(1)業績
当連結会計年度(平成29年1月1日から平成29年12月31日まで)におけるわが国経済は、企業業績の持ち直しに加え、設備投資の堅調な推移、雇用者数の増加、物価上昇率の低下などを背景に、今後も緩やかな回復基調が続いていくものと予想されます。世界経済環境は、中国経済成長の緩やかな減速による下振れ懸念は依然として残るものの、米国経済の景気回復に加え、中国をはじめとするアジア新興国のインフラ投資などが継続的に見込まれるなど、底堅く推移するものと予想されます。しかしながら、政治的、地政学的リスク、金融資本市場の変動、原油価格の動向などについては、引き続き注視が必要な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは化学品事業において、日本国内での積極的な新規事業展開や、中国をはじめとする東アジア地域での事業拡大、新規開拓を行いました。化粧品事業においては、主力のデミ コスメティクスでの商品リニューアルや、山田製薬株式会社における化粧品ODM事業、韓国をはじめとする東アジア地域での積極的な事業展開を進めました。
当連結会計年度の業績は、売上高484億9千3百万円(前連結会計年度比9.7%増)、営業利益21億1千6百万円(同45.1%増)、経常利益21億7千1百万円(同36.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益13億8千8百万円(同300.5%増)となりました。
①化学品事業
化学品事業には、当社グループの主力である繊維加工用薬剤の他に情報記録紙用薬剤、樹脂原料、業務用クリーニング薬剤、医療・介護施設向け薬剤及びその他機能性化学品が含まれております。
売上高は352億2千万円(前連結会計年度比12.6%増)、セグメント利益は18億8千7百万円(同100.7%増)となりました。
繊維加工用薬剤の新規案件獲得に加え、製紙用薬剤、非イオン活性剤、機能性樹脂製品の販売が堅調に推移しました。連結子会社では、大智化学産業株式会社における半導体市場向け製品の販売が好調となったことに加え、海外では、NICCA KOREA CO.,LTD.における環境対応型撥水剤事業や中国における新興市場の開拓等が業績に寄与した結果、売上高・セグメント利益ともに増加しました。
②化粧品事業
化粧品関連事業はヘアケア剤、ヘアカラー剤、パーマ剤、スキャルプケア剤及びスタイリング剤が主な取扱品であります。
売上高は124億9千4百万円(同1.3%減)、セグメント利益は20億6千4百万円(同12.3%減)となりました。
山田製薬株式会社における化粧品ODM事業や、DEMI KOREA CO.,LTD.における販売は引き続き好調ではあるものの、国内美容サロン業界全体の伸び悩みに伴い、主力の国内サロン向け化粧品の販売が苦戦を強いられております。当社デミ コスメティクスにおいて、主力ヘアケアブランドのフルリニューアルを行ったことにより、売上高は回復傾向にあるものの、山田製薬株式会社における新工場稼働に伴う減価償却費の増加等も発生した結果、売上高・セグメント利益は減少しました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動によるキャッシュ・フロー41億8千5百万円を支出したものの、営業活動によるキャッシュ・フロー49億7千9百万円の獲得、財務活動によるキャッシュ・フロー11億5百万円を調達したため、前連結会計年度末に比べ、21億5千2百万円増加し、当連結会計年度末には79億8千7百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は49億7千9百万円となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益22億8千7百万円、減価償却費18億6千万円を計上し、仕入債務の増加による収入7億5千8百万円、売上債権の減少による収入4億1千1百万円及びたな卸資産の減少による収入6億9千1百万円がありましたが、法人税等の支払6億7千3百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は41億8千5百万円となりました。
これは主に、有形固定資産の取得45億5千4百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果調達した資金は11億5百万円となりました。
これは主に、借入による収入16億7百万円がありましたが、配当金の支払4億8千5百万円等があったことによるものです。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品(百万円) |
37,484 |
103.2 |
|
化粧品(百万円) |
4,236 |
114.3 |
|
報告セグメント計(百万円) |
41,721 |
104.2 |
|
合計(百万円) |
41,721 |
104.2 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.報告セグメント以外のその他については、生産活動になじまないため記載しておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)製商品仕入実績
