文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)企業理念、行動指針、必達
当社グループでは、創業者である高橋 義博が1968年に制定した<必達>を経営方針の中心に据えて経営に取り組んで参りました。職場の目に付くところに掲示し、役職員で毎朝唱和することにより、<必達>に込められた精神、考え方を常に確認すると同時に、従業員への浸透を図ることを行ってきました。
<必達>の精神は、現在においても何らその価値を失っていないものと考えますが、既存の仕事、製品を軸に、役職員個々人の心構えや行動に重点を置いた内容としているため、近年の社会環境、経済環境の変化をみたとき、社内外の人との関連性、新しい技術革新、製品開発への一層の目配り、社会の中における当社の連環という視点に不十分さをぬぐえない状況にありました。
そのため、2015年12月開催の当社取締役会において、<必達>の考え方に加える形で、新たに<企業理念>、<行動指針>を規定し、経営方針を一層充実したものといたしました。
これは、すべての経済原則や経営理論は「人」の行動原理に基づくものであるとの理解に立ち、まずは社内外を問わず全ての「人」に興味を持つべきであるとし、技術革新や商品開発など新しいことへの取り組みが、人や企業の活性化につながるという点を改めて確認し、一方、未来に目を向けると、人も企業も他者との連環(関連)の中で生き抜いていかざるをえないことを再認識した上で、社会に必要とされ、社会の発展に資する姿勢を打ち出していくべきとしたものであります。比較的平易な表現とすることで、若手従業員から経営トップに至るまで、<必達>と合わせて、浸透を図ることを企図したものであります。
これらを踏まえ、当社グループは以下の<企業理念>、<行動指針>、<必達>の社是の下、事業活動を行い、社会に対する企業責任を積極的に果たしてまいります。
<企業理念>
・人に興味を持とう
・新しいことに興味を持とう
・未来に興味を持とう
<行動指針>
人間は面白い。
その面白い人間が作っているのが企業であり、また顧客である。
全ての経済原則、経営理論は、人の行動原理に基本がある。
人に興味を持とう。
新しいことはワクワクする。
技術革新や商品開発は顧客や市場を開拓すると同時に、人間も活性化する。
新しいことに興味を持とう。
未来を考えることは楽しい。
未来は子供たちのものだ。
未来を考えれば、人も企業も自分だけでは生きて行けないことが分かる。
顧客の発展が無ければ、当社は富んでも長続きしない。
更に、社会に生かされなければ、人も企業も存続し得ない。
未来に興味を持とう。
一方、当社には1968年に制定した、社是「必達」が存在します。上記の企業理念と共に、歴史ある社是「必達」を誇りを持って遵守しています。
<必達>
私たちはカラーエイジを担う大日精化の社員として<必達>の社是のもとに誇りを持って仕事をすすめよう
1.仕事は必ず目標を立てこれを必達しよう
1.正しい製品知識を身につけ製品普及のチャンスを積極的に求めよう
1.仕事を通じ製品を通じて会社の信用を更に高めよう
1.社会人として常に教養を高め反省を深める機会を持とう
1.仕事を通じて社会に貢献し大日精化を最高の企業体としよう
(2)経営理念
創業者 高橋 義博の「自分の生活が好きな色彩によって包まれたいと思うのが私たちの念願」との言葉にもありますように、世界中の「もっと自由に彩りたい」という願いをかなえるために、当社グループは、彩りと機能性を持った素材をさまざまな分野での企業活動を通じて提供し、社会やお客様の願いに貢献することとしております。お客様の声に十分に耳を傾け、これまで培ってまいりました3つのコア技術、すなわち、①有機無機合成・顔料処理技術、②分散・加工技術、③樹脂合成技術と、これらを組み合わせ、素材が持つ特性や機能を生かした製品開発、すなわち、ファンクションテクノロジーを一体となって機能させることにより、お客様の課題解決を提案してまいりました。その結果、生み出してまいりました製品は、色材、機能材、合成樹脂、天然物由来高分子など多岐にわたっており、自動車・電気機器・建材などの部品から日常生活に関連する繊維・パッケージ・情報関連素材まで広範囲な製品に利用・活用されております。今後とも、地道で着実な研究開発とものづくりを通して、お客様や社会の課題解決に貢献することにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の創出を目指してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、環境の変化に的確に対応し、持続的な社会の実現に貢献する製品、サービスを提供する技術オリエンテッドのソリューションカンパニーとして、事業の収益性・資本効率を重視する点から、ROA(総資産経常利益率)5%、ROE(自己資本利益率)9%を中長期的な経営目標として掲げることといたします。
なお、本項(4)で後述するように、技術開発を促進している新規発展分野及び継続発展分野への投資や海外新規ビジネス投資については、事業単位でのEBITDA(償却前・利払前利益)分析を駆使して事業評価を行うことなどにより積極的な成長機会を追求し、併せて、経営環境の変化に適時に対応するために、財務基盤の安定と成長を両立させることも重要な課題として認識しております。
(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等
当社グループの置かれている経営環境については、下記のとおりと認識しております。
①お客様の国内外の事業展開に対して的確にキャッチアップする必要があることと同時に、販売、生産に係る収益性、効率性などの観点から、国内外における積極的な業務展開は不可欠な状況にあり、国内、海外の一方に偏することなくバランスのよい業務展開をするべきであることは引き続き重要な課題であると認識しています。
②市場環境の変化と、国内製造事業所の置かれている立地環境の変化と生産設備の物理的、経済的な償却に伴い、防災、安全に十分配慮した上で、安定的かつ効率的な生産を実施することが必要であるとの認識に基づき、2017年12月に取得した茨城県の坂東インター工業団地内の7万平米の区画に、グラビアインキ、特殊コーティング剤向けの坂東製造事業所を建設しました。2020年11月に竣工後、効率の高い新設備、省人化設備の導入を進め、2021年7月から生産開始し、川口製造事業所から段階的に移転する予定です。また高分子製品において、生産部門は東京都北区の赤羽製造事業所から千葉県佐倉市の佐倉製造事業所への移転が完了し、2019年4月より、生産プロセスの改善、環境対応、新規開発品の生産対応などを踏まえた新たな生産体制で運営を開始しております。併せて、技術部門は、佐倉製造事業所の敷地内に建設中の技術・研究棟が2021年11月に竣工予定であり、これにより、赤羽製造事業所の完全移転が完了し、原材料メーカー、お客様との協働テーマ開発体制を一層強化できることとなります。他の製造事業所においても同様の認識に基づき、今後も継続的に対応していく予定としていますが、坂東製造事業所、佐倉製造事業所への完全移転により、国内生産体制の拡充に係る当面の課題は、目途を付けることができたものと認識しております。
③持続的な成長のためには、ESGへの取り組みがあらゆる事業活動の基本理念であり、環境配慮(E)、社会貢献(S)に対し研究・開発が果たす役割が特に重要と認識しております。本年より、従来の4つの注力分野(環境、エネルギー、パーソナルケア、IT・エレクトロニクス)を再区分し、①IT・エレクトロニクス・機能性材料、②ライフサイエンス・パーソナルケアの二つを新規発展分野に、③モビリティ、④パッケージの二つを継続発展分野と想定し、本項「(2)経営理念」で前述のとおり、3つのコア技術を更に深化させるとともに、新たな技術を取り入れた上で融合し、社会全体の持続性、安全性、収益性、効率性、採算性などの側面から十分に検証しながら、引き続き資金と人財を投入していく必要があるものと認識しております。
④上記③に述べたように、長期的・持続的成長分野への対応にあたり、ESG、SDGsを念頭に、例えば、二酸化炭素を原料とした樹脂、生分解性微粒子、化粧品用材料、バイオマス由来製品、水性製品等、環境に調和する製品の開発を重要な課題のひとつと認識し、鋭意進めてまいりましたが、製品開発という点にとどまることなく、地球規模の環境や社会問題へ取り組む企業姿勢と、透明かつ公正な意思決定を可とするガバナンスが、当社グループの安定的かつ長期的な成長及び将来の企業価値においても大きな影響を与えるものと再認識した上で、お客様や投資家様を始めとするステークホルダーから常に選ばれる企業となるために、全社を挙げて、E(環境配慮)、S(社会貢献)、G(企業統治)の側面から能動的に活動を促進することが必要と理解しております。
