当連結会計年度における世界経済の状況は、米国では個人消費に支えられて回復が続きました一方、中国を始めとする新興国での拡大テンポが急速に減速するなど、緩やかに進んでいた景気回復に陰りが見えてまいりました。また、これを受けて我が国でも、後半にかけて景況感が悪化し、下振れリスクが増加してきています。
このような厳しい環境ではありましたが、当企業グループは、「イノベーションの連続的打ち出しとマーケティング力の向上」「グローバルネットワークを攻めと守りの両面から強化」「6つの資源(ヒト、モノ、カネ、情報、技術、風土)の価値向上、グループ各社の価値増大」を年度の方針として、以下の経営活動を行ってきました。
第一の方針である「イノベーションの連続的打ち出しとマーケティング力の向上」については、成長市場に貢献できる製品開発を進め、事業領域の拡大に努めました。色材・機能材関連事業では、高精細や省電力に貢献できる新規グリーン液晶カラーフィルター材料の製品化や、リチウムイオン電池電極用材料の新型ハイブリッド車への供給を開始しました。ポリマー・塗加工関連事業では、電磁波シールドフィルムを始めとする機能性フィルムの製品群を拡充するとともに、高精度クリーン塗加工機の新設による供給体制の強化を進めました。パッケージ関連事業では、グローバルに展開できる包装用グラビアインキのラインアップ拡充や、高速印刷適性を向上した包装用水性フレキソインキの開発を進めました。印刷・情報関連事業では、環境に配慮したノンVOC枚葉インキや低温乾燥オフ輪インキを発売するとともにUVインキの性能向上に努めました。また、本年2月に開催したプライベートショウにおいては、これらの新製品の紹介に加え、当企業グループのコア技術を駆使した新しい事業分野における次世代製品の提案も行いました。
第二の方針である「グローバルネットワークを攻めと守りの両面から強化」については、インドや東南アジアを始めとする成長地域での生産設備の拡充を進めたうえ、メキシコに現地法人を設立するなど、ネットワークの強化と拡大を図りました。さらにトルコでは、前年度の新会社設立に続き、本年1月には現地の印刷インキメーカーであるDYO Printing Inks社(現 東洋プリンティングインクス株式会社)の株式を75%取得し、中東・北アフリカ・中央アジア・欧州のビジネスハブとしての基盤を確保しました。
第三の方針である「6つの資源の価値向上、グループ各社の価値増大」については、グループ各社の自主、自立、自走を図るため、中核となるトーヨーカラー、トーヨーケム、東洋インキ株式会社の経営機能を強化するとともに、経営情報のタイムリーな共有化を図るため、グローバル規模での統合システムの導入を開始しました。
以上の活動に取り組み、各事業を推進してまいりましたものの、需要の低迷が続きましたため、当連結会計年度の売上高は2,832億8百万円(前連結会計年度比1.2%減)と減収になりましたが、営業利益は184億70百万円(前連結会計年度比1.4%増)と増益になりました。また、経常利益は186億97百万円(前連結会計年度比3.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は121億90百万円(前連結会計年度比8.4%減)となりました。
報告セグメントのそれぞれの業績につきましては、次のとおりです。
| 売上高 | 営業利益 | ||||
セグメントの名称 | 前連結 | 当連結 | 増減率 | 前連結 | 当連結 | 増減率 |
色材・機能材関連事業 | 78,465 | 71,878 | △8.4 | 7,290 | 4,461 | △38.8 |
ポリマー・塗加工関連事業 | 59,495 | 60,894 | 2.4 | 3,646 | 5,547 | 52.1 |
パッケージ関連事業 | 63,114 | 64,623 | 2.4 | 1,768 | 2,723 | 54.0 |
印刷・情報関連事業 | 87,468 | 87,439 | △0.0 | 2,639 | 2,977 | 12.8 |
その他 | 5,704 | 5,980 | 4.8 | 2,833 | 2,754 | △2.8 |
計 | 294,248 | 290,816 | △1.2 | 18,177 | 18,464 | 1.6 |
消去又は全社 | △7,564 | △7,608 | - | 33 | 5 | - |
連 結 | 286,684 | 283,208 | △1.2 | 18,210 | 18,470 | 1.4 |
高機能顔料や液晶ディスプレイカラーフィルター用材料は、国内需要の低調が続きましたうえ、台湾や韓国での液晶パネルの生産稼働率低下と、中国への市場シフトに伴う価格競争激化の中で、部材へのコストダウン要請が一層厳しくなりましたことや、拡販に苦戦しましたことが響き、売上高や営業利益が減少しました。
汎用顔料は、国内では包装用の印刷インキ向けや自動車関連が堅調でしたが、建築関連は低調に終りました。海外では中国やインドでの拡販が進みました。
プラスチック用着色剤は、国内では容器用の拡販が進みましたものの、太陽電池向けなどの産業資材関連は低調に推移しました。海外ではヨーロッパが拡販により利益改善が進みましたが、中国や東南アジアでの事務機器や家電向けは低調に推移しました。
