文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は今後も不透明な状況が続くものと考えております。また、「気候変動問題への世界的対応」、「サーキュラーエコノミーの台頭」、「超スマート社会へ進展加速」、「人はより健康により衛生的に」など価値観が大きく変化してきており、この変化を捉えて社会の期待に応えていくこと、すなわち「規模」よりも「質」的成長を優先することが当社グループの大きな経営課題となっていると認識しています。
(2)経営方針
当社グループは、企業パーパスを「Activate Your Life」と再定義し、全社基本ビジョンである「世界中のお客様から最も信頼されるイノベーション・カンパニー」実現に向け、激変する経営環境をビジネスチャンスへと昇華し、社会からますます必要とされる価値を提供する事業に注力することで更なる収益性向上に向けて邁進してまいります。
また、2025年に向けた5か年中期経営計画『INNOVATION25』(2021-2025)をアップデートし、新たな経営目標を定めました。中期経営計画達成に向けて、次の課題に取り組んでまいります。
(3)全社基本戦略
全社基本戦略① 事業構造の大転換:「環境」「健康・衛生」「先端材料」領域への注力
当社グループは、「環境(Environment)」「健康・衛生(Health)」「先端材料(Digital)」の3つの領域を注力事業領域と定め(以下、「EHD事業」といいます。)、事業ポートフォリオを大きく転換し、持続可能な社会と循環型経済の実現、人々の健康促進や衛生環境の進化、先端情報技術分野での先駆的な技術や材料提供によるスマート社会の実現に貢献する、個性ある化学メーカーを目指してまいります。
全社基本戦略② メリハリのある投資:注力事業への投資、投下資本収益性向上
当社グループは、不確実性の高い経営環境にあっても、成長投資を機動的かつ安定的に実施するために、継続的に財務体質の強化に取り組み、成長事業かつ社会価値の高い事業に集中した投資を実施してまいります。また、運転資金の適正化や厳選した投資の実行などにより投下資本収益性を高めることで、企業価値の向上に努めてまいります。
全社基本戦略③ 生産性改革:デジタルトランスフォーメーションの積極推進
当社グループは、デジタル技術を積極的に企業活動に取り込むことで、デジタルトランスフォーメーションを強力に推進し、生産活動、研究開発及び営業活動を飛躍的に効率化し、一人当たりの生産性を大きく向上させてまいります。また、効率化によって生み出された経営資源を、EHD事業の推進及びお客様とのコミュニケーション頻度と質の向上に振り向けていくことで、最重要課題であるイノベーションの創出を加速してまいります。
全社基本戦略④ サステナブル経営の推進:持続可能な社会への貢献
当社グループは、「持続可能な開発目標(SDGs)」が示す世界的な優先課題及び世界のあるべき姿に対し、企業活動を通じて貢献してまいります。また、地球環境、人々のくらし、社会をより豊かにすることを重要課題と捉え、サステナブル経営の取り組みを加速させてまいります。気候変動対策としては、「2030年にグループ全体のCO₂実質排出量30%削減(2018年度比)」を経営目標とし、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
全社基本戦略⑤ 大家族主義の進化:社員エンゲージメント向上とダイバーシティの推進
当社グループは、多様な人材が世界中から集い、高いモチベーションで持てる能力を最大限発揮しグローバルに活躍できる企業集団を目指して、「人材」と「働き方」の多様性を高めると同時に、全グループ社員の仕事のやりがいと、貢献度の高い社員の満足度を向上させていくことで、当社グループの重要な経営フィロソフィーである「大家族主義」を進化させてまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中期経営計画「INNOVATION25」において、2023年度から2025年度までの3か年を「事業構造の転換」「収益性改善」「成長分野への積極投資」を推し進めることで新しい成長スパイラルを固める期間と位置づけ、さらなる持続的成長に向けて邁進してまいります。
経営目標数値(2025年度連結)
・売上高:570億円
・営業利益:40億円
・ROS:7.0%
・ROE:8.0%
・ROIC:7.0%
※ 想定為替レート:132円/USD
当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1)海外展開とカントリーリスクについて
