第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針、目標とする経営指標と中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び対処すべき課題

当社は、社是『企業を通じてよりよい社会を建設しよう』を理念とし、社会の「もっと・・・」の気持ちに応える製品(パフォーマンス・ケミカルス)の開発に取り組んでいます。

近年の日本の化学業界は、日本国内での化学品需要の減少や、新興国メーカーの台頭、欧米系の巨大化学メーカーとの規模の格差の拡大など、経営環境の厳しさが増してきております。

このような厳しい環境に対応するべく、当社グループは、2018年度から2020年度までの3年を計画期間とする第10次中期経営計画「New Sanyo for 2027」を策定しました。2027年のありたい姿「全従業員が誇りを持ち、働きがいを感じるユニークでグローバルな高収益企業に成長し、社会に貢献する」の実現に向け、“変える。”をスローガンに、以下の観点から変革に取り組み、最終年度となる2020年度に連結売上高1,800億円、連結営業利益180億円、ROE10%の達成を目指しております。

・強みをより発揮できる事業・取引へ経営リソースをシフト

・社会が進む方向を見据えた、タイムリーなソリューションの提案

・出来ることからではなく目指すビジョンからの発想へ意識改革

・柔軟で多様な考え方・働き方へのシフト

<変革に向けた取り組みの状況>

優先的に対処すべき「高収益企業への成長」に向け、以下の取り組みを実施しております。

① 収益力向上に向けた事業の見直し

不採算事業の思い切った整理を行うとともに、高付加価値製品の拡販や設備投資に積極的に取り組むことで、既存事業の収益力向上に努めています。また、原材料の購入に関しても海外グループ各社と連携し、安定かつ安価な原料調達を推進します。

② 新規事業の創出

今後成長が期待できる分野での新規事業の創出に注力しております。

エネルギーエレクトロニクス分野においては、慶応義塾大学の堀江特任教授、2018年に同教授が設立され当社も出資しているAPB株式会社(以下APB)、及びパートナー企業とともに、電極に樹脂を用いた新型リチウムイオン電池の開発に注力しています。APBでは新たに福井県に工場用地を取得し、2021年の量産化を目指します。

また、バイオ・メディカル分野においても、難治性の傷を治す人工タンパク質を開発するなど、当事業分野を新たな柱とするべく研究開発に注力しております。

加えて、新たに化粧品ビジネスにも進出しています。自社ブランド「Cheriage(シェリアージュ)」を立ち上げ、中国をマーケットに高付加価値製品の販売にチャレンジしていきます。

③ 働き方改革やダイバーシティの推進

柔軟な働き方を実現することで従業員の生産性を高めるとともに、多様な価値観を受け入れ、活かしていくことでより付加価値の高い製品を創出するべく、働き方改革やダイバーシティについての取り組みを積極的に推進しています。

働き方改革としては、より柔軟に勤務できるフレックスタイム勤務制度の拡充やテレワーク勤務(在宅勤務)制度の導入、ダイバーシティに関する取り組みとしては、女性活躍推進やLGBTに関する社内研修等を実施しています。

 

<株式会社日本触媒との経営統合の状況>

このような厳しい環境の中でも、より一層の飛躍を実現するべく、2019年11月29日の取締役会において株式会社日本触媒(以下、日本触媒)との経営統合に関する最終契約を締結いたしました。

当社の顧客の課題に応えるソリューションビジネスという強みと、日本触媒の競争力ある素材のバリューチェーンという強みを融合するとともに、更なる事業変革と競争力強化に取り組み、強みのある事業を複数保有するグローバルに存在感のある化学メーカーを目指します。

