第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは以下の<企業理念>、<行動指針>、<必達>の社是の下、事業活動を行い、社会に対する企業責任を積極的に果たしてまいります。

 

<企業理念>

・人に興味を持とう

・新しいことに興味を持とう

・未来に興味を持とう

 

<行動指針>

人間は面白い。

その面白い人間が作っているのが企業であり、また顧客である。

全ての経済原則、経営理論は、人の行動原理に基本がある。

人に興味を持とう。

新しいことはワクワクする。

技術革新や商品開発は顧客や市場を開拓すると同時に、人間も活性化する。

新しいことに興味を持とう。

未来を考えることは楽しい。

未来は子供たちのものだ。

未来を考えれば、人も企業も自分だけでは生きて行けないことが分かる。

顧客の発展が無ければ、当社は富んでも長続きしない。

更に、社会に生かされなければ、人も企業も存続し得ない。

未来に興味を持とう。

 

一方、当社には1968年に制定した、社是「必達」が存在します。

上記の企業理念と共に、歴史ある社是「必達」を誇りを持って遵守しています。

 

<必達>

私たちはカラーエイジを担う大日精化の社員として<必達>の社是のもとに誇りを持って仕事をすすめよう

1.仕事は必ず目標を立てこれを必達しよう

1.正しい製品知識を身につけ製品普及のチャンスを積極的に求めよう

1.仕事を通じ製品を通じて会社の信用を更に高めよう

1.社会人として常に教養を高め反省を深める機会を持とう

1.仕事を通じて社会に貢献し大日精化を最高の企業体としよう

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、総資産の効率的な運用を行い、収益力を高め、財務体質の改善・強化を図るため、連結ROA(総資産経常利益率)5%以上を達成することを主な経営目標に掲げております。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題等

翌連結会計年度の当社グループを取り巻く環境は、国内経済の緩やかな景気回復の継続、東南アジアでの安定した景気拡大が見込まれる一方、米中貿易摩擦の先行きは依然として不透明であり、世界経済の下振れ懸念は拭いきれず、引き続き不確実な状況が続くものと予想されます。

このような経営環境のもとで、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の創出のため、次の4つの施策を重点的に推進してまいります。

 

ア.海外売上比率50%の達成

 当社の業績を持続的に向上させるために、成長著しい海外市場へ経営資源を積極的に投入いたします。旺盛な需要を取り込むため海外生産拠点への積極的な設備投資を行い、海外売上高の拡大を図ります。第115期は北米での表面処理剤事業の生産設備を拡充し、第116期には稼働予定です。アジア地区は、拡大する自動車・家電向けコンパウンド需要を取り込むため、生産能力の増強をいたしました。第116期以降は更なる増設を検討いたします。

イ.国内生産体制の拡充

 高付加価値製品の生産体制をより強化するため、新たに茨城県坂東市の坂東インター工業団地に7万平米の用地の土地譲渡契約を締結いたしました。当地では、グラビアインキ、特殊コーティング材などの生産拠点を建設いたします。新設備、省人化設備の導入により、技術や生産面での効率を図ります。

 連結子会社の浮間合成株式会社における赤羽製造事業所から佐倉製造事業所への移転計画は第116期中に概ね完了し、効率的な生産体制を確立いたします。

ウ.発展分野の研究開発に注力

 既存分野へ新たな技術を投入し、技術開発を推進いたします。

 同時に、業界の発展分野である次の4つに当社の技術力を注力いたします。

  ・環境分野(二酸化炭素が原料のウレタン樹脂)

  ・エネルギー分野(カーボンナノチューブ分散体)

  ・パーソナルケア分野(パーソナルケア向けポリマー)

  ・ITエレクトロニクス分野(多様な機能設計が可能な高機能ポリマー)

 これらの分野に対し、長期的視点に立った技術開発を進めてまいります。

エ.システム再編

 ・新基幹システムの導入

 グローバル経営において的確で迅速な意思決定を行うために、グループ会社の経営情報をリアルタイムに把握するERPシステムを導入します。まず、2018年1月より、連結子会社である大日精化(上海)化工有限公司にて同システムの運用を開始いたしました。国内については、第116期中の稼働を目標に現在準備を進めております。さらに順次、主要海外拠点への展開を進めてまいります。

