当第1四半期連結累計期間において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2020年4月1日~2020年6月30日。以下、今期)は、新型コロナウイルスの爆発的流行(パンデミック)の甚大な影響を受けました。世界中でCOVID-19の恐怖が広がり、全ての産業セクターの経済活動が(ほとんど停止状態に近い)大幅な縮小を余儀なくされるという前例のない事態となりました。はかり知れない世界経済の打撃が続いています。
原油は、瞬間的ではありますが、▲37.63ドルをつけました。米国のGDP成長率は前期比年率▲32.9%という過去最大の減少幅を記録し、日本も▲27%と戦後最大の下げ幅となりました。非常に深く暗い落ち込みの爪痕が世界各国に広がっています。
このような状況下、当社グループの今期の業績は、売上高は126,644百万円(前年同四半期連結累計期間(以下、前年同期)比14.9%減)、営業利益は2,029百万円(前年同期比71.0%減)、経常利益は823百万円(前年同期比85.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は437百万円(前年同期比87.5%減)となりました。
第1四半期 セグメント別売上高・営業利益 (百万円)
事業ポートフォリオでみると、研究開発資源を優先的に投入してきた先端事業群(E&I・PV・Medical・Pharma・Supplement・農業生産支援)が、コロナ禍による世界経済の大幅な縮小にも拘らず、対前年比で増収増益を継続出来ているのに対し、Material SUとQOL SU に属するコア事業群(Vinyl・MOD・MS・Foam・Fiber)が、コロナ感染拡大により需要消滅し減産に追い込まれ、今期の大幅な減収減益の最大の原因となりました。
最近の米国化学協会の発表や世界の製造業の景況感調査によれば、世界の化学セクターは、このコロナ禍で他の製造業と同様に生産が縮小しましたが、減産は3月をボトムに4、5月は縮小し6月は増加に転じたことが報じられています。当社も、減産していたMaterial SUやQOL SUに属するコア事業群が5月を底に6月から増産に転じました。第3四半期、第4四半期には緩やかな足取りでコア事業群の生産は回復し、増産による年間の収益改善を見込んでいます。
尚、このコロナ禍を内なるパラダイムチェンジの好機と捉え、R&B(Research & Business)の「選択と集中」やリモートワークを一例とする新しいワークカルチャーの導入など生産性の向上に取り組んでいます(経費削減:今期5億円)。
各セグメントの状況は、次のとおりであります。
① Material Solutions Unit
当セグメントの売上高は48,894百万円と前年同期と比べ11,281百万円(18.7%減)の減収となり、営業利益は2,855百万円と前年同期と比べ2,734百万円(48.9%減)の減益となりました。
塩化ビニル樹脂及びか性ソーダは、インドのロックダウンの影響を受け減収減益となりました。
Performance Polymersのモディファイヤー及び変成シリコーンポリマーは、欧州及び米国の需要落ち込みの影響を受けました。エポキシマスターバッチは、用途開発が進み、高砂の能力増強設備が予定通り稼働しました。
カネカ生分解性ポリマーPHBH®は、多くの国内外ブランドホルダーとの共同開発が順調に進展しています。20,000t規模の量産プラント建設決定に向け、生産性向上、コストダウンの最終検討を進めています。
② Quality of Life Solutions Unit
当セグメントの売上高は29,738百万円と前年同期と比べ8,729百万円(22.7%減)の減収となり、営業利益は1,236百万円と前年同期と比べ2,492百万円(66.8%減)の減益となりました。
Performance Fibersについては、頭髪はアフリカのロックダウンで需要が大幅に減少しました。パイル・難燃もコロナ渦で需要が低調でした。新設したガーナの商品開発センターを活用し早期に販売回復を目指します。
Foam & Residential Techsのスチレン系発泡樹脂および押出ボードについては、魚箱、建築土木の需要減で低迷しました。発泡ポリオレフィンについては、世界的な自動車減産の影響を大きく受けました。
PV & Energy managementについては、住宅向け高効率太陽電池の販売が堅調でした。ビル、自動車向け壁面・シースルー太陽電池の共同開発を推進しています。
E & I Technologyのポリイミドフィルムとグラファイトシートについては、スマートフォン向けの販売が緩やかに回復しています。有機ELディスプレイ・5G向け独自製品の開発を強化しています。
③ Health Care Solutions Unit
当セグメントの売上高は11,698百万円と前年同期と比べ748百万円(6.8%増)の増収となり、営業利益は2,298百万円と前年同期と比べ393百万円(20.6%増)の増益となりました。
Medicalのカテーテルについては、コロナ渦で販売は一時的に停滞しましたが回復基調です。塞栓コイルが好調で、米国販売を予定しています。現状比3倍のベトナム工場能力増強を決定しました。新規医療領域での技術・資本提携を積極的に展開中です。培養CAL法を用いた乳房再建治療をスタートしました。
Pharmaについては、大阪合成とカネカユーロジェンテックの能力増強が事業拡大に貢献しています。コロナ対応として、アビガンの原薬供給、検査試薬の供給をスタートしました。また、プラスミドDNAなど最先端高度技術でアンジェス社のワクチン中間体の生産受託を行います。感染症をドメインとするインフェクション研究チームを立ち上げました。
④ Nutrition Solutions Unit
当セグメントの売上高は35,938百万円と前年同期と比べ2,969百万円(7.6%減)の減収となり、営業利益は827百万円と前年同期と比べ373百万円(31.1%減)の減益となりました。
Foods & Agrisについては、外食、インバウンド減によるパン・菓子需要が低迷しました。一方で、中食増でカネカサンスパイスが好調でした。乳製品の販売も堅調で、有機酪農を開始します。別海(北海道)で酪農農業生産法人を設立しました。
Supplemental Nutritionについては、未病意識の高まりで、米国で還元型コエンザイムQ10が好調です。乳酸菌は、販売好調な欧州に次いで米国で販売を開始しました。科学的な情報発信を強化し多用なサプリメントによるブランド戦略を展開してまいります。
⑤ その他
当セグメントの売上高は373百万円と前年同期比53百万円(16.8%増)の増収となり、営業利益は248百万円と前年同期比67百万円(37.7%増)の増益となりました。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、売掛金の減少等により前連結会計年度末に比べて2,631百万円減の650,630百万円となりました。負債は、買掛金の減少等により2,714百万円減の296,452百万円となりました。また、純資産は、その他有価証券評価差額金の増加等により83百万円増の354,178百万円となりました。この結果、自己資本比率は50.9%となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの「経営方針、経営環境及び対処すべき課題」については、重要な変更又は新たな発生はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は6,947百万円であります。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。