第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 業績の状況

当第1四半期連結累計期間の世界経済は、全体として力強さを欠く展開でした。その中で、6月下旬の英国のEU離脱決定は、ユーロ圏にとどまらず世界全体の金融市場の混乱に波及し、世界経済の先行き不透明感を強めています。わが国経済も、急激な円高の進行や株価下落により企業業績に影響が出始めています。

このような状況のもと、当社グループの当第1四半期連結累計期間(平成28年4月1日~平成28年6月30日)の業績については、売上高は円高や原料市況の影響を受け136,058百万円(前年同四半期連結累計期間(以下、前年同期)比2.4%減)と減収になりましたが、営業利益は販売数量の増加とスプレッドの確保により8,779百万円(前年同期比2.0%増)と増益になりました。経常利益は7,131百万円(前年同期比11.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,600百万円(前年同期比10.7%減)となりました。

 

セグメントの状況は、次のとおりであります。

① 化成品事業

塩化ビニール樹脂は、原料価格下落の影響を受け売上高は減少しましたが、インドなどアジア向け販売が増加し収益が改善しました。塩ビ系特殊樹脂は、塩ビペースト樹脂のアジア向け需要や塩素化塩ビの米国向け需要など海外市場での販売が堅調に推移しました。か性ソーダは、国内需要が低調に推移する中、コスト低減に努め採算が改善しました。

以上の結果、当セグメントの売上高は22,926百万円と前年同期と比べ4,069百万円(15.1%減)の減収となりましたが、営業利益は1,933百万円と前年同期と比べ603百万円(45.4%増)の増益となりました。

 

② 機能性樹脂事業

モディファイヤーは、製品差別化力の向上と非塩ビ用途向けなど新製品の拡充をグローバルに進めた結果、欧州・米国・アジア市場での販売数量が着実に増加しました。変成シリコーンポリマーは、オンリーワン製品としてユニークな品質特性への評価が高く、建築用途などでの他素材からの置き換えも進み、国内・海外市場ともに販売数量が順調に増加しました。また、前年度第4四半期会計期間よりセメダイン株式会社を連結子会社化したことも寄与しました。

以上の結果、当セグメントの売上高は27,164百万円と前年同期と比べ3,480百万円(14.7%増)の増収となり、営業利益は3,744百万円と前年同期と比べ133百万円(3.7%増)の増益となりました。

 

 

③ 発泡樹脂製品事業

発泡スチレン樹脂・成型品は、農水産分野における需要低調の影響を受けました。押出法発泡ポリスチレンボードは、住宅関連市場が緩やかながら回復してきており、販売は堅調に推移しました。ビーズ法発泡ポリオレフィンは、海外市場での自動車分野向けの需要が伸び悩みました。

以上の結果、当セグメントの売上高は15,384百万円と前年同期と比べ1,194百万円(7.2%減)の減収となり、営業利益は1,271百万円と前年同期と比べ66百万円(5.0%減)の減益となりました。

 

④ 食品事業

食品は、国内需要の伸び悩みと低価格志向が継続する中で、消費者のニーズを先取りした新製品の開発・販売に注力し、製品ミックスの高付加価値化を進めています。また、グループ会社を含めたサプライチェーン全体の強化・効率化を目指した事業構造改革が進み、収益性が改善しました。

以上の結果、当セグメントの売上高は36,326百万円と前年同期と比べ1,043百万円(3.0%増)の増収となり、営業利益は901百万円と前年同期と比べ535百万円(146.5%増)の増益となりました。

 

⑤ ライフサイエンス事業

医療機器は、インターベンション事業において国内市場での償還価格改定の影響を受けましたが、欧米市場における他社との共同事業などに取り組み、販売は拡大しました。また、消化器内治療など新領域への事業拡大にも注力しています。医薬品は、APIやバイオロジクス分野における販売が順調に拡大しました。機能性食品素材は、最大市場である米国を中心に全拠点において還元型コエンザイムQ10の販売数量が増加しました。また、日本では機能性表示食品制度のスタートにより当社製品の認知が進み、販売が拡大しました。

以上の結果、当セグメントの売上高は15,036百万円と前年同期と比べ449百万円(3.1%増)の増収となり、営業利益は2,845百万円と前年同期と比べ301百万円(11.9%増)の増益となりました。