⑤新基幹システムは、2018年10月に国内拠点に導入後、海外拠点においても現地の事情に適応したシステムの導入を順次進めてまいりました。結果、適時に共通した基準での数値取り込みが可能となり、連結ベースでの経営管理、意思決定が一層迅速にできるようになりました。また、国内物流の3PL化(Third-party Logistics:物流業務の包括委託)及びWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)を導入することにより適時に精緻な物流費データの把握が可能となったことと併せ、計画的な配送大口化、ストックポイントの集約などの合理的な物流体制の構築を行うことにより、物流費抑制の取り組みも継続的に進めてきております。システムを最大限に活用し、得られる情報を十分に経営に生かしていくことは、引き続き重要な課題であるとの認識には変わりはありませんが、導入、運用、活用の各フェーズにおいて、一定の成果が得られ、経営に十分に資する状況となっていることをもって、システム導入・活用の課題に対しては目途を付けることができたものと認識しております。
⑥国内外の新型コロナウイルス感染者の推移を俯瞰すると、まだまだ予断を許さない状況にあることは否めないものの、当社グループは、可能な限りで時差・時短出勤、交代勤務、在宅勤務、リモート会議等を取り入れ、職場及び家庭での感染対策を励行し、従業員とその家族の健康に配慮してきております。事業においては、手元流動性を厚めに維持することなどにより事業継続に備え、製品を安定的に供給することに努めてまいりました結果、市場の回復に呼応して業績も回復基調にあるものと認識しております。今後は、新型コロナウイルスの感染状況と需要動向を十分に把握した上で、適応した事業活動を進めていくことが肝要であると認識しております。
これらを踏まえ、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の創出のため、次の3つの施策を重点的に進めております。
ア、技術主導による競争優位性確保
当社グループでは、技術マネジメント手法を用いて保有する技術を再評価し、社会的なニーズ(ESG)への貢献を最優先課題として、オープンイノベーション、セグメント間のシナジー、知財戦略などを組み合わせ、市場規模・収益性・成長性を評価して、保有している3つのコア技術(1 有機無機合成・顔料処理技術、2 分散・加工技術、3 樹脂合成技術)を深化させた技術開発に取り組んでおります。従来の注力4分野(環境、エネルギー、パーソナルケア、IT・エレクトロニクス)を改めて、①IT・エレクトロニクス、②ライフサイエンス・パーソナルケアの二つを新規発展分野、③モビリティ、④パッケージングの二つを継続発展分野として開発対象の中心に据え、資金と人財を積極的に投入することを行い、技術主導による競争優位の確保を目的とした「技術オリエンテッド」体制の構築を目指すことといたします。これにより、製品の差別化、品質向上により社会貢献度を高め、同時に収益性の確保を図ってまいります。
・新規発展分野
①IT・エレクトロニクス・・・導電性樹脂、二次電池用部材、帯電防止材、放熱材、IJ顔料・分散液、機能性ポリマー
②ライフサイエンス・パーソナルケア・・・生分解性微粒子、化粧品材料
・継続発展分野
③モビリティ・・・ウレタン・アクリル・シリコン合成樹脂、高機能コンパウンド
④パッケージング・・・新規バリア性素材、リサイクル用インキ
イ、ESGを重視した経営による企業価値向上に向けた改革の推進
ESGへの取組みは、当社グループを取り巻くサプライチェーン全体の重要な課題として認識し、原材料調達段階から当社製品を使用した製品が廃棄される段階までを含めたライフサイクル全体において以下の施策を実施してまいります。
(ア)ESG貢献製品開発・拡販
脱炭素社会に貢献する二酸化炭素を原料とした樹脂、生分解性微粒子、バイオマス由来製品、水性製品等、環境に調和する製品の開発や、お客様の効率改善に貢献し結果的にエネルギー使用量、廃棄物を削減する製品の開発、紛争鉱物の不使用など、当社グループのみならず、サプライチェーン全体でESGに貢献します。
(イ)気候変動への取り組み
気候変動により生じる様々な影響に関して、TCFD提言に基づくリスクと収益機会を分析し、サプライチェーン全体にわたり当社グループの事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
リスクに向けた取り組みとして、自らの事業活動により排出される温室効果ガスの排出量削減を、継続的な省エネ対策と再生可能エネルギーによる電力の調達(※)を加速させ、温室効果ガス削減に関する日本の公約に貢献できる体制の確立を目指します。また、国内当社グループ内における温室効果ガス削減意識向上と、将来における炭素税導入への準備のために、インターナル・カーボンプライシング(社内制度)の導入に向け準備を開始いたします。
収益機会に向けては、脱炭素に貢献できる製品群の開発と拡販に努めてまいります。
一方で、当社が開発した二酸化炭素を原料とする樹脂の販売戦略と原料調達スキームを更に深化し、消費による二酸化炭素の削減を更に促進させてまいります。
(※)2021年度より、電力各社の再生可能エネルギー普及に協力することにより、再生可能エネルギーによる発電電力の提供を受ける契約を締結し、これを加味すれば国内当社グループの温室効果ガスの排出量は2013年度比60%削減を達成する見込みです。
(ウ)資源循環促進
石油資源等の枯渇防止及び環境への負荷軽減を目的として、バイオマス製品及びプラスチックのリサイクル化に貢献する製品の開発及び廃棄プラスチックを削減するための工程改善を進めてまいります。
(エ)社会貢献の一層の促進
当社グループにかかわるさまざまなステークホルダーとの関係を通じて、これまで以上に、社会貢献を果たしてまいります。
・お客様とのかかわり
「ものづくり」を通して社会に貢献するために、各拠点の環境整備の一端として、とりわけ化学物質管理には慎重を期して製品性能と品質保証を充実させることはもちろんのこと、生産現場からお客様の手に渡るまでに関わる全ての方の安全衛生を確保することが化学メーカーとして果たすべき責任であると認識しております。流通において、当社グループ全体を俯瞰した合理的で安全な物流安全体制の設置・運用、サプライチェーンを含めたESGに配慮した購買方針、調達基準を設定することなどの取り組みを行い、お客様から一層信頼いただける企業グループを目指してまいります。なお、新型コロナウイルス感染症の当社グループに対する影響についてはまだまだ予断を許さない状況にあることを前提に、従業員の安全・安心、お客様への製品の安定的供給のために、引き続き対策プロジェクトを維持し、対策の立案、実施を図ってまいります。
・従業員とのかかわり
企業にとって「人」は財産であり、企業を常に活性化させるためには、さまざまな知識・スキルを持った「人財」と、高いパフォーマンスを引き出す環境が必要であると認識し、人財確保と教育に加え、対話により個人の価値観、個性、習慣等の多様性を認め合う場を築き、企業活動の改革に活かすことを目指していきます。そのために、ワーク・ライフバランスに配慮した社内制度の充実、ダイバーシティ&インクルージョンを推進していきます。
・地域社会とのかかわり
当社グループは、「企業市民」として地域に貢献し、地域社会とともに発展していくことを目指します。このために、防災活動、職業体験受入、美化運動など多様な側面から地域の皆様と密接な交流を図ってまいります。
(オ)コーポレート・ガバナンスへの一層の取り組み
お客様や投資家をはじめとするステークホルダーから継続的に信頼を勝ち得ていくためには、単に法令遵守にとどまることなく、社内外からみて、より高次な牽制と「風通し」を両立した組織体制を確立し、かつこれを向上させ続けることだと考えます。ESG活動を、CSR活動を能動的に捉えた活動と認識し、ESG推進体制を常に的確に運用することで、迅速かつ牽制の効いた意思決定・業務執行につなげることは言うに及ばず、情報セキュリティへの取り組み、従業員に対する研修など地に足を付けた着実な活動を今後も一層展開してまいります。なお、上記の趣旨も鑑み、これまで以上に、E(環境配慮)、S(社会貢献)、G(企業統治)に重視した経営による企業価値向上を目指す目的のため、2021年4月1日付にて、CSR・リスク管理推進本部からCSR・ESG推進本部に名称変更しております。
ウ、海外事業拡大に向けた事業基盤の強化~海外売上高比率の向上~
当社グループの収益、成長の源泉は、国内・海外双方に存在し、GDP高伸長国での事業展開もバランスよく事業育成をしていく必要があるとの認識の基に、以下の施策により海外売上高比率の向上を継続的な目標として注力してまいります。
(ア)「地産地消」の推進と海外拠点の拡充
「地産地消」のスローガンの下、既に国内で十分な評価を得た製品の海外展開を目的に、既存、新設を問わず海外生産拠点の拡充を図り、また、多様な製品の生産を可能にする拠点にシフトすることにより、現地でのお客様の開拓、拡販を一層推進します。成長市場をターゲットに軟包装材用接着剤を始めとして高分子ポリマー製品の現地生産も視野に、本格的な市場参入を図ります。
(イ)新規ビジネスの創出
欧米には高付加価値製品をターゲットに市場展開を図ります。将来的にはM&Aも選択肢として現地生産化も鋭意検討してまいります。
(1)リスク管理体制
