文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「新しい価値の創造を通じて地球環境や資源を護り、広く社会の繁栄と豊かな暮らしの実現に貢献できる企業を目指します。」という経営理念のもと、持続的成長力をもつ企業たるべく事業展開を図っております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、お客様に満足していただける製品、技術、サービスの提供を通じて、コアビジネスである国内塗料事業の高付加価値化を図るとともに、海外塗料事業の積極拡大、新収益源となりうる事業の育成・強化を推し進めて、売上高営業利益率10%以上を目指します。
(3)経営環境
当社を取り巻く環境としましては、当社の主要市場である国内塗料市場は趨勢的に縮小傾向にあり、今後も販売競争は激化していくものと予想されます。また、海外経済における不確実性の高まりを背景に、為替相場や原材料価格の変動といった外部要因によるリスクも増大しつつあります。
(4)経営戦略及び対処すべき課題
中期経営計画の2年目にあたる平成30年4月以降の展望としましては、下記の重点課題をもとに諸施策に取り組んでまいります。
1.2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う、国内インフラ市場における維持・補修需要の獲得
2.重防食技術やインクジェット加飾技術等、当社の強みを生かした市場開拓の推進
3.社会構造の変化に対応し、新たな付加価値の創出を目的とした研究開発体制の強化
4.海外市場における工業用塗料のシェア拡大と構造物塗料の更なる展開
以上のような諸施策を実施し、当社独自の強みを更に洗練させることで、持続的成長力をもつ企業たるべく努めてまいります。
(5)株式会社の支配に関する基本方針について
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「基本方針」といいます。)
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。
ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。
② 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、昭和4年に島津、三菱、大倉の共同出資により設立された企業であり、今日まで塗料製造を基軸とした事業活動を営んでまいりました。
現在、当社及び当社グループは、塗料、蛍光色材及び照明機器の製造販売を主な事業領域としておりますが、当社グループの企業価値の主な源泉は、「国家社会の繁栄に奉仕し得る将来性ある企業足るべし」という創業精神のもとに、永年に亘ってお届けしている各種製品の品質・性能とサービスが築いたブランド力、顧客との信頼関係にあると考えております。特にコア事業である塗料事業におきましては、起業の礎となった錆止め塗料「ズボイド」をはじめ、市場から絶大な支持を得てまいりました防食塗料、その他の独創的な塗料技術は、地球環境や資源を護り、広く社会の繁栄、豊かな暮らしの実現に貢献し得たものと自負いたしております。このような創業以来の当社及び当社グループの取組みの積み重ねが企業文化、あるいは「DNT」ブランドとして結実し、現在の企業価値の源泉になっており、今後も企業文化の継続発展を通して当社の社会的存在意義を高めることが、結果として企業価値及び株主共同の利益の最大化につながるものと考えております。
当社グループの経営戦略の基本命題は、コアビジネスである塗料事業の継続的成長を図り、市場の好・不調に影響されることの少ない高収益事業とすることにあります。しかしながら、国内市場の構造変化、海外市場の急速な変貌、更には原油、ナフサ価格、為替相場変動に起因する塗料用原材料価格高騰の影響等により、企業価値・株主共同の利益の確保・向上は容易ではありません。そのため、より強固な企業体質を構築する必要があります。具体的には、
1) 国内塗料事業の高付加価値化
2) 海外塗料事業の積極拡大
3) 新たな収益源事業の育成・強化
を必達目標として掲げ、経営基盤の整備とともに地球環境保全活動、適切な情報開示、社会貢献活動など企業の社会的責任を誠実に果たしてまいります。
また、株主、顧客、従業員及び社会全体から「存在価値のある企業」として認められるには、コーポレート・ガバナンスの充実・強化が経営の最重要課題の一つであると考えております。そのために、当社は、金融庁と東京証券取引所が上場企業の企業統治の指針としたコーポレートガバナンス・コードの主旨を踏まえた「コーポレートガバナンスに関する基本方針」を制定し、持続的成長と中長期的な企業価値の向上のために、コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方とその枠組み、運営に係る方針を定めて充実・強化を図っております。また、社外取締役や監査役制度により経営監視機能を強化・充実し、決算や経営施策等の情報開示を適時且つ正確に行うなど、透明性の高い企業経営の実現に向けて努力しております。