当社グループは15社の海外拠点を持ち連結売上高に占める海外売上高は40%を超えており、高い水準で海外市場に依存しております。従って、為替相場の影響を受けやすい状況にあります。当社グループは、外貨建ての債権と債務のバランスを考慮するほか、外貨建て債権の回収サイトの短縮化に努めており、その影響を最小限に抑えることができると考えておりますが、急激な為替相場の変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは複数の新興国において事業を展開しており、地域を分散させることでカントリーリスクの回避に努めておりますが、政治及び経済の急激な変動や紛争、テロ、暴動等があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(2)市場の経済状況について
当社グループの製品に対する需要は、ファッション・アパレル業界、自動車業界、家具ほかテキスタイル産業資材業界、美容室業界、電子・半導体業界、クリーニング業界、化学品及び化粧品業界等の市場動向や消費者の需要変化の影響を受けます。また、当社グループは日本国内を始め、アジア各国に製品を販売しており、各国・各地域における経済状況が製品販売に大きな影響を与えております。当社グループは、グローバルな事業戦略のもと、各地域特性や消費者特性なども踏まえ、事業環境の変化に影響されにくい体質づくりを目指していますが、これら関連業界の需要減少、販売地域での景気動向、社会や産業の構造変化等により、当社グループの経営成績及び財務状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(3)新技術・新製品の開発・事業化について
当社グループは、持続的成長を支える原動力は研究開発にあると認識し、新製品開発を行うとともに、繊維化学品事業、化粧品事業に次ぐ、第三の事業の柱として新規事業の創出に注力しております。今後においても、中長期的な視点で計画的かつ継続的に経営資源を投入してまいります。しかしながら、これらの研究開発や新規事業の創出の進捗が、目標と大きく乖離した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、AIやIOTといったデジタル分野での技術革新や産業全体に劇的な変化が発生し、当社グループが適切に対応できない場合には、当社グループの競争力の低下や信頼の下落が発生する可能性があります。
(4)原材料の市場変動の影響について
当社グループの生産のために調達する原材料は石油化学品の割合が高く、石油の国際市況の影響を受けやすい状況にあります。天然物及び石油関連原材料の割合が高く、需給バランス、天候不順、為替レートの変動に伴い市況価格が変動します。当社グループでは納入業者との共存体制の強化を図るとともに、コストダウンを推進し顧客対応力及び技術革新力による高付加価値製品の上市等により利益確保を図ってまいりますが、石油市況が急激に上昇した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(5)製品の欠陥について
当社グループは、化学品生産拠点において品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001の認証を取得し、また、化粧品生産拠点において化粧品製造・品質管理の国際規格ISO22716の認証を取得しており、品質の向上に努め製品の製造を行っておりますが、全ての製品について欠陥がなく、将来的にクレームが発生する可能性が全くないという保証はありません。製品の欠陥は当社グループの評価に影響を与え、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産について
当社グループは、自社製品の保護及び競合他社との優位性を保つため、特許権、商標権、意匠権等の知的財産権確保による自社権益の保護に努めておりますが、模倣品等による権利侵害がなされる可能性があります。
また、当社グループは第三者の知的財産権を侵害しないよう、製品開発には外部専門家への依頼を含む十分な調査を行った上で活動を行っておりますが、万が一、当社グループが第三者より権利侵害の訴えを受けた場合、その結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(7)法的規制について
現在、国内外ともに人間の健康や環境保護に対し様々な法令が制定されており、特に環境面に関しては世界的な意識の高まりを受け、より法的規制が強化されております。当社グループの事業活動においては、化学品及び化粧品の化学物質の管理関連、製品製造関連、国内外への製品輸送関連をはじめとし、内部統制関連、労務関連、取引関連の法令などの数多くの規制を受けております。当社グループでは、これら法規制を確実に遵守するのは勿論のこと、品質や環境に関するISO基準の運用により活発な改善活動を進めています。しかし、これらの関連規制に加え、諸外国における同様の規制の追加及び変更が実施される場合や、当社グループの事業活動を継続するにあたっての主要な許可の取消しを受けた場合には、当社グループの事業活動が制限され、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(8)金利の変動等について
