文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「塗料事業で培った技術と人財を最大限に活かした製品・サービスを通じて、人と社会の発展を支える」ことを企業理念における使命目的としております。当社グループのコアビジネスである塗料事業を通じて、顧客の満足を得ることが当社グループの存立基盤であり、その実現によって「利益」がもたらされることによる企業価値の向上こそが、株主をはじめとする取引先、従業員、地域社会等、当社グループのステークホルダーに貢献しうるものであると考えております。
(2)目標とする経営指標
当社は、資本生産性及び収益性の向上を伴う利益成長を通じて、企業価値の向上を目指します。主な経営指標として、売上高の拡大とEBITDAマージンの向上とともに、継続的にROE 10%超を目標といたします。
(3)経営戦略、経営環境及び対処すべき課題
今後の世界経済の見通しは、通商問題の動向、中国経済の先行き、政策に関する不確実性、金融資本市場の変動等のリスク要因があるものの、全体としては緩やかな回復が続くことが期待されます。その中で、中国経済は当面は緩やかな減速が続くことが見込まれる反面、米国経済は着実に回復が継続し、欧州経済も一部弱さが見られ景気の下ぶれのリスクがあるものの、緩やかな回復傾向で推移し、アセアン経済及びインド経済は緩やかに回復することが期待されます。わが国経済においては、当面、一部に弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善・各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待される一方、企業収益に対して、原材料価格及び為替変動の影響が懸念されます。
このような情勢のなか、当社グループは、2019年度を初年度とする中期3ヵ年経営計画を策定し、以下の重点方針を掲げて、事業活動を展開してまいります。
・資本生産性・収益性の向上を伴う利益成長
グループ内のベスト・プラクティスを結集・共有し、投下した資本に見合った収益性の向上を伴う利益成長に資する施策を着実に実行する。
・事業競争力の向上
外部環境と内部要因を分析したうえで、抜本的な対応が必要な事業の改善・強化、資産・資源配分の最適化、グループ内のノウハウ・ビジネスモデルの活用と促進、及び業際も含めた事業機会の探索と創出を実行することで、事業ポートフォリオを最適化し、競争力を強化する。
・グループ総合力の向上
「One Kansai」の精神のもと、多様性を推進し、事業のグローバル化に適した人財マネジメントを通じて、徹底した顧客志向を持つグローバル人財の育成と登用を加速させる。
(4)会社の支配に関する基本方針
Ⅰ 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
当社グループは、「塗料事業で培った技術と人財を最大限に活かした製品・サービスを通じて、人と社会の発展を支える」ことを企業理念における使命目的としております。当社グループのコアビジネスである塗料事業を通じて、顧客の満足を得ることが当社グループの存立基盤であり、その実現によって「利益」がもたらされることによる企業価値の向上こそが、株主をはじめとする取引先、従業員、地域社会等、当社グループのステークホルダーに貢献しうるものであると考えております。
したがって、当社では、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、この使命目的を理解したうえで様々なステークホルダーとの信頼関係を維持し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を、継続的に確保・向上させていく者でなければならないと考えております。
逆に、上記使命目的を理解せず、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。
Ⅱ 基本方針の実現に資する取組
当社グループは上記の使命目的のもと、創業以来、一貫して塗料についての製品開発を行い事業を営んでまいりました。その結果、当社グループは、自動車をはじめとする各種工業製品、建築、建造物、船舶等幅広い分野のお客様との良好な関係を構築するにいたっており、このようなお客様との関係は、当社グループにとって最も重要な財産の一つであります。
当社グループは、これまで、基本理念の実現を志向して事業の発展に努めてまいりましたところ、当期は、以下の重点方針を掲げて事業活動を展開してまいりました。
(a) グローバル化の加速
成長期待の高い新興国を中心とする海外事業について、市場ニーズへの対応とコスト・品質・機能の最適化により競争力を強化し、既存事業の市場における地位を確固たるものとしていくとともに、プレゼンスを一層高める。加えて、安定した成長が見込める先進国市場を含む未参入地域・分野での事業参入をすすめ、事業拡大を加速し、連結業績への貢献度を一段と高める。
また、様々な事業分野及び地域展開を行うことにより獲得・保有した製品ラインナップ、ビジネスノウハウなどを有効活用することにより、事業参入並びに競争力強化を加速させる。
(b) 収益力の向上
海外においては、事業規模の拡大及び効率向上により、一層の利益拡大を図る。国内については、組織や業務の効率化、最適化によるトータルコストの低減を通じて生産性向上を図ることにより事業競争力を強化し、シェアの維持・拡大と、収益力向上を図る。