当社は経営理念「当社は、新しい価値の創造を通じて地球環境や資源を護り、広く社会の繁栄と豊かな暮らしの実現に貢献できる企業を目指します」のもと、グループ一丸となって、広く社会にとって有用な商品・サービスを提供し、消費者・顧客の満足と信頼を獲得することが、歴史と伝統ある島津系・三菱系企業の一員としての使命であると認識し、今後とも様々なステークホルダーと良好な関係を維持・発展させて経営基盤を強化することで、企業価値・株主共同の利益の確保・向上を図ってまいります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、平成26年4月24日開催の当社取締役会において、「当社株券等の大規模買付行為に関する対応策」(以下、「原プラン」といいます。)の継続を決議し、同年6月27日開催の第131期定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。原プランの有効期間は、平成29年6月29日開催の第134期定時株主総会終結の時までであることから、当社では、株主共同の利益及び企業価値の維持・向上の観点から、当社を取り巻く事業環境、情勢変化等も踏まえ、更なる検討を加えました結果、同年4月26日開催の当社取締役会において、原プランを一部変更したうえで、「当社株券等の大規模買付行為に関する対応策」を継続することを決議し(以下、継続する「当社株券等の大規模買付行為に関する対応策」を「本プラン」といいます。)、同年6月29日開催の第134期定時株主総会において株主の皆様にご承認をいただきました。
本プランは、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付け、又は公開買付けに係る株券等の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けを行う者を対象者として、当社株券等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要且つ十分な情報及び時間、並びに大規模買付行為を行おうとする者との交渉の機会を確保するためのものであります。
大規模買付者があらかじめ定めるルールを遵守しない場合、又は当該大規模買付等が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうものであると認められ、且つ対抗措置の発動を相当と判断する場合、当社取締役会の決議に基づき発動する対抗措置としては、原則として新株予約権の無償割当てを行うこととします。ただし、かかる判断に当たっては、当社取締役会から独立した独立委員会の勧告を最大限に尊重します。
なお、本プランの詳細につきましては、インターネット上の当社のホームページ掲載の平成29年4月26日付プレスリリース「当社株券等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続について」( http://www.dnt.co.jp/japanese/ir/library/file/other/news20170426.pdf )をご参照ください。
④ 基本方針にかかる取組みについての当社取締役会の判断及びその判断にかかる理由
本プランは、大規模買付者が基本方針に沿う者であるか否かを株主の皆様及び当社取締役会が適切な判断をするに当たり、十分な情報及び時間を確保する為に定めるものであり、特定の者による大規模買付行為を一概に拒絶するものではありません。
本プランの有効期間は3年間としていますが、有効期間満了前であっても株主総会で変更又は廃止できることとし、株主の皆様の意思が反映される仕組みになっております。
また、対抗措置の発動は、当該大規模買付等が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうものであると判断される場合など、あらかじめ定められた合理的且つ客観的要件を充足する場合に限定されるとともに、その発動に当たっては、独立委員会の中立的な判断を重視することとしており、当社取締役会の恣意的判断を排除しております。更に、発動する対抗措置については、あらかじめその内容を株主の皆様に適時に情報開示を行うこととしております。
したがって、当社取締役会は、前記③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの具体的内容は基本方針に沿うものであり、企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則を充足しており、当社役員の地位の維持を目的とするものでないと判断しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、本記載は将来発生しうるすべてのリスクを網羅したものではありません。
(1)塗料事業に係るリスク
① 販売価格動向による影響
