当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当期における世界経済は、地政学的リスクの高まりが継続し、各国の政治・政策・通商問題の動向など依然として先行き不透明な状況が続いております。そのような状況下、中国経済は緩やかな減速傾向が見られますが、その他アジア新興国では景気回復が継続しており、米国の好調な企業収益や雇用の改善に加え、欧州の底堅い個人消費に支えられ、総じて景気の持ち直しの動きが継続しました。わが国経済は、豪雨など災害の影響もあり弱含んだものの、世界景気の緩やかな回復に支えられ、設備投資や雇用所得環境の改善を受け、景気は緩やかな回復基調が続きました。
当社グループの当第3四半期連結累計期間における売上高は3,256億31百万円(前年同期比9.2%増)となりましたが、営業利益は原材料価格高騰や販売費及び一般管理費が増加したことにより日本セグメントの利益が減少したことなどから248億15百万円(前年同期比14.2%減)となりました。
また、アジアにおける持分法投資利益の増加や、関係会社株式及び投資有価証券の売却益の計上がありましたが、上記、営業利益の減少により、経常利益は279億56百万円(前年同期比13.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は167億66百万円(前年同期比7.3%減)となりました。
各セグメントの状況は以下のとおりであります。
≪日本≫
自動車分野は、新車用分野では自動車生産台数が前年同期並みで推移するなか、市場シェア拡大に努めたことから、売上は伸長しました。工業分野では、建設機械向け塗料などが堅調に推移し、売上は前年を上回りました。船舶分野では、造船分野の低迷を受け、売上は前年を大きく下回りました。防食分野では、市況の本格的回復にはいたらず、売上は前年を僅かながら下回りました。建築分野及び自動車分野(補修用)においては、売上は前年並みとなりました。
これらの結果、当セグメント全体の売上は前年を僅かながら上回りましたが、原材料価格の高騰、販売費及び一般管理費の増加により、利益は減少し、売上高は1,195億27百万円(前年同期比1.9%増)、経常利益は143億41百万円(前年同期比20.7%減)となりました。
≪インド≫
引き続き内需を中心に経済が伸長し、自動車分野では自動車生産台数が増加し、売上は伸長しました。建築分野においても、需要拡大継続のもと販売活動の促進に取組み、売上は伸長しました。しかしながら、原材料価格高騰や通貨安による為替換算の影響を受けました。
これらの結果、当セグメントの売上高は675億84百万円(前年同期比5.1%増)、経常利益は90億7百万円(前年同期比15.1%減)となりました。
≪アジア≫
中国においては、自動車生産は堅調に推移し、自動車分野での売上は前年を上回りました。工業分野の売上は建設機械向け塗料などが伸長し、中国全体での売上は前年を上回りました。インドネシアにおいては、経済が堅調に推移し、自動車分野、工業分野及び建築分野において売上は前年を上回りました。タイにおいては、自動車生産の回復を受け業績は前年を上回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は480億80百万円(前年同期比2.6%増)となりました。経常利益は原材料価格高騰の影響を受けましたが、中東地域において、のれん相当額の償却負担がなくなったことなどから持分法投資利益が増加し、48億85百万円(前年同期比57.6%増)となりました。
≪アフリカ≫
南アフリカ及び近隣諸国の経済が低迷するなか、引き続き販売活動の促進に努めました。また、2017年8月に連結子会社化した東アフリカ地域各社の業績が寄与し、売上は前年を上回りました。しかしながら、継続している通貨安による原材料価格の高騰及び価格競争の激化などから、前年同期から改善しているものの収益は大きく圧迫されました。
これらの結果、当セグメントの売上高は297億33百万円(前年同期比23.7%増)、経常損益はのれんの償却を含め経常損失29億円(前年同期比 - %)となりました。
≪欧州≫
トルコでは、自動車生産は前年を下回ったものの販売活動促進の取組により、現地通貨ベースでは売上は大きく増加しました。しかしながら、通貨安の影響を受け、為替差損が増加したほか、持分法投資利益が減少したことなどにより、利益は減少しました。また、2017年3月に連結子会社化したKansai Helios Groupの業績が寄与し、セグメント全体の売上は前年を上回りましたが、原材料価格高騰の影響を受け、利益は前年を下回りました。
これらの結果、当セグメントの売上高は562億37百万円(前年同期比35.6%増)、経常利益はのれんの償却を含め20億55百万円(前年同期比44.8%減)となりました。
≪その他≫
北米では、工業分野において自動車部品向け塗料などの拡販に努め売上は伸長しました。しかしながら、自動車生産は低調に推移し、競争の激化等の影響もあり、持分法投資利益は減少しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は44億68百万円(前年同期比11.3%増)、経常利益は5億66百万円(前年同期比23.1%減)となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりであります。
