第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)経営環境

当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が今なお世界経済に非常に大きな影響を与えており、今後も一定期間は不透明な状況が継続するものと認識しております。また、国際情勢、気候変動対策・環境政策、金融資本市場の変動、原油価格の高騰など引き続き注視が必要な状況であると認識しております。一方で、「持続可能な開発目標(SDGs)」の浸透、気候変動への取組みの加速、スマート社会への移行や働き方改革など、社会全体は大きな変化のうねりの中にあり、それらを変革の機会として捉えると同時に、AIなどの先端情報技術によるデジタルトランスフォーメーションを積極的に企業活動に取り入れ、イノベーションを創出し続けることが、今後の企業成長に不可欠であると認識しております。

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(2)経営方針

当社グループは、全社基本ビジョンである「世界中のお客様から最も信頼されるイノベーション・カンパニー」実現に向け、「Innovation」「Efficiency」「Sustainability」の3つの経営軸のもと、激変する経営環境をビジネスチャンスへと昇華し、社会からますます必要とされる価値を提供する事業に注力することで、着実に成長を遂げる真に強い企業集団へと生まれ変わるため、5か年中期経営計画『INNOVATION25』(2021-2025)を掲げ、5つの全社基本戦略に取り組んでまいります。

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(3)全社基本戦略

全社基本戦略① 事業構造の大転換:「環境」「健康・衛生」「先端材料」領域への注力

当社グループは、「環境(Environment)」「健康・衛生(Health)」「先端材料(Digital)」の3つの領域を新たな注力事業領域と定め(以下、「EHD事業」といいます。)、事業ポートフォリオを大きく転換し、持続可能な社会と循環型経済の実現、人々の健康促進や衛生環境の進化、先端情報技術分野での先駆的な技術や材料提供によるスマート社会の実現に貢献する、個性ある化学メーカーを目指してまいります。

 

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全社基本戦略② 生産性改革:デジタルトランスフォーメーションの積極推進

当社グループは、AI、IoT、ロボットに代表されるデジタル技術を積極的に企業活動に取り込むことで、デジタルトランスフォーメーションを強力に推進し、研究開発、営業活動及び生産活動を飛躍的に効率化し、一人当たりの生産性を大きく向上させてまいります。また、効率化によって生み出された経営資源を、EHD事業の推進及びお客様とのコミュニケーション頻度と質の向上に振り向けていくことで、最重要課題であるイノベーションの創出を加速してまいります。

 

全社基本戦略③ 財務基盤の強化:不確実性に強く、安定して成長投資ができる財務基盤の構築

当社グループは、不確実性の高い経営環境にあっても、成長投資を機動的かつ安定的に実施できる財務体質、財務基盤をつくり上げるため、EHD事業の推進による事業収益力の強化、一人当たりの生産性向上、コスト適正化活動の継続などを行っていくとともに、運転資金の適正化や有利子負債の圧縮など、バランスシートの適切な圧縮を行ってまいります。

 

全社基本戦略④ サステナブル経営の推進:持続可能な社会への貢献

当社グループは、「持続可能な開発目標(SDGs)」が示す世界的な優先課題及び世界のあるべき姿に対し、企業活動を通じて貢献していくとともに、気候変動対策として、「2030年にグループ全体のCO2実質排出量30%削減(2018年度比)」を新たに経営目標に加え、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

全社基本戦略⑤ 大家族主義の進化:ダイバーシティの推進と全社員の働きがい向上

当社グループは、多様な人材が世界中から集い、高いモチベーションで持てる能力を最大限発揮しグローバルに活躍できる企業集団を目指して、「人材」と「働き方」の多様性を高めると同時に、全グループ社員の仕事のやりがいと、貢献度の高い社員の満足度を向上させていくことで、当社グループの重要な経営フィロソフィーである「大家族主義」を進化させてまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、足元の不透明な経営環境を考慮し、数値目標は、2023年度を最終年度とする「3か年経営目標」を先ず設定し、目標の達成を目指してまいります。また、経営環境の状況を注視しながら、2025年度を最終年度とする中期経営目標を改めて策定し、発表してまいります。

 

3か年経営目標数値(2023年度連結目標数値)

・売上高:500億円

・営業利益:25億円

・EBITDA:50億円

・ROS(営業利益):5%以上

・ROE(当期純利益):5%以上

・ROA(営業利益):4.5%以上

※ 想定為替レート:105円/USD

※ EBITDA:「営業利益」+「減価償却費(のれん償却額含む)」

 

