第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

1.グループ戦略課題

世界経済は、米国の保護主義的な通商政策の影響や中国経済の下振れリスクが懸念されるものの、先進国を中心に景気の拡大が持続すると予想されています。

日本経済は、企業収益や雇用環境の改善等を背景に、企業の生産・設備投資や個人消費も緩やかな改善が続き、回復基調で推移するものと見込まれています。

このような状況のなか、当社グループは新中期経営計画『BEYOND 3000』の3つの基本戦略「3本柱の規模拡大」「新規領域への進出」「経営基盤の強化」を推進し、さらなる業績向上を目指します。

 

2.中長期的な会社の経営戦略

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、社会の一員として、社会との調和を図りながら持続的に発展し、さらにステークホルダーの期待に積極的に応えていくことの重要性を強く認識しており、「新しい潮流の変化に鋭敏であり続けるアグレッシブな先進企業を目指す」「世界とともに生きる」を経営理念として、独自性のある優れた技術で、時代の先端をいく製品と顧客ニーズに合った製品を提供し、企業の社会的責任を果たしていくことを経営の基本方針としています。

(2) 目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社グループは、中長期的な目指すべき方向性を示した2025年のありたい姿『ADEKA VISION 2025』を掲げ、現在の事業基盤である「化学品と食品」のみならず幅広い事業を世界中で展開し、メーカーとして世界の技術をリードしつつ、本業を通じて社会に貢献する「先端技術で明日の価値を創造し豊かなくらしに貢献するグローバル企業」を目指します。

中期経営計画『BEYOND 3000』では、最終年度(2020年度)に、『連結売上高3,000億円超(オーガニックグロース)、営業利益率 10%、ROE 10%』を目指し、3つの基本戦略のもと、「経営管理:グループ経営管理の強化」「グローバル:グローバリゼーションの拡大とローカライゼーションの加速」「技術:イノベーションの創出と競争力の強化」「人財:グローバル人財、リーダー人財の拡充」「企業価値:CSRを推進し社会とともに発展」からなる5つの施策を実行してまいります。事業領域の拡大と新規事業の育成を目的としたM&Aグロースにつきましても、積極的に進めてまいります。ADEKAグループ一丸となって経営戦略を着実に実行し、株主をはじめとするステークホルダーの皆様の信頼に応える企業を目指していきます。

 

〔中期経営計画 3つの基本戦略〕
① 3本柱の規模拡大

『樹脂添加剤』『化学品』『食品』を事業の3本柱として、事業毎に定める戦略製品の販売をグローバルで拡大する。

② 新規領域への進出

ターゲットとする『ライフサイエンス』『環境』『エネルギー』分野において、ビジネスモデルを構築し、事業化を推進する。

③ 経営基盤の強化

CSRを推進し、社会への貢献と社会からの信頼を高める。

ADEKAグループの相互連携を強化し、総合力を発揮する。

 

 

3.財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」)

(1) 基本方針の内容

当社は、当社の株主の在り方は、当社株式の市場における自由な取引を通じて決せられるものであり、当社の支配権の移転を伴う大規模買付行為(下記(3)②(a)に定義されます。以下同じとします)がなされた場合、これが当社の企業価値及び株主の皆様共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありませんが、大規模買付行為に応じるべきか否かの判断は、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えています。

しかしながら、近年の資本市場においては、対象会社の経営陣の同意を得ずに、一方的に大量の株式の買付を強行するような動きも見られます。こうした大規模買付行為の中には、その目的等からみて企業価値及び株主の皆様共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要する恐れがあるもの、または、対象会社の取締役会や株主の皆様が大規模買付行為の条件について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値及び株主の皆様共同の利益に資さないものも少なくありません。

当社取締役会は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社株主の皆様共同の利益及び当社の企業価値を持続的に確保・向上させていくことを可能とする者である必要があると考えており、上記の例を含め、当社の企業価値及び株主の皆様共同の利益を毀損する恐れのある不適切な大規模買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切でないと考えています。

 

(2) 当該株式会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
① 当社の企業価値の源泉
(a) 経営理念

当社グループは、「新しい潮流の変化に鋭敏であり続けるアグレッシブな先進企業を目指す」「世界とともに生きる」という経営理念の下、世界市場で競争力のある技術優位な製品群によるグローバルな事業展開を加速し、時代の先端を行く製品と、環境に優しく、顧客ニーズに合った製品を提供し続けています。

上記の経営理念の根底には、「本業を通じた社会貢献」というCSR(企業の社会的責任)の思想が流れています。すなわち、社会環境の変化を鋭敏にとらえ、当社の持つ先進技術を積極的に駆使することにより、新しい社会的課題への解決策を提供するとともに、株主及び投資家の皆様を始め、顧客、取引先、従業員、地域社会等、全てのステークホルダーの利益に配慮した経営活動を行うことにより、当社は、社会から信頼され、真に必要とされる企業となることを目指しています。

幅広いステークホルダーへの貢献を通じた企業価値の向上、ひいては、株主の皆様共同の利益の増大により、健全かつ持続的な成長・発展を続けることが、当社の経営の基本方針であり、創業以来、築き上げてきた、顧客、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーとの良好な信頼関係こそが、当社の企業価値の源泉となっています。

(b) 当社の事業内容とその特徴

化学品事業と食品事業という2つのコアビジネスを擁するユニークな企業として事業活動を行っています。そして、化学品事業においては、樹脂添加剤・情報・電子化学品、機能化学品、食品事業においては、加工油脂製品、加工食品製品といった非常に多岐にわたる事業分野をもち、かつ、それらの事業が相互に有機的に結びついているという特徴を有しています。

当社は、新規技術の創造と得意技術の融合により、環境の保全や人々の健康で豊かな生活に役立つ先駆的な製品を持続的に開発・提供し、国際社会に貢献できる企業を目指し、化学品事業と食品事業の両分野で、お客様や取引先様をはじめとするビジネスパートナーの皆様との共創により、独自性の高い技術を開発し、新しい価値を創造し続けています。また、各事業分野で培ってきた得意技術を融合し、環境・エネルギー、ライフサイエンスといった新しい事業分野にも注力しています。

創業以来、今日まで、幅広い事業分野におけるビジネスパートナーの皆様との強い信頼関係の下、築き上げてきた、独自性の高い技術力もまた、当社の企業価値の源泉となっています。

 

② 中期経営計画について

当社グループは、2018年度から2020年度の中期経営計画『BEYOND 3000』を2018年4月からスタートしました。『BEYOND 3000』は、2025 年の当社グループのありたい姿『ADEKA VISION 2025』の実現に向けたセカンドステージであり、この3年間でオーガニックグロース(自立的成長)により、売上高3,000億円を超え、さらなる拡大を目指してまいります。

 

〔中長期ビジョン『ADEKA VISION 2025』〕

 先端技術で明日の価値を創造し豊かなくらしに貢献するグローバル企業

 現在の事業基盤である「化学品と食品」のみならず幅広い事業を世界中に展開し、メーカーとして世界の技術をリードしつつ、本業通じて社会(豊かなくらし)に貢献するグローバル企業を目指す。

 

〔中期経営計画『BEYOND 3000』〕

(a)基本方針

「売上高3,000億円を超えるグッドカンパニーとなる。」

(b)3つの基本戦略

ⅰ)3本柱の規模拡大

 『樹脂添加剤』 『化学品』 『食品』を事業の3本柱として、事業毎に定める戦略製品の販売をグローバ
  ルで拡大する。

 ⅱ)新規領域への進出

ターゲットとする 『ライフサイエンス』 『環境』 『エネルギー』 分野において、ビジネスモデルを構
 築し、事業化を推進する。

ⅲ)経営基盤の強化

CSRを推進し、社会への貢献と社会からの信頼を高める。

 当社グループの相互連携を強化し、総合力を発揮する。

 

〔中期経営計画 5つの施策〕
(a) 経営管理:グループ経営管理の強化

当社グループ共通の価値観の醸成や、制度・体制等の整備により、グループ経営管理の強化を図る。

(b) グローバル:グローバリゼーションの拡大とローカライゼーションの加速

調達・生産・販売のグローバル展開をさらに拡大させるとともに、海外の各現地法人の成長を加速する。

(c) 技術:イノベーションの創出と競争力の強化

社会から求められる製品を永続的に創出していくため、研究開発の強化と新規事業化の推進、及び生産技術の深化・継承に取り組む。

(d) 人財:グローバル人財・リーダー人財の拡充

企業資産である人財への持続的な投資により、グローバル人財・リーダー人財を拡充する。

(e) 企業価値:CSRを推進し社会とともに発展

CSR推進体制のレベルアップを図り、事業を通じて社会の課題解決に貢献し、当社の持続的成長につなげていく。

 

 

〔経営目標〕

 

2017年度実績

2018年度実績

2020年度

(中計最終年度)

連結売上高

2,396億円

2,993億円

3,000億円超

売上高営業利益率

8.9%

8.9%

10%

ROE

8.1%

8.5%

10%

配当性向

26.1%

27.1%

30%

 


[連結売上高]

 オーガニックグロース(自立的成長)による連結売上高3,000億円超の達成が目標です。

 このほかに、事業領域の拡大と新規事業の育成を目的とした、M&Aグロースも積極的に進めていきます。
 
[投融資計画]

 3カ年総額:1,000 億円(内訳:設備投資額 500 億円、M&A資金 500 億円)
 
[配当・株主還元]

当社は、経営基盤の強化、中長期的視野に立った成長事業領域への投資等による事業の拡大により企業価値の向上を図っていくとともに、安定した配当の継続を基本として、経営環境、業績、財務状況などを総合的に勘案して、適正な利益還元を行ってまいります。配当につきましては、中長期的水準の向上を目指しており、中期経営計画『BEYOND 3000』の最終年度である2020年度連結配当性向30%を目標とし、段階的に引き上げていく方針です。今後も、効率的な資本構成と資本運用を意識しながら製品の高付加価値化と差別化に取り組んでまいります。
 
 当社グループは、本中期経営計画の実行を通じて、企業価値の向上と株主の皆様共同の利益の確保を図ってまいります。

 

③ ライフサイエンス事業の拡大 

中期経営計画『BEYOND 3000』では、ライフサイエンス事業を、進出すべき新規領域の一つに掲げています。農業事業ビジネスをポートフォリオに加え、ライフサイエンス事業の拡大を加速させるため、当社は、日本農薬株式会社(以下「日本農薬」といいます)と資本業務提携契約を締結し、同社を連結子会社化しました。
 日本農薬は、当社の農薬部門を分離し、1928年に設立された会社で、当社事業・組織文化との親和性が極めて高く、従前から、両社研究部門間で様々な技術交流を行ってきました。今回の資本業務提携を通じて、当社と日本農薬の有機合成技術や製剤技術のシナジー効果を追求すべく、人財交流、研究開発領域の相互補完、生産技術・生産拠点等の相互利用を進め、当社グループのライフサイエンス事業の拡大に取り組んでまいります。
 特にライフサイエンス事業における新規薬剤・医療機器の開発には、長期的な視野に立った地道な研究開発活動と事業化に向けた多額の投資が必要であり、両社の強みを活かした安定的かつ持続的な研究開発体制と生産・販売体制の構築が求められます。
 日本農薬との資本業務提携契約に基づき、新製品開発から市場投入に至る長期的・安定的な事業活動を進めていくためにも、短期的利益のみを追求するのではなく、中長期的な観点から企業価値及び株主の皆様共同の利益の向上を図っていく必要性は一層高まっているものと考えています。