(c) グループ経営基盤の強化
グローバル化の加速に対応し、かつさらなる加速につなげるため、当社グループを統括するとともに、連携を高め、当社及びグループ各社に利益をもたらす経営基盤となるヘッドクォーター機能を確立し、その機能推進を図る。その機能推進を通じ、グループ各社及び各地域における事業を一層強化するとともに、グループ内における経営資源の共有化と有効活用を行うことで、シナジー効果を創出し、当社グループの利益を極大化する。
(d) 企業の社会的責任の推進
資源を保護し、環境を守り、豊かな社会を建設・持続させるという塗料本来の使命を十分に自覚し、レスポンシブル・ケア宣言に基づいた、環境・安全・健康問題に対してより総合的な見地から地球環境保全の取組を継続する。また、コンプライアンスの徹底、社会的貢献活動及び的確な情報開示を推進し、企業としての社会的責任を誠実に果たす。
今後とも、上記(a)~(d)を実行することにより、継続的な企業価値向上と株主共同の利益の維持、拡大に努めてまいります。
Ⅲ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組
当社は、2007年6月28日開催の第143回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただいて、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株式の買付行為、または特定株主グループの議決権割合が結果として20%以上となる当社株式の買付行為に関する対応方針として、「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針」、いわゆる買収防衛策を導入し、その後2年毎に定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただき、これを継続しているところです。
本対応方針は、大規模買付行為がなされた場合に、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、(a)大規模買付者に対して、事前に必要かつ十分な情報の提供を求め、(b)株主の皆様が適切に判断するために必要な情報や時間、あるいは当社取締役会による代替案の提示を受ける機会を確保したうえで、(c)当社取締役会から独立した独立委員会の勧告を最大限尊重する形で、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないなど、当該買付行為が当社企業価値及び株主共同の利益を著しく損なう場合には、対抗措置として新株予約権の無償割当てを行うことを内容としています。
また、対抗措置の発動要件は、いわゆる高裁四類型と強圧的二段階買収に限定し、大規模買付者等に対しては、名目の如何を問わず、金銭等の交付その他経済的対価の交付を行わないことを明記しています。
なお、本対応方針の詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(https://www.kansai.co.jp/ir/news/index.html)に掲載の「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の継続について」をご参照ください。
Ⅳ 上記取組に対する当社取締役会の判断及びその理由
Ⅱの取組は、まさに当社の基本方針を具体化したものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の株主共同の利益に資するものであります。
また、Ⅲの取組は、
(a)株主の皆様が適切に判断するために必要な情報や時間、代替案の提示を受ける機会を確保すること等を可能とすることによって、当社企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されていること。
(b)株主総会での導入・廃止、2年間という有効期間の設定など、その導入・消長の場面において、株主の皆様のご意向が反映される仕組となっていること。
(c)独立委員会は3名以上の社外有識者により構成され、独立した第三者の助言を受けることができるとされていること、当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かを決定するに当たって、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとされていることなど、独立性の高い独立委員会により、当社取締役会が恣意的に対抗措置の発動を行うことのないよう厳しく監視することによって、当社企業価値及び株主共同の利益に資する範囲で本対応方針の運用が行われる仕組が確保されていること。
(d)大規模買付行為に対する対抗措置は、あらかじめ定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設計されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組が確保されていること。
(e)買収と無関係の株主に不測の損害を与えるものではないこと。
(f)取締役の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策ではないこと。