 ・物流システムの合理化

 国内においては、上昇する輸送、保管コストを抑制し、サービスの維持を実現するため、3PL(※)を導入するとともに、上記ERPシステムとの連動を図り、抜本的な合理化を進めてまいります。

(※)3PL(Third-party logistics):物流業務を専門業者に包括的に委託することにより、全社の物流業務を最適化すること。

 

(4)株式会社の支配に関する基本方針について

 会社法施行規則第118条第3号に定める「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下「会社の支配に関する基本方針」といいます。)の内容は以下のとおりであります。

① 会社の支配に関する基本方針
 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、企業価値の様々な源泉、当社をご支持くださる多数のステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。
 当社株主の在り方は、当社株式の市場における自由な取引を通じて決定されるものであり当社の支配権の移転を伴う大規模な買付提案等がなされた場合であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概に否定するものではなく、これに応じるか否かのご判断も、最終的には株主の皆様のご意思に基づき行われるべきものと理解しております。
 
しかしながら、近年、資本市場における株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、その目的が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、当社や株主の皆様に対して買付けに係る内容及び代替案等を検討するための十分な時間や情報を提供しないもの、買付けに応じることを株主の皆様に強要するような仕組みを有するもの、買付条件が不適切であるもの等々、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも想定されます。
 
このような大規模な買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適切でないと考えております。

② 会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組み

 当社は、1931年(昭和6年)に顔料の製造・販売を目的に設立し、プラスチック時代の幕開けとなった1940年代半ばより、国産化・自社開発に拘りながら各種プラスチック製品の着色化に貢献、また合成繊維の誕生に合わせて化・合成繊維の原液着色の技術を開発しました。1970年代より海外市場へ展開し、日本企業の海外進出に合わせ、エリアを拡大してまいりました。創業以来培ってきました技術の継承と新規分野の研究開発を背景に、材料特性を熟知した素材メーカーとして、カラー化時代の先取りと様々なユーザーニーズに応える分散・加工・配合等の基本技術と応用展開の結実として、現在、各種合成樹脂着色剤、各種印刷インキ、合成樹脂に加えて時代の要請に即した機能性付与製品や情報記録関連の製品、環境配慮型製品まで多様な製品ラインアップを擁し、広範な業界の多数のお取引先から厚い信頼を得ております。
 このように、
当社は創立以来蓄積してきた「有機無機合成・顔料処理技術」「分散・加工技術」「樹脂合成技術」の3つのコア技術を企業価値の源泉とし、品質・コスト競争力とブランドの向上に努めながら、株主の皆様、取引先の皆様、従業員、さらには地域社会等との長年に亘る信頼関係を構築しております。これらは、数値に表れ難い企業価値として重要な要素と認識しております。

 当社は、「大日精化環境方針」、「環境に関する経営基本方針」を制定しております。人類文化の保護発展と自然環境を護り、「環境・安全・健康・品質」を良好に保つことを企業目的の一つとしております。国際規則及び国内外の関係法令を順守するとともに、企業活動に伴う資源・エネルギーの効率的な利用、産業廃棄物の減量、再資源化・再利用化、安全のための予防・緊急対策等をも含めて化学メーカーとしての行動指針としております。
 また、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化を通じて、経営の透明性及び効率性を確保し、株主の皆様をはじめとするステークホルダーの信頼をより高め、社会責任を全うするため、ガバナンス機能の充実が経営上の重要な課題であると認識しております。法令順守及びリスク管理等の徹底のために、「CSR・リスク管理推進本部」を設置し、内部監査の独立部門である内部監査室と情報の共有化を図り、内部統制システムの充実に積極的に取り組んでおります。
 
以上、当社では多くの投資家の皆様に中長期的に当社への投資を継続していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上のため、役員・社員一丸となって上記のような取組みを実施しております。今後とも株主の皆様、お取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーからの信頼を磐石なものとするため一層その充実、拡充に努める所存であります。これらの取組みは上記①会社の支配に関する基本方針の実現にも資するものと考えております。