 
 

④ コーポレートガバナンスの強化

以上の施策を推進していくにあたり、当社は、健全で透明性が高く、安定した経営の基盤となるコーポレートガバナンス、コンプライアンス及びリスクマネジメントの一層の強化に努めています。

コーポレートガバナンスの強化のため、当社は、監査役会設置会社制度の枠内で、監督と執行との分離を可及的に進めるため、執行役員制度を導入し、経営の監督及び意思決定と執行の分離を図っています。また、職務執行の責任を明確化するため、取締役と執行役員の任期はそれぞれ1年としています。取締役会は月1回の定時取締役会と、臨時取締役会を随時開催し、月に数回行われる経営会議による審議と合わせ、機動的かつ十分な検討を経て、意思決定を行っています。

当社は、取締役会の承認を要する重要事項について事前審議を行い、業務執行に関する情報の共有化を図るとともに、取締役会の審議の迅速化を図る目的で、経営会議を設置しています。経営会議は、常勤取締役と執行役員で構成し、経営会議規則で定める事項について審議、決定します。取締役会の監督機能を強化し、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上の観点から助言を得るため、当社独自の独立性の基準を満たす独立社外取締役を2名、独立社外監査役を3名選任し、全員を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として届け出ています。
 当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、取締役と株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、2017年6月に、譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。
 取締役・監査役候補者の指名、執行役員の選任や、役員報酬の決定の透明性・公正性を高めるため、「ADEKAグループ コーポレートガバナンス・ガイドライン」に基づき、代表取締役から独立社外取締役に事前説明を行い、独立社外取締役の意見・助言を踏まえて、取締役会の決議により決定しています。
 大規模買付行為への対応に関しては、当社は、大規模買付者の出現時に本プラン(下記(3)に定義されます。以下同じとします)に基づき当社取締役会が行う意思決定手続の透明性・客観性を確保することを目的として、独立性の高い社外役員と社外有識者で構成される独立委員会を設置しています。独立委員会は、大規模買付者の出現時には、企業価値の向上と株主の皆様共同の利益の確保のため、客観的・独立的な立場で取締役会に対し勧告・提案を行います。また、平時においても独立委員会は年2回開催され、これを通じて、当社は独立委員に対して当社の経営に関する情報を更新的に提供し、また、独立委員会から当社に対して客観的・独立的な立場からのご意見・ご助言をいただくことで、当社が、常に適切な経営判断を行える環境を整えています。
 なお、当社は、東京証券取引所が定めるコーポレートガバナンス・コードへの対応として、当社グループの企業使命・経営理念を実現し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図ることを目的に、コーポレートガバナンスの基本的な考え方と基本方針を定めた「ADEKAグループ コーポレートガバナンス・ガイドライン」(http://www.adeka.co.jp/ir/library/pdf/cgg.pdf)を制定しています。今後も、コーポレートガバナンス・コードの趣旨・精神を踏まえ、当社グループ全体のコーポレートガバナンスの強化に取り組んでまいります。
 

 

(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、上記(1)記載の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、2007年6月22日開催の当社第145回定時株主総会において、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を導入することについて株主の皆様のご承認をいただきました。その後、かかる対応方針は、3度の更新を経た後、2019年6月21日開催の当社第157回定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます)において、株主の皆様の承認をいただき、効力を生じました(以下本定時株主総会においてご承認いただいた対応方針を「本プラン」といいます)。本プランは、大規模買付ルールの内容、大規模買付行為への対応、及び、本プランの適正な運用を担保するための手続等を定めたものであり、その概要は以下の通りです。

① 本プランによる買収防衛策更新の目的について

当社は、上記(1)記載の基本方針に基づき、当社の総議決権の20%以上の議決権を有する株式(以下「支配株式」といいます)の取得を目指す者及びそのグループの者(以下「買収者等」といいます)に対して、場合によっては何らかの措置を講ずる必要が生じ得るものと考えますが、上場会社である以上、買収者等に対して株式を売却するか否かの判断や、買収者等に対して会社の経営を委ねることの是非に関する最終的な判断は、基本的には、個々の株主の皆様のご意思に委ねられるべきものだと考えています。しかしながら、株主の皆様に適切な判断を行っていただくためには、その前提として、上記のような当社固有の事業特性や当社グループの歴史を十分に踏まえていただいた上で、当社の企業価値とその価値を生み出している源泉につき適切な把握をしていただくことが必要であると考えます。そして、買収者等による当社の支配株式の取得が当社の企業価値やその価値の源泉に対してどのような影響を及ぼし得るかを把握するためには、買収者等から提供される情報だけでは不十分な場合も容易に想定され、株主の皆様が適切な判断を行われるために、当社固有の事業特性を十分に理解している当社取締役会から提供される情報及び当該買収者等による支配株式の取得行為に対する当社取締役会の評価・意見や、場合によっては当社取締役会によるそれを受けた新たな提案を踏まえていただくことが必要であると考えます。

したがいまして、当社といたしましては、株主の皆様に対して、これらの多角的な情報を分析し、検討していただくための十分な時間を確保することが非常に重要であると考えています。

以上の見地から、当社は、上記(1)の基本方針を踏まえ、大規模買付行為を行おうとし、または現に行っている者(以下「大規模買付者」といいます)に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮・検討のための期間の確保を求めることによって、(i)当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、(ⅱ)当社取締役会が、独立委員会(下記②(h)に定義されます。以下同じとします)の勧告を受けて、当該大規模買付行為に対する賛否の意見または大規模買付者が提示する買収提案や事業計画等に代替する事業計画等(以下「代替案」といいます)を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、(ⅲ)株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって基本方針に照らして不適切な者(具体的には下記②(k)に定義される例外事由該当者をいいます)によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、本プランによる買収防衛策の更新が必要であるとの結論に達しました。

本プランによる買収防衛策の更新に際しましては、株主の皆様のご意思を確認することが望ましいことはいうまでもありません。そのため、当社取締役会は、本定時株主総会において本プランによる買収防衛策の更新に関する承認議案を付議することを通じて株主の皆様のご意思を確認させていただき、株主の皆様のご賛同が得られましたので、本プランとそれによる買収防衛策の更新が効力を発生しました。

なお、現時点において、当社株式について具体的な大規模買付行為の兆候があるとの認識はございません。

 

② 本プランの内容について

本プランに関する手続の流れの概要をまとめたフローチャートは後記「本プランの手続の流れ」の通りですが、本プランの具体的内容は以下の通りです。

(a) 対抗措置発動の対象となる大規模買付行為の定義

次のⅰ)ないしⅲ)のいずれかに該当する行為(ただし、当社取締役会が予め承認をした行為を除きます)若しくはその可能性のある行為(以下「大規模買付行為」と総称します)がなされ、またはなされようとする場合に、本プランに基づく対抗措置が発動される場合があります。

ⅰ) 当社が発行者である株券等(注1)に関する当社の特定の株主の株券等保有割合(注2)が20%以上となる当該株券等の買付その他の取得(注3)
ⅱ) 当社が発行者である株券等(注4)に関する当社の特定の株主の株券等所有割合(注5)とその特別関係者(注6)の株券等所有割合との合計が20%以上となる当該株券等の買付その他の取得(注7)
ⅲ) 上記ⅰ)またはⅱ)に規定される各行為の実施の有無にかかわらず、当社の特定の株主が、当社の他の株主(複数である場合を含みます。以下本ⅲ)において同じとします)との間で行う行為であり、かつ、当該行為の結果として当該他の株主が当該特定の株主の共同保有者(注8)に該当するに至るような合意その他の行為、または当該特定の株主と当該他の株主との間にその一方が他方を実質的に支配し若しくはそれらの者が共同ないし協調して行動する関係(注9)を樹立する行為(注10)(ただし、当社が発行者である株券等につき当該特定の株主と当該他の株主の株券等保有割合の合計が20%以上となるような場合に限ります)

(注1)金融商品取引法第27条の23第1項に定義される株券等をいいます。以下別段の定めがない限り同じとします。

(注2)金融商品取引法第27条の23第4項に定義される株券等保有割合をいいます。以下同じとしますが、かかる株券等保有割合の計算上、(i)同法第27条の2第7項に定義される特別関係者、並びに(ii)当社の特定の株主との間でフィナンシャル・アドバイザー契約を締結している投資銀行、証券会社その他の金融機関並びに当社の特定の株主の公開買付代理人及び主幹事証券会社(以下「契約金融機関等」といいます)は、当社の特定の株主の共同保有者とみなします。また、かかる株券等保有割合の計算上、当社の発行済株式の総数は、当社が公表している直近の情報を参照することができるものとします。

(注3)売買その他の契約に基づく株券等の引渡請求権を有すること及び金融商品取引法施行令第14条の6に規定される各取引を行うことを含みます。

(注4)金融商品取引法第27条の2第1項に定義される株券等をいいます。以下本ⅱ)において同じとします。

(注5)金融商品取引法第27条の2第8項に定義される株券等所有割合をいいます。以下同じとします。なお、かかる株券等所有割合の計算上、当社の総議決権の数は、当社が公表している直近の情報を参照することができるものとします。

(注6)金融商品取引法第27条の2第7項に定義される特別関係者をいいます。ただし、同項第1号に掲げる者については、発行者以外の者による株券等の公開買付の開示に関する内閣府令第3条第2項で定める者を除きます。なお、(i)共同保有者及び(ii)契約金融機関等は、当該特定の株主の特別関係者とみなします。以下別段の定めがない限り同じとします。

(注7)買付その他の有償の譲受け及び金融商品取引法施行令第6条第3項に規定される有償の譲受けに類するものを含みます。

(注8)金融商品取引法第27条の23第5項に定義される共同保有者をいいます。以下同じとします。

(注9)「当該特定の株主と当該他の株主との間にその一方が他方を実質的に支配し若しくはそれらの者が共同ないし協調して行動する関係」が樹立されたか否かの判定は、新たな出資関係、業務提携関係、取引ないし契約関係、役員兼任関係、資金提供関係、信用供与関係、デリバティブや貸株等を通じた当社株券等に関する実質的な利害関係等の形成や当該特定の株主及び当該他の株主が当社に対して直接・間接に及ぼす影響等を基礎に行うものとします。

(注10)上記ⅲ)所定の行為がなされたか否かの判定は、当社取締役会が独立委員会の勧告に基づき合理的に行うものとします。なお、当社取締役会は、当該ⅲ)の要件に該当するか否かの判定に必要と判断される範囲において当社の株主に対して必要な情報の提供を求めることがあります。

 

(b) 意向表明書の提出

大規模買付者には、大規模買付行為の開始または実行に先立ち、別途当社の定める書式により、(i)本プランに定める手続(以下「大規模買付ルール」といいます)を遵守することを当社取締役会に対して誓約する旨の大規模買付者代表者による署名または記名押印のなされた書面、及び(ii)当該署名または記名押印を行った代表者の資格証明書(以下、これらを併せて「意向表明書」といいます)を当社代表取締役社長宛に提出していただきます。

