文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは以下の<企業理念>、<行動指針>、<必達>の社是の下、事業活動を行い、社会に対する企業責任を積極的に果たしてまいります。
<企業理念>
・人に興味を持とう
・新しいことに興味を持とう
・未来に興味を持とう
<行動指針>
人間は面白い。
その面白い人間が作っているのが企業であり、また顧客である。
全ての経済原則、経営理論は、人の行動原理に基本がある。
人に興味を持とう。
新しいことはワクワクする。
技術革新や商品開発は顧客や市場を開拓すると同時に、人間も活性化する。
新しいことに興味を持とう。
未来を考えることは楽しい。
未来は子供たちのものだ。
未来を考えれば、人も企業も自分だけでは生きて行けないことが分かる。
顧客の発展が無ければ、当社は富んでも長続きしない。
更に、社会に生かされなければ、人も企業も存続し得ない。
未来に興味を持とう。
一方、当社には1968年に制定した、社是「必達」が存在します。
上記の企業理念と共に、歴史ある社是「必達」を誇りを持って遵守しています。
<必達>
私たちはカラーエイジを担う大日精化の社員として<必達>の社是のもとに誇りを持って仕事をすすめよう
1.仕事は必ず目標を立てこれを必達しよう
1.正しい製品知識を身につけ製品普及のチャンスを積極的に求めよう
1.仕事を通じ製品を通じて会社の信用を更に高めよう
1.社会人として常に教養を高め反省を深める機会を持とう
1.仕事を通じて社会に貢献し大日精化を最高の企業体としよう
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、総資産の効率的な運用を行い、収益力を高め、財務体質の改善・強化を図るため、連結ROA(総資産経常利益率)5%以上を達成することを主な経営目標に掲げております。
(3)経営環境及び対処すべき課題等
当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の創出のため、次の4つの施策を重点的に進めてまいります。
ア.海外売上比率50%の達成
「攻略市場と戦略製品の選択と集中」を図ります。「生産拠点の再構築」も検討し、グローバルな視点から適材適所での拠点化を進めます。高分子事業では、米国の新工場本格稼働開始を2019年度内に予定しています。化学品事業では、タイに第二工場の建設を進めています。2020年初頭からの本格稼働を見込んでいます。同じくインド、およびメキシコでは、高い経済成長率を背景に、当社グループ製品の市場開拓を継続推進し、同市場での存在を更に高めます。引き続き海外のM&Aも検討し、シナジー効果の期待される案件をJVや資本参加も選択肢とし鋭意進めて参ります。
イ.国内生産体制の拡充
印刷総合システム事業および化学品事業では、新たに茨城県坂東市に7万平米の用地を取得し新工場を建設中です。2021年中の本格稼働を目指しております。当地では、グラビアインキ、特殊コーティング材等向けの効率の高い新設備、省人化設備の導入、適切な設備配置など、技術や生産面での効率アップを進めます。高分子事業では、赤羽製造事業所から佐倉製造事業所への移転計画は完了し、本年4月より、生産プロセスの改善、増産対応、新規開発品の生産対応など、新たな生産体制で運営しています。なお、防災管理、安全管理などの面について、組織の再編拡充を含め、より一層強化してまいります。
ウ.発展分野の研究開発に注力
MOT(※)の手法を導入し、既存分野に新たな技術を投入し、技術開発を促進します。
同時に、業界の発展分野であるつぎの4つに当社の技術力の投入を検討します。
・環境分野(例:二酸化炭素を原料とした樹脂、生体模倣樹脂)
・エネルギー分野(例:カーボンナノチューブ分散体、電池用材料)
・パーソナルケア分野(例:化粧品用材料、バリア接着剤)
・ITエレクトロニクス分野(例:高機能ポリマー、機能性顔料)
これらの分野に対し、長期的視点に立った技術開発を検討してまいります。
※MOT(Management of Technology):技術を事業の核とする企業が、持続的な成長のために、技術成果を事業に結びつけ、企業価値を創出していくマネジメント。
エ.新システムの活用
・新基幹システムの活用
国内および導入済みの海外拠点については、2018年10月より導入・稼働した新基幹システムを活用し、合理的な事業運営をすすめてまいります。未導入の海外拠点については、本社システムとの経営情報の共有を目指し、適切と思われるシステムを順次導入する予定です。
・物流システムの合理化
国内において導入した3PL(※)システムを活用し、上昇する輸送、在庫コストを抑制し、同時にサービス向上を図ってまいります。また、導入した上記基幹システムを活用し、上昇する輸送、在庫コストを抑制し、同時にサービス向上を図ってまいります。
(※)3PL(Third-party logistics):物流業務を専門業者に包括的に委託することにより、全社の物流業務を最適化すること。
(4)株式会社の支配に関する基本方針について
