(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績が好調に推移していることに加え、個人消費の持ち直しの動きがみられるなど、緩やかな回復基調で推移しておりますが、中国の景気減速や新興国経済の伸び悩み等の影響が懸念され、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは化学品事業において、中国をはじめとする東アジア地区へ積極的に経営資源を投入し、事業拡大や新規開拓を行いました。化粧品事業においては、主力のデミコスメティクスの拡販や新ブランドの積極的な事業展開を進めました。
この結果、売上高は465億2千6百万円(前年同期比16.5%増)、営業利益23億6千4百万円(同17.5%減)、経常利益24億4千2百万円(同20.5%減)、当期純利益は11億5千1百万円(同20.4%減)となりました。
①化学品事業
化学品事業には、当社グループの主力となる繊維加工用薬剤のほかに情報記録紙用薬剤、樹脂原料、業務用クリーニング薬剤、医療・介護施設向け薬剤及びその他機能性化学品が含まれております。
売上高は356億9千6百万円(同11.8%増)、セグメント利益は22億5千1百万円(同9.4%減)となりました。
海外では、台湾及び韓国において撥水剤の販売が好調に推移したほか、中国・香港において繊維加工用薬剤の販売も好調に推移しました。国内では、インテリア・自動車関連は厳しい反面、スポーツ・アウトドア衣料関連の撥水剤の販売は好調に推移しました。また、大智化学産業株式会社の子会社化により売上高が増加したことに加え、円安の影響もあり、売上高が伸長しました。利益に関しては、将来の成長に向けた増員や新規事業への投資を積極的に実施したことでセグメント利益が減少しました。
②化粧品事業
化粧品関連事業はヘアケア剤、ヘアカラー剤、パーマ剤、スキャルプケア剤及びスタイリング剤が主な取扱品であります。
売上高は106億4千4百万円(同32.8%増)、セグメント利益は18億1千2百万円(同0.7%減)となりました。
国内美容サロン業界が伸び悩む中、デミコスメティクスやイーラル等のナショナルブランド事業が堅調に推移したことに加え、山田製薬株式会社における製造受託事業や海外事業が大幅に伸長したこと等により売上高は増加しましたが、需要急増に対して一時的な外注加工費の増加や長期成長に向けた増員を行った結果、セグメント利益は減少しました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、有形固定資産の取得に
よる支出26億6千1百万円があったものの、営業活動によるキャッシュ・フローが46億2百万円得られたことや財
務活動によるキャッシュ・フローが4億4千9百万円の調達となったこと等により、前連結会計年度末に比べ、17
億2千万円増加し、当連結会計年度末には75億3千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は46億2百万円となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益21億6千9百万円、減価償却費22億4千6百万円を計上し、仕入債務の増加による増加15億6千6百万円がありましたが、売上債権の増加に伴う減少9億8千5百万円及びたな卸資産の増加に伴う減少4億1千2百万円、法人税等の支払額7億4千6百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は30億1千4百万円となりました。
これは主に、有形固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果調達した資金は4億4千9百万円となりました。
これは主に、借入金の増加29億7千9百万円、自己株式の取得14億1千1百万円、配当金の支払4億4千万円等によるものです。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品(千円) |
36,954,735 |
112.3 |
|
化粧品(千円) |
4,115,397 |
80.9 |
|
報告セグメント計(千円) |
41,070,132 |
108.1 |
|
合計(千円) |
41,070,132 |
108.1 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.報告セグメント以外のその他については、生産活動になじまないため記載しておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)製商品仕入実績
当連結会計年度の製商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品(千円) |
3,246,354 |
107.7 |
|
化粧品(千円) |
900,293 |
580.7 |
|
報告セグメント計(千円) |
4,146,648 |
130.8 |
|
合計(千円) |
4,146,648 |
130.8 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.報告セグメント以外のその他については、仕入実績はありませんので記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注状況
当社グループは、主として、販売計画、生産状況を基礎とした見込生産を行っております。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品(千円) |