なお、本経営統合は共同株式移転方式により、統合持株会社「Synfomix株式会社」を設立し、統合後グループ全体の経営及び管理の機能を担うものとし、本経営統合の効力発生日から2年後を目処に、統合会社と当社及び日本触媒が合併することを基本方針としております。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大や原油及び石油製品相場の急落等を踏まえ、本経営統合の合意の基礎となった両社の業績等ならびに金融、経済、市場その他の事業環境の見通しが不透明となったことから、予定していた本年10月1日の設立は2021年4月1日まで延期するとともに、株式移転比率も見直すこととしております。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月22日)現在に当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

 当該リスクへの対応として、各種社内規定を定め所轄部署が管理し、内部統制委員会の指導・監督の下、内部統制部がその運用状況を評価し、リスク軽減を図る体制としております。詳細については、「第4 提出会社の状況」 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 c.損失の危険の管理に関する規定その他の体制をご参照ください。

 

(1) 経済状況

 当社グループ製品の需要は、当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。

 従って、日本、北米、欧州、アジアを含む当社グループの主要市場における景気後退等に伴い需要が縮小する場合は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替レート

 当社グループの海外における事業展開の拡大に伴い、為替レートの変動が、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が拡大しております。

 

(3) 原料価格の変動

 当社グループが使用する原料の主要部分は原油に由来しておりますが、原油価格については中東情勢・需給バランス・為替等の様々な要因により変動します。原油価格の上昇に伴う原料価格の上昇は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼします。

 

(4) 地震等の自然災害

 当社の主力工場である名古屋工場が位置する愛知県を含む東海地方は、東海地震の対象地域となっております。

 当社グループでは、地震対策として設備等の耐震構造の強化並びに生産拠点の複数化等の対策を実施しており、東日本大震災において大きな被害をもたらした液状化についても、順次、対策を実施しております。

 しかし、大地震が発生した場合には、様々な要因により生産・販売活動が停止するなど、当社グループの業績及び財務状況に大きな悪影響をもたらす恐れがあります。

 

(5) カントリーリスク

 当社グループは、米国・タイ・中国に続きマレーシアにおける生産拠点を構築するなど、海外への事業展開を拡大しております。

 このようなグローバル化の進展は、進出国における①予期しない法律または規制の変更、②政治要因による社会的混乱等を通して、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 新型コロナウイルス感染症

 当社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を防止するため、衛生管理や在宅勤務などの感染予防策を実施しておりますが、今後さらに感染が拡大した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 ①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費は緩やかな回復基調にありましたが、中国経済の減速により輸出が低迷するなど足踏み状態にありました。第4四半期以降は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、経済活動が大きく縮小するなど先行き不透明な状況にあります。一方、世界経済は、米中貿易摩擦による実体経済面への影響が続いておりましたが、第4四半期以降は、新型コロナウイルスの世界的大流行によるサプライチェーンの混乱や、外出規制による需要の蒸発などにより、危機的な状況に陥っております。

化学業界におきましては、原料価格は中東情勢の緊迫化などにより不安定な状況となり、為替相場は米国金融政策の緩和への転換などにより円高傾向にありましたが、第4四半期以降は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、原料価格の急落、為替相場の乱高下など事業環境に大きな影響が生じており、予断を許さない状況にあります。

このような環境下における当連結会計年度の売上高は、1,555億3百万円(前期比3.8%減)となりました。利益面では、売上高の減少などにより、営業利益は124億3千9百万円(前期比3.7%減)、経常利益は為替差損や持分法による投資利益の減少などにより127億4百万円(前期比16.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は76億6千8百万円(前期比43.4%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

<生活・健康産業関連分野>

生活産業関連分野は、液体洗濯洗剤用界面活性剤の販売が横ばいとなり、ポリエチレングリコールの販売が国内外ともに低調であったことから、売り上げは低調となりました。

健康産業関連分野は、主力の高吸水性樹脂が、原料価格の下落に伴い製品価格が低下しましたが、SDPグローバル(マレーシア)SDN.BHD.の本格稼働もあり、横ばいとなりました。

