第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 

売上高

営業利益

経常利益

当期

純利益

1株当たり

当期

純利益

潜在株式調整後

1株当たり

当期純利益

 

(億円)

(億円)

(億円)

(億円)

(円)

(円)

27年12月期

14,718

1,644

1,693

989

197.19

196.92

26年12月期

14,017

1,333

1,388

796

156.46

156.24

増減率

5.0%

23.3%

22.0%

24.2%

26.0%

26.0%

 

当社グループは、商品の高付加価値化による持続的な“利益ある成長”と、事業活動を通じた社会的課題の解決への提案や社会貢献活動による“社会のサステナビリティへの貢献”との両立を図り、グローバルで存在感のある会社を目指して、平成25年度を初年度とする、花王グループ中期3カ年計画 K15(Kao Group Mid-term Plan 2015)の達成に取り組んできました。その結果、最終年度である当期までに全ての目標を達成することができました。

(参考)

花王グループ中期3カ年計画 K15

目標(1)過去最高の売上高・利益の突破

目標(2)2015年度経営数値目標の達成

・連結売上高   1兆4,000億円

・連結営業利益    1,500億円

・海外売上高比率   30%以上

※連結売上高に占める海外に所在する顧客への売上高の割合

 

当連結会計年度(平成27年1月1日から平成27年12月31日まで)の世界の景気は、アジアの新興国等において弱さがみられるものの、緩やかに回復しています。日本の景気も、緩やかな回復基調が続いています。当社グループの主要市場である日本のトイレタリー(化粧品を除くコンシューマープロダクツ)市場は、前期に対し金額では3%伸長し、消費者購入価格は、前期を上回りました。また、日本のインバウンド(訪日外国人)需要を除いた化粧品市場は、前期の消費税率引上げの影響により金額では2%縮小しました。

このような状況の下、当社グループは、研究開発を重視し消費者や顧客の立場にたった“よきモノづくり”に基づき、消費者ニーズの変化に対応した高付加価値商品の発売や育成などに努めるとともに、コストダウン活動などに取り組んできました。

売上高は、前期に対して5.0%増の1兆4,718億円(為替変動の影響を除く実質2.8%増)となりました。コンシューマープロダクツ事業では、日本において、市場の伸長、新製品の発売及び販売促進活動のさらなる強化などにより、シェアが拡大し、売り上げは伸長しました。海外においては、アジアが大きく伸長しました。ケミカル事業では、原料価格変動に伴う販売価格の改定及び一部の対象業界での需要減の影響を受け、為替変動の影響を除く実質では減収となりました。

利益面では、主に日本のヒューマンヘルスケア事業及びアジアのコンシューマープロダクツ事業の増収効果と、天然油脂や石化原料を中心とした原材料価格の低下などにより、営業利益は1,644億円(対前期311億円増)となり、経常利益は1,693億円(対前期305億円増)となりました。当期純利益は989億円(対前期193億円増)となりました。

なお、買収に係るのれん等の減価償却費控除前営業利益(EBITA)は1,907億円(対前期287億円増 売上高比率13.0%)でした。

1株当たり当期純利益は197.19円となり、前期の156.46円より40.73円増加(前期比26.0%増)しました。

当社が経営指標としているEVA(経済付加価値)は、NOPAT(税引後営業利益)の増加により前期を大きく上回りました。

 

当期の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替の換算レートは、次のとおりです。

 

 

第1四半期

(1-3月)

第2四半期

(4-6月)

第3四半期

(7-9月)

第4四半期

(10-12月)

米ドル

119.15円(102.87円)

121.33円(102.16円)

122.23円(103.92円)

121.43円(114.43円)

ユーロ

134.43円(140.94円)

134.14円(140.13円)

135.91円(137.78円)

132.99円(142.88円)

注:( )内は前年同期の換算レート

セグメントの業績

 

売上高

セグメント利益(営業利益)

通期

増減率

通期

増 減

26年

12月期

27年

12月期

 

補正後

26年

12月期

27年

12月期

(億円)

(億円)

(%)

(%)

(億円)

(億円)

(億円)

 

ビューティケア事業

5,899

6,077

3.0

0.5

284

294

10

 

ヒューマンヘルスケア事業

2,401

2,807

16.9

14.3

219

355

137

 

ファブリック&ホームケア事業

3,245

3,344

3.1

2.1

610

692

83

コンシューマープロダクツ事業計

11,545

12,228

5.9

3.8

1,113

1,342

229

ケミカル事業

2,880

2,885

0.2

△2.3

221

301

81

小   計

14,425

15,113

4.8

2.6

1,333

1,643

310

調整(消去)