これらの結果、当事業全体の売上高は718億78百万円(前連結会計年度比8.4%減)、営業利益は44億61百万円(前連結会計年度比38.8%減)と、減収減益に終りました。
塗工材料は、広告サイン用や工業用の両面テープが伸び悩みましたものの、韓国や中国向けの電磁波シールドフィルムの売上が回復してきました。
接着剤は、包装用が国内で堅調に推移し、中国、東南アジアでの環境対応製品の拡販も進みましたうえ、太陽電池用も海外で回復してきました。粘着剤は、国内でラベル用が堅調なうえ、韓国や中国でのディスプレイ用や、北米での工業用の拡販が進みました。
缶用塗料(フィニッシェス)は、国内ではビール等の飲料缶用の拡販が進みましたうえ、東南アジアでも堅調に推移しました。
これらの結果、当事業全体の売上高は608億94百万円(前連結会計年度比2.4%増)と増収になりましたうえ、コストダウンが進みましたため、営業利益は55億47百万円(前連結会計年度比52.1%増)と増益になりました。
国内のグラビアインキは、出版用の構造的減少が継続しましたうえ、建装材用も前半伸び悩みましたが、主力の包装用が食品向けを中心に堅調に推移、新製品の拡販も進み、営業利益も改善してきました。
海外では、東南アジアやインドで包装用ボリュームゾーン向けの環境対応インキの拡販が継続しましたうえ、北米の建装材用インキも堅調に推移しました。
また、グラビアのシリンダー製版事業は、顧客の内製化による需要減少が進みましたが、グラビア関連の機器販売は増加しました。
これらの結果、当事業全体の売上高は646億23百万円(前連結会計年度比2.4%増)、営業利益は27億23百万円(前連結会計年度比54.0%増)と、増収増益になりました。
オフセットインキは、国内での枚葉やオフ輪、新聞インキは、デジタル化に伴う情報系印刷市場の縮小という構造的不況による需要減少や、原材料価格の高止まりによる営業利益の圧迫が続きましたが、国内やヨーロッパを中心にグローバル規模でのUVインキの拡販が進みましたうえ、タッチパネル用ハードコート剤も後半回復してきました。
中国や東南アジアでは、景気の減速により売上が伸び悩みました一方、インドやブラジルでは拡販が進みましたが、事業拡大の費用が先行し、利益は圧迫されました。
グラフィックアーツ関連機器及び材料は、国内オフセット印刷市況の低迷に伴い、印刷関連の材料や機器販売が減少しました。
これらの結果、当事業全体の売上高は874億39百万円(前連結会計年度比0.0%減)と前年度並みのなか、営業利益は29億77百万円(前連結会計年度比12.8%増)と増益になりました。
上記のセグメントに含まれない事業や、東洋インキSCホールディングスなどによる役務提供などを対象にしていますが、売上高は59億80百万円(前連結会計年度比4.8%増)と増収になりましたが、営業利益は27億54百万円(前連結会計年度比2.8%減)と減益になりました。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 25,702 | 25,886 | 183 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △6,198 | △17,457 | △11,259 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △13,585 | △5,975 | 7,609 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 42,546 | 43,744 | 1,197 |
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の期末残高は、期首残高より11億97百万円増加し、437億44百万円となりました。
営業活動により得られた資金は258億86百万円(前連結会計年度比1億83百万円増)となりました。税金等調整前当期純利益計上による資金の増加や法人税等の支払いによる資金の減少などがありました。
投資活動により使用した資金は174億57百万円(前連結会計年度比112億59百万円増)となりました。有形固定資産の取得などに伴う支出などによるものです。
財務活動により使用した資金は59億75百万円(前連結会計年度比76億9百万円減)となりました。配当金の支払いに伴う支出などによるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
色材・機能材関連事業 | 82,772 | △10.5 |
ポリマー・塗加工関連事業 | 46,299 | 0.3 |
パッケージ関連事業 | 46,114 | 4.7 |
印刷・情報関連事業 | 53,852 | △0.1 |
報告セグメント計 | 229,037 | △3.2 |
その他 | 299 | △15.4 |
合計 | 229,337 | △3.2 |
(注) 生産金額は製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。