35,696,682 |
111.8 |
|
化粧品(千円) |
10,644,411 |
132.8 |
|
報告セグメント計(千円) |
46,341,093 |
116.1 |
|
その他 |
185,818 |
- |
|
合計(千円) |
46,526,912 |
116.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループを取り巻く世界経済の動向は、新興国の成長鈍化が懸念されるほか、不安定な為替相場や株式市場などの影響により、先行きは依然不透明であります。また、平成27年10月に大筋合意となったTPP(環太平洋経済連携協定)により、アジア太平洋を中心とした新たな巨大経済圏が創出されようとしており、引き続き注視していく必要があると捉えております。一方、国内では産業の空洞化や、少子高齢化等に伴う消費ニーズの多様化など、当社グループが置かれる環境は日々スピードを増して変化しております。
また、当社グループを取り巻く業界動向は、国内における既存産業の成熟、グローバル市場における競合他社の変質により、市場競争がますます激化する一方、消費者の環境意識や健康志向の高まりに伴い、お客様の要求水準もさらに高まることが予想されます。
このような事業環境の中、当社グループは永続的な成長を目指し、次の3つの方向性に対する課題に取り組んでまいります。
①徹底的に効率化された企業を目指し、抜本的な構造改革を行う(Efficiency)
当社グループの展開する事業は多岐にわたっておりますが、「選択と集中」戦略に基づき抜本的な収益構造の改革を目的として、事業の整理及び経営資源の再配分を推進しております。各事業の収益性や経営資源の配分を定期的にモニタリングし、ミッションに応じた最適な事業経営に努めてまいります。また、事業戦略を支えるオペレーションにおいても改革を推進し、強固な競争力を実現してまいります。さらに、これらの事業展開を推進していく上で重要となるガバナンス、人材、財務、危機管理、IT等の経営基盤強化にも積極的に取り組んでまいります。
②未来を豊かにする企業を目指し、技術革新を巻き起こす(Innovation)
永続的な成長を実現するためには、既存事業の収益性を高め将来への投資原資を生み出すことに加え、将来の事業の柱となる新規事業の創出が不可欠であると認識しております。当社グループでは、環境・エネルギー分野、医療・福祉分野、先端技術分野を成長産業と位置づけ、新規事業部門に優先的に経営資源を投下し事業展開を進めてまいります。また、他社とのアライアンス等も積極的に検討を行い、早期事業化を目指してまいります。
③「NICCAブランド」を磨くことで、不変の独自性を追求する(Sustainability)
当社グループは、70有余年に及ぶ歴史の中で蓄積してきた、界面化学・毛髪科学の『コア技術』、アジアを中心とした世界各国のネットワークを活用した『顧客対応力』、そしてそれらを支える社員に根付く『大家族主義』、これらを当社グループの強み、すなわち「NICCA ブランド」と位置づけております。環境変化の激しい時代にあって、当社グループは、創業者精神に基づく「NICCA ブランド」を、絶対に変えないものとして、より一層磨きをかけるとともに、海外を含むグループ会社全体への更なる浸透を図ってまいります。
本年は、当社創立75周年の節目の年であるとともに、当社グループが掲げる「長期ビジョン2016」の最終年度であります。グループ一丸となり、創業者精神のもと、課題に対して真摯に取り組みながら、ビジョンの達成、そして永続的な成長を目指してまいります。
当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1)海外展開とカントリーリスクについて
当社グループは12社の海外拠点を持ち連結売上高に占める海外売上高は約50%に達しており、高い水準で海外市
場に依存しております。従って、為替相場の影響を受けやすい状況にあります。当社グループは、過去40年以上の
海外進出の経験と70余年培った顧客対応力及び技術革新力等により、その影響を最小限に押さえることができると
考えておりますが、急激な為替相場の変動が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及
ぼす可能性があります。
また、海外拠点はアジアの発展途上国が多く、比較的カントリーリスクの高い国にあります。特に、当社グルー
プにおいて好調な中国におきましては政治的な不安定性を内包しております。当社グループはアジアの全域に分散
して拠点を有しておりリスク回避に努めておりますが、政治及び経済の急激な変動やテロ、暴動等があった場合に
は、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(2)有利子負債への依存について
当社グループの有利子負債(短期借入金及び長期借入金)残高は、152億9千5百万円と総資産に対して31.2%となっており有利子負債への依存度が幾分高い水準にあります。現在、当社グループは有利子負債の削減に注力しておりますが、今後の金融市場の動向により資金調達コストの急激な上昇があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、運転資金などの必要資金を主に金融機関からの借入により調達しているため、金融機関からの借り換えが出来ない場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
(3)原材料の市場変動の影響について
