第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

世界経済の緩やかな成長が続くなか、当社グループの当第1四半期連結累計期間(平成30年4月1日~平成30年6月30日)の売上高は、生産能力増強を進めたグローバル事業の成長が牽引して152,271百万円(前年同四半期連結累計期間(以下、前年同期)比5.5%増)となりました。営業利益は10,000百万円(前年同期比37.9%増)、経常利益は9,139百万円(前年同期比27.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,285百万円(前年同期比32.0%増)とそれぞれ前年実績を大幅に上回りました。昨年より変更した経営システムに沿い取り組んでいる事業ポートフォリオの変革が着実に成果として実ってきております。

 

各セグメントの状況は、次のとおりであります。

① Material Solutions Unit

当セグメントの売上高は62,491百万円と前年同期と比べ5,456百万円(9.6%増)の増収となり、営業利益は7,837百万円と前年同期と比べ2,090百万円(36.4%増)の増益となりました。

Vinyls and Chlor-Alkaliについては、塩化ビニル樹脂及びか性ソーダは、国内外ともに販売が好調でした。引き続き需要が強い塩素化塩ビ及び塩ビペースト樹脂を含め塩ビクロールアルカリ事業は堅調に推移しました。

Performance Polymersのモディファイヤーについては、非塩ビ向けなどの用途拡大が進み、アジア市場を中心に好調な販売となりました。変成シリコーンポリマーについても、世界オンリーワンプロダクトとして需要がグローバルに拡大しているなか、マレーシア新設備が本格的に寄与し、販売が大きく伸びました。今後は、ベルギーの能力増強設備を計画通り立ち上げ、更なる需要拡大に対応してまいります。

また、欧米市場において果物・野菜袋用途などで採用が進む生分解性ポリマーの生産設備の能力増強を決定しました。海水中でも生分解する素材であり、マイクロプラスチック問題へのソリューションとして市場開発を進めてまいります。

自動車・電子部品向けにエポキシマスターバッチの用途開発が進展しております。また次世代先端技術素材としての航空機・宇宙産業向け複合材についてもプリプレグ生産設備の新設を通じ、スピードある事業展開に注力していきます。

 

 

② Quality of Life Solutions Unit

当セグメントの売上高は38,601百万円と前年同期と比べ2,982百万円(8.4%増)の増収となり、営業利益は3,695百万円と前年同期と比べ856百万円(30.1%増)の増益となりました。

E & I Technologyの超耐熱ポリイミドフィルムについては、スマートフォンの高機能化に伴い需要量が増加しており、好調な販売となりました。また、ディスプレイ向けなどポリイミド新製品も販売が拡大しています。今後、デジタルデバイスの小型化や高機能化に伴い、飛躍的な需要拡大が見込まれる超高熱伝導グラファイトシート及びその原料である超耐熱ポリイミドフィルムの大幅な生産能力増強を決定しました。原料から製品まで一貫生産する唯一のメーカーとしての強みを活かし、事業の拡大を進めてまいります。

Performance Fibersについては、アフリカ市場における頭髪分野の需要が順調に回復を続けており、高機能頭髪としてのブランド力を強化し、アフリカ及びその他市場での更なる需要開拓を進めております。また難燃分野は欧米での作業服向け需要が旺盛であり、販売が拡大しております。

Foam & Residential Techsについては販売が順調に拡大し、原料価格高騰に対する販売価格転嫁とコストダウンを進めております。ビーズ法発泡ポリオレフィンは、自動車分野などの需要拡大に対し、タイ工場の立ち上げ、ベルギーでの能力増強などグローバルな供給体制強化を進めております。

PV & Energy managementについては、高効率太陽電池新製品の販売が拡大し、構造改革が着実に進展しております。窓や壁などの建材と一体化した当社独自の太陽電池を活用して、住宅やビルのゼロエネルギー・マネジメント・システムを開発していきます。

 

③ Health Care Solutions Unit

当セグメントの売上高は11,415百万円と前年同期と比べ205百万円(1.8%増)の増収となり、営業利益は2,382百万円と前年同期と比べ18百万円(0.8%増)の増益となりました。

Medical Devicesについては、高機能バルーンカテーテルや電極カテーテルなど新製品の販売が順調に進むとともに、海外市場での販売が拡大し、国内における償還価格改定の影響をカバーしました。今後も薬剤を塗布したバルーンカテーテルや消化器用カテーテルなど新規医療領域の事業拡大に注力します。

Pharmaについては、カネカユーロジェンテック社のバイオ医薬品の販売が順調に拡大しました。生産能力増強を計画通りに進めていきます。カネカシンガポールにAPI・中間体製造用途の連続生産設備を導入し、6月より商業生産を開始しました。多様な品種を効率よく生産できる体制を活かして、低分子医薬品分野の事業強化を進め、Health Care分野での総合的な事業拡大を加速させます。

 

④ Nutrition Solutions Unit

当セグメントの売上高は39,454百万円と前年同期と比べ597百万円(1.5%減)の減収となり、営業利益は1,197百万円と前年同期と比べ22百万円(1.9%減)の減益となりました。

Foods & Agrisについては、製菓・製パン市場が低迷するなか、大手製パン、コンビニエンスストアや食品メーカーへの積極的な提案型営業による需要喚起を進めました。また、インドネシア事業は順調に拡大しています。新たに参入した乳製品事業では、牛乳に加えて発酵バターの販売も開始しました。今後も新たな乳製品のラインアップを充実させるとともに、食料生産支援事業と組み合わせて、酪農家の生産性向上や循環型酪農の発展に貢献してまいります。

