文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、創業以来『品質第一、原価逓減、研究努力』の3つの社訓を経営の規範として会社を運営してまいりました。創業者は『品質第一』と『原価逓減』が、「より良い製品を、より安価に、お客様に提供することが会社隆昌の基本」であり、この「2つの社訓を実現する原動力となるのは不断の研究活動である」と3つ目の『研究努力』を説いています。これら3つの創業精神に則り、以下の素材で区分した6つのセグメント別の連結事業運営を行っております。
①非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤を中心とする『界面活性剤』
②セルロース系高分子材料、ショ糖脂肪酸エステル、アクリル系高分子材料及びビニル系高分子材料を中心とする『アメニティ材料』
③ポリエーテルポリオール及びウレタンプレポリマーを中心とする『ウレタン材料』
④光硬化樹脂用材料、難燃剤及び水系ウレタン樹脂を中心とする『機能材料』
⑤導電性ペースト及び射出成形用ペレットを中心とする『電子デバイス材料』
⑥健康補助食品を中心とする『ライフサイエンス』
安定的な収益を生み出すための企業体質強化の取り組みを継続します。その一方で、「京都から、世界へ未来へ。」と飛躍を志した当社グループの成長戦略を確実に軌道に乗せるための諸施策を、全社員が一丸となり確実に実行し、新たな会社の歴史を作ります。
3つの社訓『品質第一、原価逓減、研究努力』を礎に、社是「産業を通じて、国家・社会に貢献する」の実現に努めてまいります。
(2)経営戦略等
中期経営計画「FELIZ 115」では、以下の経営方針を掲げて取り組んでいます。
①2030年の業績は、アクチャル(既存)、ネクスト(周辺)、ドリーム(新規)が各1/3となる事業構成を目指します。アクチャルの質的充実、ネクストの拡大増強、ドリームの開発・育成を図ります。
②計画的設備投資の結果である総資産を最大活用し、年間売上高に匹敵する総資産回転率1.0を目標とします。製品別管理と並行して、顧客別のマーケティングを強化します。
③営業、研究、生産、管理の本部制を敷き、経営資源の最適配分を行います。貢献に報いる業績評価体系により、社員幸福度経営を実践します。企業を取り巻く4つのステークホルダーの期待に応え、企業価値を高めます。
当社は、健康経営に優れた企業として経済産業省と東京証券取引所が共同で取り組む「健康経営銘柄」に3年連続で選定されました。従業員の健康を維持・増進することで会社の生産性向上を、ひいては企業価値の向上をめざします。この取り組みは、担当役員の出席する委員会、会議において結果の報告とそれに基づき策定された計画の承認を得ています。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2020年4月から始動した中期経営計画「FELIZ 115」の2年目が終了しました。2年目の計画値には届かなかったものの、前期比で増収増益を達成し、売上高は過去最高となりました。計画通り、最初の2年で不採算事業の整理をはじめとする事業ポートフォリオの見直し、利益体質の改善を進めました。計画3年目となる2023年3月期は、原材料価格の高騰や地政学リスクなどの課題はあるものの、先行投資した事業収益の刈り取りとライフサイエンス事業の実績化に努め、着実な計画達成を目指します。
中期経営計画「FELIZ 115」では、2025年3月期を最終年度として、数値目標を掲げています。
①連結売上高 850億円
②連結営業利益 100億円
③連結営業利益率 11.7%
④総資産 920億円(予想)
⑤総資産回転率 1.0回
⑥設備投資額 120億円(5年累計)
⑦売上高研究開発費率 5.0%
⑧ROE 10%以上
(4)経営環境
5カ年経営計画「FELIZ 115」の第二年度である第158期は、新型コロナウイルス感染症流行の長期化、原材料高騰、半導体ショック等、激しい変化が続いた1年でした。21世紀に起こり得ないと考えていた世界戦争的なロシアによるウクライナへの軍事侵攻が勃発しました。アナログからデジタル、ハードからソフトへの傾斜と不均衡が、急進展していました。人間の弱さを露呈したコロナ禍とウクライナ問題は、人間本来のアナログ性回帰への警鐘と見ています。現計画の最初の2年間に足元の充実を図り、取り組みの妥当性を確認しました。計画の第三年度である第159期は、諸施策を着実に実行し事業の拡充を図ります。
当連結会計年度は、前期に比べて増収増益となり過去最高の売上高となりました。原油・ナフサや原材料価格の高騰、半導体をはじめとする部材不足、物流遅延が利益に大きく影響しました。しかし、目標に掲げていた不採算事業の整理をはじめとする事業ポートフォリオの見直しや利益体質の改善が業績に貢献しました。ロシアのウクライナ軍事侵攻によって先行き不透明感はさらに高まっています。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
企業価値を高めていくために会社が対処すべき課題は、次の3点と認識しています。
第一に、高騰が続く原材料への対応です。不安定な状況下でも事業運営に不可欠な原料を確実に確保できるように原料調達プロセスを見直します。原料の値上がりは販売価格に反映させ、利益を確保します。予測できない事態の中、腰を据えて耐える時期です。地政学の激変を慎重に見極めながら、企業としてできることを確実に実行します。