会社法施行規則第118条第3号に定める「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下「会社の支配に関する基本方針」といいます。)の内容は以下のとおりであります。
① 会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、企業価値の様々な源泉、当社をご支持くださる多数のステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。
当社株主の在り方は、当社株式の市場における自由な取引を通じて決定されるものであり当社の支配権の移転を伴う大規模な買付提案等がなされた場合であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概に否定するものではなく、これに応じるか否かのご判断も、最終的には株主の皆様のご意思に基づき行われるべきものと理解しております。
しかしながら、近年、資本市場における株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、その目的が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、当社や株主の皆様に対して買付けに係る内容及び代替案等を検討するための十分な時間や情報を提供しないもの、買付けに応じることを株主の皆様に強要するような仕組みを有するもの、買付条件が不適切であるもの等々、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも想定されます。
このような大規模な買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適切でないと考えております。
② 会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組み
当社は、1931年(昭和6年)に顔料の製造・販売を目的に設立し、プラスチック時代の幕開けとなった1940年代半ばより、国産化・自社開発に拘りながら各種プラスチック製品の着色化に貢献、また合成繊維の誕生に合わせて化・合成繊維の原液着色の技術を開発しました。1970年代より海外市場へ展開し、日本企業の海外進出に合わせ、エリアを拡大してまいりました。創業以来培ってきました技術の継承と新規分野の研究開発を背景に、材料特性を熟知した素材メーカーとして、カラー化時代の先取りと様々なユーザーニーズに応える分散・加工・配合等の基本技術と応用展開の結実として、現在、各種合成樹脂着色剤、各種印刷インキ、合成樹脂に加えて時代の要請に即した機能性付与製品や情報記録関連の製品、環境配慮型製品まで多様な製品ラインアップを擁し、広範な業界の多数のお取引先から厚い信頼を得ております。
このように、当社は創立以来蓄積してきた「有機無機合成・顔料処理技術」「分散・加工技術」「樹脂合成技術」の3つのコア技術を企業価値の源泉とし、品質・コスト競争力とブランドの向上に努めながら、株主の皆様、取引先の皆様、従業員、さらには地域社会等との長年に亘る信頼関係を構築しております。これらは、数値に表れ難い企業価値として重要な要素と認識しております。
当社は、「大日精化環境方針」、「環境に関する経営基本方針」を制定しております。人類文化の保護発展と自然環境を護り、「環境・安全・健康・品質」を良好に保つことを企業目的の一つとしております。国際規則及び国内外の関係法令を順守するとともに、企業活動に伴う資源・エネルギーの効率的な利用、産業廃棄物の減量、再資源化・再利用化、安全のための予防・緊急対策等をも含めて化学メーカーとしての行動指針としております。
また、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化を通じて、経営の透明性及び効率性を確保し、株主の皆様をはじめとするステークホルダーの信頼をより高め、社会責任を全うするため、ガバナンス機能の充実が経営上の重要な課題であると認識しております。法令順守及びリスク管理等の徹底のために、「CSR・リスク管理推進本部」を設置し、内部監査の独立部門である内部監査室と情報の共有化を図り、内部統制システムの充実に積極的に取り組んでおります。
以上、当社では多くの投資家の皆様に中長期的に当社への投資を継続していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上のため、役員・社員一丸となって上記のような取組みを実施しております。今後とも株主の皆様、お取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーからの信頼を磐石なものとするため一層その充実、拡充に努める所存であります。これらの取組みは上記①会社の支配に関する基本方針の実現にも資するものと考えております。
③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取組み
