第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

世界経済の状況

当第3四半期連結累計期間(2021年4月1日~2021年12月31日)の世界経済は、コロナワクチンの接種が進み、各国の感染対策の緩和や経済・金融政策の効果もあって回復基調となりました。しかしながら、半導体などの部品や資材不足、ロジスティクスの混乱や資源・エネルギー価格の高騰は継続し、コロナ感染の再拡大による生産活動への影響や物価の上昇など、不透明な事業環境が続いています。

 

当社グループの業績

このような状況のなか、当社グループの当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は508,716百万円前年同四半期連結累計期間(以下、前年同期)比20.7%増)、営業利益は33,317百万円(前年同期比92.7%増)、経常利益は31,288百万円(前年同期比147.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は22,021百万円(前年同期比128.0%増)と大幅な増収増益となりました。

 

2022年3月期 第3四半期 連結業績      (単位:百万円)

 

2021年3月

第3四半期

連結累計期間

2022年3月

第3四半期

連結累計期間

前年同期比

(同増減率)

売上高

421,484

508,716

87,232
(20.7%)

営業利益

17,288

33,317

16,029
(92.7%)

経常利益

12,632

31,288

18,656
(147.7%)

親会社株主に帰属する

四半期純利益

9,659

22,021

12,361
(128.0%)

 

 

セグメント別売上高・営業利益                                       (単位:百万円)

 

売上高

2021年3月

2022年3月

増減

第1四半期連結会計

期間

第2四半期連結会計

期間

第3四半期連結会計

期間

第3四半期

連結累計期間

第1四半期連結会計

期間

第2四半期連結会計

期間

第3四半期連結会計

期間

第3四半期

連結累計期間

第3四半期

連結会計期間

第3四半期

連結累計期間

Material SU

48,894

55,587

60,240

164,722

69,967

70,922

76,347

217,237

16,107

(26.7%)

52,515
(31.9%)

Quality of Life SU

29,738

33,924

39,159

102,823

40,856

41,878

43,403

126,138

4,243
(10.8%)

23,315
(22.7%)

Health Care SU

11,698

12,756

14,068

38,522

13,220

13,397

15,402

42,020

1,334

(9.5%)

3,497
(9.1%)

Nutrition SU

35,938

37,560

41,062

114,561

39,753

39,725

43,054

122,533

1,991

(4.9%)

7,972
(7.0%)

その他

373

241

238

853

308

236

240

785

2

(1.0%)

△68
(△8.0%)

126,644

140,069

154,769

421,484

164,106

166,160

178,449

508,716

23,679

(15.3%)

87,232
(20.7%)

 

 

 

 

営業利益

2021年3月

2022年3月

増減

第1四半期連結会計

期間

第2四半期連結会計

期間

第3四半期連結会計

期間

第3四半期

連結累計期間

第1四半期連結会計

期間

第2四半期連結会計

期間

第3四半期連結会計

期間

第3四半期

連結累計期間

第3四半期

連結会計期間

第3四半期

連結累計期間

Material SU

2,855

4,518

6,465

13,839

9,311

8,652

8,303

26,267

1,838

(28.4%)

12,428
(89.8%)

Quality of Life SU

1,236

2,692

4,439

8,369

4,586

4,737

4,460

13,784

20
(0.5%)

5,415
(64.7%)

Health Care SU

2,298

2,672

3,213

8,183

2,310

2,941

3,168

8,420

△44
(△1.4%)

236
(2.9%)

Nutrition SU

827

605

1,882

3,314

1,429

656

1,562

3,648

△319

(△17.0%)

333
(10.1%)

その他

248

92

98

439

177

73

98

349

0

(0.6%)

△89
(△20.4%)

調整額

△5,436

△5,576

△5,844

△16,857

△5,967

△5,894

△7,291

△19,152

△1,446

(-)

△2,295
(-)

2,029

5,005

10,253

17,288

11,848

11,167

10,301

33,317

48

(0.5%)

16,029
(92.7%)

 

 

第3四半期連結累計期間では、すべての事業セグメントで増収増益となりました。また、第3四半期連結会計期間(2021年10月1日~2021年12月31日)の売上高は過去最高を更新し、営業利益は5四半期連続で100億円を超える水準となりました。

 