第二に、経営資源最適化の加速です。昨年より研究体制の見直しに着手し、優位性と将来性を軸に資源を集中させる経営資源の最適配分を実施しています。2022年4月には、管理本部にITインフラとDXを推進するデジタル戦略部を設置しました。データによる事業の高度化、効率化を推進します。さらに、社長直轄の事業戦略室、マーケティング室のタスクフォースを創設しました。ここに、さまざまなデータを集めて素早く事業の方向性を決定し、既存事業の拡大と新規事業の拡充を加速させます。
第三に、先行投資した事業収益の早期刈り取りと次期投資の絞り込みです。三重県四日市市に投資したプラントは問題なく稼働しており、業績に貢献しています。フル稼働の状態になれば、5カ年経営計画「FELIZ 115」の目標値を実現する可能性が高くなります。パートナー企業との連携を強化して早期の投資回収を実現します。ライフサイエンス事業では、国際学術誌へ認知機能に関する論文を発表し、臨床試験を進めています。また、関連する健康食品はリニューアルしました。2030年を展望した新テーマによる設備投資を検討します。
5カ年経営計画「FELIZ 115」の最終年度の目標は、連結売上高850億円の実現です。将来を見据えたバリュー・クリエイターの道を示し、計画的な設備投資を行ってまいりました。5カ年経営計画業績目標に向かい全力を注ぎます。「FELIZ」はスペイン語で人間の幸福を意味します。幸福度経営に取り組み、すべてのステークホルダーが幸せになる企業価値を創り続けます。株主の皆様にはご理解と変わらぬご支援ご協力を賜りますようお願い申しあげます。
(免責・注意事項)
本計画に記載されている当社の現在の計画、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の実績等
に関する見通しであり、リスクや不確定な要因を含んでおります。そのため、実際の業績につきましては、一般
的経済状況、製品需給や市場価格の状況、市場での競争の状況、為替の変動等のさまざまな要因により、これら
見通しと大きく異なる結果となることがあり得ます。
従って、当社として、その確実性を保証するものではありませんので、ご承知おきください。
当社グループでは、リスク管理に関し、組織的な対応として「リスクマネジメント統制委員会」を設置して、活動計画の策定、活動のレビュー、リスクの特定と対応策の検討などを行っています。当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー等に影響を及ぼす可能性があるリスクには、以下のようなものがあります。なお、これらのものは、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれに限られるものではありません。
①原材料の市況変動
当社グループの製品は、石油化学製品系の原材料を使用していることが多いことから、原油・ナフサ価格の高騰による主要原材料の価格の上昇は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
②為替の変動
当社グループは、中国などのアジアを中心に生産拠点や販売拠点を設立するなど、積極的な海外展開を行っております。在外連結子会社等の財務諸表の円換算額や外国通貨建取引において為替予約等によりリスクを軽減させる措置を講じておりますが、いずれの場合にも為替相場の大幅な変動により経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
③グローバル経済の変動
当社グループは、海外にも生産拠点や販売拠点を設立するなど、グローバルな事業展開を行っております。このような海外展開において、予期し得ないような外国の法律・規則の変更、産業基盤の不安定性、人材確保の困難性、紛争・政治不安定化など、常に経済的、社会的、地政学的リスクが存在し、これらが顕在化することによって、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
④特有の法的規制等に係る課題
法規制あるいは当局の法令解釈が従来よりも厳しくなること等により、当社グループの事業が規制を受ける可能性またはこれらの法規制に適合するために当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑤大規模地震等の自然災害
大規模地震等の大きな自然災害が発生した場合には、生産活動や原料搬入・製品搬出などが中断させられる可能性があります。これらが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑥新型コロナウイルス感染症の蔓延に係る影響
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の抑制のために営業・管理部門を中心に在宅勤務や時差通勤を推進しておりますが、従業員が感染した場合には生産や出荷への影響が出る可能性があります。またサプライチェーンが途絶した場合には、原料調達の遅延や停止による生産への影響、ユーザーへの製品供給の遅延や停止による業績への影響が出る可能性があります。さらに新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響が長期化した場合には、需要減少により収益が減少する可能性があります。これらが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑦知的財産
当社グループは、事業活動に関わる知的財産権の取得に努める一方、第三者の知的財産権侵害を防ぐため、第三者の知的財産等の調査を行っております。しかしながら、第三者との知的財産に関わる問題発生の可能性が無いとは言えず、訴訟等が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑧情報セキュリティ
