文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、創業以来『品質第一、原価逓減、研究努力』の3つの社訓を経営の規範として会社を運営してまいりました。創業者は『品質第一』と『原価逓減』が、「より良い製品を、より安価に、お客様に提供することが会社隆昌の基本」であり、この「2つの社訓を実現する原動力となるのは不断の研究活動である」と3つ目の『研究努力』を説いています。これら3つの創業精神に則り、以下の素材で区分した6つのセグメント別の連結事業運営を行っております。
①非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤を中心とする『界面活性剤』
②セルロース系高分子材料、ショ糖脂肪酸エステル、アクリル系高分子材料及びビニル系高分子材料を中心とする『アメニティ材料』
③ポリエーテルポリオール及びウレタンプレポリマーを中心とする『ウレタン材料』
④光硬化樹脂用材料、難燃剤及び水系ウレタン樹脂を中心とする『機能材料』
⑤導電性ペースト及び射出成形用ペレットを中心とする『電子デバイス材料』
⑥健康補助食品を中心とする『ライフサイエンス』
安定的な収益を生み出すための企業体質強化の取り組みを継続します。その一方で、「京都から、世界へ未来へ。」と飛躍を志した当社グループの成長戦略を確実に軌道に乗せるための諸施策を、全社員が一丸となり確実に実行し、新たな会社の歴史を作ります。
3つの社訓『品質第一、原価逓減、研究努力』を礎に、社是「産業を通じて、国家・社会に貢献する」の実現に努めてまいります。
(2)経営戦略等
中期経営計画「FELIZ 115」では、以下の経営方針を掲げて取り組んでいます。
①2030年の業績は、アクチャル(既存)、ネクスト(周辺)、ドリーム(新規)が各1/3となる事業構成を目指します。アクチャルの質的充実、ネクストの拡大増強、ドリームの開発・育成を図ります。
②計画的設備投資の結果である総資産を最大活用し、年間売上高に匹敵する総資産回転率1.0を目標とします。製品別管理と並行して、顧客別のマーケティングを強化します。
③営業、研究、生産、管理の本部制を敷き、経営資源の最適配分を行います。貢献に報いる業績評価体系により、社員幸福度経営を実践します。企業を取り巻く4つのステークホルダーの期待に応え、企業価値を高めます。
当社は、健康経営に優れた企業として経済産業省と東京証券取引所が共同で取り組む「健康経営銘柄」に2年連続で選定されました。従業員の健康を維持・増進することで会社の生産性向上を、ひいては企業価値の向上をめざします。この取り組みは、担当役員の出席する委員会、会議において結果の報告とそれに基づき策定された計画の承認を得ています。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2020年4月から始動した中期経営計画「FELIZ 115」の1年目が終了しました。売上高は、IT・電子用途の光硬化樹脂用材料は大幅に伸長しましたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響による需要の落ち込みで減収となりました。一方、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、昨年から増益となりました。『電子デバイス材料』セグメントの増収や価格是正、拡売等の営業努力に加え外出自粛や移動制限などにより営業経費が減少したことが主な要因です。
中期経営計画「FELIZ 115」では、2025年3月期を最終年度として、数値目標を掲げています。
①連結売上高 850億円
②連結営業利益 100億円
③連結営業利益率 11.7%
④総資産 920億円(予想)
⑤総資産回転率 1.0回
⑥設備投資額 120億円(5年累計)
⑦売上高研究開発費率 5.0%
⑧ROE 10%以上
(4)経営環境
中期経営計画「FELIZ 115」の初年度である当年度は、新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延した1年でした。人間の行動を止めた経済危機は、過去の歴史にありません。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種は始まりましたが、収束の目途も立たない状況です。今年の中国経済の成長率は8.5%と予測され、日本の経済活動にも変化が出ると期待しています。しかし、米国の通商政策による世界経済の不確実性、地勢力学の変化により、先行き不透明な状況が続きます。現計画の第二年度である翌年度は、コロナ禍にあって再確認した諸施策を着実に進めます。前期に、事業部制から切り替えた本部制が全社的な生産性、効率性を高めています。独自性で評価されるユニ・トップ戦略の道は不動です。
当連結会計年度は、前期に比べて減収増益の結果となりました。米中関係の悪化やコロナ禍による経済の停滞が減収の主因です。一方、三重県四日市市に完成した第四プラントは、2020年9月より順調に稼働しており、業績に貢献し始めました。需要は世界的に極めて旺盛であり新工場がフル稼働の状態になれば、計画第二年度の目標値は実現の可能性が高くなります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
企業価値を高めていくために会社が対処すべき課題は、次の3点と認識しています。
