(1)業績
当連結会計年度の当社グループを取り巻く事業環境については、北米・欧州においては、景気回復が緩やかに継続しました。アジアにおいては、中国及び東南アジアでは、景気持ち直しの動きが見られました。インドでは、景気がゆっくりと回復しています。国内における景気は力強さには欠けるものの、緩やかな回復基調が続きました。
このような事業環境の中、当連結会計年度の売上高は、出荷は堅調ながら為替の影響などにより、751,438百万円と前年同期比8.4%の減収となりました。
営業利益は、高付加価値品の成長やコストダウンなどにより、54,182百万円と前年同期比6.1%の増益となりました。
経常利益は、金融収支の改善などにより55,797百万円と前年同期比13.9%の増益となり、営業利益とともに過去最高益を達成しました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益の減少などにより、34,767百万円と前年同期比7.0%の減益となりました。
(単位:百万円)
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セグメント |
売上高 |
営業利益 |
||||
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前年同期比 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前年同期比 |
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プリンティングインキ |
412,576 |
365,189 |
△11.5% |
18,988 |
18,363 |
△3.3% |
|
ファインケミカル |
135,530 |
128,176 |
△5.4% |
13,119 |
14,430 |
+10.0% |
|
ポリマ |
194,620 |
180,935 |
△7.0% |
15,974 |
19,642 |
+23.0% |
|
コンパウンド |
63,569 |
61,119 |
△3.9% |
5,739 |
4,975 |
△13.3% |
|
アプリケーション マテリアルズ |
57,502 |
55,675 |
△3.2% |
2,099 |
1,867 |
△11.1% |
|
その他、全社・消去 |
△43,798 |
△39,656 |
- |
△4,851 |
△5,095 |
- |
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計 (含む為替影響) |
819,999 |
751,438 |
△8.4% |
51,068 |
54,182 |
+6.1% |
当社は、中期経営計画「DIC108」の開始に伴い、平成28年1月1日付けでセグメント区分を変更しています。なお、前連結会計年度実績については、変更後のセグメントに組み替えて記載しています。
各セグメントの業績は次のとおりです。前年同期比の( )内の数値は、為替換算の影響を排除した増減比を表しています。なお、プリンティングインキセグメントの業績にはセグメント内の地域間取引が含まれており、合計金額は前述の
業績数値と一致しません。
[プリンティングインキ]
・日本 売 上 高: 79,775百万円 前年同期比 △ 1.2%
営業利益: 5,084百万円 前年同期比 +62.5%
パッケージ用インキは出荷が好調に推移しましたが、出版用インキ及び新聞用インキの需要減少及び全般的な製品価格の低下により、減収となりました。
営業利益は、上記の出荷状況に加え、コストダウンや品目構成の改善などにより、大幅な増益となりました。
・米州・欧州 売 上 高: 232,714百万円 前年同期比 △14.8% (△ 1.1%)
営業利益: 8,446百万円 前年同期比 △19.7% (△ 0.0%)
欧州及び北米では、パッケージ用インキは成長しましたが、出版用インキ及び新聞用インキの需要減少により、減収となりました。中南米では、パッケージ用インキ及び出版用インキの出荷が好調であったことにより、増収となりました。以上の結果、全体としては為替の影響などを受け、減収となりました。
営業利益は、現地通貨ベースでは前年同期並となりましたが、為替の影響を受け、減益となりました。
・アジア・オセアニア 売 上 高: 61,555百万円 前年同期比 △12.6% (△ 0.3%)
営業利益: 4,844百万円 前年同期比 △ 8.9% (+ 3.5%)
中国では、パッケージ用インキの出荷は堅調に推移しましたが、全般的な製品価格の低下により、減収となりました。東南アジアでは、出版用インキ及びパッケージ用インキが大きく成長し、増収となりました。オセアニアでは、出版用インキ及びパッケージ用インキの出荷が好調に推移し、増収となりました。インドでは、新聞用インキの落ち込みにより、減収となりました。以上の結果、全体としては為替の影響などを受け減収となりました。
営業利益は、高付加価値品の成長やコストダウンなどにより現地通貨ベースでは増益となりましたが、為替の影響により減益となりました。
[ファインケミカル]
売 上 高: 128,176百万円 前年同期比 △ 5.4% (+ 2.2%)
営業利益: 14,430百万円 前年同期比 +10.0% (+16.8%)