当企業グループにおける受注生産は極めて少なく、大部分計画生産でありますので、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
色材・機能材関連事業 | 68,944 | △8.9 |
ポリマー・塗加工関連事業 | 58,923 | 2.6 |
パッケージ関連事業 | 63,912 | 2.5 |
印刷・情報関連事業 | 87,251 | 0.2 |
報告セグメント計 | 279,031 | △1.3 |
その他 | 4,176 | 2.3 |
合計 | 283,208 | △1.2 |
(注) 1 上記の金額は、連結会社間の内部売上高を除いております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
中期経営計画「SCC-Ⅲ」の最終年度にあたる次期は、その成果を確保し、次のステップにつなげる年として、「マーケティング主導のイノベーションの加速による着実なビジネス獲得」「変化に柔軟に対応できるグローバルネットワークの構築」「さらなる権限移譲の推進によるグループ各社の自主・自立・自走の加速」を課題として取り組み、各事業を推進してまいります。
色材・機能材関連事業では、液晶ディスプレイ市場の中国へのシフトに合わせて、中国での販売体制を強化するとともに、新規開発したグリーン顔料を中心とした拡販を図ります。また技術体制を強化し、開発スピードを上げたうえ、イメージセンサー向けなどの高機能材料の開発も進めます。さらにはエネルギー分野でも、中国市場をターゲットにした、リチウムイオン電池用材料などの開発と拡販を推進します。プラスチック用着色剤は、高付加価値製品へのビジネスモデルの転換を行うとともに、メキシコでの自動車用材料の生産を開始し、グローバルでの供給体制をさらに拡充していきます。
ポリマー・塗加工関連事業では、機能性フィルムや導電材料、UV接着剤などのエレクトロニクス及びディスプレイ関連材料や、衛生用品用の粘着剤などのヘルスケア関連材料の開発、拡販を進めたうえ、医薬品事業への参入も図り、事業や製品ラインアップを拡充していきます。また、包装市場向けのラミネート接着剤や粘接着剤、缶用塗料では、新たにトルコを始めとする中東やインド、北米での拡販を進めるとともに、国内や韓国、中国、東南アジアの各拠点を交えたグローバルな製品開発や生産管理、品質保証体制を強化していきます。
パッケージ関連事業では、グローバル展開している環境に配慮したグラビアインキや、軟包装用フレキソインキのさらなる性能向上に加え、中国や東南アジア、欧州での技術サービス体制を充実して、地域ニーズに合致した製品提供にも努めます。また、増強したインドやブラジル、中国四川省での生産設備や、買収したトルコの印刷インキメーカーを活用し、それぞれの国での拡販を図ったうえ、周辺地域の市場開拓も進めていきます。
印刷・情報関連事業では、世界的に需要が拡大しているUVインキのグローバルな供給体制の拡充のため、現在建設中である富士製造所での顔料との一貫生産を図った工場と、ベルギーでの食品関連印刷物向けに特化した工場の早期の安定稼働を図ります。また、枚葉やオフ輪、新聞インキでは、需要が縮小しつつある国内や中国で、品種統合や販売体制の整備などを引き続き進め、品質向上とコストダウンの両立を図るとともに、インドやブラジルでの拡販や、トルコを中心に中東・アフリカへの展開も推進していきます。
これらに加え、次期は創立110周年に当たりますことから、プライベートショウを拡充、東京・大阪の両都市で開催し、グループとしての発信力、ブランド力を強化していきます。また本年秋に予定している新本社ビルへの移転を契機に、より一層、企業グループとしての品格を向上させた新たな社風を作り上げ、企業価値の増大を図ってまいります。
当社は経営理念として「世界にひろがる生活文化創造企業を目指す」ことを掲げ、持株会社(ホールディングカンパニー)体制のもと、グループ連峰経営による企業活動を行っており、今後とも中長期的視野に立って、当社グループの総合力を発揮し、更なる発展を図ることが、当社グループの企業価値の向上と株主共同の利益に資することと確信しております。
対象となる会社の経営陣の賛同を得ることなく、一方的に大規模な株式の買付けを強行するという大規模買付行為に対しては、当社は一概にこれを否定するものではなく、株主がこれを受け容れて大規模買付行為に応じるか否かについては、最終的に株主の判断に委ねるべきものと考えております。しかし、実際には、大規模買付者に関する十分な情報の提供がなくては、株主は、当社グループの企業価値に及ぼす影響を適切に判断することはできません。当社は、大規模買付者による情報提供、当社取締役会による検討・評価といったプロセスを確保するとともに、当社グループの企業価値又は株主共同の利益に対する明白な侵害を防止するため、大規模買付行為に対する対抗措置を準備しておくことも、また当社の取締役としての責務であると考えております。
当社は企業価値の最大化を実現するため、平成29年(2017年)3月期に向けて目指す姿「SCC2017」(Specialty Chemical maker Challenge)を策定しております。