当社取締役会は、かかる意向表明書を受領した場合、速やかにこれを独立委員会に提出いたします。

意向表明書には、大規模買付ルールを遵守する旨の誓約のほか、大規模買付者の氏名または名称、住所または本店、事務所等の所在地、設立準拠法、代表者の氏名、日本国内における連絡先、提案する大規模買付行為の概要、大規模買付者が現に保有する当社の株券等の数、意向表明書提出前60日間における大規模買付者の当社株式の取引状況及び企図する大規模買付行為の概要等を明示していただきます。なお、意向表明書における使用言語は日本語に限ります。

当社は、大規模買付者から意向表明書が提出された場合、当社取締役会または独立委員会が適切と認める事項について、適用ある法令等に従って適時適切に開示します。

(c) 大規模買付者による情報提供

大規模買付者には、当社取締役会が意向表明書を受領した日から5営業日(初日不算入とします)以内に、当社取締役会に対して、次のⅰ)からⅸ)までに掲げる情報(以下「大規模買付情報」と総称します)を提供していただきます。当社取締役会は、大規模買付情報を受領した場合、速やかにこれを独立委員会に対して提供します。

なお、大規模買付ルールに基づく大規模買付情報の提供その他当社への通知、連絡における使用言語は日本語に限ります。

ⅰ) 大規模買付者及びそのグループ会社等(主要な株主または出資者(直接であるか間接であるかを問いません。以下同じとします)並びに重要な子会社及び関連会社を含み、大規模買付者がファンドまたはその出資に係る事業体である場合は主要な組合員、出資者その他の構成員並びに業務執行組合員及び投資に関する助言を継続的に行っている者を含みます。以下同じとします)の概要(具体的名称、資本構成、出資割合及び財務内容並びに役員の氏名、略歴及び過去における法令違反行為の有無(及びそれが存する場合にはその概要)等を含みます)
ⅱ) 大規模買付者及びそのグループの内部統制システムの具体的内容及び当該システムの実効性の有無ないし状況
ⅲ) 大規模買付行為の目的、方法及び内容(大規模買付行為の対象となる当社株券等の種類及び数、大規模買付行為の対価の種類及び価額、大規模買付行為の時期、関連する取引の仕組み、大規模買付行為の方法の適法性、大規模買付行為及び関連する取引の実現可能性、大規模買付行為完了後に当社株券等が上場廃止となる見込みがある場合にはその旨及びその理由を含みます。なお、大規模買付行為の方法の適法性については資格を有する弁護士による意見書を併せて提出していただきます)
ⅳ) 大規模買付行為に際しての第三者との間における意思連絡(当社に対して重要提案行為等(金融商品取引法第27条の26第1項に定義される重要提案行為等をいいます)を行うことに関する意思連絡を含みます。以下同じとします)の有無及び意思連絡が存する場合にはその具体的な態様及び内容
ⅴ) 大規模買付行為に係る買付等の対価の算定根拠及びその算定経緯(算定の前提となる事実・仮定、算定方法、算定機関と当該算定機関に関する情報、算定に用いた数値情報並びに大規模買付行為に係る一連の取引により生じることが予想されるシナジー及びディスシナジーの額及びその算定根拠を含みます)
ⅵ) 大規模買付行為に係る買付等の資金の裏付け(当該資金の提供者(実質的提供者(直接であるか間接であるかを問いません)を含みます)の具体的名称、調達方法、資金提供が実行されるための条件及び資金提供後の担保ないし誓約事項の有無及び内容並びに関連する具体的取引の内容を含みます)

 

ⅶ) 大規模買付行為の完了後に意図する当社及び当社グループの経営方針、事業計画、財務計画、資金計画、投資計画、資本政策及び配当政策等(大規模買付行為完了後における当社資産の売却、担保提供その他の処分に関する計画を含みます)その他大規模買付行為完了後における当社グループの役員、従業員、取引先、顧客、その他の当社に係る利害関係者に対する対応方針
ⅷ) 反社会的勢力ないしテロ関連組織との関連性の有無(直接的であるか間接的であるかを問いません)及び関連が存する場合にはその関連に関する詳細
ⅸ) その他当社取締役会または独立委員会が合理的に必要と判断し、不備のない適式な意向表明書を当社取締役会が受領した日から5営業日(初日不算入とします)以内に書面により大規模買付者に対して要求した情報
(d) 大規模買付者に対する追加情報提供要求

当社取締役会が、大規模買付者から当初提供を受けた情報だけでは、(i)当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断することや、(ⅱ)当社取締役会及び独立委員会による当該大規模買付行為に対する賛否の意見形成(以下「意見形成」といいます)、または当社取締役会による代替案の立案(以下「代替案立案」といいます)を株主の皆様に対して適切に提示することが困難であると判断した場合には、独立委員会が同様の判断に達することを条件に、合理的な期間の提出期限(当社取締役会が意向表明書を受領した日から60日以内(初日不算入とします)で当社取締役会が定める一定の日とします)を定めた上で、当該定められた具体的期間及び合理的な期間を必要とする理由を株主の皆様に対して開示することにより、株主の皆様による適切な判断並びに当社取締役会及び独立委員会による意見形成及び取締役会による代替案立案のために必要な追加情報の提供を、随時大規模買付者に対して要求することができるものとします。

ただし、この場合、当社取締役会は、独立委員会の意見を最大限尊重するものとします。

(e) 情報提供の完了及び情報の開示

当社取締役会が大規模買付情報の提供が完了したと判断した場合には、当社は、その旨を適用ある法令等に従って適時適切に開示します。さらに、当社は、当社取締役会の決定に従い、大規模買付情報の受領後の適切な時期に、大規模買付情報のうち当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断するために必要と認められる情報を、適用ある法令等に従って必要な範囲で適時適切に開示します。

ただし、当社取締役会は、かかる判断及び決定にあたって、独立委員会の意見を最大限尊重するものとします。

(f) 取締役会評価期間の設定及び延長

当社取締役会は、大規模買付者が開示した大規模買付行為の内容に応じた下記ⅰ)またはⅱ)の期間(いずれも大規模買付情報の提供が完了したと当社取締役会が判断した旨を当社が開示した日から起算され、初日不算入とします)を、当社取締役会による評価、検討、意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます)として設定します。

大規模買付行為は、本プランに別段の記載なき限り、取締役会評価期間の経過後にのみ開始されるべきものとします。なお、かかる取締役会評価期間は、当社の事業内容の評価、検討の困難さや、意見形成、代替案立案等の難易度などを勘案して設定されたものです。

ⅰ) 対価を現金(円貨)のみとする公開買付による当社の全ての株券等の買付が行われる場合:最長60日間

ⅱ) ⅰ)を除く大規模買付行為が行われる場合:最長90日間

なお、独立委員会が取締役会評価期間内に下記(i)記載の勧告を行うに至らないこと等の理由により、当社取締役会が取締役会評価期間内に対抗措置の発動または不発動の決議に至らないことにつきやむを得ない事情がある場合、当社取締役会は、独立委員会の委員の全員一致に基づき、必要な範囲内で取締役会評価期間を最長30日間(初日不算入とします)延長することができるものとします。当社取締役会が取締役会評価期間の延長を決議した場合、当該決議された具体的期間及びその具体的期間が必要とされる理由を適用ある法令等に従って適時適切に開示します。

 

(g) 取締役会評価期間における取締役会による評価等

当社取締役会は、取締役会評価期間内(延長された場合はその期間も含みます)において、大規模買付者から提供された大規模買付情報に基づき、当社の企業価値及び株主の皆様共同の利益の確保・向上の観点から企図されている大規模買付行為に関して評価、検討、意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉を行うものとします。

当社取締役会が評価、検討、意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉を行うにあたっては、必要に応じて、当社取締役会から独立した第三者的立場にある外部専門家(フィナンシャル・アドバイザー、弁護士、公認会計士、税理士等。以下同じとします)の助言を得るものとします。かかる費用は、合理的な範囲で全て当社が負担するものとします。

(h) 独立委員会の設置

当社は、既に本プランの発動等に関する当社取締役会の恣意的判断を排するため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、社外取締役及び社外監査役(それらの補欠者を含みます)並びに社外有識者の中から3名以上で構成される独立委員会(以下「独立委員会」といいます)を設置いたしているところですが、本プランにおいてもそれを継続いたします。

独立委員会は、必要に応じて、当社取締役会及び独立委員会から独立した第三者的立場にある外部専門家の助言を得ること等ができるものとします。なお、かかる助言を得るに際し要した費用は、合理的な範囲で全て当社が負担するものとします。

本プランへの改定当初における独立委員会の各委員の氏名及び略歴は後記「独立委員会委員の氏名及び略歴」の通りです。

独立委員会の決議は、原則として委員全員が出席し、本プランに特段の定めがある場合を除き、その過半数をもってこれを行います。ただし、委員に事故あるとき、その他やむを得ない事情があるときは、委員の過半数が出席し、その過半数をもって決議します。

(i) 独立委員会の勧告手続及び当社取締役会による決議等
ⅰ) 独立委員会の勧告

独立委員会は、取締役会評価期間内に、次のアからウに定めるところに従い、当社取締役会に対して大規模買付行為に関する勧告を行うものとします。

ア 大規模買付ルールが遵守されなかった場合

大規模買付者が大規模買付ルールにつきその重要な点において違反した場合(例えば、大規模買付ルールに基づき、株主総会に諮るべきときにおいて、株主総会の決議を待つことなく大規模買付行為を開始する場合等、所定の手続の途中で大規模買付ルールに違反するに至った場合も含みます)で、当社取締役会がその是正を書面により当該大規模買付者に対して要求した後5営業日以内(初日不算入とします)に当該違反が是正されない場合には、独立委員会は、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益の確保・向上のために対抗措置を発動させないことが必要であることが明白であることその他の特段の事情がある場合を除き、原則として、当社取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の発動を勧告します。

かかる勧告がなされた場合、当社は、独立委員会の意見及びその意見の理由その他適切と認められる情報を、適用ある法令等に従って適時適切に開示します。

なお、独立委員会は、当社取締役会に対して対抗措置の発動を勧告した後であっても、大規模買付行為が撤回された場合その他当該勧告の判断の前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、対抗措置の発動の中止その他の勧告を当社取締役会に対して行うことができるものとします。かかる再勧告が行われた場合も、当社は、独立委員会の意見及びその意見の理由その他適切と認められる情報を、適用ある法令等に従って適時適切に開示します。

 

イ 大規模買付ルールが遵守された場合

大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合、独立委員会は、原則として、当社取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の不発動を勧告します。

ただし、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、独立委員会は、当該大規模買付者が次の(ア)から(キ)までのいずれかの事情を有していると認められる者(以下「濫用的買収者」と総称します)であり、かつ、かかる大規模買付行為に対する対抗措置の発動が相当であると判断する場合には、かかる大規模買付行為に対する対抗措置の発動につき株主総会に諮るべきである旨を当社取締役会に勧告するものとします。

なお、独立委員会は、大規模買付ルールが遵守された場合において、大規模買付者による大規模買付行為もしくはその提案の内容の検討、または大規模買付者との協議・交渉等の結果、独立委員会がその委員の全員一致により、対抗措置の不発動の勧告を行う旨の判断に至らなかったときは、本プランによる対抗措置の発動につき株主総会に諮るべきである旨を当社取締役会に勧告するものとします。

(ア)真に会社経営に参加する意思がないにもかかわらず、株価をつり上げて高値で株式を会社関係者に引き取らせる目的で当社株券等の買収を行っている場合(いわゆるグリーンメイラー)ないし当社株券等の取得目的が主として短期の利鞘の獲得にある場合