△408

△395

△1

1

1

合   計

14,017

14,718

5.0

2.8

1,333

1,644

311

※売上高増減率の「補正後」の数値は、為替変動の影響を除く実質増減率

 

販売実績

 

通期

増減率
(%)

26年12月期

(億円)

27年12月期

(億円)

 

 

ビューティケア事業

4,155

4,123

△0.8

 

 

ヒューマンヘルスケア事業

1,987

2,219

11.7

 

 

ファブリック&ホームケア事業

2,858

2,888

1.1

 

日本計

9,000

9,230

2.6

 

アジア

1,405

1,795

27.7

 

米 州

799

897

12.4

 

欧 州

842

899

6.7

 

内部売上消去等

△501

△593

コンシューマープロダクツ事業 計

11,545

12,228

5.9

 

日 本

1,319

1,300

△1.4

 

アジア

1,088

1,057

△2.8

 

米 州

445

482

8.3

 

欧 州

681

648

△4.9

 

内部売上消去等

△653

△602

ケミカル事業 計

2,880

2,885

0.2

小   計

14,425

15,113

4.8

調整(消去)

△408

△395

合   計

14,017

14,718

5.0

 

参考:所在地別の業績

参考情報として所在地別の業績を以下のとおり開示します。

 

売上高

営業利益

通期

増減率

通期

増 減

26年

12月期

27年

12月期

 

補正後

26年

12月期

27年

12月期

(億円)

(億円)

(%)

(%)

(億円)

(億円)

(億円)

日   本

9,973

10,190

2.2

2.2

1,114

1,286

171

ア ジ ア

2,449

2,815

15.0

6.1

113

200

86

米   州

1,242

1,378

11.0

△0.1

61

70

9

欧   州

1,521

1,544

1.5

2.8

39

99

60

小   計

15,185

15,927

4.9

2.7

1,328

1,654

326

調整(消去)

△1,168

△1,209

5

△10

△15

合   計

14,017

14,718

5.0

2.8

1,333

1,644

311

※売上高増減率の「補正後」の数値は、為替変動の影響を除く実質増減率

 

なお、売上高に占める海外に所在する顧客への売上高の割合は、前期の33.1%から35.0%となりました。

 

コンシューマープロダクツ事業

売上高は、前期に対して5.9%増の1兆2,228億円(為替変動の影響を除く実質3.8%増)となりました。

日本の売上高は、前期に対して2.6%増の9,230億円(花王ソフィーナ販売制度改定の影響額を除く増減率3.4%増)となりました。消費者の生活スタイルの変化や、環境、健康、高齢化、衛生などの社会的課題への対応、数多くの高付加価値商品の発売、提案型販売活動の強化などに取り組み、サニタリー製品を中心に売り上げが伸長しましたが、化粧品は前期を下回りました。

アジアの売上高は、27.7%増の1,795億円(為替変動の影響を除く実質18.1%増)となりました。中間所得層向け製品の販売・育成、販売店との協働取組・卸チャネルの活用や販売地域の拡大などに努め、伸長が続いています。

米州の売上高は、12.4%増の897億円(為替変動の影響を除く実質0.1%減)となりました。スキンケア製品及びサロン向け製品が伸長しましたが、ヘアケア製品は、前期を下回りました。

欧州の売上高は、6.7%増の899億円(為替変動の影響を除く実質5.7%増)となりました。ヘアケア製品及びサロン向け製品が伸長しました。

営業利益は、日本のヒューマンヘルスケア事業及びアジアでの増収効果の影響などもあり、1,342億円(対前期229億円増)となりました。

 

当社は、〔ビューティケア事業〕、〔ヒューマンヘルスケア事業〕、〔ファブリック&ホームケア事業〕を総称して、コンシューマープロダクツ事業としております。

 

〔ビューティケア事業〕

売上高は、前期に対して3.0%増の6,077億円(為替変動の影響を除く実質0.5%増)となりました。

化粧品の売り上げは、前期に対し2.3%減の2,547億円(為替変動の影響を除く実質3.0%減)となりました。花王ソフィーナ販売制度改定の影響額を除いた増減率は、前期に対し0.6%増(為替変動の影響を除く実質0.2%減)となりました。日本では、引き続き重点ブランドの強化を図りましたが、厳しい市場競争の影響を受け、売り上げは前期を下回りました。疲れやストレスなど、過酷な環境下でも「美しくあり続けたい」と思う女性のための化粧品「SOFINA iP」を11月から銀座の旗艦店で先行発売し、ソフィーナの改革に着手しました。セルフ化粧品では、「KATE TOKYO」の売り上げが伸長し、「suisai」は、インバウンド需要により好調に推移しました。海外では、構造改革が終了した中国を始めとするアジアが好調で、特に「KATE TOKYO」は好調に推移し、為替変動の影響を除く実質の売り上げは、前期を上回りました。