以上の結果、当セグメントの売上高は537億2千6百万円(前期比2.8%減)、営業利益は15億9千万円(前期比35.2%増)となりました。

 

<石油・輸送機産業関連分野>

石油・輸送機産業関連分野は、潤滑油添加剤の販売が横ばいで推移し、自動車内装表皮材用ウレタンビーズが高機能品の採用車種の増加により売り上げを伸ばしたものの、自動車シートなどに使われるポリウレタンフォーム用原料の販売が減少したため、横ばいで推移しました。

以上の結果、当セグメントの売上高は427億7千万円(前期比0.8%減)、営業利益は37億4千万円(前期比22.3%増)となりました。

 

<プラスチック・繊維産業関連分野>

プラスチック産業関連分野は、塗料コーティング用薬剤・添加剤の販売が好調に推移しましたが、主力の永久帯電防止剤、樹脂改質剤の販売を伸ばすことができず、売り上げは横ばいで推移しました。

繊維産業関連分野は、炭素繊維用薬剤が需要増により売り上げを伸ばしましたが、合成皮革・弾性繊維用ウレタン樹脂、タイヤコード糸等の製造時に使用される油剤の中国向け輸出が米中輸出関税問題の影響等を受け低調に推移したため、売り上げは大幅減となりました。

以上の結果、当セグメントの売上高は214億5千3百万円(前期比3.2%減)、営業利益は30億3百万円(前期比11.4%減)となりました。

 

<情報・電気電子産業関連分野>

情報産業関連分野は、粉砕トナー用バインダーの販売が横ばいで推移しましたが、重合トナー用ポリエステルビーズがユーザーの在庫調整により減少し、低調な売り上げとなりました。

電気電子産業関連分野は、電子材料用粘着剤の販売が好調に推移しましたが、アルミ電解コンデンサ用電解液の販売が低調に推移したことにより、売り上げは低調となりました。

以上の結果、当セグメントの売上高は209億8千5百万円(前期比7.8%減)、営業利益は29億3千7百万円(前期比26.6%減)となりました。

<環境・住設産業関連分野他>

環境産業関連分野は、高分子凝集剤の市況が引き続き低迷し、その原料であるカチオンモノマーも売り上げが伸びず、低調となりました。

住設産業関連分野は、建築シーラント用原料が、海外向け売り上げを伸ばしたものの、国内向けが低調に推移し、家具・断熱材などに用いられるポリウレタンフォーム用原料も売り上げが減少したため、低調な売り上げとなりました。

以上の結果、当セグメントの売上高は165億6千7百万円(前期比9.3%減)、営業利益は11億6千6百万円(前期比9.8%減)となりました。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

14,603

17,232

2,629

投資活動によるキャッシュ・フロー

△11,312

△11,115

197

財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,492

△7,084

△5,592

現金及び現金同等物に係る換算差額

△24

△173

△149

現金及び現金同等物の増減額

1,773

△1,141

△2,914

現金及び現金同等物の期末残高

19,151

18,009

△1,141

 

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末残高と比較し11億4千1百万円減少し、180億9百万円となりました。

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は、172億3千2百万円(前期は146億3百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益110億8百万円、減価償却費91億5千9百万円などによる資金の増加が、法人税等の支払額53億5百万円などによる資金の減少を上回ったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は、111億1千5百万円(前期は113億1千2百万円の減少)となりました。これは、固定資産の取得に81億9千4百万円を支出したことなどによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は、70億8千4百万円(前期は14億9千2百万円の減少)となりました。これは、配当金の支払い29億7千3百万円借入金の減少22億8千2百万円(純額)による資金の減少などによるものです。

 ③生産、受注及び販売の実績

 

(a)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

前期比

(%)

金額(百万円)