当連結会計年度の製商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品(百万円) |
3,501 |
115.7 |
|
化粧品(百万円) |
1,026 |
95.5 |
|
報告セグメント計(百万円) |
4,528 |
110.4 |
|
合計(百万円) |
4,528 |
110.4 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.報告セグメント以外のその他については、仕入実績はありませんので記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注状況
当社グループは、主として、販売計画、生産状況を基礎とした見込生産を行っております。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品(百万円) |
35,220 |
112.6 |
|
化粧品(百万円) |
12,494 |
98.7 |
|
報告セグメント計(百万円) |
47,715 |
108.6 |
|
その他 |
778 |
280.1 |
|
合計(百万円) |
48,493 |
109.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループを取り巻く世界経済環境は、中国経済成長の緩やかな減速による下振れ懸念は依然として残るものの、米国経済の景気回復に加え、中国をはじめとするアジア新興国のインフラ投資などが継続的に見込まれるなど、底堅く推移するものと予想されます。しかしながら、政治的、地政学的リスク、金融資本市場の変動、原油価格の動向などについては、引き続き注視が必要な状況が続いております。また、日本経済は、企業業績の持ち直しに加え、設備投資の堅調な推移、雇用者数の増加、物価上昇率の低下などを背景に、今後も緩やかな回復基調が続くものと予想されます。
このような中、当社グループは、永続的成長に向けて2025年までの全社基本ビジョンを「世界中のお客様から最も信頼されるイノベーション・カンパニー」と掲げ、当中期経営計画期間を「改変期」とし、激変する経営環境に左右されない強固な経営基盤の構築を図ってまいります。また、「イノベーションの推進」「グローバルネットワークの強化と拡大」「『勝ち続ける』経営基盤の構築」の3つの全社経営戦略のもと、2019年を最終年度とする中期経営目標達成のため、次の課題に取り組んでまいります。
①イノベーションの推進
当社グループの更なる成長のためには、既存事業でのイノベーションと、主力事業である繊維加工用薬剤事業、化粧品事業に次ぐ将来の事業の柱となる新規事業の創出が不可欠であると認識しております。
当社グループは、2017年に開所した研究開発の中核拠点「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)を軸に、より一層ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合せることで、新しい製品と事業の創出を加速してまいります。また、NICを産官学連携のプラットフォームとして活用することで、環境、電子材料、医療・福祉、自動車、先端素材など各分野でのオープンイノベーションを推進し、早期事業化を目指してまいります。
②グローバルネットワークの強化と拡大
当社の強みであるグローバルネットワークを進化させることで、顧客基盤を拡充してまいります。
アジアを中心に展開するグループ各社の顧客対応力を高めるとともに、グループ間の連携をより強化することで、お客様と強固なパートナーシップを構築してまいります。また、新興国など新しいエリアにおいても、大胆に事業展開していくことで業容拡大を図ってまいります。
③「勝ち続ける」経営基盤の構築
最重要課題である「イノベーションの推進」による業容拡大とともに、為替など外部環境に左右されない強い体質を構築してまいります。
生産機能の集約、中国拠点の統合、コストダウンの推進等により経営効率を高め、人事制度改革、グローバル財務戦略の確立、グループITインフラの戦略的活用等により、経営資源を最大限に活用する体制を整えてまいります。
当社グループは、上記諸施策に加え、コーポレート・ガバナンスの強化及び社会と環境に配慮した経営を推進するとともに、お客様、株主の皆様、そして社会から信頼され選ばれる企業を目指し、長期的な成長の実現と一層の企業価値向上を図ってまいります。
当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1)海外展開とカントリーリスクについて
当社グループは12社の海外拠点を持ち連結売上高に占める海外売上高は40%を超えており、高い水準で海外市場に依存しております。従って、為替相場の影響を受けやすい状況にあります。当社グループは、外貨建ての債権と債務のバランスを考慮するほか、外貨建て債権の回収サイトの短縮化に努めており、その影響を最小限に抑えることができると考えておりますが、急激な為替相場の変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは複数の新興国において事業を展開しており、地域を分散させることでカントリーリスクの回避に努めておりますが、政治及び経済の急激な変動やテロ、暴動等があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(2)有利子負債への依存について