当社は、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるための取組みとして「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」(以下「本プラン」といいます。)について、2017年6月29日開催の第114期定時株主総会(以下「本株主総会」といいます。)において、株主の皆様にご承認いただき継続しております。
本プランの対象となる当社株式の大規模買付行為とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。
本プランにおける大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関しては、次のとおり一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設けており、大規模買付ルールによって、①事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、②必要情報の提供完了後、対価を現金のみとする公開買付による当社全株式の買付けの場合は最長60日間、またはその他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価・検討等の取締役会評価期間として設定し、取締役会評価期間、また株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間が経過した後に大規模買付行為を開始するというものです。
本プランにおいては、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。ただし、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合、遵守しても当該大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断する場合には、必要かつ相当な範囲で新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法律及び当社定款が認める検討可能な対抗措置をとることがあります。
このように対抗措置をとる場合、その判断の客観性及び合理性を担保するために、取締役会は対抗措置の発動に先立ち、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役または社外有識者から選任された委員で構成する独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は対抗措置の発動の是非について、取締役会評価期間内に勧告を行うものとします。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。なお、本プランの有効期限は2020年6月に開催予定の当社第117期定時株主総会の終結の時までとします。本プランは、本株主総会において継続が承認され発効した後であっても、①当社株主総会において本プランを廃止する旨の株主の一定割合の意思表示が行われた場合、②当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議等が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。
継続後の本プランの詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.daicolor.co.jp/)に掲載しております。
④ 本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
本プランは、①買収防衛策に関する指針において定める三原則を充足していること及び経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年(平成20年)6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっていること、②当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること、③株主総会での承認により発効しており、株主意思を反映するものであること、④独立性の高い社外者のみから構成される独立委員会の判断を重視するものであること、⑤デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策でないこと等の理由から、基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものでなく、かつ、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 需要業界・経済の動向
当社グループは、車両業界、情報・電子業界、建材業界、パッケージ業界など様々な需要先業界向けに材料や製品を提供し、グローバルに事業展開をしておりますが、一般的な景気動向の影響を受ける傾向があります。また、各需要先業界において、競争の激化、カントリーリスクの顕在化、サプライチェーンの大規模な変更がなされるような状況が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2) 原材料価格