当社グループでは、事業活動において顧客情報、個人情報、機密情報を保有し、電子情報の形式で保管しております。当社グループ内において情報セキュリティ方針、対策基準及び実施手順を定め、インフラ基盤を随時最適化することにより情報漏洩等に対する対策を講じています。しかしながら、第三者による不正アクセスやコンピューターウイルスの感染により、当社グループが保有する情報の漏洩や改ざん等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑨製品品質
当社グループは、品質マネジメントシステムを構築し、品質保証の基本方針を遵守して高い品質の確保と顧客満足の向上に取り組んでいますが、予期せぬトラブル等により品質に関する問題が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑩気候変動に係るリスク
さまざまな化学物質を取り扱う当社グループでは「環境・安全・健康」を確保するためレスポンシブル・ケア活動を推進し、地球環境に配慮した事業活動を行っておりますが、気候変動による気温上昇を抑制するためにカーボンプライシングや炭素税等が導入された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社は、気候変動を重要な経営課題の一つとして認識しており、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しております。TCFDの提言に沿ったシナリオ分析を検討し、気候変動が当社の事業活動に与える影響等について情報開示を進め、持続可能な社会の実現にむけた施策を推進しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症におけるまん延防止等重点措置が全国的に解除され、一部で経済活動の持ち直しが見られました。一方で、原油・ナフサや原材料価格の高騰、加えて半導体をはじめとする原材料の供給不足やサプライチェーンの混乱は引き続き課題となっています。ロシアのウクライナへの軍事侵攻によって世界情勢が緊迫し、先行き不透明な状況に追い打ちをかけることになりました。
このような環境のもと、当社グループは中期経営計画「FELIZ 115」2年目の計画値には届かなかったものの、前期比で増収増益を達成し、売上高は過去最高となりました。計画通り、最初の2年で不採算事業の整理をはじめとする事業ポートフォリオの見直し、利益体質の改善を進めました。計画3年目となる2023年3月期は、原材料価格の高騰や地政学リスクなどの課題はあるものの、先行投資した事業収益の刈り取りとライフサイエンス事業の実績化に努め、着実な計画達成を目指します。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億36百万円増加し、864億69百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ15億42百万円減少し、460億86百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ29億79百万円増加し、403億83百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は626億72百万円(前期比6.0%増)、営業利益は46億26百万円(前期比3.1%増)、経常利益は41億92百万円(前期比2.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は24億92百万円(前期比2.8%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
界面活性剤の売上高は185億64百万円(前期比7.3%増)、営業利益は24億76百万円(前期比41.3%増)となりました。
アメニティ材料の売上高は80億92百万円(前期比14.3%増)、営業利益は5億66百万円(前期は72百万円の利益)となりました。
ウレタン材料の売上高は82億94百万円(前期比10.8%増)、営業利益は55百万円(前期は2億82百万円の損失)となりました。
機能材料の売上高は199億28百万円(前期比5.5%減)、営業利益は13億55百万円(前期比53.8%減)となりました。
電子デバイス材料の売上高は73億16百万円(前期比27.0%増)、営業利益は7億15百万円(前期比66.2%増)となりました。
ライフサイエンスの売上高は4億76百万円(前期比9.6%増)、営業損失は5億43百万円(前期は4億21百万円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて6億19百万円増加し、121億51百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は55億20百万円(前期は49億55百万円)となりました。これは、棚卸資産の増加20億16百万円(前期は7億70百万円)、法人税等の支払い11億27百万円(前期は9億72百万円)などにより資金が減少したことに対し、税金等調整前当期純利益41億79百万円(前期は37億59百万円)、減価償却費34億30百万円(前期は32億63百万円)、仕入債務の増加7億44百万円(前期は15億57百万円の減少)及び売上債権の減少5億19百万円(前期は5億60百万円)などにより資金が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は27億円(前期は38億4百万円)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出26億61百万円(前期は43億98百万円)などにより資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は23億36百万円(前期は2億55百万円の調達)となりました。