当社グループはCSR・ESG推進本部が内部統制に関する体制を整備するとともに、全般的なリスク管理を統括しております。各組織単位の長がリスクの自己点検を行い、これにより確認されたリスクから重大なリスクを抽出、評価・選別の上、経営リスクについて対応を審議し、リスク管理に必要な情報の共有化を図っております。重大リスクについては、CSR・ESG推進本部が取締役会に報告すると共に、リスク低減の為の活動状況を確認しております。重大リスクとなり得る問題が発生した場合は、適宜、対策本部等を設置し、対応を図ってまいります。
(2)事業リスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
現状、新型コロナウイルス感染症が依然拡大しておりますが、2020年後半から、当社グループの主要販売先である車両業界及び情報・電子業界の需要が回復し、当社グループの業績も回復基調となっております。しかしながら変異ウイルスの感染拡大が各国で見られることから、引き続き当社グループの業績に甚大な影響を与えかねない重大なリスクとして認識し、従業員の安全確保、製商品の安定供給のために対処してまいります。
Ⅰ.戦略リスク
グローバル化への対応と事業の長期発展に対応するための戦略に起因するリスクのうち、現状、以下の3つを主要なリスクと認識しております。
*短期:1~2年以内、中期:3~5年以内、長期:5年超、不明:想定困難
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1)需要構造変化への対応 |
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顕在化する可能性:高 |
顕在化し得る時期*:中期 |
顕在化した場合の影響度:大 |
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リスク: |
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当社グループは、車両業界、情報・電子業界、建材業界、パッケージ業界など様々なお客様向けに製品を提供し、グローバルに事業展開をしております。好調・不調を相互に補完できる幅広い業界とお取引がありますが、個々の業界で大きな需要変動があった場合にはその事業範囲で影響を受けることとなり、経営成績に影響を与える可能性があります。 |
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対応:① |
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当社グループ製品の最終生産財・消費財への活用状況を勘案すると、構成比率が高い車両業界、情報・電子業界の動向が売上高に影響を与えることとなります。これに対応するため、各業界の動向を十分に注視しながらお客様のニーズを十分満たす製品の適時な供給を行うことで、バランスよく業務推進することとしております。 |
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対応:② |
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食品包装等の用途に活用される製品については、売上高の動向が比較的景気に左右されにくいと認識しております。しかし、猛暑や冷夏などの気象状況による食品需要の変動や、昨今の消費のあり方やその廃棄及び処理に起因するフードロス問題等が、当社グループ製品の売上高に影響を与えることとなります。これらのリスクに対して、市場ニーズに合った製品を供給することにより安定的な収益確保を図っております。 |
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対応:③ |
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情報媒体が紙などを使ったハードコピーから電子媒体への移行が進んでいるため、商業印刷市場に依存したオフセットインキ事業においては市場縮小の影響を受けております。このトレンドは一層強まることとなると予想しており、印刷インキのみならず印刷周辺材料へのラインナップを充実させることで極力収益確保を図ることとしておりますが、同事業のありかたも含め引き続き検討を進めていく予定です。なお、当連結会計年度において、同事業の固定資産について減損損失を計上いたしました。 |
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対応:④ |
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気候変動対策やサーキュラーエコノミーなど、環境に配慮して、最終消費財の供給、消費のありかたやその廃棄・処理に関する社会の考え方も大きく変わりつつあります。今後も環境にやさしい素材への転換、またプラスチックのリサイクルをはじめとする資源循環型社会への移行が進むと想定しております。この動きに遅れることのないように、お客様との協働、あるいは当社グループ独自に、社会に十分受け入れられる製品開発を進めてまいります。 |
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対応:⑤ |
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「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」(以下「対処すべき課題等」という。)において、海外事業拡大に向けた事業基盤の強化を掲げており、アメリカ、中国を始めとした諸外国への製品の輸出、海外拠点における製品の製造、販売を積極的に展開しております。諸外国の経済的、社会的環境の変化が当社グループ売上高に大きな影響を与えることがあります。特にインド、メキシコなど特定の地域における事業環境を鑑みると、当該国における社会的、経済的環境の変化から、当初想定していた時間軸での利益確保が困難となると予想されることもあり、当面、事業の内容を精査しつつ、抜本的対策も視野に入れた検討を進めてまいります。なお、当連結会計年度において、メキシコ事業拠点の子会社が所有する固定資産について減損損失を計上いたしました。 |
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2)海外事業活動に関するリスク |
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顕在化する可能性:低 |
顕在化し得る時期*:不明 |
顕在化した場合の影響度:大 |
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リスク:海外事業運営上のリスク、社会的混乱のリスク |
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上記「1)⑤」で言及したことと合わせ、当社グループの海外生産拠点は、当該国の政治体制、経済的基盤及び自然災害発生のリスクがあり、これらが、グループ危機管理の想定以上に深刻化した場合には、各生産拠点の生産活動に重大な支障が生じ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。リスク評価しづらく、生じる蓋然性は低いと思われるものの、発生した場合の当社グループ全体に与える影響は甚大なものになると予想されます。 |
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対応: |
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このリスクを回避するためには、特定国への投資に過大にシフトすることなく、リスク要因も考慮の上で適正な水準・割合に投資配分することで全体的なリスク緩和を図ることとしてまいります。 |
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3)金融リスク |
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顕在化する可能性:中 |
顕在化し得る時期*:中期 |
顕在化した場合の影響度:中 |
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リスク:①為替リスク |
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「対処すべき課題等」においても述べているとおり、当社グループは海外事業拡大に向け事業基盤の強化を図っております。現状の海外売上高比率は約30%にとどまっているものの、為替変動の影響を受けやすい水準であることは事実であり、今後同比率が高まっていくことにより、一層の為替リスクに直面することが想定されます。 |