 

⑥ エレクトロニクス事業

超耐熱ポリイミドフィルム、超高熱伝導グラファイトシートは、高機能品や新製品の市場開発を積極的に進めましたが、全般的にスマートフォン市場などの需要低迷の影響を大きく受けました。太陽電池は、引き続き事業構造改革を進め採算が改善しました。また、世界最高レベルの変換効率を誇るヘテロ接合技術を用いた新製品や高性能品の販売拡大に注力するとともに、ネット・ゼロ・エネルギーハウスの実現に貢献するソリューションの提供に取り組んでおります。

以上の結果、当セグメントの売上高は8,045百万円と前年同期と比べ2,289百万円(22.2%減)の減収となり、585百万円の営業損失となりました。

 

⑦ 合成繊維、その他事業

合成繊維は、円高進行の影響を強く受けましたが、アフリカ市場での頭髪分野向けの販売が引き続き堅調に推移するとともに、高付加価値品の拡販やコストダウンに努めました。尚、マレーシアにおける新工場は本年7月に商業運転を開始しました。

以上の結果、当セグメントの売上高は11,175百万円と前年同期と比べ735百万円(6.2%減)の減収となり、営業利益は3,932百万円と前年同期と比べ93百万円(2.3%減)の減益となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ12,431百万円減の564,820百万円、有利子負債残高は5,089百万円減の108,786百万円となりました。また、純資産は、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定の減少等により5,599百万円減の303,123百万円となりました。この結果、自己資本比率は50.8%、D/Eレシオは0.38となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ857百万円減少し、42,303百万円となりました。

 

区分毎の概況は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間の営業活動による資金の増加は、16,705百万円(前年同期比843百万円減)となりました。

その主な内容は、税金等調整前四半期純利益6,946百万円、減価償却費6,634百万円、運転資金の減少額2,725百万円等による資金の増加であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間の投資活動による資金の支出は、11,095百万円(前年同期比97百万円減)となりました。

その主な内容は、有形固定資産の取得による支出10,116百万円等であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間の財務活動による資金の支出は、5,585百万円(前年同期比2,017百万円増)となりました。

その主な内容は、配当金の支払額3,330百万円、借入の返済による支出2,140百万円等による資金の減少であります。

 

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更又は新たな発生はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「基本方針」)を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

① 基本方針の内容

当社が公開会社である以上、当社の株式が市場で自由に取引されるべきことは当然であり、仮に当社取締役会の賛同を得ずに、いわゆる「敵対的買収」がなされたとしても、それが企業価値ひいては株主共同の利益につながるものであるならば、これを一概に否定するものではありません。しかし、当社株式に対する大規模な買収行為が行われる場合には、株主に十分な情報提供が行われることを確保する必要があると考えます。また、もっぱら買収者自らの利潤のみを追求しようとするもの等、当社の企業価値・株主共同の利益を損なう敵対的かつ濫用的買収が当社を対象に行われた場合には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守るために、必要・適正な対応策を採らなければならないと考えております。

 

② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する取組み

イ.長期経営ビジョン『KANEKA UNITED宣言』

当社は、平成21年に創立60周年を迎えて、2020年(平成32年)に向けた長期経営ビジョン『KANEKA UNITED宣言』を策定いたしました。この中で、カネカグループの抜本的な「変革」と継続的な「成長」をめざし、「環境・エネルギー」「健康」「情報通信」「食料生産支援」を重点戦略分野と位置づけ、経営の重点施策として、(ⅰ)研究開発型企業への進化、(ⅱ)グローバル市場での成長促進、(ⅲ)グループ戦略の展開、(ⅳ)アライアンスの推進、(ⅴ)CSRの重視、に取り組んでおります。

 

ロ.中期経営計画

平成28年度は、カネカグループは新たな成長ステージに入っており、長期経営ビジョンの実現に向けて、「変革」と「成長」を目標に、3ヵ年の中期経営計画を策定いたしました。