塗料需要の大幅な減少に伴い国内での販売競争が激化しており、今後販売価格が大幅に下落する可能性があります。
なお、塗料原材料価格については、石油関連製品の世界的需要構造の変化及び為替変動により常に上昇するリスクに晒されております。
② 公共投資及び民間住宅投資による影響
当社は、創業以来培ってきた防食技術をはじめとする独自技術により、総合塗料メーカーとして事業を展開しており、その需要分野は多方面に亘りますが、売上の重要部分を占める防食塗料の需要は公共投資の動向に、また、住宅建材用塗料については民間住宅投資の動向やそれに係わる法的規制等にそれぞれ多大な影響を受けることになります。
③ 工業用塗料ユーザーの動向による影響
当社の工業用塗料の売上は、販売先であるエレクトロニクス業界や工作機械業界の工場稼働状況に大きく左右されます。今後、世界的な景気動向が低迷した場合、同塗料の売上は多大な影響を受けることになります。
④ クレーム補償による影響
当社が住宅建材メーカーに納入する外装建材用塗料については、平成11年に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行されて以降、住宅建材メーカー各社がこれを契機に高級外装材の拡販戦略として10年あるいはそれ以上の長期保証を打ち出し、塗料メーカーにも同様の塗膜保証を求めてきております。同塗料のトップメーカーである当社としては、製品の開発・製造には万全の注意を払い、損害賠償保険等による対策をとってはいるものの、保証期間が伸長され、新製品発売も数多くに上るという現状は、当社のクレーム発生件数増加や補償負担の発生リスクを伴うものであります。
⑤ 法的規制による影響
当社は、地球環境や資源を護り、広く社会の繁栄、豊かな暮らしの実現に奉仕することを希求しており、環境・安全・健康を確保するための責任ある自主活動「レスポンシブル・ケア」のほか、ISO14001の認証取得による全事業所での環境マネジメントシステムを実施し、環境汚染の防止に関する各種法律の遵守、「ノボクリーンシリーズ」をはじめとする環境対応形各種塗料の開発に努めております。
しかしながら、今後の法改正や法規制強化のあり方次第では、生産・研究施設の改善あるいは商品設計・開発に多大な投資を必要とし、あるいは新商品開発の遅延による機会損失発生の恐れがあります。
⑥ 進出国の社会情勢による影響
海外事業は、為替変動に加え、法律・規制の変更、不利な影響を及ぼす租税制度の変更や政治・経済状況の激変、テロ・戦争など海外特有の社会的混乱、その他予期せぬリスクが発生した場合、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)照明機器事業に係るリスク
① 法的規制による影響
当事業は電機業界に課される法的規制を受けております。同規制は環境・安全・品質保証等広範囲に亘っております。これらの規制は、新たに制定されることもあり、また、従前の規制より厳しいものに変更されることもあります。
これらの規制の新規制定、変更に伴い、当事業の展開が制約を受けることや規制を遵守するために追加費用が発生することが予想されますが、そのような場合、当事業の業績は影響を受ける可能性があります。
また、当事業では建設業許可を受け、電気工事業者として登録し、主として当事業の製品である照明器具について、商業施設の内装に係る工事を受注しております。これら電気工事業務は、建設業法並びに電気工事業の業務の適正化に関する法律の規制を受けているため、当該許可及び登録の更新がなされない場合、当事業の業績は影響を受ける可能性があります。
② 品質不良等の発生による影響
当事業の製品である安定器、LED電源、照明器具(蛍光灯及びLED)はISO9001、蛍光ランプはISO14001の採用により品質保証及び環境保全を最優先課題として製造しておりますが、様々な技術上、あるいはそれ以外の要因により不良品が発生し、クレームを受ける場合があります。大規模なクレームや製造物責任を問われる事態が発生した場合、これらの補償、対策が製造原価の上昇となり、当事業の業績は影響を受ける可能性があります。
③ 事業競合による影響
当事業の主力商品である店舗用棚下照明の市場は商業施設の棚下照明のメンテナンス需要、新設・改装需要から成り立っており、競合メーカーは少数でありましたが、LED化への急速な転換により競合メーカーの市場への参入が顕著になっております。
それゆえ、市場の各メーカー商品のシェア獲得は価格・商品開発において競争が厳しく、顧客の要求する品質の商品開発や販売政策の展開が不可欠であります。この商品戦略において優位なポジションに付けない場合があります。
また、現在の競合他社より大きな資本力・商品力を持つ企業や、コスト面で優位なメーカーの参入があった場合、従来の顧客との取引を維持できなくなり、業績は影響を受ける可能性があります。
④ エンドユーザーの投資動向による業績への影響
当事業の製品のエンドユーザーはデパート、スーパーマーケット、ブランドショップ等の店舗及びオフィスビル等の内装関係であり、これらエンドユーザーの出店・改装・増床等の投資動向が左右された場合、当事業の業績は影響を受ける可能性があります。