(イ)当社の会社経営への参加の目的が、主として、当社の会社経営を一時的に支配して、当社の事業経営上必要な知的財産権、ノウハウ、企業秘密情報、主要取引先や顧客等を当該大規模買付者またはそのグループ会社等に移譲させることにある場合

(ウ)当社の会社経営を支配した後に、当社の資産を当該大規模買付者またはそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として不当に流用する予定で、当社株券等の取得を行っている場合

(エ)当社の会社経営への参加の目的が、主として、当社の会社経営を一時的に支配して、当社の事業に当面関係していない不動産、有価証券等の高額資産等を売却等処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるかあるいは一時的な高配当による株価の急上昇の機会を狙って株式の高値売り抜けをする点にある場合

(オ)大規模買付者の提案する当社株券等の取得条件(買付対価の種類、価額及びその算定根拠、内容、時期、方法、違法性の有無、実現可能性を含みますがこれらに限りません)が、当社の企業価値に照らして不十分または不適切なものであると合理的な根拠をもって判断される場合

(カ)大規模買付者の提案する当社株式の買付方法が、二段階買付(第一段階の買付で当社株券等の全てを買付けられない場合の、二段階目の買付の条件を不利に設定し、明確にせず、または上場廃止等による将来の当社株券等の流通性に関する懸念を惹起せしめるような形で株券等の買付を行い、株主の皆様に対して買付に応じることを事実上強要するもの)等に代表される、構造上、株主の皆様の判断の機会または自由を制約するような強圧的な方法による買収である場合

(キ)大規模買付者による支配権取得により、株主の皆様はもとより、企業価値の源泉である顧客、従業員その他の当社の利害関係者との関係が破壊または毀損され、その結果として当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益が著しく毀損することが予想されたり、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の確保及び向上を著しく妨げるおそれがあると合理的な根拠をもって判断される場合

なお、かかる勧告に関する開示手続やその後の再勧告に関する手続は、上記アに準じるものとします。

ウ 独立委員会によるその他の勧告等

独立委員会は、当社取締役会に対して、上記のほか、適宜当社の企業価値または株主の皆様共同の利益の最大化の観点から適切と思われる内容の勧告や一定の法令等で許容されている場合における対抗措置の中止または発動の停止の勧告等を行うことができるものとします。

なお、かかる勧告に関する開示手続やその後の再勧告に関する手続は、上記アに準じるものとします。

 

ⅱ) 当社取締役会による決議

当社取締役会は、上記ⅰ)ア、イ及びウの独立委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の発動、不発動または中止その他必要な決議を行うものとします。

なお、独立委員会から対抗措置不発動の決議をすべき旨の勧告がなされた場合であっても、当社取締役会は、かかる独立委員会の勧告に従うことにより取締役の善管注意義務に違反するおそれがある等の事情があると認める場合には、ⅰ)ア〔大規模買付ルールが遵守されなかった場合〕においては、対抗措置発動の決議を行うことができるものとし、ⅰ)イ〔大規模買付ルールが遵守された場合〕においては、対抗措置不発動の決議を行わず、対抗措置を発動するか否かを株主の皆様に問うべく当社株主総会を招集することができるものとします。

かかる決議を行った場合、当社は、当社取締役会の意見及びその意見の理由その他適切と認められる情報を、適用ある法令等に従って適時適切に開示します。

なお、大規模買付者は、当社取締役会が本プラン所定の手続に従って(すなわち、独立委員会の上記ⅰに基づく対抗措置の不発動の勧告、または下記ウに基づく株主総会における対抗措置の発動の決議が得られなかったことを受けて)対抗措置を発動しない旨の決議を行った後でなければ、大規模買付行為を開始・実行してはならないものとさせていただきます。

ⅲ) 当社株主総会の招集

当社取締役会は、上記ⅰ)イに掲げる株主総会に諮るべきである旨の独立委員会の勧告がなされた場合、及び、上記ⅱ)に基づき、対抗措置を発動するか否かを株主の皆様に問うべく当社株主総会を招集すべき旨の取締役会決議を行った場合には、本プランによる対抗措置の発動についての承認を議案とする株主総会の招集手続を速やかに実施するものとします。この場合には、当社取締役会は、かかる手続によって実施された株主総会の決議に従い、対抗措置の発動、不発動または中止その他必要な決議を行うものとします。

かかる決議を行った場合、当社は、当社取締役会の意見及びその意見の理由その他適切と認められる情報を、適用ある法令等に従って適時適切に開示します。

株主総会の招集を行うにあたり、当社取締役会は、大規模買付情報の概要、意向表明書に関する当社取締役会の意見及び独立委員会の勧告等の内容その他当社取締役会が適切と判断する事項について、速やかに適用ある法令等に従って適時適切に開示します。

なお、株主総会開催の前提として、当社取締役会は、大規模買付者から十分な情報を受領後速やかに、当該株主総会において議決権を行使できる株主を確定するための基準日(以下「承認総会議決権基準日」といいます)を定め、当該基準日の2週間前までに公告を行うものとします。当該株主総会において議決権を行使することのできる株主は、承認総会議決権基準日における最終の株主名簿に記載または記録された株主とします。

当該株主総会の決議は、出席した議決権を行使することができる株主の議決権の過半数によって決するものとします。当該株主総会の結果は、その決議後速やかに開示するものとします。

なお、当該株主総会の招集手続が執られた場合であっても、その後、当社取締役会において対抗措置不発動の決議を行った場合には、当社は当社株主総会の招集手続を取り止めることができます。かかる決議を行った場合も、当社は、当社取締役会の意見及びその意見の理由その他適切と認められる情報を、適用ある法令等に従って適時適切に開示します。

(j) 大規模買付情報の変更

上記(e)の規定に従い、当社が大規模買付情報の提供が完了したと判断した旨開示した後、当社取締役会が大規模買付者によって当該大規模買付情報につき重要な変更がなされたと判断した場合には、その旨及びその理由その他適切と認められる情報を、適用ある法令等に従って適時適切に開示します。これにより、従前の大規模買付情報を前提とする大規模買付行為(以下「変更前大規模買付行為」といいます)について進めてきた本プランに基づく手続は中止されるものとします。この場合、変更後の大規模買付情報を前提とする大規模買付行為は、変更前大規模買付行為とは別個の大規模買付行為として取り扱われ、本プランに基づく手続が改めて適用されるものとします。

ただし、当社取締役会は、かかる判断にあたって、独立委員会の意見を最大限尊重するものとします。

 

(k) 対抗措置の具体的内容

当社が本プランに基づき発動する大規模買付行為に対する対抗措置は、会社法第277条以下に規定される新株予約権の無償割当てによるものを想定しています(以下、割り当てられる新株予約権を「本新株予約権」といいます)。

大規模買付行為に対する対抗措置として本新株予約権の無償割当てをする場合の概要は、後記「新株予約権の無償割当てをする場合の概要」に記載の通りですが、実際に本新株予約権の無償割当てを行う場合には、(i)例外事由該当者(当社取締役会が所定の手続に従って定める一定の大規模買付者、その共同保有者及び特別関係者並びにこれらの者が実質的に支配し、これらの者と共同ないし協調して行動する者として、独立委員会による助言を踏まえて当社取締役会が認定した者等をいいます。以下同じとします)による権利行使は認められないとの行使条件、または(ii)当社が本新株予約権の一部を取得することとするときに、例外事由該当者以外の新株予約権者が所有する本新株予約権のみを取得することができること等を内容とする取得条項等を設けることがあります。

③ 本プランの有効期間並びに本プランの継続、廃止及び変更等について
(a) 本プランの有効期間

本プランの有効期間は、本定時株主総会において本プランによる買収防衛策の更新に関する承認議案が可決された時から、本定時株主総会終了後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。

ただし、本プランは、株主の皆様のご意向に従い、随時これを廃止することが可能です。すなわち、かかる有効期間の満了前であっても、本定時株主総会において本プランによる買収防衛策の更新に関する承認議案が承認されなかった場合、当社の株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合、または当社取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、本プランはその時点で廃止されるものとします。

(b) 本プランの継続、廃止及び変更等

本プランについては、本定時株主総会後に行われる当社定時株主総会の終結後最初に開催される当社取締役会において、その継続、廃止または変更の是非につき検討を行い、必要な場合には所要の決議を行います。

また、当社取締役会は、法令等またはそのガイドラインの改正等により合理的に必要と認められる範囲で、独立委員会の承認を得た上で、上記当社定時株主総会の終結後最初に開催される当社取締役会以外の時機においても、必要に応じて本プランを見直し、または変更する場合があります。

本プランの廃止、変更等が決議された場合には、当社は、当社取締役会または独立委員会が適切と認める事項について、適用ある法令等に従って適時適切に開示します。

④ 株主及び投資家の皆様への影響について
(a) 本プランによる買収防衛策の更新時に株主及び投資家の皆様に与える影響

本プランによる買収防衛策の更新時には、本新株予約権の無償割当て自体は行われません。従って、本プランないし本改定がその効力発生時に株主及び投資家の皆様の法的権利及び経済的利益に直接具体的な影響を与えることはありません。

 

(b) 対抗措置発動時に株主及び投資家の皆様へ与える影響

当社取締役会は、本プランに基づき、企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の確保及び向上を目的として大規模買付行為に対する対抗措置を執ることがあるものの、現在想定されている対抗措置の仕組み上、本新株予約権の無償割当て時においては、保有する当社株式1株当たりの価値の希薄化は生じますが、保有する当社株式全体の価値の希薄化は生じないことから、株主及び投資家の皆様の法的権利及び経済的利益に対して直接的及び具体的な影響を与えることは想定しておりません。

ただし、例外事由該当者については、対抗措置が発動された場合、結果的に、その法的権利または経済的利益に何らかの影響が生じる可能性があります。

また、対抗措置として本新株予約権の無償割当ての決議をした場合であって、本新株予約権の無償割当てを受けるべき株主の皆様が確定した後において、当社が、本新株予約権の無償割当てを中止し、または無償割当てがなされた本新株予約権を無償取得する場合には、結果として当社株式1株当たりの価値の希薄化は生じません。そのため、当社株式1株当たりの価値の希薄化が生じることを前提にして当社株式の売買を行った投資家の皆様は、株価の変動等により不測の損害を被る可能性があります。

なお、無償割当てがなされた本新株予約権の行使及び取得の手続について株主の皆様に関係する手続は、次の通りです。これらの手続の詳細につきましては、実際にこれらの手続が必要となった際に、適用ある法令等に従って適時適切な開示を行いますので、当該内容をご確認下さい。