③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取組み

 当社は、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるための取組みとして「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」(以下「本プラン」といいます。)について、2017年6月29日開催の第114期定時株主総会(以下「本株主総会」といいます。)において、株主の皆様にご承認いただき継続しております。

 本プランの対象となる当社株式の大規模買付行為とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。

 本プランにおける大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関しては、次のとおり一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設けており、大規模買付ルールによって、①事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、②必要情報の提供完了後、対価を現金のみとする公開買付による当社全株式の買付けの場合は最長60日間、またはその他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価・検討等の取締役会評価期間として設定し、取締役会評価期間、また株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間が経過した後に大規模買付行為を開始するというものです。

 本プランにおいては、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。ただし、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合、遵守しても当該大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断する場合には、必要かつ相当な範囲で新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法律及び当社定款が認める検討可能な対抗措置をとることがあります。

 このように対抗措置をとる場合、その判断の客観性及び合理性を担保するために、取締役会は対抗措置の発動に先立ち、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役または社外有識者から選任された委員で構成する独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は対抗措置の発動の是非について、取締役会評価期間内に勧告を行うものとします。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。なお、本プランの有効期限は2020年6月に開催予定の当社第117期定時株主総会の終結の時までとします。本プランは、本株主総会において継続が承認され発効した後であっても、①当社株主総会において本プランを廃止する旨の株主の一定割合の意思表示が行われた場合、②当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議等が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。

 継続後の本プランの詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.daicolor.co.jp/)に掲載しております。

④ 本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて

 本プランは、①買収防衛策に関する指針において定める三原則を充足していること及び経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年(平成20年)6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっていること、②当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること、③株主総会での承認により発効しており、株主意思を反映するものであること、④独立性の高い社外者のみから構成される独立委員会の判断を重視するものであること、⑤デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策でないこと等の理由から、基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものでなく、かつ、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

2【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 原材料価格

当社グループ製品の主力原材料である石油化学誘導品の市況が、原油価格の動向により、大幅に変動し、製品価格での適正な対応に不足がある場合、収益を圧迫する可能性があります。

(2) 為替リスク

当社グループの連結売上高に占める海外売上高の比率は30%程度となっており、為替変動の影響を受けやすくなってきております。為替リスクを回避、軽減するために手段を講じておりますが、為替相場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(3) 金利変動リスク

当社グループは、事業資金の一部を主として金融機関から借入金として調達しております。総資産の効率的な運用を行い、財務体質の改善・強化を図るべく有利子負債の返済に努めておりますが、現行の金利水準が変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(4) 貸倒リスク

当社グループの取引先において、大型の貸倒リスクが顕在化した場合、売上債権・貸付金等に追加的な損失や引当金の計上が必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(5) 固定資産の減損会計

当社グループの各事業セグメントの収益状況により新たな固定資産の減損損失を認識した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(6) 法的規制

当社グループの各製造工場においては、各種の化学物質を取り扱っており、法令遵守を徹底しております。しかしながら、化学物質管理や環境管理関連などにおいて、国内・海外を問わずさまざまな法的規制が強化されることも考えられます。その様な場合、大型投資や関連費用の増加が見込まれ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 自然災害等のリスク

地震等の自然災害により、当社グループの製造拠点及び情報処理システムが損害を受ける可能性があります。自然災害等の発生に備えて対策を進めておりますが、これらの設備のいずれかが重大な損害を被った場合、当社グループの操業が中断し、生産及び出荷が遅延することに伴う売上高の減少や供給責任及び製造拠点等の修復または代替のために巨額の費用を要することとなる可能性があります。

(8) 知的財産・製造物責任・品質管理体制・化学物質管理

当社グループにおいて知的財産に係わる紛争が生じ、当社グループに不利な判断がなされたり、化学物質管理体制や、製品の品質管理体制から、大規模な損害賠償につながるリスクが現実化し、賠償責任保険などにより補填できない規模の賠償金支払いが生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(9) 海外生産拠点とグループ危機管理

