(1)業績
当連結会計年度(自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日)におけるわが国経済は、企業業績が内外需要の持ち直しを受けて好調に推移していることに加え、個人消費にも雇用者数の増加、物価上昇率の低下などを背景に持ち直しがみられるなど、緩やかな回復基調で推移しておりますが、中国の景気減速や米国新大統領の就任によりTPPの発効が実質的にむずかしくなる等の影響が懸念され、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは化学品事業において、中国をはじめとする東アジア地区へ積極的に経営資源を投入し、事業拡大や新規開拓を行いました。化粧品事業においては、主力のデミコスメティクスの拡販や韓国をはじめとする東アジア地区への積極的な事業展開を進めました。
この結果、売上高は442億2千2百万円(前連結会計年度比5.0%減)、営業利益は14億5千8百万円(同38.3%減)、経常利益は15億8千8百万円(同35.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億4千6百万円(同69.9%減)となりました。
①化学品事業
化学品事業には、当社グループの主力となる繊維加工用薬剤の他に情報記録紙用薬剤、樹脂原料、業務用クリーニング薬剤、医療・介護施設向け薬剤及びその他機能性化学品が含まれております。
売上高は312億9千万円(同12.3%減)、セグメント利益は9億4千万円(同58.2%減)となりました。
国内では、業務用クリーニング薬剤、製紙用薬剤、非イオン活性剤のほか、大智化学産業株式会社の半導体市場向け製品の販売が堅調に推移しそれぞれ収益に寄与しましたが、海外では、主力の繊維化学品事業がアセアンを中心に販売を伸ばしたものの、年初からの円高及びアジア通貨安、韓国での大型受注案件終了の影響を受け、売上高、セグメント利益ともに大幅に減少しました。
②化粧品事業
化粧品関連事業はヘアケア剤、ヘアカラー剤、パーマ剤、スキャルプケア剤及びスタイリング剤が主な取扱品であります。
売上高は126億5千4百万円(同18.9%増)、セグメント利益は23億5千3百万円(同29.8%増)となりました。
当社デミコスメティクスやイーラル株式会社の販売が堅調に推移したことに加え、山田製薬株式会社における化粧品製造受託事業が大幅に伸長したこと、また海外子会社のDEMI KOREA CO.,LTD.における販売も引き続き好調であることから売上高、セグメント利益とも増加しました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが12億3千5百万円得られたことや財務活動によるキャッシュ・フローが16億3千6百万円の調達となったものの、有形固定資産の取得による支出43億1百万円があったこと等により、前連結会計年度末に比べ、17億4百万円減少し、当連結会計年度末には58億3千4百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は12億3千5百万円となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益10億4千5百万円、減価償却費16億3千3百万円を計上し、厚生年金基金解散損失引当金の計上4億9千4百万円がありましたが、売上債権の増加に伴う減少5億8千1百万円及びたな卸資産の増加に伴う減少9億8千1百万円、法人税等の支払額6億7千6百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は42億5千2百万円となりました。
これは主に、有形固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果調達した資金は16億3千6百万円となりました。
これは主に、借入金の増加21億8千3百万円、配当金の支払5億4千6百万円等によるものです。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
前年同期比(%) |
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化学品(千円) |
36,336,634 |
98.3 |
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化粧品(千円) |
3,708,494 |
90.1 |
|
報告セグメント計(千円) |
40,045,128 |
97.5 |
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合計(千円) |
40,045,128 |
97.5 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.報告セグメント以外のその他については、生産活動になじまないため記載しておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)製商品仕入実績
当連結会計年度の製商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品(千円) |
3,025,962 |
93.2 |
|
化粧品(千円) |
1,074,259 |
119.3 |
|
報告セグメント計(千円) |
4,100,221 |
98.9 |
|
合計(千円) |
4,100,221 |
98.9 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.報告セグメント以外のその他については、仕入実績はありませんので記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注状況