当社グループの有利子負債(短期借入金及び長期借入金)残高は、191億7千5百万円と総資産に対して34.8%となっており有利子負債への依存度が幾分高い水準にあります。現在、当社グループは有利子負債の削減に努めておりますが、今後の金融市場の動向により資金調達コストの急激な上昇があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、運転資金などの必要資金を主に金融機関からの借入により調達しているため、金融機関からの借り換えが出来ない場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
(3)財務制限条項について
当社は事業資金の迅速かつ効率的な調達を行うため、取引金融機関複数行との間でシンジケートローン契約を締結しており、当該契約には一定の財務制限条項が付されております。これらに抵触した場合、該当する借入金の一括返済及び契約解除のおそれがあり、当社の資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料の市場変動の影響について
当社グループの生産のために調達する原材料は石油化学品の割合が高く、石油の国際市況の影響を受けやすい状況にあります。天然物及び石油関連原材料の割合が高く、需給バランス、天候不順、為替レートの変動に伴い市況価格が変動します。当社グループでは納入業者との共存体制の強化を図るとともに、コストダウンを推進し顧客対応力及び技術革新力による高付加価値製品の上市等により利益確保を図ってまいりますが、石油市況が急激に上昇した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(5)製品の欠陥について
当社グループは、ほとんどの生産拠点において品質保証の国際規格ISO9001の認証を取得したうえで各製品を製造しておりますが、全ての製品について欠陥がなく、将来クレームが発生する可能性が全くないという保証はありません。製品の欠陥は当社グループの評価に影響を与え、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制について
当社グループは界面活性剤等の化学品および化粧品を製造販売しており、そのため国内外の様々な規制を受けており、その遵守に努めております。特に世界的な環境に対する意識の高まりを受け、環境面での法的規制は強化される傾向にあり、当社グループにおいてもISO14001をはじめとした環境対応活動を積極的に行っております。また、日本界面活性剤工業会のメンバーとして環境についての事前の対応に心がけております。
なお、当社グループの製品の安全性に関する主な法律には「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」、「毒物及び劇物取締法」、「労働安全衛生法」、「輸出貿易管理令」、「消防法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」があり、環境に関する主な法律には「環境基本法」、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」があります。
これらの関連規制に加え、諸外国における同様の規制の追加および変更が実施される場合や、当社グループの事業活動を継続するにあたっての主要な許可の取消しを受けた場合には、当社グループの事業活動が制限され、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(7)生産設備の毀損等について
当社グループは、日本及び海外に多くの生産拠点を構えており、火災等の事故発生リスクを抱えております。そのため、安全衛生委員会活動等の事故防止対策に積極的に取り組んでおります。また、不慮の事故が発生した場合にも十分な生産対応能力を有しておりますが、重大な災害や大規模地震等の自然災害等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。
当連結会計年度は、本社敷地内に研究開発の中核拠点である「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)を竣工しました。より一層ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出を加速してまいります。また、NICを産官学連携のプラットフォームとして活用することで、環境、電子材料、医療・福祉、自動車、先端素材など各分野でのオープンイノベーションを推進し、早期事業化を目指してまいります。
また、NICの竣工に伴い当社研究開発の中核である化学品事業の界面科学研究所と化粧品事業の毛髪科学研究所が一体となりました。海外においては、日華化学(中国)有限公司の研究開発部門、台湾日華化学工業股フン有限公司の先端研発センター、NICCA KOREA CO.,LTD.の研究開発部門が研究開発の中核を担っており、それぞれが連携しながら相乗効果を発揮することで、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を進めてまいります。