ポイントは以下のとおりです。

ⅰ.「研究開発」と「グローバル化の推進」を成長ドライブとして、事業ポートフォリオの変革を加速します。

・オープンイノベーションを推進し、機能性樹脂、エレクトロニクス、ライフサイエンス領域における新規・既存両分野で事業拡大を図ります。

・有機EL照明、バイオポリマー、オプトエレクトロケミカルズ、再生・細胞医療、バイオ医薬等の大型新規事業の立ち上げに注力し、新製品売上高を伸張させていきます。

・米州、欧州、アジアにおける地域統括会社において、地域本社機能を強化し、現地視点に立った地域戦略の遂行により、新市場の開拓や社外資源の活用等迅速に進め、海外売上高をさらに伸ばしていきます。

ⅱ.優れた技術と素材開発を進め、ソリューションを提供できるメーカーを目指します。

・環境保護や省エネルギー化を実現する製品や技術開発を積極的に推進します。太陽電池をはじめ住宅関連の差別化した部材・工法を活かし、住宅のゼロエネルギー化に貢献するシステムやソリューションの提供により高品質でサスティナブルな住宅市場創出に貢献します。

・医療器、医薬品原料等のグローバル展開や機能性食品素材のラインアップの拡充により、世界の人々の健康に貢献します。

ⅲ.当社の「変革」と「成長」を牽引するグローバルに活躍できる人材、リーダーシップを発揮できる人材の育成を重要な経営課題と位置づけ、育成プログラムを拡充します。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、引き続き当社の中長期にわたる企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「本プラン」といいます)の継続を、平成28年6月29日開催の第92回定時株主総会において株主のみなさまにご承認いただいております。本プランの概要は以下のとおりです。

 

イ. 本プランは、特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等に対する買付行為(以下、「大規模買付行為」といいます)を対象とします。

ロ. 当社の株券等に対する大規模買付行為を行おうとする際に遵守されるべき所定の手続(以下、「大規模買付ルール」といいます)を予め定めておいて、当該大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報提供を求め、当該大規模買付行為についての情報収集・検討を行い、また株主のみなさまに対して当社取締役会としての意見や代替案等を提示する、あるいは買付者との交渉を行っていく機会と時間を確保します。

ハ. 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、あるいは、大規模買付ルールを遵守した場合であっても、当社に回復しがたい損害を与えるなど当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、当該大規模買付行為に対する対抗措置として新株予約権の無償割当を行うことがあります。

ニ. 当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、当社取締役会から独立した組織である特別委員会に対し、対抗措置の発動の可否を諮問します。対抗措置の発動の可否は、当社取締役会の決議によりますが、当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重いたします。また、当社取締役会が株主の皆様の意思を確認することが適切であると判断した場合には、株主総会を招集し、対応措置発動その他当該大規模買付行為に関する株主の皆様の意思を確認することができるものとします。

ホ. 本プランの有効期間は、平成31年6月開催予定の当社第95回定時株主総会終結の時までとします。

 

④ 取締役会の判断及びその判断に係る理由

当社取締役会は、前号の取組みが、本基本方針に沿うものであること、当社の株主の共同の利益を損なうものではないこと、及び当社の会社役員の地位を維持するものでないこと、という三つの要件に該当すると判断しております。その理由は、以下に記載するとおりであります。

 

イ. 本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足しております。また、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」において示された考え方に沿うものであります。

ロ. 本プランは、大規模買付行為が行われた際に、当該大規模買付行為が適切なものであるか否かを株主のみなさまが判断するために必要な情報や時間を確保し、株主のみなさまのために交渉を行うことなどを可能とすることで、株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されたものです。

ハ. 本プランは、平成28年6月29日開催の第92回定時株主総会で、株主のみなさまのご承認をいただいております。また、本プランの有効期間は、平成31年6月開催予定の当社第95回定時株主総会終結の時までと設定されておりますが、その時点までに当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主のみなさまの意向が反映されるものとなっております。

ニ. 社外取締役、社外監査役または社外有識者から構成される特別委員会によって当社取締役の恣意的行動を厳しく監視し、その勧告の概要及び判断の理由等は適時に株主のみなさまに情報開示することとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に資する範囲で本プランの運用が行われる仕組みが確保されております。

ホ. 本プランは、大規模買付行為に対する対抗措置が合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設計されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されております。

ヘ. 特別委員会は、当社の費用で独立した第三者専門家の助言を得ることができるとされており、特別委員会の判断の公正さ、客観性がより強く担保される仕組みとなっております。

ト. 本プランは、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。さらに、当社は取締役の任期を1年としており、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。

 

(5) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は7,290百万円であります。