文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営理念
私たち新日本理化グループは、もの創りを通して広く社会の発展に貢献します。
・もの創りにこだわり、安定した品質の製品を安定して供給することにより、顧客の信頼に応えます。
・最先端の化学技術に挑戦し、地球環境に調和した製品を開発します。
・安全な職場環境を確保し、活力ある働きがいのある職場を創ります。
・健全かつ透明度の高い経営に努め、ステイクホルダーズの理解と信頼を深めます。
(2)経営戦略等
当社は、1919年の創業からこれまで、経営理念「もの創りを通して広く社会の発展に貢献します」のもと、着実に事業を継続してまいりました。新型コロナウイルスの感染拡大による影響をはじめ事業環境の不透明感が増すなか、この先も社会とともに成長を続ける企業であるために、2030年に向けた経営ビジョン「Be the best SPICE!~心躍る極上のスパイスになる~」を今年策定いたしました。
<中期経営計画の基本コンセプト>
・環境・社会・人(命)に関わる課題に果敢にチャレンジし、価値創造企業を目指す。
・「情報・通信」「モビリティ」「ライフサイエンス」「環境ソリューション」の4領域に経営資源を集中し、成長戦略を実現する。
<事業戦略>
①稼ぐ力の再構築
・既存事業のスクラップ&ビルドによる事業ポートフォリオの最適化
・高付加価値製品へのシフト
・徹底したコストダウンの追求
・海外売上高比率の向上
②技術革新による競争優位の獲得
・今年5月に稼働する「京都R&Dセンター」を拠点としたオープンイノベーションの加速
・デジタルトランスフォーメーション推進による生産性向上および新市場の創出
③CSRの推進
・CSR推進体制強化による、事業を通じた社会課題の解決
・天然素材、クリーンエネルギーを活用する事業の拡大
④組織再編と人材育成の強化
・組織のスリム化および事業領域別プロジェクトチーム活用による意思決定の迅速化
・ダイバーシティ&インクルージョンの推進と、誰もがやりがいを持って働ける組織の実現
・チャレンジを促す仕組みづくりと積極的な支援
(3)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、米中貿易摩擦に加え、新型コロナウイルスの感染拡大などにより、国内・世界経済ともに先行き不透明な中、企業活動や個人消費の自粛・縮小が懸念されるなど厳しい環境が続くものと思われますが、当社グループとして更なる成長に向けた取り組みを進めて参ります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、2030年に向けた経営ビジョン「Be the best SPICE!~心躍る極上のスパイスになる~」の達成に向けて新たに策定し公表しました中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)に基づく事業戦略を着実に実行してまいります。
計画の初年度にあたる2021年度(2022年3月期)は、今年5月末に竣工した「京都R&Dセンター」を拠点に、高付加価値製品の開発及び早期上市を目指すほか、既存事業のスクラップ&ビルドに着手し事業ポートフォリオの最適化を図ります。さらに、CSRの推進や組織文化の変革、財務状態の適正化を進め、企業価値の持続的な向上を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)原材料の価格変動
当社グループの主要原材料である油脂原料及び石化原料の購入価格は、国内・国外の市況の変動の影響を受けます。
油脂原料の購入価格については、植物系油脂原料価格は産地の天候に左右され、動物系油脂原料価格は疫病等による供給減の影響を受ける可能性があります。また、石化原料の購入価格は、原油・ナフサの国際市況に影響を受けます。原油価格は、国際的な需給関係に加え、中東等の産油国の情勢、先物市場での投機的な要因により変動する可能性があります。当社グループの化学製品事業の業績はこれらによって大きく影響を受けます。
上記のような原料価格の変動に対しては、販売価格への転嫁等の対策をとっておりますが、変動が大きく対応しきれない場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替相場の変動
輸入原料の増加等に伴い、当社グループの支払に占める外貨決済額は増加しており、為替相場の変動が当社の業績に与える影響は増大しつつあります。
この影響を最小化することを目的として、必要な範囲で為替予約等のヘッジ策を講じておりますが、急激な為替変動により、当社グループの業績及び財務状況にヘッジすることができない影響を被る可能性があります。
また、連結財務諸表の作成のために、在外連結子会社及び在外持分法適用会社の財務諸表は円換算されています。換算時の為替相場により、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
(3)製造物責任
当社グループは、製品の開発、生産にあたって安全性や品質に十分に配慮しておりますが、製品の予期しない欠陥によって、製品回収や損害賠償につながる可能性があります。
保険に加入し賠償に備えておりますものの、保険による補填ができない事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)知的財産権
当社グループは、開発された技術・製品を保護するために、特許等の知的財産権の確立を進めますほか、製品及び商品の製造・販売に先立ち、第三者が保有する知的財産権を十分調査し、権利を侵害しないように努めております。
しかし、予期しない事情により当社グループと第三者との間で知的財産権に関する紛争が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)産業事故災害