当社グループ製品の主力原材料である石油化学誘導品の市況が、原油価格の動向により、大幅に変動し、製品価格での適正な対応に不足がある場合、収益を圧迫する可能性があります。
(3) 為替リスク
当社グループの連結売上高に占める海外売上高の比率は30%程度となっており、為替変動の影響を受けやすくなってきております。為替リスクを回避、軽減するために手段を講じておりますが、為替相場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4) 金利変動リスク
当社グループは、事業資金の一部を主として金融機関から借入金として調達しております。総資産の効率的な運用を行い、財務体質の改善・強化を図るべく有利子負債の返済に努めておりますが、現行の金利水準が変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5) 貸倒リスク
当社グループの取引先において、大型の貸倒リスクが顕在化した場合、売上債権・貸付金等に追加的な損失や引当金の計上が必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6) 固定資産の減損会計
当社グループの各事業セグメントの収益状況により新たな固定資産の減損損失を認識した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7) 法的規制
当社グループの各製造工場においては、各種の化学物質を取り扱っており、法令遵守を徹底しております。しかしながら、化学物質管理や環境管理関連などにおいて、国内・海外を問わずさまざまな法的規制が強化されることも考えられます。その様な場合、大型投資や関連費用の増加が見込まれ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 自然災害等のリスク
地震等の自然災害により、当社グループの製造拠点及び情報処理システムが損害を受ける可能性があります。自然災害等の発生に備えて対策を進めておりますが、これらの設備のいずれかが重大な損害を被った場合、当社グループの操業が中断し、生産及び出荷が遅延することに伴う売上高の減少や供給責任及び製造拠点等の修復または代替のために巨額の費用を要することとなる可能性があります。
(9) 知的財産・製造物責任・品質管理体制・化学物質管理
当社グループにおいて知的財産に係わる紛争が生じ、当社グループに不利な判断がなされたり、化学物質管理体制や、製品の品質管理体制から、大規模な損害賠償につながるリスクが現実化し、賠償責任保険などにより補填できない規模の賠償金支払いが生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10) 海外生産拠点とグループ危機管理
当社グループの海外生産拠点は、中国の華南、華東地区やタイ・ベトナムなどの東南アジア、インド及び欧州等にあります。政治体制、経済的基盤及び自然災害発生のリスクがあり、これらが、グループ危機管理の想定以上に深刻化した場合には、各生産拠点の生産活動に重大な支障が生じ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における判断に基づくものです。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績
当連結会計年度の海外経済は、米国経済は個人消費が鈍化しつつあるものの依然潜在成長率を上回る堅調を維持しましたが、中国経済は米国の輸入関税引き上げにより輸出が減少するなど減速傾向となり、その他アジア新興国地域も中国経済の減速により総じて輸出が低迷しました。日本経済は、海外経済の減速により輸出が減少する一方、雇用・所得環境は改善傾向が続き個人消費は回復が続きました。
このような経済環境のもとで、当連結会計年度の売上高は、1,703億9千4百万円(前年同期比1.8%増)の増収となりました。一方、営業利益は、ナフサ価格上昇及び中国環境規制影響による原材料価格上昇、製品価格改定の遅れ、システム導入関連費用及び物流コスト増加の影響により87億1千8百万円(同33.3%減)と減益になりました。また、経常利益は92億6千4百万円(同32.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、清算中のブラジル子会社の固定資産売却益を計上しましたが、赤羽製造事業所売却決定により固定資産の減損損失を計上したことなどにより38億7千6百万円(同53.6%減)とそれぞれ減益となりました。
次に事業セグメントの業績についてご報告いたします。
なお、営業利益につきましては、全社費用等の配分前で記載しております。
(化成品事業)
当事業は、塗料・印刷インキ、情報表示・記録用の無機・有機顔料及び加工顔料、繊維用着色剤の製造・販売を行っております。情報表示・記録用顔料は前年並みに推移しました。また、その他汎用顔料は堅調に推移しました。これらの結果、当セグメントの売上高は255億9千9百万円(同0.4%増)となり、営業利益は34億7百万円(同16.4%減)となりました。
