第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費が横ばいの推移にとどまったものの、夏以降の円安進行により企業業績に持ち直しの動きがみられたほか、雇用・所得環境も堅調に推移し、緩やかに回復しました。
 また、海外経済は、一部の新興国で低迷が続いているものの、米国経済が新政権の政策への期待感と好調な雇用環境を背景に順調に回復していることに加え、欧州経済も概ね回復基調での推移となりました。
 このような環境のなか、当社グループにおきましては、付加価値の高い新規開発品の拡販および既存事業における売上シェアの向上に積極的に取り組むとともに、業務効率向上によるコスト削減に注力してまいりました。しかしながら、原料価格の変動に応じた価格対応に遅れが出たことや為替相場の変動が売上高および利益の押し下げ要因となったほか、海外市場での業績が低迷するなど厳しい状況が続きました。
 この結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、260億2千8百万円(前期比6.7%減)となり、損益面では、営業損失4億4千2百万円(前期は3億4千6百万円の営業利益)、経常損失3億6千9百万円(前期は3億7千6百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は5億4千7百万円(前期は9千7百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 
事業別セグメントの状況は次のとおりであります。
①化学製品セグメント
 オレオケミカル製品は、合成樹脂向け脂肪酸の需要が持ち直してきたことに加え、高級アルコールや香粧品向け界面活性剤の販売が好調に推移したため、売上高は前年を上回りました。
 可塑剤は、主要販売先である住宅関連資材および電線向けの需要回復が鈍かったことにより販売数量が伸び悩んだほか、安価な輸入品との競合による価格対応を余儀なくされたことに加え、原料価格の変動に応じた価格対応に遅れが出たことなどにより非常に厳しい状況となりました。
 機能性化学品は、新規開発品である特殊油剤、機能性エステルの販売が好調に推移したほか、自動車用途向け油剤や水素化関連製品も堅調でした。
 樹脂原料製品は、国内での販売が堅調に推移しました。輸出においては、電機用途が好調に推移しましたが、自動車用途向け製品の低迷や、前半の円高の影響、また後半の原料高騰などにより、全体としては厳しい結果となりました。
 樹脂添加剤は、国内での販売は堅調に推移しましたが、海外での販売については前半が低調であったため、後半に回復したものの、売上高は前年を下回りました。
 以上の結果、化学製品セグメントの売上高は233億5千2百万円(前期比7.4%減)、営業損失は4億1千7百万円(前期は3億1千1百万円の営業利益)となりました。
 

 ②その他セグメント

その他事業におきましては、リネンサプライおよびコインランドリー向けの販売が好調に推移したほか、新規顧客の開拓も奏功し、製品部門の売上高は前年を上回りました。一方商社部門では、トイレタリー関連製品および電材用途の販売が伸長したものの、住宅関連資材の需要回復が遅れたため、前年を下回りました。
 以上の結果、その他事業の売上高は26億7千6百万円(前期比0.6%増)、営業損失は2千3百万円(前期は3千2百万円の営業利益)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、1億2千万円減少し、21億5百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、資金は12億3千1百万円増加(前期は17億1百万円増加)しました。これは主に、仕入債務の増加8億6千8百万円、棚卸資産の減少7億6千8百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、資金は5千8百万円減少(前期は7億9千1百万円増加)しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3億8千6百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、資金は12億9千6百万円減少(前期は18億9百万円減少)しました。これは主に、借入金の減少12億2千2百万円によるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産量(トン)

前年同期比(%)

化学製品

88,866

△11.3

その他

合計

88,866

△11.3

 

 

(2) 受注状況

当社グループ(当社及び連結子会社)は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

化学製品

23,352

△7.4

その他

2,676

0.6

合計

26,028

△6.7

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

今後の経済情勢につきましては、米国の政策内容や欧州の政治情勢など海外において先行き不透明な要因が多いなか、国内経済もそれらの動向次第で大きな影響を受けることが予測されます。

 このような状況のなか、当社グループは以下の経営理念・経営戦略に基づき課題となっている市場ニーズの変化に柔軟に対応した新製品の開発および早期事業化を目指すとともに、既存事業については、海外売上高の増大およびシェア拡大によりさらなる成長を図り、新技術の開発および製造プロセス改善による生産性向上を実現し、競争力強化に取り組んでまいります。

 

(経営理念)

私たち新日本理化グループは、もの創りを通して広く社会の発展に貢献します。
・もの創りにこだわり、安定した品質の製品を安定して供給することにより、顧客の信頼に応えます。
・最先端の科学技術に挑戦し、地球環境に調和した製品を開発します。
・安全な職場環境を確保し、活力ある働きがいのある職場を創ります。
・健全かつ透明度の高い経営に努め、ステイクホルダーズの理解と信頼を深めます。
 

