文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「新しい価値の創造を通じて地球環境や資源を護り、広く社会の繁栄と豊かな暮らしの実現に貢献できる企業を目指します。」という経営理念のもと、持続的成長力をもつ企業たるべく事業展開を図っております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、お客様に満足していただける製品、技術、サービスの提供を通じて、コアビジネスである国内塗料事業の高付加価値化を図るとともに、海外塗料事業の積極拡大、新収益源となりうる事業の育成・強化を推し進めて、長期的には売上高営業利益率10%以上を目指します。
(3)経営環境
当社を取り巻く環境としましては、当社の主要市場である国内塗料市場は趨勢的に縮小傾向にあり、今後も企業間競争が激化していくものと予想されます。海外塗料市場においては、新興国を中心に需要は拡大していきますが、中国の環境規制強化による対応や北中米・東南アジアでの自動車生産台数の減少により、自動車部品塗料の需要減少などが見込まれます。また、海外経済における不確実性の高まりを背景に、為替相場や原材料価格の変動といった外部要因によるリスクも増大しつつあります。
更に、足元の状況として、主要国における貿易摩擦や、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、国内及び世界経済を更に下振れさせる状況が予想されており、国内塗料事業においては、政府から発令された緊急事態宣言の影響で、建設工事の遅延や中断、工業用顧客の生産調整等が生じることにより、塗料需要の落ち込みが予想されます。海外塗料事業においても、各国政府が発令しているロックダウン(都市封鎖)や行動規制により、総じて生産活動が低下しております。また、照明機器事業においては、店舗の営業自粛や観光業の停滞等により商業施設での設備投資が抑えられ、今後の需要の落ち込みが予想されるため、厳しい経営環境が続くと考えられます。
(4)経営戦略
新中期経営計画の初年度となります2020年4月以降の展望としましては、下記の経営戦略を推進し、当社独自の強みを更に洗練させることで、持続的成長力を持つ企業たるべく努めてまいります。
1.技術センターの活用により顧客ニーズに沿った製品・技術開発を推進し、顧客への提供価値を強化する。
2.工場ラインの生産性向上や製品及び原料の統廃合により製造経費及び原材料費を削減し、市場における価格競争力を強化する。
3.従業員の働き方改革を通じて、付加価値創出への貢献という観点から業務プロセスの見直しを図る。
4.海外市場における工業用塗料のシェア拡大と特色ある汎用塗料の拡販を図るとともに、中国市場においては工場新設を柱とした事業基盤の構築を進める。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
前記の経営環境及び経営戦略を踏まえ、当社は以下を優先的に対処すべき課題として取り組んでまいります。
① 社会のニーズにマッチした製品開発による売上増加
当社の主力分野である防食分野では、労働人口が減少する中、膨大な社会資本ストックをいかに経済的にメンテナンスするかが近年の重要なテーマであり、多様な現場環境に適した塗装仕様や工法の確立及びメンテナンスの省人化・省工程化といった社会環境に配慮した提案が求められます。工業用分野では、CO2削減を目的として自動車業界を中心に軽量化素材の適用が進められており、様々な素材に対し、溶剤系塗料、水性塗料、粉体塗料、インクジェットプリントなどあらゆるコーティング技術を組み合わせた最適な塗装工法の提案が必要となります。このような中で、当社は新たに設立する技術センターを活用し、社会課題に対応した塗料製品、塗装技術の開発や顧客への提案を推進することで、社会に貢献しつつ、新たな需要を取り込み、製品の拡販に努めます。
② 売上原価及び販売管理費の削減
当社の重要な経営指標である売上高営業利益率を向上させるうえで、売上原価及び販売管理費を削減し、損益分岐点を下げることが喫緊の課題であります。売上原価の大部分を占める原材料費用に関しては、新たな社内プロジェクトを立ち上げており、製品及び原材料の統廃合や配合の共通化、仕入方法の見直し等を通じて、原材料コストの低減に向けて取り組んでおります。生産体制に関しては、生産設備の最適な配置や新しい設備の導入を進めることにより、生産効率を高め、製造コストを抑える努力を継続しております。同時に、グループ全体としての最適な生産体制に向けた検討を進めてまいります。販売管理費に関しても社内プロジェクトを立ち上げており、毎月の経費管理を強化し、経費削減案の策定及び実行を、連結子会社へ展開することで、経費削減に努めております。
③ 中国及び東南アジアでの生産能力及び顧客対応力の強化