第一に、変化への対応です。21世紀の経済環境は、20世紀とは全く異質です。コンピューターがもたらしたスピードの加速です。変化の激しい時代で企業価値を高めていくにはDX(デジタルトランスフォーメーション)による企業改革が不可欠となります。2021年4月にDXを推進する部門を立ち上げました。前中期経営計画「REACT1000」で始めたスマート化を本格化して、全社横断的にDXを加速させます。新型コロナウイルス感染症の蔓延による経済危機で人間の動きが止まり、経済の原点は人間の動き、アナログであることを改めて再認識しました。DXによって人間と人間を繋ぎ、顧客を軸としたマーケティング、ソリューションによる機能・用途開発を強化します。
第二に、描いた2030年企業像を実現する設備投資です。中期経営計画「FELIZ 115」は、2030年の企業像を見据えて目標を設定しています。研究開発型企業を確実なものにする体制を整えました。新規事業を立ち上げるために、経営資源、特に、人材を再配分しました。優位性、将来性のある分野に資金を投入し、将来を担う事業、技術に設備投資を行います。
第三に、ライフサイエンス事業の確立と拡大です。認知機能に関する研究成果が国際的学術誌に掲載された健康関連商品の製造、販売を強化させ、2025年には売上高100億円を目標とし、2030年のコア事業にします。ライフサイエンス事業統括部をトップ直轄の組織とし、少子高齢化社会における社会課題の解決を図ります。
中期経営計画「FELIZ 115」の最終年度の目標は、連結売上高850億円の実現です。計画的な設備投資の結果である総資産は、2021年3月末に850億円になりました。4年後の総資産回転率の目標を1.0とすれば、中期経営計画最終年度の売上高目標は達成可能な水準です。幸福を意味するスペイン語のFELIZの旗をはためかせて、幸福度経営に取り組みます。すべてのステークホルダーが幸せになる企業価値を創り続けます。株主の皆様にはご理解と変わらぬご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
(免責・注意事項)
本計画に記載されている当社の現在の計画、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の実績等
に関する見通しであり、リスクや不確定な要因を含んでおります。そのため、実際の業績につきましては、一般
的経済状況、製品需給や市場価格の状況、市場での競争の状況、為替の変動等のさまざまな要因により、これら
見通しと大きく異なる結果となることがあり得ます。
従って、当社として、その確実性を保証するものではありませんので、ご承知おきください。
当社グループでは、リスク管理に関し、組織的な対応として「リスクマネジメント統制委員会」を設置して、活動計画の策定、活動のレビュー、リスクの特定と対応策の検討などを行っています。当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー等に影響を及ぼす可能性があるリスクには、以下のようなものがあります。なお、これらのものは、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれに限られるものではありません。
①原材料の市況変動
当社グループの製品は、石油化学製品系の原材料を使用していることが多いことから、原油・ナフサ価格の高騰による主要原材料の価格の上昇は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
②為替の変動
当社グループは、中国などのアジアを中心に生産拠点や販売拠点を設立するなど、積極的な海外展開を行っております。在外連結子会社等の財務諸表の円換算額や外国通貨建取引において為替予約等によりリスクを軽減させる措置を講じておりますが、いずれの場合にも為替相場の大幅な変動により経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
③中国を中心とするアジア経済の変動
当社グループは、グローバルな海外活動を行うために、中国などのアジアにおいて生産拠点や販売拠点を設立するなど、積極的な海外展開を行っております。このような海外展開において、予期し得ないような外国の法律・規則の変更、産業基盤の不安定性、人材確保の困難性などを含め、常に経済的、社会的なリスクが存在しますが、これらが顕在化することによって、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
④特有の法的規制等に係る課題
法規制あるいは当局の法令解釈が従来よりも厳しくなること等により、当社グループの事業が規制を受ける可能性またはこれらの法規制に適合するために当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑤大規模地震等の自然災害
大規模地震等の大きな自然災害が発生した場合には、生産活動や原料搬入・製品搬出などが中断させられる可能性があります。これらが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑥新型コロナウイルス感染症の蔓延に係る影響
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の抑制のために営業・管理部門を中心に在宅勤務や時差通勤を推進しておりますが、従業員が感染した場合には生産や出荷への影響が出る可能性があります。またサプライチェーンが途絶した場合には、原料調達の遅延や停止による生産への影響、ユーザーへの製品供給の遅延や停止による業績への影響が出る可能性があります。さらに新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響が長期化した場合には、需要減少により収益が減少する可能性があります。これらが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑦知的財産