ⅰ) 当社取締役会において、本新株予約権の無償割当てを行うことを決議した場合、当社は、本新株予約権の割当てのための基準日を定め、法令及び当社定款に従い、これを公告します。この場合、当該基準日における最終の株主名簿に記載または記録された株主の皆様に対し、その所有株式数に応じて本新株予約権が割り当てられます。
ⅱ) 本新株予約権の無償割当てが行われる場合、基準日における最終の株主名簿に記載または記録された株主の皆様は、本新株予約権の無償割当ての効力発生日に、当然に新株予約権者となります。
ⅲ) 当社は、基準日における最終の株主名簿に記載または記録された株主の皆様に対し、本新株予約権の行使請求書その他本新株予約権の行使に必要な書類を送付いたします(なお、行使請求書は当社所定の書式によるものとし、行使に係る本新株予約権の内容及び数、本新株予約権を行使する日等の必要事項、株主の方ご自身が例外事由該当者ではないこと等を誓約する文言、並びに当社普通株式の振替を行うための口座に関する情報を含むことがあります)。株主の皆様におかれましては、取締役会で別途定める金額(本新株予約権1個当たり1円以上)を払込取扱場所に払い込むとともに、当社取締役会が別途定める本新株予約権の行使期間内にこれらの必要書類を提出することにより、1個の本新株予約権につき1株の当社普通株式が発行されることになります。ただし、例外事由該当者は、当該新株予約権を行使できない場合があります。
ⅳ) 他方、当社が本新株予約権を取得条項に基づき取得する場合、株主の皆様は、行使価額相当の金銭を払い込むことなく、当社による本新株予約権の取得の対価として、当社普通株式の交付を受けることになります(なお、この場合、株主の皆様には、別途、本人確認のための書類、当社普通株式の振替を行うための口座に関する情報を記載した書類のほか、ご自身が例外事由該当者ではないこと等を誓約し、かかる誓約に虚偽が存した場合には交付された当社普通株式を直ちに返還する旨の文言を記載した書面をご提出いただくことがあります)。ただし、例外事由該当者については、前述した通り、その有する本新株予約権が取得の対象とならないことがあります。

 

 

(4) 本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値、株主の皆様共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断した理由

本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を以下の通り充足しており、また、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及び東京証券取引所が定める「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5.いわゆる買収防衛策」その他の買収防衛策に関する実務・議論を踏まえた内容となっており、高度な合理性を有するものです。

① 企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の確保・向上を目的とすること

本プランは、上記(3)①記載の通り、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮・検討のための期間の確保を求めることによって、(i)当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、(ⅱ)当社取締役会が、独立委員会の勧告を受けて、当該大規模買付行為に対する賛否の意見または代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、(ⅲ)株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の確保・向上を目的とするものです。

② 事前の開示を行うこと

当社は、株主及び投資家の皆様及び大規模買付者の予見可能性を高め、株主の皆様に適正な選択の機会を確保するために、本プランを予め開示するものです。

また、当社は今後も、適用ある法令等に従って必要に応じて適時適切な開示を行います。

③ 株主意思を重視すること

当社は、本プランによる買収防衛策の更新に関する承認議案を本定時株主総会に付議することにより、株主の皆様のご意思を確認させていただきます。

また、上記(3)②(i)ⅱ)及びⅲ)記載の通り、当社取締役会は、本プランによる対抗措置の発動について、一定の場合に、当社の株主総会において株主の皆様の意思を確認することとされています。

さらに、上記(3)③記載の通り、当社の株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合には、本プランはその時点で廃止されるものとしており、その存続が株主の皆様の意思に係らしめられています。

④ 外部専門家の意見を取得すること

上記(3)②(g)記載の通り、当社取締役会は、対抗措置の発動に関しては、必要に応じて、当社取締役会から独立した第三者的立場にある外部専門家の助言を得た上で検討を行います。これにより当社取締役会の判断の客観性及び合理性が担保されることになります。

⑤ 独立委員会を設置するとともにその勧告を最大限尊重すること

当社は、上記(3)②(h)記載の通り、本プランの必要性及び相当性を確保し、経営者の保身のために本プランが濫用されることを防止するために、当社取締役会が対抗措置を発動する場合には、その判断の公正を担保し、且つ、当社取締役会の恣意的な判断を排除するために、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとしています。

⑥ デッドハンド型買収防衛策またはスローハンド型買収防衛策ではないこと

本プランは、上記(3)③記載の通り、当社の株主総会または株主総会において選任された取締役により構成される取締役会によっていつでも廃止することができ、また、当社は期差任期制を採用していないため、いわゆるデッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)またはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではありません。

 

 

本プランの手続の流れ

〔大規模買付ルール〕

 


 

大規模買付情報の提供

※1:当社取締役会は、①当初提供を受けた情報だけでは当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断することや、②当社取締役会及び独立委員会が当該大規模買付行為に対する賛否の意見を形成し(以下「意見形成」といいます)、または取締役会が代替案を立案し(以下「代替案立案」といいます)株主の皆様に対して適切に提示することが困難であると判断した場合には、独立委員会が同様の判断に達することを条件に、合理的な期間の提出期限(当社取締役会が意向表明書を受領した日から60日以内(初日不算入とします)であって当社取締役会が定める一定の日とします)を定めた上で、当該定められた具体的期間及び合理的な期間を必要とする理由を株主の皆様に対して開示することにより、株主の皆様による適切な判断並びに当社取締役会及び独立委員会による意見形成及び取締役会による代替案立案のために必要な追加情報の提供を随時大規模買付者に対して要求することができるものとします。ただし、この場合、当社取締役会は、独立委員会の意見を最大限尊重するものとします。

 

取締役会評価期間

※2:対価を現金(円貨)のみとする公開買付による当社株券等の全ての買付の場合には最長60日間(初日不算入とします)、その他の大規模買付行為の場合には最長90日間(初日不算入とします)です。なお、独立委員会が取締役会評価期間内に一定の勧告を行うに至らないこと等の理由により、当社取締役会が取締役会評価期間内に対抗措置の発動または不発動の決議に至らないことにつきやむを得ない事情がある場合、当社取締役会は、独立委員会の委員の全員一致に基づき、必要な範囲内で取締役会評価期間を最長30日間(初日不算入とします)延長することができるものとします。

 

独立委員会の勧告手続等

・独立委員会は、当社取締役会に対し、必要に応じて勧告を行います。

・当社取締役会は、必要に応じ、当社取締役会として株主の皆様へ大規模買付者が提示する買収提案や事業計画等に代替する事業計画等の提示を行い、また、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行います。

・独立委員会は、大規模買付ルールが遵守された場合において、大規模買付者による大規模買付行為またはその提案の内容の検討や、大規模買付者との協議・交渉等の結果、独立委員会が委員の全員一致により対抗措置の不発動の勧告を行う旨の判断に至らなかった場合には、本プランによる対抗措置の発動につき株主総会に諮るべきである旨を当社取締役会に勧告するものとします。その場合、当社取締役会は、本プランによる対抗措置の発動についての承認を議案とする株主総会の招集手続を速やかに実施するものとします。

 

 

〔対抗措置発動に関する概要〕

 


 

 

独立委員会委員の氏名及び略歴

〔氏名〕永井 和之 (当社 社外取締役、公益財団法人私立大学通信教育協会 会長、中央大学 名誉教授、弁護士)

〔略歴〕

1981年4月  中央大学 法学部教授(会社法)

1999年11月  同大学 法学部長

2004年5月  弁護士登録(現職)

2005年11月  中央大学 学長

2005年12月  同大学 総長

2010年6月  当社 社外取締役(現職)

2012年6月  公益財団法人私立大学通信教育協会 会長(現職)

2016年6月  中央大学 名誉教授(現職)

 

 〔氏名〕 遠藤  茂  (当社社外取締役、外務省参与、日揮株式会社社外取締役、飯野海運株式会社社外取締役)
〔略歴〕

 1974年4月 外務省入省
 2001年4月 同省中東アフリカ局審議官  
 2002年2月 同省領事移住部審議官
 2003年8月 在ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使 兼 在ジュネーブ日本国総領事館総領事 
 2007年3月 在チュニジア特命全権大使
 2009年7月 在サウジアラビア特命全権大使
 2012年10月 外務省退官
 2013年6月 日揮株式会社社外取締役(現職)

        飯野海運株式会社社外取締役(現職)
 2014年4月 外務省参与(現職)
 2018年6月 当社社外取締役(現職)
 

〔氏名〕奥山 章雄 (当社 社外監査役、日本製粉株式会社 社外監査役、信金中央金庫 監事、公認会計士)

〔略歴〕

1968年12月  監査法人中央会計事務所入所

1983年3月  同監査法人(後のみすず監査法人)代表社員

2001年7月  日本公認会計士協会 会長

2005年5月  中央青山監査法人(後のみすず監査法人)理事長

2006年4月  早稲田大学大学院 会計研究科客員教授

2007年2月  奥山会計事務所 所長(現職)

2009年6月  当社 社外監査役(現職)

2010年6月  日本製粉株式会社 社外監査役(現職)

2014年6月  信金中央金庫 監事(現職)

 

 なお、社外取締役 永井和之氏、遠藤 茂氏及び社外監査役 奥山章雄氏は、東京証券取引所の有価証券上場規程に定める独立役員として、同取引所に届け出ています。

以 上

 

 

新株予約権の無償割当てを実施する場合の概要

1.割当対象株主

取締役会で別途定める基準日における最終の株主名簿に記載または記録された株主に対し、その所有株式(ただし、当社の有する当社普通株式を除く)1株につき1個の割合で新株予約権の無償割当てをする。

 

2.新株予約権の目的である株式の数

新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権の行使により交付される当社普通株式は1株とする。

 

3.新株予約権の無償割当ての効力発生日

取締役会において別途定める。

 

4.各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

各新株予約権の行使に際してする出資の目的は金銭とし、新株予約権の行使に際して出資される財産の当社普通株式1株当たりの価額は取締役会において別途定める金額(金1円以上)とする。

 

5.新株予約権の譲渡制限

新株予約権の譲渡による取得については、取締役会の承認を要するものとする。

 

6.新株予約権の行使条件

新株予約権の行使条件は取締役会において別途定めるものとする(なお、取締役会が所定の手続に従って定める一定の大規模買付者、その共同保有者及び特別関係者並びにこれらの者が実質的に支配し、またはこれらの者と共同ないし協調して行動する者として、独立委員会による助言を踏まえて取締役会が認定した者等(以下「例外事由該当者」という)による権利行使は認められないとの行使条件を付すこともあり得る)。

 

7.当社による新株予約権の取得

当社は、大規模買付者が大規模買付ルールに違反をした日その他の一定の事由が生じることまたは取締役会が別に定める日が到来することのいずれかを条件として、取締役会の決議に従い、新株予約権の全部または例外事由該当者以外の新株予約権者が所有する新株予約権のみを取得することができる旨の取得条項を取締役会において付すことがあり得る。

 

8.新株予約権の無償取得事由(対抗措置の廃止事由)

以下の事由のいずれかが生じたときは、当社は、新株予約権の全部を無償にて取得することができるものとする。

(a) 株主総会において大規模買付者の買収提案について普通決議による賛同が得られた場合

(b) 独立委員会の全員一致による決定があった場合

(c) その他取締役会が別途定める場合

 

9.新株予約権の行使期間等

新株予約権の行使期間その他必要な事項については、取締役会において別途定めるものとする。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当連結グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものです。

なお、ここに記載しました事項は、当連結会計年度末現在において、当連結グループがリスクと判断したものであり、当連結グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

1.経済状況等

当連結グループは、国内のみならず、海外に多数の生産・販売拠点を有しており、当連結グループが製品を販売する国、または地域の経済状況、地政学的リスク、天候等の影響を受けます。

また、当社の提供している製品の多くが、幅広い業界で産業用中間素材として使用される製品であることから、当社の関連需要業界における景気や市場動向、公的規制等による需要の減少と、それに伴う取引先の倒産による貸倒れリスクやたな卸資産の長在化リスク等、直接的、間接的な影響を受けます。