 

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1)海外展開とカントリーリスクについて

当社グループは15社の海外拠点を持ち連結売上高に占める海外売上高は40%を超えており、高い水準で海外市場に依存しております。従って、為替相場の影響を受けやすい状況にあります。当社グループは、外貨建ての債権と債務のバランスを考慮するほか、外貨建て債権の回収サイトの短縮化に努めており、その影響を最小限に抑えることができると考えておりますが、急激な為替相場の変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは複数の新興国において事業を展開しており、地域を分散させることでカントリーリスクの回避に努めておりますが、政治及び経済の急激な変動や紛争、テロ、暴動等があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)市場の経済状況について

当社グループの製品に対する需要は、ファッション・アパレル業界、自動車業界、家具ほかテキスタイル産業資材業界、美容室業界、電子・半導体業界、クリーニング業界、化学品及び化粧品業界等の市場動向や消費者の需要変化の影響を受けます。また、当社グループは日本国内を始め、アジア各国に製品を販売しており、各国・各地域における経済状況が製品販売に大きな影響を与えております。当社グループは、グローバルな事業戦略のもと、各地域特性や消費者特性なども踏まえ、事業環境の変化に影響されにくい体質づくりを目指していますが、これら関連業界の需要減少、販売地域での景気動向、社会や産業の構造変化等により、当社グループの経営成績及び財務状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)新技術・新製品の開発・事業化について

当社グループは、持続的成長を支える原動力は研究開発にあると認識し、新製品開発を行うとともに、繊維化学品事業、化粧品事業に次ぐ、第三の事業の柱として新規事業の創出に注力しております。今後においても、中長期的な視点で計画的かつ継続的に経営資源を投入してまいります。しかしながら、これらの研究開発や新規事業の創出の進捗が、目標と大きく乖離した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

また、AIやIOTといったデジタル分野での技術革新や産業全体に劇的な変化が発生し、当社グループが適切に対応できない場合には、当社グループの競争力の低下や信頼の下落が発生する可能性があります。

 

(4)原材料の市場変動の影響について

当社グループの生産のために調達する原材料は石油化学品の割合が高く、石油の国際市況の影響を受けやすい状況にあります。天然物及び石油関連原材料の割合が高く、需給バランス、天候不順、為替レートの変動に伴い市況価格が変動します。当社グループでは納入業者との共存体制の強化を図るとともに、コストダウンを推進し顧客対応力及び技術革新力による高付加価値製品の上市等により利益確保を図ってまいりますが、石油市況が急激に上昇した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)製品の欠陥について

当社グループは、化学品生産拠点において品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001の認証を取得し、また、化粧品生産拠点において化粧品製造・品質管理の国際規格ISO22716の認証を取得しており、製品品質の向上に努め各製品の製造をしておりますが、全ての製品について欠陥がなく、将来クレームが発生する可能性が全くないという保証はありません。製品の欠陥は当社グループの評価に影響を与え、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6)知的財産について

当社グループは、自社製品の保護及び競合他社との優位性を保つため、特許権、商標権、意匠権等の知的財産権確保による自社権益の保護に努めておりますが、模倣品等による権利侵害がなされる可能性があります。

また、当社グループは第三者の知的財産権を侵害しないよう、製品開発には外部専門家への依頼を含む十分な調査を行った上で活動を行っておりますが、万が一、当社グループが第三者より権利侵害の訴えを受けた場合、その結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)法的規制について

現在、国内外ともに人間の健康や環境保護に対し様々な法令が制定されており、特に環境面に関しては世界的な意識の高まりを受け、より法的規制が強化されております。当社グループの事業活動においては、化学品及び化粧品の化学物質の管理関連、製品製造関連、国内外への製品輸送関連をはじめとし、内部統制関連、労務関連、取引関連の法令などの数多くの規制を受けております。当社グループでは、これら法規制を確実に遵守するのは勿論のこと、品質や環境に関するISO基準の運用により活発な改善活動を進めています。しかし、これらの関連規制に加え、諸外国における同様の規制の追加及び変更が実施される場合や、当社グループの事業活動を継続するにあたっての主要な許可の取消しを受けた場合には、当社グループの事業活動が制限され、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)有利子負債への依存について

当社グループの有利子負債(短期借入金及び長期借入金)残高は、11,700百万円と総資産に対して21.5%となっており有利子負債への依存度が幾分高い水準にあります。現在、当社グループは有利子負債の削減に努めておりますが、今後の金融市場の動向により資金調達コストの急激な上昇があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