当社グループは、事業活動に関わる知的財産権の取得に努める一方、第三者の知的財産権侵害を防ぐため、第三者の知的財産等の調査を行っております。しかしながら、第三者との知的財産に関わる問題発生の可能性が無いとは言えず、訴訟等が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑧情報セキュリティ
当社グループでは、事業活動において顧客情報、個人情報、機密情報を保有し、電子情報の形式で保管しております。当社グループ内において情報セキュリティ方針、対策基準及び実施手順を定め、インフラ基盤を随時最適化することにより情報漏洩等に対する対策を講じています。しかしながら、第三者による不正アクセスやコンピューターウイルスの感染により、当社グループが保有する情報の漏洩や改ざん等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑨製品品質
当社グループは、品質マネジメントシステムを構築し、品質保証の基本方針を遵守して高い品質の確保と顧客満足の向上に取り組んでいますが、予期せぬトラブル等により品質に関する問題が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延の影響を大きく受けました。緊急事態宣言の再発令や一部宣言延長に伴い、飲食、旅行などの個人消費や、サービス業を中心に低迷しています。一方で、テレワーク等の普及拡大によりソフトウェア業界や、宅配ビジネスの需要増により輸送業界などが堅調となっており、業種間で格差が現れました。一部ワクチン接種は始まったものの、変異ウイルスの拡大やワクチン供給の遅れが懸念材料であり、収束は見通せません。
世界経済において、中国の今年の成長率は、8.5%見込みと全人代の発表を2.5%上回る予想です。欧米でも復調しておりますが、先行き不透明な状況が依然として継続しています。
当社は、中期経営計画「FELIZ 115」の1年目を減収増益で着地しました。計画最初の2年間を「事業再構築期間」と位置付けています。不採算事業の見直し、経営資源の再配分、業績評価・報酬体系の再構築などの重点施策を進めます。1年目の数値目標の未達成分を2年目で挽回し、計画に掲げたテーマの推進に取り組みます。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ32億96百万円増加し、850億33百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1億57百万円増加し、476億28百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ31億39百万円増加し、374億4百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は591億40百万円(前期比3.8%減)、営業利益は44億85百万円(前期比8.0%増)、経常利益は43億14百万円(前期比22.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億63百万円(前期比27.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
界面活性剤の売上高は173億3百万円(前期比8.8%減)、営業利益は17億52百万円(前期比33.6%増)となりました。
アメニティ材料の売上高は70億81百万円(前期比11.4%減)、営業利益は72百万円(前期比74.2%減)となりました。
ウレタン材料の売上高は74億84百万円(前期比11.6%減)、営業損失は2億82百万円(前期は2億35百万円の損失)となりました。
機能材料の売上高は210億77百万円(前期比1.1%増)、営業利益は29億33百万円(前期比3.6%増)となりました。
電子デバイス材料の売上高は57億58百万円(前期比21.4%増)、営業利益は4億30百万円(前期比28.4%増)となりました。
ライフサイエンスの売上高は4億35百万円(前期比1.7%増)、営業損失は4億21百万円(前期は3億70百万円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて14億5百万円増加し、115億31百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は49億55百万円(前期は37億66百万円)となりました。これは、たな卸資産の増加7億70百万円(前期は4億67百万円)、仕入債務の減少15億57百万円(前期は15億46百万円)などにより資金が減少したことに対し、税金等調整前当期純利益37億59百万円(前期は33億64百万円)、減価償却費32億63百万円(前期は27億24百万円)及び売上債権の減少5億60百万円(前期は4億62百万円)などにより資金が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は38億4百万円(前期は58億42百万円)となりました。