(化学品事業)
当事業は、マスターバッチ、樹脂コンパウンドなどのプラスチック用着色剤、紫外線・電子線硬化型コーティング剤の製造・販売を行っております。車両業界向けは樹脂コンパウンド及び海外向けのマスターバッチが堅調に推移しました。コーティング剤は情報・電子業界向けが堅調に推移しました。海外連結子会社においては東南アジアの樹脂コンパウンドが好調に推移しました。これらの結果、当セグメントの売上高は944億9千6百万円(同2.2%増)となり、営業利益は原材料価格の上昇の影響により55億5千3百万円(同22.4%減)となりました。
(高分子事業)
当事業は、ウレタン樹脂、天然物由来高分子の製造・販売を行っております。産業資材業界向けの特殊コーティング剤及びアパレル業界向けの樹脂が好調に推移致しました。海外連結子会社においては中国・アメリカの事業拠点の業績が引き続き堅調に推移しました。これらの結果、当セグメントの売上高は199億2千1百万円(同3.3%増)となり、営業利益は35億1千2百万円(同13.0%減)となりました。
(印刷総合システム事業)
当事業は、印刷インキの製造・販売及び事業に付帯する商品とサービスを提供しております。グラビアインキは一般包材向けのパッケージ関連を中心に堅調に推移しました。海外連結子会社においては、インドネシアの拠点の業績が堅調に推移しました。一方、オフセットインキは需要減少が続きました。これらの結果、当セグメントの売上高は298億7千8百万円(同3.3%増)の増収となりましたが、営業利益は原材料価格上昇の影響により21億6千8百万円(同25.2%減)の減益となりました。
(その他事業)
当事業は、グループ各社等への不動産賃貸及び金融事業等を行っております。当セグメントの売上高は4億9千7百万円(同61.6%減)となり、営業損失は1億5千万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ82億6千3百万円減少し、当連結会計年度末には214億1千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2億6千6百万円(前年同期比97.8%減)となりました。これは主に「税金等調整前当期純利益」を計上した一方、「仕入債務」が減少したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は69億2千5百万円(同19.7%減)となりました。これは主に「有形固定資産の取得による支出」として支出したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は11億8千3百万円(同75.4%減)となりました。これは主に「配当金の支払額」として支出したことなどによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化成品事業(t) |
13,931 |
99.7 |
|
化学品事業(t) |
237,081 |
100.4 |
|
高分子事業(t) |
26,697 |
103.8 |
|
印刷総合システム事業(t) |
38,202 |
96.6 |
|
その他事業(t) |
1,317 |
91.0 |
|
合計(t) |
317,228 |
100.1 |
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化成品事業(百万円) |
3,514 |
123.3 |
|
化学品事業(百万円) |
1,865 |
117.4 |
|
高分子事業(百万円) |
1,913 |
114.8 |
|
印刷総合システム事業(百万円) |
6,679 |
118.7 |
|
その他事業(百万円) |
703 |
151.0 |
|
合計(百万円) |
14,675 |
120.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは過去の販売実績と将来の予想に基づいて見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化成品事業(百万円) |
25,599 |
100.4 |
|
化学品事業(百万円) |
94,496 |
102.2 |
|
高分子事業(百万円) |
19,921 |
103.3 |
|
印刷総合システム事業(百万円) |
29,878 |
103.3 |
|
その他事業(百万円) |
497 |
38.4 |
|
合計(百万円) |
170,394 |
101.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績の分析
経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に記載しています。
②財政状態の分析