生活・健康産業関連分野

55,015

△6.5

石油・輸送機産業関連分野

42,927

△1.3

プラスチック・繊維産業関連分野

19,367

△2.9

情報・電気電子産業関連分野

24,347

△7.4

環境・住設産業関連分野他

16,282

△9.3

合計

157,940

△5.1

(注)1.生産金額は、平均販売価格により計算しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.生産実績には委託生産品(商品仕入高)を含んでおりません。

 

(b)受注実績

当社グループ(当社及び連結子会社)は、受注生産方式ではなく、主として見込生産を行っております。

 

(c)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

前期比

(%)

金額(百万円)

生活・健康産業関連分野

53,726

△2.8

石油・輸送機産業関連分野

42,770

△0.8

プラスチック・繊維産業関連分野

21,453

△3.2

情報・電気電子産業関連分野

20,985

△7.8

環境・住設産業関連分野他

16,567

△9.3

合計

155,503

△3.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及びその総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

豊田通商㈱

18,045

11.2

15,355

9.9

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 ①経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は原料価格下落に伴う製品価格改定などにより、1,555億3百万円(前期比3.8%減)となりました。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

 売上原価は、前期比54億4百万円減少し、売上原価率も前連結会計年度の78.1%から77.6%へ0.5ポイント減少しました。

 販売費及び一般管理費は、前期比2億1千万円減少し、対売上高比率は前連結会計年度の13.9%から14.4%へ0.5ポイント増加しました

 研究開発費は、前期比2億4千7百万円減少し、対売上高比率は前連結会計年度の3.4%から増減はありませんでした。

(営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

 営業利益は、売上高の減少などにより124億3千9百万円(前期比3.7%減)となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度の8.0%から増減はありませんでした

 経常利益は、為替差損や持分法による投資利益の減少などにより、127億4百万円(前期比16.4%減)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は76億6千8百万円(前期比43.4%増)となりました。

 

 ②財政状態の分析

(流動資産)

 流動資産は、受取手形及び売掛金が62億6千8百万円、現金及び預金が11億4千1百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて92億1千7百万円減少し、858億3千5百万円となりました。

 

(固定資産)

 固定資産は、投資有価証券が61億6千2百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて55億3千9百万円減少し、930億3千8百万円となりました。

 

(流動負債)

 流動負債は、買掛金が48億3百万円、電子記録債務が25億2千9百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて97億5千7百万円減少し、427億6千6百万円となりました。

 

(固定負債)

 固定負債は、長期借入金が14億円、繰延税金負債が12億8千6百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて24億7千3百万円減少し、60億9百万円となりました。

 

 流動資産から流動負債を差し引いた運転資本は430億6千9百万円、流動比率は200.7%となりました

(純資産)

 純資産は、前連結会計年度末に比べ25億2千5百万円減少し、1,300億9千7百万円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末の66.8%から4.6ポイント増加し71.4%となりました。また、1株当たり純資産は、前連結会計年度末の5,868.58円から5,789.88円と78.70円減少しました。

 

 

 ③資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループは付加価値の高いパフォーマンス・ケミカルス(=機能化学品)の製造・販売を通じて、一定水準の営業キャッシュ・フローを毎期、安定して計上しています。

 パフォーマンス・ケミカルスは、新興国の生活水準向上等による海外需要が増加しており、当社グループでは「グローバル化」を重要施策と位置付け、最近ではマレーシア・タイ・韓国等における製造拠点新設や設備増強を図っています。

 グループ会社の資金については当社にて一元管理しており、必要に応じて当社より資金を融通しております。投資資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フローや金融機関からの借入による調達を基本としており、今後についても同様の方針で取組む予定です。

 当社では、グループ内の資金効率化の推進により有利子負債削減に努めています。また、事業運営に必要な流動性確保に努めながら、投資計画の妥当性を考慮した資金活用を判断することで、財務体質の維持や向上に繋げていく所存です。

 

 ④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2018年度から2020年度までの3年を計画期間とする第10次中期経営計画を策定し、最終年度となる2020年度の目標として連結売上高1,800億円、連結営業利益180億円、ROE10%を掲げております。