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対応: |
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本リスクを極力回避するため、収入、支出を極力同一通貨で支払うこと、海外拠点における現地通貨の借入れを検討すること、必要に応じて為替先物契約の締結などにより、リスクヘッジを図ってまいります。 |
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リスク:②金利変動リスク |
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当社グループは、事業資金の一部を主として金融機関から借入金として調達しております。総資産の効率的な運用を行い、財務体質の改善・強化を図るべく有利子負債の返済に努めておりますが、2021年3月末時点において長短期借入金合計で418億円あり、今後の金利水準が上昇した場合には、支払利息の金額水準が上昇することにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。 |
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対応: |
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足元の金融環境を勘案すると、金利水準は当面低位に推移するものと考えられることから、現状の金融環境に大きな変化がないかぎり本リスクが当社グループに与える影響は比較的小さいと思われます。同時に、新たに資金需要が生じた場合においても、当社グループ内に存する資金を効率的に活用することを検討し、次に、資金使途や資金繰りなどを勘案し、取引金融機関との間で調整の上で、長短金利スワップ契約等を導入することで、長期にわたって低金利を享受できる契約構成を維持できるよう進めてまいります。 |
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Ⅱ.オペレーショナルリスク
事業系オペレーショナルリスク(仕入・生産・販売活動)及び管理系オペレーショナルリスク(事業継続するための管理体制とCSR対応)に起因するリスクのうち、現状、以下の5つを主要なリスクと認識しております。
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1)購買に関わるリスク |
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顕在化する可能性:高 |
顕在化し得る時期*:短期 |
顕在化した場合の影響度:中 |
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リスク:原材料調達リスク、原材料価格の変動リスク |
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主力原材料である石油化学誘導品は、原油価格の動向に伴う価格変動のほか、天災、事故、政策なども含めた生産国での状況の変化などにより、価格変動のみならず、調達不安に陥る可能性もあります。当社グループ製品が使用されている最終消費財の市況や供給責任なども勘案しますと、原材料価格の上昇をすぐさま製品価格に反映させることはお客様の理解を得られず、結果として原材料価格の上昇が当社グループの収益を圧迫することにつながります。 |
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対応: |
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本リスクは、化学メーカーである当社グループにとって回避しづらいものであることは事実ですが、生産計画策定にあたっては、価格予測、需要予測をできうる限り丁寧に行い、また、一定の原材料在庫を保有した上で市場状況を見ながら原材料購入のタイミングを図る、あるいは、特定の企業・国に偏することなく、原材料の代替購入先を常日頃から調査の上で確保することなどにより、当社グループの業績に与える影響を緩和することに努めております。 |
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2)コンプライアンスに係わるリスク |
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顕在化する可能性:中 |
顕在化し得る時期:中期 |
顕在化した場合の影響度:大 |
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リスク:①化学物質管理リスク、品質管理リスク |
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当社グループでは、多種の化学物質を取り扱っており、その保管、使用、移動、排出、廃棄において法令遵守を徹底しております。しかしながら、化学物質管理や環境管理関連において、国内・海外を問わず法的要件が強化されることがあり、遵守できていない場合には罰則を受けるだけでなく、輸出入の禁止や生産活動の停止による、収益機会の喪失、あるいは対処するための投資を招く蓋然性があり、当社グループの業績に与える影響は甚大となる可能性があります。 |
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対応: |
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特定のセグメント(事業機構)から独立した化学物質管理体制及び環境、安全衛生体制(組織)を充実させることと同時に、特に化学物質管理においては要件変更への対処に遺漏が生じることのないように、システムによる管理(新化学物質管理システム)を導入するべく着手しており、これによりリスクコントロールを行うこととしております。 |
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リスク:②製造物責任、補償のリスク |
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環境、安全衛生上の問題や、製品の品質管理上の問題などに起因して、大規模な損害賠償につながるリスクが現実化し、賠償金支払いが生じる可能性があります。 |
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対応: |
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現在、当社グループが付保しております賠償責任保険等、保険契約の内容を勘案すると、これらの発生する蓋然性は比較的小さいものと判断しておりますが、引き続き、保険内容を十分に検討した上での付保手続きを進めてまいります。 |
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3)貸倒リスク |
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顕在化する可能性:高 |
顕在化し得る時期*:短期 |
顕在化した場合の影響度:中 |
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リスク: |
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当社グループのお客様に大型の貸倒リスクが顕在化した場合、売上債権等に追加的な損失や引当金の計上が必要となる場合があります。 |
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対応: |
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貸倒リスクを回避するために、当社グループでは、従前より、お客様別の信用状況とお取引状況を一元管理し、事前に設定した取引与信枠内での取引を進めているかどうかを常時モニターしております。 |
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4)情報システムに起因するリスク |
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顕在化する可能性:中 |
顕在化し得る時期*:短期 |
顕在化した場合の影響度:中 |
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リスク: |