顔料は、国内では、カラーフィルタ用を含む機能性顔料の出荷が好調に推移したことにより、増収となりました。欧米においては、化粧品用は大きく成長しましたが、為替の影響を受け、減収となりました。TFT液晶は、中国の新工場からの出荷増に加え、遅れていた国内からの新製品の出荷が本格化したことで、大幅な増収となりました。以上の結果、現地通貨ベースでは増収となりましたが、為替の影響により減収となりました。
営業利益は、品目構成の改善などにより、大幅な増益となりました。
[ポリマ]
売 上 高: 180,935百万円 前年同期比 △ 7.0% (△ 3.0%)
営業利益: 19,642百万円 前年同期比 +23.0% (+29.6%)
国内では、製品価格低下の影響により、全体としては減収となりましたが、出荷は総じて堅調に推移しました。海外では、電気・電子向けは堅調に推移しましたが、製品価格の低下や為替の影響などにより、減収となりました。以上の結果、全体としては減収となりました。
営業利益は、コストダウンなどにより、大幅な増益となりました。
[コンパウンド]
売 上 高: 61,119百万円 前年同期比 △ 3.9% (+ 3.5%)
営業利益: 4,975百万円 前年同期比 △13.3% (△ 6.1%)
PPSコンパウンドは、国内外の出荷が好調に推移したことにより、増収となりました。ジェットインキは、国内は輸出で為替の影響を受けましたが、海外は出荷が好調に推移し、増収となりました。以上の結果、全体としては現地通貨ベースでは増収となりましたが、為替の影響などを受け、減収となりました。
営業利益は、上記の売上状況などにより、減益となりました。
[アプリケーションマテリアルズ]
売 上 高: 55,675百万円 前年同期比 △ 3.2% (△ 0.5%)
営業利益: 1,867百万円 前年同期比 △11.1% (△ 9.4%)
中空糸膜モジュールは、好調な出荷が継続し、増収となりましたが、工業用粘着テープが、スマートフォン向け需要停滞の影響を受け、減収となりました。以上の結果、全体としては現地通貨ベースでは前年同期並となりましたが、為替の影響などを受け、減収となりました。
営業利益は、上記の売上状況などにより、減益となりました。
(2)キャッシュ・フロー
[営業活動によるキャッシュ・フロー] 62,504百万円(前連結会計年度 29,113百万円)
当連結会計年度は、税金等調整前当期純利益が49,896百万円、減価償却費が32,444百万円となりました。また、法人税等に15,766百万円を支払い、運転資本の増加により4,788百万円の資金を使用しました。以上の結果、営業活動により得られた資金の総額は62,504百万円となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー] △32,202百万円(前連結会計年度 △9,973百万円)
当連結会計年度は、設備投資に31,279百万円、投資有価証券の取得により971百万円の資金を使用しました。一方で、補助金の受取により842百万円を使用しました。以上の結果、投資活動に使用した資金の総額は32,202百万円となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー] △26,852百万円(前連結会計年度 △24,801百万円)
当連結会計年度は、有利子負債の返済に17,143百万円の資金を使用し、剰余金の配当として7,585百万円を支払いました。以上の結果、財務活動に使用した資金の総額は26,852百万円となりました。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
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セグメント |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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プリンティングインキ |
337,207 |
- |
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ファインケミカル |
120,181 |
- |
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ポリマ |
205,102 |
- |
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コンパウンド |
66,956 |
- |
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アプリケーションマテリアルズ |
25,001 |
- |
|
報告セグメント計 |
754,447 |
- |
|
その他 |
- |
- |
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計 |
754,447 |
- |
(注)1.生産実績は期中平均販売価格により算出しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.当社は、中期経営計画「DIC108」の開始に伴い、平成28年1月1日付けでセグメント区分を変更しています。そのため、前年同期比については記載していません。
(2) 受注状況
