第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、「人によし、社会によし、未来によし。」の経営理念のもと、油脂の力を活かした“ものづくり”を通して、すべての人から信頼される企業であり続けることを目指しております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、株主資本の効率的運用による投資効率の高い経営を図るため、自己資本利益率(ROE)5.0%以上を目標経営指標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

当社グループを取り巻く事業環境は、国内人口の減少に伴い需要が伸び悩むなか、大手流通の低価格志向による競争の激化と油脂原料価格の上昇、さらに消費増税の影響が懸念され、不透明な状況が続くものと思われます。
 このような事業環境において当社グループは、「中期経営計画(2019~2021年)」の2年目として、食品事業は「これからの時代のおいしさと健康に貢献する」を、油化事業は「未来に誇れる安心な生活環境を創造する」をミッションとし、品質と技術の向上に努めてまいります。また、各種展示会等への出展を行い、マーケティング活動を強化するとともに、生産体制の効率化と製品の品質向上を目的とした設備投資を引き続き実施してまいります。さらに、コーポレートガバナンス体制およびコンプライアンス体制の一層の充実に加えて、各種施策により、人が育つ・人を育てる組織文化を醸成する土台を作ってまいります。
 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年3月26日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

(1) 原材料の仕入価格変動

当社グループは、海外からパーム油等の油脂原料を仕入れているため、原材料用油脂の市況および為替相場が、当社グループの原材料の仕入価格に影響を与えます。

原材料の仕入価格に著しい変動があった場合、納入先ユーザーとの価格改定に多少の時間が必要となり、原材料の仕入価格の上昇を販売価格に転嫁するのに時間差が生じた場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替レートの変動

当社グループでは、換算時の為替レートが予想を超えて大幅に変動した場合には、外貨建取引から発生する資産等の日本円換算額に影響を与える可能性があり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) 食品の安全性

当社グループでは、ISO・HACCPおよびAIB国際検査統合基準の認証を取得し、国際標準規格にしたがって各種製品を製造しております。また、トレーサビリティーシステムの構築を進める等品質管理に万全な体制で取り組んでおります。

しかしながら、社会全般にわたる食品の安全性問題が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 地震等の自然災害

当社グループは、工場、支店等における地震等の自然災害について「災害対策マニュアル」を作成するとともに、早期に事業を復旧させるために「事業継続計画(BCP)」を策定する等、万全の災害対策を講じております。

しかしながら、大規模災害が発生した場合には、生産設備の損壊、生産活動の停止等により、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 退職給付債務

当社グループの退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なった場合、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。

年金資産の運用利回りの悪化や割引率の低下等は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 重要な訴訟等

当社グループは、事業活動の遂行にあたり法令遵守などコンプライアンス経営に努めておりますが、事業活動のなかで重要な訴訟等が提起され当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、企業収益と雇用・所得環境の改善が続き、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、米中通商問題の長期化や英国のEU離脱問題、日韓の経済摩擦の激化等により、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
  当油脂加工業界におきましては、需要の低迷が継続するなか、物流費等のインフラコストの上昇を受け、厳しい経営環境で推移しました。
  このような状況のなかで当社グループは、「中期経営計画(2019~2021年)」の初年度として、「世の中にないものを創出します」、「既存市場へ新たに参入します」、「さらに拡売します」の3つの領域を掲げ、既存製品の更なる品質向上と幅広い市場に対応できる高付加価値製品の開発を行いました。また、お客様の消費動向を捉えながら多様化するニーズに対応した販売活動を行うとともに、各種展示会では当社技術力のアピールや新たなニーズの発掘を行うなど、きめ細かなマーケティング活動を通じて新たな市場開拓に取り組みました。さらに、主力のマーガリン製品をはじめ食品事業の新たな情報発信と市場ニーズの把握等の役割を兼ね備えた複合型施設「Cafe Margapane」を開業するなど、当社製品の更なる拡販に向けた施策を推進しました。

この結果、売上高は44,941百万円(前連結会計年度比1.6%減)と減少しましたが、積極的な設備投資による生産の効率化や不採算製品の統廃合等の収益改善に努めたことで営業利益は1,194百万円(前連結会計年度比60.2%増)、経常利益は1,418百万円(前連結会計年度比50.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,306百万円(前連結会計年度比89.7%増)となりました。
 