当社グループは事業活動全般において無事故・無災害に努めておりますが、当社グループの工場において万が一産業事故災害が発生した場合、自社の保有資産に対しては保険に加入することで備えておりますものの、被災地域への損害賠償や社会的信用の失墜、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)新型コロナウイルス感染症
当社グループでは、製品の供給責任を果たすべく、在宅勤務や時差出勤の活用など感染予防対策を徹底した上で事業活動の維持に努めております。
なお、将来の業績等への影響につきましては「第5 経理の状況 注記事項(追加情報)」をご参照ください。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、限定的な経済活動を強いられるなど厳しい状況にありました。わが国経済も、緊急事態宣言が断続的に発令されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く業界動向として、住設関連は住宅着工件数の減少を受け低調に推移いたしました。また、生活産業関連においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う移動制限の影響により、観光及び衣料分野での需要低迷がみられました。他方、自動車関連においては、世界的な都市封鎖の影響を受け、一時は生産・販売活動が落ち込んだものの、夏以降は回復基調へと転じました。
このような環境のなか、当社グループにおきましては、製品の供給責任を果たすべく、在宅勤務や時差出勤の活用など感染予防対策を徹底した上で事業活動の維持に努めました。また、厳しい事業環境に対応するためコスト削減に注力する一方、将来を見据えて必要と判断する投資は積極的に実行しました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、244億3千7百万円(前期比8.9%減)となり、損益面では、営業利益2億8千7百万円(前期比32.8%減)、経常利益7億6百万円(前期比0.2%減)、親
会社株主に帰属する当期純利益は5億1百万円(前期比9.0%増)となりました。
主要製品の概況は次のとおりであります。
生活産業関連向け製品においては、アメニティー向け界面活性剤及び繊維油剤向けアルコールの需要が落ち込んだものの、食品・医薬向け添加剤及び日用品向けの結晶核剤が堅調に推移し、販売数量、売上高とも前年並みとなりました。
住設関連向け製品においては、住宅着工件数の減少により、壁紙や床材、電線を主要用途とする可塑剤の販売が大きく落ち込み、売上高は前年を大幅に下回りました。
自動車産業向け製品においては、タイヤ向け脂肪酸、自動車塗料向けの樹脂原料などが自動車業界の回復とともに販売数量を大きく伸ばしましたが、上期の低迷の影響が大きく、売上高は前年を下回りました。
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ31億3千万円増加し358億8千6百万円となりまし
た。負債合計は、前連結会計年度末に比べ15億1千万円増加し196億7千万円となりました。純資産合計
は、前連結会計年度末に比べ16億2千万円増加し162億1千6百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比
べ、6千7百万円増加し、29億8千8百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、資金は12億5千3百万円増加(前期は18億2千1百万円増加)しました。これは主に、税金等調整前当期純利益6億8千万円、減価償却費6億3千1百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、資金は17億7百万円減少(前期は6億2千4百万円減少)しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出19億3千2百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、資金は5億1千9百万円増加(前期は6億1千9百万円減少)しました。これは主に、短期借入金の純増減額4億円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。
|
生産量(トン) |
前年同期比(%) |
|
83,817 |
88.2 |
2)受注状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
|
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
24,437 |
91.1 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は、前期比8.9%減の244億3千7百万円となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の停滞により販売数量が減少したことによるものであります。
売上総利益は、前期比5.2%減の45億5千7百万円、売上総利益率は18.7%、販売費及び一般管理費については、前期比1億1千1百万円減の42億6千9百万円となり、この結果、営業利益は前期比1億4千万円減の2億8千7百万円となりました。これは主に、売上高の減少によるものであります。
受取配当金、持分法による投資利益等の営業外損益を加えた経常利益は前期比1百万円減の7億6百万円となり、減損損失、法人税等を計上しました結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比4千1百万円増の5億1百万円となりました。
