当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業業績や雇用環境の改善など、緩やかに持ち直す動きも一部みられたものの、中国や新興国向けの輸出が落ち込んだほか、消費者の節約志向の高まりから個人消費も弱い状態が続くなど、景気は横ばいの状態で推移しました。また、世界経済におきましては、米国景気が好調を維持した一方、中国や資源価格下落の影響を受けた新興国での景気減速や欧州での地政学リスクの高まりなど、先行きへの懸念材料が目立つ状況となりました。
このような環境のなか、当社グループにおきましては、原料調達費用の低減やグループ全体での経費削減の取り組みなど、収益力の向上に努めるとともに、新製品の拡販を推進しました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、278億8千4百万円(前期比7.9%減)となり、損益面では、営業利益3億4千6百万円(前期比204.2%増)、経常利益3億7千6百万円(前期比31.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9千7百万円(前期比69.5%減)となりました。
事業別セグメントの状況は次のとおりであります。
①化学製品セグメント
オレオケミカル製品では、医薬・化粧品向けグリセリンの販売が堅調に推移した一方、繊維油剤向け油脂誘導体の販売が落ち込み、油脂製品の売上高は前年を下回りました。また、界面活性剤向け高級アルコールの販売が低調だったことなどにより、アルコール製品の売上高は前年を下回りました。
可塑剤は、住宅関連資材向けの需要回復の動きが依然として鈍いものの、自動車用途の販売が好調に推移しました。この結果、販売数量は微増となりましたが、原油安に伴う製品価格の下落により、売上高は前年を大きく下回りました。
機能性化学品は、自動車用途の油剤の販売が好調に推移したほか、新規開発品である特殊油剤、医薬中間体、水素化製品の売上が伸長しました。
樹脂原料製品は、国内では、自動車用途の需要が順調に推移したこと、また、競合する輸入品からのシェア奪回が奏功したことにより、販売数量を伸ばしました。一方、輸出におきましては、中国での需要が低迷したものの、他地域への拡販が進んだ結果、販売数量は前年並みを維持しました。しかしながら、原油安及び世界的な供給過剰による製品価格の下落により、売上高は前年を下回りました。
樹脂添加剤は、国内での需要が順調に推移したほか、輸出においても新製品の拡販が進んだため、販売数量・売上高ともに前年より増加しました。
以上の結果、化学製品セグメントの売上高は252億2千3百万円(前期比7.9%減)となりましたが、原料価格低減に向けた取り組みの効果もあり営業利益は3億1千1百万円(前期比200.6%増)となりました。
その他事業におきましては、新規ユーザーの獲得などにより、業務用・車両用洗剤の販売が前年を大きく上回りました。一方、商社部門では、樹脂添加剤などが販売を伸ばしたものの、住宅関連資材用途の需要低迷による可塑剤の落ち込みを補うには至らず、前年を下回る結果となりました。
以上の結果、その他セグメントの売上高は26億6千万円(前期比8.3%減)、営業利益は3千2百万円(前期比129.4%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、6億9千3百万円増加し、22億2千6百万円となりました。
営業活動の結果、資金は17億1百万円増加(前期は4億2千5百万円増加)しました。これは主に、減価償却費8億9千万円、売上債権の減少10億9千万円によるものであります。
投資活動の結果、資金は7億9千1百万円増加(前期は3億1千7百万円減少)しました。これは主に、投資有価証券の売却による収入13億1千1百万円によるものであります。
財務活動の結果、資金は18億9百万円減少(前期は2億6千8百万円減少)しました。これは主に借入金の減少17億2千3百万円によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産量(トン) | 前年同期比(%) |
化学製品 | 100,229 | △1.0 |
その他 | ― | ― |
合計 | 100,229 | △1.0 |
当社グループ(当社及び連結子会社)は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
化学製品 | 25,223 | △7.9 |
その他 | 2,660 | △8.3 |
合計 | 27,884 | △7.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