などから、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則及び必要性・相当性確保の原則を充足しており、高度の合理性を有しております。よって、当社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿い、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであります。
(注)本対応方針の有効期間は、2019年6月27日開催の第155回定時株主総会の終結の時までとなっておりました。当社は2019年5月10日開催の取締役会において、かかる有効期間の満了をもって本対応方針を継続せず、廃止することを決定いたしました。詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(https://www.kansai.co.jp/ir/news/index.html)に掲載の「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の非継続(廃止)について」をご参照ください。
したがって、本対応方針は、上記定時株主総会の終結の時をもって廃止となっております。
当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼすリスクとして以下の事項があり、これらは投資者の判断に影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済・市況等に係るもの
① 当社グループの業績・財務状況は、当社グループが製品を販売する国・地域の経済状況のほか、当社グループの顧客企業の業績、他社との競合による市場価格の変動及び原材料価格の変動等の影響を受けます。
② 為替・金利等の相場変動につきましては、一部についてヘッジ取引を行っておりますが、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼします。
また、連結財務諸表の作成にあたっては、海外グループ会社の財務諸表等を外貨から円貨に換算しており、外貨建数値に変動がない場合でも、為替相場の変動が円換算後の連結財務諸表に影響を及ぼします。
③ 従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、割引率等の年金数理計算上の前提条件や年金資産の期待運用収益率等に基づいて算出されておりますが、前提条件が変更された場合、または前提条件と実際の結果との間に著しい乖離が発生した場合には、積立不足の発生等により、当社グループの業績・財務状況に影響を及ぼします。
(2)法律・規制、政治的要因等に係るもの
当社グループは、国内外で事業を展開しておりますが、以下のリスクが当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼす可能性があります。
① 予期しえない法律・規制、租税制度等の変更
② 不利な影響を及ぼす政治的要因の発生
③ 戦争、テロ等の社会的混乱の発生
(3)その他
① 当社グループは、事業の展開にあたって、技術提携、合弁等の形態で他社と共同活動を行っておりますが、共同活動の当事者間で歩調の不一致等が生じた場合は、当社グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループは、知的財産について充分な調査及び管理を行っておりますが、他社との間で、当社グループの保有する特許その他の知的財産、または他社の保有する知的財産に係る訴訟等の紛争が発生した場合、当社グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 当社グループは、品質管理基準に従って製品の製造を行っており、また、製造物責任賠償保険に加入しておりますが、万一、製造物責任賠償保険で填補しえない製品の欠陥による損失が発生した場合には、当社グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 当社グループは、レスポンシブル・ケア宣言に基づき、環境・安全・健康問題に対してより総合的な見地から地球環境保全の取組を行っておりますが、万一、環境に関する法整備以前の過去の行為、将来法規制等が強化された場合における現在の行為等に起因した、予期せぬ環境汚染等による第三者への損害及び社会的信用の低下等に伴う損失が発生した場合には、当社グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 当社グループは、事故発生を未然に防止し、災害発生時の被害を軽減すべく、社員教育、設備等の点検整備及び生産拠点の分散化等の対策に取り組んでおり、また、損害保険等に加入しておりますが、万一、損害保険等で填補しえない自然災害を含む事故・災害が発生した場合には、当社グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当期における世界経済は、地政学的リスクの高まりが継続し、各国の政治・政策・通商問題の動向など依然として先行き不透明な状況が続いております。そのような状況下、中国や欧州経済は緩やかな減速傾向が見られますが、米国の好調な企業業績や雇用の改善に加え、アジア新興国では景気回復が継続しており、総じて景気の持ち直しの動きが継続しました。わが国経済は、豪雨など災害の影響もあり弱含んだものの、世界景気の緩やかな回復に支えられ、設備投資や雇用・所得環境の改善を受け、景気は緩やかな回復基調が続きました。