 

2.原材料の価格変動について

当連結グループの事業で用いる主要原材料である石油化学原料及び油脂原料の購入価格は、国内・国外の市況、為替相場の変動の影響を受けます。

業績に及ぼす影響は、販売価格への転嫁、為替リスクヘッジ等により極力回避していますが、予期せぬ異常な変動が生じた場合には、販売価格への転嫁の時間的ギャップ等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

① 産油国の地政学的リスクにより、投機資金が原油相場へ大量流入すると、原油価格、ナフサ価格及び天然ガス価格が影響を受け、石油化学原料にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
② 油糧作物、穀物の価格は天候により大きな影響を受けますが、温暖化、エルニーニョ現象の発生等、異常気象(旱魃・豪雨等)が頻発しています。また、パーム油や大豆油等の油脂原料も穀物生産国の地政学的リスク(米中貿易摩擦等)、中国・インドといった大口需要国の動向による影響を受けます。昨今は地球温暖化、人口増加等により動きも激しくなりつつあります。
③ TPP、日欧EPAによる国産乳製品原料、動物油脂の価格動向も今後注視していく必要があると考えています。TPP、日欧EPA参加により日本の畜産・酪農がシュリンクしてしまうような事態に至れば、国産品の価格上昇に繋がると考えています。

 

3.為替の変動について

当連結グループの事業には、全世界における製品の生産と販売が含まれています。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 

4.新製品開発

当連結グループは、新製品開発力の強化に注力しており、成長事業として位置づけている情報・電子化学品事業は、半導体やデジタル関連製品等に用いられる革新的な新材料の占める割合が多くなっています。

当連結グループは、継続して当社独自の技術優位のある新製品を開発し提供できると考えていますが、関連需要業界は、技術的進歩、変化が著しく、それに伴うメーカー間の技術競争が激しくなっています。また、近年は、製造技術の進歩により、新興国をはじめとする海外のコンペティターによる追随の速度が速まっています。

従って、次のようなリスクが想定されます。

① ユーザーとの共同研究開発により新製品開発を進めるケースが増えており、共同研究開発のパートナーである当社ユーザーの最終製品の技術が業界で優位となれば、当社製品の売上も増大しますが、逆の場合には、当社製品の需要が実現しない可能性もあります。
② 技術の急速な進歩により、当社製品・技術の一部が陳腐化する可能性があり、また、技術の急速な普及や国内外のコンペティターの新規参入に伴う価格競争の激化により、製品価格が想定以上に下落する可能性があります。

 

③ 新製品の開発や生産、販売を行うにあたり、他者の知的財産権を侵害することがないよう、事前に調査しています。しかしながら見解の相違などにより、他者に知的財産権侵害を主張される可能性が否定できません。その場合、当該製品を販売できなくなる可能性や、損害賠償責任や訴訟費用が発生する可能性があります。

上記のリスクをはじめとして、当連結グループが、業界と市場の変化を十分に予測できず、顧客のニーズにあった魅力ある新製品を開発できない場合には、将来の成長と収益性に影響を及ぼす可能性があります。

 

5.製品の欠陥

当連結グループは、人体や環境への安全性に配慮して、製品の品質規格と安全審査基準を定めており、新製品を開発・販売する際に厳しくチェックしています。また、化学品ではSDSを作成し、食品では製品規格書により、安全な使用と取扱いのための情報提供を行っています。加えて、工場は、ISO9001、HACCP、ISO22000、FSSC22000、トレーサビリティ・システム等の品質管理システムを導入し、製造を行っています。

しかし、全ての製品について欠陥がなく、将来的にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。

 

6.災害・事故等のトラブル

当連結グループを取り巻くステークホルダーに安全・安心を提供すべく、「4つの安全(労働安全、設備安全、環境安全、品質安全)」活動を推進しており、ISO9001、ISO14001、HACCP、ISO22000、FSSC22000、OHSAS18001等の国際標準に基づくマネジメントシステムを導入し、運営しています。近年、化学品生産工場での爆発や火災事故が頻発しており、当社では2014年度より、保安力の向上活動に注力し、生産工場における事故災害の予防を図っています。また、災害、パンデミック等のインシデントによる予期せぬ事業停止に備えた、事業継続マネジメントシステム(BCMS)の構築に取り組み、2010年に国内の化学工業として初めて、当社化学品の一部製品の製造について、BCMS規格 BS25999-2の認証を取得しました。さらに、ISO22301:2012を取得、2015年に適用範囲に物流関係会社を加え、顧客への供給体制を強化しました。

国内外の食品企業にて異物の混入事件が発生していることを受け、2014年度は食品生産工場を中心にフード・ディフェンス活動を推進し、予防力を高めることに注力しました。2011年度の鹿島西製造所に続き、2014年度は鹿島東工場と明石工場で、2015年度からは国内外の関連会社工場で食品安全マネジメントシステムであるFSSC22000の認証取得を順次拡大して来ました。保安力向上やフード・ディフェンス活動は当社の重点テーマとし、重大なリスクを低減するよう努めてまいります。

しかし、当連結グループまたはサプライチェーンにおいて以下のトラブルが発生した場合には、工場停止または稼動率低下による供給不能または供給困難、製品の品質・環境・地域住民や従業員の安全への影響が発生する可能性があります。

① 無差別テロによる食品への異物・毒物混入、化学品の危険物漏洩
② 天災による工場破損、製品在庫の滅失・毀損
③ 爆発・火災・人為的ミスによる事故災害
④ 集団食中毒や伝染病・感染症の蔓延による操業停止
⑤ コンビナート関連企業、公共機関の事故災害による影響
⑥ 単一工場での工場トラブルによる生産停止
⑦ 原料サプライヤー、外注先、OEM依頼先における工場トラブル等による製品停止
⑧ 物流事故

上記のリスクの回避策として、パトロール、入出管理の強化、安全教育と技術継承、設備点検とメンテナンス、緊急時対応訓練、海外拠点、OEMを含めた併産工場の確保及び取引先事業者への監督指導の強化に努めています。

 

 

7.システムトラブル

(1) ソフトウエアの更新・改良に伴うトラブル

多様化する業務に対応すること等を目的として、ソフトウエアの更新・改良を行う場合があります。ソフトウエアの更新・改良にあたっては、システム保守体制等の万全を期していますが、更新・改良に伴う予期せぬ障害等によりシステムトラブルが発生した場合には、当連結グループの業務に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 災害等によるシステムトラブル

データセンター等に設置しているシステムが災害等により稼働できなくなった場合に備え、遠隔地へのデータ複製のほかバックアップ用回線等の整備を行っていますが、予期せぬ災害等によりシステムトラブルが発生した場合には、当連結グループの業務に影響を及ぼす可能性があります。

 

8.公的規制

事業を取り巻く様々な政府規制、法規制に対し、コンプライアンス推進委員会その他の各種委員会の活動を通じて、コンプライアンス強化に努めています。特に近年は欧州REACH規則をはじめとして世界各国で化学物質規制法が大幅に改定され始めているため、情報収集力の強化と法規制対応に注力しています。規制に関する重大な変更がなされた場合には、当連結グループの活動が制限され、あるいはコストが増加し、当連結グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績等の概要

当期における世界経済は、堅調な米国経済に支えられ、全体としては緩やかな回復基調で推移しましたが、米中貿易摩擦の長期化や中国、欧州の景気減速への懸念が一層強まるなど、予断を許さない状況が続きました。国内は、夏場に相次いだ自然災害の影響を受けたものの、企業収益や雇用環境の着実な改善が続き、緩やかな回復基調で推移しました。

当社グループ事業の主要対象分野である自動車関連分野は、当期の後半に入り、中国、米国、欧州市場での自動車販売が減速し、前期の販売台数を下回りました。IT・デジタル家電分野は、これまで成長を続けてきた半導体、液晶ディスプレイや国内のプリント基板関連の市場成長に陰りが見え始め、第4四半期に入り需要が鈍化しました。製パン・製菓関連分野は、記録的な猛暑や自然災害の影響もあり、パン等の消費が落ち込みました。

このような状況のなか、当社グループは、2018年度から3カ年の中期経営計画『BEYOND 3000』をスタートし、基本戦略として掲げる「3本柱の規模拡大(樹脂添加剤、化学品、食品)」「新規領域への進出」「経営基盤の強化」のもと、さらなる成長に向けた投資を実行しました。樹脂添加剤では、三重工場でポリオレフィン用添加剤の設備増強を進めています。機能化学品では、千葉工場で化粧品原料の設備を増強しました。食品では、中国の艾迪科食品(常熟)有限公司で加工食品の 新製造棟が完成しました。

また、事業領域の拡大と新規事業の早期育成を図るべく、持分法適用会社であった日本農薬株式会社の株式を追加取得し、2018年9月28日付で同社及びその子会社9社を連結の範囲に含め、第3四半期連結会計期間から当社の連結業績に算入しています。この影響により、売上高は344億18百万円、営業利益は33億24百万円それぞれ増加しています。 

当社グループの業績をより適切に管理するために、海外連結子会社3社(ADEKA KOREA CORP.、ADEKA POLYMER ADDITIVES EUROPE SAS、ADEKA FOODS(ASIA)SDN.BHD.)の決算日を12月31日から3月31日に変更しました。これに伴い、当該3社の会計期間は2018年1月1日から2019年3月31日までの15カ月間となっています。この影響により、売上高は98億98百万円、営業利益は9億64百万円それぞれ増加しています。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等の状況の分析

① 財政状態の状況
(資 産)

当連結会計年度の総資産は前連結会計年度に比べ、1,023億97百万円(前連結会計年度比+32.8%)増加4,145億49百万円となりました。

主な要因は、以下の通りです。

流動資産は前連結会計年度に比べ、681億34百万円(同比+41.3%)増加2,330億87百万円となりました。

これは、主に日本農薬株式会社の連結子会社化によるものです。

固定資産は前連結会計年度に比べ、342億63百万円(同比+23.3%)増加1,814億62百万円となりました。

有形固定資産は前連結会計年度に比べ、231億26百万円(同比+27.0%)増加1,086億72百万円となりました。

これは、主に日本農薬株式会社の連結子会社化によるものです。

無形固定資産は前連結会計年度に比べ、135億15百万円(同比+331.2%)増加175億96百万円となりました。

これは、技術資産及び顧客関連資産の増加によるものです。

投資その他の資産は前連結会計年度に比べ、23億78百万円(同比△4.1%)減少551億93百万円となりました。

 

(負 債)

当連結会計年度の負債は前連結会計年度に比べ、629億85百万円(同比+58.8%)増加1,700億49百万円となりました。

流動負債は前連結会計年度に比べ、313億40百万円(同比+41.3%)増加1,071億56百万円となりました。

これは、主に日本農薬株式会社の連結子会社化によるものです。

固定負債は前連結会計年度に比べ、316億45百万円(同比+101.3%)増加628億93百万円となりました。

これは、主に社債の増加及び日本農薬株式会社の連結子会社化によるものです。

有利子負債の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表  ⑤ 連結附属明細表」に記載しています。

 

(純資産)

当連結会計年度の純資産は前連結会計年度に比べ、394億12百万円(同比+19.2%)増加2,445億円となりました。

これは、主に日本農薬株式会社の連結子会社化により、非支配株主持分が増加したことによるものです。

その結果、自己資本比率は前連結会計年度63.0%に比べ、13.6ポイント減少の49.4%となりました。

 