これは、長期借入れによる収入48億90百万円(前期は59億8百万円)、短期借入金の純増加額6億73百万円(前期は純減少額75百万円)により資金が増加したことに対し、長期借入金の返済65億95百万円(前期は72億66百万円)、配当金の支払い7億12百万円(前期は7億12百万円)及びリース債務の返済5億71百万円(前期は4億77百万円)などにより資金が減少したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前期比(%) |
|
界面活性剤(百万円) |
16,306 |
125.4 |
|
アメニティ材料(百万円) |
5,357 |
107.3 |
|
ウレタン材料(百万円) |
7,218 |
127.6 |
|
機能材料(百万円) |
9,940 |
94.6 |
|
電子デバイス材料(百万円) |
6,739 |
134.0 |
|
ライフサイエンス(百万円) |
546 |
94.5 |
|
合計(百万円) |
46,109 |
115.9 |
(注)生産実績の金額は平均販売価格で表示しております。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前期比(%) |
|
界面活性剤(百万円) |
18,564 |
107.3 |
|
アメニティ材料(百万円) |
8,092 |
114.3 |
|
ウレタン材料(百万円) |
8,294 |
110.8 |
|
機能材料(百万円) |
19,928 |
94.5 |
|
電子デバイス材料(百万円) |
7,316 |
127.0 |
|
ライフサイエンス(百万円) |
476 |
109.6 |
|
合計(百万円) |
62,672 |
106.0 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価について
は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しているため省略しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億36百万円増加し、864億69百万円となりました。
流動資産は465億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億36百万円増加しました。これは主に商品及び製品などの棚卸資産の合計が22億60百万円、現金及び預金が6億28百万円増加したことなどによるものです。
固定資産は399億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億円減少しました。これは主に建物及び構築物などの有形固定資産の合計が9億59百万円、投資有価証券が3億67百万円減少したことなどによるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ15億42百万円減少し、460億86百万円となりました。
流動負債は217億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億45百万円減少しました。これは主に支払手形及び買掛金が8億円増加したものの、設備関係未払金などのその他(流動負債)が7億32百万円、廃棄物処理費用引当金が3億75百万円減少したことなどによるものです。
固定負債は243億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億97百万円減少しました。これは主に長期借入金が7億79百万円減少したことなどによるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は403億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億79百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益24億92百万円及び剰余金の配当7億12百万円などにより利益剰余金が17億64百万円、非支配株主持分が8億60百万円増加したことなどによるものです。
2)経営成績
当連結会計年度の業績といたしましては、『機能材料』セグメントの光硬化樹脂用材料は大きく落ち込みましたが、『電子デバイス材料』セグメントの太陽電池用途の導電性ペーストが大幅に伸長したことにより、売上高は626億72百万円(前期比6.0%増)となりました。
損益面につきましては、営業努力により『界面活性剤』セグメントを中心に価格是正の効果が顕著となったことに加え、将来に向けた研究開発費の増加があったものの、全社的なコストダウンの取り組みにより、営業利益は46億26百万円(前期比3.1%増)となりました。また、営業外収支が悪化したことにより、経常利益は41億92百万円(前期比2.8%減)となりました。これに税金費用等を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は24億92百万円(前期比2.8%減)となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