スキンケア製品の売り上げは、前期を上回りました。日本では、「ビオレ」のUVケア製品及び洗顔料、乾燥性敏感肌を考えた「キュレル」が好調に推移し、前期を上回りました。アジアでも、「ビオレ」が順調に推移し、為替変動の影響を除く実質の売り上げを伸ばしました。米州では、新しい提案によるアイテム追加をした「ビオレ」が順調に推移し、為替変動の影響を除く実質の売り上げを伸ばしました。

 

ヘアケア製品の売り上げは、前期を上回りました。日本では、シャンプー・リンスの新製品が順調に推移しシェアが伸長したこともあり、売り上げは前期を上回りました。アジアでは、ブランドの絞り込みにより、為替変動の影響を除く実質の売り上げは、前期を下回りました。米州では、為替変動の影響を除く実質の売り上げは、ほぼ横ばいとなりました。欧州では、「ジョン・フリーダ」及びサロン向け製品が堅調に推移したことにより、為替変動の影響を除く実質の売り上げは、前期を上回りました。

営業利益は、主に増収効果と費用の効率化により、294億円(対前期10億円増)となりました。また、買収に係るのれん等の減価償却費控除前営業利益(EBITA)は、558億円(対前期15億円減 売上高比率9.2%)でした。

 

〔ヒューマンヘルスケア事業〕

売上高は、前期に対して16.9%増の2,807億円(為替変動の影響を除く実質14.3%増)となりました。

フード&ビバレッジ製品の売り上げは、前期を下回りました。脂肪を消費しやすくする健康機能飲料「ヘルシア」は、緑茶では脂肪の燃焼力を高める高濃度茶カテキンの機能訴求を強化しましたが、コーヒーとともに市場競争激化の影響を受けました。

サニタリー製品の売り上げは、前期を大きく上回りました。生理用品「ロリエ」は、日本では、ムレがこもらず肌にやさしい「ロリエ エフ しあわせ素肌」、高い吸収力と快適なつけ心地を実現する「ロリエ スリムガード」などの高付加価値商品の売り上げ伸長によりシェアを拡大し、アジアでも、順調に売り上げを伸ばしました。ベビー用紙おむつ「メリーズ」は、日本では、売り上げが引き続き好調に推移し、生産設備の増強を行っています。中国では、日本からの輸入品及び中間所得層向けの現地生産品の売り上げが伸長しました。また、インドネシアでは、平成26年9月に発売した中間所得層向けの現地生産品の売り上げが、販路の拡張を含め順調に推移しています。

パーソナルヘルス製品の売り上げは、前期を上回りました。オーラルケアの売り上げは、高付加価値商品を発売し、前期を上回りました。入浴剤の売り上げは、順調に推移しました。蒸気の温熱シート「めぐりズム」の売り上げは、「蒸気でホットアイマスク」を中心にインバウンド需要を取り込み大きく伸長しました。

営業利益は、主に増収効果により355億円(対前期137億円増)となりました。

 

〔ファブリック&ホームケア事業〕

売上高は、前期に対して3.1%増の3,344億円(為替変動の影響を除く実質2.1%増)となりました。

ファブリックケア製品の売り上げは、前期を上回りました。日本の売り上げは、粉末洗剤市場の縮小や市場競争の影響を受け、前期に対してほぼ横ばいに推移しました。衣料用洗剤では、濃縮液体洗剤「ウルトラアタックNeo」を、洗浄成分ウルトラクエン酸C配合で、未体験の白さを実感できるように改良し、さらに、抗菌クリア成分を高配合した液体洗剤「アタック 抗菌EX スーパークリアジェル」を発売しました。柔軟仕上げ剤では、「ハミング」を刷新し、やわらかさとすばやい吸水性の両立を可能としました。「ハミングファイン」は、24時間防臭に初めてドライ効果を付加した改良を行いました。また、水分・汗に反応する香りセンサーの発香力が約2倍に強化された「フレア フレグランス」は、シェアを伸ばしました。アジアでは、売り上げは前期を上回りました。衣料用洗剤「アタック」は、インドネシアで平成26年6月に発売した、中間所得層向け手洗い用粉末洗剤「アタックJaz1(ジャズワン)」の貢献もあり、売り上げが伸長しました。

