第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

 ① 経営理念

当社グループは、「人によし、社会によし、未来によし。」の経営理念のもと、油脂の力を活かした“ものづくり”を通して、すべての人から信頼される企業であり続けることを目指しております。

 ② 目標とする経営指標

当社グループは、株主資本の効率的運用による投資効率の高い経営を図るため、自己資本利益率(ROE)5.0%以上を目標経営指標としております。

 

(2)経営環境

     ・企業構造

当社事業の中核をなすのは、「油脂」の力を活かしたものづくりです。当社では、食品事業と油化事業の二本柱で強固な経営基盤の構築に努めており、環境に左右されない「持続的成長基盤」の確立を目指しております。

 

     ・主要製品と競争優位性

当社グループの強みは、私たちが普段食べているもの、使っているものに当社製品が幅広く使われていることです。食品事業においては、マーガリン、ショートニング、粉末油脂、ホイップクリーム等を主要製品として、製パン、製菓、即席麺メーカー等に対して、生産力、技術力、提案力を活かして「おいしさ」で暮らしへ貢献する製品を安定的に供給しております。油化事業においては、脂肪酸、グリセリン、香粧品原料、重金属処理剤、その他各種界面活性剤を主要製品とし、「油脂製品」「化成品」「環境産業製品」の3つの分野においてさまざまな産業分野に向けて、人と暮らしに「やさしい」製品の提供に努めております。

 

(3)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

当社グループを取り巻く事業環境は、国内人口の減少等により需要が低迷するなか、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の制限と、油脂原料をはじめとする各種原材料価格の上昇が続き、今後も厳しい状況で推移すると思われます。

このような事業環境において当社グループは、2022年12月期を始期とする「中期経営計画(2022~2024年)」を策定し、食品事業は「これからの時代の『おいしさ』『健康』『食生活の変化』で持続可能な社会を実現する」を、油化事業は「これからの時代へ、ボタニカルを提唱した技術や製品を創出することで、持続可能な社会を実現する」をミッションとして、次の時代に求められる新製品開発や市場開拓に積極的に取り組んでまいります。

また、内部統制機能とコンプライアンス体制を一層充実させ、コーポレートガバナンス体制の強化を図るとともに、サステナビリティ推進委員会を中心に、SDGsや社会貢献活動への取り組みを強化し、「人によし、社会によし、未来によし」の経営理念のもと、継続的な企業価値の向上に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、以下のようなものがあります。これらは、社内のモニタリングを通じて網羅的に把握した上で、特に重要なリスクは、コンプライアンス・リスク管理委員会で協議し決定しております。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年3月29日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1) 原材料の仕入価格変動

当社グループは、海外からパーム油等の油脂原料を仕入れているため、原材料用油脂の市況および為替相場が、当社グループの原材料の仕入価格に影響を与えます。

原材料の仕入価格に著しい変動があった場合、納入先ユーザーとの価格改定に多少の時間が必要となり、原材料の仕入価格の上昇を販売価格に転嫁するのに時間差が生じた場合、また、原材料の高騰が継続し、原料価格の上昇の全部または一部を製品価格に転嫁できない状況が継続した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替レートの変動

当社グループでは、換算時の為替レートが予想を超えて大幅に変動した場合には、外貨建取引から発生する資産等の日本円換算額に影響を与える可能性があり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 食品の安全性

当社グループでは、食品安全システムに関する国際認証規格「FSSC22000」、ISO・HACCPおよびAIB国際検査統合基準の認証を取得し、国際標準規格にしたがって各種製品を製造しております。また、トレーサビリティーシステムの構築を進める等品質管理に万全な体制で取り組んでおります。

しかしながら、社会全般にわたる食品の安全性問題が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 事故および自然災害

