当連結会計年度における我が国経済は、継続する円安により、輸出企業を中心に業績回復基調が続く一方で、個人消費の回復は弱く、また、中国経済の減速をはじめ海外経済の景気下振れ懸念もあり、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。
当油脂加工業界におきましては、食品の値上げの影響等による消費の低迷と円安の影響による原材料価格の上昇が継続し、依然として厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況のなかで当社グループは、既存製品の品質向上と市場ニーズに即応した高付加価値製品の開発を通じてお客様に満足いただける製品の提供に努めました。また、積極的な営業活動を展開し、新たな市場開拓と用途開拓に取り組むとともに販売価格の見直しと生産体制の効率化等のコスト削減を推し進め、収益の改善に努めました。
この結果、売上高は452億7千万円(前連結会計年度比0.3%減)、営業利益は5億6千1百万円(前連結会計年度比286.0%増)、経常利益は7億5千9百万円(前連結会計年度比116.5%増)、当期純利益は3億6千万円(前連結会計年度比67.4%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
≪食品事業≫
食品事業につきましては、前連結会計年度の急激な円安による原材料価格の高騰に加え、夏場以降の食品の値上げと中国経済の失速感が相まって需要は伸び悩み、非常に厳しい経営環境で推移いたしました。
そのような環境の中、主要需要先である製パン業界、製菓業界、即席麺業界向けに、マーガリン、ショートニング等の主力製品をはじめ、粉末油脂および乳加工食品等の高付加価値製品の拡販に注力するとともに、市場で不足するバターの代替となるマーガリンを新たに発売し、リテール市場と新規市場の開拓に努めました。
また、販売価格の改定と生産体制の効率化に取り組み、収益の確保に努める一方、「AIB国際検査統合基準」に基づいた品質管理体制を全ての食品工場で徹底し、製品の安全性の確保に努めました。
その結果、売上高は325億8千3百万円(前連結会計年度比0.1%増)、営業利益は7億2千万円(前連結会計年度比73.9%増)となりました。
≪油化事業≫
工業用油脂製品につきましては、主要需要先である合成樹脂、界面活性剤、塗料、ゴム等の業界向けに脂肪酸やグリセリンの拡販に努めましたが、中国経済の景気減速により、輸出関連メーカーへの販売が低迷いたしました。また、円安に加え、ラード等の動物性油脂の需給逼迫による原材料価格の上昇を受け、価格改定を行い採算の確保に努めましたが、非常に厳しい状況で推移いたしました。
界面活性剤製品につきましては、環境改善関連分野の飛灰用重金属処理剤は堅調に推移し、香粧品、化粧品分野のシャンプー原料基剤およびクレンジング基剤もインバウンド消費の増大で伸長いたしました。しかし、紙・パルプ分野の家庭紙用薬剤は、製品の開発対応を行い主要顧客へのシェア拡大に努めましたが販売は伸び悩みました。
その結果、売上高は125億2千3百万円(前連結会計年度比1.0%減)、営業損失は2億2千4百万円(前連結会計年度は営業損失3億3千5百万円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ資金は4億2千1百万円減少し、46億4千2百万円となりました。
営業活動の結果、資金は16億9千2百万円増加(前連結会計年度は7億9千2百万円増加)しました。
投資活動の結果、資金は29億2千7百万円減少(前連結会計年度は11億5千3百万円減少)しました。
財務活動の結果、資金は8億1千3百万円増加(前連結会計年度は8億2千6百万円増加)しました。
なお、キャッシュ・フローの詳細については、「第2 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 資本の財源及び資金の流動性についての分析 ① キャッシュ・フロー」に記載しております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
食品事業 | 21,288 | △1.5 |
油化事業 | 7,719 | △0.7 |
合計 | 29,007 | △1.3 |
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 上記金額には、中間製造工程の自家消費分は含まれておりません。
4 上記のほか、下記のとおり他社へ製造委託しているものがあります。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
食品事業 | 6,065 | +1.1 |
油化事業 | 3,542 | △5.0 |
合計 | 9,608 | △1.3 |
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、原則として受注生産を行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
食品事業 | 32,583 | +0.1 |
油化事業 | 12,523 | △1.0 |
その他 | 163 | △9.5 |
合計 | 45,270 | △0.3 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 その他は、不動産賃貸、原料油脂等であります。
3 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
ニッシン・トーア㈱ | 5,202 | 11.5 | 5,274 | 11.7 |
当社グループを取り巻く事業環境は、国内人口の減少による需要の低迷に加え、大手流通の低価格志向による競争の激化、更には、為替変動や海外経済の情勢等により各種原材料価格が不安定に推移することが予想され、今後も厳しい状況で推移すると思われます。
このような事業環境において当社グループは、2016年を初年度とする中期経営計画を策定し、既存事業の一層の強化に努めるとともに、新たな事業への取組みとして、2016年1月にスウェーデンのAAK社(AAK AB(publ.))と合弁会社を設立し、チョコレート用油脂事業に参入いたします。