ホームケア製品の売り上げは、前期を上回りました。日本では、食器用洗剤「キュキュット」が、引き続き好調に推移しました。全面改良した住居用洗剤「マジックリン」や住居用掃除シート「クイックル」の売り上げは、順調に推移しました。改良した衣料用消臭剤「リセッシュ」は、市場を活性化し、売り上げは好調に推移しました。また、ファブリックケア製品及びホームケア製品で、介護現場のニオイの悩みに応え生活の質向上を目指した「消臭ストロング」シリーズを発売し、消費者の支持を得ました。

営業利益は、高付加価値商品の増収効果と原材料価格の低下により、692億円(対前期83億円増)となりました。

 

〔ケミカル事業〕

売上高は、前期に対して0.2%増の2,885億円(為替変動の影響を除く実質2.3%減)となりました。

日本の対象業界では、一部に需要の弱さが続いています。海外では、対象業界の需要減や一部で公共投資の減少がありましたが、ユーロ安に伴う輸出需要の伸びもみられました。

油脂製品では、原料価格変動に伴う販売価格の改定と対象業界の需要減の影響を受けました。機能材料製品では、公共投資の減少等に伴う需要の停滞がみられる中でも、環境負荷の低減に対応した高付加価値製品の開発と販売の拡大に努めました。スペシャルティケミカルズ製品では、パソコン市場の構造変化の影響を受けたものの、顧客ニーズに即した製品対応を行い、高付加価値製品の売り上げが伸長しました。

営業利益は、高付加価値製品の増収効果とコストダウン活動により、301億円(対前期81億円増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ808億円増加し、3,094億円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,809億円となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、△740億円となりました。

以上の結果、フリー・キャッシュ・フローは、1,068億円となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、△206億円となりました。

 

なお、キャッシュ・フローの詳細は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政状態の分析」に記載しております。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

当社グループの生産・販売品目は、産業界向けのケミカル製品から一般消費者向けのコンシューマー製品まで極めて多種多様であり、それら製品の在庫をほぼ一定の必要水準に保つように、主として見込み生産を行っております。従って、生産状況は販売状況に類似しているため、生産及び販売の状況については、「1 業績等の概要」をご参照ください。

 

3【対処すべき課題】

市場競争の激化や市場構造の変化、原材料市況や為替の変動など事業環境は不透明な状況が続いております。消費者の環境や健康などに関する意識の変化やそれに伴う購買意識の変化、さらには高齢化社会の進行や衛生などの社会的課題も増大しています。また、事業がグローバルに拡大し、さまざまな分野で構造的変化が進む中、事業を取り巻くあらゆるリスクに対応していかなければなりません。このような中、当社グループは、継続的に企業価値を増大させていくために、以下のような課題に対し、適切に対処してまいります。

①平成25年7月4日に自主回収を公表しました、カネボウ化粧品ロドデノール配合美白製品につきましては、白斑様症状を発症された方々への回復支援及び補償を真摯に行っております。これとともに、より高いレベルの安全・安心の担保を図りつつ、再発防止に努めることが課題と認識しており、当社グループを挙げて取り組んでおります。

②事業を取り巻くあらゆるリスクに対応するため、全社的に重要なリスクをコーポレートリスクと定め、管理体制を一層強化することで、グループ全体の企業価値を損なわないように努めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

企業が事業を遂行している限り、さまざまなリスクが伴います。当社グループにおいては、リスクの発生を防止、分散、あるいはリスクヘッジすることによりリスクの合理的な軽減を図っております。また、リスクが顕在化した際には、適切な対応を行い、影響の極小化に努めております。しかし、以下のような予想を超える事態などが生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、以下のリスクは当社グループにとり全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在し、それらは投資家の判断に影響を与える可能性があります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年3月25日)現在において当社が判断したものであります。

 