 第10次中期経営計画の2年目である当連結会計年度の売上高は、1,555億3百万円(前期比3.8%減)、営業利益は、124億3千9百万円(前期比3.7%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に計上した当社連結子会社であるSDPグローバル(マレーシア)SDN.BHD.における減損損失の計上等による特別損失が減少したため、76億6千8百万円(前期比43.4%増)となり、ROEは6.0%(前期比1.9ポイント増)になりました。

 第10次中期経営計画の3年目である2020年度につきましては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大による世界経済の停滞、自動車産業をはじめとした各種製造業の稼働停止による需要の減少などにより、厳しい環境となることが予想されることから、引き続き中期経営計画の目標値から下振れして推移することを想定しております。

 

 ⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。当社が採用しております会計方針の内、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況」の 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項に記載しておりますのでご参照ください。

 

4【経営上の重要な契約等】

技術供与

契約会社名

契約先

契約品目

契約内容

契約期間

三洋化成工業

株式会社

(当社)

GC Polyols Co., Ltd.(タイ)

ウレタンフォーム・

接着剤等用ポリオール

1.技術情報の提供

2.製造権及び販売権の許諾

2017年9月8日

から別途解約

されるまで

 

当社

 

APB株式会社

バイポーラ型リチウム

イオン全樹脂電池

1.技術情報の提供

2.開発権、製造権、販売権の許諾

2020年3月31日

から全ての本件

特許の存続期間が満了する日まで

 

合弁事業契約

契約会社名

契約先

内容

合弁会社名

契約締結日

当社

PTT Global Chemical Public Company Ltd.(タイ)

豊田通商株式会社

タイにおけるポリオール事業の合弁に関する契約

GC Polyols Co.,Ltd.

2017年8月25日

当社

孫 勁鎬(韓国)

アクルーブ生産拠点新設に伴う合弁事業契約

韓国三洋化成製造

株式会社

2018年6月13日

 

(当社と株式会社日本触媒との共同株式移転による経営統合に関する最終契約締結について)

当社及び株式会社日本触媒(以下、「日本触媒」といいます。)は、2019年5月29日付「株式会社日本触媒と三洋化成工業株式会社の経営統合の検討に関する基本合意書締結のお知らせ」で公表いたしましたとおり、相互信頼と対等の精神に則って、両社の経営統合に向けた詳細な検討と協議を進めてまいりました。2019年11月29日付で、両社はそれぞれの臨時取締役会において、共同株式移転の方式により両社の親会社となる「Synfomix株式会社」を設立し経営統合を行うことを決議し、両社間で対等の精神に基づいた最終契約(以下、「本最終契約」といいます。)を締結しました。本経営統合は、国内外の競争当局の承認を前提とするものであり、本最終契約においては、両社が本株式移転に係る株式移転計画書(以下、「本株式移転計画書」といいます。)を作成し、両社の2020年6月開催の定時株主総会において本株式移転計画書の承認を受けた上で行われる予定となっておりました。

2020年4月13日、両社はそれぞれの臨時取締役会において、本経営統合の延期および本最終契約において合意した株式移転比率の見直しを行うことを決議し、本最終契約に関する覚書を締結いたしました。詳細につきましては、「第5 経理の状況」 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)に記載しております。

 

本最終契約の概要は次のとおりであります。

 

(1)本経営統合の目的

本経営統合により、販売・製造・研究等の機能におけるそれぞれの強みを持ち寄り、経営資源を結集、経営基盤を拡大し、両社がそれぞれに培ってきた企業文化と経営戦略を活かしつつ、さらなる事業変革・競争力強化を実現することで、強みのある事業を複数保有する、グローバルに存在感のある化学メーカーを目指します。その上で、様々な可能性を掛け合わせ、未知の領域へ常に挑戦し、革新的でユニークな価値を生むことで、生活のあらゆる場面を豊かにし、未来のため持続可能な社会の創造へ貢献することを目指して参ります。