当社の海外セグメントは巨大市場である中国、そしてタイを中心とした東南アジアが重要拠点であります。中国市場では近年益々の環境規制強化が進んでおり、都市部での塗料生産が困難になってきているため、代替地での生産拠点の設立や、水性塗料や粉体塗料等の環境対応型塗料の需要に対する対応が必要となっております。当社としては、中国の浙江省に新会社を設立することで、環境規制に対応した塗料生産体制を構築するとともに、従来外注で生産をしていた粉体塗料を内製化することでコスト削減を図るとともに、将来的な需要の増加へ対応していきます。また、世界的な自動車販売の不振から今期は当社の強みである自動車部品分野の塗料の需要減少が予想されており、当社としては、国内外の連携推進やタイに設置した研究棟の活用により顧客対応力を強化し、現在の自動車部品ビジネスに加え、他の工業市場の拡大や特色ある一般用塗料の販路を模索し、事業リスクの分散を図ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、本記載は将来発生しうるすべてのリスクを網羅したものではありません。
(1)事業展開に係るリスク
① 市場環境変化に関するリスク
当社グループの事業は、1)国内塗料事業、2)海外塗料事業、3)照明機器事業、4)蛍光色材事業、5)その他事業で構成され、生産性の向上を図るとともに、原材料費用の低減及び販売費及び一般管理費の抑制等のコスト削減に注力し、事業環境の変化に影響されにくい高い収益性を維持できる収益体質を確立すべく事業を展開しておりますが、これらの関連業界市場の需要減少や販売地域での景気後退により、販売数量の減少や価格の下落が生じた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
事業ごとの状況は以下のとおりであります。
1)国内塗料事業では、国内市場において広範囲な産業に製品を提供しております。製品の高付加価値化の拡大を図っておりますが、これらの業界市場において需要の低迷、競争の激化等が生じた場合は、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
特に創業以来培ってきた防食技術の需要分野は多方面に亘り、売上の重要部分を占めておりますが、防食塗料の需要は公共投資の動向に多大な影響を受けます。また、外装建材用塗料については民間住宅投資の動向やそれに係わる法的規制等に多大な影響を受けます。
2)海外塗料事業では、東南アジア、中国、メキシコに製造・販売拠点を構築し、グローバルに製品を提供しております。新規顧客の開拓や製品の高付加価値化の拡大を図っておりますが、為替レートの変動に加え、法律・規制の変更、不利な影響を及ぼす租税制度の変更や政治・経済状況の激変、テロ・戦争等海外特有の社会的混乱、その他予期せぬリスクが発生した場合は、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
3)照明機器事業では、建設業許可を受け、電気工事業者として登録し、主として当事業の製品である照明器具について、商業施設の内装に係る工事を受注しております。LEDを始めとした新しい光源の発達に対応すべく今まで培ってきた技術力・ノウハウ・人材を活かして事業の拡大を図っておりますが、販売競争の激化等が生じた場合は、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
4)蛍光色材事業では、蛍光顔料、蛍光塗料、特殊コーティング材等で、蛍光色材の国内唯一の総合メーカーとして、国内外市場において広範囲な産業に製品を提供しております。製品の高付加価値化の拡大を図っておりますが、これらの業界市場において需要の低迷が生じた場合は、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
5)その他事業では、塗装工事及び塗料製品の運送・保管等で、需要の低迷が生じた場合は、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 原材料調達に関するリスク
当社グループの塗料事業に用いる原材料は、ナフサ等からなる石油化学製品であり、原材料の調達においては複数購買、代替品調査等の施策により安価で安定した調達を図っておりますが、石油関連製品の世界的需要構造の変化及び為替レートの変動により原材料価格が大幅に上昇した場合や、需給バランスの逼迫や遅延により原材料の調達が困難になった場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 販売価格に関するリスク
当社グループは、販売競争の激化や原材料価格の高騰に対し販売価格に転嫁すべく努力しておりますが、価格転嫁が充分に進まない場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ 為替レート変動に関するリスク
当社グループの在外子会社等の財務諸表項目の円換算額は為替レートの変動による影響を受けるため、為替レートに大幅な変動が生じた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業活動の基盤である情報システム・情報ネットワークに対し、様々なセキュリティ対策を実施しておりますが、災害、サイバー攻撃、不正アクセス等により情報システム等に障害が生じた場合、企業情報及び個人情報等が社外に流出した場合は、事業活動の停滞や信用の低下等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 退職給付に関するリスク
当社グループの退職給付費用及び債務は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等の前提に基づき計算されておりますが、年金資産の運用環境の悪化により前提と実績に乖離が生じた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法律及び規制に係るリスク
