文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
世界経済の緩やかな回復基調が続くなか、当社グループの当第3四半期連結累計期間(平成29年4月1日~平成29年12月31日)の売上高は、海外事業が牽引して過去最高の445,931百万円(前年同四半期連結累計期間(以下、前年同期)比9.3%増)となりました。営業利益については、第1四半期連結会計期間における一部原料価格の高騰や、第2四半期連結会計期間に米国で発生したハリケーンの影響を吸収し、26,355百万円(前年同期比7.3%増)となり、経常利益は24,307百万円(前年同期比17.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は15,735百万円(前年同期比21.5%増)とそれぞれ前年実績を上回りました。
セグメントの状況は、次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較においては、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
① Material Solutions Unit
当セグメントの売上高は175,192百万円と前年同期と比べ25,388百万円(16.9%増)の増収となり、営業利益は18,871百万円と前年同期と比べ3,453百万円(22.4%増)の増益となりました。
Vinyls and Chlor-Alkaliについては、一般用塩化ビニル樹脂及びか性ソーダは、アジア向け輸出が引き続き好調に推移するとともに、国内向けも堅調な販売となりました。塩素化塩ビ及び塩ビペースト樹脂は、海外市場を中心に販売が順調に拡大しました。
Performance Polymersのモディファイヤーについては、上半期に原料価格の急変やハリケーンなどの影響を受けましたが、グローバルに旺盛な需要が続くなか、マレーシア新設備が本格的に寄与し販売が拡大しました。今後も、非塩ビ用途向けなどに用途拡大が進み、業績の拡大が続く見通しです。変成シリコーンポリマーについても、世界的な能力不足に対し昨年7月に稼働したマレーシア新設備が寄与し、順調に販売が拡大しました。
今後、成長が期待される航空・宇宙分野において、新たな高機能素材の開発を進め、価値あるソリューションの提供を進めてまいります。
② Quality of Life Solutions Unit
当セグメントの売上高は115,116百万円と前年同期と比べ10,729百万円(10.3%増)の増収となりましたが、営業利益は11,615百万円と前年同期と比べ688百万円(5.6%減)の減益となりました。
E & I Technologyの超耐熱ポリイミドフィルムについては、大手スマートフォンメーカーの新機種大型需要向けの生産体制の強化が貢献し、販売が順調に拡大しました。また、ディスプレイ向けなどポリイミド樹脂技術を活用した新製品の採用機種も増加し収益に寄与しました。今後、スマートフォンなどのデジタルデバイスの小型化・高性能化に伴い、超耐熱ポリイミドフィルムや超高熱伝導グラファイトシートの需要が拡大する見込みであり、生産能力の増強を検討中です。
Foam & Residential Techsについては、漁獲量の減少や天候不順による建築・土木工事の遅れにより販売数量が伸び悩みました。今後は、軽量化、省エネルギー、省資源、断熱性など更なる高機能発泡樹脂製品を上市し、EV化が進む自動車分野での拡販や住宅ソリューションビシネスの展開を強化してまいります。
Performance Fibersについては、パイル分野や難燃・資材分野の需要が旺盛で販売量は増加しました。アフリカ市場の頭髪需要はボトムから反転し立ち上がりつつありますが、そのスピードは想定より遅く、本格的な業績回復は第4四半期連結会計期間以降となる見込みです。頭髪市場の需要拡大は続いており、アフリカ及びその他の新市場の開拓を進めてまいります。
PV & Energy managementについては、上市した高効率太陽電池新製品の販売などが順調に拡大し、構造改革が進んでいます。太陽電池事業を軸に、住宅のネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)やネット・ゼロ・エネルギービルディング(ZEB)に貢献するエネルギーソリューションの提供に注力してまいります。
③ Health Care Solutions Unit
当セグメントの売上高は32,787百万円と前年同期と比べ1,254百万円(3.7%減)の減収となり、営業利益は6,618百万円と前年同期と比べ1,353百万円(17.0%減)の減益となりました。
Medical Devicesについては、国内・海外市場とも販売が堅調に推移しました。また末梢血管用の高圧拡張バルーンカテーテルなど新製品の販売も順調に進んでおり償還価格下落を吸収し前期並みの収益を確保しました。今後はドラッグコーティッドバルーンなどの新規医療領域拡大や血液浄化事業の米国での販売体制を強化してまいります。
Pharmaについては、バイオロジクスの販売が順調に拡大し、能力増強を進めております。一方、低分子医薬品原料は販売が集中した前年同期に比べ販売数量が減少しましたが、今後は回復していく見込みです。
一昨年米国西海岸に設置したカネカUSイノベーションセンターを活用し、オープンイノベーションを強化してまいります。
④ Nutrition Solutions Unit
当セグメントの売上高は121,950百万円と前年同期と比べ2,826百万円(2.4%増)の増収となり、営業利益は4,657百万円と前年同期と比べ723百万円(18.4%増)の増益となりました。
Foods & Agrisについては、新規の食品素材を武器にした大手製パン、コンビニエンスストアや食品メーカーへの積極的な提案型営業を進め販売が拡大しました。また国内外のグループ会社の販売も順調に推移しました。農畜産分野における新たなビシネスモデル展開を目指し、新規ソリューションの市場開発を進めてまいります。
Supplemental Nutritionについては、還元型コエンザイムQ10は米国市場を中心に引き続き販売数量が増加し、業績に大きく貢献しました。酸化型コエンザイムQ10に関する米国特許侵害訴訟の一部和解成立により、北米における酸化型コエンザイムQ10マーケットのシェア拡大と中国市場における還元型コエンザイムQ10の販売拡大を進めてまいります。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、受取手形及び売掛金や投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ43,678百万円増の636,578百万円となりました。負債は、支払手形及び買掛金の増加等により21,023百万円増の292,372百万円となりました。また、純資産は、利益剰余金の増加等により22,655百万円増の344,206百万円となりました。この結果、自己資本比率は51.3%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,864百万円減少し、39,153百万円となりました。