当社グループは、主として、販売計画、生産状況を基礎とした見込生産を行っております。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
前年同期比(%) |
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化学品(千円) |
31,290,459 |
87.7 |
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化粧品(千円) |
12,654,477 |
118.9 |
|
報告セグメント計(千円) |
43,944,936 |
94.8 |
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その他 |
277,988 |
149.6 |
|
合計(千円) |
44,222,924 |
95.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループを取り巻く世界経済環境は、英国のEU離脱の影響や米国新政権の発足、加えて2017年にオランダ、フランス、ドイツ等欧州の主要国において重要な選挙が予定されていることもあり、依然先行き不透明な状況にあります。
また、日本国内においても、米国大統領選後の円安の進行や個人消費の持ち直しによって、日本経済が緩やかに回復すると予想されるものの、為替の乱高下やTPPの先行き不透明に加えて、中国経済の成長鈍化による日本企業への影響など、引き続き予断を許さない状況が続いております。
このような経営環境の中、当社グループは、永続的成長に向けて2025年までの全社基本ビジョンを「世界中のお客様から最も信頼されるイノベーション・カンパニー 」と掲げ、当中期経営計画期間を「改変期」とし、激変する経営環境に左右されない強固な経営基盤の構築を図ってまいります。
また、「イノベーションの推進」「グローバルネットワークの強化と拡大」「『勝ち続ける』経営基盤の構築」の3つの全社経営戦略のもと、最終年度である2019年に、連結売上高500億円、連結営業利益25億円、EBITDA 50億円以上、ROE5%以上とする経営目標の達成のため、次の課題に取り組んでまいります。
①イノベーションの推進
当社グループの更なる成長のためには、既存事業でのイノベーションと、繊維加工用薬剤事業、化粧品事業に次ぐ将来の事業の柱となる新規事業の創出が不可欠であると認識しております。
当社グループは、2017年秋に稼動を開始する研究開発の中核拠点「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)を軸に、より一層ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出を加速してまいります。また、NICを産官学連携のプラットフォームとして活用することで、環境、電子材料、医療・福祉、自動車、先端素材など各分野でのオープンイノベーションを推進し、早期事業化を目指してまいります。
②グローバルネットワークの強化と拡大
当社の強みであるグローバルネットワークを進化させることで、顧客基盤を拡充してまいります。
アジアを中心に展開するグループ各社の顧客対応力を高めるとともに、グループ間の連携をより強化することで、お客様と強固なパートナーシップを構築してまいります。また、新興国など新しいエリアにおいても、大胆に事業展開していくことで業容拡大を図ってまいります。
③「勝ち続ける」経営基盤の構築
最重要課題である「イノベーションの推進」による業容拡大とともに、為替など外部環境に左右されない強い体質を構築してまいります。
生産機能の集約、中国拠点の統合、コストダウンの推進等により経営効率を高め、人事制度改革、グローバル財務戦略の確立、グループITインフラの戦略的活用等により、経営資源を最大限に活用する体制を整えてまいります。
当社は、昨年創立75周年を迎え、本年は100年企業に向け、最後の四半世紀の重要な1年目となります。当社グループ一丸となり、創業者精神のもと課題に対して真摯に取り組みながら、永続的な成長を目指してまいります。
当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1)海外展開とカントリーリスクについて
当社グループは12社の海外拠点を持ち連結売上高に占める海外売上高は40%を超えており、高い水準で海外市場に依存しております。従って、為替相場の影響を受けやすい状況にあります。当社グループは、外貨建ての債権と債務のバランスを考慮するほか、外貨建て債権の回収サイトの短縮化に努めており、その影響を最小限に抑えることができると考えておりますが、急激な為替相場の変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは複数の新興国において事業を展開しており、地域を分散させることでカントリーリスクの回避に努めておりますが、政治及び経済の急激な変動やテロ、暴動等があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(2)有利子負債への依存について
当社グループの有利子負債(短期借入金及び長期借入金)残高は、173億9千9百万円と総資産に対して34.4%となっており有利子負債への依存度が幾分高い水準にあります。現在、当社グループは有利子負債の削減に努めておりますが、今後の金融市場の動向により資金調達コストの急激な上昇があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、運転資金などの必要資金を主に金融機関からの借入により調達しているため、金融機関からの借り換えが出来ない場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
