第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当社グループが当四半期報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

(1)業績の状況

当社グループは、当第1四半期連結累計期間(2017年1月1日から2017年3月31日まで)より日本のコンシューマープロダクツ事業において販売制度の改定を行い、併せてIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」などを早期適用しています(参照18ページ 要約四半期連結財務諸表に関する注記事項 3.重要な会計方針)。なお、比較を容易にするため、これらの影響を補正し、さらに為替変動の影響を除いた増減率を以下、「実質」として記載しております。

 

売上高

営業利益

営業利益率

税引前

四半期

利益

四半期

利益

親会社の

所有者に帰属する

四半期利益

基本的

1株当たり

四半期利益

 

(億円)

(億円)

(%)

(億円)

(億円)

(億円)

(円)

2017年12月期

第1四半期

3,452

386

11.2

380

246

242

49.03

2016年12月期

第1四半期

3,351

344

10.3

329

210

208

41.47

増減率

3.0%

実質 8.6%

12.1%

-

15.4%

17.0%

16.2%

18.2%

 

社グループの主要市場である日本のトイレタリー(化粧品を除くコンシューマープロダクツ)市場は、当第1四半期において、金額では前年同期に対し横ばいに推移し、消費者購入価格は前年同期を上回りました。また、日本のインバウンド(訪日外国人)需要を除いた化粧品市場も、横ばいに推移しました。

売上高は、前年同期に対して3.0%増の3,452億円(実質8.6%増)となりました。スキンケア製品や日本及びアジアのサニタリー製品が大きく伸長しました。またケミカル事業も、大幅に増収となりました。

利益面では、特にケミカル事業やヒューマンヘルスケア事業の増収効果が大きく、営業利益は386億円(対前年同期42億円増)となり、税引前四半期利益は380億円(対前年同期51億円増)となりました。四半期利益は、246億円(対前年同期36億円増)となりました。

 

当第1四半期の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替の換算レートは、次のとおりです。

 

 

第1四半期

1-3月

米ドル

113.71円[115.31円]

ユーロ

121.13円[127.15円]

中国元

 16.50円[ 17.63円]

注:[ ]内は前年同期の換算レート

セグメントの業績

 

売上高

営業利益

第1四半期

増減率

第1四半期

増 減

(億円)

2016年

12月期

(億円)

2017年

12月期

(億円)

(%)

実質

(%)

2016年

12月期

2017年

12月期

(億円)

利益率(%)

(億円)

利益率(%)

 

ビューティケア事業

1,384

1,329

(4.0)

2.0

68

4.9

72

5.4

4

 

ヒューマンヘルスケア事業

671

743

10.7

18.2

85

12.6

114

15.4

30

 

ファブリック&ホームケア事業

710

696

(2.0)

2.9

129

18.2

119

17.1

(10)

コンシューマープロダクツ事業計

2,766

2,768

0.1

6.2

282

10.2

306

11.0

24

ケミカル事業

668

766

14.7

17.4

65

9.8

80

10.4

15

小   計

3,433

3,534

2.9

8.3

347

-

385

-

39

セグメント間消去又は調整

(82)

(82)

-

-

(2)

-

1

-

3

合   計

3,351

3,452

3.0

8.6

344

10.3

386

11.2

42

 

販売実績

(億円、増減率%)

第1四半期

日 本

アジア

米 州

欧 州

合 計

 

 

化粧品

2016年

467

47

6

40

561

2017年

436

51

6

37

530

増減率

(6.5)

7.1

(3.9)

(9.2)

(5.5)

実質増減率

0.3

21.6

(2.7)

1.3

2.2

スキンケア・ヘアケア

2016年

445

81

176

122

824

2017年

433

75

185

106

799

増減率

(2.6)

(7.5)

5.1

(13.3)

(3.0)

実質増減率

1.4

8.6

7.6

(9.3)

1.9

ビューティケア事業

2016年

912

129

182

162

1,384

2017年

870

126

191

142

1,329

増減率

(4.6)

(2.1)