 

(2)本株式移転の方式

両社を株式移転完全子会社、新規に設立する統合持株会社を株式移転完全親会社とする共同株式移転となります。

 

(3)本株式移転の日程

「第5 経理の状況」 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)をご参照ください。

 

(4)本株式移転に係る割当ての内容(株式移転比率)

本株式移転における本株式移転比率は、両社で誠実に協議・検討の上、両当事者が別途合意する時期を目途に決定する予定です。

 

(5)本株式移転に係る割当ての内容の根拠及び理由

有価証券報告書提出日時点では確定しておりません。

 

(6)本株式移転により新たに設立する会社(株式移転設立完全親会社・持株会社)の概要(予定)

商号

Synfomix株式会社(英文:Synfomix Co., Ltd.、読み:シンフォミクス)

主な本社機能所在地

本社機能は大阪市及び東京都23区内に置くものとし、本効力発生日においては以下を本社機能所在地とします。

大阪本社       大阪市中央区高麗橋四丁目1番1号

東京本社       東京都千代田区内幸町一丁目2番2号

本店所在地

京都市東山区一橋野本町11番地の1

代表者

代表取締役会長 安藤 孝夫

(現 三洋化成 代表取締役社長 執行役員社長)

代表取締役社長 五嶋 祐治朗

(現 日本触媒 代表取締役社長)

事業内容

化学製品、パフォーマンス・ケミカルスの製造、販売等の事業及び当該事業を営む子会社等の経営管理並びにそれに附帯又は関連する業務

資本金

28,000百万円

純資産(連結)

未定

総資産(連結)

未定

決算期

3月31日

 

本経営統合の詳細については、2019年11月29日付ニュースリリース「株式会社日本触媒と三洋化成工業株式会社との共同株式移転による経営統合に関する最終契約締結のお知らせ」および2020年4月13日付ニュースリリース「株式会社日本触媒と三洋化成工業株式会社との共同株式移転による経営統合の延期および株式移転比率の見直しに関するお知らせ」をご参照ください。

(参考URL:https://www.sanyo-chemical.co.jp/archives/4639)

(参考URL:https://www.sanyo-chemical.co.jp/archives/5308)

 

(連結子会社株式の追加取得による完全子会社化)

2019年11月29日開催の臨時取締役会において、豊田通商株式会社(本社:名古屋市中村区、社長:貸谷伊知郎)が保有する、当社の連結子会社であるSDPグローバル株式会社の株式30%を全て取得することを決議し、同日に株式譲渡契約を締結いたしました。また、株式譲渡後(2020年3月31日)、当社と豊田通商株式会社で締結しておりました「高吸水性樹脂事業の合弁に関する契約」は解消されました。

なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況」 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)に記載しております。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、パフォーマンス・ケミカルス(機能化学品)を通じて社会に貢献することを基本方針として、基盤となる技術の深耕、新製品開発ならびに顧客への対応力の強化等、積極的な研究開発活動を行っております。

当社グループの研究開発は、事業研究第一本部、事業研究第二本部、研究業務本部、研究企画開発部、潤滑油添加剤事業本部の研究部、画像材料事業本部の研究部、バイオ・メディカル事業本部の研究部、経営企画本部のBeauty & Personal Care部の研究グループ、事業企画本部のエネルギー事業推進部の研究開発グループ及びプロセス開発グループ、及び連結子会社のサンノプコ㈱の研究本部、サンアプロ㈱の研究所で推進しており、研究開発人員数はグループ全体で419名であり、これは当社グループ全人員の約五分の一に当たります。

当連結会計年度における研究開発の成果の1つとして、次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発を行うAPB株式会社に、非自動車用途における全樹脂電池の開発、製造及び販売を行う権利を許諾する実施許諾契約を締結したことがあげられます。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は5,322百万円であり、各セグメントの主な研究開発成果は次のとおりであります。