(3)財務制限条項について
当社は事業資金の迅速かつ効率的な調達を行うため、取引金融機関複数行との間でシンジケートローン契約を締結しており、当該契約には一定の財務制限条項が付されております。これらに抵触した場合、該当する借入金の一括返済及び契約解除のおそれがあり、当社の資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料の市場変動の影響について
当社グループの生産のために調達する原材料は石油化学品の割合が高く、石油の国際市況の影響を受けやすい状況にあります。天然物及び石油関連原材料の割合が高く、需給バランス、天候不順、為替レートの変動に伴い市況価格が変動します。当社グループでは納入業者との共存体制の強化を図るとともに、コストダウンを推進し顧客対応力及び技術革新力による高付加価値製品の上市等により利益確保を図ってまいりますが、石油市況が急激に上昇した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(5)製品の欠陥について
当社グループは、ほとんどの生産拠点において品質保証の国際規格ISO9001の認証を取得したうえで各製品を製造しておりますが、全ての製品について欠陥がなく、将来クレームが発生する可能性が全くないという保障はありません。製品の欠陥は当社グループの評価に影響を与え、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制について
当社グループは界面活性剤等の化学品および化粧品を製造販売しており、そのため国内外の様々な規制を受けており、その遵守に努めております。特に世界的な環境に対する意識の高まりを受け、環境面での法的規制は強化される傾向にあり、当社グループにおいてもISO14001をはじめとした環境対応活動を積極的に行っております。また、日本界面活性剤工業会のメンバーとして環境についての事前の対応に心がけております。
なお、当社グループの製品の安全性に関する主な法律には「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」、「毒物及び劇物取締法」、「労働安全衛生法」、「輸出貿易管理令」、「消防法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」があり、環境に関する主な法律には「環境基本法」、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」があります。
これらの関連規制に加え、諸外国における同様の規制の追加および変更が実施される場合や、当社グループの事業活動を継続するにあたっての主要な許可の取消しを受けた場合には、当社の事業活動が制限され、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(7)生産設備の毀損等について
当社グループは、日本及び海外に多くの生産拠点を構えており、火災等の事故発生リスクを抱えております。そのため、安全衛生委員会活動等の事故防止対策に積極的に取り組んでおります。また、不慮の事故が発生した場合にも十分な生産対応能力を有しておりますが、重大な災害や大規模地震等の自然災害等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(重要な固定資産の売却について)
当社は、平成28年1月29日開催の取締役会において、連結子会社である台湾日華化学工業股フン有限公司が所有する固定資産について、下記のとおり譲渡することを決議いたしました。
①譲渡の理由
当該譲渡資産は、平成26年7月に移転した当該連結子会社の旧工場及び旧事務所等の跡地で、現在遊休となっている資産であります。今後使用する見込みがないことから、経営資源の有効活用及び財務体質の強化を目的に譲渡することにいたしました。
②譲渡する資産の内容
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資産の内容及び所在地 |
譲渡価額 |
帳簿価額 |
譲渡益 |
現況 |
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台湾 新北市板橋区大同段 土地:10,890.83㎡ 建物: 1,832.84㎡ |
1,310,000 千台湾元 |
202,084 千台湾元 |
932,773 千台湾元 |
遊休資産 |
③譲渡先の概要
譲渡先につきましては、現地の金融機関でありますが、譲渡先との契約により、公表を控えさせていただきます。また、当社と譲渡先との間には、資本関係、人的関係、取引関係及び関連当事者として特記すべき事項はありません。
④譲渡の日程
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取締役会決議 |
平成28年1月29日 |
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契約締結日 |
平成28年1月29日 |
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物件引渡期日 |
平成29年12月期予定 |
⑤当該事象の損益に与える影響
当該固定資産の譲渡に伴い、平成29年12月期の連結決算において、特別利益を約3,000百万円計上する見込みであります。