先端事業群では、Health Care SUのバイオロジクス設備能力増強によるコロナワクチン受託製造や変異株PCR検査キット・検査試薬の販売拡大など新型コロナウイルス対策が業績に寄与しました。Medicalの血液浄化事業も新製品の市場評価が高く、着実に販売が拡大しています。

また、デジタルコミュニケーションの活用が世界で一気に拡大する中、E & I TechnologyのスマートフォンやPC向けポリイミド製品、大型TV向けアクリルフィルム用樹脂の販売が大きく伸びています。

PV & Energy managementではZEH・ZEBの普及をはじめカーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギー利用拡大への取り組みが加速し販売が増加しています。

一方、コア事業であるMaterial SUのVinyls and Chlor-Alkali・Performance Polymersのモディファイヤー・変成シリコーンポリマーやPerformance Fibersは、グローバルネットワークを活かし、海外での旺盛な需要に着実に応えて好調な販売を継続し、大幅な増収増益となり収益基盤を強化しました。事業ポートフォリオの変革が着実に進んでいます。

 

今般、事業ポートフォリオの変革をさらに加速する先端事業、新規事業の大型設備投資を決定しました。

 

① 生分解性ポリマー(Green Planet)の大型能力増強

(投資金額約150億円、15,000トン/年 2024年1月稼働)

Green Planetは、植物油を原料に微生物によって生産されるバイオポリマーで、土壌中だけでなく海水中でも容易に分解する生分解性を有しています。一方で、プラスチックと同様の機能をもち、使い捨てプラスチックによる環境破壊に対し画期的なソリューションを提供できる素材です。発酵・培養からポリマー生産に関わる幅広いコア技術を有する当社だからこそ社会実装を実現できました。

Green Planetで置き換え可能な使い捨て汎用プラスチック製品は、世界で年間約2,500万トンと推定され、Green Planetの普及が社会の仕組みそのものを変える可能性を秘めています。

今回の能力増強をスタートとして、地産地消の方針のもと、需要が大きく広がる世界各地での増設を順次進めます。

Green Planetの用途は多岐に亘り、今後も益々拡大していきます。本設備は、新しい用途の新製品開発や革新的な技術開発による生産性の向上、コストダウンを進める実験・実証的生産が行える設備としてデザインしました。次期増設に活かしてまいります。

 

 

② 北海道における医療機器工場新設(投資金額約100億円、2024年5月稼働)

北海道・苫小牧東地区に事業用地を取得し、ITやAI技術の結集により自動化・高度化した最新鋭の医療機器工場の新設を決定しました。

血中の悪玉コレステロールを選択的に除去する製品や、重症化した閉塞性動脈硬化症の新たな治療法として市場から高い評価を受けている製品を生産します。これらは、患者数の多い米国や中国で今後需要の急拡大が見込まれます。新工場建設による供給基盤の確保により、飛躍的な事業拡大を図ります。

この事業用地には、当社太陽電池を設置し「ゼロエネルギーファクトリー」を目指します。また、Medical領域以外の事業拠点としても積極的に活用してまいります。

当社が「New Frontier」と位置付ける北海道で、昨年の別海町での有機酪農の取り組み開始に続く、「Hokkaido Initiative」の始動です。

「北海道から世界を健康にする」当社の新たな挑戦がスタートしました。

 

※ コア事業(Core) … Vinyls and Chlor-Alkali, Performance Polymers, Foam & Residential Techs, Performance Fibers, Foods

先端事業(Leading Edge)… E & I Technology, Pharma, Medical, Supplemental Nutrition, Agris, PV & Energy management

 

各セグメントの状況は次のとおりであります。

 

① Material Solutions Unit

当セグメントの売上高は217,237百万円前年同期と比べ52,515百万円31.9%増)の増収となり、営業利益は26,267百万円前年同期と比べ12,428百万円89.8%増)の増益となりました。

Vinyls and Chlor-Alkaliは、塩化ビニル樹脂を主体にインドなどアジア市場の旺盛な需要が続いており、苛性ソーダも海外市況が上昇しました。

Performance Polymersのモディファイヤーは、欧米の需要が好調に推移しています。特に、非塩ビ用途(自動車、PC・家電向け)の販売がグローバルに拡大しています。グローバル4拠点を持つ供給体制の強みが力を発揮し、ビジネスモデルとして差別化力が効果を生んでいます。