当社グループの生産のために調達する原材料は石油化学品の割合が高く、石油の国際市況の影響を受けやすい状
況にあります。天然物および石油関連原材料の割合が高く、需給バランス、天候不順、為替レートの変動に伴い市
況価格が変動します。当社グループでは納入業者との共存体制の強化を図るとともに、コストダウンを推進し顧客
対応力及び技術革新力による高付加価値製品の上市等により利益確保を図ってまいりますが、石油市況が急激に上
昇した場合には、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(4)製品の欠陥について
当社グループは、ほとんどの生産拠点において品質保証の国際規格ISO9001の認証を取得したうえで各製品を製造しておりますが、全ての製品について欠陥が無く、将来クレームが発生する可能性が全くないという保証はありません。製品の欠陥は当社グループの評価に影響を与え、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)法的規制について
当社グループは界面活性剤等の化学品および化粧品を製造販売しており、そのため国内外の様々な規制を受けており、その遵守に努めております。特に世界的な環境に対する意識の高まりを受け、当社グループにおいてもISO14001をはじめとした環境対応活動を積極的に行っております。また、日本界面活性剤工業会のメンバーとして環境についての事前の対応に心がけております。
なお、当社グループの製品の安全性に関する主な法律には「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」、「毒物及び劇物取締法」、「労働安全衛生法」、「輸出貿易管理令」、「消防法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」があり、環境に関する主な法律には「環境基本法」、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」があります。
これら関連規制の追加および変更が実施される場合や、当社の事業活動を継続するにあたっての主要な許可の取消しを受けた場合には、当社の事業活動が制限され、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(6)生産設備の毀損等について
当社グループは、日本及び海外に多くの生産拠点を構えており、火災等の事故発生リスクを抱えております。そ
のため、安全衛生委員会活動等の事故防止対策に積極的に取り組んでおります。また、不慮の事故が発生した場合
にも十分な生産対応能力を有しておりますが、重大な災害や大規模地震等の自然災害等が発生した場合には、当社
グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(重要な固定資産の売却について)
当社の連結子会社である台湾日華化学工業股フン有限公司は、平成28年1月29日付で所有する固定資産について、譲渡する契約を締結いたしました。詳細については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
(シンジケートローン契約)
当社は、平成28年2月10日付で株式会社福井銀行をジョイント・アレンジャー兼エージェント、株式会社みずほ銀行をジョイント・アレンジャー兼バックアップエージェントとする、設備投資資金および運転資金確保を目的とした総額10,000百万円のシンジケーション方式のコミットメント付タームローン契約を締結いたしました。詳細については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。この一環として、2017年に完成予定の日華イノベーションセンター(仮称)の準備プロジェクトをスタートいたしました。当連結会計年度において研究インフラの再構築となるこの計画推進のため、本社敷地内にあった1967年建設の旧研究所棟と大型の機器・設備を設置していた試験工場を撤去するとともに、1987年建設の総合研究所棟の大改修を行い、繊維事業の研究室、研究オフィスを移転しました。一時的ではありますが、情報記録紙、製紙用薬剤、高分子合成の研究室もすべて総合研究所棟に統合しました。
化粧品事業の毛髪科学研究所はもとより、日華化学研発(上海)有限公司(2012年に拡大移転)、台湾先端研発センター(2014年に新設)、ニッカKOREA CO.,LTD.の研究開発部門とも連携しながら、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を担って活動を進めております。
当連結会計年度における特許登録件数は、日本国内で14件、海外で9件でした。期間満了の他不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の保有する特許登録件数は、国内206件と変わらず、海外は9件増加して57件になりました。
当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。
研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は20億9千6百万円であります。
(1)化学品事業
当連結会計年度における研究開発費は18億8千5百万円となっております。
研究開発活動は、化学品部門の繊維事業部、精密化学品事業部、ファインケミカル事業部、クリーニング&メディカル事業部内の各研究開発部やグループ、新規育成事業部門の特殊化学品本部内の研究開発部及びコーポレート研究を担当するグループ研究センターで実施しております。