4.8

(12.3)

(4.0)

実質増減率

0.9

13.4

7.3

(6.7)

2.0

ヒューマンヘルスケア事業

2016年

438

233

-

-

671

2017年

455

288

-

-

743

増減率

3.9

23.5

-

-

10.7

実質増減率

7.6

38.2

-

-

18.2

ファブリック&ホームケア事業

2016年

594

111

5

-

710

2017年

597

94

5

-

696

増減率

0.5

(15.4)

7.8

-

(2.0)

実質増減率

3.9

(2.4)

7.1

-

2.9

コンシューマープロダクツ事業

2016年

1,944

473

187

162

2,766

2017年

1,922

508

196

142

2,768

増減率

(1.1)

7.4

4.9

(12.3)

0.1

実質増減率

3.3

21.9

7.3

(6.7)

6.2

ケミカル事業

2016年

282

141

112

133

668

2017年

296

176

135

160

766

増減率

4.7

24.9

20.7

20.1

14.7

実質増減率

4.8

27.8

25.6

26.0

17.4

セグメント間売上高の消去

2016年

(72)

(8)

(0)

(3)

(82)

2017年

(70)

(8)

(0)

(4)

(82)

売上高

2016年

2,154

606

298

293

3,351

2017年

2,147

676

330

299

3,452

増減率

(0.3)

11.4

10.8

2.2

3.0

実質増減率

3.7

23.4

14.1

8.0

8.6

注:コンシューマープロダクツ事業は、外部顧客への売上高を記載しており、ケミカル事業では、コンシューマープロダクツ事業に対する売上高を含めています。また比較を容易にするため、前第1四半期の売上高を同様の方法で記載しています。地域別の売上高は、販売元の所在地に基づき分類しています。

 

売上高に占める海外に所在する顧客への売上高の割合は、前年同期の37.3%から40.7%となりました。

 

コンシューマープロダクツ事業

売上高は、前年同期に対して0.1%増の2,768億円(実質6.2%増)となりました。

日本では、市場伸長が横ばいに推移する中、数多くの高付加価値商品の発売、提案型販売活動の強化などに取り組み、売上高は、前年同期に対して1.1%減の1,922億円(実質3.3%増)となりました。

アジアでは、中国やインドネシアなどを中心に好調に伸長し、売上高は、7.4%増の508億円(実質21.9%増)となりました。

米州の売上高は、4.9%増の196億円(実質7.3%増)となり、欧州の売上高は、12.3%減の142億円(実質6.7%減)となりました。

営業利益は、ヒューマンヘルスケア事業の増収効果があり、306億円(対前年同期24億円増)となりました。

 

当社は、〔ビューティケア事業〕、〔ヒューマンヘルスケア事業〕、〔ファブリック&ホームケア事業〕を総称して、コンシューマープロダクツ事業としております。

 

〔ビューティケア事業〕

売上高は、前年同期に対して4.0%減の1,329億円(実質2.0%増)となりました。

化粧品の売り上げは、前年同期に対し5.5%減の530億円(実質2.2%増)となりました。2016年9月から本格的にビジネスの大改革が始まり、ソフィーナでは、販売チャネル横断で展開している「ソフィーナiP」が多くの消費者から高く評価され、アジアでの展開を開始しました。カネボウ化粧品も、新グローバルブランド「KANEBO」を日本とアジアで販売を始めました。また日本では、「suisai」などがインバウンド需要の減少の影響を受けました。海外では、中国などアジアが好調に推移しています。

スキンケア・ヘアケア製品の売り上げは、前年同期に対し3.0%減の799億円(実質1.9%増)となりました。スキンケア製品では、洗顔料の「ビオレ」が日本、アジア、米州で、また乾燥性敏感肌ケアの「キュレル」は日本、アジアで売り上げが好調でした。一方、ヘアケア製品は、競争激化の影響を受け、売り上げは前年同期を下回りました。

営業利益は、72億円(対前年同期4億円増)となりました。

 