主に見込生産によっています。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
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セグメント |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
プリンティングインキ |
365,189 |
- |
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ファインケミカル |
91,642 |
- |
|
ポリマ |
177,158 |
- |
|
コンパウンド |
61,056 |
- |
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アプリケーションマテリアルズ |
55,614 |
- |
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報告セグメント計 |
750,659 |
- |
|
その他 |
779 |
- |
|
計 |
751,438 |
- |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.当社は、中期経営計画「DIC108」の開始に伴い、平成28年1月1日付けでセグメント区分を変更しています。そのため、前年同期比については記載していません。
(1)経営の基本方針
当社グループは「経営理念」「経営ビジョン」「行動指針」の3つの要素から構成される「The DIC WAY」を経営の
基本的な考え方としています。
「経営理念」は当社グループが追い求める究極的な「ありたい姿」を、「経営ビジョン」は「経営理念」を実現するために当社グループが進むべき事業の大きな方向性を、「行動指針」は「経営理念」を実現するにあたり当社グループ社員が、常に心に刻み、具体的な行動の道標にすべき行動原則をそれぞれ表しています。
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The DIC WAY
[経営理念] 絶えざるイノベーションにより豊かな価値を創造し、顧客と社会の持続可能な発展に貢献する
[経営ビジョン] 化学で彩りと快適を提案する - Color & Comfort by Chemistry -
[行動指針] 進取、誠実、勤勉、協働、共生
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(2)会社が対処すべき課題
当社グループは、経営理念、経営ビジョン及びコーポレートバリュー(注)を踏まえ、持続的な成長を実現するために、2018年までになすべきことを中期経営計画「DIC108」として策定し、以下の基本戦略を実行していきます。
1.4つの事業施策
・成長牽引事業の拡大
・戦略的投資(M&A等)機会の追求
・成熟地域での更なる合理化
・次世代事業の創出
2.成長投資、財務体質、株主還元の最適バランスを追求するキャッシュフローマネジメント
3.グローバル化・高度化を下支えする経営インフラの整備
(注)当社グループのコーポレートバリュー
・Making it Colorful - DICは彩りある生活をつくります -
・Innovation through Compounding - DICはCompoundingという中核技術で社会に革新をもたらします -
・Specialty Solutions - DICは専門力と総合力で課題を解決していきます -
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある「事業等のリスク」には、以下のようなものがあります。
なお、将来に関する事項についての記載は、当連結会計年度末現在における判断に基づくものです。
1.需要業界・地域の動向
当社グループの製品は、印刷、IT、住宅、自動車等の業界において生産財として使用されています。したがって、これらの業界における需要の低迷、競争の激化等の要因により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、中国をはじめとするアジア地域を今後の成長市場ととらえ、生産・販売拠点の設置など重点的な投資を行っています。これらの地域において景気の悪化、競争の激化、カントリーリスクの顕在化等の状況が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
2.為替レートの変動
当社グループは全世界で事業活動を行っており、海外における活動の比率が高いため、為替レートの変動により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
3.原料調達
当社グループの事業に用いる原料の中には、原油・ナフサや天然ガスの誘導品が多く含まれています。これらの価格は国際商品市況の影響を受けるため、市況によって原料費が上昇した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、需給バランスの急激な変動が起こった場合には、購入価格の上昇のほか、原料の調達が困難になることにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
4.有利子負債