(3)その他のリスク
災害による影響
当社グループの事業拠点について、塗料事業の生産拠点は分散化を図っておりますが、照明機器事業の生産拠点として、蛍光ランプ類は神奈川県平塚市及び秦野市に、安定器・照明器具類は秋田県潟上市に、蛍光色材事業の生産拠点は神奈川県鎌倉市にあり、今後自然災害等の外的要因により生産活動を停止せざるを得ないケースでは、代替する生産拠点を有しておりません。
各事業の生産拠点のいずれかが地震等の災害に罹災し稼働困難となった場合、コンピュータの基幹システムに重大な障害が発生した場合、あるいは電力需要調整の必要が生じた場合には、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
1.経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動による影響が懸念されるなど、先行きには不透明感が残る状況となっております。
当社グループの連結業績につきましては、国内塗料事業は工作機械向けに売上が増加したものの、建材分野においては売上が減少したことから、総じて減収となりました。利益面では原材料価格高騰の影響を強く受け、減益となりました。海外塗料事業は北中米市場における自動車部品分野の堅調な需要を受け、増収増益となりました。照明機器事業は業務用LED照明分野の需要が堅調に推移し、増収増益となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は741億1千9百万円(前連結会計年度比 1.8%増)、営業利益は65億8千8百万円(同 5千5百万円増)、経常利益は63億9千2百万円(同 2億7百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は45億7千3百万円(同 6億2千6百万円減)となりました。
各事業セグメントにおける営業活動の状況は次のとおりです。
[国内塗料事業]
主力の構造物分野では、インフラ市場を中心に販売競争が激しさを増すなかシェア拡大に注力し、売上が増加しました。工業用分野では、工作機械向けに需要が拡大し売上が増加したものの、建材分野においては住宅着工戸数減少の影響を受け、売上が減少しました。利益面では下期以降における原材料価格高騰の影響を強く受け、利益は前年を下回りました。当セグメント全体の業績としては、減収減益となりました。
この結果、売上高は533億7千4百万円(前連結会計年度比 0.2%減)、営業利益は34億6千6百万円(同 4億1千9百万円減)となりました。
[海外塗料事業]
北中米市場及び東南アジア市場においては自動車部品分野の業績が堅調に推移し、売上、利益ともに増加しました。中国市場では環境規制の強化に伴い対策費用が発生しましたが、構造物分野を中心とした売上増加により、利益も増加しました。加えて円安による為替換算の影響もあり、当セグメント全体の業績は、増収増益となりました。
この結果、売上高は79億6千万円(前連結会計年度比 13.4%増)、営業利益は14億5百万円(同 2億1千8百万円増)となりました。
[照明機器事業]
業務用LED照明分野では、期を通じて商業施設における改装需要が堅調に推移し、売上が増加しました。このほか経費削減にも努めたことで利益は大きく増加し、増収増益となりました。
この結果、売上高は94億7千万円(前連結会計年度比 4.2%増)、営業利益は11億4千6百万円(同 2億1千4百万円増)となりました。
[蛍光色材事業]
国内市場では高付加価値品を中心に堅調に推移しましたが、主要市場である海外蛍光顔料市場の低迷及び価格競争激化の影響により減収減益となりました。
この結果、売上高は12億7千5百万円(前連結会計年度比 7.4%減)、営業利益は1億1千9百万円(同 1千6百万円減)となりました。
[その他事業]
売上高は20億3千8百万円(前連結会計年度比 13.2%増)、営業利益は2億1千3百万円(同 5千5百万円増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より3億3百万円増加し、42億5千6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により得られた資金は、53億1千5百万円(前連結会計年度は61億3千3百万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益、仕入債務の増加、利息及び配当金の受取等の収入と、退職給付に係る資産の増加、売上債権の増加、法人税等の支払等の支出を主因とするものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、3億9千8百万円(前連結会計年度は6億3千7百万円の収入)となりました。これは投資有価証券の売却等の収入と、有形固定資産の取得等の支出を主因とするものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、47億4千7百万円(前連結会計年度は58億8百万円の支出)となりました。これは短期借入金及び長期借入金の返済、配当金の支払、自己株式の取得による支出、リース債務の支払等の支出を主因とするものであります。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内塗料(百万円) |
