第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度(平成27年4月~平成28年3月)のわが国経済は、雇用情勢が改善し設備投資も増加するなど、

緩やかな回復基調が続いております。一方で、資源国や中国を始めとするアジア新興国の景気減速など、海外の懸

念材料が景気を下押しするリスクも存在しております。

 化学業界におきましては、基礎原料ナフサ価格は低水準で推移していますが、中東情勢の混迷、資源国や新興国

経済の減速懸念など、先行き不透明な状況が続いております。

 このような状況のもと、当社グループは、平成27年4月1日から5ヵ年となる新中期経営計画「REACT1000

-飛躍への行動を-」をスタートさせました。国内の新拠点として、四日市第三コンビナート内に新たに建設した

霞工場が12月に本格稼動し、電子材料、土木用薬剤を中心に増産体制が整いました。今後はマーケットの動きを見

ながら充実を図り、当社グループの母なるマザー工場、あるいは、考えるスマート工場と位置づけ、生産、研究開

発、営業を連携させる重要な拠点に仕上げてまいります。また、海外の新拠点として、増収に向け海外売上高比率

を高めるため、10月にはシンガポールに現地法人を設立しました。さらに、霞工場の竣工の日から「第三の創業期

」が始まったと捉え、新素材の早期事業化や異業種との連携を進め、資金と時間の効率化を図り、安定した成長の

いしずえを築いてまいります。

 当連結会計年度の業績といたしましては、夏場以降、中国を始めとするアジア新興国の景気の減速感が強まり、

また、『電子デバイス材料』の主力商品である太陽電池用途の導電性ペーストは、国内の需要が激減するなど、当

連結会計年度の売上高は527億82百万円(前年同期比5.1%減)となりました。

 損益面につきましては、営業経費は増加しましたが、『界面活性剤』、『機能材料』のIT・電子用途の新たな

高付加価値品の売上高が大幅に伸長しましたことに加え、原材料価格が低水準で推移しましたことから、営業利益

は34億39百万円(前年同期比16.8%増)となりました。また、持分法による投資利益の増加はありましたが、支払

利息の増加や為替差益の減少などにより営業外収支が悪化し、経常利益は32億円(前年同期比17.8%増)となりま

した。これに固定資産の減損損失や税金費用を差し引きました結果、親会社株主に帰属する当期純利益は21億98百

万円(前年同期比23.4%増)となりました。なお、各利益ともいずれも2期連続で過去最高益となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 

  [界面活性剤]

 界面活性剤の売上高は、総じてやや低迷しました。

 国内では、IT・電子用途の活性剤は大幅に伸長し、トイレタリー用途の活性剤は好調に推移しましたが、ナフ

サ価格の下落の影響を受けゴム・プラスチック用途の活性剤はやや低迷し、機械・金属用途の活性剤は低迷しまし

た。石鹸・洗剤用途の活性剤は顕著に落ち込みました。

 海外では、繊維用途の活性剤は順調に推移しました。

 その結果、当セグメントの売上高は207億79百万円(前年同期比3.7%減)、営業利益は21億90百万円(前年同期

比36.3%増)となりました。

 

    [アメニティ材料]

 アメニティ材料の売上高は、総じて伸長しました。

 国内では、ショ糖脂肪酸エステルは食品用途がやや低調に推移しましたが、医薬品用途は堅調に推移しました。

セルロース系高分子材料は飼料用途及び食品用途が低調に推移しましたが、医薬品用途は好調に推移しました。

 海外では、ショ糖脂肪酸エステルは香粧品用途及び食品用途が順調に推移しました。

 その結果、当セグメントの売上高は72億8百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は4億9百万円(前年同期

比126.4%増)となりました

 

  [ウレタン材料]