当社グループは、有利子負債による資金調達を実施しており、金融市場に急激な変動が起こった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
5.減損会計
当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
6.退職給付債務
当社グループの退職給付債務及び費用は、割引率、年金資産の期待運用利回り等の年金数理上の前提条件に基づいて算出されています。実際の結果が前提条件と異なった場合、又は、前提条件に変更があった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
7.紛争、訴訟等
当社グループは、知的財産権の侵害、製品の欠陥、環境規制、その他国内外の事業活動に関連して、紛争、訴訟、行政処分等の対象となる可能性があります。その結果、当社グループに損害賠償責任や制裁金の支払等が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
8.災害、事故
当社グループが地震、台風等の自然災害に見舞われ、又は、火災等の事故が発生した場合には、人的、物的損害のほか、事業活動の停止、制約等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
9.事業再構築
当社グループは、企業価値の増大に向けて事業の選択と集中に取り組んでいます。この過程において事業再構築に伴う一時損失が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
10.環境規制
当社グループは多種の化学物質を取り扱っており、国内外の環境規制等を遵守して事業活動を行っています。これらの規制の強化等により、対応するためのコストが生じた場合、又は、事業活動が制限された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、経営ビジョン「Color & Comfort by Chemistry」の実現を目指し、光学・色彩、有機分子設計、高分子設計、分散などの基盤技術の深耕とそれらの複合化により、持続的成長につながる次世代製品・新技術の開発に積極的に取り組んでいます。
当社の研究開発組織は、事業に直結した研究開発を担う技術統括本部と、次世代事業の創出と基盤技術の強化・拡大を担うR&D本部、さらに技術統括本部とR&D本部の中間領域において、技術複合型新製品やR&D本部開発品の早期事業化にプロジェクト形式で推進する製品化推進センターからなります。
また、国内ではDICグラフィックス株式会社など、海外ではサンケミカルグループの研究所(米国、英国及びドイツ)や青島迪愛生精細化学有限公司(中国)、印刷インキ技術センター(中国、アジア・パシフィック(AP)地域)、ポリマ技術センター(中国、AP地域)、PPS技術サービスセンター(中国、ドイツ)、藻類研究センター(米国)などの技術拠点と一体となり、グローバルに製品・技術の開発を行っています。
一方、次世代技術領域の探索・基礎研究については、産官学連携などオープンイノベーションも積極的に活用しています。
当連結会計年度における研究開発費は、11,206百万円であり、このほか、当社及びDICグラフィックス株式会社における製品の改良・カスタマイズなどに関わる技術関連費用は、14,972百万円です。主な研究開発の進捗状況は以下のとおりです。
(1) プリンティングインキ
パッケージ用印刷インキでは、グラビア印刷並みの高濃度印刷を実現する水性フレキソインキを開発し、中国やインドなどアジア地域に向けた戦略製品と位置付け、拡販を進めています。UVインキでは、低マイグレーションタイプや高感度密着タイプなどの新製品を開発しました。また、印刷工程全般を効率化するソリューションとして、新しい色指定の仕組みを提供する「DIC COLORCLOUD」をリリースしました。軟包装材用接着剤では、アルミ蒸着フィルムのバリア性能を向上させる蒸着補強型接着剤の実績化を進めているほか、洗剤や柔軟剤などの内容物に対して優れた耐久性を持つ詰替包材用の無溶剤型接着剤を開発しました。
海外ではサンケミカルが、コバルトと鉱油を含まないインモールドラベル用の枚葉インキや、芳香族炭化水素の含有量を1%以下に抑えたヒートセットインキなど、環境に配慮した製品の開発に注力しました。
(2) ファインケミカル
液晶材料では、PSA(Polymer Sustained Alignment)液晶ディスプレイの製造工程短縮に有用な高反応性のモノマーを開発しサンプル提供を開始しました。また、TV用TFT液晶の新製品の本格量産を開始しました。顔料では、液晶ディスプレイのカラーフィルタ用で広色域対応の新規グリーン顔料の実績拡大に注力したほか、顔料のグローバル生産体制の確立を進めました。
サンケミカルでは、化粧品用のマイカ顔料の新色4タイプを市場に投入しました。
(3) ポリマ
塗料用樹脂では、環境規制強化の進む中国市場向けに、水性の防食塗料用エポキシ樹脂を開発しました。世界的に進むVOC規制とアジアを中心とした新興地域の大規模なインフラ開発需要に対応する水性樹脂等の環境対応型製品を、ポリマ技術センター中国と連携し展開しています。新規用途では、鋳造を効率的にする砂型積層3Dプリンター用のフェノール樹脂バインダー(接着剤)や、半導体製造の次世代プロセスとして有望なナノインプリント技術に対応したレジスト用樹脂、次世代のバイオ素材として期待されているセルロースナノファイバーと複合化し機械特性を大幅に向上させたエポキシ樹脂マスターバッチなどを開発しました。