急速な市場の変化とグローバル化の進展に合わせた顧客志向の製品開発と、中長期研究テーマの実施では、産学官連携でのオープンイノベーションを積極的に展開しております。
繊維用化学品事業の研究開発については、これまで旧研究所棟の1~3階、および試験工場にスペースが分かれていましたが、すべての研究設備を総合研究所棟1階に、ラボオフィスを同2階に集約しました。コンパクトに一堂に会することで、より密度の高い交流が生まれる場となりました。繊維用撥水剤の分野において、従来から環境上の懸念物質であったPFOAを使わない製品の開発に加え、さらに進めた非フッ素系の撥剤の開発に総力を結集するため、新たに撥剤開発グループを立ち上げました。従来の編織製品の後加工による仕上剤だけではなく、紡糸工程の添加剤や不織布の改質、合成皮革用のウレタン樹脂など幅広く技術展開をしています。ニッカKOREA CO.,LTD.では、フッ素化学品の新製品開発に邁進しています。日華化学研発(上海)有限公司をとの連携を軸に、グループ全体の研究部門が一体となって、繊維化学品において世界でトップになることを目指して活動しております。
ファインケミカル事業部は、主要技術であるビスフェノール誘導体の製法検討のほか、新たな感熱紙用機能加工剤の開発にも力を注いでおります。
クリーニング&メディカル事業部は、業務用機器に対する錆対策の技術を開発しており、医療機器の洗浄評価システムの開発にも成功しております。
新規育成事業部門では、新たに精密重合制御や人口核酸の合成の技術導入を行いました。環境対応ポリウレタンやナノ粒子の製法検討、プリンタブルエレクトロニクス分野の導電性ペーストの開発も進めております。バイオサーファントの利用やプラズマ処理の分野においても、台湾先端研発センターと共同で開発を進めております。
また、複合材料用の添加剤、樹脂開発を推進するプロジェクトを新しくスタートいたしました。国際的な活動であり、ドイツの研究グラスターCFK Valley Stadeのメンバーシップに加盟するとともに、アーヘン工科大学、オークリッジ国立研究所及び東華大学との共同研究を進めております。NEDOの先導研究プログラムと農研機構の異分野融合共同の委託研究にも採択されました。高分子合成・界面コロイド科学のコア技術をさらに強固で独自性のあるものとするため、外部の研究機関、産業技術総合研究所、大阪大学、北陸先端科学技術大学、京都工芸繊維大学、福井大学及び福井県工業技術センター等とのオープンイノベーションを進めております。
当社グループは、新たなグループ研究体制で、引き続き持続可能な社会の達成に貢献できる環境配慮製品の開発に力を注いでまいります。
(2)化粧品事業
当連結会計年度における研究開発費は2億1千万円となっております。
美容業界は、依然として美容室への来店サイクルの長期化、客単価の低下、来客数の減少が続いており厳しい市場環境です。また市場が低迷する中、メーカー、代理店、サロンの二極化が益々進み、デフレ現象、供給過多、価格競争、代理店競争、サロン競争も益々激化してきております。このような市場環境のもと、サロンにおいては、高付加価値メニューの提案と店頭販売商品の強化により一層注力しております。
日本人の平均年齢が47歳となり大人社会は本格的に到来し、高齢化が進行するなかで、ヘアカラー、パーマの繰り返しによる髪のダメージ、頭皮のトラブル、髪が細くなる、薄くなる、白髪が増える等の悩みも増加しております。このような悩みが、ヘアケアやスキャルプケアに対する意識をより高め、サロンにおけるヘッドスパメニューの認知度を高めつつあるなどエイジングケア市場分野はさらに成長しております。また、安全や安心に対する意識もより高まり、本物志向の自然派商品、高付加価値商品の店頭販売商品についても伸び続けております。
そこで、当社の毛髪科学研究所は、お客様のケア意識の高まりに対応すべく、スキャルプケア、ヘアケアの店頭販売商品の開発とヘアカラーの高付加価値商品の開発にさらに注力しております。
スキャルプケアの分野においては、植物の持つ自然の生命で頭皮をケアするという発想のスキャルプ&ヘアケアシリーズ「ビオーブ」シリーズをさらに強化するため、ワンランク上のスキャルプエイジングケア「ビオーブ ピュリム」(全9アイテム)の開発を行いました。機能性植物成分を中心に、年齢を重ねた頭皮と髪に必要な「巡り」「弾み」「潤い」の3つのアプローチにこだわったプレミアムエイジングケアラインで、いつまでも美しさが巡る艶やかな大人の女性へと導きます。さらにエイジングケアを考えた「ビオーブ」の新シリーズの開発を行っております。
ヘアケアの分野においては、毛髪の微細構造解析、ダメージ解析および肌に対する安全性に関する研究の成果により、高い保湿力を持ち、たっぷりのミネラルを含んだテオシロップを配合したヘアケア「ヘアシーズンズ アロマシロップス」シリーズに夏限定商品のサマーバージョン(全3アイテム)の開発を行いました。紫外線やエアコンによる乾燥でダメージした髪にうるおいを与えしなやかな髪に仕上げ、さらに髪だけでなく肌に対しても乾燥や紫外線など夏特有のダメージから護ることを可能にいたしました。また、髪の水分コントロールとキューティクルの角度(ブリリアントアングル)を解析し、美しい大人の艶髪へと導く「フローディア」にエイジングによる大人のうねり髪のケアと髪と肌をさらに艶めかせる新シリーズ(全9アイテム)の開発を行いました。大人女性に対応したヘアケア店頭販売品の強化をさらに行っております。