当社グループの海外生産拠点は、中国の華南、華東地区やタイ・ベトナムなどの東南アジア、インド及び欧州等にあります。政治体制、経済的基盤及び自然災害発生のリスクがあり、これらが、グループ危機管理の想定以上に深刻化した場合には、各生産拠点の生産活動に重大な支障が生じ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の日本経済は、輸出は横ばいとなっている一方、堅調な雇用・所得情勢を受けて個人消費は緩やかな回復基調となりました。海外経済におきましては、米国・欧州は緩やかな景気拡大が続き、アジア新興国地域においては、中国経済は減速傾向でしたが、その他新興国は総じて景気は堅調に推移しました。

このような経済環境のもとで、当連結会計年度の売上高は、主に化学品セグメントの売上が好調であったことから1,674億4千6百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益は130億7千9百万円(同9.2%増)、経常利益は137億7千4百万円(同12.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益はブラジル子会社の清算損失を計上したことなどにより83億6千1百万円(同16.0%減)となりました。

次に事業セグメントの業績についてご報告いたします。

なお、営業利益につきましては、全社費用等の配分前で記載しております。

(化成品事業)

当事業は、無機・有機顔料、各種着色剤、情報記録関連材料の製造・販売を行っております。情報記録関連の製品は概ね好調に推移しました。また、汎用顔料は全般的に堅調に推移しました。

これらの結果、当セグメントの売上高は254億8千7百万円(同4.3%増)となり、営業利益は40億7千4百万円(同10.6%増)となりました。

(化学品事業)

当事業は、各種合成樹脂着色剤・コンパウンド、各種コート材の製造・販売を行っております。車両業界向けの受託コンパウンドが国内外とも好調に推移し、情報電子業界向けのコート材製品が国内において好調に推移しました。海外連結子会社においては華南地区や東南アジアのコンパウンド事業の業績が堅調に推移しました。

これらの結果、当セグメントの売上高は924億6千1百万円(同8.6%増)となり、営業利益は71億5千8百万円(同14.9%増)となりました。

(高分子事業)

当事業は、高分子製品、天然高分子製品の製造・販売を行っております車両業界向けの内装用材料が国内外共に好調に推移し、情報記録関連材料の特殊コーティング剤は引き続き堅調に推移致しました。海外連結子会社においては中国・アメリカの事業拠点の業績が堅調に推移しました。

これらの結果、当セグメントの売上高は192億7千7百万円(同6.7%増)となり、営業利益は40億3千7百万円(同1.5%減)となりました。

(印刷総合システム事業)

当事業は、各種印刷インキの製造・販売及び事業に付帯する商品とサービスを提供しております。グラビアインキは一般包材向けのパッケージが堅調に推移しました。一方、オフセットインキは需要減少が続きました。海外連結子会社においてはインドネシアのグラビアインキの業績が堅調に推移しました。

これらの結果、当セグメントの売上高は289億2千4百万円(同2.8%増)となり、営業利益は29億円(同2.0%減)となりました。

(その他事業)

当事業は、グループ各社への不動産賃貸及び金融事業等を行っております。当セグメントの売上高は12億9千5百万円(同9.4%減)となり、営業損失は1億3千万円となりました。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて14億3千3百万円減少し、当連結会計年度末には296億8千3百万円となりました

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は119億5千3百万円(前年同期比7.9%減)となりました。これは主に「税金等調整前当期純利益」を120億4千2百万円計上したことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は86億2千4百万円(同215.7%増)となりました。これは主に「有形固定資産の取得による支出」として62億6千7百万円支出したことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は48億1千万円(同36.6%増)となりました。これは主に借入金の収入及び支出の結果として29億7千3百万円支出したことなどによるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

 至 2018年3月31日)

前年同期比(%)

化成品事業(t)

13,966

98.8

化学品事業(t)

236,151

107.9

高分子事業(t)

25,728

110.0

印刷総合システム事業(t)

39,543

99.6

その他事業(t)

1,447

109.9

合計(t)