また、運転資金などの必要資金を主に金融機関からの借入により調達しているため、金融機関からの借り換えが出来ない場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)財務制限条項について

当社は事業資金の効率的な調達を行うため、取引金融機関複数行との間でシンジケートローン契約を締結しており、当該契約には一定の財務制限条項が付されております。これらに抵触した場合、該当する借入金の一括返済及び契約解除のおそれがあり、当社の資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)固定資産の減損について

当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)生産設備の毀損等について

当社グループは、日本及び海外に多くの生産拠点を構えており、火災等の事故発生リスクを抱えております。そのため、安全衛生委員会活動等の事故防止対策に積極的に取り組んでおります。また、不慮の事故が発生した場合にも十分な生産対応能力を有しておりますが、重大な災害や大規模地震等の自然災害等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)情報セキュリティについて

当社グループは、ITを活用して事業や業務を効率的に進めるとともに、データを活用したビジネスを進めています。研究開発、生産、マーケティング、販売等に関する機密情報を保有し、また、販売促進活動やEコマースを進める上で、多くのお客様の個人情報を保有しています。当社グループは、情報セキュリティポリシーのもと、機密情報、個人情報及びハードウェア、ソフトウェア、その他データファイル等の情報資産の保護を目的とした情報セキュリティの強化を図っています。しかしながら、サイバー攻撃を含む意図的な行為や過失等により、機密情報や個人情報が外部に流出する可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループに対する損害賠償請求、当社グループの信用下落、収益機会の損失等により、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)中期経営計画に記載の将来情報について

当社グループは、2025年度を最終年度とする5か年中期経営計画『INNOVATION25』を策定しております。策定時における国内外の市場環境、競合環境、技術開発、為替相場や原材料価格等の経営環境及びその見通しに基づき策定しておりますが、経済情勢の変動等の経営環境における様々な不確定要因により、全社基本戦略に掲げた諸施策が計画通りに進まない可能性や、数値目標の達成に至らない可能性があります。

 

(14)自然災害について

当社グループは、地震、強風、水害等の自然災害が発生した場合の備えを強化しておりますが、想定を超える大規模な自然災害が発生した場合には、事業活動の中断、生産設備への被害、サプライチェーンの寸断による生産活動の停止、交通遮断による製品出荷の停止など、不測の事態が発生する可能性があります。これらの不測の事態が発生したことにより、一時的または長期に渡る事業活動の停止があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)新型コロナウイルス感染症拡大に伴うリスクについて

新型コロナウイルス感染症の拡大は、世界的な規模で感染者が増加し、社会経済活動に大きな影響を及ぼしております。当該感染症の影響により、当社グループでは一部の海外事業所における一時的な操業停止や一部の製商品における需要の減少が発生しました。今後、新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化することにより、一部の製商品について需要が一層落ち込むほか、予想を上回る規模の事業所の操業停止、原材料の調達難による生産停止、物流機能の停滞等に至った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績等の状況

当連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)におけるわが国経済は、変異株の出現により新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言実施期間が長期間におよび、経済活動が制限される状況が継続しましたが、ワクチン接種が進み個人消費の改善など持ち直しの動きが見られました。また、世界各国の経済は新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだ事などから持ち直しの動きがみられた地域がある一方、コロナ禍が再拡大した地域もあり、年末には新たな変異株の感染が確認されるなど国内外ともに依然先行きは不透明な状況が続いております。

このような中、当社グループは、永続的成長に向けて2025年までの全社基本ビジョンを「世界中のお客様から最も信頼されるイノベーション・カンパニー」と掲げ、3つの経営軸(「Innovation」「Efficiency」「Sustainability」)のもと、激変する経営環境をビジネスチャンスへと昇華し、社会からますます必要とされる価値を提供する事業に注力することで、着実に成長を遂げる真に強い企業集団へと生まれ変わるため、新たな5か年中期経営計画『INNOVATION25』(2021-2025)を掲げ、5つの全社基本戦略(「事業構造の大転換」「生産性改革」「財務基盤の強化」「サステナブル経営の推進」「大家族主義の進化」)に取り組んでおります。

 

この結果、売上高48,474百万円(前連結会計年度比17.7%増)、営業利益2,453百万円(同73.2%増)、経常利益2,706百万円(同64.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,595百万円(同148.5%増)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

なお、文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。

 

(化学品事業)