当連結会計年度における特許登録件数は、国内で13件、海外で4件となりました。特許の譲受、期間満了の他不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の保有する特許登録件数は、国内は2件増加して、243件となり、海外は3件増加して83件となりました。
当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。
研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は20億6千5百万円であります。
(1)化学品事業
当連結会計年度における研究開発費は、18億1千4百万円となっております。
化学品事業における研究開発活動は、従来組織では、化学品部門の繊維化学品事業部、ファインケミカル事業部、クリーニング&メディカル事業部内の各研究開発部やグループ、特殊化学品本部内の研究開発部及びコーポレート研究を担当するコーポレートイノベーション研究部で実施しておりましたが、NICの開所と同日の平成29年11月1日より、化学品事業全ての研究開発活動を一元的に担う新たな組織として、化学品部門内に界面科学研究所を発足致しました。これは、急速に変化する市場とグローバル化の進展に合わせた顧客志向の商品開発と先行開発となる中長期技術開発を機動的に行い、ユニークな製品群をより短期間で市場に提供することを目的としており、その達成に向けて産学官連携でのオープンイノベーションを積極的に展開しております。
繊維化学品事業の研究開発においては、これまで以上に現場を意識した外向き研究開発活動が奏功し、環境対応型撥水剤に加え、公益社団法人発明協会主催による平成29年度近畿地方発明表彰において文部科学大臣賞を受賞した非フッ素系撥水剤の新規ラインナップ、難燃バッキング剤の新製品群、さらには画期的な環境対応型新規精練剤を開発致しました。引き続き、高度化する顧客要望への対応と共に新領域開拓に向け、国内外でのオープンイノベーションを加速すると共に海外拠点を含めたグループの総力を結集して開発活動に取り組んでおります。
ファインケミカル事業の研究開発においては、主要技術であるビスフェノール誘導体の製法検討をさらに深化させ、新グレード製品を市場に導入致しました。現在新手法導入による工程の合理化や、品質の安定化を推し進めると共に、オープンイノベーションによる新たな感熱紙用機能加工剤の開発にも力を注いでおります。
クリーニング&メディカル事業の研究開発においては、両事業における機能性新製品の自主開発に加え、医療機器の洗浄度サービスの実績化と、オープンイノベーションによる新製品開発が進展しました。現在、新領域開拓に向けた取り組みについても注力しております。
特殊化学品関連の研究開発においては、機能材料分野における新規脱墨剤や柔軟剤、さらに前年上市した環境対応型金属洗浄剤の新グレード製品等を開発いたしました。機能ポリマー分野では、非繊維分野での実績化が進展し、繊維分野を含む機能性新製品の開発に注力すると共に、機構解明に向けた産学連携の取り組みを精力的に進めております。新規分野では、透過型スクリーン「DiaLumie」を上市し、そのラインナップ開発を進めると共に、金属ペーストでは接合剤としての開発を進めました。リビングアニオン重合といった精密重合技術や機能性人工核酸ではオープンイノベーションでの取り組みが進展、産官学の連携による事業化に向けた共同開発を進めております。
コーポレート研究においては、複合材料分野における国内外でのオープンイノベーションを推進し、特に炭素繊維のリサイクルに有効な技術を開発し、発表を致しました。産業技術総合研究所と連携したフェムトリアクター検討ではNEDO(国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構)の先導研究プログラムの継続採択により実用研究をリードしております。分析関連では、先端技術の導入による表面解析を通じた機構解明を推し進め、イノベーション創発の推進に注力しております。
新たに発足した界面科学研究所は、NICという「創発の場」を最大限活かし、様々な形でのオープンイノベーションをより積極的に推進すると共に、高分子合成・界面コロイド科学におけるコア技術をさらに強固で独自性のあるものとすることで、当社は引き続き持続可能な社会の達成に貢献できる環境配慮型製品の開発に力を注いでまいります。
(2)化粧品事業
当連結会計年度における研究開発費は2億5千1百万円となっております。
美容業界は、依然として美容室への来店サイクルの長期化、客単価の低下、来客数の減少が続いており厳しい市場環境が続いております。また、美容室においては美容師の人材不足が益々深刻な問題となっております。
美容業界市場が低迷する中、メーカー、代理店、サロンの二極化が益々進み、デフレ現象、供給過多、価格競争、代理店競争、サロン競争、人材確保が益々激化してきております。このような市場環境のもと、サロンにおいては、来店頻度を高める取り組み、高付加価値メニューの提案と店頭販売商品の強化、スタッフの育成教育に一層注力しております。