2020年4月から始動した中期経営計画「FELIZ 115」の2年目が終了しました。売上高は、IT・電子用途の光硬化樹脂用材料は大きく落ち込みましたが、太陽電池用途の導電性ペーストが大幅に伸長したことにより増収となりました。また、営業努力により『界面活性剤』セグメントを中心に価格是正の効果が顕著となったことに加え、将来に向けた研究開発費の増加があったものの、全社的なコストダウンの取り組みにより営業利益は昨年から増益となりました。一方、営業外収支が悪化したことにより経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、昨年から減益となりました。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
1) 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
2) 資金需要
当社グループの事業活動による資金需要は主に、製品の原材料の仕入、製造に要した費用、外注費及び販売費といった運転資金需要や、新製品を創製するための研究開発費などがあります。また、投資活動による資金需要は主に、生産性の向上や新製品の製造のための設備の購入、IT設備投資及び事業展開上必要な投資有価証券の取得などがあります。
3) 財務政策
当社グループは中期経営計画「FELIZ 115」の資金として2020年2月に銀行保証付私募債を発行し、60億円を調達しております。また、かねてより78億円のコミットメントライン契約(契約期間3年)を締結することで、機動的な資金確保にも留意しております。今後も、資本市場からの調達を視野に入れた財務体質の改善強化、あるいは流動資産をはじめとする資産効率の改善に努めます。
なお、海外子会社につきましては、邦銀の現地拠点等から直接に資金を調達しております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画「FELIZ 115」では、2025年3月期を最終年度として、数値目標を掲げております。
①連結売上高 850億円
②連結営業利益 100億円
③連結営業利益率 11.7%
④総資産 920億円(予想)
⑤総資産回転率 1.0回
⑥設備投資額 120億円(5年累計)
⑦売上高研究開発費率 5.0%
⑧ROE 10%以上
世界経済の不確実性、地勢力学の変化により、先行き不透明な状況が続きますが、中期経営計画の最終年度の数値目標は変えずに、全社一丸となって実現に励みます。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(界面活性剤)
界面活性剤の売上高は、総じて堅調に推移しました。
国内では、ゴム・プラスチック用途、土木・建築用途は大きく落ち込みましたが、IT・電子用途、塗料・色材用途は堅調に推移しました。石鹸・洗剤用途は大幅に伸長しました。
海外では、繊維用途、ゴム・プラスチック用途は堅調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は185億64百万円(前期比7.3%増)となりました。
営業利益は、販売価格の是正や営業経費の削減により24億76百万円(前期比41.3%増)となりました。
(アメニティ材料)
アメニティ材料の売上高は、総じて大幅に伸長しました。
国内では、セルロース系高分子材料は食品用途が低調に推移しましたが、医薬品用途が堅調に推移し、エネルギー・環境用途は大幅に伸長しました。ショ糖脂肪酸エステルは香粧品用途が低調に推移しましたが、食品用途は堅調に推移しました。
海外では、ショ糖脂肪酸エステルは香粧品用途が堅調に推移し、食品用途は大幅に伸長しました。
その結果、当セグメントの売上高は80億92百万円(前期比14.3%増)となりました。
営業利益は、売上高の伸長や営業経費の削減により5億66百万円(前期は72百万円の利益)となりました。
(ウレタン材料)
ウレタン材料の売上高は、総じて大幅に伸長しました。
公共工事に関連する土木用薬剤は堅調に推移しました。自動車関連分野の回復からフロン規制に関連する環境配慮型の合成潤滑油は大幅に伸長しました。
機能性ウレタンは建築用途等が低調に推移しましたが、IT・電子用途が堅調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は82億94百万円(前期比10.8%増)となりました。
営業利益は、売上高の大幅な伸長や研究開発の効率化による経費圧縮により55百万円(前期は2億82百万円の損失)となりました。
(機能材料)
機能材料の売上高は、総じて低調に推移しました。
国内では、水系ウレタンは繊維用途とIT・電子用途が堅調に推移しましたが、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が大きく落ち込みました。
海外では、難燃剤はゴム・プラスチック用途が大幅に伸長し、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が大幅に伸長しました。
その結果、当セグメントの売上高は199億28百万円(前期比5.5%減)となりました。
営業利益は、売上高の大きな落ち込みに加え、研究開発費を中心に営業経費がかさみ13億55百万円(前期比53.8%減)となりました。
(電子デバイス材料)
電子デバイス材料の売上高は、総じて大幅に伸長しました。
ディスプレイ用途のイオン液体は低調に推移しましたが、太陽電池用途の導電性ペーストが大幅に伸長しました。
その結果、当セグメントの売上高は73億16百万円(前期比27.0%増)となりました。