当社グループの資金調達は、主にグループの自己資金と金融機関からの借入で賄っており、加重平均資本コストやD/Eレシオなどを考慮して資金調達をする方針ですが、予期せぬ金利水準の急激な変動やその他の金融市場の混乱があった場合には、資金調達及び調達コストに影響を与える可能性があります。
(9)財務制限条項について
当社は事業資金の効率的な調達を行うため、取引金融機関複数行との間でシンジケートローン契約を締結しており、当該契約には一定の財務制限条項が付されております。これらに抵触した場合、該当する借入金の一括返済及び契約解除のおそれがあり、当社の資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
(10)固定資産の減損について
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)生産設備の毀損等について
当社グループは、日本及び海外に多くの生産拠点を構えており、火災等の事故発生リスクを抱えております。そのため、安全衛生委員会活動等の事故防止対策に積極的に取り組んでおります。また、不慮の事故が発生した場合にも十分な生産対応能力を有しておりますが、重大な災害や大規模地震等の自然災害等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(12)情報セキュリティについて
当社グループは、ITを活用して事業や業務を効率的に進めるとともに、データを活用したビジネスを進めています。研究開発、生産、マーケティング、販売等に関する機密情報を保有し、また、販売促進活動やEコマースを進める上で、多くのお客様の個人情報を保有しています。当社グループは、情報セキュリティポリシーのもと、機密情報、個人情報及びハードウェア、ソフトウェア、その他データファイル等の情報資産の保護を目的とした情報セキュリティの強化を図っています。しかしながら、サイバー攻撃を含む意図的な行為や過失等により、機密情報や個人情報が外部に流出する可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループに対する損害賠償請求、当社グループの信用下落、収益機会の損失等により、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(13)中期経営計画に記載の将来情報について
当社グループは、2025年度を最終年度とする5か年中期経営計画『INNOVATION25』を策定しております。策定時における国内外の市場環境、競合環境、技術開発、為替相場や原材料価格等の経営環境及びその見通しに基づき策定しておりますが、経済情勢の変動等の経営環境における様々な不確定要因により、全社基本戦略に掲げた諸施策が計画通りに進まない可能性や、数値目標の達成に至らない可能性があります。
(14)自然災害について
当社グループは、地震、強風、水害等の自然災害が発生した場合の備えを強化しておりますが、想定を超える大規模な自然災害が発生した場合には、事業活動の中断、生産設備への被害、サプライチェーンの寸断による生産活動の停止、交通遮断による製品出荷の停止など、不測の事態が発生する可能性があります。これらの不測の事態が発生したことにより、一時的または長期に渡る事業活動の停止があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(15)新型コロナウイルス感染症等について
新型コロナウイルス感染症の拡大は、社会経済活動に大きな影響を及ぼしました。今後、新型コロナウイルス感染症に代表されるようなパンデミックの発生により、予想を上回る規模の事業所の操業停止、原材料の調達難による生産停止、物流機能の停滞等に至った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
そのため、経営成績に関する説明の当連結会計年度の各数値は、当該会計基準等を適用した後の数値となっていることから、対前期増減率を記載しておりません。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等注記事項(会計方針の変更)及び(収益認識関係)」に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績等の状況
当連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)における世界経済は、ゼロコロナ政策を推進する中国・上海の都市封鎖が、中国をはじめ世界経済に影響を及ぼし、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した資源価格の上昇に加え、米国政策金利の引き上げの影響による大幅な為替変動など予断を許さない状況が継続しております。またわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大があったものの、各種制限の段階的な緩和が進み、社会経済活動の正常化が徐々に進みましたが、歴史的な円安が進むなか輸入物価の上昇によって高インフレとなり消費マインドは伸び悩んでおり、国内外とも依然として先行きは不透明な状況が続いております。