52,571 |
99.5 |
|
海外塗料(百万円) |
6,899 |
116.5 |
|
照明機器(百万円) |
5,116 |
106.3 |
|
蛍光色材(百万円) |
1,068 |
95.1 |
|
合 計(百万円) |
65,656 |
101.5 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記セグメント区分以外の「その他」は、塗装工事事業、物流事業等であり、提供するサービスの性格上、生産実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。
② 受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は、一部特需関係等を除き主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残等について特に記載すべき事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内塗料(百万円) |
53,374 |
99.8 |
|
海外塗料(百万円) |
7,960 |
113.4 |
|
照明機器(百万円) |
9,470 |
104.2 |
|
蛍光色材(百万円) |
1,275 |
92.6 |
|
報告セグメント計(百万円) |
72,080 |
101.5 |
|
その他(百万円) |
2,038 |
113.2 |
|
合 計(百万円) |
74,119 |
101.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相 手 先 |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
三菱商事ケミカル株式会社 |
14,626 |
20.1 |
14,349 |
19.4 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1)財政状態の分析
|
|
前連結会計年度 (平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (平成30年3月31日) |
増減額 |
|
|
資産 (百万円) |
|
70,374 |
76,506 |
6,132 |
|
負債 (百万円) |
|
34,055 |
33,157 |
△897 |
|
純資産(百万円) |
|
36,319 |
43,349 |
7,030 |
|
自己資本比率(%) |
|
48.5 |
53.3 |
4.8ポイント上昇 |
当連結会計年度における総資産は、765億6百万円となり、前連結会計年度末と比較して61億3千2百万円の増加となりました。流動資産は、342億9千万円で前連結会計年度末と比較して13億6千7百万円の増加となりましたが、これは受取手形及び売掛金の増加7億5千8百万円、たな卸資産の増加4億1千9百万円、繰延税金資産の増加9千9百万円、その他の増加6千4百万円が主因であります。固定資産は、422億1千6百万円で前連結会計年度末と比較して47億6千4百万円増加となりましたが、これは有形固定資産の増加2千2百万円、投資その他の資産の増加49億5千4百万円が主因であります。
負債は、331億5千7百万円となり、前連結会計年度末と比較して8億9千7百万円の減少となりました。流動負債は、264億3千9百万円で前連結会計年度末と比較して19億8千5百万円の減少となりましたが、これは支払手形及び買掛金の増加15億8千万円、短期借入金の減少31億4千8百万円、未払法人税等の減少7億3千万円、製品補償引当金の増加2億8千8百万円が主因であります。固定負債は、67億1千7百万円で前連結会計年度末と比較して10億8千7百万円の増加となりましたが、これは長期借入金の減少1億5千4百万円、リース債務の減少2億2千5百万円、繰延税金負債の増加14億7千8百万円が主因であります。
純資産は、433億4千9百万円となり、前連結会計年度末と比較して70億3千万円の増加となりましたが、これは利益剰余金の増加39億7千7百万円、自己株式の増加3億6千9百万円、その他有価証券評価差額金の増加1億4千7百万円、為替換算調整勘定の増加1億2千2百万円、退職給付に係る調整累計額の増加27億6千5百万円、新株予約権の増加3千2百万円、非支配株主持分の増加3億5千2百万円が主因であります。