これは、当期は投資有価証券の売却による収入が10億27百万円ありましたが、有形固定資産の取得による支出43億98百万円(前期は55億38百万円)、投資有価証券の取得による支出5億2百万円(前期は32百万円)などにより資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は2億55百万円(前期は49億46百万円)となりました。これは、長期借入金の返済72億66百万円(前期は52億89百万円)、リース債務の返済4億77百万円(前期は3億3百万円)及び配当金の支払い7億12百万円(前期は10億67百万円)などにより資金が減少したことに対し、長期借入による収入59億8百万円(前期は60億円)、セール・アンド・リースバックによる収入29億18百万円(前期は32百万円)などにより資金が増加したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前期比(%) |
|
界面活性剤(百万円) |
13,003 |
87.5 |
|
アメニティ材料(百万円) |
4,992 |
77.3 |
|
ウレタン材料(百万円) |
5,658 |
84.1 |
|
機能材料(百万円) |
10,511 |
98.7 |
|
電子デバイス材料(百万円) |
5,028 |
143.7 |
|
ライフサイエンス(百万円) |
578 |
117.8 |
|
合計(百万円) |
39,772 |
93.2 |
(注)1.生産実績の金額は平均販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前期比(%) |
|
界面活性剤(百万円) |
17,303 |
91.2 |
|
アメニティ材料(百万円) |
7,081 |
88.6 |
|
ウレタン材料(百万円) |
7,484 |
88.4 |
|
機能材料(百万円) |
21,077 |
101.1 |
|
電子デバイス材料(百万円) |
5,758 |
121.4 |
|
ライフサイエンス(百万円) |
435 |
101.7 |
|
合計(百万円) |
59,140 |
96.2 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価について
は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しているため省略しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ32億96百万円増加し、850億33百万円となりました。
流動資産は439億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億2百万円増加しました。これは主に受取手形及び売掛金が6億66百万円減少したものの、現金及び預金が12億58百万円、商品及び製品などのたな卸資産の合計が8億15百万円増加したことなどによるものです。
固定資産は410億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億94百万円増加しました。これは主に四日市工場霞地区における光硬化樹脂用材料製造設備の建設等により有形固定資産の合計が10億43百万円増加したことや投資有価証券が9億6百万円増加したことなどによるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1億57百万円増加し、476億28百万円となりました。
流動負債は220億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億72百万円減少しました。これは主に支払手形及び買掛金が18億48百万円減少したことなどによるものです。
固定負債は255億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億29百万円増加しました。これは主に長期借入金が8億40百万円減少したものの、リース債務が24億49百万円増加したことなどによるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ31億39百万円増加し、374億4百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益25億63百万円及び剰余金の配当7億12百万円により利益剰余金が18億51百万円、株価の上昇によりその他有価証券評価差額金が10億21百万円増加したことなどによるものです。
2)経営成績
当連結会計年度の業績といたしましては、売上高は、IT・電子用途の光硬化樹脂用材料は大幅に伸長しましたが、新型コロナウイルス感染症の抑制に向けた外出自粛や移動制限が、自動車関連分野の需要の落ち込みに繋がり591億40百万円(前期比3.8%減)となりました。
損益面につきましては、『電子デバイス材料』セグメントの増収や価格是正、拡売等の営業努力に加え外出自粛や移動制限などにより営業経費が減少し、営業利益は44億85百万円(前期比8.0%増)となりました。また、金融収支が大幅に改善し経常利益は43億14百万円(前期比22.4%増)となりました。これに特別損益として株式の持合い解消に伴う投資有価証券売却益を計上しましたが、『ライフサイエンス』セグメントの固定資産の減損処理などにより、税金費用等を差し引きました親会社株主に帰属する当期純利益は25億63百万円(前期比27.2%増)となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