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当社グループは事業活動の中で取引先の情報、技術、契約、人事等の機密情報を取り扱いますが、多くは情報システムで管理しております。サイバー攻撃、不正アクセス等によるデータの改ざん、逸失、情報の漏洩、また災害や障害によるシステムの停止が引き起こす事業活動の停止などが発生した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応: |
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ネットワーク監視、ウイルス対策、アカウント管理などの基本的な情報セキュリティ対策、バックアップなどの適切なデータ保全、従業員に対する情報セキュリティ教育に取り組んでおります。 |
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5)人員・人材不足のリスク |
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顕在化する可能性:中 |
顕在化し得る時期*:中期 |
顕在化した場合の影響度:大 |
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リスク: |
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当社グループの持続可能な成長には、優秀な人材の継続的な獲得が欠かせないと認識しております。出生率低下で新卒者減少に伴う優秀な人材の採用逸失、有能な社員など人材の流出が頻発する場合は、当社の長期的な成長戦略に影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応: |
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新卒者へのきめ細かいアプローチ、中途採用を積極的に行うと同時に、従業員の定着率を維持するため、ワーク・ライフバランスに配慮した社内制度の充実、仕事のやりがいなど環境改善を高める取り組みを進めております。 |
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Ⅲ.ハザードリスク
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1)自然災害等のリスク |
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顕在化する可能性:中 |
顕在化し得る時期*:不明 |
顕在化した場合の影響度:大 |
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リスク: |
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地震等の自然災害により、当社グループの製造拠点及び情報処理システムが損害を受ける可能性があります。 |
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対応: |
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当社グループは、自然災害等の発生に備えて順次対策を進めておりますが、当該リスクが発生する蓋然性を事前に評価することは極めて困難ですので、建物、機械設備等の状況を十分に把握の上で合理的な内容で損害保険を付保することを行っております。同時に、製造・輸送コスト等も十分に検討しながら、お客様への製品供給が不合理に途切れることなく維持できるようにBCPの観点からも、製造場所の複数化なども実施してきております。 |
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績
当連結会計年度の世界経済は、依然として新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けるなか、期後半にかけては、米国経済は経済対策の効果もあり、中国経済は輸出が堅調に推移するなど、総じて景気は回復基調となりました。一方、欧州経済は感染拡大の影響により行動制限が強化されるなど低調に推移しました。日本経済は、輸出の増加を受けて製造業が回復基調となる一方、緊急事態宣言の再発令により旅行・飲食業を中心に低迷し、企業の景況感は二極化が鮮明となりました。
このような経済環境のもとで、当連結会計年度における売上高は、期前半は生産活動の低下により印刷総合システム事業を除く全てのセグメントで低迷し、期後半以降、主に化学品事業及び高分子事業の車両業界向け及び情報・電子業界向け製品を中心に回復しましたが、1,384億9千1百万円(前年同期比10.7%減)と減収になりました。
一方、営業利益は、固定費の支出を抑制した結果、49億2千万円(同1.4%増)、経常利益は56億1千3百万円(同0.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に投資有価証券売却益を計上したことなどにより63億4千3百万円(同59.5%増)の増益となりました。
次に事業セグメントの業績についてご報告いたします。
なお、営業利益につきましては、全社費用等の配分前で記載しております。
(化成品事業)
当事業は、塗料、印刷インキ、情報表示・記録用の無機・有機顔料及び加工顔料、繊維用着色剤の製造・販売を行っております。情報表示・記録用顔料はテレワーク拡大によるディスプレイ関連が堅調な一方、オフィス事務機関連が低調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は200億2千万円(同17.1%減)、営業利益は16億1千6百万円(同25.1%減)となりました。
(化学品事業)
当事業は、マスターバッチ、樹脂コンパウンドなどのプラスチック用着色剤、紫外線・電子線硬化型コーティング剤の製造・販売を行っております。車両業界向けの着色剤は、国内外ともに第3四半期から回復が顕著となりました。コーティング剤は情報・電子業界向けのディスプレイ関連が好調に推移しました。海外連結子会社においては、期後半以降、中国・東南アジアの樹脂コンパウンドが、家電・OA機器業界及び車両業界向けを中心に回復しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は754億5千万円(同10.7%減)、営業利益は40億4千万円(同2.6%増)となりました。
(高分子事業)
当事業は、ウレタン樹脂、天然物由来高分子の製造・販売を行っております。車両業界向けは、国内外ともに第3四半期から回復が顕著となり以降好調に推移しました。海外連結子会社においてはアメリカの事業拠点の業績が低調に推移しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は161億3千8百万円(同11.1%減)、営業利益は26億7千6百万円(同1.4%減)となりました。
(印刷総合システム事業)
当事業は、印刷インキの製造・販売及び事業に付帯する商品とサービスを提供しております。グラビアインキは、国内は一般包材向けパッケージ関連が堅調に推移しました。また、インドネシアの拠点の業績が好調に推移致しました。一方、オフセットインキは需要減少傾向が続きました。
これらの結果、当セグメントの売上高は266億8千6百万円(同5.0%減)、営業利益は22億円(同8.0%増)となりました。
(その他事業)
当事業は、グループ各社等への不動産管理などを行っております。当セグメントの売上高は1億9千5百万円(同17.1%減)となり、営業損失は2億1千5百万円となりました。
②財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1,977億1千7百万円となり、前連結会計年度末と比べ104億2千万円増加いたしました。これは、「現金及び預金」や「建物及び構築物」が増加したことなどによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は940億5千6百万円となり、前連結会計年度末と比べ24億3千4百万円増加いたしました。これは、「長期借入金」が増加したことなどによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,036億6千万円となり、前連結会計年度末と比べ79億8千5百万円増加いたしました。これは、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上により「利益剰余金」が増加したことなどによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ68億1百万円増加し、当連結会計年度末には344億3千8百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりとなっております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は115億2千2百万円(前年同期比10.2%減)となりました。これは主に「税金等調整前当期純利益」及び「減価償却費」を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は37億6千9百万円(同6.1%増)となりました。これは主に「有形固定資産の取得による支出」として支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3億5千8百万円(同88.2%減)となりました。これは主に「借入れによる収入」を計上した一方、「配当金の支払額」として支出したことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