当社グループは、工場火災等の事故を防止するため、設備点検を定期的に実施するとともに、各工場で安全衛生防火委員会を開催し、リスク発生の未然防止に努めております。また、地震等の自然災害への対応については、「災害対策マニュアル」を作成するとともに、早期に事業を復旧させるために「事業継続計画(BCP)」を策定する等、万全の災害対策を講じております。

しかしながら、地震や工場火災等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の損壊、生産活動の停止等により、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 退職給付債務

当社グループの退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なった場合、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。

年金資産の運用利回りの悪化や割引率の低下等は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 重要な訴訟等

当社グループは、事業活動の遂行にあたり法令遵守などコンプライアンス経営に努めておりますが、事業活動のなかで重要な訴訟等が提起され当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 新型コロナウイルス感染拡大によるリスク

当社グループは、検温、定時の消毒、換気をはじめ、リモート勤務の導入等、新型コロナウイルス感染症の感染防止に努めておりますが、感染者の増加等で生産または販売体制に支障が生じた場合、また、感染拡大やその長期化により製品需要の低迷や当該感染症に起因して原材料価格が高騰した場合、その他原材料の供給が不安定となり、製品の製造に支障をきたす場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 法令等の規制強化

当社グループは、食品事業、油化事業の両事業において法令を遵守し、製品の製造ならびに販売を行っておりますが、化学物質管理に関する法令改正等で規制が強化された場合は、設備投資やシステムの構築等が必要となり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 情報セキュリティ

当社グループは、情報セキュリティ強化のため、防御システムの導入および定期的なメンテナンスの実施の他、関連規程類の整備を行っており対応に努めておりますが、重大なシステム障害や未知のコンピューターウイルスが社内ネットワークに侵入し、コンピューターシステムが長期間使用できなくなった場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 人材確保

当社グループは、優秀な人材を採用し、製造部門、技術部門、販売部門、管理部門等の幅広い部門で、人材を育成することで、事業運営と競争力の向上に努めておりますが、少子化等により企業間での採用競争が激しくなり必要とする人材を確保できなかった場合、また、従業員の退職等によって必要な人材が確保できなくなった場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、ワクチン接種の進展に伴う経済の段階的再開により持ち直しの動きが見られましたが、新たな変異株の出現のため、景気の下振れリスクが懸念され、先行き不透明な状況で推移いたしました。

当油脂加工業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴う油脂原料の需給逼迫とバイオ燃料向けの需要増加の影響等により、油脂原料価格の上昇が止まらず、非常に厳しい経営環境で推移いたしました。

このような状況のなかで当社グループは、「中期経営計画(2019~2021年)」の最終年度として、「世の中にないものを創出します」、「既存市場へ新たに参入します」、「さらに拡売します」の3つの領域を掲げ、既存製品の更なる品質向上や、市場のニーズに対応した高付加価値製品の開発を進める一方、マーケティング活動を強化し、生産ロスの削減や環境に配慮した製品を展開するなど、持続可能な開発目標に向けた取り組みに注力しました。

また、油脂原料をはじめとする原材料価格の急激な上昇に対応するため、製品価格の改定を複数回実施しつつ、製品の安定供給に努めました。さらにコロナ禍による営業活動の制約に対しては、オンラインの商談やWEBを利用した販売手法を取り入れ、製品の拡販に努めました。

この結果、売上高は47,476百万円(前連結会計年度比10.2%増)となりましたが、利益面では、販売価格の改定が原材料価格の上昇スピードに追い付かず、営業利益は698百万円(前連結会計年度比38.0%減)、経常利益は984百万円(前連結会計年度比32.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は677百万円(前連結会計年度比33.4%減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。
 

≪食品事業≫

食品事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で外食産業および土産菓子業界の需要は低迷しておりましたが、緊急事態宣言が解除された秋口より回復傾向で推移しました。また、巣ごもり需要をはじめ新たな消費動向が下支えとなり、主要需要先である製パン業界に回復の兆しが見られたことで、主力製品であるマーガリンやショートニングは堅調に推移しました。