(1)コンシューマープロダクツ事業

①消費者ニーズの変化への対応
 当社グループのコンシューマープロダクツ事業は、各国市場の景気変動や消費者の価値観の変化により影響を受けます。当事業は消費者ニーズの変化を捉え、当社グループのモノづくりの総合力を活用し、環境・健康・高齢化・衛生などを切り口とした商品の高付加価値化やサービスの提供に取り組み、ブランド価値を維持向上させております。しかしながら、この事業活動にはさまざまな要因による不確実性が伴うため、消費者ニーズの変化に対応した商品やサービスを提供できず、ブランド価値を落とした場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②流通の変化への対応
 当社グループのコンシューマープロダクツ事業は、市場での流通業の合併や統合による新たな企業グループ化の進展、新たな流通チャネルの出現などの流通構造の変化により影響を受けます。当事業は、このような流通構造の変化に対した販売活動を推進し、新たな提案をしております。しかしながら、この事業活動にはさまざまな要因による不確実性が伴うため、流通構造の変化に対応した販売活動や新たな提案ができない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)ケミカル事業
 当社グループのケミカル事業は、顧客の需要動向や原材料価格の変動などにより影響を受けます。当事業はコスト削減、製品への価格対応を図り、さらに、顧客ニーズに合った製品の高付加価値化、環境に配慮した製品の研究開発を進め、提供しております。しかしながら、この事業活動にはさまざまな要因による不確実性が伴うため、顧客のニーズに合った製品の提供や原材料価格の変動などへの対応ができない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)事業買収、業務提携、合弁事業など
 当社グループは事業買収、業務提携、合弁事業などを実施する可能性があります。これらの実施に際しては、経済的価値、相手企業の調査を十分に行い決定します。しかしながら、事業活動には予想できないさまざまな不確実性が伴うため、当初の期待していた効果が出せない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)海外事業展開
 当社グループは、成長戦略のひとつとしてアジア、欧米市場などでの事業展開を進めており、特に経済成長率が高く、市場規模が大きくなることが予想される国々での事業の強化を重視しております。しかしながら、事業を進める上で、経済成長の鈍化、政治的・社会的に不安定な情勢が生じる、競合との競争の激化、コスト管理が十分できない、小売店・代理店などの取引先との関係に問題が発生するなど、さまざまな要因による不確実性が伴い、事業の強化ができない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)原材料の調達
 当社グループの製品で使用している天然油脂や石油関連の原材料の市況価格は、地政学的リスクや需給バランス、異常気象、為替の変動などの影響を受けます。当社グループは原材料価格の上昇に対して、原価低減や売価への転嫁の施策を図り、その影響を軽減しております。また、天然油脂原料に関しては、非可食原料の高度有効利用の研究による代替原料の開発にも取り組んでいます。しかしながら、予想を超えて市況価格に急激な変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)品質管理
 当社グループ商品の品質管理につきましては、消費者・顧客の視点に立ち、関連法規の遵守並びに自主的に設定した厳しい基準に従って設計、製造を行っております。発売前の開発段階では、徹底的に試験、調査研究を行い、安全性を確認しております。また発売後には、消費者相談窓口を通じて、商品への意見、要望などをくみ上げ、さらなる品質向上に努めております。しかしながら、予想を超える重大な品質トラブルまたは新たな科学的知見により商品の安全と安心に対する懸念などが発生した場合には、当該ブランドの問題だけではなく、他のブランドや当社グループ全体の信用の低下にもつながり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)自然災害・事故などへの対応
 当社グループは、地震をはじめとする自然災害に対して、生産工場及び主要な事業拠点を対象に災害対策、事業継続計画(BCP)の策定を行っており、今後も強化と充実を図っていきます。しかしながら、予想を超える規模の地震やそれにより派生した災害が発生し、原材料の確保、生産の継続などに問題が生じて商品の市場への供給に支障をきたした場合、また、震災に伴う経済環境の悪化によって需要動向に大きな変化が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 また、生産工場の爆発・火災事故、情報システム障害、原材料購入先のトラブル、電力や水などの社会インフラの機能不全、有害物質による環境汚染、感染症の蔓延、テロ、政変、暴動などが発生し、商品の市場への供給に支障をきたした場合には、当社グループへの信用、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)為替の変動
 外国通貨建ての取引については為替相場の変動による影響を受けますが、外貨預金口座を通じての決済、為替予約取引や通貨スワップ取引などにより為替変動リスクをヘッジすることにしており、経営成績に与える影響を軽減しております。なお、投機的なデリバティブ取引は行っておりません。しかしながら、在外連結子会社の財務諸表の各項目は円換算するため、換算時の為替レートが予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受けます。

 