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化成品事業(t) |
9,685 |
79.0 |
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化学品事業(t) |
186,771 |
90.8 |
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高分子事業(t) |
20,869 |
89.8 |
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印刷総合システム事業(t) |
36,603 |
100.4 |
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その他事業(t) |
1,060 |
87.2 |
|
合計(t) |
254,988 |
91.4 |
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
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化成品事業(百万円) |
1,973 |
67.6 |
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化学品事業(百万円) |
1,531 |
84.8 |
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高分子事業(百万円) |
962 |
70.2 |
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印刷総合システム事業(百万円) |
4,782 |
87.7 |
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その他事業(百万円) |
476 |
92.5 |
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合計(百万円) |
9,726 |
80.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは過去の販売実績と将来の予想に基づいて見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
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化成品事業(百万円) |
20,020 |
82.9 |
|
化学品事業(百万円) |
75,450 |
89.3 |
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高分子事業(百万円) |
16,138 |
88.9 |
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印刷総合システム事業(百万円) |
26,686 |
95.0 |
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その他事業(百万円) |
195 |
82.9 |
|
合計(百万円) |
138,491 |
89.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討等
ⅰ経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの経営成績に対して特に重要な影響を与えた事象は、以下のとおりと考えております。
引続き海外事業拡大に向けた事業基盤の強化を図ることを当社グループの重要な課題として設定しておりますので、海外経済状況は、業績に関して直接重要な影響を及ぼすこととなります。全般的に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けるなか、期後半にかけて米国経済は経済対策の効果もあり、中国経済は輸出が堅調に推移するなどにより、総じて景気は回復基調となりました。一方で欧州経済は感染拡大の影響により行動制限が強化されるなど低調に推移しました。また日本経済は、輸出の増加を受けて製造業が回復基調となる一方で、緊急事態宣言の発令により旅行・飲食業を中心に低迷し、企業の景況感は二極化が鮮明になりました。
これらの社会的、経済的状況を反映し、当社グループの売上高は、1,384億9千1百万円(前年同期比10.7%減)となり、営業利益は固定費の支出の抑制により49億2千万円(同1.4%増)、経常利益は56億1千3百万円(同0.6%増)となり、まだまだ予断を許さない状況にあるものと認識しております。
上記のとおり主として新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、売上高は対前年マイナス、営業利益、経常利益は対前年概ね横ばいの実績となりましたが、「対処すべき課題等」にも記載しましたとおり、これまで掲げてまいりました課題について抜本的に見直しを行った上で、技術主導による競争優位確保、ESGを重視した経営による企業価値向上に向けた改革の推進を新たに重要な課題として認識すると同時に、引き続き海外事業拡大に向けた事業基盤の強化を図ることにより、着実な収益確保・成長戦略を描くことができるものと確信しております。
合わせて足元の収益環境悪化をカバーするためにも、「2 事業等のリスク」で記載したとおり、各リスクに対応したリスク回避・削減策を積極的に起動させていくことといたします。
各セグメントの概況は以下のとおりであります。
なお、セグメント毎の営業実績は上記「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に、生産実績・商品仕入実績・受注実績・販売実績は、同「④生産、受注及び販売の実績」にて、それぞれ記載しております。
(化成品事業)
当事業は、塗料・印刷インキ、情報表示・記録用の無機・有機顔料及び加工顔料、繊維用着色剤の製造・販売を行っております。用途別に見ますと、情報表示・記録用顔料の中でもディスプレイ関連は年間を通じて好調に推移しましたが、オフィス事務機関連は世界的に需要が大きく減少するなど、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う人々の働き方の変化などの影響を強く受けた結果となりました。また、引き続き中国やインドなどで生産される製品などの競合が続くことも予想しており、このため、刻々と変化するお客様のニーズに合った製品を適時に提供することにより、今後も一層の収益確保・拡大を図ってまいります。
(化学品事業)
当事業は、マスターバッチ、樹脂コンパウンドなどのプラスチック用着色剤、紫外線・電子線硬化型コーティング剤の製造・販売を行っております。用途別に見ますと、コーティング剤は情報・電子業界向けのディスプレイ関連が好調に推移しました。車両業界向けの樹脂コンパウンド及び着色剤は国内・海外向けともに期の前半は生産活動が低迷し厳しい状況が続きましたが、収益改善策の実行と徹底、第3四半期からの需要回復により、業績は回復傾向となりました。
当事業における海外連結子会社は中国経済の回復により、中国、東南アジアの樹脂コンパウンド事業は堅調に推移しました。インド事業におきましては生産活動の効率化などにより事業が軌道にのりつつあります。当事業はお客様の必要とされる品質とスペックの製品を適時にかつ的確に供給することが必要ですので、市場動向、需要動向に関してお客様と情報交換を緊密にしつつ、収益確保・拡大を図ってまいります。
(高分子事業)
当事業は、ウレタン樹脂、天然物由来高分子の製造・販売を行っております。用途別に見ますと、車両業界向けのウレタン樹脂は第3四半期から回復が顕著となり、以降好調に推移しました。一方、ウレタン樹脂新工場の投資を行ったアメリカの事業拠点の業績は新型コロナウイルス感染症の拡大の影響もあり、低調に推移しました。引き続き、市場動向、需要動向に関してお客様と情報交換を緊密にしつつ、お客様のニーズにあった製品を適時・的確に供給することで、収益確保・拡大を図ります。また、足元の喫緊の課題は逼迫する原材料調達課題への対応です。この点はグループ総力をあげて対応してまいります。