今後のわが国経済は、年明け以降の株式・為替市場の動揺が企業業績に与える影響が不安視されるほか、個人消費回復の兆しがみえないなど、先行き不透明な状況であり、海外経済についても、中国や新興国での景気低迷が続くことが懸念されます。また、当社グループの属する化学業界は、原油価格の動向がみえづらく、楽観視できない状況にあります。
このような状況のなか、当社グループでは、既存事業の収益改善により企業基盤の強化を図るとともに、高付加価値製品を安定的に生産できる体制を整え、国内外での拡販に注力してまいります。また、全社的に業務改善活動を推進することにより、技術力・開発力を向上させ、新製品の市場への提供を迅速化するほか、業務を効率化し収益を確保できる体制を構築します。さらに、コーポレート・ガバナンス体制を一層強化することで、より透明性の高い経営の実現と経営の機動性向上を図ってまいります。
当社グループは、「もの創りを通して広く社会の発展に貢献します」という経営理念のもと、引き続き企業の社会的責任を果たしてまいります。環境負荷低減に向けた活動や安全操業の徹底に加え、事業継続のためのリスク管理体制の高度化を推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、以下の内容は当社に関する全てのリスクを網羅したものではありません。
当社グループの主要原材料である油脂原料及び石化原料の購入価格は、国内・国外の市況の変動の影響を受けます。
油脂原料の購入価格については、植物系油脂原料価格は産地の天候に左右され、動物系油脂原料価格は疫病等による供給減の影響を受ける可能性があります。また、石化原料の購入価格は、原油・ナフサの国際市況に影響を受けます。原油価格は、国際的な需給関係に加え、中東等の産油国の情勢、先物市場での投機的な要因により変動する可能性があります。当社グループの化学製品事業の業績はこれらによって大きく影響を受けます。
上記のような原料価格の変動に対しては、販売価格への転嫁等の対策をとっておりますが、変動が大きく対応しきれない場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
輸入原料の増加等に伴い、当社グループの支払に占める外貨決済額は増加しており、為替相場の変動が当社の業績に与える影響は増大しつつあります。
この影響を最小化することを目的として、必要な範囲で為替予約等のヘッジ策を講じておりますが、急激な為替変動により、当社グループの業績及び財務状況にヘッジすることができない影響を被る可能性があります。
また、連結財務諸表の作成のために、在外連結子会社及び在外持分法適用会社の財務諸表は円換算されています。換算時の為替相場により、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、製品の開発、生産にあたって安全性や品質に十分に配慮しておりますが、製品の予期しない欠陥によって、製品回収や損害賠償につながる可能性があります。
保険に加入し賠償に備えておりますものの、保険による補填ができない事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、開発された技術・製品を保護するために、特許等の知的財産権の確立を進めますほか、製品及び商品の製造・販売に先立ち、第三者が保有する知的財産権を十分調査し、権利を侵害しないように努めております。
しかし、予期しない事情により当社グループと第三者との間で知的財産権に関する紛争が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは事業活動全般において無事故・無災害に努めておりますが、当社グループの工場において万が一産業事故災害が発生した場合、自社の保有資産に対しては保険に加入することで備えておりますものの、被災地域への損害賠償や社会的信用の失墜、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は事業資金の迅速かつ効率的な調達を行うため、取引金融機関複数行との間でシンジケートローン契約を締結しておりますが、当該契約には一定の財務制限条項が付されております。これらに抵触した場合、該当する借入金の一括返済及び契約解除のおそれがあり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、もの創りを通して広く社会の発展に貢献することを経営理念としております。『次の100年に向けての企業基盤の整備』をテーマとしました第10次中期経営計画におきましても「技術・開発力の強化」を基本方針の一つとして掲げ、顧客へのアプローチを強化し、研究開発力の向上に注力しまして、新製品上市の迅速化を図っております。研究開発体制は、事業部研究チームが顧客に密着して「顧客志向」の開発を進め、新製品のターゲットが具体化した時点で、昨年新設しましたものづくり研究所にプロセス開発、試験生産、サンプル生産などのスケールアップ段階を担当させ、事業部研究チームの開発を側面より支援、促進しております。