当社グループの当連結会計年度における売上高は4,274億25百万円(前期比6.3%増)となりましたが、営業利益は原材料価格の高騰や販売費及び一般管理費が増加したことなどから323億6百万円(前期比9.8%減)となりました。経常利益はアジアにおける持分法投資利益の増加や、貸倒引当金繰入額の減少などにより、348億38百万円(前期比4.8%増)となりましたが、債務保証損失引当金を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は174億5百万円(前期比1.7%減)となりました。
各セグメントの状況は以下のとおりであります。
1)日本
自動車分野は、新車用分野では自動車生産台数が前年並みで推移するなか、市場シェア拡大に努めたことから、売上は伸長しました。工業分野では、建設機械向け塗料などが堅調に推移し、売上は前年を上回りました。船舶分野では、造船分野の低迷を受け、売上は前年を大きく下回りました。防食分野では、市況の本格的回復にはいたらず、売上は前年並みとなりました。建築分野及び自動車分野(補修用)においては、売上は前年を僅かながら上回りました。
これらの結果、当セグメント全体の売上は前年を上回りました。また、原材料価格の高騰の影響を受けた一方、貸倒引当金繰入額の減少などにより、利益は増加し、売上高は1,593億39百万円(前期比2.4%増)、経常利益は195億52百万円(前期比2.6%増)となりました。
2)インド
引き続き内需を中心に経済が伸長し、自動車分野では自動車生産台数が増加し、売上は伸長しました。建築分野においても、需要拡大継続のもと販売活動の促進に取組み、売上は伸長しました。しかしながら、原材料価格の高騰や通貨安による為替換算の影響を受けました。
これらの結果、当セグメントの売上高は869億22百万円(前期比4.2%増)、経常利益は110億51百万円(前期比17.3%減)となりました。
3)アジア
中国においては、自動車生産台数が前期を下回るなか、主要顧客の需要が伸び、自動車分野での売上は前年を上回りました。工業分野の売上は建設機械向け塗料などが伸長し、中国全体での売上は前年を上回りました。インドネシアにおいては、経済が堅調に推移し、自動車分野、工業分野及び建築分野において売上は前年を上回りました。タイにおいては、自動車生産の回復を受け業績は前年を上回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は638億28百万円(前期比0.8%増)となりました。経常利益は原材料価格の高騰の影響を受けましたが、前年度、中東地域においてのれん相当額の減損処理を行ったことから、当年度はのれん相当額の償却負担がなくなったことなどにより、持分法投資利益が増加し、53億98百万円(前期比1151.3%増)となりました。
4)アフリカ
南アフリカ及び近隣諸国の経済が低迷するなか、引き続き販売活動の促進に努めました。また、2017年8月に連結子会社化した東アフリカ地域各社の業績が寄与し、売上は前年を上回りました。しかしながら、継続している通貨安による原材料価格の高騰及び価格競争の激化などから、前年度から改善しているものの収益は大きく圧迫されました。
これらの結果、当セグメントの売上高は394億46百万円(前期比12.3%増)、経常損益はのれんの償却を含め経常損失40億43百万円(前期比 - %)となりました。
5)欧州
トルコでは、自動車生産は前年を下回ったものの販売活動促進の取組により、現地通貨ベースでは売上は大きく増加しました。しかしながら、通貨安の影響を受け、為替差損が増加したほか、持分法投資利益が減少したことなどにより、利益は減少しました。また、2017年3月に連結子会社化したKansai Helios Groupの業績が寄与し、セグメント全体の売上は前年を上回りましたが、原材料価格の高騰の影響を受け、利益は前年を下回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は719億34百万円(前期比21.7%増)、経常利益はのれんの償却を含め23億60百万円(前期比46.3%減)となりました。
6)その他
北米では、工業分野において自動車部品向け塗料などの拡販に努め売上は伸長しました。しかしながら、自動車生産は低調に推移し、競争の激化等の影響もあり、持分法投資利益は減少しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は59億54百万円(前期比9.0%増)、経常利益は5億18百万円(前期比46.2%減)となりました。
(財政状態の状況)
1)流動資産
当連結会計年度末における流動資産合計は、2,661億72百万円(前期末比30億14百万円増)となりました。
流動資産の増加は、主に現金及び預金などの増加と有価証券などの減少によるものであります。
2)固定資産
当連結会計年度末における固定資産合計は、3,179億63百万円(前期末比202億9百万円減)となりました。
固定資産の減少は、主に投資有価証券及びのれんなどの減少によるものであります。
3)流動負債
当連結会計年度末における流動負債合計は、1,578億10百万円(前期末比215億30百万円増)となりました。