 

(1) 生活・健康産業関連分野

本分野では、生活に密着した日用品向けの多様なニーズにきめ細かく対応するシャンプー基材や洗剤用の界面活性剤応用製品、紙オムツ用高吸水性樹脂、臨床検査試薬キットならびに医療用機材などの製品を開発しております。主な成果としては高吸水性樹脂「サンウェット」でヨウ素移動重合を用いて吸水性能を改良した新製品を上市したこと、非常に優れた保湿性をもつラメラゲルネットワークを形成するスキンケア用ノニオン界面活性剤の「アルファピュールHSG」を開発したこと、外科用止血シーラント「AQUABRID」(日本での承認名:マツダイト)が医療機器CEマーキングを取得し10月より欧州で発売となったこと、機能性たんぱく質「シルクエラスチン」を用いた「革新的タンパク質シルクエラスチンを用いた創傷治癒材の開発及び事業化」がAMED 医工連携事業化推進事業に採択されたことなどがあげられます。当連結会計年度における当分野に係る研究開発費は1,074百万円であります。

 

(2) 石油・輸送機産業関連分野

本分野では、自動車シートクッション用ポリウレタンフォーム原料、潤滑油・燃料油の添加剤など自動車関連の化学品ならびに切削油といった金属加工用薬剤のベース基材などの製品を開発しております。主な成果としては、低温特性を改良した粘度指数向上剤が国際規格「ILSAC GF-6」のエンジン用潤滑油に採用されたこと、当社従来品より粘度指数を向上させた新組成の粘度指数向上剤が日系自動車メーカー並びに韓国自動車メーカーの駆動系潤滑油に採用されたことなどがあげられます。当連結会計年度における当分野に係る研究開発費は1,175百万円であります。

 

(3) プラスチック・繊維産業関連分野

本分野では、電子部品搬送トレーなどに使用される永久帯電防止剤、樹脂用の顔料分散剤、モデル用合成木材といったプラスチック関連製品ならびに化学繊維やガラス・炭素繊維などの各種繊維用の薬剤などを開発しております。主な成果としては、帯電防止剤「ペレスタット」シリーズについて、ポリエチレン系樹脂に対する相溶性を向上させた食品包装用のポリエチレン系樹脂フィルムに適用可能な「ペレスタットLM230」を開発したこと、樹脂改質剤「ユーメックス」シリーズでは、低温焼き付けバンパープライマー原料として「ユーメックス5600」を開発したこと、肌理の細かさと安定した品質で定評のあるウレタン系合成木材「サンモジュール」シリーズの自動車モデル、検査治具、および真空成形用の型への採用が米国中心に広がっていることなどがあげられます。当連結会計年度における当分野に係る研究開発費は1,205百万円であります。

 

(4) 情報・電気電子産業関連分野

本分野では、複写機やプリンター用のトナーバインダー、電子部品製造用の工程薬剤、コンデンサ用電解液など情報・電気電子産業に使用される製品を開発しております。主な成果としては、耐熱性に優れ、柔軟性の高い車載ディスプレイ向けのナノインプリント用UV硬化樹脂を開発したこと、LEDの長波長化に対応し、395~405nmに対して高感度、高溶解な光酸発生剤を開発したことなどがあげられます。当連結会計年度における当分野に係る研究開発費は1,396百万円であります。

 

(5) 環境・住設産業関連分野他

本分野では、環境浄化用の水処理薬剤、住宅用断熱材に用いられるポリウレタンフォーム原料、建築シーラント原料などの製品を開発しております。主な成果としては、植物の育成を阻害することなく農家の省力化や水資源の有効活用をはかるために開発した土壌保水剤「サンフレッシュGT-1」の採用が広がっていることなどがあげられます。当連結会計年度における当分野に係る研究開発費は469百万円であります。