316,835

106.5

b.商品仕入実績

 当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

 至 2018年3月31日)

前年同期比(%)

化成品事業(百万円)

2,850

104.8

化学品事業(百万円)

1,589

104.5

高分子事業(百万円)

1,666

104.8

印刷総合システム事業(百万円)

5,627

105.0

その他事業(百万円)

465

64.4

合計(百万円)

12,199

102.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

c.受注実績

 当社グループは過去の販売実績と将来の予想に基づいて見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。

d.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

 至 2018年3月31日)

前年同期比(%)

化成品事業(百万円)

25,487

104.3

化学品事業(百万円)

92,461

108.6

高分子事業(百万円)

19,277

106.7

印刷総合システム事業(百万円)

28,924

102.8

その他事業(百万円)

1,295

90.6

合計(百万円)

167,446

106.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているため、省略しております。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

Ⅰ.経営成績

a.売上高

当連結会計年度の売上高は、1,674億4千6百万円と前連結会計年度に比べ102億6千万円(前年同期比6.5%増)の増収となりました。これは、特に化学品セグメントにおいて、自動車業界向けの製品が好調に推移したこと、容器など消費財関連向け製品も旺盛なインバウンド需要があり好調であったことによるものであります。

b.売上原価・販売費及び一般管理費・営業利益

売上原価は、1,361億1千6百万円と前連結会計年度に比べ88億1千6百万円(同6.9%増)増加となりました。売上原価率は、年央以降の原材料費高騰の影響を受けましたがが、引き続き高付加価値製品の販売が好調に推移したこともあり、81.3%と前連結会計年度に比べて0.3ポイント悪化に留まりました。売上総利益は313億2千9百万円と14億4千4百万円(同4.8%増)の増益となりました。販売費及び一般管理費は、新基幹システム導入準備のための費用や物流費の増加などもあり182億5千万円と3億4千7百万円(同1.9%増)の増加となりました。これらの結果、営業利益は130億7千9百万円と10億9千7百万円(同9.2%増)の増益となりました。

c.営業外損益・経常利益

営業外収益については、受取配当金が増加したこともあり、当連結会計年度の営業外収益は13億2千4百万円(同5.7%増)となりました。営業外費用は支払利息や為替差損の減少等により6億2千9百万円(同39.0%減)となりました。これらの結果、経常利益は137億7千4百万円と15億7千万円(同12.9%増)の増益となり、総資産経常利益率(ROA)は7.0%と前連結会計年度に比べ0.3ポイント増加いたしました。

d.特別損益

特別利益は、前連結会計年度において固定資産売却益を9億7千3百万円、事業の譲渡益を4億円計上していたこともあり、4千6百万円と19億9千4百万円の減少となりました。特別損失は、ブラジル子会社の清算損失の引当金として10億4百万円を計上したこと等により、17億7千8百万円(同87.2%増)となりました。これらは事業の選択と集中を進めたことによるものであります。以上の結果、税金等調整前当期純利益は120億4千2百万円と12億5千3百万円(同9.4%減)の減益となりました。

e.親会社株主に帰属する当期純利益

税金等調整前当期純利益から法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は83億6千1百万円と15億8千9百万円(同16.0%減)の減益となりました。

f.包括利益

その他の包括利益は、株価の上昇によるその他投資有価証券評価差額金の増加などにより17億8千9百万円となりました。これらの結果、包括利益は101億7千7百万円と前連結会計年度に比べて33億4千2百万円の減益となりました。

Ⅱ.財政状態

(資産)

当連結会計年度末における総資産は2,029億7千9百万円となり、前連結会計年度末と比べ147億3千1百万円増加いたしました。これは、「受取手形及び売掛金」が増加したことなどにより流動資産が78億7千8百万円増加したことおよび、「投資有価証券」が増加したことなどにより固定資産が68億5千3百万円増加したことによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は1,059億5千3百万円となり、前連結会計年度末と比べ61億4千4百万円増加いたしました。これは、「支払手形及び買掛金」が増加したことなどによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は970億2千6百万円となり、前連結会計年度末と比べ85億8千6百万円増加いたしました。これは、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上により「利益剰余金」が増加したことなどによるものであります。