(9)繰延税金資産や減損処理の影響
 当社グループは、事業用の資産や企業買収の際に生じるのれんなど様々な有形・無形の固定資産や繰延税金資産等を計上しております。これらの資産については、今後の業績計画との乖離や時価の下落等によって、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)人材の確保
 当社グループは、グローバルでの事業目標達成のために多様で優秀な人材の確保に努めております。消費者の方々に支持される“よきモノづくり”をめざすために、研究開発、生産技術、マーケティング、販売活動など高度な専門性を持った人材が不可欠です。しかしながら、雇用情勢の変動などにより、必要な人材を確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)法規制の遵守
 当社グループは、事業活動を行う上で、商品の品質、安全、環境関連、化学物質関連、また会計基準や税法、労務関連、取引関連などの様々な法規制の適用を受けています。当社グループは、コンプライアンス体制を構築し、遵守に努めておりますが、当社グループだけでなく委託先などが重大な法令違反を起こした場合は、当社グループへの信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、現行の法規制の変更や新たな法規制などが追加された場合には、当社グループの事業活動が制限され、あるいはその対応のために投資が必要になるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)情報管理
 当社グループは、研究開発、生産、マーケティング、販売などに関する機密情報や、商品開発、販売促進などに用いる多くのお客様の個人情報を保有しております。当社グループでは、情報取扱いガイドラインによる情報管理を徹底し、情報システムのハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、予想を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウィルスへの感染などにより、保有する機密情報・個人情報が漏洩した場合には、当社グループへの信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)訴訟の提起
 当社グループは、グローバルで多岐にわたる事業展開をしており、様々な訴訟などを受ける可能性があります。訴訟が提起された場合には結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)吸収分割契約

 当社は、平成27年11月19日開催の取締役会において、平成28年1月1日を効力発生日として、当社の完全子会社である株式会社花王グループカスタマーマーケティング準備会社が、当社から花王カスタマーマーケティング株式会社、カネボウ化粧品販売株式会社及び花王フィールドマーケティング株式会社の株式を承継する会社分割(簡易吸収分割)を実施することについて決議を行い、平成27年11月19日付で吸収分割契約を締結しました。

 本吸収分割の概要は次のとおりであります。

① 吸収分割の目的

花王グループの販売機能の一体運営をさらに進めることで、“花王グループの総合力”を発揮し、より高いレベルで商品・サービスを提供することができるようにするため、本吸収分割を行うものです。

② 吸収分割の方法

当社を吸収分割会社、株式会社花王グループカスタマーマーケティング準備会社を吸収分割承継会社とする簡易吸収分割

③ 吸収分割期日

平成28年1月1日

④ 吸収分割に際して発行する株式及び割当

株式会社花王グループカスタマーマーケティング準備会社は、普通株式1株を発行し、そのすべてを当社に割り当てます。

⑤ 吸収分割承継会社が承継する権利義務

株式会社花王グループカスタマーマーケティング準備会社は、当社の保有する花王カスタマーマーケティング株式会社、カネボウ化粧品販売株式会社及び花王フィールドマーケティング株式会社の株式を吸収分割会社である当社から承継いたします。

⑥ 吸収分割承継会社の概要

商号        株式会社花王グループカスタマーマーケティング準備会社

本店所在地     東京都中央区日本橋小網町8番3号

代表者の役職・氏名 代表取締役 竹内 俊昭

事業内容      コンシューマープロダクツの販売等

資本金       10百万円

設立年月日     平成27年10月1日

発行済株式総数   200株

決算期       12月31日

大株主及び持株比率 花王株式会社100%

 吸収分割承継後の株式会社花王グループカスタマーマーケティング準備会社は、平成28年1月1日付で商号を花王グループカスタマーマーケティング株式会社に変更いたしました。なお、本店所在地、代表者、事業内容、資本金及び決算期に変更はありません。

 

(2)合弁事業契約

国名

契約先

合弁会社名称

出資比率

契約日

マレーシア

IOI Oleochemical Industries Berhad

Fatty Chemical

(Malaysia) Sdn. Bhd.

70.0%

昭和63年2月29日

 (注)出資比率は、間接出資比率であり、 Kao Singapore Private Limited(当社100%出資)が出資しております。

 

6【研究開発活動】

消費者・顧客の立場にたって、心をこめた“よきモノづくり”を行ない、世界の人々の喜びと満足のある豊かな生活文化を実現するとともに、社会のサステナビリティ(持続可能性)に貢献するという使命のもと、研究開発部門では、多様な国や地域の消費者の様々な文化やニーズを理解し、独創的なシーズと組み合わせることで、新たな価値や市場を創造する画期的な商品・技術の開発に取り組んでおります。

清潔、美、環境、健康、高齢化、衛生などの分野における社会的課題解決に貢献する新たな研究知見を得ることを目指して、順天堂大学と研究包括契約を締結しました。互いの研究知見や施設を活用した産学連携により、オープンイノベーションを推進し、医療・健康分野における基盤研究を強めていきます。

当社グループ全体で、約2,800名が研究開発業務に携わっております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、520億円(売上高比3.5%)であり、主な成果は、下記のとおりであります。

 

コンシューマープロダクツ事業

〔ビューティケア事業〕

世界の人々の肌や髪を深く知る本質研究と、新しい機能を生み出す素材や製剤の開発をとおして、健康で美しい素肌や素髪の実現と、多様な生活スタイルに合わせた美容価値の提案を目指しています。

