当第2四半期連結累計期間において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
世界経済は、米中貿易摩擦の激化により、中国のみならず技術的に繋がる世界のサプライチェーンに影響が波及し、また英国EU離脱の混迷や中東における地政学的な緊張感の高まりにより、景気の減速が鮮明になりました。
このような状況のなか、当社グループの当第2四半期連結累計期間(2019年4月~9月)の業績は、アジア・欧州での需要の鈍化、自動車産業やエレクトロニクス産業の低迷および円高影響により、売上高は299,855百万円(前年同四半期連結累計期間(以下、前年同期)比2.0%減)、営業利益は12,817百万円(前年同期比28.9%減)、経常利益は9,675百万円(前年同期比39.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,046百万円(前年同期比43.4%減)となりました。
上半期の減収・減益の主な要因であったMaterial SUやE & I Technology SVは下半期には潮目が変わり原料事情や為替および海外市場の需要の好転が予見されます。さらに、Health Care SUやNutrition SUも順調に拡大し、下半期は全体として昨年度並みへの回復を見込んでいます。
各セグメントの状況は、次のとおりであります。
① Material Solutions Unit
当セグメントの売上高は120,414百万円と前年同期と比べ3,976百万円(3.2%減)の減収となり、営業利益は10,202百万円と前年同期と比べ3,986百万円(28.1%減)の減益となりました。
Vinyls and Chlor-Alkaliの塩化ビニル樹脂及び塩ビ系特殊樹脂は、国内の市況は低迷しましたが、インドなど海外の需要は堅調に推移しました。また、か性ソーダは、アジア市況の低迷が続いており、本SV減速の大きな要因となりました。年明け後の市場回復を予想します。
Performance Polymersのモディファイヤーについては、地球規模に用途の底辺が広がっていることから、世界経済の低迷による需要減の影響を強く受けました。このSVの構造改革を進めるドライビングプロジェクトとして期待しているエポキシマスターバッチは、旺盛な需要に対応すべく、2020年7月稼働に向けて能力増強工事を進めています。
変成シリコーンポリマーについては、販売が堅調に推移し、昨年12月に稼働したベルギーの能力増強設備が収益に貢献しました。このSVのニューフロンティアであるアジアの市場開拓に取り組んでおり、販売は拡大しています。マレーシアの新系列が利益を押し上げることを期待しています。
カネカ生分解性ポリマーPHBH®については、G20サミットや10月の安倍首相の「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム」挨拶での当社生分解性ポリマーに対する期待表明などマイクロプラスチック問題のソリューションとして大いに注目され、関心がますます高まっています。セブン-イレブンにはじまりコンビニや化粧品メーカーなどでストローやレジ袋、包装材の幅広い用途に採用が進むと同時に、海外の大手ブランドホルダーとのプロジェクトが進展しています。年末には5,000tプラントが稼働し、更なる需要拡大に向けて今年度中には本格量産プラント建設を決定する見通しです。
② Quality of Life Solutions Unit
当セグメントの売上高は78,911百万円と前年同期と比べ27百万円(0.0%増)の増収となり、営業利益は7,583百万円と前年同期と比べ44百万円(0.6%減)の減益となりました。
Performance Fibersについては、アフリカは市場拡大が続いております。アメリカなどアフリカ以外の先進国でも高機能頭髪としてのブランド性が高く評価され、新しい需要開拓が進み収益力を牽引しています。下半期も旺盛な需要が更に続くことが予想されることから、新しい需要に応えるべく生産性の向上やデボトルネックによる増産を進めています。
Foam & Residential Techsは販売価格転嫁を進め収益が大幅に改善しました。事業プラットフォームの強化として取り組んでいる物流の効率化に向けた拠点の整備も収益改善に繋がりました。発泡ポリオレフィンは、短期的には世界的な貿易摩擦による市場の混乱を受け自動車向け販売は減少しましたが、今後の軽量化ニーズの高まりの中、グローバルな需要拡大を念頭に、能力増強や新プロセス導入による事業基盤強化を進めてまいります。
PV & Energy managementについては、地球温暖化を懸念する社会のうねりの中で当社の高効率太陽電池の技術的評価や、市場の注目度が高まっており、大手ハウスメーカーを中心に販売は順調に伸びております。窓や壁が発電するユニークな太陽電池が住宅やビルのゼロエネルギー・マネジメント・システム素材として注視されており、新製品の増産体制を遅滞なく進めて需要拡大に対応してまいります。9月にはセブン-イレブンの再生可能エネルギーによる店舗運営の実証実験へ当社の高効率太陽電池を提供しました。
E & I Technologyの超耐熱ポリイミドフィルムと超高熱伝導グラファイトシートは、スマートフォン市場の減速の影響を強く受けました。社会はデジタルトランスフォーメーションによるパラダイムシフトが進み、その変化のコア素材であり今後拡大が見込まれる有機ELディスプレイや5Gスマートフォン向けポリイミドワニス・新規ピクシオ・透明ポリイミドフィルムなど、新しい市場でユニークな新製品の販売を進めていきます。
③ Health Care Solutions Unit
当セグメントの売上高は21,957百万円と前年同期と比べ1,722百万円(7.3%減)の減収となり、営業利益は4,049百万円と前年同期と比べ624百万円(13.4%減)の減益となりました。
Medical Devicesについては、高機能バルーンカテーテルや消化器用カテーテルなど新製品が販売の拡大を牽引しています。国内市場、海外市場で販売が拡大しました。更に今下半期、国内外で塞栓コイル新製品の発売を予定しております。医療器事業は当社が重点志向している健康分野でのコア事業であり、今後薬剤を塗布したバルーンカテーテルや電極カテーテルに加え、資本・業務提携した米国の医療機器会社の血流測定機器など新規医療領域での積極的な事業拡大を目指してまいります。
Pharmaについては、低分子医薬は主要顧客への出荷タイミングが下半期に変更になり、当第2四半期は販売量が減少しましたが、下半期には大きな収益力回復のモメンタムになります。一方、カネカユーロジェンテック社のバイオ医薬品の販売は堅調に拡大しております。生産能力増強工事も完了し、2020年4月の本格稼働に向けて顧客と新製品開発を進めています。
④ Nutrition Solutions Unit
当セグメントの売上高は78,010百万円と前年同期と比べ536百万円(0.7%減)の減収となり、営業利益は2,360百万円と前年同期と比べ187百万円(8.6%増)の増益となりました。