Ⅰ 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
当社グループは、「塗料事業で培った技術と人財を最大限に活かした製品・サービスを通じて、人と社会の発展を支える」ことを企業理念における使命目的としております。即ち、当社グループのコアビジネスである塗料事業を通じて、顧客の満足を得ることが当社グループの存立基盤であり、その実現により社会に貢献し、企業価値を向上させることが、株主をはじめとする取引先、従業員、地域社会等、当社グループのステークホルダーに貢献しうるものと考えております。
したがって、当社では、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、この使命目的を理解したうえで様々なステークホルダーとの信頼関係を維持し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を、継続的に確保・向上させていく者でなければならないと考えております。
逆に、上記使命目的を理解せず、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。
Ⅱ 基本方針の実現に資する取組
当社グループは上記使命目的のもと、創業以来、一貫して塗料についての製品開発を行い事業を営んでまいりました。その結果、当社グループは、自動車をはじめとする各種工業製品、建築、建造物、船舶等幅広い分野のお客様との良好な関係を構築するにいたっており、このようなお客様との関係は、当社グループにとって最も重要な財産の一つであります。
当社グループは、使命目的の実現に向け当期は、以下の重点方針を掲げて事業活動を展開しております。
① グローバル化の加速
成長期待の高い新興国を中心とする海外事業について、市場ニーズへの対応とコスト・品質・機能の最適化により競争力を強化し、既存事業の市場における地位を確固たるものとしていくとともに、プレゼンスを一層高める。加えて、安定した成長が見込める先進国市場を含む未参入地域・分野での事業参入をすすめ、事業拡大を加速し、連結業績への貢献度を一段と高める。
また、様々な事業分野及び地域展開を行うことにより獲得・保有した製品ラインナップ、ビジネスノウハウなどを有効活用することにより、事業参入並びに競争力強化を加速させる。
② 収益力の向上
海外においては、事業規模の拡大及び効率向上により、一層の利益拡大を図る。国内については、組織や業務の効率化、最適化によるトータルコストの低減を通じて生産性向上を図ることにより事業競争力を強化し、シェアの維持・拡大と、収益力向上を図る。
③ グループ経営基盤の強化
グローバル化の加速に対応し、かつさらなる加速につなげるため、当社グループを統括するとともに、連携を高め、当社及びグループ各社に利益をもたらす経営基盤となるヘッドクォーター機能を確立し、その機能推進を図る。その機能推進を通じ、グループ各社及び各地域における事業を一層強化するとともに、グループ内における経営資源の共有化と有効活用を行うことで、シナジー効果を創出し、当社グループの利益を極大化する。
④ 企業の社会的責任の推進
資源を保護し、環境を守り、豊かな社会を建設・持続させるという塗料本来の使命を十分に自覚し、レスポンシブル・ケア宣言に基づいた、環境・安全・健康問題に対してより総合的な見地から地球環境保全の取組を継続する。また、コンプライアンスの徹底、社会的貢献活動及び的確な情報開示を推進し、企業としての社会的責任を誠実に果たす。
今後とも、上記①~④を実行することにより、継続的な企業価値向上と株主共同の利益の維持、拡大に努めてまいります。
Ⅲ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組
当社は、2007年6月28日開催の第143回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただき、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株式の買付行為、または特定株主グループの議決権割合が結果として20%以上となる当社株式の買付行為に関する対応方針として、「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針」いわゆる買収防衛策を導入し、その後2年毎に定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただき、これを継続しております。
本対応方針は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、①大規模買付者に対して、事前に必要かつ十分な情報の提供を求め、②株主の皆様が適切に判断するために必要な情報や時間、あるいは当社取締役会による代替案の提示を受ける機会を確保したうえで、③大規模買付行為がなされた場合の対応方針として、当社取締役会から独立した独立委員会の勧告を最大限尊重するかたちで、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないなど、当該買付行為が当社企業価値及び株主共同の利益を著しく損なう場合には、対抗措置として新株予約権の無償割当てを行うことを内容としています。