セグメントの業績は、次のとおりであります。
 

≪食品事業≫

食品事業につきましては、消費者の節約志向等により、主要販売先である製パン業界、製菓業界において主力のマーガリンやショートニングの需要が伸び悩むなか、ユーティリティ費や物流費の高騰と相次ぐ自然災害の影響により、非常に厳しい環境で推移しました。
  このような状況のなか、当社独自の技術開発力に磨きをかけ、主力のマーガリン製品のみならずお客様のさまざまなニーズに応えられるよう製品ラインナップの拡充を図り、各種展示会への出展等を通じて新規市場や新規顧客の開拓に努めました。また、シートマーガリンや乳加工食品などの高付加価値製品の拡販に注力するとともに、販売方法の見直し等によるコスト削減を行い収益改善を図りました。
  一方、生産面では、「AIB国際検査統合基準」への対応を強化し品質管理を徹底するとともに、食品安全システムに関する国際認証規格「FSSC22000」の認証を全ての工場で取得し、グローバル基準の管理体制で、食の安全・安心への対応に取り組みました。

その結果、売上高は30,259百万円(前連結会計年度比2.1%減)、営業利益は161百万円(前連結会計年度比65.3%増)となりました。
 

≪油化事業≫

工業用油脂製品につきましては、合成樹脂、塗料、ゴム、トイレタリー、潤滑油等の業界において景気減速の影響を受けましたが、精製設備を増強し品質向上に努め、新規顧客開拓や既存シェアの確保を図ったことにより、脂肪酸やグリセリンの需要は堅調に推移しました。
  界面活性剤製品につきましては、紙・パルプ分野の家庭紙用薬剤が春先の花粉量増加に加え、中国市場への輸出が伸長し好調に推移しました。また、製紙用嵩高剤も環境に配慮した改良品が好調に推移しました。香粧品分野では化粧品用クレンジング基剤が消費増税の影響等で一時的に落ち込んだものの積極的な拡販により好調に推移し、環境関連分野においても飛灰用重金属処理剤および廃水用重金属処理剤が順調に推移しました。

その結果、売上高は14,532百万円(前連結会計年度比0.6%減)、営業利益は967百万円(前連結会計年度比67.1%増)となりました。

 

また、当連結会計年度における財政状態の概況は次のとおりであります。

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,200百万円増の52,477百万円となりました。主な増加は現金及び預金1,098百万円、退職給付に係る資産645百万円、投資有価証券233百万円、建設仮勘定142百万円であり、主な減少は原材料及び貯蔵品419百万円、建物及び構築物(純額)192百万円、受取手形及び売掛金190百万円、流動資産のその他177百万円であります。

(負債)

負債は、前連結会計年度末に比べ51百万円増の27,593百万円となりました。主な増加は未払法人税等380百万円、流動負債のその他260百万円、繰延税金負債254百万円、設備関係電子記録債務221百万円であり、主な減少は借入金731百万円、支払手形及び買掛金220百万円であります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ1,148百万円増の24,883百万円となりました。主な増加は利益剰余金894百万円、退職給付に係る調整累計額352百万円であり、主な減少はその他有価証券評価差額金93百万円であります。
  当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の46.2%から47.4%に増加しました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の2,318円83銭から2,431円65銭に増加しました。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,098百万円増加し、6,227百万円となりました。

当連結会計年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動によって得られた資金は3,665百万円(前連結会計年度は1,051百万円)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益1,872百万円に、減価償却費の加算1,643百万円、たな卸資産の減少363百万円、売上債権の減少214百万円等による資金の増加があった一方、仕入債務の減少287百万円等による資金の減少があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果、1,406百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,283百万円の資金の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得1,515百万円、投資有価証券の取得414百万円による資金の減少があった一方、有形固定資産の売却581百万円による資金の増加があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果、1,160百万円の資金の減少(前連結会計年度は514百万円の資金の増加)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出3,681百万円、配当金の支払412百万円による資金の減少があった一方、長期借入れによる収入3,000百万円による資金の増加があったことによるものです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 1) 生産実績