なお、キャッシュ・フローの状況については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]1.経営成績等の状況の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(2)経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]1.経営成績等の状況の概要(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
技術提携
(1)技術供与
|
相手先 |
国別 |
契約の内容 |
契約期間 |
対価 |
|
PPG Coatings (Malaysia)Sdn.Bhd. |
マレーシア |
プラスチック用塗料の製造販売権 |
平成26年7月1日から平成31年6月30日まで以後3年毎の自動更新 |
売上高に対して一定率 |
|
Taiyang Paints Corporation |
台湾 |
重防食塗料及びその他工業用塗料 の製造販売権 |
平成29年10月20日から平成34年10月19日まで |
売上高に対して一定率 |
|
The Sherwin-Williams Company |
米国 |
プラスチック用塗料の製造販売権 |
①平成27年12月1日から平成30年11月30日まで 以後3年毎の自動更新 ②平成28年8月1日から平成38年7月30日まで 以後10年毎の自動更新 |
売上高に対して一定率 |
|
P.T. Tunggal Djaja Indah |
インドネシア |
重防食塗料及びその他工業用塗料 の製造販売権 |
平成30年1月8日から平成31年1月7日まで以後1年毎の自動更新 |
売上高に対して一定率 |
|
Maharani Innovative Paints Pvt. Ltd. |
インド |
自動車部品用塗料及びその他工業 用塗料の製造販売権 |
平成26年2月21日から平成36年2月20日まで以後3年毎の自動更新 |
①イニシャルロイヤリ ティー ②売上高に対して一定 率 |
(2)技術導入
|
相手先 |
国別 |
契約の内容 |
契約期間 |
対価 |
|
Valspar Corporation |
米国 |
パイプ用塗料の製造販売権 |
平成30年3月27日から平成31年3月26日まで以後1年毎の自動更新 |
売上高に対して一定率 |
|
The Sherwin-Williams Company |
米国 |
インモールドコーティングの製造 販売権 |
平成28年1月1日から平成32年12月31日まで以後5年毎の自動更新 |
売上高に対して一定率 |
当社グループの研究開発活動は、コアビジネスである塗料事業をはじめ、照明機器、蛍光色材、ジェットインク及び機能性材料などの塗料事業以外の商品開発にも取り組んでおります。塗料事業においては市場ニーズに合致する地球環境に優しい商品、省エネルギー・省力化に対応した商品、高機能・高付加価値商品の開発に注力すると共に、新商品開発の基礎となる機能性を有する塗料用樹脂や新規材料の研究開発を始め、防食理論、分析・評価技術、顔料分散技術、塗膜形成技術及び塗装技術などの基盤技術を拡充し、新しい価値を継続的に市場へ提供できる取り組みを進めております。当連結会計年度における研究開発費の総額は15億7千2百万円となりました。
当連結会計年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。
(1)国内塗料事業
① 構造物塗料分野
橋梁や各種プラント施設に代表される大型の鋼構造物や土木コンクリート構造物などにおいて「LCC(ライフサイクルコスト)の低減」、「環境負荷低減」、「省力化」、「点検・診断」、「安全・安心」をキーワードに、公共性の高い社会インフラを長期間護るための材料開発と塗装システム開発及びメンテナンス市場をターゲットとした補修・補強材料や塗膜診断技術を活用した塗膜の寿命予測などに注力しております。LCCの低減では東京スカイツリー®に採用された長期耐久性を有する厚膜型ふっ素樹脂塗料「VフロンHB」、環境負荷低減ではVOC(揮発性有機化合物)を大幅に削減した「DNT水性重防食システム」、「水性グリーンボーセイ速乾」、省力化では有機ジンクリッチペイントでありながら摩擦接合部への適用が可能となり作業工程が削減できる「ゼッタールEP-HF」、点検・診断では点検時に簡易的な補修が可能な「レジソークType1-NSスプレー」、安全・安心ではコンクリートの剥落防止を短工期で実現する「レジガード1Dayはく落防止(SheiM-CS)システム」やプラント配管設備における保温材下の腐食を抑制する「CUIシャット」などの開発を行い、市場展開に取り組んでおります。
② 建築塗料分野