〔ヒューマンヘルスケア事業〕

売上高は、前年同期に対して10.7%増の743億円(実質18.2%増)となりました。

フード&ビバレッジ製品では、特定保健用食品の「ヘルシア」は、高濃度茶カテキンの機能訴求を継続して強化しています。

サニタリー製品の売り上げは、前年同期を上回りました。ベビー用紙おむつ「メリーズ」が好調で売り上げを拡大しています。日本では、2016年後半から再開したマーケティング活動などにより売り上げは回復基調にあり、中国市場向けの越境Eコマースの売り上げも伸長しています。中国では、2016年から実施してきた構造改革の一環である販売ルートの変更に伴う初期配荷もあり、売り上げは大きく伸長しました。インドネシアでも、中間所得層向けの現地生産品が順調に売り上げを伸ばしています。

パーソナルヘルス製品の売り上げは、ほぼ横ばいに推移しました。オーラルケアは、高機能品が順調に推移し、売り上げは前年同期を上回りました。蒸気の温熱シート「めぐりズム」は、インバウンド需要が減少した影響で前年同期を下回りましたが、新たな需要を喚起し計画を上回りました。

営業利益は、アジアの増収効果などにより、114億円(対前年同期30億円増)となりました。

 

〔ファブリック&ホームケア事業〕

売上高は、前年同期に対して2.0%減の696億円(実質2.9%増)となりました。

日本では、ファブリックケア製品の売り上げは、前年同期を上回りました。衣料用洗剤は、臭いや目に見えない汚れへの消費者の関心に対応した抗菌・消臭の機能を持った商品が好調で、売り上げは前年同期を上回りました。柔軟仕上げ剤は、高付加価値市場がさらに活性化し、売り上げは伸長しました。ホームケア製品の売り上げは、引き続き順調に伸長しました。

アジアでは、厳しい競争環境の中、売り上げは前年同期を下回りました。

営業利益は、原材料価格の上昇やアジアでの減収の影響などにより、119億円(対前年同期10億円減)となりました。

 

ケミカル事業

売上高は、前年同期に対して14.7%増の766億円(実質17.4%増)となりました。

油脂製品では、海外で原料価格の上昇に伴う販売価格の改定に努めたことなどにより売り上げは伸長しました。機能材料製品では、日本ではインフラ関連分野の市況が回復傾向にあり、売り上げを伸ばしました。またアジアでは、中国などで自動車生産台数の増加に伴い、その関連製品の売り上げが伸びました。スペシャルティケミカルズ製品では、対象業界が回復基調にある中、情報材料関連製品の需要が伸び、売り上げは順調に推移しました。

営業利益は、売り上げが伸長したことにより、80億円(対前年同期15億円増)となりました。

(2)資産、負債及び資本の状況

(連結財政状態)

 

 

 

 

前連結会計年度末

当第1四半期

連結会計期間末

増 減

資産合計(億円)

13,383

12,706

(677)

負債合計(億円)

6,468

5,839

(629)

資本合計(億円)

6,915

6,867

(48)

親会社所有者帰属持分比率

50.8%

53.1%

-

1株当たり親会社所有者帰属持分(円)

1,379.37

1,369.43

(9.94)

社債及び借入金(億円)

1,206

1,206

(0)

 

資産合計は、前連結会計年度末に比べ677億円減少し、1兆2,706億円となりました。主な増加は、棚卸資産45億円、その他の金融資産53億円、主な減少は、現金及び現金同等物492億円、営業債権及びその他の債権308億円です。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ629億円減少し、5,839億円となりました。主な減少は、その他の流動負債442億円、未払法人所得税等192億円です。

資本合計は、前連結会計年度末に比べ48億円減少し、6,867億円となりました。主な増加は、四半期利益246億円、主な減少は、在外活動営業体の換算差額57億円、配当金238億円です。

以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の50.8%から53.1%となりました。

また、2017年3月1日に自己株式の消却900万株を、実施しました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

(連結キャッシュ・フローの状況)

 

 

 

 