① 法的規制等に関するリスク
当社グループは、事業活動を行う上で、商取引、環境、安全、保安、品質保証、化学物質管理、労働、特許、会計基準及び租税等の様々な法規制の適用を受けており、法令遵守を基本として事業活動を行っております。
特に環境・安全・健康を確保するための責任ある自主活動「レスポンシブル・ケア」のほか、ISO14001の認証取得による全事業所での環境マネジメントシステムを実施し、環境汚染の防止に関する各種法律の遵守、重防食塗装を全て水性塗料で可能とする「DNT水性重防食システム」や、低臭気の室内用水性塗料「COZY PACK(コージーパック)」をはじめとする環境対応形各種塗料の開発に努めておりますが、今後の法改正や法規制強化のあり方次第では、生産・研究施設の改善あるいは製品設計・開発に多大な投資を必要とし、新製品開発の遅延による機会損失が生じた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、競争力基盤の強化のため、様々な知的財産権を保有し、維持・管理しておりますが、第三者による侵害や訴訟を提起された場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 製品品質に関するリスク
当社グループは、製品の特性に応じて品質保証及び環境保全を最優先課題として製品を製造しておりますが、様々な技術上、あるいはそれ以外の要因により不良品が発生し、クレームを受ける場合があります。大規模なクレームや製造物責任を問われる事態が発生した場合は、これらの補償、対策が製造原価の上昇となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
特に住宅建材メーカーに納入する外装建材用塗料については、1999年に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行されて以降、住宅建材メーカー各社がこれを契機に高級外装材の拡販戦略として10年あるいはそれ以上の長期保証を打ち出し、塗料メーカーにも同様の塗膜保証を求めてきております。同塗料のトップメーカーである当社としては、製品の開発・製造には万全の注意を払い、損害賠償保険等による対策をとっておりますが、保証期間が伸長され、新製品発売も数多くに上るという現状は、当社のクレーム発生件数増加や補償負担の発生リスクを伴うものであります。
(3)災害等に係るリスク
① 災害、事故に関するリスク
当社グループは、災害や事故発生時の被害を最小限にとどめ、速やかな復旧により事業を円滑に継続できる体制の整備と維持に努めておりますが、予想を上回る規模の地震や台風等の自然災害に見舞われた場合や、火災等の事故が発生した場合は、人的、物的損害のほか、事業活動の停止、制約等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
特に当社グループの事業拠点について、塗料事業の生産拠点は分散化を図っておりますが、照明機器事業の生産拠点として、蛍光ランプ類は神奈川県平塚市及び秦野市に、安定器・照明器具類は秋田県潟上市に、蛍光色材事業の生産拠点は神奈川県鎌倉市にあり、自然災害等の外的要因により生産活動を停止せざるを得ないケースでは、代替する生産拠点を有しておりません。
各事業の生産拠点のいずれかが地震等の災害に罹災し稼働困難となった場合、コンピュータの基幹システムに重大な障害が発生した場合、あるいは電力需要調整の必要が生じた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 感染症に関するリスク
当社グループの従業員に新型コロナウイルス、インフルエンザ等の感染症に対しては、手洗い、うがい、マスク着用等の感染防止策を講じておりますが、感染者が発生し一時的に操業を停止した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
特に新型コロナウイルス感染症の対応については、ソーシャル・ディスタンスを意識した上で、三つの密(密閉・密集・密接)を避けるとともに、手洗い、うがい、マスク着用、アルコール消毒、在宅勤務(テレワーク)、不要不急の出張禁止、時差出勤、フレックスタイム制度等を活用して新型コロナウイルス感染の防止に努めております。
当社では、新型コロナウイルス感染症対策期間中は、毎週一回程度の頻度で新型コロナウイルス感染症対策会議を実施しております。会議の出席者は、社長、役員、本社の事業部長等によって構成されており、政府方針に基づいた当社グループにおける対策の決定や、感染者が発生した場合の対応策を議論しております。
③ 気候変動対応に関するリスク
当社グループは、環境対応形各種塗料の開発に注力するなど、事業活動を通じてCO2排出量の削減等に取り組み、環境改善や気候変動リスクの低減に努めておりますが、環境に関する規制が予測以上に強化された場合は、事業活動の制限や対策費用の増加等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