Foods & Agrisについては、大手製パン、コンビニや食品メーカーへの積極的な提案型営業が拡販をドライブし、収益を伸ばしております。また、食の多様化が進む中、スパイスのニーズが拡大しておりグループ会社カネカサンスパイス製品の新規採用が拡大しています。インドネシアでは日本の美味しいパン・菓子文化の爆発的な拡大期を迎えており、2020年5月稼働を計画している新工場建設工事を突貫で進めております。乳製品事業では、「パン好きの牛乳」、「パン好きのカフェオレ」また、8月に発売を開始した「ベルギーヨーグルト ピュアナチュール」は積極的にプロモーションを展開し、好評裏に市場参入を進めています。乳製品の新工場建設の検討を急ぎ、酪農家と組んで健康など質の向上や循環型酪農の発展を目指します。
Supplemental Nutritionについては、アメリカでの還元型コエンザイムQ10の販売が堅調に進みました。連結子会社のスペインAB-Biotics社の乳酸菌サプリメント素材は、そのユニーク性が高く評価され、グローバルに販売が拡大しております。アメリカでの生産・販売を充実させ機能性食品のグローバル展開のスピードを上げてまいります。
⑤ その他
当セグメントの売上高は561百万円と前年同期と比べ10百万円(1.8%増)の増収となり、営業利益は286百万円と前年同期と比べ28百万円(10.9%増)の増益となりました。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、売掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べ16,122百万円減の643,465百万円となりました。負債は、買掛金の減少等により12,589百万円減の286,272百万円となりました。また、純資産は、為替換算調整勘定の減少等により3,533百万円減の357,193百万円となりました。この結果、自己資本比率は52.0%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ8,219百万円減少し、31,750百万円となりました。
区分毎の概況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、16,160百万円の収入(前年同期比3,252百万円減)となりました。税金等調整前四半期純利益9,058百万円、減価償却費16,787百万円、売上債権の減少額14,608百万円等による資金の増加と、たな卸資産の増加額5,508百万円、仕入債務の減少額11,287百万円等による資金の減少がその主な内容であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、20,920百万円の支出(前年同期比1,083百万円減)となりました。有形固定資産の取得による支出23,745百万円等がその主な内容であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、3,312百万円の支出(前年同期比4,931百万円増)となりました。借入による資金の増加2,424百万円等と、配当金の支払3,587百万円、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出2,184百万円等による資金の減少がその主な内容であります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの「経営方針、経営環境及び対処すべき課題」については、重要な変更又は新たな発生はありません。
(4) 株式会社の支配に関する基本方針
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「基本方針」)を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの事業内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値向上ひいては株主の共同の利益を持続的に確保、向上していくことを可能とするものであることが必須と考えております。
当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。しかしながら、当社の企業価値向上ひいては株主の共同の利益を棄損するおそれのある不適切な大量買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適切ではないと考えております。そのような大量買付行為が行われた場合は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守るために、必要・適正な措置を講じてまいります。
② 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、2016年6月29日開催の第92回定時株主総会において株主の承認を得て、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策、以下「本プラン」)を継続してまいりました。2019年6月21日開催の第95回定時株主総会終結の時をもって、本プランが有効期間満了を迎えるにあたり、株主の意見、買収防衛策に関する近時の動向、当社を取り巻く経営環境の変化等を考慮しながら慎重に検討を重ねた結果、2019年5月14日開催の取締役会において、本プランを有効期間の満了をもって廃止することを決議し、本定時株主総会終結の時をもって廃止いたしました。
当社は、当社株式の大規模買付行為を行おうとする者に対しては、株主が当該大規模買付行為の是非について適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求めるとともに、当社取締役会の意見等を開示し、株主の検討のために必要な時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。
③ 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する取組み
当社は、2009年に長期経営ビジョン『KANEKA UNITED宣言』を策定いたしました。この中で、当社グループの抜本的な「変革」と継続的な「成長」をめざし、「環境・エネルギー」、「健康」、「情報通信」、「食料生産支援」を重点戦略分野と位置付け、経営の重点施策として、①研究開発型企業への進化、②グローバル市場での成長促進、③グループ戦略の展開、④アライアンスの推進、⑤CSRの重視に取り組んできました。
2018年からスタートした中期経営計画においては、2017年に刷新した経営システムを基盤におき、「価値あるソリューションをグローバルに提供することを通じて世界の人々の人生と環境の進化に貢献し、存在感ある企業として成長し続ける」ESG経営へ進化させ、ソリューション・プロバイダーとして社会的課題を解決することにより、事業ポートフォリオを変革していきます。成長ドライバーを「R&B」(Research & Business)、「グローバル化」、「人材育成」とし、ソリューション・プロバイダーとしての取組みを強化することにより、事業構造を変革させ、当社グループの成長を加速します。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は14,696百万円であります。
当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。