このような中、当社グループは、永続的成長に向けて2025年までの全社基本ビジョンを「世界中のお客様から最も信頼されるイノベーション・カンパニー」と掲げ、3つの経営軸(「Innovation」「Efficiency」「Sustainability」)のもと、激変する経営環境をビジネスチャンスへと昇華し、社会からますます必要とされる価値を提供する事業に注力することで、着実に成長を遂げる真に強い企業集団へと生まれ変わるため、中期経営計画『INNOVATION25』(2021-2025)を掲げ、5つの全社基本戦略(「事業構造の大転換」「生産性改革」「財務基盤の強化」「サステナブル経営の推進」「大家族主義の進化」)に取り組んでまいりました。
今回、新たな3か年中期経営計画『INNOVATION25』(2023-2025)を掲げ、不透明な経営環境に左右されない強固な経営基盤の構築と企業価値向上を図ってまいります。
この結果、売上高50,627百万円(前連結会計年度は48,474百万円)、営業利益2,628百万円(前連結会計年度は2,453百万円)、経常利益3,132百万円(前連結会計年度は2,706百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,114百万円(前連結会計年度は2,595百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
(化学品事業)
化学品事業には、当社グループの主力となる繊維加工用薬剤の他に情報記録紙用薬剤、樹脂原料、業務用クリーニング薬剤、医療・介護施設向け薬剤及びその他機能性化学品が含まれております。
売上高は36,268百万円(前連結会計年度は33,773百万円)、セグメント利益は1,861百万円(前連結会計年度は1,460百万円)となりました。
売上高においては、コロナ禍の影響が継続した中、一部地域や一部市場を除いて需要回復が見られ、販売拡大や価格改定、円安の影響で増収となりました。中でも注力領域であるE/環境、H/健康・衛生、D/先端材料関連のフッ素化成品、特殊樹脂モノマー販売が堅調に推移しました。また、主力である繊維化学品分野につきましては中国、アセアン、南西アジアの各地域において上期まで堅調に推移しましたが、下期以降特に第4四半期において、欧米の消費が沈み込んだ事などから欧米アパレルの在庫調整により需要の急激な落ち込みが見られました。国内においては、リネンサプライ用薬剤が大きく回復しました。
セグメント利益においては、ウクライナ情勢の影響などにより原材料価格高騰がありましたが、価格改定に加えて、販売拡大、経費抑制、円安の影響により増益となりました。
(化粧品事業)
化粧品事業はヘアケア剤、ヘアカラー剤、パーマ剤、スキャルプケア剤及びスタイリング剤が主な取扱品であります。
売上高は13,265百万円(前連結会計年度は14,087百万円)、セグメント利益は2,438百万円(前連結会計年度は2,794百万円)となりました。
売上高においては、化粧品事業全体では前年並みとなりました。当社デミコスメティクスは、引き続きコロナ禍による美容室来客数減の影響を受けたものの、主力ヘアケアブランドの拡販等により堅調に推移しました。連結子会社においては、DEMI KOREA CO.,LTD.は、コロナ禍の影響に加え物価高などによる消費者マインド悪化による美容室来店客数減の中でも、主力ヘアケアブランドの拡販等により続伸した一方、山田製薬株式会社は前年同期に大口受託案件の一時的増産があった影響および手指消毒剤の大幅減等により売上が減少しました。
セグメント利益においては、デミコスメティクスやDEMI KOREA CO.,LTD.が堅調に推移したものの、化粧品事業全体的に原料・資材高騰の影響を受けたほか、山田製薬株式会社の減収の影響が大きく、化粧品事業全体では減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フロー2,317百万円の獲得、投資活動によるキャッシュ・フロー885百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フロー1,962百万円の支出により、前連結会計年度に比べ110百万円減少し6,263百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られたキャッシュ・フローは2,317百万円となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益3,269百万円、減価償却費2,417百万円と、棚卸資産の増加額1,732百万円及び法人税等の支払額1,129百万円等の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用したキャッシュ・フローは885百万円となりました。