営業利益は、売上高の大幅な伸長や営業経費の削減により7億15百万円(前期比66.2%増)となりました。
(ライフサイエンス)
ライフサイエンスの売上高は、前期と比べ41百万円増加し、4億76百万円(前期比9.6%増)となりました。医薬品添加物や天然素材からの抽出物の濃縮化、粉末化による健康食品等の受託事業は堅調に推移し、カイコ冬虫夏草事業は堅調に推移しました。
営業利益は、売上高は伸長しましたが、研究開発費を中心に営業経費がかさみ5億43百万円の営業損失(前期は4億21百万円の損失)となりました。
該当事項はありません。
当社グループは、工業用薬剤メーカーとして、産業の化学化にこたえる存在感のある企業であり続けることを経営理念とし、積極的な研究活動を行っております。
当連結会計年度は、電池材料やセルロースナノファイバーの新規用途開発、IT・電子用途等を中心とした高付加価値付与品の研究開発に注力し、出願した特許は175件であります。研究開発に要した費用の総額は
各セグメント別の研究の狙いと当連結会計年度の主な研究開発成果は次のとおりであります。
(1)界面活性剤
従来から注力している水生生物毒性に配慮した環境対応型界面活性剤の市場開発に加え、「環境配慮と高機能化」をキーワードに高付加価値製品の研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の成果として、様々な産業分野でエネルギーコスト削減やVOC(揮散有機化合物)削減に繋がる工程薬剤、樹脂分野向けを中心とした反応性乳化剤や糖誘導体、電子・情報機器関連材料分野向けの洗浄剤、表面処理剤の開発を実施しました。また、海外の関係会社に対しては、化成品分野全般の機能加工薬剤の技術支援を行うとともに、協力して塗料・粘着剤分野向け添加剤の開発を実施しました。
なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は
(2)アメニティ材料
食品、医薬・香粧品、トイレタリーをはじめ、水畜産、土木、農業、脱臭等の産業分野を対象に、生活関連産業密着型の素材提供と機能を追究するための研究開発を進めております。
当連結会計年度の成果として、各種用途に適したショ糖脂肪酸エステル及び配合製剤については、応用技術検討に取り組みました。また、食品分野、香粧品分野を中心とした国内外の市場開発支援も行いました。カルボキシメチルセルロースナトリウムについては、リチウムイオン電池向け分散剤としての品質向上と応用開発検討に注力しました。セルロースナノファイバーについては、社会実装に向けた用途開発を加速させました。
なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は
(3)ウレタン材料
社会的及び顧客ニーズである「地球環境や資源・エネルギー及び健康に配慮した高機能性を有するウレタン材料」に重点を置き、研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度の成果として、機能性ウレタン分野では、長期難燃性、信頼性に優れた高機能性電気絶縁材料、水フィルター用接着剤、無溶剤型の防水材用ウレタンプレポリマー、含水ゲル化材、次に、フォーム分野ではトンネル掘削用岩盤固結材、温暖化ガスの排出量削減に寄与するノンフロン及び水発泡断熱材用ポリオールやシステムなどの開発を実施しました。
なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は
(4)機能材料
VOCを主とした環境リスクや省エネルギーに配慮した水系ウレタン樹脂、光(紫外線・電子線)硬化性樹脂と難燃剤をはじめとした樹脂添加材料の研究開発を進めております。
当連結会計年度の成果として、自動車、家電、建築等への塗料・接着材料、フィルム、金属等へのコーティング材料及びフィラ―、繊維等へのバインダー材料としての水系ウレタン樹脂の応用開発、液晶テレビ等フラットパネルディスプレイ表示部材用途等をはじめとする電子材料分野、及び、プラスチック・建材(木材)等への意匠性を付与する機能性塗料・コーティング用途に用いられる紫外線硬化樹脂材料用モノマー及び機能性オリゴマーの開発を実施しました。また、環境に配慮した次世代の発泡ポリスチレン用難燃剤を本格的に販売開始しました。既存品においては、増加する需要への供給体制強化や製造コスト削減などに取り組みました。
なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は
(5)電子デバイス材料
エネルギーデバイス及びディスプレイデバイスに関する新規デバイス及び材料を中心に研究開発を進めております。
当連結会計年度の成果として、リチウム電池材料について新規活物質向けバインダー材料を開発し、実用化に向けて検討をさらに進めております。また、低粘度で高イオン導電性を示すイオン液体の開発は、エネルギー分野・電子デバイス材料分野でのアプリケーションに向けてさらなる技術開発及び市場開拓を促進しております。
なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は
(6)ライフサイエンス
「カイコ冬虫夏草」や「Sudachin®」をはじめとした健康食品に関して、天然物からの抽出・高濃度化技術、量産化技術、機能性評価等を中心に研究開発を進めております。
当連結会計年度の成果として、「カイコ冬虫夏草」に含有する新規物質の定量化や高産生条件の探索、「Sudachin®」の高濃縮技術の確立、機能性評価、加えて製品品質の安定化に取組み、市場への新製品投入に向けた研究開発を促進しております。
なお、本セグメントにおける研究開発費の総額は