化学品事業には、当社グループの主力となる繊維化学品の他に特殊化学品、クリーニング・メディカル用薬剤、機能化学品、先端材料が含まれております。

売上高は33,773百万円(前連結会計年度比18.5%増)、セグメント利益は1,460百万円(同73.4%増)となりました。

コロナ禍の影響が継続しているものの、全般的に流通在庫の積み上げ等による需要回復が見られるとともに、特殊樹脂モノマー、環境衛生関連薬剤やフッ素化成品が堅調に推移しました。また、円安の影響もあり売上高は増加しました。

一方、経済活動の回復、需給バランスの影響により下期に原料価格が大きく上昇しましたが、昨年から実施している経費抑制の継続、一昨年実施した設備投資の減価償却費減少により、セグメント利益は増加しました。

 

(化粧品事業)

化粧品事業はヘアケア剤、ヘアカラー剤、パーマ剤、スキャルプケア剤及びスタイリング剤が主な取扱品であります。

売上高は14,087百万円(前連結会計年度比15.7%増)、セグメント利益は2,794百万円(同24.2%増)となりました。

当社デミ コスメティクスにおいては、長期にわたる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の実施による市況悪化の影響を受けたものの、主力ヘアケアブランドの拡販等により堅調に推移いたしました。また連結子会社においては、山田製薬株式会社は大口受託案件の受注増に加えて新規顧客の獲得増により続伸し、DEMI KOREA CO.,LTD.における販売も好調に推移いたしました。その結果、化粧品セグメント全体では売上高及びセグメント利益ともに増加しました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フロー4,722百万円の獲得、投資活動によるキャッシュ・フロー994百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フロー5,024百万円の支出により、前連結会計年度に比べ、816百万円減少し、6,373百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られたキャッシュ・フローは4,722百万円となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益3,461百万円、減価償却費2,500百万円、仕入債務の増加額998百万円等の収入と、たな卸資産の増加額977百万円及び法人税等の支払額724百万円等の支出によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは994百万円となりました。

これは主に、定期預金の払戻による収入989百万円、有形固定資産の売却による収入818百万円及び投資有価証券の売却による収入212百万円等の収入と、定期預金の預入による支出1,466百万円、有形固定資産の取得による支出1,443百万円等の支出によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用したキャッシュ・フローは5,024百万円となりました。

これは主に、借入の返済による支出(純額)4,575百万円、配当金の支払418百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

化学品(百万円)

35,905

136.7

化粧品(百万円)

4,036

109.6

 報告セグメント計(百万円)

39,942

133.3

合計(百万円)

39,942

133.3

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.報告セグメント以外のその他については、生産活動になじまないため記載しておりません。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.製商品仕入実績

 当連結会計年度の製商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

化学品(百万円)

2,973

128.8

化粧品(百万円)

923

158.9

 報告セグメント計(百万円)

3,897

134.8

合計(百万円)

3,897

134.8

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.報告セグメント以外のその他については、仕入実績はありませんので記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

当社グループは、主として、販売計画、生産状況を基礎とした見込生産を行っており、記載を省略しております。

 

d.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

化学品(百万円)

33,773

118.5

化粧品(百万円)

14,087

115.7

 報告セグメント計(百万円)

47,861

117.7

その他

612

121.0

合計(百万円)

48,474

117.7

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(資産合計)

当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、1,358百万円増加し54,533百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産が448百万円減少した一方、受取手形及び売掛金が591百万円、商品及び製品が671百万円及び原材料及び貯蔵品が700百万円増加したことによるものであります。

 

(負債合計)

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ、2,799百万円減少し27,209百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が1,293百万円増加した一方、借入金が4,600百万円減少したことによるものであります。

 

(純資産合計)

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、4,157百万円増加し27,323百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が2,375百万円及び為替換算調整勘定が1,310百万円増加したことによるものであります。

 

b.経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ7,294百万円(前連結会計年度比17.7%増)増加し、48,474百万円となりました。

国内販売は、主に化学品事業において需要回復が見られた他、特殊樹脂モノマー、環境衛生関連薬剤やフッ素化成品が堅調に推移し、また化粧品事業のODM事業において大口受託案件の受注増に加えて新規顧客の獲得増や主力ヘアケアブランドの拡販等により、前連結会計年度と比較して3,786百万円(同16.8%増)増加し、26,296百万円となりました。

海外販売は、主力である繊維加工用薬剤分野において同様に需要回復が見られ、環境衛生関連薬剤やフッ素化成品が堅調に推移したことや、化粧品事業の韓国内での販売増などにより、前連結会計年度と比較して3,508百万円(同18.8%増)増加し、22,177百万円となりました。