これは主に、定期預金の払戻による収入1,557百万円、定期預金の預入による支出969百万円、有形固定資産の取得による支出1,347百万円等の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用したキャッシュ・フローは1,962百万円となりました。
これは主に、借入の返済による支出(純額)1,397百万円、配当金の支払534百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品(百万円) |
34,475 |
96.0 |
|
化粧品(百万円) |
3,151 |
78.1 |
|
報告セグメント計(百万円) |
37,626 |
94.2 |
|
合計(百万円) |
37,626 |
94.2 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.報告セグメント以外のその他については、生産活動になじまないため記載しておりません。
b.製商品仕入実績
当連結会計年度の製商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品(百万円) |
3,437 |
115.6 |
|
化粧品(百万円) |
988 |
107.0 |
|
報告セグメント計(百万円) |
4,425 |
113.5 |
|
合計(百万円) |
4,425 |
113.5 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.報告セグメント以外のその他については、仕入実績はありませんので記載を省略しております。
c.受注実績
当社グループは、主として、販売計画、生産状況を基礎とした見込生産を行っており、記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品(百万円) |
36,268 |
107.4 |
|
化粧品(百万円) |
13,265 |
94.2 |
|
報告セグメント計(百万円) |
49,533 |
103.5 |
|
その他 |
1,093 |
178.5 |
|
合計(百万円) |
50,627 |
104.4 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産合計)
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、1,589百万円増加し56,122百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産が866百万円減少した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が816百万円、商品及び製品が1,197百万円及び原材料及び貯蔵品が596百万円増加したことによるものであります。
(負債合計)
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ、1,479百万円減少し25,729百万円となりました。この主な要因は、借入金が1,362百万円減少したことによるものであります。
(純資産合計)
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、3,068百万円増加し30,392百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が1,721百万円及び為替換算調整勘定が1,191百万円増加したことによるものであります。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、50,627百万円(前連結会計年度は48,474百万円)となりました。売上高においては、コロナ禍の影響を受けましたが、販売拡大、価格改定及び円安により増収となりました。
なお、セグメントの概況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
営業利益は2,628百万円(前連結会計年度は2,453百万円)となりました。経常利益は3,132百万円(前連結会計年度は2,706百万円)となりました。営業利益、経常利益については、原材料の高騰の影響を受けましたが、価格改定、販売拡大及び円安により増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益2,114百万円(前連結会計年度は2,595百万円)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、経常利益の増加はあったものの、前期に香港日華化学有限公司の固定資産売却益による特別利益があったことから減益となりました。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析内容・検討内容