 ウレタン材料の売上高は、総じて低迷しました。

 フロン規制に関連する環境配慮型の合成潤滑油は、販売数量は伸長しましたが、売上高がナフサ価格の下落の影

響を受け低調に推移し、土木用薬剤は公共工事の減少により大きく落ち込みました。

 その結果、当セグメントの売上高は89億34百万円(前年同期比5.4%減)、営業利益は2億30百万円(前年同期

比21.5%減)となりました。

 

[機能材料]

 機能材料の売上高は、総じて堅調に推移しました。

 国内では、難燃剤はゴム・プラスチック用途が大きく落ち込みましたが、水系ウレタン樹脂は繊維用途が好調に

推移し、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が大幅に伸長しました。

 海外では、水系ウレタン樹脂はIT・電子用途が低迷しました。

 その結果、当セグメントの売上高は112億59百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益は6億73百万円(前年同期比12.2%減)となりました。

 

[電子デバイス材料]

 電子デバイス材料の売上高は、総じて顕著に落ち込みました。

 射出成形用ペレットは伸長しましたが、太陽電池用途の導電性ペーストは顕著に落ち込みました。

 その結果、当セグメントの売上高は46億円(前年同期比29.3%減)、営業損失は65百万円(前年同期は94百万円

の利益)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて23億81百

万円減少し、94億1百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

 営業活動の結果、得られた資金は、41億97百万円(前年同期は23億22百万円)となりました。これは、仕入債務の減少11億3百万円(前年同期は1億65百万円の減少)、法人税等の支払5億59百万円(前年同期は8億2百万円)などにより資金が減少したのに対し、税金等調整前当期純利益30億54百万円(前年同期は27億13百万円)、減価償却費20億87百万円(前年同期は21億53百万円)などにより資金が増加したことによるものです。

 

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

 投資活動の結果、使用した資金は、76億87百万円(前年同期は32億29百万円)となりました。これは、台湾の連結子会社である晋一化工股份有限公司における新たな工業用地の取得や四日市霞工場の建設など有形固定資産の取得78億29百万円(前年同期は30億45百万円)などにより資金が減少したことによるものです。

 

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

 財務活動の結果、調達した資金は、11億54百万円(前年同期は34億8百万円)となりました。これは、長期借入金の返済36億4百万円(前年同期は34億17百万円)、配当金の支払4億74百万円(前年同期は2億98百万円)などにより資金が減少したことに対し、長期借入金の新規借入50億円(前年同期は73億円)、短期借入金の純増加額6億20百万円などにより資金が増加したことによるものです。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

界面活性剤(百万円)

15,507

93.2

アメニティ材料(百万円)

6,133

100.7

ウレタン材料(百万円)

6,199

87.2

機能材料(百万円)

6,799

107.5

電子デバイス材料(百万円)

4,357

69.6

合計(百万円)

38,997

91.9

 (注)1.生産実績の金額は平均販売価格で表示しております。

        2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当社グループは、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

界面活性剤(百万円)

20,779

96.3

アメニティ材料(百万円)

7,208

105.1

ウレタン材料(百万円)

8,934

94.6

機能材料(百万円)

11,259

100.4

電子デバイス材料(百万円)

4,600

70.7

合計(百万円)

52,782

94.9

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 中期経営計画「REACT1000-飛躍への行動を-」の初年度である第152期は、原油価格の下落と円安が一服した経済環境により、年初から潮目が変わるかのような不安定な動きとなっております。中国経済の減速に加えて、為替が円高方向に向かうなど、企業家心理にも悪化懸念が出始めております。

 

 この事業環境を乗り切るため、昨年に引き続き、原材料の安定的な購入と総経費の節減に努めました。また、既存製品の拡販体制を強化すると共に、当社技術を生かした「電子材料向け素材」や「セルロースナノファイバー」など新製品による市場開発にも積極的に取り組みました。当社成長のいしずえとなる四日市新拠点は、第一次計画設備が昨年12月に商業生産を開始しました。また、今後の海外展開の新たな拠点として昨年10月にはシンガポールに新会社を設立しました。

 