2020年4月から始動した中期経営計画「FELIZ 115」の1年目が終了しました。売上高は、IT・電子用途の光硬化樹脂用材料は大幅に伸長しましたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響による需要の落ち込みで減収となりました。一方、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、昨年から増益となりました。『電子デバイス材料』セグメントの増収や価格是正、拡売等の営業努力に加え外出自粛や移動制限などにより営業経費が減少したことが主な要因です。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
1) 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
2) 資金需要
当社グループの事業活動による資金需要は主に、製品の原材料の仕入、製造に要した費用、外注費及び販売費といった運転資金需要や、新製品を創製するための研究開発費などがあります。また、投資活動による資金需要は主に、生産性の向上や新製品の製造のための設備の購入、IT設備投資及び事業展開上必要な投資有価証券の取得などがあります。
3) 財務政策
当社グループは中期経営計画「FELIZ 115」の資金として2020年2月に銀行保証付私募債を発行し、60億円を調達しております。また、かねてより78億円のコミットメントライン契約(契約期間3年)を締結することで、機動的な資金確保にも留意しております。今後も、資本市場からの調達を視野に入れた財務体質の改善強化、あるいは流動資産をはじめとする資産効率の改善に努めます。
なお、海外子会社につきましては、邦銀の現地拠点等から直接に資金を調達しております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画「FELIZ 115」では、2025年3月期を最終年度として、数値目標を掲げております。
①連結売上高 850億円
②連結営業利益 100億円
③連結営業利益率 11.7%
④総資産 920億円(予想)
⑤総資産回転率 1.0回
⑥設備投資額 120億円(5年累計)
⑦売上高研究開発費率 5.0%
⑧ROE 10%以上
世界経済の不確実性、地勢力学の変化により、先行き不透明な状況が続きますが、中期経営計画の最終年度の数値目標は変えずに、全社一丸となって実現に励みます。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(界面活性剤)
界面活性剤の売上高は、総じて大きく落ち込みました。
国内では、IT・電子用途は堅調に推移しましたが、機械・金属用途、繊維用途は低調に推移し、ゴム・プラスチック用途は大きく落ち込みました。また、新型コロナウイルス感染症の抑制に向けた外出自粛や移動制限などによりホテルリネン市場の稼働率が低下し、業務用の石鹸・洗剤用途が大きく落ち込みました。
海外では、塗料・色材用途は堅調に推移しましたが、繊維用途、ゴム・プラスチック用途は低調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は173億3百万円(前期比8.8%減)、営業利益は17億52百万円(前期比33.6%増)となりました。
(アメニティ材料)
アメニティ材料の売上高は、総じて大きく落ち込みました。
国内では、セルロース系高分子材料はエネルギー・環境用途、医薬品用途が低調に推移し、ショ糖脂肪酸エステルは食品用途が低調に推移しました。
海外では、ショ糖脂肪酸エステルは香粧品用途が低調に推移し、食品用途は大きく落ち込みました。
その結果、当セグメントの売上高は70億81百万円(前期比11.4%減)、営業利益は72百万円(前期比74.2%減)となりました。
(ウレタン材料)
ウレタン材料の売上高は、総じて大きく落ち込みました。
機能性ウレタンはIT・電子用途が大幅に伸長しましたが、建築用途等は大きく落ち込みました。
土木用薬剤は堅調に推移しましたが、自動車関連分野の低迷からフロン規制に関連する環境配慮型の合成潤滑油は大きく落ち込みました。
その結果、当セグメントの売上高は74億84百万円(前期比11.6%減)、営業損失は2億82百万円(前期は2億35百万円の損失)となりました。
(機能材料)
機能材料の売上高は、総じて堅調に推移しました。
国内では、難燃剤はゴム・プラスチック用途が低調に推移しましたが、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が大幅に伸長しました。
海外では、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が堅調に推移し、難燃剤はゴム・プラスチック用途が堅調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は210億77百万円(前期比1.1%増)、営業利益は29億33百万円(前期比3.6%増)となりました。
(電子デバイス材料)
電子デバイス材料の売上高は、総じて大幅に伸長しました。
ディスプレイ用途のイオン液体、太陽電池用途の導電性ペーストは大幅に伸長しました。
その結果、当セグメントの売上高は57億58百万円(前期比21.4%増)、営業利益は4億30百万円(前期比28.4%増)となりました。
(ライフサイエンス)
ライフサイエンスの売上高は、総じて堅調に推移しました。