流動負債の増加は、短期借入金が減少したものの、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債などの増加によるものであります。
4)固定負債
当連結会計年度末における固定負債合計は、1,056億64百万円(前期末比369億60百万円減)となりました。
固定負債の減少は、長期借入金が増加したものの、転換社債型新株予約権付社債などの減少によるものであります。
5)純資産
当連結会計年度末における純資産合計は、3,206億61百万円(前期末比17億64百万円減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ90億35百万円増加し702億7百万円となりました。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比21億22百万円収入が増加し、356億32百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益336億66百万円及び減価償却費139億17百万円などの収入、法人税等の支払額131億21百万円の支出などによるものであります。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前期比162億95百万円支出が減少し、174億61百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出額212億10百万円の支出などによるものであります。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比150億24百万円収入が減少し、69億64百万円の支出となりました。これは主に、非支配株主からの払込みによる収入額122億35百万円の収入、短期借入金の純増減額145億70百万円、配当金の支払額76億17百万円などの支出によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
|
日本 |
85,078 |
6.1 |
|
インド |
59,642 |
10.3 |
|
アジア |
49,145 |
3.6 |
|
アフリカ |
28,025 |
24.5 |
|
欧州 |
53,293 |
24.4 |
|
報告セグメント計 |
275,185 |
11.4 |
|
その他 |
2,790 |
30.6 |
|
合計 |
277,976 |
11.5 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2)受注実績
当社グループは、見込生産によっておりますので、特に記載すべき事項はありません。
3)販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
日本 |
159,339 |
2.4 |
|
インド |
86,922 |
4.2 |
|
アジア |
63,828 |
0.8 |
|
アフリカ |
39,446 |
12.3 |
|
欧州 |
71,934 |
21.7 |
|
報告セグメント計 |
421,471 |
6.3 |
|
その他 |
5,954 |
9.0 |
|
合計 |
427,425 |
6.3 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、収益及び費用並びに資産及び負債等の額の算定に際して様々な見積り及び判断が行われておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループは、自動車用、工業用、建築用、船舶用、防食用など幅広い分野を対象とした塗料の製造販売を行っております。国内塗料需要がほぼ横ばいで推移する中、積極的な海外事業展開を行い、海外売上高比率は国内を上回っております。今後も、海外での事業活動の規模は拡大していくものと予想され、事業展開地域、国の法律・規制・政治的要因等が当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。こうした中、熾烈なグローバル競争を勝ち抜き、成長していくため、グループ全体でのシナジーを創出していくとともに、企業統治体制を高めていきます。
当社グループは、各国に製造拠点を設け事業活動を展開することを基本としておりますが、製品・原材料を他拠点から調達する場合等、為替相場の変動が当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。製品の生産移管や、原材料の現地調達を進めていくほか、為替予約の実施等によるリスクヘッジを図っていきます。
また、当社グループの原材料は主に原油・ナフサ価格の変動による影響を受けます。急激な原材料価格の変動により販売価格への反映が充分でない場合は、当社グループの事業活動・業績に影響を及ぼします。グローバル調達、品種統合の取組み等によるコスト削減に努めるほか、迅速な対応が図れるよう原材料供給メーカーとの関係を強化していきます。
(資本の財源及び資金の流動性)
・資金需要
当社グループの資金需要の主なものは生産活動のための原材料仕入、製造費、営業活動のための販売促進費、製品競争力の強化、市場に適合した新技術の開発を目的とした研究開発費、各事業についての一般管理費等であります。投資活動については、成長投資・収益性向上に資する設備投資、事業拡大に関連した投融資が主な内容であります。