(印刷総合システム事業)
当事業は、印刷インキの製造・販売及び事業に付帯する商品とサービスを提供しております。グラビアインキは、一般包材向けパッケージ関連が堅調に推移しました。インドネシアの海外連結子会社の業績は、現地の需要に的確に対応し、業績を伸ばしました。一方で、オフセットインキは需要減少が続きました。グラビアインキについては、環境課題に端を発する最終消費財の供給、消費のありかたやその廃棄・処理に関する社会の考え方の変化は、最重要の対応すべき課題です。
これらの構造的な変化に対して、たとえば、食品用途の印刷インキにおいては、バイオマスインキやフィルム向けフレキソ印刷用水性インキなどの製品供給をすることや印刷周辺材料を含めたラインナップの拡充を図ることなどで市場ニーズに対応するとともに、くわえて茨城県坂東市に開所する新工場の合理化された生産設備等を用い、環境課題への対応とともにさらなる収益確保を図ってまいります。
ⅱ財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1,977億1千7百万円となり、前連結会計年度末と比べ、104億2千万円増加いたしました。これは、有形固定資産の「建物及び構築物」において、茨城県坂東市の新工場の建設、佐倉製造事業所(浮間合成㈱)の新技術・研究棟を建設したことにより増加したものです。また、「投資有価証券」の増加は、保有株式の時価が上昇したことによるものですが、保有している政策保有株式については、毎年取締役会において、保有目的の適切さや保有に伴う便益・リスクが資本コストに見合っているか等を精査し、保有の適否を検証してきております。
「現金及び預金」については、新型コロナウイルス感染症の影響が残る事業環境下において、固定費をはじめとする経費節減により業績悪化を軽減することはできたものの、設備投資等、今後のさらなる業績の回復に向けた積極的な対応を目途に、内部留保を厚く持たせていただいたために増加したものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は940億5千6百万円となり、前連結会計年度末と比べ、24億3千4百万円増加いたしました。
「短期借入金」、「1年以内返済予定の長期借入金」及び「長期借入金」の合計となる外部借入債務は、408億円から418億円へと増加しました。資産の部で述べたとおり、国内外での生産設備に積極的に投資を進めたことに伴い、設備投資資金は長期の銀行借入で安定的に調達する一方、通常の運転資金は適正化を進め返済したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、1,036億6千万円となり、前連結会計年度末と比べ79億8千5百万円増加しました。この結果、自己資本比率は51.5%となり、前連結会計年度に比べ1.4ポイント増加しました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ68億1百万円増加し、当連結会計年度末には344億3千8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。なお、連結キャッシュ・フロー計算書も合わせてご参照ください。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から得られたキャッシュ・フローは合計115億2千2百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益に減価償却費、売上債権、支払債務、棚卸資産などの増減を考慮したものであります。2020年度においては、需要の回復に伴う債権債務の増減額が、営業活動によるキャッシュ・フローに大きな影響を与えました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、合計37億6千9百万円となりました。
有形固定資産の取得の内訳としては、前事業年度の有価証券報告書における「対処すべき課題等」に記載のとおり、国内生産体制拡充に資するために、茨城県坂東市におけるグラビアインキ、特殊コーティング剤新工場などの建物への投資や佐倉製造事業所における新技術棟・研究棟の投資を実行すると同時に、効率的な生産実施のために機械設備購入に引き続きに資金投下した結果であります。
一方で、投資有価証券の売却による収入が29億円計上されており、投資活動によるキャッシュ・フローに大きな影響を与えました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は、合計3億5千8百万円となりました。
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主な項目 |
前連結会計年度 (自 2019年4月1日) 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日) 至 2021年3月31日) |
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短期借入による収入 |
9,449 |
4,049 |
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短期借入金の返済による支出 |
△9,507 |
△6,468 |
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長期借入による収入 |
9,300 |
12,717 |
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長期借入金の返済による支出 |
△10,460 |
△9,193 |
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リース債務の返済による支出 |
△189 |
△282 |
投資活動に使用した資金をまかなうために、当社グループ内にて保有する資金のうちから営業活動の遂行にあたり必要となる資金相当分を控除した資金を活用することと合わせ、当該資金で不足する場合には、調達までの機動性や増資等による株式の希薄化を回避するためにも、主として銀行借入により調達しております。
なお、坂東製造事業所建設資金の効率的な調達を行うため、取引銀行4行と総額83億円のコミット型シンジケートローン契約を締結し、48億9千7百万円の借入を行っております。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金などにより、資金を調達しております。財務上の方針としては、キャッシュ・フローの創出能力を最大化し、当社の中長期的な経営指標としているROA(総資産経常利益率)5%、ROE(自己資本利益率)9%の達成に向けて、継続的に財務面から支援を行うこととし、規律ある積極投資の基準を設けるとともに、経済の不安定要素に対する影響を抑えるため有利子負債の上限値を設け、資金調達コストを抑制しております。
有利子負債に関する数値基準としては、D/Eレシオ1倍以下を目安としており、当連結会計年度末におけるD/Eレシオは0.41倍となっております。金融機関には充分な借入枠を有していること、また、取引銀行3行と総額80億円の貸出コミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の当社グループのキャッシュ・フローに与える影響を緩和させる目的で、通常時の流動性保管のために設定している80億円の貸出コミットメントラインに追加して、その倍額である160億円相当の貸出コミットメントラインを設定いたしましたが、当社グループの資金繰状況を精査の上、160億円の貸出コミットメントラインは、2021年2月に設定解除といたしました。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、環境の変化に的確に対応し、持続的な社会の実現に貢献する製品、サービスを提供する技術オリエンテッドのソリューションカンパニーとして、事業の収益性・資本効率を重視する点から、ROA(総資産経常利益率)5%、ROE(自己資本利益率)9%を中長期的な経営目標として掲げることといたします。
なお、本項(4)で後述するように、技術開発を促進している新規発展分野及び継続発展分野への投資や海外新規ビジネス投資については、事業単位でのEBITDA(償却前・利払前利益)分析を駆使して事業評価を行うことなどにより積極的な成長機会を追求し、合わせて、経営環境の変化に適時に対応するために、財務基盤の安定と成長を両立させることも重要な課題として認識しております。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度中において、当社は、坂東製造事業所建設資金の効率的な調達を行うため、取引銀行4行と総額83億円のコミット型シンジケートローン契約を締結し、48億9千7百万円の借入を行っております。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ⑤ 連結附属明細表 借入金等明細表」に記載しております。