1.経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移したものの、輸出を中心に弱さが長期化しております。加えて、通商問題の動向が世界経済に与える影響や中国経済の先行き、金融資本市場の変動等のほか、新型コロナウイルス感染症が国内及び世界経済を更に下振れさせるリスクに十分注意する必要があり、先行きの不透明感は一段と強まっております。
当社グループの経営成績については、売上高は国内塗料事業及び海外塗料事業において前期を下回り、727億9百万円(前連結会計年度比 1.4%減)、利益面では、照明機器事業で大きく収益性が改善したものの、国内塗料事業及び海外塗料事業において需要が低調に推移し、営業利益は55億4千7百万円(同 4億9千1百万円減)、経常利益は57億8千6百万円(同 4億2千3百万円減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前期に計上した本社移転に伴う減損損失の剥落により、36億6千2百万円(同 5千7百万円増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[国内塗料事業]
構造物分野では、市況が堅調に推移し、売上は前期を上回りました。建材分野では、新設住宅着工戸数減少の影響を受け、売上は前期を下回りました。利益面では、原材料価格は下落に転じているものの、一部の高付加価値品における顧客の減産に伴う販売の減少及び本社移転に伴う費用の発生により前期を下回りました。
この結果、売上高は518億6千1百万円(前連結会計年度比 2.1%減)、営業利益は24億6千4百万円(同 4億6千9百万円減)となりました。
[海外塗料事業]
東南アジア市場では、主要顧客の減産等により自動車部品分野の需要が減少し、売上、利益ともに前期を下回りました。中国市場では、各種の工業分野における需要が減少し、売上、利益ともに前期を下回りました。北中米市場では、自動車部品分野の売上は前期並みとなりましたが、高付加価値品の販売が減少し、利益は前期を下回りました。
この結果、売上高は72億9千万円(前連結会計年度比 9.6%減)、営業利益は8億4千3百万円(同 3億4千7百万円減)となりました。
[照明機器事業]
業務用LED照明分野では、宿泊施設や商業施設向けの間接照明需要が好調に推移し、売上は前期を上回りました。利益面では、売上の増加に加えて生産効率向上への取り組みが奏功し、前期を上回りました。
この結果、売上高は101億3千5百万円(前連結会計年度比 8.1%増)、営業利益は16億3千9百万円(同 4億円増)となりました。
[蛍光色材事業]
顔料分野では、国内市場において高付加価値品の販売が堅調に推移し、売上は前期を上回りました。利益面では、原材料価格の高騰に対し、販売価格の適正化が伸展したことで、前期を上回りました。
この結果、売上高は13億3千7百万円(前連結会計年度比 3.8%増)、営業利益は1億1千6百万円(同 4千1百万円増)となりました。
[その他事業]
売上高は20億8千4百万円(前連結会計年度比 2.1%増)、営業利益は2億1千7百万円(同 9千7百万円減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より6億4千万円減少し、50億6千4百万円となりました。
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により得られた資金は、44億3千4百万円(前連結会計年度は43億5千8百万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益、売上債権の減少による収入と、仕入債務の減少、退職給付に係る資産の増加、法人税等の支払等の支出を主因とするものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、44億2千4百万円(前連結会計年度は24億7千万円の支出)となりました。これは有形固定資産の取得による支出を主因とするものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、7億4千2百万円(前連結会計年度は3億5千1百万円の支出)となりました。これは長期借入金による収入と、短期借入金の返済、配当金の支払、自己株式の取得による支出、リース債務の支払等の支出を主因とするものであります。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは、営業活動から得られたキャッシュ・フローの収入を財源に運転資金、製造設備や研究開発設備の購入、配当金の支払い及び借入金の返済等に利用しています。
事業活動の持続的成長に欠かせない資金の流動性や安定的確保において、短期運転資金については、自己資金及び取引金融機関からの短期借入を基本とし、また設備投資など長期運転資金の調達については、長期借入を基本としています。当連結会計年度においては、現在国内で建設中の技術センターや中国への投資に対する資金需要として、外部借入で30億円の資金調達を行いました。