また、引き続き収益性の更なる改善に向け、高付加価値製品の販売強化と製品価格の見直しに取り組む一方で、「良き物づくり」を求めて技術開発の強化と安全、安心、品質第一の生産活動を通じて顧客満足の向上に努めて参ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年3月29日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
当社グループは、海外からパーム油等の油脂原料を仕入れているため、原材料用油脂の市況および為替相場が、当社グループの原材料の仕入価格に影響を与えます。
当社グループの製品は、主に製菓・製パンおよび食品加工メーカー向けの業務用製品であるため、原材料の仕入価格に著しい変動があった場合、納入先ユーザーとの価格改定に多少の時間が必要となり、原材料の仕入価格の上昇を販売価格に転嫁するのに時間差が生じた場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、換算時の為替レートが予想を超えて大幅に変動した場合には、外貨建取引から発生する資産等の日本円換算額に影響を与える可能性があり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、ISO・HACCPおよびAIB国際検査統合基準の認証を取得し、国際標準規格にしたがって各種製品を製造しております。また、トレーサビリティーシステムの構築を進める等品質管理に万全な体制で取り組んでおります。
しかしながら、社会全般にわたる食品の安全性問題が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、工場における地震等の自然災害について、「災害対策マニュアル」を作成する等万全の安全対策を講じております。
しかしながら、万一、大規模災害が発生した場合には、生産設備の損壊、生産活動の停止等により、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なった場合、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。
年金資産の運用利回りの悪化や割引率の低下等は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業活動の遂行にあたり法令遵守などコンプライアンス経営に努めておりますが、事業活動のなかで重要な訴訟等が提起され当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、食品から地球環境関連製品に至るまで、多方面にわたる産業のニーズに応えるため、新素材開発の基礎研究と商品化に向けた応用研究を積極的に展開しております。研究開発体制は、食品事業では、新技術に繋がるシーズの探索、中長期的な新技術開発テーマに取り組む技術部食品油脂研究所とマーガリン、粉末油脂、ホイップクリーム等の新技術開発および製品開発に取り組む技術部技術開発課、市場のニーズに即応した製品開発、提案活動を行う技術部ソフト開発課の3部門で構成されております。また、油化事業では、界面活性剤、環境産業、新規開発関連用途別の技術部から構成されております。
なお、当連結会計年度に研究開発に要した費用総額は、14億8千4百万円であります。
セグメントの研究開発活動は、次のとおりであります。
食品事業では、「美味しさ・健康・安全・安心・環境・機能・簡便」をキーワードとして、マーガリン、ショートニング、ホイップクリーム、粉末油脂などの食用加工油脂を主体としてお客様に役立つ製品開発、新製品の投入、用途開発、プレゼンテーション、展示会、講習会などの技術活動の推進をしております。さらに油脂製品開発における基盤技術の構築と新技術の研究から学会発表や論文投稿、特許出願等を積極的に進めております。
食品油脂研究所では、基礎研究の一環として、油化学会での口頭発表及び論文投稿を行い、また、昨今の乳製品不足から、乳製品に替わる製品の開発を進めました。
技術開発課では、平成28年春の新製品上市予定の製品、ハイスペックショートニング、三相乳化マーガリン、ハイコンパウンドマーガリン、シートマーガリン等の検討を行いました。さらに、AAK社(AAK AB(publ.))との業務提携に伴い、チョコレート用油脂の販売に向けた技術開発を進めました。
ソフト開発課では、大手ユーザー向けプレゼンテーションを実施し、ユーザーの新製品として成果に結びつけると同時に、お客様に役立つ新製品開発のための検討を行いました。
当セグメントに係る研究開発費は9億1千万円であります。
油化事業では、紙パルプ用薬剤・香化粧品基剤などの各種界面活性剤のほか、工業用エステル基剤や重金属処理剤などの環境関連製品の開発を進めるとともに、新規事業創出に向けた研究開発を推進しております。
界面活性剤分野では、家庭紙用薬剤「ソフティーナ」、製紙用工程薬剤「トリミン」の高性能化を進め、市場で高い評価を獲得しました。香化粧品基剤では、両性界面活性剤「アンホレックス」、クレンジング基剤「Mファインオイル」などの改良並びにソフト開発を進め、同時に潤滑基剤など、工業用エステルの開発にも注力しました。
環境関連薬剤分野では、廃水処理剤「エポラス」「エポフロック」、飛灰処理剤「エポルバ」の改良開発に加え、植物由来樹脂エマルジョン「ランディ」の応用開発を進めました。また、新規事業の創出に向け、機能性界面活性剤や金属ナノ粒子などの研究開発を進めるとともに、イオン液体や紫外線吸収剤などの新たな事業分野での商品開発に注力し、成果を上げました。
当セグメントに係る研究開発費は5億7千4百万円であります。
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ資金は4億2千1百万円減少し、46億4千2百万円となりました。