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」に記載のとおりであります。
e.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度における売上高は50,627百万円、営業利益は2,628百万円、ROSは5.2%、ROEは8.0%、ROICは4.6%であります。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
各指標の推移は以下のとおりです。
|
|
第105期 |
第106期 |
第107期 |
第108期 |
第109期 |
|
売上高(百万円) |
50,188 |
46,191 |
41,179 |
48,474 |
50,627 |
|
営業利益(百万円) |
2,301 |
1,395 |
1,416 |
2,453 |
2,628 |
|
ROS(%) |
4.6 |
3.0 |
3.4 |
5.1 |
5.2 |
|
ROE(%) |
12.6 |
4.5 |
5.1 |
11.3 |
8.0 |
|
ROIC(%) |
4.2 |
2.4 |
2.7 |
4.6 |
4.6 |
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金・設備投資資金については、営業活動から獲得する自己資金及び金融機関からの借入による調達を基本としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループは、持続的な成長と技術革新の実現をめざし、研究開発活動に注力しております。
当連結会計年度は、中長期重点領域である「EHD(E/環境、H/健康・衛生、D/先端材料)」領域における研究開発活動に注力し、全世界の共通課題であるSDGsの達成に向け、引き続きデジタルツールの積極的な導入・活用によるデータ駆動型研究開発活動の推進と、当社グループの研究開発中核拠点である「NICCA イノベーションセンター」(以下「NIC」)における当社の技術力を活かした各分野でのオープン・イノベーションを推進することで、ビジネスパートナーとの距離を縮め、社内外の情報やアイデアを組み合わせることで、新しい製品と事業の創出に取り組んでまいりました。
さらに、化学品事業の界面科学研究所と化粧品事業の毛髪科学研究所が一体となり、日華化学(中国)有限公司の研究開発部門、台湾日華化学工業股份有限公司の先端研発センター、NICCA KOREA CO.,LTD. の研究開発部門、PT. INDONESIA NIKKA CHEMICALSの研究開発部門など、海外子会社の研究開発部門と連携しながら相乗効果を発揮することで、既存事業の強化と新展開、新規事業の創生を進めております。
当連結会計年度における新規の特許登録件数は、国内で26件、海外で12件となりました。特許の期間満了及び不要特許の整理を実施したため、当連結会計年度末において当社の特許保有件数は、国内で12件増加により219件となり、海外で1件増加により105件となりました。
当連結会計年度の各セグメント別研究開発活動の状況は、次のとおりです。
研究開発費については、当社グループの研究開発費を各セグメントに配分したもので、当連結会計年度の総額は
(1)化学品事業
当連結会計年度における研究開発費は、
①Eの領域
当社主力の繊維加工用薬剤では、自然由来原料やバイオ系原料、再生原料を積極活用した環境対応型製品の開発ならびに、工程短縮・省エネなどによりCO₂排出量削減に貢献するSDP(Smart Dyeing Process)関連開発が進展致しました。これまでも有機溶剤を含まず環境と健康により優しい水系ウレタン樹脂については、高機能化と軽量化の実現が必要な次世代モビリティ用途に加え、意匠性を付与する機能性塗料・コーティング用バインダーとしての応用開発を行い、業界に先駆けて環境対応に取り組むフッ素フリー系撥水剤の開発を実施しました。循環経済実現において要望が高まる接着剤・バインダーのモノマテリアル化、使用済みフイルムをリサイクルするための剥離剤の開発を実施しました。紙資源のリサイクル技術関連知財では、令和4年度近畿地方発明表彰において経済産業局長賞を「脱墨剤」で受賞致しました。
今後も益々要望が高まる環境対応に向け、非石油ベース・天然由来原料等を活用した製品そのものの環境対応をさらに進めると共に、CO₂排出量削減に貢献する製品ならびにソリューション開発に注力し、持続可能な社会と循環型経済の実現に寄与してまいります。