Ⅲ.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループは、製品の主力原材料に石油化学誘導品を使用しており、原油価格の動向により収益が圧迫される可能性があります。また、環境規制強化に伴い、調達原料の高騰や生産コストの増加の可能性があります。現在、新基幹システムの導入作業を進めており、導入費用や研修費用など通常時よりも経費が多く発生する見込みであります。これらに対し、国内外の生産体制拡充・発展分野の研究開発等を進めることによって、国内外の旺盛な需要を取り込んでまいります。また、導入を予定している新基幹システムは、経営基盤を強化し、グローバル市場においてリスクへの対応力を高めるため、活用してまいります。

Ⅳ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(化成品事業)

売上高は、インクジェットプリンターインキ用顔料、トナー用顔料などの情報記録関連の製品が好調に推移したことにより、前連結会計年度比4.3%増の254億8千7百万円となりました。営業利益は、これら高付加価値の製品が拡販したこともあり、前連結会計年度比10.6%増の40億7千4百万円となりました。有形固定資産は、前連結会計年度比2.5%減の75億4千5百万円となりました。

(化学品事業)

売上高は、自動車業界向け外装部材や電気系統部材用の着色剤、情報記録材や内装建材分野において意匠性や機能性を付与するコーティング剤の製品が好調に推移したことにより、前連結会計年度比8.6%増の924億6千1百万円となりました。営業利益は、高付加価値製品及び汎用品が拡販し、生産は高水準で推移したこともあり、前連結会計年度比14.9%増の71億5千8百万円となりました。有形固定資産は、前連結会計年度比1.3%増の145億1千3百万円となり、自動車業界や家電業界向け製品の生産能力の増強などを行いました。

(高分子事業)

売上高は、自動車業界向け内装材料や情報記録関連材料である特殊コーティング剤、スポーツウォッチ用のバンド材料などが好調に推移したことにより、前連結会計年度比6.7%増の192億7千7百万円となりました。営業利益は、原材料費の高騰の影響もあり、前連結会計年度比1.5%減の40億3千7百万円となりました。有形固定資産は、前連結会計年度比31.6%増の131億5千8百万円となり、国内外の生産拠点の整備・能力増強により、グローバル供給体制の強化・事業拡大を進めております。

(印刷総合システム事業)

売上高は、食品包装材、建材、産業資材分野に対して、用途に応じたインキ、コーティング剤、接着剤などが堅調に推移したことにより、前連結会計年度比2.8%増の289億2千4百万円となりました。営業利益は、原材料費の高騰の影響を受け、前連結会計年度比2.0%減の29億円となりました。有形固定資産は、前連結会計年度比6.6%増の51億8千1百万円となり、印刷試験のための大型印刷機を導入しました。

(その他事業)

グループ会社への不動産賃貸及び金融事業等を行っております。この項にて記載すべき事項はありません。

③当社グループの資本の財源及び資金の流動性

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金などにより、資金を調達しております。財務上の方針としては、キャッシュ・フローの創出能力を最大化し、事業成長・企業価値向上に向けて、継続的に財務面から支援を行うこととし、規律ある積極投資の基準を設けるとともに、経済の不安定要素に対する影響を抑えるため有利子負債の上限値を設け、資金調達コストを抑制しております。

有利子負債に関する数値基準としては、D/Eレシオ1倍以下を目安としており、当連結会計年度におけるD/Eレシオは0.44倍となっております。金融機関には充分な借入枠を有していること、また、取引銀行3行と総額80億円のコミットメントライン設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。

④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、総資産の効率的な運用を行い、収益力を高め、財務体質の改善・強化を図るため、連結ROA(総資産経常利益率)5%以上を達成することを主な経営目標に掲げております。当連結会計年度における連結ROAは7.0%であり、前連結会計年度と比べて0.3ポイント上昇いたしました。引き続き、当該指標達成の維持に努めていく所存であります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行3行とコミットメントライン契約を締結しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結貸借対照表関係)」及び「第5 経理の状況 2.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (貸借対照表関係)」 に記載しております。