今後、重点戦略分野への資源投入を推進し、新製品の売上高比率向上を図ります。当連結会計年度における研究開発費の総額は7億4百万円となっております。なお、研究課題がセグメント情報に関連付けられないため、セグメント別の研究開発費の額は記載しておりません。
油脂製品では、天然素材を生かした研究開発を進めております。自社技術を駆使して開発しました新規のアミノ酸系界面活性剤は、優れた起泡性と石けんのような「さっぱり」した洗い上がりになる特徴を有することから、徐々に顧客評価が進んでおり、量産化に向けた検討と法対応を急いでおります。
可塑剤製品では、環境への影響が懸念されるフタル酸系可塑剤の代替開発を進める中で、医療分野および自動車分野の新しい顧客ニーズを掴み、新規可塑剤の量産化検討とサンプルワークを進め、市場投入のタイミングを計っております。
機能性化学品におきましては、当社コア技術である高度な選択水素化技術と分離精製技術を組み合わせることにより医・農薬分野の様々な中間体、また、的確な分子設計と高度エステル化技術を駆使した省燃費・環境対応型潤滑油及び添加剤など高付加価値製品の開発を継続、加速しています。
機能性化学品では、当社得意技術である水素化技術を利用した医・農薬中間体、また、分子設計と高度エステル化技術を駆使した省エネ・環境対応型潤滑油および添加剤など高付加価値製品の開発を継続し、さらなる顧客ニーズの探索にも注力しております。
樹脂原料製品では、「高耐熱・透明」という顧客ニーズを重点課題とし、既存製品の高機能化や新規特殊樹脂原料の開発を進めております。既存製品を改良し特定顧客と共同開発中の樹脂原料は、パイロットスケール段階へ移行しました。早期業績への寄与を目指し、より一層の開発促進を図ります。
樹脂添加剤製品におきましては、前々期市場投入しました新製品が立ち上がり、売上に寄与しましたが、顧客より更なる改良ニーズを受け、これまでの蓄積技術をベースに鋭意検討を進めております。また、従来品についても新たな分野での採用に向け、顧客と共同で検討を進めております。
連結子会社のアルベス株式会社が取り扱う、クリーニング、車両洗剤等の各種業務用洗剤及び特殊切削油剤等の界面活性剤配合品を中心に、当社にて受託研究を行っております。
当連結会計年度末の総資産は前期末比12.9%減、金額で46億6千3百万円減少の313億6千1百万円となりました。
流動資産につきましては、受取手形及び売掛金が減少したことなどにより前期末比3.5%減、金額で5億9千1百万円減少の164億2千8百万円となりました。固定資産につきましては、投資有価証券について一部売却したことや時価が下落したことなどにより前期末比21.4%減、金額で40億7千1百万円減少の149億3千2百万円となりました。
流動負債につきましては、短期借入金が減少したことなどにより前期末比21.5%減、金額で24億4千7百万円減少の89億4千5百万円となりました。固定負債につきましては、繰延税金負債が減少したことなどにより前期末比5.9%減、金額で5億5千7百万円減少の89億5千8百万円となりました。
純資産につきましては、その他有価証券評価差額金が減少したことなどにより前期末比11.0%減、金額で16億5千7百万円減少の134億5千7百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は40.3%、1株当たり純資産額は339円23銭となりました。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「1.業績等の概要」に記載しております。
当連結会計年度の売上高は、前期比7.9%減の278億8千4百万円となりました。これは原油安に伴い製品価格が下落したことなどによるものです。
売上総利益は、前期比6.0%増の45億7千8百万円、売上高総利益率は16.4%となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、前期比2千6百万円増の42億3千2百万円となり、この結果、営業利益は前期比204.2%増の3億4千6百万円となりました。
受取配当金、持分法による投資利益、支払利息等の営業外損益を加えた経常利益は前期比31.9%増の3億7千6百万円となり、投資有価証券売却益、減損損失、退職給付制度改定損、法人税等を計上しました結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比69.5%減の9千7百万円となりました。
なお、セグメントの状況につきましては、「1.業績等の概要」に記載しております。