(4) コンパウンド
PPS関連製品では、三次元成形品に電気回路を形成する技術の一つであるレーザー・ダイレクト・ストラクチャリング(LDS)工法に使用可能なPPSコンパウンドを開発し、サンプル出荷を開始しました。LDS工法によるデザイン性の高さとPPSの優れた耐熱性、耐薬品性から、自動車部品や医療機器などの部材として用途拡大が期待されます。PPSコンパウンドはほかにも、高強度・高耐湿熱タイプの新製品を自動車部品用で、また、高耐トラッキングタイプを鉄道部品用として、市場展開を進めています。
ジェットインキ関連製品では、サンケミカルが安定性に優れたプロセスカラー用エコソルベント分散体を開発し、市場に投入しました。
(5) アプリケーションマテリアルズ
工業用粘着テープでは、貼付時のエア抜け性に優れるドット形状粘着テープを開発し、スマートフォンメーカーに採用されました。建築住設材料では、汚れが付着しにくい不燃化粧板を開発し、工場や医療施設などでの実績化が進みました。多層フィルムでは、レトルト食品の成形容器のフタ材として130℃での加圧加熱殺菌処理に対応する易開封性のシーラントフィルムを、また、医薬品や化粧品のような揮発性成分の包装材用として高シール性と低吸着性を有するシーラントフィルムを開発しました。
(1) 経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループを取り巻く事業環境については、北米・欧州においては、景気回復が緩やかに継続しました。アジアにおいては、中国及び東南アジアでは、景気持ち直しの動きが見られました。インドでは、景気がゆっくりと回復しています。国内における景気は力強さには欠けるものの、緩やかな回復基調が続きました。
このような事業環境の中、当連結会計年度の売上高は、出荷は堅調ながら為替の影響などにより、751,438百万円と前年同期比8.4%の減収となりました。
営業利益は、高付加価値品の成長やコストダウンなどにより、54,182百万円と前年同期比6.1%の増益となりました。
経常利益は、金融収支の改善などにより55,797百万円と前年同期比13.9%の増益となり、営業利益とともに過去最高益を達成しました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益の減少などにより、34,767百万円と前年同期比7.0%の減益となりました。
当連結会計年度の業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前年同期比 |
(為替影響排除後) |
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売上高 |
819,999 |
751,438 |
△8.4% |
△0.3% |
|
営業利益 |
51,068 |
54,182 |
+6.1% |
+14.7% |
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経常利益 |
48,995 |
55,797 |
+13.9% |
- |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
37,394 |
34,767 |
△7.0% |
- |
当連結会計年度の決算に当たり、海外関係会社の現地通貨建て業績を円貨に換算する主な為替レートは下表のとおりです。
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前連結会計年度 (平成27年1月~12月) |
当連結会計年度 (平成28年1月~12月) |
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円/USドル |
120.85 |
109.96 |
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産の部は、主に為替の影響により、前期末と比べて14,029百万円減少し、764,828百万円となりました。負債の部は、有利子負債の減少や為替の影響などにより、前期末比31,189百万円減の457,811百万円となりました。また、純資産の部は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上した一方、為替の影響などにより、前期末比17,160百万円増の307,017百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況については、「1.業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載しています。
(4) 次連結会計年度における事業の取り組み
次連結会計年度の経済状況については、国内外において、緩やかに回復していくことが期待されますが、世界経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響、原油価格の動向などに留意する必要があります。
このような状況の下、当社グループは中期経営計画「DIC108」に基づき、成長牽引事業の拡大や成熟地域での更なる合理化へ取り組んでいきます。