当連結会計年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によって得られた資金は16億9千2百万円(前連結会計年度は7億9千2百万円)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益6億4千3百万円に、減価償却費の加算13億2千8百万円、仕入債務の増加1億8千3百万円等による資金の増加があった一方、売上債権の増加2億2千2百万円、たな卸資産の増加2億5千1百万円による資金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果、29億2千7百万円の資金の減少(前連結会計年度は11億5千3百万円の資金の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得27億7千4百万円および有形固定資産の除却による支出8千7百万円による資金の減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果、8億1千3百万円の資金の増加(前連結会計年度は8億2千6百万円の資金の増加)となりました。これは、短期借入金の純増加額4億8千万円、長期借入れによる収入18億2千万円の資金の増加があった一方、長期借入金の返済による支出11億6千8百万円および配当金の支払3億9百万円による資金の減少があったことによるものです。
② 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ37億3千1百万円増の511億7千4百万円となりました。主な増加は受取手形及び売掛金2億2千2百万円、機械装置及び運搬具(純額)3億7千万円、建設仮勘定12億5千2百万円、投資有価証券19億4千2百万円、退職給付に係る資産2億8千7百万円であり、主な減少は現金及び預金4億2千1百万円であります。
負債は、前連結会計年度末に比べ18億9千4百万円増の279億6千2百万円となりました。主な増加は短期借入金4億8千万円、設備関係支払手形2億9千6百万円、長期借入金6億1百万円、固定負債の繰延税金負債8億5千4百万円であり、主な減少は退職給付に係る負債5億2千3百万円であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ18億3千7百万円増の232億1千2百万円となりました。主な増加は利益剰余金5億7千万円、その他有価証券評価差額金13億6千9百万円であります。
当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の45.0%から45.3%に増加しました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の207円27銭から225円06銭に増加しました。
① 概要
当連結会計年度における我が国経済は、継続する円安により、輸出企業を中心に業績回復基調が続く一方で、個人消費の回復は弱く、また、中国経済の減速をはじめ海外経済の景気下振れ懸念もあり、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。
当油脂加工業界におきましては、食品の値上げの影響等による消費の低迷と円安の影響による原材料価格の上昇が継続し、依然として厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況のなかで当社グループは、既存製品の品質向上と市場ニーズに即応した高付加価値製品の開発を通じてお客様に満足いただける製品の提供に努めました。また、積極的な営業活動を展開し、新たな市場開拓と用途開拓に取り組むとともに販売価格の見直しと生産体制の効率化等のコスト削減を推し進め、収益の改善に努めました。
② 売上高、売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益
売上高は、前連結会計年度比0.3%減の452億7千万円となりました。
食品事業の売上高は、前連結会計年度比0.1%増の325億8千3百万円となりました。
食品事業においては、円安による原材料価格の高騰に加え、夏場以降の食品の値上げの影響等により需要が低迷する中、マーガリン、ショートニング等の主力製品をはじめ、粉末油脂および乳加工食品等の高付加価値製品の拡販に注力した結果、売上数量は減少しましたが、売上高は増加しました。
油化事業の売上高は、前連結会計年度比1.0%減の125億2千3百万円となりました。
工業用油脂事業においては、主要需要先である合成樹脂、界面活性剤、塗料、ゴム等の業界向けの脂肪酸およびグリセリンの拡販が、中国経済の景気減速により、輸出関連メーカーへの販売が低迷し、売上数量および売上高は減少しました。
界面活性剤関連事業においては、香粧品、化粧品分野のシャンプー原料基剤およびクレンジング基剤が伸長しましたが、紙・パルプ分野の家庭紙用薬剤の販売が伸び悩み、売上数量および売上高が減少しました。
環境改善関連事業においては、飛灰用重金属処理剤が堅調に推移し、売上数量および売上高は増加しました。
売上原価は、前連結会計年度に比べ5億9百万円減少し、387億3百万円となり、原価率は、前連結会計年度比0.9ポイント減少し、85.5%となりました。これは主に生産体制の効率化等のコスト削減によるものであります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比0.3%減の60億5百万円となりました。売上原価、販売費及び一般管理費に含まれている研究開発費は、前連結会計年度比0.6%減の14億8千4百万円となりました。
この結果、営業利益は、前連結会計年度比286.0%増の5億6千1百万円となりました。
なお、研究開発活動の詳細については、「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に記載しております。
③ 営業外損益、経常利益
営業外損益は、前連結会計年度の2億5百万円の収益(純額)から、1億9千8百万円の収益(純額)になりました。
この結果、経常利益は、前連結会計年度比116.5%増の7億5千9百万円となりました。
④ 特別損益、税金等調整前当期純利益
特別損益は、前連結会計年度の5百万円の損失(純額)から、1億1千6百万円の損失(純額)になりました。これは、主に前連結会計年度の投資有価証券売却益5千万円、有形固定資産除却損5千5百万円計上、当連結会計年度の有形固定資産除却損1億2千6百万円計上によるものです。
この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比86.0%増の6億4千3百万円となりました。
⑤ 当期純利益
当期純利益は、前連結会計年度比67.4%増の3億6千万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の2円09銭から3円50銭となりました。