医薬品添加物や天然素材からの抽出物の濃縮化、粉末化による健康食品等の受託事業は堅調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は4億35百万円(前期比1.7%増)、営業損失は4億21百万円(前期は3億70百万円の損失)となりました。
該当事項はありません。
当社グループは、工業用薬剤メーカーとして、産業の化学化にこたえる存在感のある企業であり続けることを経営理念とし、積極的な研究活動を行っております。
当連結会計年度は、電池材料やセルロースナノファイバーの新規用途開発、IT・電子用途等を中心とした高付加価値付与品の研究開発に注力し、出願した特許は175件であります。研究開発に要した費用の総額は
各セグメント別の研究の狙いと当連結会計年度の主な研究開発成果は次のとおりであります。
(1)界面活性剤
従来から注力している水生生物毒性に配慮した環境対応型界面活性剤の市場開発に加え、「環境配慮と高機能化」をキーワードに高付加価値製品の研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の成果として、様々な産業分野でエネルギーコスト削減やVOC(揮散有機化合物)削減に繋がる工程薬剤、樹脂分野向けを中心とした反応性乳化剤や糖誘導体、電子・情報機器関連材料分野向けの洗浄剤、表面処理剤の開発を実施しました。また、海外の関係会社に対しては、化成品分野全般の機能加工薬剤の技術支援を行うとともに、協力して塗料・粘着剤分野向け添加剤の開発を実施しました。
なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は
(2)アメニティ材料
食品、医薬・香粧品、トイレタリーをはじめ、水畜産、土木、農業、脱臭等の産業分野を対象に、生活関連産業密着型の素材提供と機能を追究するための研究開発を進めております。
当連結会計年度の成果として、各種用途に適したショ糖脂肪酸エステル及び配合製剤については、応用技術検討に取り組みました。また、食品分野、香粧品分野を中心とした国内外の市場開発支援も行いました。カルボキシメチルセルロースナトリウムについては、リチウムイオン電池向け分散剤としての品質向上と応用開発検討に注力しました。セルロースナノファイバーについては、社会実装に向けた用途開発を加速させました。
なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は
(3)ウレタン材料
社会的及び顧客ニーズである「地球環境や資源・エネルギー及び健康に配慮した高機能性を有するウレタン材料」に重点を置き、研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の成果として、機能性ウレタン分野では、長期難燃性、信頼性に優れた高機能性電気絶縁材料、水フィルター用接着剤、無溶剤型の防水材用ウレタンプレポリマー、含水ゲル化材、次に、フォーム分野ではトンネル掘削用岩盤固結材、温暖化ガスの排出量削減に寄与するノンフロン及び水発泡断熱材用ポリオールやシステムなどの開発を実施しました。
なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は
(4)機能材料
VOCを主とした環境リスクや省エネルギーに配慮した水系ウレタン樹脂、光(紫外線・電子線)硬化性樹脂と難燃剤をはじめとした樹脂添加材料の研究開発を進めております。
当連結会計年度の成果として、自動車、家電、建築等への塗料・接着材料、フィルム、金属等へのコーティング材料及びフィラ―、繊維等へのバインダー材料としての水系ウレタン樹脂の応用開発、液晶テレビ等フラットパネルディスプレイ表示部材用途等をはじめとする電子材料分野、及び、プラスチック・建材(木材)等への意匠性を付与する機能性塗料・コーティング用途に用いられる紫外線硬化樹脂材料用モノマー及び機能性オリゴマーの開発を実施しました。また、環境に配慮した次世代の発泡ポリスチレン用難燃剤を本格的に販売開始しました。既存品においては、増加する需要への供給体制強化や製造コスト削減などに取り組みました。
なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は
(5)電子デバイス材料
エネルギーデバイス及びディスプレイデバイスに関する新規デバイス及び材料を中心に研究開発を進めております。
当連結会計年度の成果として、リチウム電池材料について新規活物質向けバインダー材料を開発し、実用化に向けて検討をさらに進めております。また、低粘度で高イオン導電性を示すイオン液体の開発は、エネルギー分野・電子デバイス材料分野でのアプリケーションに向けてさらなる技術開発及び市場開拓を促進しております。
なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は
(6)ライフサイエンス
「カイコ冬虫夏草」や「Sudachin®」をはじめとした健康食品に関して、天然物からの抽出・高濃度化技術、量産化技術を中心に研究開発を進めております。
当連結会計年度の成果として、「カイコ冬虫夏草」に含有する新規物質の定量化や高産生条件の探索、「Sudachin®」の高濃縮技術の確立、加えて製品品質の安定化に取組み、市場への新製品投入に向けた研究開発を促進しております。
なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は
なお、上記の金額には消費税等は含まれておりません。