また、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行3行と総額80億円の貸出コミットメントライン契約を締結しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結貸借対照表関係)」及び「第5 経理の状況 2.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (貸借対照表関係)」に記載しております。
当社グループは、企業の持続的な成長には新しい価値を創出し、社会貢献を行うことが必要という原点に立ち返り、変化する経済環境にも迅速に対応できる事業基盤を強化し、お客様へ課題解決を提案する化学メーカーとなるべく積極的に活動を進めております。環境、エネルギー、パーソナルケア、IT・エレクトロニクス分野を対象として「環境配慮」「高機能」「基礎研究」を重点と定め、製品開発に注力しております。
当社グループの技術研究開発組織は当社コーポレート研究部門である「合成研究本部」「分散研究本部」及びスタッフ部門である「技術管理本部」、それに加えて各事業部の「技術統括部」からなります。新事業・新製品開発のスピードアップと効率化を図るため全社技術を集約し、重点テーマの選定とリソース(人材・物資・資金・情報)の集中を図り、開発を進めてまいります。
当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費の金額は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、
(化成品事業)
当事業では、顔料合成技術を基に粒子形状や表面性質を高度に制御することで各種用途分野への高付加価値製品を提供しております。
顔料部門においては、顔料粒子制御技術、超微細化技術を駆使して、各種用途へ適性を持つ高品位製品の開発に取り組んでおります。また、社内の関係技術部門との連携を緊密にし、要素技術の複合化により色特性、機能性の向上を図っております。一方、品質やコストの基礎となる、製造プロセスの改良と合理化に取り組み、高品位でコスト競争力のある製品を市場へ提供することを目指しております。
近年は環境・エネルギー分野に貢献する天然物由来のパーソナルケア材料、各種機能性を付与した無機複合材料、高い意匠性を持つ水性微分散加工顔料など環境配慮型製品の開発に鋭意取り組んでいます。
化成品部門においては、微分散化技術と調色・配合設計技術を基に、各種マスターバッチ、液状及び粉状加工顔料を広範な分野に提供しております。多様化するユーザーのニーズに対応した製品設計に積極的に取り組んでおり、顔料微分散加工品のみならず、遮熱、難燃、帯電防止、紫外線吸収等の機能性分散体の開発も進めております。また、情報表示・記録用材料分野向け製品の高機能化研究を進めております。
今後も当社基盤技術を活かした研究開発を行い、競争力のある製品を提供してまいります。
当連結会計年度における化成品事業に係る研究開発費は
(化学品事業)
当事業は、分散・加工技術を基に、各種合成樹脂用着色剤、コーティング剤を内外の様々な産業分野に提供しております。また、自社技術の多角的な展開を図り、各種機能性材料の開発・製品化にも取り組んでおります。
合成樹脂部門においては、顔料及び機能性材料をマスターバッチやコンパウンドに分散加工して、医療、光学、通信、包装、車両、建材等、幅広い用途に展開しております。また、プラスチック材料はニーズの多様化と高機能化が進展しており、こうした要求に対応したテーラーメイド製品の開発や、新たな加工技術の開発に取り組むとともに、ナノ材料のプラスチックへの応用展開や用途開発が進むハイパフォーマンスポリマー(フッ素樹脂等)関連テーマ、環境規制、省エネルギー、IT化・FA化等業界が指向するテーマに着目し、研究開発を進めております。
コーティング剤部門においては、紫外線・電子線硬化型コーティング剤、機能性プラスチック用コーティング剤の開発を行っております。紫外線硬化型コーティング剤は、プラスチック成型品の表面加飾用フィルム用途及びフラットパネルディスプレイやタッチパネルなどの液晶・有機ELパネル分野、塩ビ製床材などの内装建材分野、半導体関連用途などに製品を展開しております。電子線硬化型コーティング剤は、非塩ビフィルムあるいは化粧紙などの内装建材分野、屋外向け耐候性用途など、機能性プラスチック用塗装剤は精密機械分野などに製品を展開し、広範なニーズに応えております。
また、環境に配慮した放射線硬化技術の展開だけでなく、より省電力なLED硬化コーティング剤やVOCレスの無溶剤・水性コーティング剤、バイオマテリアル材料を組み込んだコーティング剤の開発に注力し、環境配慮型製品の展開を推し進めております。
当連結会計年度における化学品事業に係る研究開発費は
(高分子事業)
当事業では、樹脂合成技術を軸に、主にウレタン樹脂の開発・製品化と、天然物由来材料を使用した素材の開発・製品化に取り組んでおります。
高分子製品部門においては、コア技術である樹脂合成技術、配合技術、分散・加工技術及びこれら技術のシナジー効果による開発を進めております。重付加反応によりウレタン樹脂、縮合反応によりエステル・アミドイミド樹脂、ラジカル重合反応により特殊アクリル樹脂を合成し、配合、分散・加工により、合成皮革・透湿素材、着色剤、接着剤、熱可塑性ウレタン、ウレタン微粒子、シリコーン共重合樹脂、耐熱用コーティング剤、機能性コーティング剤等を提供しております。
また、社会環境課題を背景にESG貢献製品である無溶剤、水系ウレタン樹脂、バイオマスウレタン樹脂の開発に注力しております。バイオマスウレタン樹脂はバリューチェーン構想にて原材料メーカーとの協創から車載内装材、アパレル、パッケージ素材等への展開や、海外3拠点と共同でグローバル市場への展開も加速させております。更に新たな環境対応素材としてCO2を原材料とするウレタン樹脂(HPU)の開発も進めています。
新市場領域としては、各種開発樹脂の耐熱性・耐久性向上により、自動車業界の「100年に一度の大改革」や情報分野の「高速通信技術」の深化に則したカーエレクトロニクス、エネルギーやESG貢献製品等、スマート社会実現に着目した素材開発を進めております。加えて、樹脂の形状制御により、ウレタン微粒子、ナノファイバー等、医療・化粧品用途や衛生材料の素材開発を進めております。この様に技術イノベーションが深化する中、技術KI(Knowledge Intensive Staff Innovation Plan)活動による人財育成や技術体制イノベーションを駆使し開発エンジンを加速しております。
天然高分子製品部門においては、カニ殻からキチン・キトサンを製造しております。工業的に利用可能な数少ない天然カチオン性ポリマー素材として、農業を始め、繊維、化粧品、塗料など幅広い分野に素材を提供しております。
また、今後の市場領域としてパーソナルケア、環境、エネルギー分野を中心に開発を進めております。
当連結会計年度における高分子事業に係る研究開発費は
(印刷総合システム事業)
当事業では、分散・加工技術を基に汎用の印刷インキの提供とともに、独自の配合技術などを活用し、特殊インキ・コーティング剤の開発・製品化に取り組んでおります。
オフセットインキ部門においては、商業オフ輪インキと枚葉インキを主体として提供しております。また、市場でニーズの高まっている抗菌・抗ウイルス機能を持ったニスや意匠性に優れたメタリックインキなどの紙に対する印刷の特殊用途において、特長のある製品ラインアップの拡充、開発に取り組んでおります。
グラビアインキ部門においては、食品包装やシュリンクラベル、食品トレーに使用されるインキや接着剤と共に、建材用や産業資材分野用インキも提供しております。また、有機溶剤系のインキが大半を占める業界の中で、VOC排出量削減や省資源化に繋がる水性フレキソインキの開発にも注力しており、最近の高精細印刷の実現と共に環境負荷が低いことなどから注目度が増し、実績を挙げてきております。また、産業資材分野での各種機能性コーティング剤の開発のほか、パッケージ分野を中心に循環型社会に貢献するためのバイオマスインキ、リサイクルインキの開発に取り組んでおります。
当連結会計年度における印刷総合システム事業に係る研究開発費は
(その他の研究開発活動)
当社グループでは新規事業の芽と評価技術の導出を目的として、外部研究機関との連携を行っております。代表的なものとして、「リビングラジカル重合による機能性材料の開発」が挙げられます。また、国内外の大学と共同研究を進めており、具体例としては「濃厚ポリマーブラシ(CPB)の工業的製造方法の確立」などがあり、新規機能性材料の研究開発を行っています。
ブランド名「カラコム」としてのCCM(コンピューター・カラー・マッチング)や各種色彩管理システムの開発においては、世界唯一のインターネットを利用したCCMを海外展開し、新規顧客への着色剤販売に寄与するなど、着色剤メーカーとしての当社技術を支えております。
当連結会計年度におけるその他の研究開発費は