平成20年度から平成22年度の3ヵ年計画「SCC-Ⅰ」ではリーマン・ショックへの対応として収益基盤強化を、平成23年度から平成25年度の3ヵ年計画「SCC-Ⅱ」では東日本大震災の影響からの復興として成長戦略を推進してまいりました。そして平成26年度から平成28年度までの3ヵ年計画「SCC-Ⅲ」では、SCCを「Science Company Change」と再定義し、SCC-Ⅰ、SCC-Ⅱでの基盤整備と成長戦略を着実に結実させ、「先端技術とグループネットワークの革新を重ね、世界の多様な人々と共に多彩な生活文化を創造する企業グループ」を目指してまいります。このような中長期的な取組みにおいて、ホールディングカンパニー体制を活かし、スピードを重視した事業運営や当社グループ全体のフレキシブルな経営資源の活用を進めるとともに、環境対応やリスク対応、グローバル共生、企業の社会的責任(CSR)を重視した「持続可能な経営」を強化してまいります。
特定の株主又は株主グループ(以下「特定株主グループ」といいます。)によって当社の株式の一定規模以上の買付行為が行われた場合の対応策(以下「本施策」といいます。)は、特定株主グループの議決権保有割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権保有割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(当社取締役会が予め同意したものを除き、以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)が、当社グループの企業価値に重大な影響を及ぼす場合において、上記に記載した基本方針に沿って当社グループの企業価値を確保し又は向上させるため、大規模買付行為に適切な対応を行うことを目的としております。
a.取締役会に対する情報提供
b.取締役会における検討及び評価
c.独立委員会の設置
一定の大規模買付対抗措置の発動の要件をみたす場合は、当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、会社法その他の法令及び当社定款によって認められる相当な大規模買付対抗措置を決議することができます。
本施策の有効期間は、平成29年6月開催予定の当社の定時株主総会終結時までとなっております。また、当社株主総会又は当社取締役会において本施策を廃止する旨の決議が行われた場合には、本施策は廃止されます。
本施策で引用する法令の規定は、平成26年5月13日現在施行されている規定を前提としているものであり、同日以後、法令の新設又は改廃により、上記各項に定める条項ないし用語の意義等に修正を加える必要が生じた場合には、当社取締役会において、当該新設又は改廃の趣旨を考慮のうえ、上記各項に定める条項ないし用語の意義等を適宜合理的な範囲内で読み替えることができるものとします。
上記2に記載した企業価値の向上のための取組みは、当社グループの企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。
本施策は、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かについて株主が適切に判断し、また、当社取締役会が株主に代替案を提案するために必要な情報や時間を確保し、株主のために大規模買付者と協議又は交渉を行うことを可能とすることにより、当社グループの企業価値及び株主共同の利益を確保するためのものであり、基本方針に沿うものです。
a.企業価値・株主共同の利益の確保・向上の目的
b.事前開示
c.株主意思の反映
d.取締役会の判断の客観性・合理性の確保
e.買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること
f.デッドハンド型買収防衛策ではないこと
当企業グループの経営成績及び財政状態等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当企業グループが判断したものであります。
エレクトロニクス関連材料や包装用材料、印刷インキなどの当企業グループの主力製品は、一般的な消費動向の影響を受ける傾向があります。経済動向の影響を受けづらい収益構造を構築するため、世界各国でのさらなる事業展開、SCMの構築と、エネルギー分野やライフサイエンス分野等で、高機能製品の開発・販売をさらに強化しております。また、人件費・経費といった総固定費や原材料費等の変動費の削減など、経営全般におけるコスト削減を進めております。しかしながら、今後、消費需要の落ち込みもしくは販売価格の下落により、当企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当企業グループで製造する製品の主原料は石油化学製品であり、石油化学製品の仕入価格は、原油・ナフサなどの市況変動に大きな影響を受けます。政治情勢、国際的な投機などの要因で原油・ナフサ市場が高騰し、需給バランスが変動することにより、購入価格の上昇や調達困難を招いた場合は、当企業グループの売上高及び利益の低下を招く可能性があります。