当連結会計年度における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は53億9百万円となっております。また、現預金残高は53億1千7百万円となっております。国内子会社については、各社の余剰資金を効率的に活用するため、CMS(キャッシュマネジメントサービス)を導入し、資金及び財務効率性を目的とした一元管理を行っております。また、在外子会社については、現地での設備投資や運転資金等の資金需要のために必要な現預金を保有しており、余剰資金が発生した場合には、将来的な資金需要を考慮しながら配当金を通じて、当社が余剰資金を回収しております。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、足元の業績が不透明な中で、当社としては手元資金の流動性の確保に向け金融機関と日々連携しており、当面の資金繰りについては、十分に担保されております。今後、運転資金等の需要が増した場合には、コミットメントライン契約の活用の検討や、主力銀行等からの追加の短期資金調達を実施いたします。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内塗料(百万円) |
50,728 |
97.1 |
|
海外塗料(百万円) |
6,633 |
95.7 |
|
照明機器(百万円) |
4,786 |
102.5 |
|
蛍光色材(百万円) |
1,179 |
108.1 |
|
合 計(百万円) |
63,328 |
97.6 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記セグメント区分以外の「その他」は、塗装工事事業、物流事業等であり、提供するサービスの性格上、生産実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。
② 受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は、一部特需関係等を除き主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残等について特に記載すべき事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内塗料(百万円) |
51,861 |
97.9 |
|
海外塗料(百万円) |
7,290 |
90.4 |
|
照明機器(百万円) |
10,135 |
108.1 |
|
蛍光色材(百万円) |
1,337 |
103.8 |
|
報告セグメント計(百万円) |
70,624 |
98.5 |
|
その他(百万円) |
2,084 |
102.1 |
|
合 計(百万円) |
72,709 |
98.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相 手 先 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
三菱商事ケミカル株式会社 |
13,500 |
18.3 |
13,831 |
19.0 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断は、合理的と考えられる要因を考慮した上で行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う会計上の見積りに関しましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、前連結会計年度に比べ、前期の特別損失の影響がなくなったことで減収増益となりました。
売上高と営業利益のセグメントごとの経営成績の詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4)当連結会計年度における財政状態の分析
|
|
前連結会計年度 (2019年3月31日) |
当連結会計年度 (2020年3月31日) |
増減額 |
|
|
資産 (百万円) |
|
78,880 |
76,817 |
△2,062 |
|
負債 (百万円) |
|
33,796 |
32,138 |
△1,658 |
|
純資産(百万円) |
|
45,083 |
44,679 |
△403 |
|
自己資本比率(%) |
|
53.6 |
54.4 |
0.8ポイント増 |
当連結会計年度末における総資産は、768億1千7百万円となり、前連結会計年度末と比較して20億6千2百万円の減少となりました。流動資産は、333億1千7百万円で前連結会計年度末と比較して20億7千万円の減少となりましたが、これは現金及び預金の減少5億5千3百万円、受取手形及び売掛金の減少12億1千4百万円、その他の減少2億4千4百万円が主因であります。固定資産は、434億9千9百万円で前連結会計年度末と比較して8百万円の増加となりましたが、これは有形固定資産の増加29億9千1百万円、無形固定資産の減少2億7千1百万円、投資その他の資産の減少27億1千1百万円が主因であります。
負債は、321億3千8百万円となり、前連結会計年度末と比較して16億5千8百万円の減少となりました。流動負債は、239億3千4百万円で前連結会計年度末と比較して37億5千6百万円の減少となりましたが、これは支払手形及び買掛金の減少25億5千万円、短期借入金の減少14億7千6百万円、未払法人税等の増加2億3千万円が主因であります。固定負債は、82億3百万円で前連結会計年度末と比較して20億9千7百万円の増加となりましたが、これは長期借入金の増加24億円、繰延税金負債の減少7億4千2百万円、リース債務の増加3億2千3百万円が主因であります。