(イ)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

食品事業

20,015

△3.0

油化事業

8,702

+0.8

合計

28,718

△1.9

 

(注) 1 金額は、製造原価によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3 上記金額には、中間製造工程の自家消費分は含まれておりません。

 

(ロ)仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

食品事業

5,353

△5.0

油化事業

3,078

△15.7

合計

8,432

△9.2

 

(注) 1 金額は、仕入価格によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 2) 受注状況

当社グループは、原則として受注生産を行っておりません。

 

 3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

食品事業

30,259

△2.1

油化事業

14,532

△0.6

その他

148

+13.3

合計

44,941

△1.6

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 その他は、不動産賃貸、原料油脂等であります。

3 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ニッシントーア・岩尾㈱

 5,055

 11.1

5,013

11.2

 

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産および負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)経営成績の分析

(概要)

当連結会計年度における我が国経済は、企業収益と雇用・所得環境の改善が続き、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、米中通商問題の長期化や英国のEU離脱問題、日韓の経済摩擦の激化等により、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
  当油脂加工業界におきましては、需要の低迷が継続するなか、物流費等のインフラコストの上昇を受け、厳しい経営環境で推移しました。
  このような状況のなかで当社グループは、「中期経営計画(2019~2021年)」の初年度として、「世の中にないものを創出します」、「既存市場へ新たに参入します」、「さらに拡売します」の3つの領域を掲げ、既存製品の更なる品質向上と幅広い市場に対応できる高付加価値製品の開発を行いました。また、お客様の消費動向を捉えながら多様化するニーズに対応した販売活動を行うとともに、各種展示会では当社技術力のアピールや新たなニーズの発掘を行うなど、きめ細かなマーケティング活動を通じて新たな市場開拓に取り組みました。さらに、主力のマーガリン製品をはじめ食品事業の新たな情報発信と市場ニーズの把握等の役割を兼ね備えた複合型施設「Cafe Margapane」を開業するなど、当社製品の更なる拡販に向けた施策を推進しました。

(売上高、売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

売上高は、前連結会計年度比1.6%減の44,941百万円となりました。

食品事業の売上高は、前連結会計年度比2.1%減の30,259百万円となりました。

食品事業においては、製品ラインナップの拡充を図り、新規市場や新規顧客の開拓に努め、またシートマーガリンや乳加工食品などの高付加価値製品の拡販に注力しましたが、消費者の節約志向等により、主要販売先である製パン業界、製菓業界において主力のマーガリンやショートニングの需要が伸び悩みました。

油化事業の売上高は、前連結会計年度比0.6%減の14,532百万円となりました。

工業用油脂事業においては、合成樹脂、塗料、ゴム、トイレタリー、潤滑油等の業界において景気減速の影響を受けるなか、新規顧客開拓や既存シェアの確保を図ることで脂肪酸やグリセリンの需要は堅調に推移しました。

界面活性剤関連事業においては、紙・パルプ分野の家庭紙用薬剤が春先の花粉量増加に加え、中国市場への輸出が伸長したことで好調に推移し、香粧品分野でも化粧品用クレンジング基剤の積極的な拡販により順調に推移しました。

環境改善関連事業においては、飛灰用重金属処理剤および廃水用重金属処理剤が順調に推移しました。

売上原価は、前連結会計年度に比べ1,436百万円減少し、37,209百万円となり、原価率は、前連結会計年度比1.8ポイント減少し、82.8%となりました。これは主に生産体制の効率化等のコスト削減によるものであります。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比4.3%増の6,537百万円となりました。売上原価、販売費及び一般管理費に含まれている研究開発費は、前連結会計年度比4.7%増の1,465百万円となりました。

この結果、営業利益は、前連結会計年度比60.2%増の1,194百万円となりました。

なお、研究開発活動の詳細については、「第2 事業の状況 5 研究開発活動」に記載しております。

 

(営業外損益、経常利益)

営業外損益は、前連結会計年度の199百万円の収益(純額)から、224百万円の収益(純額)になりました。

この結果、経常利益は、前連結会計年度比50.0%増の1,418百万円となりました。

(特別損益、税金等調整前当期純利益)

