高については、「マテリアル」セグメントや「住宅」セグメントを中心に前期比479億円増加し、1兆2,745億円となりました。
当期の営業利益は、1,985億円で前期比392億円の増益となりました。当期の売上原価率は68.2%と前期比0.6ポイントの改善となりました。また、売上高販管費率は、販管費が231億円増加したものの、売上高が増加したことから、22.1%と前期比0.6ポイントの改善となりました。なお、売上高営業利益率は、9.7%と前期比1.3ポイントの改善となりました。
(営業外損益と経常利益)
当期の営業外損益は、141億円の利益で、前期の14億円の利益から127億円改善しました。これは、持分法による投資損益の改善があったことなどによるものです。この結果、経常利益は2,125億円で、前期比519億円の増益となりました。
(特別損益)
当期の特別損益は、58億円の利益で、前期の32億円の損失から90億円改善しました。これは、事業構造改善費用15億円、固定資産処分損63億円、減損損失22億円などによる特別損失を99億円計上した一方で、投資有価証券売却益152億円などによる特別利益を157億円計上したことによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
経常利益の2,125億円に特別損益58億円を加えた結果、税金等調整前当期純利益は2,183億円となりました。ここから税金費用461億円(法人税、住民税及び事業税632億円から法人税等調整額171億円を控除した額)及び非支配株主に帰属する当期純利益19億円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は1,702億円で、前期比552億円の増益となりました。
この結果、1株当たり当期純利益金額は121円93銭となり、前期比39円59銭増加しました。
当期のフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フ
ローの合計額)は、税金等調整前当期純利益や減価償却費を源泉とした収入が、固定資産の取得や法人税等の
支払などによる支出を上回り、1,396億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローでは、配
当金の支払などにより、1,344億円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期比45億円増加し、1,486億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払495億円及び売上債権の増加390億円などの支出があったものの、税金等調整前当期純利益2,183億円、減価償却費954億円などの収入があったことから、2,499億円の収入(前期比809億円の収入の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動によるキャッシュ・フローは、貸付金の回収による収入306億円、投資有価証券の売却による収入178億円などがあったものの、有形固定資産の取得による支出829億円、貸付による支出453億円、無形固定資産の取得による支出134億円、投資有価証券の取得による支出116億円などがあったことから、1,103億円の支出(前期比204億円の支出の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入154億円などの収入があったものの、配当金の支払391億円、コマーシャル・ペーパーの減少360億円、短期借入金の減少289億円、長期借入金の返済による支出235億円及び社債の償還による支出200億円などがあったことから、1,344億円の支出(前期比605億円の支出の増加)となりました。
コスト競争力の向上、製品力の向上、事業構造改善などによる収益力強化、グループファイナンスの活用や適正在庫水準の維持等による資金効率化などにより、フリー・キャッシュ・フローの拡大を目指します。また、資金調達活動については、当社グループを取り巻く金融情勢に機動的に対応し、金融機関借入、社債、コマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段により、より安定的で低コストの資金調達を目指します。
これらの資金を中期経営計画「Cs for Tomorrow 2018」の戦略の柱である「成長・収益性の追求」、「新事業の創出」、「グローバル展開の加速」による事業拡大のための戦略投資資金及び株主の皆様への配当原資等に活用していきます。
これらの施策を進めることにより、当社グループの企業価値向上、株主の皆様への利益還元を図る一方、財務規律にも配慮し、健全な財務体質の維持を目指していきます。
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契約会社名 |
契約締結先 |
内容 |
合弁会社名 |
契約締結日 |
契約期間 |
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旭化成㈱ (当社) |
PTT Public Company Limited |
合弁会社株主間契約 等 |
PTT Asahi Chemical Co.,Ltd. |
2008年3月24日 |