純資産は、446億7千9百万円となり、前連結会計年度末と比較して4億3百万円の減少となりましたが、これは利益剰余金の増加29億3千4百万円、自己株式の増加2億9千9百万円、その他有価証券評価差額金の減少7億8千2百万円、退職給付に係る調整累計額の減少24億1百万円が主因であります。
(5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは経営理念のもと、持続的成長力を持つ企業たるべく事業展開を図っております。そのために、売上高営業利益率10%を長期的な目標として位置付け、各期において外部・内部環境等を考慮して計画値を設定し、その基準を達成できるように努めてまいります。
当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりであります。2019年5月10日の決算短信発表時との比較においては、売上高は計画比22億9千万円減(計画比 3.1%減)となりました。これは国内塗料事業において建材分野を中心とした国内塗料市場全体の需要の落ち込みが想定を上回るものとなったことに加え、海外塗料事業において中国における環境規制強化や世界的な自動車生産台数の減少等の影響を受けたためであります。営業利益は計画比10億5千2百万円減(同 15.9%減)となりました。これは国内塗料事業における売上高の計画未達により原価率が悪化したことや、一部の高付加価値品に顧客の減産が生じたことのほか、海外塗料事業において高付加価値品の売上が減少したことが営業利益を押し下げる主な要因となりました。この結果、売上高営業利益率は計画比1.2ポイント減の7.6%となっております。
なお、2020年2月7日の決算短信発表時において、業績予想を下方修正しておりますが、国内塗料事業及び海外塗料事業の不振が継続したことから、売上高は修正計画比2億9千万円減(修正計画比 0.4%減)、営業利益は修正計画比5千2百万円減(同 0.9%減)、売上高営業利益率は修正計画比0.1ポイント減の7.6%となりました。
また、新型コロナウイルス感染症が2020年3月期の業績に与える影響は軽微であります。2021年3月期の業績への影響については、現在算定中であります。
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2019年5月10日決算短信発表時 |
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指 標 |
当連結会計年度 |
当連結会計年度 |
当連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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(計 画) |
(実 績) |
(計画比) |
(計画比)(%) |
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売上高(百万円) |
75,000 |
72,709 |
△2,290 |
△3.1 |
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営業利益(百万円) |
6,600 |
5,547 |
△1,052 |
△15.9 |
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売上高営業利益率(%) |
8.8 |
7.6 |
△1.2 |
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2020年2月7日決算短信発表時 |
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指 標 |
当連結会計年度 |
当連結会計年度 |
当連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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(計 画) |
(実 績) |
(計画比) |
(計画比)(%) |
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|
売上高(百万円) |
73,000 |
72,709 |
△290 |
△0.4 |
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営業利益(百万円) |
5,600 |
5,547 |
△52 |
△0.9 |
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売上高営業利益率(%) |
7.7 |
7.6 |
△0.1 |
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技術提携
(1)技術供与
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相手先 |
国別 |
契約の内容 |
契約期間 |
対価 |