②Hの領域
業界でも画期的な新製品として昨年上市した、独自の全素材対応・耐洗濯性抗ウイルス加工処方は、これまで対応ができなかった素材に対しても耐洗濯性の抗ウイルス性を付与できることから、アパレル製品の他、インテリア・産業資材など新用途の応用開発が進展すると共に、市場開発支援を実施しました。新領域開拓では医科用洗浄機向け薬剤や医療現場向け環境除菌剤の開発を実施しました。核酸医薬用途での検討が進む人工核酸については、増加する需要への供給体制強化や製造コスト削減などに取り組み、体外診断薬キット開発では、複数の医工系大学との連携強化による開発を実施しました。引き続き世界中の人々の健康と豊かな暮らしの実現に貢献してまいります。
③Dの領域
半導体、次世代通信端末、ディスプレイに関する新規デバイスおよび材料を中心に研究開発を実施しております。子会社の大智化学産業で既に開発、実用化している環境にやさしい水系でリサイクル可能なクーラント剤のグローバル展開において技術支援並びに市場開発支援を実施しました。DX・5G通信分野では、フィルムコンデンサー向けマスキングオイルなどの採用が進み、品質向上と対応力強化に向けた開発を実施しました。また、高周波領域での低誘電損失が特徴のフッ素化学品の開発につきましても、お客様との取り組みによる開発を実施しました。光学材料分野では、さらに高度化する機能要求に対応できる特殊樹脂原料、接着剤並びにコーディング剤の開発を実施しました。引き続き先端材料領域における研究開発を実施することにより、IoTやAIなど最新技術の活用がますます進行するスマート社会の進展に寄与してまいります。
研究開発体制は、日本、中国・台湾、韓国、インドネシアの5つの拠点を中心に約250名の研究人員を擁しており、研究基幹システムの整備によりグループにおける研究開発の効率化を進めています。人材開発面では、研究人員の能力や経験実績等を把握するタレントマネジメントシステムを導入、データ駆動型研究開発推進に不可欠なデジタル人材の育成を国内留学や社内教育プログラムの整備により実施しました。今後もDXロードマップに基づくデータサイエンス関連強化と教育拡充による効率的な研究開発を担う人材開発を進めると共に、更なる研究・実験作業のスピードアップと省力化を目的としたロボティクス導入と積極的なデジタル活用を推進、北欧・アジア等の研究機関や大学とのオープンイノベーションによる開発品投入と新規事業創出の早期化を進め、社会課題の解決に寄与してまいります。
(2)化粧品事業
当連結会計年度における研究開発費は
美容業界は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続する中、社会的経済活動の正常化に向けた気運が高まり、個人消費の緩やかな回復が見える一方で、原材料価格の高騰や急激な円安の進行等の影響もあり、先行きの不透明感は依然として強い状況です。このような市場環境のもと業界が一体となって、新型コロナウイルス感染症対策を十分に行った上での美容室における来店頻度の向上、スタッフの生産性アップのための高付加価値メニュー創出と店頭販売商品の推進にデジタルを取り入れながら取り組んでおります。
国内においては、デザインカラーの人気が継続している一方で、繰り返しによる髪のダメージが増加し、ケアニーズが高まっています。また、大人世代の髪が細くなる、薄くなる、白髪が増えるなどの悩みは変わらず増加しており、安全、安心に対する意識の高まりも相まって、高付加価値の店頭販売商品の市場は伸び続けております。
このような状況に対応すべく、当社の毛髪科学研究所は、ヘアケア、スキャルプケアの店頭販売商品開発及び美容室におけるヘアカラーの高付加価値商品開発にさらに注力しております。
ヘアケアの分野において、「デミコスメティクス」の最高峰ブランドである「フローディア」(全25アイテム)に、髪の弾力低下などのエイジングケアニーズに対応すべく、毛髪のケラチン密度を強化する独自技術「ミセルショット」を搭載し、エイジングケアライン(全10アイテム)を追加いたしました。
また、夏の爽快感や紫外線ケア等のニーズに応える「ハレマオ」ブランドを、速乾性を高めて夏の暑いドライヤータイムを短縮させる「クイックドライパウダー」や紫外線ケアアイテムで汗に負けないウォータープルーフ機能を追加し、フルリニューアルいたしました(全10アイテム)。さらに大人女性の髪と頭皮の悩みを解決するために機能性植物成分の探索とそれを生かした商品開発に取り組んでおります。
基礎研究においては、「すべての人に10代の髪を生やす」という長期ビジョンをかかげ、研究機関や大学との共同研究による毛髪と皮膚の微細構造の解析、毛髪と皮膚のダメージの解析ならびに植物抽出成分、天然成分による新たな機能性探究を進めるとともに、新規市場創造のための素材開発、用途開発に取り組んでおります。また、サステナブルな社会を実現するために、さらに環境にやさしい製品開発に取り組んでおります。