特別損益は、前連結会計年度の43百万円の収益(純額)から、454百万円の収益(純額)になりました。これは、前連結会計年度の投資有価証券売却益126百万円、有形固定資産除却損82百万円計上、当連結会計年度の有形固定資産売却益541百万円、有形固定資産除却損62百万円、関係会社株式評価損25百万円計上によるものです。

この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比89.3%増の1,872百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比89.7%増の1,306百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の67円14銭から127円77銭となりました。

 

2)資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、油脂原料等の原材料購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、生産設備の更新を中心とした設備投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は10,595百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,227百万円となっております。

 

3)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、株主資本の効率的運用による投資効率の高い経営を図るため、自己資本利益率(ROE)5.0%以上を目標経営指標としております。

当連結会計年度におけるROEは、前連結会計年度に比べ2.6ポイント増加し、5.4%となりました。

これは、市場の成熟化による需要の伸び悩みと生活必需品に対する節約志向や低価格志向により、売上高は減少しましたが、積極的な設備投資による生産体制の効率化に加え、不採算製品の統廃合等による採算性重視の営業活動により収益改善に努めた結果、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が増加したことによるものです。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、食品から地球環境関連製品に至るまで、多方面にわたる産業のニーズに応えるため、新素材開発の基礎研究と商品化に向けた応用研究を積極的に展開しております。研究開発体制は、食品事業では、新技術に繋がるシーズの探索、中長期的な新技術開発テーマに取り組む食品油脂研究所とマーガリン、粉末油脂、ホイップクリーム等の新技術開発および製品開発に取り組む技術開発部門、市場のニーズに即応した製品開発、提案活動を行うソフト開発部門の3部門で構成されております。また、油化事業では、界面活性剤、環境産業、新規開発関連用途別の技術部から構成されております。

なお、当連結会計年度に研究開発に要した費用総額は、1,465百万円であります。

セグメントの研究開発活動は、次のとおりであります。

 

食品事業では、「美味しさ・健康・安全・安心・環境・機能・簡便」をキーワードとして、マーガリン、ショートニング、ホイップクリーム、粉末油脂などの食用加工油脂を主体としてお客様に役立つ製品開発、新製品の投入、用途開発、プレゼンテーション、展示会、講習会などの技術活動の推進をしております。さらに油脂製品開発における基盤技術の構築と新技術の研究から学会発表や論文投稿、特許出願等を積極的に進めております。

当連結会計年度におきましては、製菓・製パン等の賞味期限延長や食感改良目的に、食添用グリセリンの添加を提案し、添加時の風味、食感、物性、保存安定性の評価を行うとともに、焼成時の影響についても検証を行いました。また、当社品食添用グリセリンは他社品に比べ、風味が良いとの情報から、油化事業部に協力を仰ぎ、食添用グリセリンの原料納入メーカーにおける違いや他社品との官能評価での比較や分析を行いました。
 さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、外国人向けの食のグローバル化が進む中、ヴィーガンに対応した食品製造に適応した植物性原料のみの天板油、ショートニングへの切替え、提案を行いました。

当セグメントに係る研究開発費は952百万円であります。

 

油化事業では、紙パルプ用薬剤、香・化粧品基剤などの各種界面活性剤、工業用エステル基剤のほか、重金属処理剤や生分解性樹脂分散体などの環境関連製品の開発を進めるとともに、新規事業創出に向けた研究開発を推進しております。
 界面活性剤関連では、紙パルプ分野の家庭紙用柔軟剤「ソフティーナ」、香・化粧品基剤のクレンジング基剤「Mファインオイル」、両性界面活性剤「アンホレックス」が、国内外の市場で高い評価を獲得しました。同時に工業用エステル「Mファインエステル」、土壌用撥水防止剤「土のオアシス」の開発にも注力しました。

環境関連薬剤関連では、廃水処理剤「エポラス」、「エポフロック」の改良開発に加え、植物由来生分解性樹脂の水系分散体「ランディ」の応用開発を進めました。
 また、新規事業の創出に向けた取り組みでは、長波長吸収に優れた高機能紫外線吸収剤「MYUA」、イオン液体、機能性界面活性剤などの商品開発・用途開拓に注力し、成果を上げました。
  当セグメントに係る研究開発費は512百万円であります。