Supplemental Nutritionについては、主力の還元型コエンザイムQ10の販売が米国市場を中心に引き続き増加しました。今般出資したスペインの乳酸菌会社を活用して、サプリメント素材の品揃えを増やし、グローバルに事業を拡大してまいります。

 

⑤ その他

当セグメントの売上高は307百万円と前年同期比79百万円(20.6%減)の減収となり、営業利益は164百万円と前年同期比79百万円(32.7%減)の減益となりました。 

 

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、たな卸資産や有形固定資産の増加等により前連結会計年度末に比べて9,367百万円増の649,148百万円となりました。負債は、買掛金の増加等により4,943百万円増の298,124百万円となりました。また、純資産は、利益剰余金の増加等により4,424百万円増の351,023百万円となりました。この結果、自己資本比率は50.9%となりました。

 

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更又は新たな発生はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「基本方針」)を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

① 基本方針の内容

当社が公開会社である以上、当社の株式が市場で自由に取引されるべきことは当然であり、仮に当社取締役会の賛同を得ずに、いわゆる「敵対的買収」がなされたとしても、それが企業価値ひいては株主共同の利益につながるものであるならば、これを一概に否定するものではありません。しかし、当社株式に対する大規模な買収行為が行われる場合には、株主に十分な情報提供が行われることを確保する必要があると考えます。また、もっぱら買収者自らの利潤のみを追求しようとするもの等、当社の企業価値・株主共同の利益を損なう敵対的かつ濫用的買収が当社を対象に行われた場合には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守るために、必要・適正な対応策を採らなければならないと考えております。

 

② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する取組み

当社は、平成21年に長期経営ビジョン『KANEKA UNITED宣言』を策定いたしました。この中で、当社グループの抜本的な「変革」と継続的な「成長」をめざし、「環境・エネルギー」、「健康」、「情報通信」、「食料生産支援」を重点戦略分野と位置付け、経営の重点施策として、①研究開発型企業への進化、②グローバル市場での成長促進、③グループ戦略の展開、④アライアンスの推進、⑤CSRの重視に取り組んできました。

平成30年からスタートした中期経営計画においては、昨年刷新した経営システムを基盤におき、「価値あるソリューションをグローバルに提供することを通じて世界の人々の人生と環境の進化に貢献し、存在感ある企業として成長し続ける」ESG経営へ進化させ、ソリューション・プロバイダーとして社会的課題を解決することにより、事業ポートフォリオを変革していきます。成長ドライバーを「R&D」、「グローバル化」、「人材育成」とし、ソリューション・プロバイダーとしての取組みを強化することにより、事業構造を変革させ、当社グループの成長を加速します。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、引き続き当社の中長期にわたる企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「本プラン」といいます)の継続を、平成28年6月29日開催の第92回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただいております。本プランの概要は以下のとおりです。

イ. 本プランは、特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等に対する買付行為(以下、「大規模買付行為」といいます)を対象とします。

ロ. 当社の株券等に対する大規模買付行為を行おうとする際に遵守されるべき所定の手続(以下、「大規模買付ルール」といいます)を予め定めておいて、当該大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報提供を求め、当該大規模買付行為についての情報収集・検討を行い、また株主の皆様に対して当社取締役会としての意見や代替案等を提示する、あるいは買付者との交渉を行っていく機会と時間を確保します。

ハ. 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、あるいは、大規模買付ルールを遵守した場合であっても、当社に回復しがたい損害を与えるなど当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、当該大規模買付行為に対する対抗措置として新株予約権の無償割当を行うことがあります。

ニ. 当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、当社取締役会から独立した組織である特別委員会に対し、対抗措置の発動の可否を諮問します。対抗措置の発動の可否は、当社取締役会の決議によりますが、当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重いたします。また、当社取締役会が株主の皆様の意思を確認することが適切であると判断した場合には、株主総会を招集し、対応措置発動その他当該大規模買付行為に関する株主の皆様の意思を確認することができるものとします。

ホ. 本プランの有効期間は、平成31年6月開催予定の当社第95回定時株主総会終結の時までとします。

 

④ 取締役会の判断及びその判断に係る理由

当社取締役会は、前号の取組みが、本基本方針に沿うものであること、当社の株主の共同の利益を損なうものではないこと、及び当社の会社役員の地位を維持するものでないこと、という三つの要件に該当すると判断しております。その理由は、以下に記載するとおりであります。

 

イ. 本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足しております。また、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」において示された考え方に沿うものであります。

ロ. 本プランは、大規模買付行為が行われた際に、当該大規模買付行為が適切なものであるか否かを株主の皆様が判断するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために交渉を行うことなどを可能とすることで、株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されたものです。

ハ. 本プランは、平成28年6月29日開催の第92回定時株主総会で、株主の皆様のご承認をいただいております。また、本プランの有効期間は、平成31年6月開催予定の当社第95回定時株主総会終結の時までと設定されておりますが、その時点までに当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様の意向が反映されるものとなっております。

ニ. 社外取締役、社外監査役または社外有識者から構成される特別委員会によって当社取締役の恣意的行動を厳しく監視し、その勧告の概要及び判断の理由等は適時に株主の皆様に情報開示することとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に資する範囲で本プランの運用が行われる仕組みが確保されております。

ホ. 本プランは、大規模買付行為に対する対抗措置が合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設計されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されております。

ヘ. 特別委員会は、当社の費用で独立した第三者専門家の助言を得ることができるとされており、特別委員会の判断の公正さ、客観性がより強く担保される仕組みとなっております。

ト. 本プランは、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。さらに、当社は取締役の任期を1年としており、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。

 

(3) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は6,986百万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。