締結日から合弁会社の存続する期間 |
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旭化成(中国)投資有限公司 |
南通星辰合成材料有限公司 |
合弁会社株主間契約 |
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2017年2月10日 |
締結日から合弁会社の存続する期間 |
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藍星旭化成(南通)工程塑料制造有限公司 |
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藍星旭化成(南通)工程塑料銷售有限公司 |
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当社の連結子会社である旭化成エレクトロニクスは、2018年1月26日付で、スウェーデンのNDIR方式ガスセンサモジュールメーカーであるSenseair AB(本社:スウェーデン、デルスボ市、CEO:Peter Lageson、以下、「センスエアー社」)との間で、センスエアー社を買収することについて合意しました。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載しています。
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)の主たる研究開発活動の概要、成果及び研究開発費(総額85,695百万円)は以下のとおりです。
なお、第1四半期連結会計期間より、組織変更に伴い、従来「その他」に含めていた電気供給事業を「マテリアル」セグメントに含めて表示しています。
「マテリアル」セグメント
(繊維事業)
繊維事業では、グループ内外との連携により、研究開発機能を充実・高度化させるとともに、成果実現のスピードアップを図っています。主力製品であるポリウレタン弾性繊維「ロイカ™」、キュプラ繊維「ベンベルグ™」、ナイロン66繊維「レオナ™」及び各種不織布において、独自性を活かした新たな価値商品の創出や、生産プロセスの革新を進めています。また、「健康で快適な生活」「環境との共生」に寄与する新事業領域の創出にも注力しており、新規セルロース素材の事業化や、高機能テキスタイル、新基軸不織布の開発などに取り組んでいます。
(ケミカル事業)
石油化学事業では、AN、MMA等当社の強みである触媒のブラッシュアップに継続的に取り組んでいます。また、水島製造所内に炭酸ガスを原料とするジフェニルカーボネートの実証プラントが完成し、2017年1月から実証運転を開始しました。
高機能ポリマー事業では、新たなポリマー設計による高剛性・易成形性のポリアミドや次世代省燃費タイヤ用変性SBRなどの開発が進捗しています。さらに、独自CAE(Computer Aided Engineering)技術の高度化を推進し、機能樹脂事業において新規用途開拓と海外展開を加速していきます。
高機能マテリアルズ事業・消費財事業では、環境に配慮した食塩電解プロセス用のフッ素系イオン交換膜の開発を強化すると共に、電子材料関連では、次世代電子デバイスの要求に対応できる感光性樹脂材料の開発を加速しています。また、事業本部の広範な技術シナジーを活用した新事業創出の取組みも実施しています。
(エレクトロニクス事業)
セパレータ事業では、高分子設計・合成や、製膜加工などのコア技術を活かして、「省資源・省エネルギー」「環境負荷軽減」に貢献する新規材料の開発を推進しています。民生・車載・電力貯蔵用途に展開するリチウムイオン二次電池用高機能セパレータや鉛蓄電池用セパレータなどの環境・エネルギー関連素材の展開に注力していきます。
電子部品事業では、IoT社会の進展に対応して、「磁気」「音」「可視外光」を主軸に「エンドユーザーのベネフィット」に繋がるソリューションを提供できる技術及び製品の開発を推進しています。豊富な技術資産と柔軟なエンジニア組織運営により、ミックスドシグナルLSI・化合物半導体・高機能パッケージなどを融合し、独自のソフトウェアを活かした高機能電子部品の開発のみならず、モジュール型製品への展開にも積極的に取り組んでいきます。
当セグメントに係る研究開発費の金額は32,156百万円です。
「住宅」セグメント
(住宅事業)
住宅事業では、「ロングライフ住宅の実現」を支えるコア技術について重点的な研究開発を続けています。
シェルター技術については、安全性(耐震・制震・免震技術、火災時の安全性向上技術)、耐久性(耐久性向上・評価技術、維持管理技術、リフォーム技術)に加えて、居住性(温熱・空気環境技術、遮音技術)、環境対応性(省エネルギー技術、低炭素化技術)の開発を行っています。住ソフト技術については、二世帯同居などの住まい方についての研究を、評価・シミュレーション技術については、ITなどの活用により直感的に理解可能な環境シミュレーションシステムの構築を、それぞれ進めています。また、住宅における生活エネルギー消費量削減とともに、人の生理・心理から捉えた快適性を研究し、健康・快適性と省エネルギーを両立させる環境共生的住まいを実現する技術開発に注力しています。
(建材事業)