スタイリング剤の分野においては、これまで問題であった経時による油性成分の変性がもたらす独特の不快臭が出てくるという問題とべたつきが起きてくるという問題を解決するとともに、お客様の要望である香りの持続性を保つ、独自の多孔質シリカによるマイクロカプセル香料の開発によって実現させた新スタイリング剤シリーズ「ウェーボ ジュカーラ」(全11アイテム)の開発を行いました。なりたいスタイルイメージとセット力で選べることができ、思い通りのスタイルづくりを可能にいたしました。
ヘアカラーの分野においては、主力ブランド「アソート アリア C」において、季節ごとにふさわしい髪色を提案するコレクションシリーズ(全32アイテム)の開発を行い、春夏、秋冬に提案いたしました。色彩学の基本に基づき、彩度をコントロールして単品でも美しい発色を実現いたしました。さらに明るいグレーカラーの需要に対応すべく付加価値の高いヘアカラー開発にも引き続き取り組んでおります。
新規分野においては、大人の女性が抱える肌の悩みに応えるためのスキンケアに特化した研究開発を行っており、基礎研究グループにおいては、エイジングケアのための研究開発に取り組んでおります。
また、大学との共同研究による毛髪の微細構造の解析、ダメージ解析ならびに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に力を注いでまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としており、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測をしておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り・予測と異なる場合があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ65億9千6百万円(16.5%)増加し、465億2千6百万円となりました。
国内販売は、化粧品事業が大きく伸長したこと等により、前連結会計年度と比較して28億1千7百万円(15.3%)増加の212億5千3百万円となりました。海外販売は、台湾、中国、韓国等の東南アジアにおいて化学品事業が好調に推移したこと等により、前連結会計年度に比べ37億7千8百万円(17.6%)増加し、252億7千3百万円となりました。
なお、セグメントの概況につきましては「第2 事業の概況」をご参照ください。
営業利益は、化学品事業事業において、将来の成長に向けた増員や新規事業への投資を積極的に行い、また、化粧品事業において、需要急増に対する一時的な費用の発生や長期成長に向けた増員等があったことから、前連結会計年度に比べ5億円(17.5%)減少し、23億6千4百万円となりました。
経常利益は、前連結会計年度に比べ6億3千万円(20.5%)減益の24億4千2百万円となりました。営業外損益は、受取利息や持分法投資利益等の計上等により、7千8百万円の収益超過となっております。
税金等調整前当期純利益は、特別利益に固定資産売却益5千2百万円や投資有価証券売却益7千8百万円等を計上したものの、経常利益が減少したことに加え、特別損失に固定資産除売却損1億3千3百万円や減損損失3億6千4百万円等を計上したこと等から、前連結会計年度に比べ1億3千7百万円(6.0%)減益の21億6千9百万円となりました。
これらの結果、当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億9千4百万円(20.4%)減少し、11億5千1百万円となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度における資産合計は、前連結会計年度末に比べ70億1千1百万円増加し、490億6千7百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加、売上債権の増加、たな卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ38億8千2百万円増加し、269億3千3百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ31億2千8百万円増加し、221億3千3百万円となりました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ84億4千万円増加し、285億5千2百万円となりました。流動負債は、仕入債務の増加、短期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ106億1百万円増加し、243億8千8百万円となりました。固定負債は、長期借入金の減少等により前連結会計年度末に比べ21億6千1百万円減少し、41億6千3百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億2千8百万円減少し、205億1千5百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加、自己株式の増加、為替換算調整勘定の減少、少数株主持分の減少等によるものです。
以上の結果、自己資本比率は8.8ポイント下降し、36.4%となりました。
尚、当連結会計年度において、江守エンジニアリング株式会社及び大智化学産業株式会社を子会社化したことにより、個別財務諸表単純合算の総資産は49億2千3百万円、負債は45億2千8百万円、純資産は3億9千5百万それぞれ増加しております。
(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。