5【研究開発活動】

 当社は既存事業の再編と新規事業の確立に向け更なる強固な基盤作りを目指し、全社的・総合的な改革に取り組んでおります。研究開発においては、創業からのコアである顔料・色材の高度利用技術の深耕を基盤として、環境、エネルギー、パーソナルケア、IT・エレクトロニクス分野を対象とした製品開発に注力しております。顔料・色材で培ったファインケミカル技術により「オンリーワン」のスペシャリティ製品開発を目指しております。

 当社グループの技術研究開発組織は当社コーポレート研究部門である「合成研究本部」「分散研究本部」、およびスタッフ部門である「技術管理本部」「化学品安全統括部」、それに加えて各事業部の「技術統括部」からなります。新事業・新製品開発のスピードアップと効率化を図るため全社技術を集約し、重点テーマの選定とリソース(人・物・金・情報)の集中を図り、開発を進めてまいります。

 日本の企業を取り巻くグローバル化と、技術革新のスピードがますます速まる中、オープンイノベーションを更に強化し、技術研究開発を促進しております。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費の金額は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、29億2千4百万円であります。

(化成品事業)

 当事業では、顔料合成技術を基にして粒子形状や表面性質を高度に制御することで各種用途分野への高付加価値製品を提供しております。

 顔料部門においては、顔料粒子制御技術、超微細化技術、加えて分散性、各種用途への適性付与を根幹とし、更なる品質向上に向けて、継続的な開発に取り組んでおります。また、市場の要望に迅速に対応するため、関係技術部門との連携を緊密化し、要素技術の複合化により色特性、機能性の向上を図っております。一方、品質やコストの基礎となる、製造プロセスについての検討を重視し、高品位でコスト競争力のある製品を市場へ提供することを目指しております。

 無機材料開発においては、湿式合成技術による微粒子無機顔料、各種機能性を付与した新規無機顔料に加えて、次世代を見据えた機能性素材として、環境負荷の低減、エネルギー分野に貢献する環境配慮型製品の開発を加速させております。

 化成品部門は、微分散化技術と調色・配合設計技術を基に、各種マスターバッチ製品、液状および粉状加工顔料製品を広範な分野に提供しております。多様化するユーザーのニーズに対応した製品設計に積極的に取り組んでおり、顔料微分散加工品のみならず、遮熱、難燃、帯電防止、紫外線吸収等の機能性分散体の開発も進めております。また、情報記録・表示用材料分野向け製品の高機能化研究を進めております。

 今後も当社基盤技術を活かした研究開発を行い、競争力のある製品を提供してまいります。

 当連結会計年度における化成品事業に係る研究開発費は7億6千2百万円であります。

(化学品事業)

 当事業は、分散・加工技術を基に、各種合成樹脂用着色剤、コーティング剤を内外の様々な産業分野に製品を提供しております。また、自社技術の多角的な展開を図り、各種機能性材料の開発・製品化にも取り組んでおります。

合成樹脂部門では、顔料及び機能性材料をマスターバッチ・コンパウンドに分散加工して、医療、光学、通信、包装、車両、建材等、幅広い用途に展開しております。また、プラスチック材料はニーズの多様化と高機能化が進展しており、こうした要求に対応したテーラーメイド製品の開発や、新たな加工技術の開発に取り組むとともに、ナノ材料のプラスチックへの応用展開や用途開発が進むハイパフォーマンスポリマー(フッ素樹脂等)関連テーマ、環境規制、省エネルギー、IT化・FA化等業界が指向するテーマに着目し、研究開発を進めております。

 コーティング剤部門では、紫外線・電子線硬化型コーティング剤、機能性プラスチック用コーティング剤の開発を行っております。紫外線硬化型コーティング剤においては、ノートPCなどのプラスチック成型品の表面加飾用フィルム分野及びフラットパネルディスプレイやタッチパネルなどの液晶パネル分野、塩ビ製床材などの内装建材分野のほか、半導体製造の工程フィルム用途などに製品を展開しています。電子線硬化型コーティング剤においては非塩ビフィルムあるいは化粧紙などの建材分野、機能性プラスチック用コーティング剤においては精密機械分野などに使われる製品の開発・改良に取り組んでおり、広範なニーズに応えております。