カウンセリング化粧品では、「ソフィーナ」から、30年以上の皮膚科学研究から生まれたハリ美容液「ソフィーナ リフトプロフェッショナル ハリ美容液」を発売しました。ハリを与える独自のモイストリフト成分(ショウガ根エキス、セイヨウトチノキ種子エキス、ヒバマタエキス、アミジノプロリン、アセチルヘキサペプチド-8、グリセリン:保湿)を配合し、独自の処方技術により、モイストリフト成分を長時間角層に浸透させ、ハリのあるふっくらとした肌に導きます。セルフ化粧品では、「KATE TOKYO」から、強いまなざしをつくる鮮明な黒い発色が特徴のアイライナー「ケイト デジタルメモリーライナー」を発売しました。鮮明な黒顔料に加え、性質の異なる2種類のポリマーをブレンドして配合し、汗・水・皮脂に強く、にじみにくさと落ちにくさを実現しました。

スキンケア製品では、さらさらで使い心地のよい日やけ止め「ビオレさらさらUV」から、全身に塗りのばしやすいボトル入りジェルタイプで、強力に紫外線をカットするSPF50+・PA++++の「ビオレさらさらUV アクアリッチ ウォータリージェル」を発売しました。「ビオレさらさらUV」は、本ジェルを含めたウォーターベースの「アクアリッチシリーズ」とウォータープルーフタイプの「パーフェクトシリーズ」をすべてPA++++にするなど刷新しました。欧米では、ハンド&ボディローションの「ジャーゲンズ」から、シャワー後のぬれた肌にもよくなじみ、うるおいを閉じ込めてべたつかない、高い保湿力と簡便性を両立した「ジャーゲンズ ウエットスキンモイスチャライザー」を米国、カナダにて発売しました。

ヘアケア製品では、「メリット」の皮脂洗浄技術により、弱い力でもしっかり洗えて汗のニオイや汚れをすっきり落とす「メリット 泡で出てくるシャンプーキッズ」を発売しました。はじめから泡で出てくるので頭全体に泡を広げやすく、泡切れもよいので早くすすげます。欧米では、ヘアサロン向け専用ブランド「ゴールドウェル」から、お客様一人ひとりに合わせてカスタマイズが可能なサロン専用サービスと、自宅ケア用商品をラインアップした新ライン「ケラシルク プレミアムヘアケア」を発売しました。

当事業に係る研究開発費は、239億円であります。

 

〔ヒューマンヘルスケア事業〕

人が本来持っている健康力を生かしたQOL(Quality of Life:生活の質)の向上を目指し、心と身体の両面からヘルスケア研究を進めています。

サニタリー製品では、ムレがこもらず肌にやさしい生理用品「ロリエ エフしあわせ素肌」から、「ロリエ エフしあわせ素肌 ふわふわスリム」を改良発売しました。従来から採用している“ふわふわ凹凸シート(表面材)”と“全面通気性バックシート”に加え、“偏在化ブロック吸収体”を採用し、経血の広がりが軽減され、吸収力がアップしさらにムレにくくなりました。アジアでは、フィット感と吸収力を高めた新デザインを採用し、赤ちゃんの成長に着目した仕様とした台湾専用のベビー用紙おむつ「メリーズ プレミアム」を台湾にて改良発売しました。

パーソナルヘルス製品では、ネバつき浄化、歯肉炎予防、口臭予防といった“歯周トラブルケア”ができるハミガキとして「薬用ピュオーラ」を改良発売しました。清浄剤“エリスリトール”を花王独自技術により高配合し、細菌のかたまりにすばやく浸透し、分散しやすくしネバつきを浄化します。分散された菌に殺菌剤CPCが作用し、口臭、歯肉炎を予防します。

当事業に係る研究開発費は、119億円であります。

 

〔ファブリック&ホームケア事業〕

多様なニーズに応える家庭用製品から、高度な清浄・衛生(洗い上がり)が求められる業務用製品まで、幅広い分野での研究開発に取り組んでいます。

ファブリックケア製品では、超濃縮タイプの液体洗剤「ウルトラアタックNeo」を改良発売しました。“洗浄成分ウルトラクエン酸C(界面活性剤とクエン酸の複合成分)”を配合した独自処方により、皮脂や雑菌が繊維に絡まって落ちにくい“密着汚れ”まで一気に洗浄し、くすみ・ニオイを防いで、未体験の白さをかなえます。アジアでは、花王の除菌・抗菌技術を応用した新防臭技術により、衣類の汗のニオイを一日中抑える粉末及び液体洗剤「アタック 3Dクリーンアクション」をタイにて発売しました。