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1,907億1百万円となり、前連結会計年度末と比べ102億4千7百万円減少いたしました。これは、「現金及び預金」が減少したことなどによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は946億4千6百万円となり、前連結会計年度末と比べ92億7千6百万円減少いたしました。これは、「支払手形及び買掛金」が減少したことなどによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は960億5千5百万円となり、前連結会計年度末と比べ9億7千万円減少いたしました。これは、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上により「利益剰余金」が増加した一方で、「その他有価証券評価差額金」及び「為替換算調整勘定」が減少したことなどによるものであります。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金などにより、資金を調達しております。財務上の方針としては、キャッシュ・フローの創出能力を最大化し、事業成長・企業価値向上に向けて、継続的に財務面から支援を行うこととし、規律ある積極投資の基準を設けるとともに、経済の不安定要素に対する影響を抑えるため有利子負債の上限値を設け、資金調達コストを抑制しております。
有利子負債に関する数値基準としては、D/Eレシオ1倍以下を目安としており、当連結会計年度におけるD/Eレシオは0.45倍となっております。金融機関には充分な借入枠を有していること、また、取引銀行3行と総額80億円の貸出コミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、総資産の効率的な運用を行い、収益力を高め、財務体質の改善・強化を図るため、連結ROA(総資産経常利益率)5%以上を達成することを主な経営目標に掲げております。当連結会計年度における連結ROAは4.7%であり、前連結会計年度と比べて2.4ポイント下落いたしました。今後も当該指標の達成に努めていく所存であります。
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行3行と貸出コミットメントライン契約を締結しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結貸借対照表関係)」及び「第5 経理の状況 2.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (貸借対照表関係)」 に記載しております。
当社は既存事業の再編と新規事業の確立に向け更なる強固な基盤作りを目指し、全社的・総合的な改革に取り組んでおります。研究開発においては、創業からのコアである顔料・色材の高度利用技術の深耕を基盤として、環境、エネルギー、パーソナルケア、IT・エレクトロニクス分野を対象とした製品開発に注力しております。顔料・色材で培ったファインケミカル技術により「オンリーワン」のスペシャリティ製品開発を目指しております。
当社グループの技術研究開発組織は当社コーポレート研究部門である「合成研究本部」「分散研究本部」、およびスタッフ部門である「技術管理本部」「化学品安全統括部」、それに加えて各事業部の「技術統括部」からなります。新事業・新製品開発のスピードアップと効率化を図るため全社技術を集約し、重点テーマの選定とリソース(人材・物資・資金・情報)の集中を図り、開発を進めてまいります。
日本の企業を取り巻くグローバル化と、技術革新のスピードがますます速まる中、オープンイノベーションを更に強化し、技術研究開発を促進しております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費の金額は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、
(化成品事業)
当事業では、顔料合成技術を基に粒子形状や表面性質を高度に制御することで各種用途分野への高付加価値製品を提供しております。
顔料部門においては、顔料粒子制御技術、超微細化技術を駆使して、各種用途へ優れた適性を持つ高品位製品の開発に取り組んでおります。また、市場の要望に迅速に対応するため、関係技術部門との連携を緊密にし、要素技術の複合化により色特性、機能性の向上を図っております。一方、品質やコストの基礎となる、製造プロセスについての検討を重視し、高品位でコスト競争力のある製品を市場へ提供することを目指しております。
近年は色特性などの色材としての性能の他に、これまで培った技術をベースに、各種機能性を付与した新規無機材料や有機顔料、加工顔料など、次世代を見据えた環境、エネルギー分野に貢献する環境配慮型製品の開発を加速させております。
化成品部門においては、微分散化技術と調色・配合設計技術を基に、各種マスターバッチ、液状および粉状加工顔料を広範な分野に提供しております。多様化するユーザーのニーズに対応した製品設計に積極的に取り組んでおり、顔料微分散加工品のみならず、遮熱、難燃、帯電防止、紫外線吸収等の機能性分散体の開発も進めております。また、情報表示・記録用材料分野向け製品の高機能化研究を進めております。