戸建・集合住宅やオフィスビルの新築・改修において、「省エネ・省工程・安全・快適」をキーワードに環境に優しい独創的な製品の開発に取り組んでおります。独創的な製品では、オフィスビル等の外壁に使用されるカーテンウォールの改修用として、神戸国際交流会館にも採用された高外観メタリック仕上げをローラー塗装で可能にする弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「Vフロン#200スマイルRBメタリック」、オフィスビルや商業施設等の扉や手摺りなど人の手が多く触れる箇所の皮脂(手の脂)による汚れ、はがれの問題を解決する水性塗料「アクアマリンタックレス」、無機素材から金属素材まで適用可能な弱溶剤形塗料「マイティー万能エポシーラー」及び環境に配慮した水性塗料「マイティー万能水性シーラー」、省エネ効果が期待される遮熱塗料「エコクールシリーズ」、外装リフォームの際に新築時の意匠性を活かしたまま高外観と長期保護を可能にする水性の塗り替え用塗料「SBライズコートアクアSi」及び弱溶剤系の塗り替え用塗料「SBライズコートスマイル」などの市場展開に取り組んでおります。
③ 車輌産機・自動車補修塗料分野
鉄道車両用塗料としては、小田急電鉄「ロマンスカー・GSE(70000形)」に高意匠性「Vトップ車輛用ゴールド」仕様や、伊豆急行(東京急行電鉄)「THE ROYAL EXPRESS」に高外観高耐久性「Vフロン#800車輛用クリーンクリヤー」仕様などが車両外板へ採用されました。また、近年の高意匠用塗色に対応した「Auto アルティメットカラーシリーズ」、環境対応一液エポキシプライマー「コスモレックス#1200F」などの市場展開にも取り組んでおります。
④ 建材塗料分野
新築戸建住宅外装建材用塗料向けに高意匠、高機能、高耐候性化などの顧客ニーズに応える環境に配慮した塗料と塗装システムの開発に取り組んでおります。
⑤ 金属焼付塗料・粉体塗料分野
メタルカーテンウォールを主とした建築内外装用焼付塗料として、従来の溶剤系塗料に加え、ふっ素樹脂を塗膜表面に選択的に配向させることで長期耐久性を有する二層分離形粉体塗料「パウダーフロンSELA」の市場展開及び都市開発案件、オリンピック関連施設への採用に向け取り組んでおります。
⑥ インクジェット・新事業分野
各種機能性インクの開発及びインクジェット加飾技術と塗料の積層技術をセットにした高意匠性、高機能塗装システムの市場展開に取り組んでおります。また、新たな事業として貴金属ナノ粒子の合成技術と表面処理技術を応用したバイオセンシング用診断材料や新規光学材料の開発と市場展開に取り組んでおります。
(2)海外塗料事業
中国、タイ、インドネシア、マレーシア等の東南アジア及びメキシコに進出している日系自動車部品メーカーを中心に環境・省工程・高意匠の自動車内外装塗料「プラニットシリーズ」及び金属のような輝度感を有する金属調塗料「アクリタンMY51」を市場展開しております。また、重防食塗料分野においては、中国、東南アジアを中心としたプラント設備向けや政府開発援助(ODA)橋梁案件向けに日本の塗料設計技術を提供し、LCCの低減や環境負荷低減の実現を目標として市場展開に取り組んでおります。
(3)照明機器事業
省エネ効果の有効手段として照明のLED化は一般化され、グリーン購入法における補助金制度が制定される等、性能面や(社会的)仕組みにおいてもユーザーの注目度が高まっております。
代表的な照明機器製品として什器照明市場で認知度の高い「TB-LED」、その後継機種として「TA-LED」を販売しました。LEDの粒感を無くす改善及び器具幅20%縮小により意匠性に優れ、低価格を実現した器具を開発し、顧客より高評価を得ております。
照明市場は、従来の金属・樹脂といった筐体に囲まれた照明器具の中から、コンパクトかつ形状を多様化させたモジュール化の動きが加速しております。その流れにも迅速に対応し、既存LEDモジュールと専用のパーツの組み合わせにより、現場加工、簡易施工並びに意匠性にも配慮した「FX50用プロファイルシステム」を開発しました。本製品は高級自動車ディーラー店舗にも採用されております。
屋外市場向けに従来の軒下用製品に加え、屋外環境下でも使用可能なフレキシブルタイプLEDモジュール「FXE-LED」を開発しました。本製品は紫外線防止に優れ、屋外の様々な場面で適用できる製品であります。
今後も市場動向を分析し、照明を使った快適な空間創造のため光技術を応用した製品開発を行うと共に品質面・コスト面でも一歩先を行くトップランナーとして走り続けていきます。
(4)蛍光色材事業
蛍光顔料事業では、環境に考慮した人体に優しいノンホルマリン型のポリエステル系蛍光顔料及びアクリル系蛍光顔料の開発及び民間企業や大学と提携して「高耐候性蛍光顔料」などの機能性蛍光顔料の研究開発に取り組んでおります。
蛍光塗料事業では、安全対策用・防災用途に、高視認性を活かした環境対応形「水性省工程ヘリサイン用塗装システム」の開発並びに、駅のホームからの転落防止用CP(色彩心理)ライン「ルミライン#100」、歩行時に水に濡れた時でも滑らない「ルミノグリップ」、夜間でも光を反射して注意喚起を促す「ビームライトエース」、夜間で長時間光る蓄光塗料のエアースプレー化などの市場展開に取り組んでおります。
なお、セグメントごとの研究開発費は、「国内塗料事業」12億4百万円、「照明機器事業」2億8千5百万円、「蛍光色材事業」8千3百万円であります。