当企業グループは、世界各国で事業を展開しており、海外連結子会社の財務諸表項目の円換算額は、為替相場に左右されます。急激な為替レートの変動により、当企業グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、外貨建て取引について、為替予約などにより相場変動リスクの軽減措置を講じておりますが、同様の可能性があります。
当企業グループは、事業展開する内外各国において、事業活動に関わる一般的な法的規制の適用を受けております。これらの遵守のためCSR(コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ)統括委員会の傘下にCSR推進部会、リスクマネジメント部会、コンプライアンス部会及び環境安全部会を設置・運用するとともに、財務報告の適正性確保のための内部統制システムの整備と運用の確保に努めております。しかしながら、国内及び海外事業に関連して、環境問題や製造物責任、特許侵害を始めとする当企業グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟紛争、その他の法律的手続きが今後発生しないという保証は無く、万一訴訟等が提起された場合、その争訟金額等によっては当企業グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当企業グループでは、事業を展開する上で、当企業グループ及び取引先の機密情報や個人情報などの秘密情報を保持しております。その多くは電子情報として保持・利用されておりますが、インターネットをはじめとするネットワーク環境において、コンピュータウィルスやセキュリティ侵害による情報漏洩、滅失または毀損のリスクは増大する傾向にあります。当企業グループとしては、情報システム面で万全の対策を講じるとともに、情報セキュリティオフィスを設置し、情報管理強化と社員教育を通じてリスク低減に努めておりますが、万一不測の事態により情報漏洩、滅失または毀損が発生した場合は、社会的信頼の失墜、秘密保持契約違反、当企業グループのノウハウの流出または逸失による競争力の低下などが発生する可能性があります。
当企業グループの製品は、国内外のさまざまな業界の多数の顧客に納入しておりますが、顧客の経営状況によっては、これらに対する売上債権等を回収することができないこともあり得ます。現有債権につきましては回収不能見込額を既に引当金として計上するとともに、今後の貸倒れの発生が減少するように与信管理を強化しておりますが、予想を上回る回収不能が発生した場合には、当企業グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当企業グループは、海外においても生産及び販売活動を行っており、今後伸長が見込まれる海外市場への進出も拡大していく方針です。これらの海外市場への事業進出には以下のようなリスクが内在しており、これらの事象が発生した場合は、当企業グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・予期しえない法律・規制・不利な影響を及ぼす租税制度の変更
・社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当企業グループの活動への悪影響
・不利な政治的要因の発生
・テロ、戦争、伝染病などによる社会的混乱
・予期しえない労働環境の急激な変化
当企業グループでは、大規模地震等の自然災害や新型インフルエンザ(パンデミック)等の不可避的な事業中断リスクを想定し、リスクに応じた緊急行動マニュアルの策定や定期的な実地訓練等による事業継続体制の整備に努めておりますが、予想を上回る被害の拡大や長期化が進みますと、建物や生産設備等をはじめとする資産の毀損、従業員の出勤不能、電力・水道の使用制限、原材料の調達困難、物流機能の停滞等により供給能力が低下し当企業グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当企業グループでは、製造工程で発生する廃棄物、大気や公共用水域への排出物、臭気や騒音・振動、冷凍空調設備で使用されるフロン等について、国内外の様々な環境法規による規制を受けております。当企業グループでは、これらの規制を順守するとともに、2017年3月期に目指す姿“SCC2017”に対応した環境目標を定め、エネルギー使用量、産業廃棄物発生量、用水使用量等の削減を進めておりますが、環境法規の順守または環境改善のための追加的な義務に関連する費用が発生する場合は、業績等に影響が生じる可能性があります。
また、当企業グループは化学製造業を主な事業としており、原料や製品に危険物や化学物質を多数扱っております。社会的責任経営の一環として、CSR 統括委員会傘下の環境安全部会を中心に、火災等の事故発生防止や事業所周辺への環境負荷低減に積極的に取り組んでおり、化学物質の使用に関して想定されるリスクに対しても、あらゆる回避策を講じておりますが、火災、漏洩等の不測の事態や法整備以前の過去の行為に起因する土壌・地下水汚染などが発生した場合には、当企業グループの生産能力や社会的信用の低下、土壌・地下水汚染対策費の発生などを招く恐れがあります。