 会社の対処すべき課題は、3点です。第一は、売上拡大の取り組みを加速させることです。2020年3月末までに750億円の売上高を実現する体制を構築します。第二は、昨年12月に商業生産を開始した霞工場について、マザー工場化の加速と充実を図ることです。グループの拠点となるマザー工場として全社的な生産性の向上を進めます。第三は、シンガポールに新たに設立した新会社を起点として国際展開に取り組みます。売上における海外比率20%以上を目指します。

 コーポレートガバナンスの一層の充実を図るために、今後も継続して課題を明確にして取り組んでまいります。

 

 「京都から、世界へ未来へ。」と志した当社成長戦略を確実に軌道に乗せるために次の取り組みを展開します。

①5ヵ年経営計画として策定した「REACT1000」を飛躍に向かって着実に遂行する為の体制を構築します。

②成長戦略を確実とする為の新規の素材や事業の育成を加速させます。

③飛躍を担う後継者の育成の為に、新たな人事制度の導入や国内外の留学制度を充実させ、実施します。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

 なお、これらのものは、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれに限られるものではありません。

①原材料の市況変動

 当社グループの製品は、石油化学製品系の原材料を使用していることが多いことから、原油・ナフサ価格の高騰による主要原材料の価格の上昇は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

②為替の変動

 当社グループは、中国などのアジアを中心に生産拠点や販売拠点を設立するなど、積極的な海外展開を行っております。在外連結子会社等の財務諸表の円換算額や外国通貨建取引において為替予約等によりリスクを軽減させる措置を講じておりますが、いずれの場合にも為替相場の大幅な変動により経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

③中国を中心とするアジア経済の変動

 当社グループは、グローバルな海外活動を行うために、中国などのアジアにおいて生産拠点や販売拠点を設立するなど、積極的な海外展開を行っております。このような海外展開において、予期し得ないような外国の法律・規則の変更、産業基盤の不安定性、人材確保の困難性などを含め、常に経済的、社会的なリスクが存在しますが、これらが顕在化することによって、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

④特有の法的規制等に係る課題

 法規制あるいは当局の法令解釈が従来よりも厳しくなること等により、当社グループの事業が制限を受ける可能性またはこれらの法規制に適合するために当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

⑤大規模地震等の自然災害

 当社グループは、日本レスポンシブル・ケア協議会に加盟し、環境・安全問題を経営の重要課題のひとつとして、地球温暖化防止対策、産業廃棄物の削減、化学物質の適正管理、労働安全衛生の向上を4つの柱にして環境保護活動に取り組んでいます。しかし、大規模地震等の大きな自然災害が発生した場合には、生産活動や原料搬入・製品搬出などが中断させられる可能性があります。これらが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、工業用薬剤メーカーとして、産業の化学化にこたえる存在感のある企業であり続けることを経営理念とし、積極的な研究活動を行っております。

 当連結会計年度は、電池材料やトンネル工事用の岩盤固結剤の開発、糖誘導体事業の増強と既存事業の周辺領域における製品改良並びに高付加価値付与品の研究開発に注力し、出願した特許は141件であります。これらの研究開発に要した費用の総額は23億80百万円で、これは売上高の4.5%にあたります。

 各セグメント別の研究の狙いと当連結会計年度の主な研究開発成果は次のとおりであります。

(1)界面活性剤

 従来から注力している水生生物毒性に配慮した環境対応型界面活性剤の市場開発に加え、「環境と高機能化」をキーワードに高付加価値製品の研究開発に取り組んでおります。

 当連結会計年度の成果として、様々な産業分野でエネルギーコスト削減やVOC(揮散有機化学物質)削減に繋がる工程薬剤、樹脂分野向けを中心とした反応性乳化剤や糖誘導体、電子・情報機器関連材料分野向けの洗浄剤、表面処理剤の開発を実施しました。また、海外の関係会社(中国、インドネシア)に対しては、繊維分野を中心に化成品分野全般の機能加工薬剤の技術支援を行なうとともに、協力して塗料・粘着剤分野向け添加剤の開発を実施しました。
 なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は6億76百万円であります。

