当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」から重要な変更又は新たな発生はありません。
2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当中間連結会計期間(2025年1月1日~2025年6月30日)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、景気は緩やかな回復基調を維持しておりますが、資源価格や諸物価の上昇、米国の通商政策による世界経済への影響が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当油脂加工業界におきましては、エネルギー価格や原材料価格の高止まりに加え、物流費や人件費等の諸費用の上昇により、厳しい経営環境が続きました。
このような状況のなかで当社グループは、「第二次中期経営計画(2025年~2027年)」の初年度として、外部環境の変化への対応に取り組みながら、前中期経営計画において構築した事業の成長基盤を活用した食品事業の進化と油化事業の深化による継続した成長を目指し、販売価格の適正化や主力製品を中心とした拡販により収益の確保に努めるとともに、市場ニーズを取り入れた製品の開発、積極的なマーケティング活動を通じた市場開拓に取り組みました。その一方で、利益面においては、前期から発生していた本社移転関連費用の計上や、人件費、物流費等の諸費用の増加の影響を受ける結果となりました。
この結果、売上高は29,542百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益は553百万円(前年同期比77.1%減)、経常利益は536百万円(前年同期比78.6%減)となりましたが、親会社株主に帰属する中間純利益は、2025年6月19日付で公表いたしました本社事務所等として利用していた土地の譲渡手続き完了に伴い、当中間連結会計期間において固定資産売却益を特別利益として計上した結果、8,740百万円(前年同期比263.8%増)となりました。
セグメントの業績は以下のとおりです。
① 食品事業
食品事業につきましては、インバウンド需要の活況や国内人流の増加により、外食産業や土産菓子業界の旺盛な需要が継続するとともに、当社の主要取引先である製パン業界をはじめ、製菓、製粉、カレー等の業界の需要が堅調に推移しました。
このような状況のなか、主力製品であるマーガリン・ショートニング・粉末油脂等の拡販を推進するとともに、昨今のカカオ不足等に対応した製品の発売など、市場ニーズを取り入れた新製品の開発と拡販にも注力し、収益拡大に努めました。また、各種原材料・資材の見直しや生産効率の改善等に加えて、光熱費、物流費、人件費、原材料費等のコストの上昇に対応すべく販売価格の改定を行い、収益性の強化を図りました。
この結果、売上高は20,940百万円(前年同期比6.3%増)となりましたが、営業利益は売上原価および販管費上昇の影響を受け、208百万円(前年同期比87.2%減)となりました。
② 油化事業
工業用油脂製品につきましては、主要需要先である自動車、タイヤ、塗料等の業界の需要が堅調に推移するなか、原料価格の変動に対応した適正価格での販売により収益確保に努めました。
界面活性剤関連製品につきましては、紙・パルプ分野の家庭紙用柔軟保湿剤は、国内外の需要の低迷と主要原料価格上昇により低調に推移しました。トイレタリー分野につきましては、海外廉価品が台頭するなか、高付加価値シャンプー向け原料基剤やクレンジング製品向け原料基剤の拡販に注力しましたが、主要原料価格上昇の影響を受け苦戦しました。環境関連分野では、ごみ焼却場向け飛灰用重金属処理剤の販売が低迷しました。
この結果、売上高は8,464百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益は194百万円(前年同期比74.7%減)となりました。
(資産)
(負債)
(純資産)
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10,187百万円増加し、これに新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額332百万円を加え、17,591百万円となりました。当中間連結会計期間における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
当中間連結会計期間において営業活動の結果、2,408百万円の資金の増加(前年同期は1,689百万円の資金の増加)となりました。これは、主に税金等調整前中間純利益12,638百万円に、売上債権の減少1,377百万円、仕入債務の増加1,238百万円、減価償却費862百万円の資金の増加に対し、固定資産売却益12,365百万円、棚卸資産の増加1,352百万円、法人税等の支払額669百万円による資金の減少があったことによるものです。
当中間連結会計期間において投資活動の結果、6,935百万円の資金の増加(前年同期は871百万円の資金の減少)となりました。これは、主に固定資産の売却による収入12,877百万円の資金の増加に対し、保証金の差入による支出2,003百万円、有形固定資産の取得による支出1,814百万円、定期預金の預入による支出1,693百万円の資金の減少があったことによるものです。
当中間連結会計期間において財務活動の結果、863百万円の資金の増加(前年同期は552百万円の資金の増加)となりました。これは、主に短期借入金の純増加額1,800百万円による資金の増加に対し、配当金の支払618百万円による資金の減少があったことによるものです。
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は693百万円です。
なお、当中間連結会計期間における研究開発活動の状況の重要な変更はありません。
当社グループを取り巻く事業環境は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果による景気回復が期待される一方で、資源価格や諸物価の上昇に加えて米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクが懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況のもと推移するものと思われます。
このような事業環境において当社グループは、「第二次中期経営計画(2025~2027年)」の初年度として、第二次中計期間を、前中期経営計画において構築した持続的成長基盤を活用し、前中期経営計画でまいた種を“育成”する期間と位置付け、次の内容に取り組んでまいります。
食品事業は、これまでの取り組みを通じて得た技術を活かし、強みを生かせる食品領域全般の可能性に対し、新しい味の創出・拡充に向けた進化により、市場、販売業界を拡大してまいります。また、ポートフォリオの改善をさらに促進し、価格最適化の取り組み等により収益の拡大、収益性の強化を推進いたします。
油化事業は、トイレタリー向け製品や家庭紙用柔軟保湿剤を中心に、技術、生産、販売の各領域でこれまでの活動から深化を図り、さらなる拡販に取り組むとともに、将来に向けて製品開発を強化すべく技術力の研鑽に努めてまいります。
加えて、両事業ともに第二次中計期間では、北米市場への販売拡大など、引続き海外市場への取り組みを加速いたします。
これらの事業の成長に向けて、また、人々の暮らしを支えるインフラ企業としての供給責任を果たすため、強固な財務体質を構築し、継続して成長投資を実施いたします。さらに、技術開発力の強化、チャレンジ力の向上に向けた人財育成とマネジメントの実施、販売力の強化に向けたマーケティングプラットフォームの活用を推進し、企業価値の向上に努めてまいります。
当社グループの経営陣は収益性の向上を重点課題とし、そのために事業の最適化の実行および付加価値の高い事業領域へのシフト、さらに新規事業の開拓を力強く推し進めてまいります。
メーカーにとって、事業の成長に向けて技術革新が重要であることを認識しつつ、お客様のニーズにお応えする製品やサービスを提供することにより、強固な経営を推進してまいります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等はありません。