当連結会計年度末の総資産は前期末比9.6%増、金額で31億3千万円増加の358億8千6百万円となりました。
流動資産につきましては、受取手形及び売掛金が増加した影響などにより前期末比0.7%増、金額で1億2千万円増加の164億4千9百万円となりました。固定資産につきましては、京都R&Dセンターの建設及び投資有価証券について時価が高騰したことなどにより前期末比18.3%増、金額で30億1千万円増加の194億3千7百万円と
なりました。
流動負債につきましては、支払手形及び買掛金が増加したことなどにより前期末比4.9%増、金額で5億4千4百万円増加の116億1千3百万円となりました。固定負債につきましては、長期借入金が増加したことなどに
より前期末比13.6%増、金額で9億6千5百万円増加の80億5千7百万円となりました。
純資産につきましては、利益剰余金及びその他有価証券評価差額金が増加したことなどにより前期末比11.1%増、金額で16億2千万円増加の162億1千6百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は42.4%となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、2「事業等のリスク」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金及び設備資金を内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入金による資金調達につきましては、運転資金については短期借入金で、設備資金などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は89億2千5百万円となっております。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は29億8千8百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針及び見積りとは、会社の財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす会計方針及び会計上の見積りであり、かつ本質的に不確実な事柄に関する経営者の重要
な、或いは主観的な判断を要するものであります。
連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要となる場合がありますが、この前提条件の置き方などにより、連結貸借対照表上の資産及び負債、連結損益計算書上の収益及び費用などに重要な影響を及ぼすことがあります。
そのうち特に重要なものと考えているのはたな卸資産の評価及び固定資産の減損であります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「5 経理の状況 注記事項(追加情報)」をご参照ください。
該当事項はありません。
私たち新日本理化グループは、もの創りを通して広く社会の発展に貢献することを経営理念として、次の100年に向けた新規事業の創出を目指します。「開発スピードアップとコア技術の進化」と「革新的な次世代製造プロセスの開発」を経営計画基本方針に掲げ、当社が保有する水素化、エステル化を筆頭とするコア技術を用いた各事業・用途分野毎のテーマ探索と事業化の促進を図るとともに、コア技術の深化と新たな製造技術の開発に邁進しています。
けいはんな学研都市に「京都R&Dセンター」が竣工し、研究開発を進める環境が飛躍的に変化しました。実験業務の安全性向上だけでなく、人と人が交わる仕掛けが散りばめられた研究所を活用し、会話の中から生まれるアイデアやひらめきをつなげ、従来の枠にとらわれない当社のSPICEを産み出す研究開発に取り組んでまいります。選択と集中による開発スピードを促進し、変化し続ける世の中に追従できる高付加価値製品の早期上市を目指します。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
であるため、セグメント別の記載は省略しております。
各種水素化製品、高機能オイル、樹脂原料および樹脂添加剤を重点開発分野として、素材の提供から開発を一歩進め、顧客ニーズにマッチする機能・性能を発揮するパフォーマンスケミカルズへの展開を強化・推進してまいります。
自動運転に向けた電子材料、樹脂のチカラで電動化に貢献、次世代通信形態で活躍する材料開発、鮮明な映像を産み出す樹脂材料、など多岐にわたる分野で社会の流れを見据えた材料開発を進めております。
高機能オイル分野では、急速に進んでいるビッグデータ化に伴い、サーバー向けHDD用流体軸受油であるエヌジェルブK2シリーズの需要が増加しています。今後は、電気自動車向け冷却オイルや、ファンモータ等の各種モータ用オイルの開発を進めてまいります。
樹脂原料製品では、エポキシ樹脂の薄膜硬化を可能にした不揮発性酸無水物リカシッドTBN-100がマイクロLEDを含む封止材用途で採用となりました。また、新たな特殊接着剤用途でもお客様から高評価を得ており、採用に向けて進めております。
高耐熱性の溶剤可溶型ポリイミドワニスであるリカコートTON-20を開発し、第5世代通信システム(5G)の部品製造に用いる高温プレス材料として高評価を得ています。引き続き、採用に向けて進めてまいります。
また、環境対応型の新たな製造技術構築に着手しました。暮らしを快適、豊かにする化学製品は製造する際に発生する、廃棄物やCO2を無視することはできません。フロー合成システムの導入により、地球環境にやさしい製造プロセスを確立していきます。
開発活動だけではなく、お客様サポートも行ってまいります。オレオケミカル、可塑剤、酸無水物など製品をご使用いただいているお客様への、法規、環境問題に対する情報の提供や、お客様が抱える技術課題を解決するための技術情報を提供し、信頼関係の強化に努めます。