なお、セグメントの概況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

営業利益は、下期に原料高騰の影響を受けた一方、売上高の増加に加え経費抑制の継続及び減価償却費が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ1,037百万円(同73.2%増)増益し、2,453百万円となりました。

経常利益は、営業利益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ1,061百万円(同64.5%増)増益し、2,706百万円となりました。

税金等調整前当期純利益は、経常利益が増加したことに加え、特別利益に固定資産売却益607百万円を計上したこと等から、前連結会計年度に比べ1,690百万円(同95.5%増)増益の3,461百万円となりました。

これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,551百万円(同148.5%増)増益の、2,595百万円となりました。

 

c.経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析内容・検討内容

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」に記載のとおりであります。

 

e.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当連結会計年度における売上高は48,474百万円、営業利益は2,453百万円、EBITDAは4,953百万円、ROSは5.1%、ROEは11.3%、ROAは4.6%であります。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。

各指標の推移は以下のとおりです。

 

第104期

第105期

第106期

第107期

第108期

売上高(百万円)

48,493

50,188

46,191

41,179

48,474

営業利益(百万円)

2,116

2,301

1,395

1,416

2,453

EBITDA(百万円)

4,058

4,293

3,637

4,187

4,953

ROS(%)

4.4

4.6

3.0

3.4

5.1

ROE(%)

7.8

12.6

4.5

5.1

11.3

ROA(%)

4.0

4.1

2.5

2.6

4.6

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金・設備投資資金については、営業活動から獲得する自己資金及び金融機関からの借入による調達を基本としております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。

当連結会計年度は、引き続き徹底した新型コロナウイルス感染症対策の実施と、デジタルツールの積極的な導入・活用によるデータ駆動型研究開発活動の推進を通して当社グループの研究開発中核拠点である「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)での研究開発活動を維持・高度化することにより、ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出に取り組んでまいりました。また、中長期重点領域である「EHD(E/環境、H/健康・衛生、D/先端材料)」における開発においては、全世界の共通課題であるSDGsの達成に向け、当社の技術力を活かし、各分野でのオープン・イノベーションを推進しており、実績化と横展開の加速による早期事業化を進めております。

さらに、化学品事業の界面科学研究所と化粧品事業の毛髪科学研究所が一体となり、日華化学(中国)有限公司の研究開発部門、台湾日華化学工業股份有限公司の先端研発センター、NICCA KOREA CO.,LTD. の研究開発部門など、海外子会社の研究開発部門と連携しながら相乗効果を発揮することで、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を進めております。

当連結会計年度における特許登録件数は、国内で18件、海外で19件となりました。特許の期間満了及び不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の保有する特許登録件数は、国内は20件減少して、208件となり、海外は9件増加して104件となりました。

当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。

研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は2,166百万円であります。

 

(1)化学品事業

当連結会計年度における研究開発費は、1,865百万円となっております。

①Eの領域

当社主力の繊維加工用薬剤では、これまでも有機溶剤を含まず環境と健康により優しい水系ウレタン樹脂やフッ素フリー系撥水剤、常温洗浄が可能で一般的な高温洗浄と比較しCO₂排出量の削減が期待される金属洗浄剤など、業界に先駆けて環境対応に取り組んでまいりました。特に今期は、二酸化炭素排出削減につながる繊維加工提案であるSDP(Smart Dyeing Process)関連での共同開発が進み、紙資源のリサイクル技術関連では、第16回福井県科学技術大賞を「キャタライザー技術」で受賞、環境対応洗浄剤関連知財では、令和3年度近畿発明協会会長賞を「スプレー洗浄剤」で受賞致しました。

今後は、益々要望が高まっている環境対応に向け、非石油ベース・天然由来原料等を活用した製品そのものの環境対応をさらに進めると共に、CO₂排出量削減に貢献する製品ならびにソリューション開発に注力し、持続可能な社会と循環型経済の実現に寄与してまいります。

②Hの領域

業界でも画期的な新製品として、2020年度に立ち上げた開発プロジェクトから、全素材対応の耐洗濯性抗ウイルス加工処方(特許出願中)を上市致しました。本処方はこれまで対応ができなかった素材に対しても耐洗濯性の抗ウイルス性を付与できるものであり、アパレル製品の他、インテリア・産業資材など新用途への展開が期待されます。新領域開拓では衛生関連製品向けの薬剤採用が進み、医療分野の洗浄領域における展開進展と人工核酸製品のラインナップ拡充を行うとともに、次世代医療である個別化医療に有用な体外診断薬キット開発では、複数の医工系大学との連携強化により性能向上が進み、研究試薬としての早期実績化が見えてくるなど、引き続き世界中の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献してまいります。