第1四半期連結累計期間

増 減

2016年12月期

2017年12月期

 

(億円)

(億円)

(億円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(16)

34

50

投資活動によるキャッシュ・フロー

(173)

(285)

(111)

フリー・キャッシュ・フロー(営業活動+投資活動)

(189)

(251)

(62)

財務活動によるキャッシュ・フロー

(204)

(224)

(20)

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、34億円となりました。主な増加は、税引前四半期利益380億円、営業債権及びその他の債権の増減額283億円、減価償却費及び償却費131億円、主な減少は、未払費用を含むその他370億円、法人所得税等の支払額336億円です。

投資活動によるキャッシュ・フローは、△285億円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出211億円です。

営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、△251億円となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、△224億円となりました。主な内訳は、非支配持分への支払いを含めた支払配当金223億円です。なお、2017年3月に借入金100億円を返済し、適正な資本コスト率の維持及び成長投資のための財務基盤の強化を目的に、同額の借り入れを行いました。

当第1四半期末の現金及び現金同等物の残高は、為替変動による影響を含めて前連結会計年度末に比べ492億円減少し、2,538億円となりました。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間における研究開発費は、143億円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当社グループは、2030年までに達成したい姿として、持続的な“利益ある成長”と、事業活動を通じた社会的課題の解決や社会貢献活動による“社会のサステナビリティへの貢献”との両立により、『グローバルで存在感のある会社「Kao」』を目指します。この実現のために、強みである既存事業の一層の磐石化及び未来を創造する研究開発力を活かしたグローバル視点での新しい市場の創造を推進するとともに、より高いレベルの安全・安心を目指した基本的な活動を実践します。

世界中で起きているさまざまな変化は、スピード、大きさ、変化の方向など、あらゆる面で予見することが難しくなっています。このような状況に対処していくために、「自ら変わり、そして変化を先導する企業へ」をスローガンに、当社グループの総合力を発揮し、目標の実現を目指していきます。

2030年までに達成したい姿として、以下を掲げています。

 

グローバルで存在感のある会社「Kao」

■特長ある企業イメージ

■高収益グローバル消費財企業

・売上高2.5兆円(海外1兆円)を超える

・営業利益率17%を超える

・ROE20%を超える

■ステークホルダーへの高レベル還元

 

そして、2020年までの中期経営計画を「2030年までに達成したい姿」を実現するための重要な通過点と位置付け、企業価値の増大に向けて、2017年度から2020年度までの4ヵ年を対象とした花王グループ中期経営計画「K20」を策定し、当第1四半期連結累計期間からスタートさせました。

 

「K20」の目標 (3つのこだわり)

■特長ある企業イメージの醸成へのこだわり

生活者の気持ちにそっと寄り添える企業でありたい

■「利益ある成長」へのこだわり

・過去最高益更新の継続

・実質売上高CAGR+5%、営業利益率 15%を目指す

・売上高1,000億円ブランドを3つ

(ベビー用紙おむつ「メリーズ」、衣料用洗剤「アタック」、スキンケア製品「ビオレ」)

実質: 為替の変動・販売制度変更などの影響を除く

CAGR: 年平均成長率

■ステークホルダー還元へのこだわり

・株主: 連続増配継続 (配当性向 40%目標)

・社員: 継続的な処遇アップ、健康サポート

・顧客: Win-Winの最大化

・社会: 社会的課題への先進的取り組み

 

当社グループは、企業理念「花王ウェイ」の「基本となる価値観」の中で、創業者が遺した「正道を歩む」という言葉を掲げています。「K20」においても、この精神を大切にしながら日々の業務に取り組み、徹底した品質管理や情報管理、消費者対応、コンプライアンス遵守、高度な危機管理レベルの維持と対応などを行なっていくことで、グローバル社会で信頼を獲得することを目指します。

なお、上記に記載する経営戦略は、各国の経済、対象市場、競合他社の状況、為替変動、主要原材料の市場動向など様々な要素の影響を受けますが、現時点でそれらに重要な影響を与える事象は認識しておりません。