今後も当社基盤技術を活かした研究開発を行い、競争力のある製品を提供してまいります。
当連結会計年度における化成品事業に係る研究開発費は
(化学品事業)
当事業は、分散・加工技術を基に、各種合成樹脂用着色剤、コーティング剤を内外の様々な産業分野に提供しております。また、自社技術の多角的な展開を図り、各種機能性材料の開発・製品化にも取り組んでおります。
合成樹脂部門においては、顔料及び機能性材料をマスターバッチ・コンパウンドに分散加工して、医療、光学、通信、包装、車両、建材等、幅広い用途に展開しております。また、プラスチック材料はニーズの多様化と高機能化が進展しており、こうした要求に対応したテーラーメイド製品の開発や、新たな加工技術の開発に取り組むとともに、ナノ材料のプラスチックへの応用展開や用途開発が進むハイパフォーマンスポリマー(フッ素樹脂等)関連テーマ、環境規制、省エネルギー、IT化・FA化等業界が指向するテーマに着目し、研究開発を進めております。
コーティング剤部門においては、紫外線・電子線硬化型コーティング剤、機能性プラスチック用コーティング剤の開発を行っております。紫外線硬化型コーティング剤は、プラスチック成型品の表面加飾用フィルム用途及びフラットパネルディスプレイやタッチパネルなどの液晶パネル分野、塩ビ製床材などの内装建材分野、半導体関連用途などに製品を展開しており、新たには既存のコーティング分野にとらわれない無溶剤設計の各種製品を開発しております。電子線硬化型コーティング剤は、非塩ビフィルムあるいは化粧紙などの建材分野、機能性プラスチック用コーティング剤は精密機械分野などに使われる製品の開発・改良に取り組んでおり、広範なニーズに応えております。
当連結会計年度における化学品事業に係る研究開発費は
(高分子事業)
当事業では、樹脂合成技術を基に、主にウレタン樹脂の開発・製品化と、天然物由来材料を使用した素材の開発・製品化に取り組んでおります。
高分子製品部門においては、コア技術である樹脂合成技術、配合技術、分散・加工技術及びこれら技術のシナジー効果による開発を進めております。重付加反応によりウレタン樹脂、縮合反応によりエステル・アミドイミド樹脂、ラジカル重合反応により特殊アクリル樹脂を合成し、配合、分散・加工により、合成皮革・透湿素材、着色剤、接着剤、熱可塑性ウレタン、ウレタン微粒子、シリコーン共重合樹脂、耐熱用コーティング剤、機能性コーティング剤等を提供しております。
また、サステイナブル社会を視野に環境に配慮した無溶剤、水系ウレタン、バイオマスウレタンを自動車用や衣料用、パッケージ素材等に展開しております。
新市場領域としては、ウレタンの耐熱性・耐久性向上により、エネルギー、エレクトロニクス、ウェアラブル等、スマート社会実現に着目した素材開発を進めております。加えて、樹脂の形状制御により、ウレタン微粒子、ナノファイバー等、医療・化粧品用途での素材開発を進めております。
天然高分子製品部門においては、カニ殻からキチン・キトサンを製造しております。工業的に利用可能な数少ない天然カチオン性ポリマー素材として、農業を始め、繊維、化粧品、塗料など幅広い分野に素材を提供しております。また、今後の市場領域としてパーソナルケア、環境、エネルギー分野を中心に開発を進めております。
当連結会計年度における高分子事業に係る研究開発費は
(印刷総合システム事業)
当事業では、分散・加工技術を基に汎用の印刷インキの提供とともに、独自の配合技術などを活用し、特殊インキ・コーティング剤の開発・製品化に取り組んでおります。
オフセットインキ部門においては、商業オフ輪インキと枚葉インキを主体として提供しております。市場でニーズの高まっている製品の高機能化や印刷作業性の向上に努めております。また、メタリックインキなどの特殊用途インキにおいて、特長のある製品ラインアップの拡充、開発に取り組んでおります。
グラビアインキ部門においては、ラミネート用インキや接着剤、シュリンクラベルや食品トレー用途に印刷されるパッケージ用インキと共に、建材用や産業資材分野用インキも提供しております。また、有機溶剤系のインキが大半を占める業界の中で、VOC排出量削減や省資源化に繋がる水性フレキソインキの開発にも注力しており、最近の高精細印刷の実現と共に環境負荷が低いことなどから注目度が増し、実績を挙げてきております。また、産業資材分野での各種機能性コーティング剤の開発のほか、パッケージ分野を中心に循環型社会に貢献するためのバイオマスインキの開発に取り組んでおります。
当連結会計年度における印刷総合システム事業に係る研究開発費は
(その他の研究開発活動)
当社グループでは新規事業の芽と評価技術の導出を目的として、外部研究機関との連携を行っております。代表的なものとして、「リビングラジカル重合による機能性材料の開発」が挙げられます。また、国内外の大学と共同研究を進めております。
ブランド名「カラコム」としてのCCM(コンピューター・カラー・マッチング)や各種色彩管理システムの開発においては、世界唯一のインターネットを利用したCCMを海外展開し、新規顧客への着色剤販売に寄与するなど、着色剤メーカーとしての当社技術を支えております。
当連結会計年度におけるその他の研究開発費は