第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

世界経済は、米国の保護主義的な政策に端を発した米中貿易摩擦の激化により、中国経済のみならず技術的に繋がる世界のサプライチェーンに影響が波及し、景気の減速が顕在化してきました。

このような状況のなか、当社グループの当第1四半期連結累計期間(2019年4月1日~2019年6月30日)の業績は、アジア・欧州での需要の鈍化、自動車産業やエレクトロニクス産業の低迷により、売上高は148,822百万円前年同四半期連結累計期間(以下、前年同期)比2.3%減)、営業利益は7,004百万円前年同期比30.0%減)、経常利益は5,495百万円(前年同期比39.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,491百万円(前年同期比44.5%減)となりました。

 

各セグメントの状況は、次のとおりであります。

① Material Solutions Unit

当セグメントの売上高は60,176百万円前年同期と比べ2,315百万円3.7%減)の減収となり、営業利益は5,590百万円前年同期と比べ2,247百万円28.7%減)の減益となりました。

Vinyls and Chlor-Alkaliについては、塩化ビニル樹脂及び塩ビ系特殊樹脂は国内外で低調でした。また、か性ソーダについては、インド向け輸出の認証問題は解消したものの、海外市況は改善しておらず、大きく収益に影響しました。

Performance Polymersのモディファイヤーについては、新規用途である非塩ビ向け販売比率は向上していますが、世界経済の低迷による需要減の影響を受けました。エポキシマスターバッチは、自動車向け構造接着剤用への採用が進み、旺盛な需要に対応すべく能力増強工事を進めています。また、航空機・宇宙産業向け複合材の事業展開を更に加速するため、樹脂からプリプレグまでの一貫した生産設備の建設を進めており、立ち上げに向けて順調に進捗しています。

変成シリコーンポリマーについては、需要がグローバルに拡大しているなか、欧州では新たな用途開発も進み、販売が堅調に推移しました。また、昨年12月に稼働したベルギーの能力増強設備が収益に貢献しました。

カネカ生分解性ポリマーPHBH®については、世界的な使い捨てプラスチックの規制強化のなか、米国FDAに加え、欧州で果物・野菜袋用途などの包装材料として認定されました。更に、本年秋には欧州全域での食品用途に対する使用が可能となる見通しです。大阪で6月に開催されたG20においてマイクロプラスチック問題のソリューションとして大いに注目され、引き合いが急増しています。コンビニや化粧品メーカーなど大手顧客において、ストローやレジ袋、包装材など幅広い用途に採用が進んでおります。年末には5,000tプラントの稼働を予定しており、更なる需要拡大に向けて今年中には本格量産プラント建設を決定する見通しです。

 

② Quality of Life Solutions Unit

当セグメントの売上高は38,468百万円前年同期と比べ133百万円0.3%減)の減収となり、営業利益は3,728百万円前年同期と比べ33百万円0.9%増)の増益となりました。

Performance Fibersについては、アフリカ市場における頭髪分野の需要は引き続き順調に拡大し、当第1四半期は過去最高の販売量となりました。今後、高機能頭髪としてのブランドを更に強化し、アフリカ及びその他市場での新しい需要開拓を進め、また、難燃分野の作業服向け販売を拡大してまいります。

 

Foam & Residential Techsのスチレン系発泡樹脂は原料高の販売価格転嫁を進め、収益が回復しました。一方押出ボードは、土木・建築工事の遅れによる需要低迷に加え、物流費高騰の影響を受けました。また、発泡ポリオレフィンは、中国における自動車販売台数減少の影響を受けましたが、軽量化ニーズの高まりを受け、中期的には需要が拡大することから、タイ工場の立ち上げに次いでベルギーでの能力増強や新プロセス導入による事業基盤強化を進めてまいります。

PV & Energy managementについては、高効率太陽電池の市場評価が高く、販売は順調に伸びており需要拡大に対応すべく増産体制の整備を進めております。また、事業構造改革の進展に伴って収益力が改善しました。窓や壁が発電するユニークな太陽電池が住宅やビルのゼロエネルギー・マネジメント・システム素材として注目を集めています。地球環境問題やエネルギー問題に対するソリューション事業として強化してまいります。

E & I Technologyの超耐熱ポリイミドフィルムと超高熱伝導グラファイトシートは、スマートフォンの市場減速の影響を強く受けました。しかし、有機ELディスプレイや5Gスマートフォン向けポリイミドワニス・透明ポリイミドフィルム・新規ピクシオなど、技術革新が続いている新しい市場でユニークな新製品の販売が拡大しています。

 

③ Health Care Solutions Unit

当セグメントの売上高は10,949百万円前年同期と比べ466百万円4.1%減)の減収となり、営業利益は1,905百万円前年同期と比べ477百万円20.0%減)の減益となりました。