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PPG Coatings (Malaysia)Sdn.Bhd. |
マレーシア |
プラスチック用塗料の製造販売権 |
2019年7月1日から2022年6月30日まで |
売上高に対して一定率 |
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Taiyang Paints Corporation |
台湾 |
重防食塗料及びその他工業用塗料 の製造販売権 |
2017年10月20日から2022年10月19日まで |
売上高に対して一定率 |
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The Sherwin-Williams Company |
米国 |
プラスチック用塗料の製造販売権 |
①2018年12月1日から2021年11月30日まで 以後3年毎の自動更新 ②2016年8月1日から2026年7月30日まで 以後10年毎の自動更新 |
売上高に対して一定率 |
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P.T. Tunggal Djaja Indah |
インドネシア |
重防食塗料及びその他工業用塗料 の製造販売権 |
2020年1月8日から2021年1月7日まで |
売上高に対して一定率 |
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Maharani Innovative Paints Pvt. Ltd. |
インド |
自動車部品用塗料及びその他工業 用塗料の製造販売権 |
2014年2月21日から2024年2月20日まで 以後3年毎の自動更新 |
①イニシャルロイヤリ ティー ②売上高に対して一定 率 |
(2)技術導入
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相手先 |
国別 |
契約の内容 |
契約期間 |
対価 |
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Valspar Corporation |
米国 |
パイプ用塗料の製造販売権 |
2020年3月27日から2021年3月26日まで 以後1年毎の自動更新 |
売上高に対して一定率 |
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The Sherwin-Williams Company |
米国 |
インモールドコーティングの製造 販売権 |
2016年1月1日から2020年12月31日まで 以後5年毎の自動更新 |
売上高に対して一定率 |
当社グループの研究開発活動は、コアビジネスである塗料事業をはじめ、照明機器、蛍光色材、ジェットインク及び機能性材料などの塗料事業以外の製品開発にも取り組んでおります。塗料事業においては市場ニーズに合致する地球環境に優しい製品、省エネルギー・省力化に対応した製品、高機能・高付加価値品の開発に注力すると共に、新製品開発の基礎となる機能性を有する塗料用樹脂や新規材料の調査・研究開発を始め、防食理論、分析・評価技術、顔料分散技術、塗膜形成技術及び塗装技術等の基盤技術を拡充し、新しい価値を継続的に市場へ提供できる取り組みを進めております。当連結会計年度における研究開発費の総額は
当連結会計年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。
(1)国内塗料事業
① 構造物塗料分野
橋梁や各種プラント施設に代表される大型の鋼構造物や土木コンクリート構造物などにおいて「LCC(ライフサイクルコスト)の低減」、「環境負荷低減」、「省力化」、「点検・診断」、「安全・安心」をキーワードに、公共性の高い社会インフラを長期間護るための材料開発と塗装システム開発及びメンテナンス市場をターゲットとした補修・補強材料や塗膜診断技術を活用した塗膜の寿命予測などに注力しております。LCCの低減では、塗膜の線膨張係数に着目した革新的新製品である剥離抑制型弱溶剤変性エポキシ樹脂塗料「ケルビンα2.5」や耐候性に優れたふっ素樹脂上塗塗料「Vフロン#100H上塗IG」、「Vフロン#100Hスマイル上塗IG」、環境負荷低減では、VOC(揮発性有機化合物)を大幅に削減した「DNT水性重防食システム」、「水性グリーンボーセイ速乾」、点検・診断では、透明性を有し下地の可視化が可能なコンクリートの剥落防止工法「レジガードアクアSDシステム」、安全・安心では、高い防水性能により下地の保護性能に富みコンクリートの剥落防止を短工期で実現できる「レジガードTKシステム」等の開発を行い、市場展開に取り組んでおります。
② 建築塗料分野