③Dの領域

光学材料分野では、スマホなど光学レンズに使用される特殊樹脂原料が堅調に伸びるとともに、今後の業界トレンドに沿った新たな開発が進みました。また、引き続きDX・5G通信分野では、フィルムコンデンサー向けマスキングオイルなどの採用が進んでおり、高周波領域での低誘電損失が特徴のフッ素化学品の開発につきましても、お客様とのコラボレーションを通じて推進しており、引き続き数品目の上市を予定しております。子会社の大智化学産業で既に開発、実用化している環境にやさしい水系でリサイクル可能なクーラント剤のグローバル展開も加速させることにより、IoTやAIなど最新技術の活用がますます進行するスマート社会の進展に寄与してまいります。

研究開発体制は、日本、中国・台湾、韓国、インドネシアの5つの拠点で約280名の研究人員を擁しておりますが、現地ニーズ開発はナショナルスタッフ主導で加速すべく、現地のお客様に近いナショナルスタッフを部長級に配置しました。また、今期からCTO室を設置、国内外の技術マーケティング、アライアンスの他、特許などIP(知的財産)全般において本社知財部門と連携、横串を通す体制を整備いたしました。人材開発面でも研究人員の能力や経験実績等を把握するタレントマネジメントシステムを導入、データ駆動型研究開発推進に不可欠なデジタル人材の育成を5年計画で開始しました。今後も積極的なデジタル活用とR&D基盤確立により、開発品投入と新規事業創出の早期化を進め、当社グループの技術力のベースを更に押し広げ、社会課題の解決に寄与してまいります。

 

(2)化粧品事業

当連結会計年度における研究開発費は301百万円となっております。

美容業界は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会的経済活動が制限され厳しい状況が続いております。ワクチン普及を背景に一時は回復の兆しも見られましたが、感染力の高い変異株の出現により、感染者数が増加傾向に転じ、いまだ十分に回復していない状況であります。このような市場環境のもと業界が一体となって、新型コロナウイルス感染症対策を十分に行った上での美容室における来店頻度の向上、スタッフの生産性アップのための高付加価値メニュー創出と店頭販売商品の推進にデジタルを取り入れながら取り組んでおります。

国内においては大人社会の本格的到来、高齢化により、ヘアカラー、パーマの繰り返しによる髪のダメージ、頭皮のトラブル、髪が細くなる、薄くなる、白髪が増えるなどの悩みが年々増加しており、安全、安心に対する意識の高まりと相まって、本物志向の自然派商品、高付加価値商品の店頭販売商品の市場は伸び続けております。

このような状況に対応すべく、当社の毛髪科学研究所は、ヘアケア、スキャルプケアの店頭販売商品開発及び美容室におけるヘアカラーの高付加価値商品開発にさらに注力しております。

ヘアケアの分野においては、「デミコスメティクス」の最高峰ブランドである「フローディア」に新たな独自技術を搭載しフルリニューアルいたしました(全25アイテム)。コア技術である選択的補修ケア技術「バルネイドシステム」に、結合の乱れを整え、うねりのない扱いやすい艶髪を実現する新独自技術「ボンデイドシステム」を追加し、“より美しい髪”を“長く実感”できることを可能にするヘアケアブランドに進化いたしました。さらに大人女性の髪と頭皮の悩みを解決するために機能性植物成分の探索とそれを生かした商品開発に取り組んでおります。

また、ヘアカラーの分野においては、酸化染料と酸性染料をミックスした当社独自処方を搭載し、多彩な色を表現できるヘアカラー「FUSIONIST(フュージョニスト)」(1剤全37アイテム、2剤全2アイテム)ブランドに、更に透明感と艶を重視するお客様のニーズに対応すべく、1剤全4アイテム、カラートリートメント1アイテムを追加いたしました。女性のファッションカラーに対する意識の高まりに対し、さらに付加価値を高めるべく、カラーバリエーションの充実に取り組んでおります。

基礎研究においては、「すべての人に10代の髪を生やす」という長期ビジョンをかかげ、研究機関や大学との共同研究による毛髪と皮膚の微細構造の解析、毛髪と皮膚のダメージの解析ならびに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に取り組んでおります。また、サステナブルな社会を実現するために、さらに環境にやさしい製品開発に取り組んでおります。