(2)アメニティ材料

 食品、医薬・香粧品、トイレタリーをはじめ、水畜産、土木、農業、脱臭等の産業分野を対象に、生活関連工業密着型の素材提供と機能を追究するための研究開発を進めております。
 当連結会計年度の成果として、食品分野では、各種用途に適したショ糖脂肪酸エステルおよび配合製剤の応用開発検討に取り組みました。また、東南アジア、中国などの飲料・菓子分野などを中心とした市場開発支援も行いました。カルボキシメチルセルロースナトリウムについては、リチウムイオン電池向け分散剤の開発に注力し、新たな製品を創製しました。セルロースナノファイバーについては、ボールペンインク用途で世界初の実用化に成功し、経済産業省から支援を得て建設した実証設備で商業生産を開始しました。

 なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は4億46百万円であります。

(3)ウレタン材料

 社会的及び顧客ニーズである「地球環境や資源・エネルギー及び健康に配慮した高機能性を有するウレタン材料」に重点を置き、研究開発に取り組んでおります。
 当連結会計年度の成果として、機能性ウレタン分野では、長期難燃性、信頼性に優れた高機能性電気絶縁材料、水フィルター用接着剤、無溶剤型の防水材及び弾性舗装材用ウレタンプレポリマー、鋼管やコンクリート保護塗料としての重防食塗料、そして含水ゲル化材、次に、フォーム分野では温暖化ガスの排出量削減に寄与するノンフロン及び水発泡断熱材用ポリオールやシステムなどの開発を実施しました。

 なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は2億95百万円であります。

(4)機能材料

 VOCを主とした環境リスクや省エネルギーに配慮した水系ウレタン樹脂、光(紫外線・電子線)硬化性樹脂と難燃剤をはじめとした樹脂添加材料の研究開発を進めております。
 当連結会計年度の成果として、自動車、家電、建築等への塗料・接着材料、フィルム、金属等へのコーティング材料及びフィラ―、繊維等へのバインダー材料としての水系ウレタン樹脂の応用開発、液晶テレビ等フラットパネルディスプレイ表示部材用途等をはじめとする電子材料分野、及び、プラスチック・建材(木材)等への意匠性を付与する機能性塗料・コーティング用途に用いられる紫外線硬化樹脂材料用モノマー及び機能性オリゴマーの開発を実施しました。また、発泡ポリスチレン用の環境に配慮した次世代の難燃剤への移行について本格的に販売を開始しました。既存品においては、増加する需要への供給体制強化や製造コスト削減などに取り組みました。

 なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は4億85百万円であります。

(5)電子デバイス材料

 エネルギーデバイス及びディスプレーデバイスに関する新規デバイス及び材料を中心に研究開発を進めております。
 当連結会計年度の成果として、安全性に優れたリチウム電池の開発を進め実用化を図っております。リチウム電池材料については、新規電極、ポリマー型電解液を開発し、実用化に向けて検討をさらに進めております。また、低粘度で高イオン導電性を示すイオン液体の開発は、エネルギー分野・電子材料分野でのアプリケーションに向けてさらなる技術開発及び市場開拓を促進しております。
 なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は4億76百万円であります。

 

 なお、上記の金額には消費税等は含まれておりません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5  経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているため省略しております。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 夏場以降、中国を始めとするアジア新興国の景気の減速感が強まり、また、『電子デバイス材料』の主力商品である太陽電池用途の導電性ペーストは、国内の需要が激減するなど、当連結会計年度の売上高は527億82百万円(前年同期比5.1%減)となりました。