建材事業では、「絶えざる改善・革新で、お客様に安全、安心、快適を提供します」を事業ビジョンとし、軽量気泡コンクリート(ALC)、フェノールフォーム断熱材、高機能基礎システム、鉄骨造構造資材の4つの事業分野において基盤技術の強化を推進しています。
当セグメントに係る研究開発費の金額は3,748百万円です。
「ヘルスケア」セグメント
(医薬事業)
医薬事業では、自社オリジナル製品の研究開発で培った経験をもとに、整形外科領域(骨、疼痛など)及び救急領域を中心に有効な治療方法がない医療ニーズを解決することによって、「健康でいたい」と願う世界中の人びとのQOLの向上を図ることを目指して積極的な研究開発を行っています。
創薬技術については、世界中の優れた技術を持つ企業や大学とのコラボレーションを積極的に推進することによって、絶えざる革新を日々進めています。
(医療事業)
医療事業では、治療の可能性を広げ、医療水準を向上させる製品、技術、サービスを提供するために、グループ総力をあげた研究開発に取り組んでいます。これまで培ってきた豊富な基礎技術と研究開発の応用により、人工腎臓、血液浄化技術、白血球やウイルスの除去技術をさらに発展させていきます。
(クリティカルケア事業)
クリティカルケア事業では、突然の心停止からの生存率を向上する技術開発を原点とし、新規領域にも研究を広げています。急性心筋梗塞・脳卒中・敗血症・呼吸困難など、予後の悪い数多い緊急疾病に対する新規治療法や技術が求められている昨今、全ての事業にわたり、患者と臨床医に役立つことを共通の使命としています。
当セグメントに係る研究開発費の金額は34,301百万円です。
「その他」
エンジニアリング分野等に関する研究開発を行っています。当セグメントに係る研究開発費の金額は151百万円です。
当社グループでは、2016年4月の事業持株会社制への移行に伴い、研究開発組織の再編を行うことで、社内融合を促進させる体制としました。また、中期経営計画「Cs for Tomorrow 2018」をスタートさせ、多彩な技術と多角的な事業を展開している当社グループの強みを結合し、「コア技術の育成・獲得」「高付加価値化の追求」「マーケットチャネルの活用」の3軸の視点で研究開発を進め、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)や共同研究など外部との連携を深めながら新事業の創出を目指しています。
当期の「コア技術の育成・獲得」に向けた取組みについては、当社グループの競争力の源泉である、培ってきたコア技術・ノウハウや事業プラットフォームの棚卸しを行い、新事業創出を目的に強化領域を定め、その領域を牽引するプロフェッショナル人財を体系的に育成・確保するために、高度専門職制度の構造的改定を実施しました。
また、進展が著しいIoT、AI、ビッグデータの活用は事業活動に大きなインパクトをもたらすとの視点から、2017年4月、研究・開発本部内に、デジタル技術を材料開発に活かすマテリアルズ・インフォマティクス(以下、「MI」)を育成・推進する「MI推進部」を、また、生産技術本部内に、製造力強化・生産革新のためにIT技術を製造現場に展開する「IoT推進部」を新たに発足しました。MIの応用については、樹脂コンパウンドの開発や触媒開発などにすでに展開しており、開発のスピードアップなどで成果が得られつつあります。今後もデジタル技術を当社グループの新たな基盤技術として育成していきます。
「高付加価値化の追求」における環境に貢献する新事業創出への取組みの具体例としては、「アルカリ水電解水素製造システムの開発」「CO2 ケミストリーによる基礎化学品の製造」「高出力殺菌用深紫外LED(以下、「UVC-LED」)」などが挙げられます。
1点目の再生可能エネルギーから高効率に水素を製造する「アルカリ水電解水素製造システムの開発」においては、2017年4月に、新たに推進組織「クリーンエネルギープロジェクト」を発足しました。神奈川県横浜市で商用機仕様の大型電解装置による実証を行い、2018年4月からは、環境問題への取組みが活発なドイツにて実証テストを開始するなど、欧州のマーケティング活動を今後強化します。
2点目の「CO2 ケミストリーによる基礎化学品の製造」においては、当社独自の取組みとして、CO2を原料とするジアルキルカーボネートを経由してポリカーボネートの原料であるジフェニルカーボネートを製造するプロセスの実証プラントで、2016年5月に1,000時間以上の連続運転を達成し、運転安定性と操作性を確認しました。本製法は従来の当社の非ホスゲン法をさらに進化させたものであり、エチレンオキサイドを原料としないため、エチレンセンターの所在に依存せず製造場所の立地制約が緩和され、新たなCO2ケミストリーとして期待されています。
3点目の「UVC-LED」においては、新しい殺菌用製品として、水殺菌に適した「Klaran™」のWDシリーズを2018年1月に販売開始しました。今後もより性能を高めた製品を開発し、「UVC-LED」による安全な水の提供、衛生環境の実現など、独自の新市場創出へ向けて邁進していきます。
「マーケットチャネルの活用」の取組みについては、グループ総合力でマーケット開拓を進めるべく、欧州における自動車関連ビジネスの拡大に向けて、旭化成ヨーロッパの機能の拡大を推進中であり、さらには、新事業開発の加速及び事業の拡大を図るため、2017年10月に欧州R&Dセンターをドイツ・ドルマーゲン市に開設しました。
全社に係る研究開発費の金額は、15,339百万円です。