当社は、トルコ共和国のYasar Holding社との間で、Yasar Holding社の子会社であるDYO Printing Inks社の発行済株式の75%を取得する株式譲渡契約を平成27年12月16日に締結いたしました。なお、平成28年1月15日に株式を取得すると同時に、DYO Printing Inks社は東洋プリンティングインクス株式会社へ社名変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当企業グループは、独自性を有する新規技術の開発とコア技術の更なる進化を柱として、当社の二大素材である顔料と樹脂の設計・合成に係わる要素技術と、分散・印刷・塗加工に係わる要素技術とを融合させることで、3つの事業ドメインとその重点分野(①ライフサイエンスドメイン:パッケージ分野・ヘルスケア分野、②コミュニケーションサイエンスドメイン:エレクトロニクス分野・ファインイメージング分野、③サスティナビリティサイエンスドメイン:環境調和分野、エネルギー関連分野)に向けて、新規材料及び製品の開発から生産技術の開発に至るまで、多彩な生活文化の創造と持続可能な社会の実現を目指して、積極的な研究開発活動を行っております。
当企業グループにおける研究開発は、当社のグループテクノロジーセンター(イノベーションラボ、マテリアルサイエンスラボ、ポリマーデザインラボ、解析技術ラボ)、生産・物流本部(プロセスイノベーション研究所)、及び国内外の各連結子会社の技術部門により推進しております。研究開発スタッフは、グループ全体で約600名です。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、74億34百万円であり、各セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりです。
当事業では、これまで培ってきたコア技術である合成技術、微粒子制御技術、分散技術を駆使し、さらに先端技術へのイノベーションに挑戦することで、新たな独自製品により多様・多彩な生活文化に貢献してゆきます。
カラーフィルター用材料では、従来まで市場で好評を頂いている高機能顔料群をさらに充実すべく、省電力及び高画質に寄与することを目的とし、独自設計による新規グリーン色材の開発に成功し、工業化段階に入りました。今後、市場展開を進めていく予定です。さらにモバイル・ウェアラブル端末及び高品位テレビなど多様化するパネル表示方式及びニーズに対応すべく、各種パネル方式に対応した製品群の充実を目指しております。また、今後市場拡大が期待される中国市場向けの製品開発を強化しました。一方、顔料及び分散体生産のプロセス革新にも取り組んでおり、省エネ、環境負荷低減への寄与と、高機能分野への展開を視野に入れた生産工場への改革を進めてゆきます。
分散体技術の応用展開である機能性分散体製品群としては、リチウムイオン二次電池用分散体「LIOACCUMワンショットワニス」がトヨタ自動車株式会社のハイブリッド車「新型プリウス」に採用され、工場での生産が本格的に立ち上がりました。海外展開についても積極的に取り組んでおり、LIOACCUMシリーズの更なる事業拡大を進めてゆきます。
カーボンナノチューブ及びその分散加工製品に関しては、カーボンナノチューブの各種特性を活かしたアプリケーション開発を推進しております。なかでも、カーボンブラックを超える高漆黒性に着目し、専用グレードのカーボンナノチューブを設定いたしました。また、その分散体の市場展開を開始しております。
プラスチック着色剤に関しては、カーボンナノチューブを導電性及び色材としての特性を活かした、導電性樹脂成形材料、高漆黒マスターバッチを開発し、サンプルワークを開始しております。各種の樹脂に対応した提案を進めてまいります。
当事業に係わる研究開発費は、30億3百万円です。
当事業では、塗加工材料・粘着剤・接着剤・ホットメルト・機能性コーティング剤等の事業の礎となるポリマー・サイエンス・テクノロジープラットフォームの拡充に取り組み、高付加価値製品/環境調和製品の開発を通して、豊かな暮らしと持続可能な社会に貢献してゆきます。
スマートフォン・タブレット市場向け機能性フィルムは、独自のポリマー技術と分散技術を駆使した導電材を用いた機能性フィルム製品群が市場の高い評価を受けており、特にデバイスの構造変化に関わる新製品を開発・提案しております。さらに、耐熱粘着シートや研磨パッド用両面テープ等幅広い分野に向けた製品群を開発しております。
粘接着剤は、特に海外での事業進展に伴い、環境調和かつお客様のコストダウンに寄与できる高固形分粘着剤の実績が拡大し、さらに独自の一液化高固形分粘着剤を開発いたしました。また、国内では光学用UV接着剤の製品拡充を図るとともに、ヘルスケア用粘着剤の製品開発も進めてまいりました。このように国内外でお客様のニーズを的確に捉えた製品を拡充いたしました。なお、2016年4月に積水メディカル株式会社から貼付型医薬品事業を取得しております。当事業が開発してきたポリマー・サイエンスのテクノロジープラットフォームから生まれる樹脂との相乗効果で、貼付型医薬品新製品の開発を加速させてまいります。