変成シリコーンポリマーは、欧米に加えニューフロンティア・アジアの建築用途などの需要が順調に拡大。旺盛な需要増が予見されることから次期能力増強の検討を進めています。

生分解性ポリマー「Green Planet」は、世界中から引き合いが集まり、新規採用が広がっています。環境負荷低減に関心の高い世界中のブランドホルダーとの大型共同開発が進展しています。

 

② Quality of Life Solutions Unit

当セグメントの売上高は126,138百万円前年同期と比べ23,315百万円22.7%増)の増収となり、営業利益は13,784百万円前年同期と比べ5,415百万円64.7%増)の増益となりました。

Foam & Residential Techsのスチレン系発泡樹脂、押出し発泡ボードは、販売は堅調に推移しました。原材料高騰の影響を強く受けました。発泡ポリオレフィンは、世界的な自動車減産が続くなか需要回復が遅れています。 

PV & Energy managementは、国策としての再生可能エネルギーのニーズが呼び水となり販売が拡大しました。ZEBを志向したビル建物(壁・窓・屋根)への需要も加速しています。

E & I Technologyは、スマートフォンや有機ELディスプレイ用のポリイミド製品、大型TV向けのアクリルフィルム用樹脂の販売が好調に推移しました。 

Performance Fibersは、アフリカ向け頭髪製品の旺盛な需要が継続し、難燃資材向けの需要も回復しつつあります。リサイクル性を有するエコファー向け新製品が注目を集めるなど、拡大需要に対応するため、さらなる能力増強を検討してまいります。

 

 

③ Health Care Solutions Unit

当セグメントの売上高は42,020百万円前年同期と比べ3,497百万円9.1%増)の増収となり、営業利益は8,420百万円前年同期と比べ236百万円2.9%増)の増益となりました。

Medicalは、コロナ禍の影響で減速していた一般治療の症例数が回復しています。血液浄化器ではASO治療用の新製品の販売が大幅に増加し、カテーテルでは脳動脈瘤塞栓コイルなど海外向けを中心に販売が拡大しました。1月にはオミクロン型とデルタ型を同時に識別するPCR検査キットを販売し、感染拡大の防止に貢献しています。北海道新工場の早期の戦力化により医療器事業のグローバル展開を加速いたします。

Pharmaは、バイオ医薬品では、カネカユーロジェンテック増設ラインでのコロナワクチンの受託製造がスタートし業績に貢献しています。研究試薬・検査診断サービスも順調に推移し、低分子医薬品も新規案件を獲得するなど、さらなる業績拡大を目指します。

 

④ Nutrition Solutions Unit

当セグメントの売上高は122,533百万円前年同期と比べ7,972百万円7.0%増)の増収となり、営業利益は3,648百万円前年同期と比べ333百万円10.1%増)の増益となりました。

Supplemental Nutritionは、「免疫力アップ」意識の高まりを背景に、還元型コエンザイムQ10の販売が好調に推移しました。国内では「わたしのチカラ」還元型コエンザイムQ10配合シリーズが新たな機能性表示を取得し、商品のラインナップを強化しています。乳酸菌事業では、市場認知が進み米国でリピートオーダーが増加しており、生産体制の強化を進めます。

Foods & Agrisは、需要は緩やかに回復していますが、油脂等原料価格の大幅上昇の影響を強く受けています。新たにスタートしたモール型ECサイト「ぱん結び」はメディア戦略が奏功し、会員数が増加しています。ECサイトやSNSも活用しBtoCビジネスを強化してまいります。また有機酪農を通じてサステナブル社会に貢献し、パン業界や乳業の活性化に取り組んでまいります。

 

⑤ その他

当セグメントの売上高は785百万円前年同期と比べ68百万円8.0%減)の減収となり、営業利益は349百万円前年同期と比べ89百万円20.4%減)の減益となりました。

 

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、売掛金や棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ45,124百万円増712,554百万円となりました。負債は、買掛金の増加等により24,473百万円増310,862百万円となりました。また、純資産は、利益剰余金の増加等により20,651百万円増401,691百万円となりました。この結果、自己資本比率は52.9%となりました。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの「経営方針、経営環境及び対処すべき課題」については、重要な変更又は新たな発生はありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は23,482百万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。