日本人の平均年齢が47歳となり大人社会の本格的到来、高齢化が進んできていることで、ヘアカラー、パーマの繰り返しによる髪のダメージ、頭皮のトラブル、髪が細くなる、薄くなる、白髪が増えるなどの悩みも増加しております。また、安全、安心に対する意識もさらに高まり、本物志向の自然派商品、高付加価値商品の店頭販売商品についても、市場が伸び続けております。
お客様のケア意識の高まりに対応すべく、当社の毛髪科学研究所は、サロンにおけるトリートメントメニューの開発とヘアケア、スキャルプケアの店頭販売商品の開発ならびにヘアカラーの高付加価値商品の開発にさらに注力しております。
ヘアケアの分野においては、美しい自然な艶髪でありたい、毛髪ダメージを効果的にケアしたいという女性の想いに応えるため、7年の歳月をかけて毛髪の微細構造解析、ダメージ解析および肌に対する安全性に関する研究を重ね、医学発想の技術「バルネイドシステム」の開発をおこないダメージ部分だけを選択的かつ効果的に補修することを実現しました。その技術を応用することによりヘアケア最高峰ブランドである「フローディア」サロン用システムトリートメント(全11アイテム)、ホームケア(全11アイテム)を開発いたしました。さらに大人女性の頭皮の悩みを解決すべく機能性植物成分の研究を重ねており、スキャルプケア商品の開発に取り組んでおります。
ヘアカラーの分野においては、40~50代女性のサロンカラー比率の高まりによりヘアカラーの繰り返しによる毛髪のダメージ、頭皮のダメージを少なくして欲しいというお客様のニーズに対応すべく付加価値の高いヘアカラー開発に引き続き取り組んでおります。
新規分野においては、大人の女性が抱える肌の悩みに応えるためにスキンケアに特化した研究開発をおこなっております。
基礎研究グループにおいては、イノベーション創出のための基礎研究に取り組んでおり、大学との共同研究による毛髪と皮膚の微細構造の解析、毛髪と皮膚のタメージの解析ならびに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に力を注いでおります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としており、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測をしておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り・予測と異なる場合があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ42億7千万円(9.7%)増加し、484億9千3百万円となりました。
国内販売は、化学品事業が伸長したこと等により、前連結会計年度と比較して6億7千7百万円(2.8%)増加の246億4千万円となりました。海外販売は、主に化学品事業における韓国、中国、ベトナムでの販売好調や化粧品事業における韓国の増加等により、前連結会計年度に比べ35億9千3百万円(17.7%)増加し、238億5千3百万円となりました。
なお、セグメントの概況につきましては「第2 事業の概況」をご参照ください。
営業利益は、化学品事業において販売好調による利益の増加したこと等から、前連結会計年度に比べ6億5千8百万円(45.1%)増加し、21億1千6百万円となりました。
経常利益は、前連結会計年度に比べ5億8千3百万円(36.7%)増益の21億7千1百万円となりました。営業外損益は、受取利息や持分法投資利益等の計上等により、5千5百万円の収益超過となっております。
税金等調整前当期純利益は、経常利益が増加したことに加え、特別利益に投資有価証券売却益1億8百万円を計上したこと等から、前連結会計年度に比べ12億4千1百万円(118.8%)増益の22億8千7百万円となりました。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ10億4千1百万円(300.5%)増加し、13億8千8百万円となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、45億1千4百万円増加し550億9千4百万円となりました。主な要因は有形固定資産の増加28億6千1百万円、現金及び預金の増加21億4百万円及び商品及び製品の減少3億4千2百万円が主な要因であります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ、23億1千7百万円増加し334億8千万円となりました。主な要因は、短期借入金の増加24億1千6百万円、支払手形及び買掛金の増加8億円、長期借入金の減少6億4千万円及び退職給付に係る負債の減少1億4千7百万円であります。
純資産につきましては、利益剰余金の増加11億5百万円、為替換算調整勘定の増加5億3千6百万円、退職給付に係る調整累計額の増加2億2千4百万円及び非支配株主持分の増加1億3千2百万円等により、前連結会計年度に比べ21億9千6百万円増加の216億1千4百万円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度の33.3%から34.4%となりました。
(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。