また、対抗措置の発動要件は、いわゆる高裁四類型と強圧的二段階買収に限定し、大規模買付者等に対しては、名目の如何を問わず、金銭等の交付その他経済的対価の交付を行わないことを明記しています。
なお、本対応方針の詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(https://www.kansai.co.jp/ir/disclosure/index.html)に掲載の「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の継続について」をご参照ください。
Ⅳ 上記取組に対する当社取締役会の判断及びその理由
Ⅱの取組は、まさに当社の基本方針を具体化したものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の株主共同の利益に資するものであります。
また、Ⅲの取組は、
① 株主の皆様が適切に判断するために必要な情報や時間、代替案の提示を受ける機会を確保すること等を可能とすることによって、当社企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されていること。
② 株主総会での導入・廃止、2年間という有効期間の設定など、その導入・消長の場面において、株主の皆様のご意向が反映される仕組みとなっていること。
③ 独立委員会は3名以上の社外有識者により構成され、独立した第三者の助言を受けることができるとされていること、当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かを決定するに当たって、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとされていることなど、独立性の高い独立委員会により、当社取締役会が恣意的に対抗措置の発動を行うことのないよう厳しく監視することによって、当社企業価値及び株主共同の利益に資する範囲で本対応方針の運用が行われる仕組みが確保されていること。
④ 大規模買付行為に対する対抗措置は、あらかじめ定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設計されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されていること。
⑤ 買収と無関係の株主に不測の損害を与えるものではないこと。
⑥ 取締役の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策ではないこと。
などから、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則及び必要性・相当性確保の原則を充足しており、高度の合理性を有しております。よって、当社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿い、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであります。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の総額は、50億20百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について、重要な変更はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
(財政状態の状況)
① 流動資産
当第3四半期連結会計期間末における流動資産合計は、2,688億93百万円(前連結会計年度末比57億35百万円増)となりました。流動資産の増加は、主に短期借入金の返済により現金及び預金が減少したものの、当社連結子会社への第三者割当増資に伴い、その他流動資産に含まれる未収入金などが増加したことによるものであります。
② 固定資産
当第3四半期連結会計期間末における固定資産合計は、3,170億30百万円(前連結会計年度末比211億41百万円減)となりました。固定資産の減少は、主に投資有価証券及びのれんなどが減少したことによるものであります。
③ 流動負債
当第3四半期連結会計期間末における流動負債合計は、1,624億39百万円(前連結会計年度末比261億60百万円増)となりました。流動負債の増加は、主に短期借入金などが減少したものの、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債などが増加したことによるものであります。
④ 固定負債
当第3四半期連結会計期間末における固定負債合計は、1,007億4百万円(前連結会計年度末比419億20百万円減)となりました。固定負債の減少は、主に転換社債型新株予約権付社債などが減少したことによるものであります。
⑤ 純資産
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、3,227億80百万円(前連結会計年度末比3億54百万円増)となりました。
(6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、成長性と収益性の両立を図りながら、企業価値の向上を目指しております。主な経営指標として、EBITDAの拡大とともに、継続的にROE10%超を目標としております。