電池周辺材料は、「発電効率向上」「長寿命化」「コストダウン」を目標に開発を進め、太陽電池バックシート用接着剤のほか、密着向上プライマーの開発が拡充するとともに、リチウムイオン二次電池パッケージ用接着剤や、セパレーター・電極用樹脂の開発が進みました。
製缶用塗料「Finishes」では、先端的な環境性能を有する新製品の拡販が始まるとともに、海外のニーズを捉えたローグレード/ミドルグレード製品の新製品群が完成し、国内・海外への市場展開で実績化を推進中です。
当事業に係わる研究開発費は16億25百万円です。
当事業では、世界に広がる生活文化創造企業として、持続可能社会及び炭素化社会の実現に向け、省材・省エネルギーやVOC・CO2排出削減に繋がる環境調和型製品群の開発に取り組んでおります。
グラビアインキでは、ノントルエン・ノンMEK型ラミネートインキ「リオアルファS」、特にグローバルマーケットにおいては「MULTISTAR」がお客様より高いご評価を頂いております。また、ラミネート分野ではVOC排出量削減対策として無溶剤型接着剤を用いたラミネート方式が国内外で増加しておりますが、当社では無溶剤型ラミネート加工適性を大幅に向上したインキを新たにラインナップしました。高難易度構成とされてきたセミバリア構成(PET/インキ/接着剤/VMCPP、OPP/インキ/接着剤/VMCPP)においても良好なラミネート外観が得られることが特徴です。無溶剤ラミネート方式で対応できる用途の拡大により、ラミネート加工の高速化、外観不良によるロスの低減へ貢献致します。さらには東洋モートン社製のノンソル接着剤と併せて使用することで、より良好なラミネート外観が得られます。
また、独自の樹脂合成技術により開発した水性グラビアインキ「アクワエコール」は国内のお客様で高い評価を頂いておりますが、グローバル市場、特にVOC排出規制が強化される中国市場への展開も行っております。
フレキソインキでは500m/分の高速印刷適性を有する水性ラミネートインキ、安全性と操作性に優れたEBフレキソインキなどVOC削減に繋がる環境調和型製品の開発を継続して進めております。
さらには、東洋アドレ株式会社のホットメルト接着剤や東洋FPP株式会社の製版技術とも組み合わせ、お客様の様々なプロセスに対応できる多様なトータルソリューション提案を積極的に進めてまいります。
当事業に係わる研究開発費は、9億55百万円です。
当事業では、お客様であります印刷会社にとっての生産性や品質の向上に繋がる事はもちろん、製造工程や原材料においても「脱石化素材によるVOC削減」、「非食用天然原料や再生植物油の使用による循環型社会への貢献」、「原料調達・生産過程でのCO2排出量の大幅な削減」など、環境対応にも配慮したインキ製品をラインナップしています。
オフセットインキでは、業界初の溶剤型インキ性能を有するノンVOCインキ「TOYO KING NEX NV100シリーズ 」、パウダー不要で棒積み可能な「TOYO KING NEX PLシリーズ」の開発、乾燥温度を下げられる事でガス代が削減でき、かつ火皺・背割れを抑制できる低温乾燥オフ輪インキの開発など、お客様の生産性向上、コスト削減と共に持続可能社会の実現に向けた製品開発を継続して進めております。
UVインキは、より省電力で硬化する高感度UV・LEDインキが、その特徴である瞬間硬化による短納期化や無溶剤、パウダーレス、諸耐性(耐摩擦性、耐熱性、耐溶剤性等)を生かし大きく伸長しております。また、美粧性の向上や耐指紋性を具備するなどの高付加価値機能が表現できるコートニス、シール・ラベル用フレキソインキ、さらに、スイス条例など各種規制に対応し、より安全安心に配慮した食品包装用インキ開発など、多様な市場ニーズに対応するラインナップ拡充を行い、グローバル市場への展開も行っております。
インクジェットインキでは、屋外広告サイン向けの低臭気溶剤系インキ、LED硬化型UVインキ、さらには水性インキといった環境対応製品の拡充を図り、プリント・オン・デマンド(POD)用途では高速印刷を実現する水性インキや、ローマイグレーションUVインキの開発を進め、ライフサイエンス市場への拡張を進めております。
当事業に係わる研究開発費は、18億35百万円です。
なお、上記の4つの事業に含まれない研究開発費は、15百万円であります。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当企業グループが判断したものであります。
当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されていますが、その作成には経営者による会計方針の選択・適用と、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りにあたっては過去の実績等を勘案し合理的な判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性がありますため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度の経営成績は、売上高は2,832億8百万円、営業利益は184億70百万円、経常利益は186億97百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は121億90百万円となりました。