 

(経営戦略)

・水素化技術をはじめとする優位性のある独自技術を以って製品展開し、化学業界の競争を勝ち抜いていきます。
・製造および調達コストの削減により収益構造を改善し、外部環境に影響されない強い企業体質を作ります。
・事業部制を活用した機動的な体制により、顧客満足度の高い営業および顧客ニーズを先取りした開発提案営業を行います。
・樹脂添加剤、電子材料、医薬中間体、環境対応製品などの分野で、開発部門と営業部門の連携および様々な企業との共同開発により、新機能を備えた材料を提供していきます。
・海外拠点を活用し、今後も継続的な成長が見込まれる東南アジア地域を中心とした事業展開を目指します。
 

 また、地球環境に調和する製品の開発や安全・安定した生産活動、リスク管理体制の高度化を推進するとともに、コーポレート・ガバナンス体制を継続的に強化することで、当社グループの持続的な成長を実現してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、以下の内容は当社に関する全てのリスクを網羅したものではありません。

 

(1)原材料の価格変動

当社グループの主要原材料である油脂原料及び石化原料の購入価格は、国内・国外の市況の変動の影響を受けます。

油脂原料の購入価格については、植物系油脂原料価格は産地の天候に左右され、動物系油脂原料価格は疫病等による供給減の影響を受ける可能性があります。また、石化原料の購入価格は、原油・ナフサの国際市況に影響を受けます。原油価格は、国際的な需給関係に加え、中東等の産油国の情勢、先物市場での投機的な要因により変動する可能性があります。当社グループの化学製品事業の業績はこれらによって大きく影響を受けます。

上記のような原料価格の変動に対しては、販売価格への転嫁等の対策をとっておりますが、変動が大きく対応しきれない場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)為替相場の変動

輸入原料の増加等に伴い、当社グループの支払に占める外貨決済額は増加しており、為替相場の変動が当社の業績に与える影響は増大しつつあります。

この影響を最小化することを目的として、必要な範囲で為替予約等のヘッジ策を講じておりますが、急激な為替変動により、当社グループの業績及び財務状況にヘッジすることができない影響を被る可能性があります。

また、連結財務諸表の作成のために、在外連結子会社及び在外持分法適用会社の財務諸表は円換算されています。換算時の為替相場により、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 

(3)製造物責任

当社グループは、製品の開発、生産にあたって安全性や品質に十分に配慮しておりますが、製品の予期しない欠陥によって、製品回収や損害賠償につながる可能性があります。

保険に加入し賠償に備えておりますものの、保険による補填ができない事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)知的財産権

当社グループは、開発された技術・製品を保護するために、特許等の知的財産権の確立を進めますほか、製品及び商品の製造・販売に先立ち、第三者が保有する知的財産権を十分調査し、権利を侵害しないように努めております。

しかし、予期しない事情により当社グループと第三者との間で知的財産権に関する紛争が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5)産業事故災害

当社グループは事業活動全般において無事故・無災害に努めておりますが、当社グループの工場において万が一産業事故災害が発生した場合、自社の保有資産に対しては保険に加入することで備えておりますものの、被災地域への損害賠償や社会的信用の失墜、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)財務制限条項

当社は事業資金の迅速かつ効率的な調達を行うため、取引金融機関複数行との間でシンジケートローン契約を締結しておりますが、当該契約には一定の財務制限条項が付されております。これらに抵触した場合、該当する借入金の一括返済及び契約解除のおそれがあり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、もの創りを通して広く社会の発展に貢献します。当連結会計年度は『技術・開発力の強化』を基本方針の一つとした第10次中期経営計画に基づき、事業部体制の利点を活かして顧客へのアプローチを強化し、研究開発力の向上と新製品上市の迅速化に注力しました。具体的には事業部研究チームと営業チームが一体となって顧客ニーズを迅速且つ的確に掴み、関連部署の協力体制を構築して事業部が新製品開発を強力に主導する体制を整え、開発速度を加速しております。さらに、開発品の試験生産やスケールアップ研究をサポートするものづくり研究所を強化し、「顧客の信頼」をいち早く獲得する開発活動を推進しております。

今後は、市場変化による新たなニーズを発掘し、次世代新製品の開発をスピードアップさせることで高付加価値製品の強化を図ります。当連結会計年度における研究開発費の総額は7億3千万円となっております。なお、研究課題がセグメントに関連付けられないため、セグメント別の研究開発費の額は記載しておりません。

 