当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。すでに建築工事が始まったNICCA イノベーションセンター(以下「NIC」)は、今年2017年の秋に完成を予定しております。
現在、化粧品事業の毛髪科学研究所、日華化学研発(上海)有限公司、台湾先端研発センター及びNICCA KOREA CO.,LTD.の研究開発部門と連携しながら活動を進めておりますが、NIC完成後は、国内の化学品と化粧品の研究所は同じ建物の中に統合されることになります。
当連結会計年度における特許登録件数は、日本国内で17件、海外で10件となりました。特許の譲受、期間満了の他、不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の保有する特許登録件数は、国内は35件増加して241件、海外は23件増加して80件となりました。
当社グループの研究開発費は各セグメントに配分しております。当連結会計年度の総額は、20億3千5百万円であります。当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。
(1)化学品事業
当連結会計年度における研究開発費は、18億1百万円となっております。
市場と密接に連携した技術開発及び製品開発活動を、化学品部門の繊維事業部製品企画開発部・ファインケミカル事業部研究開発部・クリーニング&メディカル事業部研究開発部及び新規育成事業部門の特殊化学品本部研究開発部で実施しております。また基盤技術からの中長期研究テーマを、コーポレートリサーチセンターのコーポレートイノベーション研究部で実施しております。
急速な市場の変化とグローバル化の進展に合わせたスピード感のある製品開発を目指して、産学官連携のオープンイノベーションを積極的に展開しております。
繊維用化学品では、非フッ素系撥水剤の開発に総力を結集し、シリコーン系やハイブリッド系のラインナップを取り揃えて、世界をリードする充実した製品群を実現いたしました。当社の主力製品のひとつであるカーシート用難燃バッキング剤でも、環境負荷の少ない非臭素系の新製品を開発しております。抗菌・消臭などの機能化のみならず、繊維内部に保湿成分を含浸して、肌にやさしいインナーウェアを実現する薬剤の開発も行っております。中国の日華化学研発(上海)有限公司と浙江日華化学有限公司では、過去に例のない綿用の吸水速乾加工剤を開発いたしました。
ファインケミカル事業部は、主要技術であるビスフェノールS誘導体の開発の他、エンジニアリングプラスチック原料としての用途開発にも力を入れております。
クリーニング&メディカル事業部では、医療機器の洗浄性向上のため血液凝固を防止するスプレーの開発にも成功しております。
特殊化学品本部では、新たに開発した金属用スプレー洗浄剤ニッカサンクリーンSP-4500が、低温洗浄を可能とする省エネルギー性と、消泡性・加工適性等の高さが自動車部品メーカーにも高く評価されて、「産業洗浄優秀新製品賞」を受賞いたしました。ウレタン樹脂の開発を特殊化学品本部の機能ポリマー部に統合して、人工皮革用樹脂や、形状記憶性を有するコーティング樹脂の開発が迅速に行えるようになりました。精密重合制御や人工核酸の合成の技術をさらに進化させております。またどの角度からも鮮明な映像を見ることができるナノダイヤを用いた透過型スクリーンの実用化に成功しました。プリンタブルエレクトロニクス分野の低温焼結型の銅、及び窒化銅、導電性ペーストの開発も進めております。
コーポレートリサーチセンターでは、炭素繊維用複合材料用の添加剤・電子線硬化樹脂の開発を推進し、ドイツの研究クラスターCFK Valley Stadeのコンベンションでブース展示し、注目を浴びました。アーヘン工科大学との共同研究の成果をもとに炭素繊維のリサイクル用途への展開を進めております。NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー産業技術総合開発機構)の先導研究プログラムと農研機構の異分野融合共同の委託研究では、将来の実用化に繋がる成果を残しました。
福井大学とは、改めて包括的提携契約に調印し、大学内に弊社とのジョイント・ラボを設置して、反応のシミュレーションや界面挙動の解析等の共同開発を推進しております。界面科学・ナノテクノロジーのコア技術をさらに強固で独自性のあるものとするため、大阪大学・東京工業大学・北陸先端科学技術大学・京都工芸繊維大学・産業技術総合研究所・福井県工業技術センター・フラウンホーファー等とのオープンイノベーションを引き続き進めております。
当社グループは、グローバルなグループ研究体制で、引き続き持続可能な社会の達成に貢献できる環境配慮製品の開発に力を注いでまいります。
(2)化粧品事業
当連結会計年度における研究開発費は2億3千3百万円となっております。
美容業界は、依然として美容室への来店サイクルの長期化、客単価の低下、来客数の減少が続いており厳しい市場環境です。また市場が低迷する中、メーカー、代理店及びサロンの二極化が益々進み、デフレ現象、供給過多、価格競争、代理店競争及びサロン競争も益々激化してきております。このような市場環境のもと、サロンにおいては、来店頻度を高める取り組み、高付加価値メニューの提案及び店頭販売商品の強化により一層注力しております。
日本において高齢化が進行する中、健康でいつまでも若々しくいたいとの想いが強まり、ヘアカラーにおいては従来の黒く染めるグレイカラーから明るいファッショングレイカラーの需要が高まっております。また、一方、明るいグレイカラーの繰り返しによる髪のダメージ、頭皮のトラブル、髪が細くなる、薄くなる、白髪が増える等の悩みも益々増加しております。このような悩みからヘアケアやスキャルプケアに対する意識もより高まり、サロンにおけるヘッドスパメニューの需要もさらに高まりつつあり、エイジングケア市場分野はさらに成長しております。また、安全や安心に対する意識もより高まり、本物志向の自然派商品、高付加価値商品の店頭販売商品についても伸び続けております。