このような状況のなか当社グループは、既存製品の拡販に加えて、新たな時代のニーズに応えるために、プラントベース(植物由来)食品市場に向けた製品「botanova」や、賞味期限の延長に寄与しフードロスの削減につながる製品「SDFOODs」を、展示会への出展やニュースサイトによる情報発信を通じてアピールし、新規市場や新規顧客の開拓に努めました。

一方、生産面では、「AIB国際検査統合基準」への対応の強化や、食品安全システムに関する国際認証規格「FSSC22000」に則った食の安全・安心への対応に取り組むとともに、生産ラインの統合や省エネルギー効率化システムの導入を行い、生産体制の効率化を推し進めました。

その結果、売上高は31,771百万円(前連結会計年度比9.1%増)、営業利益は153百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。

 

≪油化事業≫

工業用油脂製品につきましては、世界的に経済活動の回復が進むなか、各国への輸出に主導された、家電、自動車、化粧品等への需要が回復したため、主要需要先である合成樹脂、界面活性剤、塗料、ゴム等の業界への脂肪酸およびグリセリンの販売が堅調に推移しました。

界面活性剤製品につきましては、香粧品分野の高機能シャンプー向け原料基剤「アンホレックス」や洗顔用クレンジング製品向けの原料基剤「Mファインオイル」は好調に推移しましたが、紙・パルプ分野の家庭紙用薬剤は、コロナ禍でマスク着用が常態化したことにより需要が低迷しました。また、環境関連分野の飛灰用重金属処理剤は、事業系廃棄物の減少により低調に推移しました。

その結果、売上高は15,182百万円(前年同期比11.1%増)となりましたが、営業利益は、原料価格の高騰により販売価格の是正に努めましたが、495百万円(前年同期比46.7%減)となりました。

 

また、当連結会計年度における財政状態の状況は次のとおりであります。

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,978百万円増の25,504百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べ457百万円増の27,118百万円となりました。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ3,436百万円増の52,623百万円となりました。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,881百万円増の18,743百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べ515百万円減の8,588百万円となりました。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,366百万円増の27,331百万円となりました。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ1,070百万円増の25,291百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ673百万円増加し、5,532百万円となりました。

当連結会計年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動によって得られた資金は3,346百万円(前連結会計年度は2,390百万円)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益954百万円に、減価償却費の加算1,682百万円、仕入債務の増加3,190百万円等による資金の増加があった一方、売上債権の増加2,152百万円、たな卸資産の増加262百万円、法人税等の支払145百万円等による資金の減少があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果、1,436百万円の資金の減少(前連結会計年度は2,500百万円の資金の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得2,209百万円、無形固定資産の取得106百万円等による資金の減少があった一方、投資有価証券の売却による収入964百万円等による資金の増加があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果、1,236百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,257百万円の資金の減少)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出722百万円、配当金の支払412百万円等による資金の減少があったことによるものです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 1) 生産実績

(イ)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

食品事業

22,069

+14.5

油化事業

8,796

+7.4

合計

30,865

+12.4

 

(注) 1 金額は、製造原価によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3 上記金額には、中間製造工程の自家消費分は含まれておりません。

 

(ロ)仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

食品事業

5,093

+4.0

油化事業

4,153

+46.0

合計

9,247

+19.4

 

(注) 1 金額は、仕入価格によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 2) 受注状況

当社グループは、原則として受注生産を行っておりません。

 

 3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

食品事業

31,771

+9.1

油化事業

15,182

+11.1

その他

523

+75.1

合計

47,476

+10.2

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 その他は、不動産賃貸、原料油脂等であります。

3 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ニッシントーア・岩尾㈱

4,757

11.0

4,968

10.5

 

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,436百万円増の52,623百万円となりました。主な増加は受取手形及び売掛金1,437百万円、電子記録債権715百万円、現金及び預金673百万円、土地665百万円、退職給付に係る資産543百万円であり、主な減少は建設仮勘定586百万円、投資有価証券235百万円であります。