(1) 化学製品セグメント

オレオケミカル製品では、天然素材を生かして環境に配慮した製品の開発に重点をおき、顧客ニーズに密接に対応した研究開発を進めております。現在開発中の新規アミノ酸系両性界面活性剤は、法的な認可に向けた対応を進めるとともに顧客評価も着実に進んでおり、量産化技術の確立と配合処方の検討に注力しております。さらに、長年蓄積したオレオケミカル技術を活かし、新たな分野の顧客ニーズにも対応を始めております。

可塑剤では、高機能・環境対応タイプの新規3品種を開発しました。欧州のREACH規則、RoHS指令などの環境規制を背景に、代表的可塑剤のDOPをDINPやその他の可塑剤へ置き換える動きが広まっており、開発品はDOP、DINPに代わる次世代型の高機能フタレートや非フタレート系可塑剤として、代替が難しいとされてきた医療向け、ハイブリッド車や電気自動車に用いられる耐熱電線向けなどとして、国内市場への展開を開始しました。

機能化学品では、各種水素化製品、高機能オイル、樹脂原料および樹脂添加剤を重点開発分野として、素材の提供から開発を一歩進め、顧客ニーズにマッチする機能・性能を発揮するパフォーマンスケミカルズへの展開を強化・推進しております。水素化製品は、コア技術である選択水素化技術と分離精製技術を組み合わせることにより、医・農薬中間体の開発を進め、高機能オイルは高度な分子設計とエステル化技術を駆使した省燃費・環境対応型潤滑油及び添加剤のほか、特殊耐候性塗料原料など更なる高付加価値製品の開発も加速しております。

樹脂原料製品は、従来困難とされてきたエポキシ樹脂薄膜が容易に得られる新規な不揮発性酸無水物硬化剤を開発し、接着剤、コーティング材、電池周辺材料などにおいて顧客評価を進めております。

樹脂添加剤は、低温成型加工性を改良した新規グレードの開発に着手するとともに、前期に市場投入した新製品の更なる改良などを進め、早期業績への寄与を目指し、開発促進を図っております。

 

(2) その他セグメント

連結子会社のアルベス株式会社においては、業務用クリーニング洗剤、鉄道車両用洗剤等の各種業務用洗剤及び特殊切削油剤等の界面活性剤配合品を中心とした研究を行っております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態について

当連結会計年度末の総資産は前期末比0.3%減、金額で9千3百万円減少の312億6千7百万円となりました。

流動資産につきましては、受取手形及び売掛金が増加したものの、現金及び預金、棚卸資産が減少したことなどにより前期末比2.7%減、金額で4億3千5百万円減少の159億9千2百万円となりました。固定資産につきましては、保有する投資有価証券の時価が上昇したことなどにより前期末比2.3%増、金額で3億4千2百万円増加の152億7千5百万円となりました。

流動負債につきましては、短期借入金、1年内返済予定の長期借入金が減少したものの、支払手形及び買掛金が増加したことなどにより前期末比3.9%増、金額で3億5千2百万円増加の92億9千8百万円となりました。固定負債につきましては、当社および連結子会社1社が加入する厚生年金基金の特例解散申請時における代行積立不足見込額に基づく当社グループの負担額(概算)を厚生年金基金解散損失引当金として計上したものの、長期借入金が減少したことなどにより前期末比2.2%減、金額で1億9千5百万円減少の87億6千2百万円となりました。

純資産につきましては、利益剰余金が減少したことなどにより前期末比1.9%減、金額で2億5千万円減少の132億7百万円となりました。

この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は39.5%、1株当たり純資産額は331円59銭となりました。

   なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「1.業績等の概要」に記載しております。

 

(2) 経営成績について

当連結会計年度の売上高は、前期比6.7%減の260億2千8百万円となりました。これは、海外の安価な可塑剤が流入し、価格対応を余儀なくされたことに加え、原料価格の変動に応じた価格対応に遅れが出たことなどによるものです。
 売上総利益は、前期比13.2%減の39億7千5百万円、売上総利益率は15.3%となりました。
 販売費及び一般管理費につきましては、前期比1億8千6百万円増の44億1千8百万円となり、この結果、営業損失は4億4千2百万円(前期は3億4千6百万円の営業利益)となりました。
 受取配当金、持分法による投資利益、支払利息等の営業外損益を加えた経常損失は3億6千9百万円(前期は3億7千6百万円の経常利益)となり、投資有価証券売却益、事業譲渡益、厚生年金基金解散損失引当金繰入額、法人税等を計上しました結果、親会社株主に帰属する当期純損失は5億4千7百万円(前期は9千7百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
 なお、セグメントの状況につきましては、「1. 業績等の概要」に記載しております。