そこで、当社の毛髪科学研究所は、ヘアカラーの高付加価値商品の開発とお客様のケア意識の高まりに対応すべく、スキャルプケア、ヘアケアの店頭販売商品の開発にさらに注力しております。
ヘアカラーの分野においては、40~50代女性のサロンカラー比率の高まりとファッションカラーの需要に対応すべく主力ブランド「アソート アリア C」(全40アイテム)において、さらに16アイテムを開発して季節ごとにふさわしい髪色を提案いたしました。また、弱酸性ヘアカラー「アソート アリア エトレ」においても、さらに6アイテムの開発を行い、サロンならではのノンアルカリ(弱酸性)カラー、植物由来成分配合、トリートメント成分配合でヘアカラーの付加価値を高め生涯続けられるカラー提案の充実を図りました。さらに、ファッショングレイカラーの需要に対応すべく、新ヘアカラーシリーズ「アソート アリア S」(全20アイテム)の開発を行い、お客様が求めている明るくしっかりと染まりながらもダメージの少ないグレイカラーを実現いたしました。お客様のニーズに対応すべく付加価値の高いヘアカラー開発に引き続き取り組んでおります。
スタイリング剤の分野においては、スタイリング剤「ウェーボ ジュカーラ」シリーズに髪の乾燥、ダメージに対応したミルキーシリーズ(全3アイテム)の開発を行い、髪の悩みを解決しながら思い通りのスタイリングができるようにいたしました。
ヘアケアの分野においては、毛髪の微細構造解析、ダメージ解析および肌に対する安全性に関する研究を重ねており大人女性に対応したヘアケア店頭販売品の強化を図っております。
また、スキャルプケアの分野においては、機能性植物成分の研究を重ねており、エイジングケア商品の開発に取り組んでおります。
新規分野においては、大人の女性が抱える肌の悩みに応えるためのスキンケアに特化した研究開発を行っており、基礎研究グループにおいては、エイジングケアのための研究開発に取り組んでおります。
また、大学との共同研究による毛髪の微細構造の解析、ダメージ解析ならびに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に力を注いでまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としており、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測をしておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り・予測と異なる場合があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ23億3百万円(5.0%)減少し、442億2千2百万円となりました。
国内販売は、化粧品事業が大きく伸長したこと等により、前連結会計年度と比較して27億9百万円(12.7%)増加の239億6千2百万円となりました。海外販売は、韓国化学品事業における大型受注案件終了や円高及びアジア通貨安の影響等により、前連結会計年度に比べ50億1千3百万円(19.8%)減少し、202億6千万円となりました。
なお、セグメントの概況につきましては「第2 事業の概況」をご参照ください。
営業利益は、化粧品事業において販売増による利益の増加があったものの、化学品事業における韓国の大型受注案件終了の影響や新規事業への一時的な費用の発生等から、前連結会計年度に比べ9億5百万円(38.3%)減少し、14億5千8百万円となりました。
経常利益は、前連結会計年度に比べ8億5千4百万円(35.0%)減益の15億8千8百万円となりました。営業外損益は、受取利息や持分法投資利益等の計上等により、1億3千万円の収益超過となっております。
税金等調整前当期純利益は、経常利益が減少したことに加え、特別損失に厚生年金基金解散損失引当金繰入額4億9千4百万円等を計上したこと等から、前連結会計年度に比べ11億2千3百万円(51.8%)減益の10億4千5百万円となりました。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ8億4百万円(69.9%)減少し、3億4千6百万円となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、15億1千2百万円増加し505億8千万円となりました。有形固定資産の増加17億8百万円、たな卸資産の増加8億1千9百万円、受取手形及び売掛金の増加3億2千8百万円及び現金及び預金の減少17億6千9百万円が主な要因であります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ、26億1千1百万円増加し311億6千3百万円となりました。主な要因は、短期借入金の増加8億1千8百万円、長期借入金の増加12億8千5百万円、退職給付に係る負債の増加5億5千4百万円、厚生年金基金解散損失引当金の増加4億9千4百万円及び支払手形及び買掛金の減少5億9千1百万円であります。
純資産につきましては、為替換算調整勘定の減少6億9千9百万円、退職給付に係る調整累計額の減少3億5千5百万円及び非支配株主持分の減少1億6百万円等により、前連結会計年度に比べ10億9千8百万円減少の194億1千7百万円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度の36.4%から33.3%となりました。
(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。