(負債)

負債は、前連結会計年度末に比べ2,366百万円増の27,331百万円となりました。主な増加は支払手形及び買掛金3,158百万円、繰延税金負債393百万円であり、主な減少は借入金722百万円であります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ1,070百万円増の25,291百万円となりました。主な増加はその他有価証券評価差額金467百万円、退職給付に係る調整累計額352百万円、利益剰余金265百万円であります。
  当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の49.2%から48.0%に減少しました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の2,366円38銭から2,475円04銭に増加しました。

 

2)経営成績の分析

(売上高、売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

売上高は、前連結会計年度比10.2%増の47,476百万円となりました。

食品事業の売上高は、前連結会計年度比9.1%増の31,771百万円となりました。

食品事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で外食産業および土産菓子業界の需要が低迷しておりましたが、緊急事態宣言が解除された秋口より回復傾向で推移し、また、主要需要先である製パン業界に回復の兆しが見られたことで、主力製品であるマーガリンやショートニングが堅調に推移しました。

油化事業の売上高は、前連結会計年度比11.1%増の15,182百万円となりました。

工業用油脂製品においては、世界的に経済活動の回復が進むなか、輸出に主導された、家電、自動車、化粧品等への需要が回復したため、主要需要先である合成樹脂、界面活性剤、塗料、ゴム等の業界への脂肪酸およびグリセリンの販売が堅調に推移しました。

界面活性剤製品においては、高機能シャンプー向け原料基剤「アンホレックス」や洗顔用クレンジング製品向けの原料基剤「Mファインオイル」は好調に推移しましたが、家庭紙用薬剤は、コロナ禍でマスク着用が常態化したことにより需要が低迷しました。

環境関連分野においては飛灰用重金属処理剤が、事業系廃棄物の減少により低調に推移しました。

売上原価は、前連結会計年度に比べ4,691百万円増加し、40,322百万円となり、原価率は、前連結会計年度比2.2ポイント増加し、84.9%となりました。これは主に油脂原料相場の高騰が継続したことによるものです。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比2.1%増の6,456百万円となりました。売上原価、販売費及び一般管理費に含まれている研究開発費は、前連結会計年度比1.9%減の1,370百万円となりました。

この結果、営業利益は、前連結会計年度比38.0%減の698百万円となりました。

なお、研究開発活動の詳細については、「第2 事業の状況 5 研究開発活動」に記載しております。

 

(営業外損益、経常利益)

営業外損益は、前連結会計年度の320百万円の収益(純額)から、285百万円の収益(純額)になりました。

この結果、経常利益は、前連結会計年度比32.0%減の984百万円となりました。

(特別損益、税金等調整前当期純利益)

特別損益は、前連結会計年度の90百万円の損失(純額)から、30百万円の損失(純額)になりました。これは、前連結会計年度の有形固定資産除却損90百万円計上、当連結会計年度の投資有価証券売却益29百万円、有形固定資産除却損59百万円計上によるものです。

この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比29.6%減の954百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比33.4%減の677百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の99円61銭から66円35銭となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、油脂原料等の原材料購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、生産設備の更新を中心とした設備投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は9,252百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,532百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産および負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

また、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、株主資本の効率的運用による投資効率の高い経営を図るため、自己資本利益率(ROE)5.0%以上を目標経営指標としております。