 当連結会計年度における化学品事業に係る研究開発費は5億4千6百万円であります。

(高分子事業)

 当事業では、樹脂合成技術を基に、主にウレタン樹脂の開発・製品化と、天然物由来材料を使用した素材の開発・製品化に取り組んでおります。

 高分子製品部門ではコア技術である樹脂合成技術、配合技術、分散・加工技術及びこれら技術のシナジー効果による開発を進めております。重付加反応によりウレタン樹脂、縮合反応によりエステル・アミドイミド樹脂、ラジカル重合反応により特殊アクリル樹脂を合成し、配合、分散・加工により、合成皮革・透湿素材、着色剤、接着剤、熱可塑性ウレタン、ウレタン微粒子、シリコーン共重合樹脂、耐熱用途塗工剤、機能性塗工剤等の製品を提供しております。

 また、サステイナブル社会を視野に環境に配慮した無溶剤、水系ウレタン、バイオマスウレタンを自動車用や衣料用、パッケージ素材等に展開しております。

 新市場領域としては、ウレタンの耐熱性・耐久性向上により、エネルギー、エレクトロニクス、ウェアラブル等、スマート社会実現に着目した素材開発を進めております。加えて、樹脂の形状制御により、ウレタン微粒子、ナノファイバー等、医療・化粧品用途での素材開発を進めております。

 天然高分子製品部門では、カニ殻からキチン・キトサンを製造しております。工業的に利用可能な数少ない天然カチオン性ポリマー素材として、農業を始め、繊維、化粧品、塗料など幅広い分野に素材を提供しております。また、今後の市場領域としてパーソナルケア、環境、エネルギー分野を中心に開発を進めております。

 当連結会計年度における高分子事業に係る研究開発費は5億8千万円であります。

(印刷総合システム事業)

 当事業では分散・加工技術を基に汎用の印刷インキの提供とともに、独自の配合技術などを活用し、特殊インキ・コーティング剤の開発・製品化に取り組んでおります。

 オフセットインキ部門では、商業オフ輪インキと枚葉インキを主体として提供しております。主力製品である商業オフ輪インキは、低温乾燥型インキのユーザーニーズに沿った高機能化に努めており、枚葉インキはセット・紙上乾燥性・印刷作業性の向上を図った改良を進めております。また、メタリックインキなどの特殊用途インキにおいて、特長のある製品ラインアップの拡充、開発に取り組んでおります。

 グラビアインキ部門では、ラミネート用インキや接着剤、シュリンクラベルや食品トレー用途に印刷されるパッケージ用インキと共に、建材用や産業資材分野用インキも提供しております。また、有機溶剤系のインキが大半を占める業界の中で、VOC排出量削減や省資源化に繋がる水性フレキソインキの開発にも注力しており、最近の高精細印刷の実現と共に環境負荷が低いことなどから注目度が増し、実績を挙げてきております。産業資材分野での各種機能性コーティング剤の開発のほか、パッケージ分野では更なる環境配慮としてバイオマス材料を使用したインキの開発に取り組んでおります。

 当連結会計年度における印刷総合システム事業に係る研究開発費は3億9千9百万円であります。

(その他の研究開発活動)

 当社グループでは新規事業の芽と評価技術の導出を目的として、外部研究機関との連携を行っております。代表的なものとして、「リビングラジカル重合による機能性材料の開発」が挙げられます。国内では京都大学、埼玉大学、信州大学、神奈川大学等と、国外ではシンガポールの南洋理工大学と共同研究を進めております。

 ブランド名「カラコム」としてのCCM(コンピューター・カラー・マッチング)や各種色彩管理システムの開発においては、世界唯一のインターネットCCMを海外展開し、新規顧客への着色剤販売に寄与するなど、着色剤メーカーとしての当社技術を支えております。

 当連結会計年度におけるその他の研究開発費は6億3千5百万円であります。