② 経営成績の状況
(売上高及び営業利益)

2018年9月28日付で日本農薬株式会社及びその子会社9社を連結の範囲に含め、第3四半期連結会計期間から当社の連結業績に算入いたしました。また、海外連結子会社3社(ADEKA KOREA CORP.、ADEKA POLYMER ADDITIVES EUROPE SAS、ADEKA FOODS(ASIA)SDN.BHD.)の決算日を12月31日から3月31日に変更したことに伴い、当該3社の会計期間は2018年1月1日から2019年3月31日までの15カ月間となっています。

売上高は前連結会計年度に比べ、597億42百万円(前連結会計年度比+24.9%)増収2,993億54百万円となりました。

売上原価は前連結会計年度に比べ、429億93百万円(同比+23.6%)増加し、2,248億28百万円となりました。

販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ、114億45百万円(同比+31.4%)増加し、478億88百万円となりました。

営業利益は前連結会計年度に比べ、53億3百万円(同比+24.9%)増益266億38百万円となりました。

(営業外損益及び経常利益)

営業外収益から営業外費用を控除した営業外損益は、前連結会計年度の収益(純額)10億2百万円に比べ、10億38百万円(同比△103.6%)費用額が増加し、35百万円の損失となりました。

これは、支払利息及び為替差損の増加によるものです。

経常利益は前連結会計年度に比べ、42億65百万円(同比+19.1%)増益266億2百万円となりました。

(特別損益及び税金等調整前当期純利益)

特別利益から特別損失を控除した特別損益は前連結会計年度の損失(純額)5億90百万円に比べ、5億26百万円損失額が減少し、63百万円の損失となりました。

これは、主に負ののれん発生益の発生、固定資産廃棄損の減少によるものです。

この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ、47億92百万円(同比+22.0%)増益265億39百万円となりました。

(法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益)

法人税等は前連結会計年度に比べ、16億37百万円(同比+29.8%)増加し、71億40百万円となりました。

非支配株主に帰属する当期純利益は、日本農薬株式会社の連結子会社化により、前連結会計年度に比べ、14億45百万円(同比+161.1%)増加し、23億42百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

上記要因の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ、17億8百万円(同比+11.1%)増益170億55百万円となりました。

 

 

③ 報告セグメントの状況

セグメントの状況は、以下の通りです。なお、第2四半期連結会計期間より、株式を追加取得した日本農薬株式会社及びその子会社を連結の範囲に含めたことにより、事業セグメントの区分方法を見直し、報告セグメントを従来の「化学品事業」「食品事業」に「ライフサイエンス事業」を加えています。

(化学品事業)
イ.樹脂添加剤

自動車、家電及び食品包装容器等を主用途とするポリオレフィン用添加剤は、欧州、中東、南米での販路拡大により、汎用酸化防止剤などの販売が好調に推移しました。また光安定剤の販売が欧州の自動車部材向け等で堅調でした。
 家電筐体向けエンジニアリングプラスチック用難燃剤は、安定供給を強みとしたビジネスを展開し、中国を中心に販売が好調に推移しました。
 安定剤・可塑剤は自動車部材向けにゴム用可塑剤の販売が好調に推移しましたが、北米での競争激化により、建材等に使用される塩ビ用安定剤の販売が低調に推移し、全体としては前期を僅かに下回りました。

樹脂添加剤全体では、原材料価格上昇の影響や設備投資による固定費の増加により、前連結会計年度に比べ増収減益となりました。

ロ.情報・電子化学品

情報化学品は、大型液晶ディスプレイの高精細化が進むなか、光学フィルムやフォトレジスト向けに高い機能性を備えた光硬化樹脂、重合開始剤の販売が好調に推移しました。また、光酸発生剤など半導体リソグラフィ用の材料が期を通じて伸長しました。

電子材料は、第4四半期に入りデータセンター向け等のメモリ需要が鈍化したものの、期を通じてはDRAMや3D-NANDに使用される誘電材料の販売が好調に推移しました。また、液晶ディスプレイ関連向けにエッチング薬液等の販売が堅調でした。

情報・電子化学品全体では、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。

ハ.機能化学品

界面化学品は、自動車の燃費向上やCO2排出低減に寄与する潤滑油添加剤の販売が国内外で好調に推移しました。また、化粧品向け特殊界面活性剤の販売が海外を中心に好調でした。

機能性樹脂は、塗料等に使用される水系樹脂の販売が国内外で好調に推移しました。また、電子機器の接着用途でエポキシ樹脂関連製品の販売が好調でした。

工業用薬剤は、トイレタリー、化粧品等の日用品用途向けにプロピレングリコールの販売が好調に推移しました。また、過酸化製品の販売が底堅く推移し、前連結会計年度並みとなりました。

機能化学品全体では、原材料価格上昇の影響や設備投資による固定費の増加により、前連結会計年度に比べ増収減益となりました。

以上の結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ221億87百万円(前連結会計年度比+14.0%)増収1,807億84百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ18億77百万円(同比+9.5%)増益215億94百万円となりました。

 

(食品事業)

国内では、猛暑、豪雨、地震の影響を受けましたが、戦略製品を中心とした販売に注力し、製パン・製菓向けに、食感、風味の向上や省力化に貢献する機能性マーガリン等の販売が堅調に推移しました。一方で、クリーム類の販売は低調でした。

海外では、販売体制の強化と現地ニーズにあった製品の開発などにより、中国、東南アジアで製パン・製菓向けにマーガリン、ショートニング類の販売が好調に推移しました。

食品事業全体では、乳原料などの原材料価格上昇の影響を受け、採算是正に努めましたが、前連結会計年度に比べ増収減益となりました。

以上の結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ18億80百万円(同比+2.7%)増収717億52百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ1億29百万円(同比△9.3%)減益12億58百万円となりました。

 

(ライフサイエンス事業)

農薬は、国内で主力製品の殺ダニ剤「ダニコング」や新製品の園芸用殺菌剤「パレード」などを中心に販売が堅調に推移しました。海外では、ブラジル市場の回復による需要増加を受け、南米地域での販売が堅調でした。一方で、アジア地域は、前年の天候不順等を要因とする顧客の在庫調整が長引いたことなどから、販売が低調でした。また、農薬にかかるノウハウ技術料収入は、技術導出先による対象品目の販売増加などから好調に推移しました。

医薬品は、爪白癬分野で外用抗真菌剤「ルリコナゾール」の販売が好調に推移しました。

以上の結果、当事業の売上高は344億18百万円(同比-%)となり、営業利益は33億24百万円(同比-%)となりました。

 

④ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末の資金残高に比べ76億2百万円(前連結会計年度末比+15.5%)増加し、565億4百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下の通りです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金収入は、前連結会計年度に比べ38億89百万円(同比△17.5%)減少し、183億31百万円となりました。

これは主に、売上債権の増加によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金支出は、前連結会計年度に比べ8億81百万円(同比△4.6%)減少し、182億58百万円となりました。

これは主に、有価証券の取得による支出の減少によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金収入は、前連結会計年度に比べ148億21百万円増加し、89億95百万円となりました。

これは主に、社債の発行による収入の増加によるものです。

 

(キャッシュ・フロー関連指標の推移)

 

2015年

3月期

2016年

3月期

2017年

3月期

2018年

3月期

2019年

3月期

自己資本比率(%)

60.1

60.5

62.0

63.0

49.4

時価ベースの自己資本比率(%)

61.5

62.8

57.4

63.2

40.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.9

1.3

1.4

1.4

3.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

40.6

51.6

59.7

56.0

27.2

 

(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。

3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しています。

営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の支払額を使用しています。

4.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を2019年3月期の期首から適用しており、2018年3月期に係るキャッシュ・フロー関連指標の推移については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標となっています。

 

 

⑤ 生産、受注及び販売の状況
イ.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。

 

 

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2018年4月1日
 至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

化学品事業

113,044

9.1

食品事業

51,259

2.7

ライフサイエンス事業

19,657

報告セグメント計

183,961

19.8

その他

合計

183,961

19.8

 

(注) 1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。

2.その他については、生産は行っていません。

3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

4. 当期より海外連結子会社3社の決算日を12月31日から3月31日に変更しています。この変更に伴い、当該海外連結子会社の生産実績は、2018年1月1日から2019年3月31日までの15ヶ月間の生産実績を反映しています。

5.当連結会計年度より報告セグメントを従来の「化学品事業」「食品事業」の2区分から、「ライフサイエンス事業」を加えた3区分としています。

 

ロ.受注実績

その他の一部で受注生産を行っていますが、金額僅少のため省略しています。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。

 

 

(単位:百万円)

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2018年4月1日
 至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

化学品事業

180,784

14.0

食品事業

71,752

2.7

ライフサイエンス事業

34,418

報告セグメント計

286,955

25.6

その他

12,399

11.3

合計

299,354

24.9

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しています。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

3.販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上である販売先はありません。 

4. 当期より海外連結子会社3社の決算日を12月31日から3月31日に変更しています。この変更に伴い、当該海外連結子会社の販売実績は、2018年1月1日から2019年3月31日までの15ヶ月間の業績を反映しています。

5.当連結会計年度より報告セグメントを従来の「化学品事業」「食品事業」の2区分から、「ライフサイエンス事業」を加えた3区分としています。

 

(3) 経営者の視点による経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。

なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当連結グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債、税金費用等の見積りはそれぞれ適正であると判断しています。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績に重要な影響を与える要因について

当連結グループを取り巻く事業環境は、情報・電子化学品をはじめ世代交代が激しい分野が多く、研究開発力が大きなポイントとなります。研究開発について従来から積極的に経営資源を投入し、技術優位な製品の開発に注力しています。

また、石油化学原料、原料油脂を多く使用しており、原料価格相場の変動や為替相場の変動等の影響を受けますが、コストダウンや製品販売価格の改定により極力吸収するようにしています。

ロ.次期の見通しについて

世界経済は、全体としては緩やかな回復が続くと見込まれますが、中国経済の減速に加え、米国経済も貿易摩擦の影響や財政刺激策の効果一巡に伴い、景気回復の勢いが鈍化することが予想されています。また、英国のEU離脱問題をめぐる欧州情勢の動向が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続くことが予想されます。
 日本経済は、海外経済の減速や消費税率引き上げの影響などから一時的に景気が停滞することが予想されるものの、政府主導の需要喚起策や企業収益、雇用環境の改善のもとで、景気は緩やかに拡大していくと見込まれます。
 このような状況のなか、当社グループは3カ年の中期経営計画『BEYOND 3000』の2年目を迎え、引き続き、基本戦略として掲げる「3本柱の規模拡大」「新規領域への進出」「経営基盤の強化」に基づく施策を国内外のグループ会社と連携して推進していくことにより、さらなる業績向上を目指します。

ハ.経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは、社会の一員として、社会との調和を図りながら持続的に発展し、さらにステークホルダーの期待に積極的に応えていくことの重要性を強く認識しており、「新しい潮流の変化に鋭敏であり続けるアグレッシブな先進企業を目指す」「世界とともに生きる」を経営理念として、独自性のある優れた技術で、時代の先端をいく製品と顧客ニーズに合った製品を提供し、企業の社会的責任を果たしていくことを経営の基本方針としています。