当連結会計年度におけるROEは、前連結会計年度に比べ1.5ポイント減少し、2.7%となりました。

これは、新型コロナウイルス感染症まん延に伴う外出自粛要請の影響による巣ごもり需要で、食料品や衛生用品等の需要は堅調に推移しましたが、外食産業関連のサービス消費の需要が低迷し、更に油脂原料相場の高騰が継続しました。このような状況のなか当社グループは、販売価格の改定により利益の確保に努めるとともに、生産体制の効率化等のコスト削減を強力に推進しましたが、原材料価格の高騰による影響を吸収することができず、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益が減少したことによるものです。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、食品から地球環境関連製品に至るまで、多方面にわたる産業のニーズに応えるため、新素材開発の基礎研究と商品化に向けた応用研究を積極的に展開しております。研究開発体制は、食品事業では、新技術に繋がるシーズの探索、中長期的な新技術開発テーマに取り組む食品油脂研究所とマーガリン、粉末油脂、ホイップクリーム等の新技術開発および製品開発に取り組む技術開発部門、市場のニーズに即応した製品開発、提案活動を行うソフト開発部門の3部門で構成されております。また、油化事業では、界面活性剤、環境産業、新規開発関連用途別の技術部から構成されております。

なお、当連結会計年度に研究開発に要した費用総額は、1,370百万円であります。

セグメントの研究開発活動は、次のとおりであります。

 

食品事業では、「美味しさ・健康・安全・安心・環境・機能・簡便」をキーワードとして、マーガリン、ショートニング、ホイップクリーム、粉末油脂などの食用加工油脂を主体としてお客様に役立つ製品開発、新製品の投入、用途開発、プレゼンテーション、展示会、講習会などの技術活動の推進をしております。さらに油脂製品開発における基盤技術の構築と新技術の研究から学会発表や論文投稿、特許出願等を積極的に進めております。

当連結会計年度におきましては、中期経営計画(2019~2021年)の最終年度として、これからの時代のおいしさ、健康、食生活の変化に貢献する製品の研究開発に注力しました。

SDGsへの取り組みのひとつとして、おいしさを長持ちさせる機能を持った製品群をSDFOODsと名付け、展示会等を活用して積極的に提案活動をおこないました。パンや菓子などのおいしく食べられる期間を延長することで、食品ロスの削減に貢献できる製品として評価をいただきました。この分野の新製品として、ケーキなど焼き菓子のソフトでしとりのある食感を長期間維持できる製品「パールインプラス」を発売しました。市場にて高い評価をいただき、菓子メーカーにてご採用いただきました。

また、プラントベース食品の市場拡大に対応していくため、2020年に発売した「植物のおいしさバター風味」、「植物のおいしさラード風味」に加えて、新たに「植物のおいしさ牛脂風味」を発売しました。牛肉の調理感を表現した油脂素材として、やや物足りない風味となりがちな植物肉にコクとうまみを付与する製品として高い評価をいただきました。粉末油脂事業にも注力し、製菓製パン市場のほか、飲料や食品市場に向けた新製品開発と提案活動に取り組み成果を上げました。

当セグメントに係る研究開発費は835百万円であります。

 

油化事業では、紙パルプ用薬剤、香・化粧品基剤などの各種界面活性剤、工業用エステル基剤のほか、重金属処理剤や生分解性樹脂分散体などの環境関連製品の開発を進めるとともに、新規事業創出に向けた研究開発を推進しております。

界面活性剤関連では、香・化粧品基剤のクレンジング基剤「Mファインオイル」、ボディ、シャンプー用基材「アンホレックス」、紙パルプ分野の家庭紙用柔軟剤が、国内外の市場で高い評価を獲得しました。同時に工業用エステル「Mファインエステル」、土壌改質・機能付与剤「土のオアシス」、不織布用親水化剤「ソフトオイル」の開発にも注力しました。環境関連薬剤関連では、廃水処理剤「エポラス」、「エポフロック」の改良開発や植物由来生分解性樹脂の水系分散体「ランディ」の応用開発を進めました。

また、新規事業の創出に向けた取り組みでは、高機能紫外線吸収剤「MYUA」、イオン液体「MYIL」、機能性界面活性剤の商品開発・用途開拓に注力し、一部採用されるなど、成果を上げました。

当セグメントに係る研究開発費は534百万円であります。