戸建・集合住宅やオフィスビルの新築・改修において、「省エネ・省工程・安全・快適」をキーワードに環境に優しい独創的な製品の開発に取り組んでおります。独創的な製品では、オフィスビル等の外壁に使用されるカーテンウォールの改修用として、神戸国際交流会館にも採用された高外観メタリック仕上げをローラー塗装で可能にする弱溶剤形ふっ素樹脂塗料「Vフロン#200スマイルRBメタリック」、オフィスビルや商業施設等の扉や手摺りなど人の手が多く触れる箇所の皮脂による汚れ、はがれの問題を解決し、大手テーマパークにも採用された水性塗料「アクアマリンタックレス」、「臭気」をキーワードとした製品として、カーテンウォールの改修用において弱溶剤形塗料の作業性を有し、臭気を60%低減した「Vフロン#201ニオイの少ないタイプ」、商業施設が営業中でも改修を可能とした、ゼロVOCで安全かつ従来のエマルション塗料の臭気を94%低減し、大手コンビニエンスストアにも採用された「COZY PACK」などの市場展開に取り組んでおります。今後も「臭気」をキーワードとした独創的な製品の上市を予定しております。
③ 車輌産機・自動車補修塗料分野
車輌産機塗料分野においてはJRとの相互乗り入れが始まった相模鉄道株式会社の12000系、20000系に、Vトップ車輌用ゴールドの「YOKOHAMA NAVY BLUE」が全面採用され、秋田内陸線全線開業30周年を記念して、秋田内陸縦貫鉄道株式会社には「AKITA SATOYAMA TRAIN 笑 EMI(えみ)」イノーバが採用されました。工作機械業界には省行程塗料であるイノーバNクリーンが大手メーカーに数社採用されています。
自動車補修塗料分野では特化則対応塗料としてシャーシ用塗料「鉄壁コート マットブラック」、プライマー「Auto D-NexT プライマー」、プライマーサーフェーサー塗料「Auto D-NexT プラサフ」、補修用パテ「Auto D-NexT ライトパテ」及び「Auto D-NexT ポリパテ」、速乾型ウレタン塗料「Auto D-1ベースHS-α」などの新商品発売により下塗から上塗りまで全ての工程で特化則対応塗料の提供を可能にしました。
④ 建材塗料分野
新設住宅市場向けの外装建材用塗料、屋根建材用塗料、内装建材用塗料での高意匠、高機能、高耐久化などの顧客ニーズに応える環境に配慮した塗料と塗装システムの開発に取り組んでおります。
⑤ 金属焼付塗料・粉体塗料分野
メタルカーテンウォールを主とした建築外装用焼付塗料として、ふっ素樹脂を塗膜表面に選択的に配向させることで長期耐久性を有する二層分離形粉体塗料「パウダーフロンSELA」に、2019年7月メタリックグレードである「パウダーフロンSELA SL Series」を追加上市、長期耐久性はそのままに高意匠性粉体塗料として都市開発案件等への採用に向け取り組んでおります。
⑥ インクジェット・新事業分野
当社の強みであるインクジェットインクによる加飾技術と塗料の積層技術を組み合わせた高意匠性で高付加価値製品を実現できる市場へ展開しております。新事業としては貴金属ナノ粒子の合成技術と表面処理技術を応用したバイオセンシング用診断材料や光学材料の開発に取り組んでおります。
(2)海外塗料事業
中国、タイ、インドネシア等の東南アジア及びメキシコにおいて自動車部品メーカーを中心に省工程・高意匠の自動車内外装部品用塗料「プラニットシリーズ」及び「アクリタンシリーズ」を市場展開しております。また、金属のような輝度感を有する金属調塗料「アクリタンMY51」も市場展開しており、好評を博しております。
重防食塗料分野においては、中国、東南アジアを中心としたプラント設備向けや政府開発援助(ODA)橋梁案件向けに日本の塗料設計技術を提供し、LCCの低減や環境負荷低減の実現を目標として市場展開に取り組んでおります。
(3)照明機器事業
白熱電球や蛍光灯などの照明器具からLED照明器具に変わりおよそ10年が経過し、販売されている照明器具の99%がLED照明器具で、日本国内で約45%がLEDに置き換えられております。((一社)日本照明工業会 照明器具自主統計2020年1月時点)
照明事業では、得意とする商業施設や建築照明における分野でLED照明への切替提案により顧客ニーズに応えてまいりました。90度コーナーモジュールを加えて光の連続性を追求したライン照明「PFSH」シリーズ、極小スペースでの平面・曲面に使用可能な高照度仕様製品「FXH-LED」を発売し、好評を博しております。照明器具そのものの存在感を誇張せずに美しく、心地よい空間を演出するキーワード「納まる溶け込む」をコンセプトにしたDNライティング株式会社の製品は空間設計、内装デザイン、景観照明といったさまざまな分野で注目度が上昇しており、採用案件が増加しています。より一層コンパクト・高効率・デザイン性にすぐれた照明製品の開発により空間や製品を美しく演出できる新たな価値を市場へ創出する取り組みに注力してまいります。
(4)蛍光色材事業
蛍光顔料事業では、環境に配慮した人体に優しいノンホルマリン型のアクリル系蛍光顔料の販売を2020年度から見込んでおり、ポリエステル系蛍光顔料の開発及び民間企業や大学と提携して「高耐候性蛍光顔料」などの機能性蛍光顔料の研究開発も継続して取り組んでおります。また、電気・電子部品にも使用できるハロゲンフリー型ベンゾグアナミン系蛍光顔料の市場展開も継続して取り組んでおります。
蛍光塗料事業では、停電時の暗闇で長時間発光する蓄光塗料及び特化則対応の安全防災スプレーの開発ならびに、駅のホームからの転落防止用CP(色彩心理)ライン「ルミライン100」、歩行時に水に濡れた床面でも滑らない「ルミノグリップ」、夜間でも光を反射して注意喚起を促す「ビームライトエース」、危険個所表示などを雪面にスプレー可能な「蛍光スノースプレー」などの市場展開に取り組んでおります。
なお、セグメントごとの研究開発費は、「国内塗料事業」