Medical Devicesについては、高機能バルーンカテーテルや消化器用カテーテルなど新製品の販売が順調に進んだことに加え、海外市場で販売が拡大しています。更に本年、国内外で新製品の発売を予定しております。今後、薬剤を塗布したバルーンカテーテルや電極カテーテルに加え、資本・業務提携した米国の医療機器会社の血流測定機器など新規医療領域での事業拡大を進めます。

Pharmaについては、低分子医薬は主要顧客への出荷タイミングのずれにより、当第1四半期は販売量が減少しました。一方、カネカユーロジェンテック社のバイオ医薬品の販売は堅調に推移しており、生産能力増強工事も完了し、来年の本格稼働に向けて顧客と新製品開発を進めています。

 

④ Nutrition Solutions Unit

当セグメントの売上高は38,908百万円前年同期と比べ546百万円1.4%減)の減収となり、営業利益は1,200百万円前年同期と比べ2百万円0.2%増)の増益となりました。

Foods & Agrisについては、国内(製菓・製パン)市場の低迷の影響を受けたものの、大手製パン、コンビニエンスストアや食品メーカーへの積極的な提案型営業により販売が拡大しています。一方インドネシアでは日本の美味しいパン・菓子文化の拡大期を迎えており、新工場建設工事も順調に進んでいます。乳製品事業では、「パン好きの牛乳」、「パン好きのカフェオレ」は、着実に市場の高評価を得ております。8月から「ベルギーヨーグルト ピュアナチュール」を発売し、乳製品のラインアップの充実を図っており、乳製品の新工場建設の検討を急ぎます。また当社グループはこれらの活動を通して酪農家の生産性向上や循環型酪農の発展に貢献してまいります。

Supplemental Nutritionについては、主力の還元型コエンザイムQ10の販売が米国市場を中心に引き続き堅調に推移しました。連結子会社のスペインAB-Biotics社の乳酸菌サプリメント素材は、そのユニーク性が高く評価され、欧州市場で順調に販売が拡大しています。米国に続き日本での販売を予定しており、機能性食品での品揃えを充実させ、グローバルに事業を拡大してまいります。

 

⑤ その他

当セグメントの売上高は320百万円前年同期比12百万円4.0%増)の増収となり、営業利益は180百万円前年同期比16百万円9.7%増)の増益となりました。 

 

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、売掛金の減少等により前連結会計年度末に比べて1,274百万円減658,313百万円となりました。負債は、買掛金の増加等により813百万円増299,674百万円となりました。また、純資産は、為替換算調整勘定の減少等により2,088百万円減358,638百万円となりました。この結果、自己資本比率は50.8%となりました。

 

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの「経営方針、経営環境及び対処すべき課題」については、重要な変更又は新たな発生はありません。

 

 

(3) 株式会社の支配に関する基本方針

当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「基本方針」)を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

① 基本方針の内容

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの事業内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値向上ひいては株主の共同の利益を持続的に確保、向上していくことを可能とするものであることが必須と考えております。

当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。しかしながら、当社の企業価値向上ひいては株主の共同の利益を棄損するおそれのある不適切な大量買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適切ではないと考えております。そのような大量買付行為が行われた場合は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守るために、必要・適正な措置を講じてまいります。

 

② 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、2016年6月29日開催の第92回定時株主総会において株主の承認を得て、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策、以下「本プラン」)を継続してまいりました。2019年6月21日開催の第95回定時株主総会終結の時をもって、本プランが有効期間満了を迎えるにあたり、株主の意見、買収防衛策に関する近時の動向、当社を取り巻く経営環境の変化等を考慮しながら慎重に検討を重ねた結果、2019年5月14日開催の取締役会において、本プランを有効期間の満了をもって廃止することを決議し、本定時株主総会終結の時をもって廃止いたしました。

当社は、当社株式の大規模買付行為を行おうとする者に対しては、株主が当該大規模買付行為の是非について適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求めるとともに、当社取締役会の意見等を開示し、株主の検討のために必要な時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。

 

③ 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する取組み

当社は、2009年に長期経営ビジョン『KANEKA UNITED宣言』を策定いたしました。この中で、当社グループの抜本的な「変革」と継続的な「成長」をめざし、「環境・エネルギー」、「健康」、「情報通信」、「食料生産支援」を重点戦略分野と位置付け、経営の重点施策として、①研究開発型企業への進化、②グローバル市場での成長促進、③グループ戦略の展開、④アライアンスの推進、⑤CSRの重視に取り組んできました。

2018年からスタートした中期経営計画においては、2017年に刷新した経営システムを基盤におき、「価値あるソリューションをグローバルに提供することを通じて世界の人々の人生と環境の進化に貢献し、存在感ある企業として成長し続ける」ESG経営へ進化させ、ソリューション・プロバイダーとして社会的課題を解決することにより、事業ポートフォリオを変革していきます。成長ドライバーを「R&B」(Research & Business)、「グローバル化」、「人材育成」とし、ソリューション・プロバイダーとしての取組みを強化することにより、事業構造を変革させ、当社グループの成長を加速します。

 

(4) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は7,512百万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。