・財務政策
当社グループは、特に海外での成長投資、国内では収益性向上に繋がる投資に対して、獲得した営業キャッシュ・フローを投入し、不足分については主に銀行借入と社債の発行による資金調達を行っております。短期借入金は主に営業取引に伴う資金調達であり、長期借入金及び社債は主に設備投資や投融資にかかる資金調達であります。
当社は機動的な社債発行を可能にするため、発行登録制度を利用しており、当連結会計年度末現在の社債の未使用枠は、50,000百万円であります。
また、2016年6月に、当社は事業拡大に資する成長資金を低コストで調達することに加え、機動的な戦略投資を行っていくための強固で柔軟性の高い財務体質を維持することを目的に新株予約権付社債を発行いたしました。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループは、成長性と収益性の両立を図りながら、企業価値の向上を目指しております。主な経営指標として、EBITDAの拡大とともに、継続的にROE10%超を目標としております。
当連結会計年度におけるEBITDAは、540億円(前期比1.8%減)、ROEは、6.4%(前期比0.3ポイント減)、のれんの償却の影響を除いた調整後ROEは8.2%(前期比1.3ポイント減)となりました。
(注)EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費+持分法投資損益
技術援助契約
|
契約 会社名 |
相手先 |
国別 |
契約の内容 |
契約期間 |
対価 |
|
提 |
Kansai Nerolac Paints Ltd. |
インド |
各種塗料の製造技術及び製造販売権並びに商標の使用許諾 |
2019年4月1日から2020年3月31日まで |
売上高に対して一定率 |
|
Thai Kansai Paint Co.,Ltd. |
タイ |
各種塗料の製造技術及び商標の使用許諾 |
1995年7月1日から会社存続期間中 |
売上高に対して一定率 |
|
|
PPG Kansai Automotive Finishes Technologies,LP |
米国 |
自動車用塗料の製造技術及び製造販売権 |
2005年1月4日から相手先との合意により解約するまで |
売上高に対して一定率 |
|
|
湖南湘江関西塗料 有限公司 |
中国 |
自動車用塗料の製造技術及び製造販売権 |
2013年6月1日から2023年5月31日まで |
売上高に対して一定率 |
当社グループは、2研究所1センターを中核とし、神奈川県平塚市にある開発センターを中心にグループ各社の技術部門と連携をとりながら、市場ニーズに適応した技術・製品をタイムリーに開発するべく、効率的で幅広い研究開発活動を目指しております。また、グローバル展開を加速していくなかで、グループ各社との連携をより一層強化し、各国市場に適合した新技術の開発及び世界に通用する人材育成に取り組んでおります。
当連結会計年度に支出した当社グループ全体の研究開発費の総額は
主な研究開発活動状況は次のとおりであります。
当社の基礎研究は、塗料に有用な基盤技術の蓄積を目的としております。基盤技術として高分子合成、新規架橋反応、顔料分散、界面制御、レオロジーコントロール及び環境改善技術等を主な研究対象として、グローバルに対応可能な新しい材料の創製を目指しております。また既存塗料領域だけでなく、電池の電極膜のような成長市場の塗工材に対しても、配合設計や粒子分散など当社のコア技術を展開しようと試みております。
基礎分析・解析面では、評価技術の確立が非常に困難な塗膜の形成過程における諸現象や塗膜の諸性能及び諸機能に関し、新規の分析・解析技術を確立し、精確な考察により製品開発に貢献しております。得られた技術はグループ各社との共有化を図り、品質管理や環境・安全面に関する指導、お客様に対するコンサルティングなどのサービスに努め、信頼性の高いグローバル体制の確立をすすめております。
色彩・意匠研究においては、自動車塗料分野では、国内外の展示会調査や最新の流行色動向を調査・分析し、その結果を反映させたアドバンスカラー提案色群を開発・提案いたしました。さらにアジア諸国では色彩動向調査を継続的に実施し、色彩提案活動を牽引しました。色彩適用技術としては、環境適応型塗料における耐候性及び色安定性向上の技術開発を推進し、意匠的付加価値の高い色開発に適用しました。また、色彩光学分野では、ITを用いたカラーデザインの適用研究を行い国内外の塗色獲得率の効率化と最大化を推進しております。
塗料・塗装システム開発においては、社会への持続的な貢献を目指し、地球環境に配慮した塗料や塗装を実現する技術の開発を推進しております。自動車塗料分野では、省工程・省エネルギーの環境対応技術として評価の高い水性3ウェット塗装システムの拡大・多様化の研究開発を一層推進するとともに、低温硬化・薄膜システム等、さらなる環境負荷低減材料設計を行っております。工業塗料分野においても、環境対応・省工程・水性化に関する技術開発を行っています。建築塗料及び防食塗料分野においては、塗料の水性化を推進するとともに、遮熱、抗菌、防蚊、多彩模様化、耐火などの高機能化に関する研究と商品化に努めました。これらの塗料開発に必要な評価技術や評価装置の開発もあわせて行い、塗料開発の効率化、開発品の完成度向上を図っております。
なお、セグメントごとの研究開発費は、「日本」