区分毎の概況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、35,152百万円の収入(前年同期比2,556百万円減)となりました。税金等調整前四半期純利益23,523百万円、減価償却費22,282百万円等による資金の増加がその主な内容であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、29,442百万円の支出(前年同期比836百万円増)となりました。有形固定資産の取得による支出25,067百万円等がその主な内容であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、8,503百万円の支出(前年同期比2,356百万円減)となりました。配当金の支払5,933百万円、自己株式の取得による支出2,576百万円等による資金の減少がその主な内容であります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更又は新たな発生はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「基本方針」)を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社が公開会社である以上、当社の株式が市場で自由に取引されるべきことは当然であり、仮に当社取締役会の賛同を得ずに、いわゆる「敵対的買収」がなされたとしても、それが企業価値ひいては株主共同の利益につながるものであるならば、これを一概に否定するものではありません。しかし、当社株式に対する大規模な買収行為が行われる場合には、株主に十分な情報提供が行われることを確保する必要があると考えます。また、もっぱら買収者自らの利潤のみを追求しようとするもの等、当社の企業価値・株主共同の利益を損なう敵対的かつ濫用的買収が当社を対象に行われた場合には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守るために、必要・適正な対応策を採らなければならないと考えております。
② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する取組み
当社は、平成21年に長期経営ビジョン『KANEKA UNITED宣言』を策定いたしました。この中で、当社グループの抜本的な「変革」と継続的な「成長」をめざし、「環境・エネルギー」、「健康」、「情報通信」、「食料生産支援」を重点戦略分野と位置付け、経営の重点施策として、①研究開発型企業への進化、②グローバル市場での成長促進、③グループ戦略の展開、④アライアンスの推進、⑤CSRの重視、に取り組んでおります。平成29年4月から新たにスタートした中期経営計画においては、従来の「プロダクトの視点」に基づく事業ドメインの構成を、「ソリューションの視点」で新たに4つのドメインを設定しました。成長ドライバーを「R&D」、「グローバル化」、「人材育成」とし、ソリューション・プロバイダーとしての取組みを徹底することにより、事業構造を変革させ、当社グループの成長を加速します。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、引き続き当社の中長期にわたる企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「本プラン」といいます)の継続を、平成28年6月29日開催の第92回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただいております。本プランの概要は以下のとおりです。
イ. 本プランは、特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等に対する買付行為(以下、「大規模買付行為」といいます)を対象とします。
ロ. 当社の株券等に対する大規模買付行為を行おうとする際に遵守されるべき所定の手続(以下、「大規模買付ルール」といいます)を予め定めておいて、当該大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報提供を求め、当該大規模買付行為についての情報収集・検討を行い、また株主の皆様に対して当社取締役会としての意見や代替案等を提示する、あるいは買付者との交渉を行っていく機会と時間を確保します。
ハ. 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、あるいは、大規模買付ルールを遵守した場合であっても、当社に回復しがたい損害を与えるなど当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、当該大規模買付行為に対する対抗措置として新株予約権の無償割当を行うことがあります。
ニ. 当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、当社取締役会から独立した組織である特別委員会に対し、対抗措置の発動の可否を諮問します。対抗措置の発動の可否は、当社取締役会の決議によりますが、当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重いたします。また、当社取締役会が株主の皆様の意思を確認することが適切であると判断した場合には、株主総会を招集し、対応措置発動その他当該大規模買付行為に関する株主の皆様の意思を確認することができるものとします。
ホ. 本プランの有効期間は、平成31年6月開催予定の当社第95回定時株主総会終結の時までとします。
④ 取締役会の判断及びその判断に係る理由
当社取締役会は、前号の取組みが、本基本方針に沿うものであること、当社の株主の共同の利益を損なうものではないこと、及び当社の会社役員の地位を維持するものでないこと、という三つの要件に該当すると判断しております。その理由は、以下に記載するとおりであります。
イ. 本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足しております。また、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」において示された考え方に沿うものであります。
ロ. 本プランは、大規模買付行為が行われた際に、当該大規模買付行為が適切なものであるか否かを株主の皆様が判断するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために交渉を行うことなどを可能とすることで、株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されたものです。
ハ. 本プランは、平成28年6月29日開催の第92回定時株主総会で、株主の皆様のご承認をいただいております。また、本プランの有効期間は、平成31年6月開催予定の当社第95回定時株主総会終結の時までと設定されておりますが、その時点までに当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様の意向が反映されるものとなっております。
ニ. 社外取締役、社外監査役または社外有識者から構成される特別委員会によって当社取締役の恣意的行動を厳しく監視し、その勧告の概要及び判断の理由等は適時に株主の皆様に情報開示することとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に資する範囲で本プランの運用が行われる仕組みが確保されております。
ホ. 本プランは、大規模買付行為に対する対抗措置が合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設計されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されております。
ヘ. 特別委員会は、当社の費用で独立した第三者専門家の助言を得ることができるとされており、特別委員会の判断の公正さ、客観性がより強く担保される仕組みとなっております。
ト. 本プランは、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。さらに、当社は取締役の任期を1年としており、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は21,426百万円であります。