ホームケア製品では、浴室用洗剤「バスマジックリン」シリーズを刷新しました。豊かに泡立ち、汚れをこすらず落とす高い洗浄力と、すすぎ時の泡消えの早さを両立する独自の“マジック泡”を新開発し、お風呂そうじのラク・時短・節水を実現しました。
 当事業に係る研究開発費は、71億円であります。

 

〔ケミカル事業〕

油脂科学、界面科学、高分子科学等における研究開発の成果をさらに深化させ、幅広い産業界の多様なニーズに対応した特徴あるケミカル製品を提供すべく、研究開発に取り組んでいます。

油脂製品では、油脂アルコールや3級アミンにおいて独自の触媒・プロセス技術開発を進めております。機能材料製品では、環境負荷低減に対応した付加価値製品の開発に努め、廃棄物が少なく、エネルギー低減に寄与する鋳造用材料の開発などに取り組んでおります。スペシャルティケミカルズ製品では、バイオ原料を用いたトナーバインダーのバイオ原料比率を上げる開発などを進めています。

当事業に係る研究開発費は、91億円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

売上高は、前期に対して5.0%増の1兆4,718億円(為替変動の影響を除く実質2.8%増)となりました。コンシューマープロダクツ事業では、日本において、市場の伸長、新製品の発売及び販売促進活動のさらなる強化などにより、シェアが拡大し、売り上げは伸長しました。海外においては、アジアが大きく伸長しました。ケミカル事業では、原料価格変動に伴う販売価格の改定及び一部の対象業界での需要減の影響を受け、為替変動の影響を除く実質では減収となりました。

利益面では、主に日本のヒューマンヘルスケア事業及びアジアのコンシューマープロダクツ事業の増収効果と、天然油脂や石化原料を中心とした原材料価格の低下などにより、営業利益は1,644億円(対前期311億円増)となり、経常利益は1,693億円(対前期305億円増)となりました。当期純利益は989億円(対前期193億円増)となりました。

 

なお、報告セグメントの売上と営業利益の概況については、「1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

(連結財政状態)

 

 

 

 

前連結会計年度末

26年12月末

当連結会計年度末

27年12月末

増 減

総資産(億円)

11,982

12,819

836

純資産(億円)

6,724

6,871

147

自己資本比率

54.9%

52.7%

1株当たり純資産

1,313.63円

1,347.29円

33.66円

借入金・社債の残高(億円)

1,012

1,201

189

 

(連結キャッシュ・フローの状況)

 

 

 

 

通期

増 減

26年12月期

27年12月期

 

(億円)

(億円)

(億円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,451

1,809

357

投資活動によるキャッシュ・フロー

△638

△740

△102

フリー・キャッシュ・フロー(営業活動+投資活動)

813

1,068

255

財務活動によるキャッシュ・フロー

△850

△206

644

 

総資産は、1兆2,819億円となり、前連結会計年度末に比べ836億円増加しました。主な増加は、現金及び預金177億円、有価証券480億円、その他流動資産231億円、有形固定資産201億円であり、主な減少は、商標権などの知的財産権やのれんの償却が進んだ無形固定資産242億円です。

負債は、前連結会計年度末に比べ689億円増加し、5,947億円となりました。主な増加は、長期借入金400億円、退職給付に関する会計基準等の適用による増加を含めた、退職給付に係る負債318億円、未払金98億円であり、主な減少は、1年内返済予定の長期借入金200億円です。

純資産は、前連結会計年度末に比べ147億円増加し、6,871億円となりました。主な増加は、当期純利益989億円であり、主な減少は、為替換算調整勘定145億円、剰余金の配当金の支払い371億円によるものです。

なお、退職給付に関する会計基準等の適用により、期首の利益剰余金残高が、279億円減少しました。

以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の54.9%から52.7%となりました。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,809億円となりました。主な増加は、税金等調整前当期純利益1,616億円、減価償却費736億円、未払金及び未払費用の増減額86億円であり、主な減少は、法人税等の支払額462億円、売上債権の増減額84億円です。

投資活動によるキャッシュ・フローは、△740億円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出641億円です。

営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、1,068億円となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、△206億円となりました。主な内訳は、少数株主への支払いを含めた配当金の支払額384億円です。なお、平成27年3月に借入金200億円を返済しましたが、適正な資本コスト率の維持及び成長投資のための財務基盤の強化を目的に、400億円の借り入れを行いました。

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ808億円増加し、3,094億円となりました。