当社グループは、中長期的な目指すべき方向性を示した2025年のありたい姿『ADEKA VISION 2025』を掲げ、現在の事業基盤である「化学品と食品」のみならず幅広い事業を世界中で展開し、メーカーとして世界の技術をリードしつつ、本業を通じて社会に貢献する「先端技術で明日の価値を創造し豊かなくらしに貢献するグローバル企業」を目指します。

中期経営計画『BEYOND 3000』では、最終年度(2020年度)に、『連結売上高3,000億円超(オーガニックグロース)、営業利益率 10%、ROE 10%』を目指し、3つの基本戦略のもと、「経営管理:グループ経営管理の強化」「グローバル:グローバリゼーションの拡大とローカライゼーションの加速」「技術:イノベーションの創出と競争力の強化」「人財:グローバル人財、リーダー人財の拡充」「企業価値:CSRを推進し社会とともに発展」からなる5つの施策を実行してまいります。事業領域の拡大と新規事業の育成を目的としたM&Aグロースにつきましても、積極的に進めてまいります。ADEKAグループ一丸となって経営戦略を着実に実行し、株主をはじめとするステークホルダーの皆様の信頼に応える企業を目指していきます。

 

 

〔中期経営計画3つの基本戦略〕

・3本柱の規模拡大

『樹脂添加剤』『化学品』『食品』を事業の3本柱として、事業毎に定める戦略製品の販売をグローバルで拡大する。

・新規領域への進出

ターゲットとする『ライフサイエンス』『環境』『エネルギー』分野において、ビジネスモデルを構築し、事業化を推進する。

・経営基盤の強化

CSRを推進し、社会への貢献と社会からの信頼を高める。

ADEKAグループの相互連携を強化し、総合力を発揮する。

また、当社グループは、コーポレートガバナンスの強化、コンプライアンスの推進、震災・災害を踏まえたリスクマネジメント体制の再構築・強化、環境保全・品質安全の徹底等を通して、企業の社会的責任を果たしていくとともにステークホルダーの皆様からの期待に応え、本業を通じた社会貢献を基本としたCSR経営に取り組んでまいります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

資金調達と流動性マネジメント

当連結グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を常に目指し、安定的な資金調達手段の確保に努めています。当連結グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資・投融資資金は、主に手元のキャッシュと営業活動からのキャッシュ・フローに加え、借入及び社債により調達しています。

当連結会計年度末現在において、当連結グループの流動性は十分な水準にあり、資金調達手段は分散されていることから、財務の柔軟性は高いと考えています。

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の総額は565億4百万円となっています。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

会社名

契約締結先

契約年月日

内容

技術料

契約期間

当社

AMFINE CHEMICAL
CORP.(アメリカ)

1994年

4月1日

樹脂添加剤の製造・
販売追加技術供与

頭金及び販売金額に対し一定率のロイヤリティー(収入)

販売開始日から
10年間(継続中)

ADEKA POLYMER
ADDITIVES EUROPE
SAS(フランス)

2002年

11月1日

樹脂添加剤粉砕の
製造・販売技術供与

販売金額に対し一定率のロイヤリティー(収入)

販売開始日から
10年間(継続中)

ADEKA KOREA CORP.

(韓国)

2003年

10月1日

樹脂添加剤の製造・
販売追加技術供与

販売金額に対し一定率のロイヤリティー(収入)

販売開始日から
10年間(継続中)

ADEKA FINE CHEMICAL
(THAILAND)CO.,LTD.

(タイ)

2004年

6月15日

安定剤の製造・販売
技術供与

頭金・販売金額に対し一定率のロイヤリティー(収入)

販売開始日から
10年間(継続中)

台湾艾迪科精密化学股份有限公司(台湾)

2004年

12月1日

情報化学品の製造・
販売技術供与

頭金・販売金額に対し一定率のロイヤリティー(収入)

販売開始日から
10年間(継続中)

艾迪科食品(常熟)
有限公司(中国)

2004年

7月1日

マーガリン、ショートニング等の製造・販売技術供与

頭金・販売金額に対し一定率のロイヤリティー(収入)

販売開始日から
10年間(継続中)

ADEKA KOREA CORP.

(韓国)

2006年

7月1日

誘電材料の製造・
販売技術供与

販売金額に対し一定率のロイヤリティー(収入)

販売開始日から
10年間(継続中)

艾迪科精細化工
(上海)有限公司

(中国)

2013年

1月1日

精密化学品の製造・
販売技術供与

販売金額に対し一定率のロイヤリティー(収入)

販売開始日から
10年間

艾迪科精細化工
(常熟)有限公司
(中国)

2015年

4月1日

酸化防止剤、エポキシ化大豆油、難燃剤の製造・販売技術供与

販売金額に対し一定率のロイヤリティー(収入)

2015年4月1日
から6年間

日本農薬㈱

全国農業協同組合連合会

2003年

12月11日

農薬製品の売買に関する売買基本契約(更改)

2003年10月1日から1年間とし、文書による別段の意思表示なき時は1年ごとの自動延長(継続中)

全国農業協同組合連合会

2019年

2月28日

売買基本契約に基づく2019農薬年度の売買に関する契約

2018年12月1日から1年間

 

 

日本農薬株式会社との資本業務提携等

当社は、2018年8月21日開催の取締役会において、日本農薬株式会社との資本業務提携等を締結することを決議し、同日付で締結しています。

当該資本業務提携等に基づき、当社は、日本農薬株式会社の普通株式を金融商品取引法に定める公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)により取得することを決定し、2018年8月22日より公開買付けを実施、本公開買付けの決済が2018年9月27日をもって終了しました。

さらに当該資本業務提携等に基づき、当社は、本公開買付けの決済完了後の2018年9月28日付で、当社を割当先とする第三者割当による新株発行(以下「本第三者割当増資」といいます。)について、払い込みを完了しました。

本公開買付けの決済が行われ、かつ本第三者割当増資の払い込みが完了し、日本農薬株式会社は当社の連結子会社となりました。

詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (企業結合等関係)」をご覧ください。

 

 

5 【研究開発活動】

当社の研究開発体制は、現事業に密着した6つの開発研究所(樹脂添加剤開発研究所、情報化学品開発研究所、電子材料開発研究所、機能化学品開発研究所、機能高分子開発研究所、食品開発研究所)、将来の柱となる事業探索を担う2つのコーポレート研究所(ライフサイエンス材料研究所、環境・エネルギー材料研究所)、及びこれらを支援する研究企画部により構成されています。

国内の連結子会社である日本農薬㈱、㈱ADEKAクリーンエイド、ADEKAケミカルサプライ㈱、及びADEKA総合設備㈱でも、独自の研究開発を行っています。また、海外拠点における研究開発のローカライゼーションも推進しており、国内の研究所から人的支援や技術支援を行っています。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、11,829百万円です。

 

(1) 化学品事業

当社の基盤技術を活用し、市場環境の変化に対応した研究開発を行っています。単に素材を提供するだけでなく、ユーザーにおける課題を解決できるソリューションとして提案すべく、評価技術の向上を図るとともに、グループ内の技術連携にも務めています。また、成長が期待される新規分野や先端素材の研究開発では、外部機関との連携も積極的に推進しています。

主な成果は以下の通りです。

① 樹脂添加剤

環境配慮型製品など独創性・新規性のある核剤/透明化剤、光安定剤、難燃剤などの開発を推進しています。難燃剤では、エンジニアリングプラスチック向けに環境配慮型リン系難燃剤を開発し、市場に投入しました。市場ニーズの大きい永久帯電防止剤の開発に取り組み、競争力のある新製品を開発しました。

② 情報・電子化学品

半導体デバイス向けケミカル素材や光学フィルム、半導体レジスト向け高機能感光性材料など、先端技術の急速な進展に対応し、世界に通用する新製品の開発を進めています。半導体メモリ用高誘電成膜材料では、次世代DRAM向けに新規材料が採用されました。紫外線やLED光源による硬化が可能で、有機溶剤を使用しない「水溶性UV硬化材料」を開発し、本成果に対して「第27回ポリマー材料フォーラム」(11月21日開催)において、高分子学会広報委員会パブリシティ賞を受賞しました。

③ 機能化学品

界面化学技術を利用した潤滑油添加剤や機能性化粧品原料、コーティング材料の開発、機能性樹脂材料の電子部品・自動車・建設インフラ用途等への応用を推進しています。反応性乳化剤は食品接触材料の接着用途で米国FDAの上市前届出認可(FCN)を取得、食品接触用途への新規展開を進めています。エポキシ樹脂接着剤は採用が拡大し、新たな用途への横展開も進展しています。

 

(2) 食品事業

当社食品部門では、ユーザーの「商品価値」(おいしさ、安心、安全)を高め、「作業性、生産性」の向上に貢献できる新製品の開発を行っています。また海外関係会社でも中国や東南アジア諸国など、各国の嗜好性や流行に合致した製品開発を進めています。

① 加工油脂

明瞭な内層のデニッシュ生地が作れる折込油脂「オリンピアエフィーユシート」、パンの歯切れや口溶けを向上させる機能性練込油脂「コンツェル」を上市しました。ベーカリー製品のおいしさ、お客様の作業性を改善する効果が好評をいただいています。

② 加工食品

パンのしっとり感に着目した機能性練込用クリーム「ビオラモイスト」を上市しました。パンの水分を保持し、焼きたての食感を持続させる機能が好評をいただいています。

クリームチーズ風味ペースト「フロマクリエ ガトー」を上市しました。自然な風味を持ち、生食、練り込み、包餡、焼き込みなど、あらゆる洋菓子用途に使用できるため、お客様の多彩なメニュー開発に貢献できる素材として市場展開を進めています。

 

 今後もお客様の「商品価値」や「作業性、生産性」の向上に貢献する製品開発に取り組んでまいります。

 

(3) ライフサイエンス事業

 連結子会社である日本農薬㈱では、持続的な新規剤創出を目指してパイプラインの早期拡充に取り組むとともに、既存剤の維持・拡大を目指し全社的な連携による戦略的な研究開発を推進しています。

当連結会計年度における主な成果は以下のとおりです。

日本・インド同時開発を進めている新規水稲用殺虫剤ベンズピリモキサンは、2019年2月に両国における登録申請を完了しました。本剤は日本で2021年、インドで2022年の登録取得を見込んでいます。

2018年3月に国内登録を取得し、同年4月より販売を開始した新規汎用性殺菌剤ピラジフルミド(国内商品名「パレード」)は、2019年3月より国内芝生分野において「ディサイド」の商品名で販売を開始したほか、新規処理分野での開発を推進しています。

殺虫剤ピリフルキナゾン(国内商品名「コルト」)は、2018年11月に米国食用登録を取得し、本分野での販売を開始しました。

 

(4) 新規事業の推進

注力分野として「ライフサイエンス」、「環境」、「エネルギー」を掲げ、研究開発体制を強化して新規事業の創出に取り組んでいます。ライフサイエンス分野では、アルキルリン脂質(プラズマローゲン前駆体)含有の機能性食品素材を開発中です。岩手大学で実施された乾燥肌誘導マウスの抗皮膚炎試験では、摂餌により皮膚の保湿に関する脂質であるセラミド合成系が変化して炎症が改善されることを見出し、2018年度栄養食糧学会で発表しました。環境・エネルギー分野では、次世代二次電池用活物質「硫黄変性ポリアクリロニトリル(SPAN)」を開発し、2020年度の製品化を目指してサンプル提供を開始しました。