 損益面につきましては、営業経費は増加しましたが、『界面活性剤』、『機能材料』のIT・電子用途の新たな高付加価値品の売上高が大幅に伸長しましたことに加え、原材料価格が低水準で推移しましたことから、営業利益は34億39百万円(前年同期比16.8%増)となりました。また、持分法による投資利益の増加はありましたが、支払利息の増加や為替差益の減少などにより営業外収支が悪化し、経常利益は32億円(前年同期比17.8%増)となりました。これに固定資産の減損損失や税金費用を差し引きました結果、親会社株主に帰属する当期純利益は21億98百万円(前年同期比23.4%増)となりました。なお、各利益ともいずれも2期連続で過去最高益となりました。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 わが国経済は、雇用情勢が改善し設備投資も増加するなど、緩やかな回復基調が続いております。一方で、資源国や中国を始めとするアジア新興国の景気減速など、海外の懸念材料が景気を下押しするリスクも存在しております。

 化学業界におきましては、基礎原料ナフサ価格は低水準で推移していますが、中東情勢の混迷、資源国や新興国経済の減速懸念など、先行き不透明な状況が続いております。

(4)経営戦略の現状と見通し

 当社グループを取り巻く経済環境は、緩やかな回復基調が続いておりますが、中国経済の減速に加えて、為替が円高方向に向かうなど、下振れの懸念が顕在化しつつあります。

 このような状況のもと、この事業環境を乗り切るため、昨年4月にスタートさせた中期経営計画「REACT1000-飛躍への行動を-」の推進を加速します。昨年12月に商業生産を開始した霞工場についてマザー工場化の加速と充実を図ります。また、グループの拠点となるマザー工場として全社的な生産性の向上を進めます。さらにシンガポールに新たに設立した新会社を起点として国際展開に取り組み、売上における海外比率20%以上を目指してまいります。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金状況は、営業活動の結果得られた資金では、41億97百万円となりました。これは、仕入債務の減少11億3百万円、法人税等の支払5億59百万円などにより資金が減少したのに対し、税金等調整前当期純利益30億54百万円、減価償却費20億87百万円などにより資金が増加したことによるものです。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループは中期経営計画「REACT1000 -飛躍への行動を-」を平成27年4月より5ヵ年計画としてスタートしました。REACTには、“互いに・すばやく・応えながら・力強く“行動するという意味を込めました。この実行により、「工業用薬剤メーカーとして産業の化学化にこたえる存在感のある企業であり続け」売上高1,000億円企業への歩みを進めます。グループを取り巻く経営環境は厳しい面もありますが、新たな目標の達成に向けて取り組んでまいります。

  ①連結売上高 750億円以上

  ②連結売上高営業利益率 8.0%以上

  ③連結当期純利益 36億円以上

  ④連結ROE 10.0%以上

  ⑤連結海外売上比率 20.0%以上

 

  新中期経営計画「REACT1000 –飛躍への行動を-」では、以下の経営方針を掲げて取り組んでまいりま

す。

 

(経営方針)

① 新しい企業価値の創造

  保有資産の産み出す業績と株式時価総額の最大化に努めます。

② 誰にもわかる企業像づくり

  企業イメージの認知度の向上を図ります。

③ さらなるガバナンスの深化

  企業統治に意を用い経営の効率化に取り組みます。

④ 適切なROE水準の維持と向上

  中長期を展望したROE指標を意識します。

⑤ 協調による優位性の構築

  取引先、大学、団体などと連携し材料と技術の開発を進めます。

⑥ マザー工場の加速と充実

  四日市複合基地構想を柱に全社的な生産性の向上を図ります。

 

(免責・注意事項)

 本計画に記載されている当社の現在の計画、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の実績等

に関する見通しであり、リスクや不確定な要因を含んでおります。そのため、実際の業績につきましては、一般

的経済状況、製品需給や市場価格の状況、市場での競争の状況、為替の変動等のさまざまな要因により、これら

見通しと大きく異なる結果となることがあり得ます。

 従って、当社として、その確実性を保証するものではありませんので、ご承知おきください。