その状況は、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要」に記載の通りで、成長戦略として、エネルギー関連製品や機能性フィルムの供給など、事業領域の拡大を進めるとともに、グローバル展開の強化により海外売上高比率も過去最高の44%まで達しましたが、印刷市場や液晶ディスプレイ関連市場を始めとする需要の低調により、売上高は前年度や予想値と比べ減収に終わりました。一方、営業利益は、高機能製品の拡販や代替原料への置き換えなどによる原材料価格の低減、工程改善などによるコストダウンを進めましたため、前年度や予想値と比べ増益になりました。また経常利益や親会社株主に帰属する当期純利益は、多額の為替差益や固定資産売却益のありました前年度には及ばなかったものの、予想値よりは上回る結果となりました。
当企業グループが提供する製品の市場は多岐に渡っておりますが、一般的な消費動向や、石油化学製品の仕入価格、為替レートなどは、当企業グループの経営成績に大きく影響を与える要因になっております。これらのリスクに対しては、高機能製品の開発・拡販、コスト削減、資金の効率的な回転など、経済動向の影響を受けづらい収益構造の構築に努めるとともに、石油代替原料の検討や、調達手段の多様化、地産地消などの対策を進めております。
また、海外売上高比率の拡大が進むなか、海外での法的規制や社会的混乱などへのリスクも重要なものと捉えており、対応する体制やシステムの強化などに努めております。
その他、環境や災害への対応など、当企業グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、「第2 事業の状況」の「4 事業等のリスク」に記載の通りですが、これらの発生を抑制する活動を、CSR統括委員会傘下のリスクマネジメント部会を中心に、引き続き積極的に推進していきます。
当企業グループは、「人間尊重の経営」を経営哲学に掲げ、「世界にひろがる生活文化創造企業を目指す」ことを経営理念とし、「CS(顧客満足)、ES(社員満足)、SS(社会満足)、SHS(株主満足)を向上させる」ことを行動指針として、全ての企業活動を進めています。
また創業第2世紀に入った当企業グループは、110周年となる平成28年度(2017年3月期)を次なるターゲットとして、SCC-Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ (各3カ年) の3つの中期経営計画を進めてきましたが、次連結会計年度(平成28年度)は、最後のステップである「SCC(Science Company Change)-Ⅲ」の最終年度となります。「エボリューションプラン」と名付けた当中期計画は、サイエンス思考で事業・技術領域を進化、拡大させるサイエンスカンパニーへの変革を目指しており、最終年度の次年度は、その成果を確保し、次のステップにつなげる年と位置付けております。
当連結会計年度の営業活動により得られた資金が258億86百万円、投資活動により支出した資金が174億57百万円となりました結果、現金及び現金同等物の期末残高は437億44百万円と、前連結会計年度末と比べ11億97百万円増加しました。有利子負債は673億3百万円と3億79百万円増加しましたが、これはトルコの東洋プリンティングインクス株式会社の買収により、当該社保有の有利子負債が連結化したためであり、実質は減少しています。またDEレシオは0.35倍と圧縮、自己資本比率は57.7%と上昇、成長事業や地域への積極的な投資を進めながらも、運転資金の抑制などにより、キャッシュフローの改善が図られ、財務体質はさらに強固になってきております。
一方、株主の皆様への還元も、前述の「SHSの向上」の重要な施策の一つであり、将来の利益向上に寄与するための内部留保の充実に努めつつ、安定的な配当を継続することを基本方針として、業績や経営環境を総合的に勘案して配当を行っております。当連結会計年度も、この方針に従って、期末配当金を1株につき8円とし、年間では15円50銭(前連結会計年度より1円増配、連結での配当性向37.9%)を配当させていただくこととしました。
今後の経済環境は、世界的に緩やかな改善が続くことが期待されますが、金融市場の混乱、原油価格の下落、地域紛争やテロ拡大の影響など、先行き不透明な状態がさらに深まってくるものと思われます。
当企業グループにおいても、厳しい事業環境が続くものと予想されますが、次連結会計年度(平成28年度)は中期経営計画「SCC-Ⅲ」の最終年度として、「マーケティング主導のイノベーションの加速による着実なビジネス獲得」「変化に柔軟に対応できるグローバルネットワークの構築」「さらなる権限移譲の推進によるグループ各社の自主・自立・自走の加速」を課題として取り組み、また事業別には「第2 事業の状況」の「3 対処すべき課題」に記載の通りの活動を進めることで、企業価値の増大を図ってまいります。