文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業グループが判断したものであります。
当企業グループは、「人間尊重の経営」を経営哲学に掲げ、「世界にひろがる生活文化創造企業を目指す」ことを経営理念とし、「CS(顧客満足)、ES(社員満足)、SS(社会満足)、SHS(株主満足)を向上させる」ことを行動指針として、全ての企業活動を進めています。
時代を超えてこれらの経営哲学や経営理念、行動指針は不変のものとし継続しながらも、時代に応じて読み替えながら進化させることで、創業200周年に向け持続的な成長を目指していきます。
具体的には、生活文化創造企業として貢献する対象を、生活者だけでなく、生命や地球環境まで拡げ、これらの課題解決に取り組むことで、すべての対象がいきいきと共生する世界の実現に貢献してまいります。
また価値革新への追求や、リスクマネージメントの高度化も含めた、自らの持続的成長を可能にする企業体質への変革と、すべてのステークホルダーの持続に貢献する長期的な視点での満足度の向上に努めていきます。
当企業グループでは、持続的成長を可能にする企業体質へと変革する観点から、売上高や利益を重要な経営指標と位置付け、事業の拡大と企業価値の向上に努めてまいります。
当企業グループでは、長期構想を10年単位で掲げているなか、次なるターゲットである2027年に向けて提供していく価値を「For A Vibrant World」と定め、「100年レンジでの持続的成長が可能な企業体質に変革し、すべての生活者・生命・地球環境がいきいきと共生する世界に貢献する企業グループ」を目指しています。
この新たな長期構想の企業活動コンセプトは「Scientific Innovation Chain 2027(SIC27)」とし、「技術・製品」、「ビジネスモデル」、「ネットワーク」、「モノづくり」、「経営基盤」の5つの基軸で、革新的に発想し、科学的に実行する連鎖によって、持続的に成長できる企業体質に変革することを目指しています。また、ドメイン(事業領域)の枠組みも戦略的に見直し拡大することで、成長市場のみならず、社会課題の解決や生命、地球環境の持続的な成長に貢献する領域にも注力していきます。
この長期構想の第一ステップとなる中期経営計画「SIC-Ⅰ」(2018年度~2020年度)においては、長期構想SIC27の持続的成長の礎を創り上げる期間と位置づけ、マーケットの潜在ニーズを踏まえた提案型ビジネスにより、既存事業の変革を進めたうえ、新しい地域やマーケットへの展開、さらにはコア技術を活かした新しいビジネスの創出により、事業領域の拡大と売上の増大を図っていきます。
また、生産プロセスの変革に加え、IoT、AI、ロボット技術なども取り入れることで、モノづくりの革新を果たすとともに、国内外拠点の見直しと活性化を進め、タイムリーな製品供給や、グローバルでの安定品質の低コストでの提供を実現し、さらなる収益向上を目指していきます。
さらには、事業領域拡大やモノづくり革新に必要な経営資源を充実させるのに加え、CSRの推進、リスクマネージメント体制の強化などの経営基盤の確立を進め、社会の一員としての責務をより一層果たしていきます。
この中期経営計画の初年度にあたる当連結会計年度は、事業環境の悪化から業績が伸び悩みましたが、次期は再び長期構想や中期経営計画を見つめ直して、事業の構造改革や企業体質の変革に取り組んでいきます。
年度方針としては、「市場や顧客ニーズの変化を捉えた新たな事業展開と価値提供」、「モノづくり企業として、国内外拠点のサプライチェーン、製品構成、製法・処方を根本から見直し、技術優位で市場を主導」、「変化を厭わず、挑戦を促す風土・人事制度の刷新と業務改革」の3つを掲げ、以下のように各事業を推進していきます。
色材・機能材関連事業では、環境規制の影響が懸念される顔料事業はアライアンスを拡大する一方、機能材事業はリチウムイオン電池用材料の拡販に加え、さまざまな成長市場に展開し、事業領域の拡大を図っていきます。また、液晶ディスプレイカラーフィルター用材料の拡販と供給体制の強化を継続するとともに、次世代ディスプレイやセンサー向け材料の開発も加速させます。
ポリマー・塗加工関連事業では、エレクトロニクスやディスプレイ関連の製品群の拡充や、高速通信対応などの高機能化を進めるとともに、引き続き環境対応型の缶用塗料や包装用接着剤のグローバルでの拡販と、供給体制の強化を図ります。また貼付型医薬品など、ライフサイエンス分野での製品開発や、サプライチェーンの整備も促進していきます。
パッケージ関連事業では、天然物由来の原料などを用いた環境対応製品を継続して市場に投入するとともに、海外でのボリュームゾーン向けのグラビアインキや、軟包装用フレキソインキの性能向上と拡販を進めます。また、品種統合や生産効率化も進めコスト改善にも努めます。
印刷・情報関連事業では、市場の縮小が進む国内での構造改革を加速する一方、需要の拡大が見込まれる新興地域へのエリア拡大は今後も進めていきます。また、省エネルギーに貢献するUVインキや、デジタル化に対応したインクジェット用インキ事業については、さらなる拡充を図っていきます。
さらには事業セグメント全般を通して、IoTやモビリティ、エネルギー・環境関連などの成長市場でのビジネスチャンスを探るとともに、国内での新天皇即位や消費税率変更、ラグビーワールドカップ開催などに伴う需要の変動に対しても、適切に対応していきます。また、環境に配慮した生産方式や生産拠点の整備、データサイエンス活用による生産や管理体制の見直しも進め、中期経営計画の二年目として、グループ全体で真のサイエンス・カンパニーとしての飛躍を目指してまいります。
当社は経営理念として「世界にひろがる生活文化創造企業を目指す」ことを掲げ、持株会社(ホールディングカンパニー)体制のもと、グループ連峰経営による企業活動を行っており、今後とも中長期的視野に立って、当企業グループの総合力を発揮し、更なる発展を図ることが、当企業グループの企業価値の向上と株主共同の利益に資することと確信しております。
対象となる会社の経営陣の賛同を得ることなく、一方的に大規模な株式の買付けを強行するという大規模買付行為(下記3(1)で定義します)に対しては、当社は一概にこれを否定するものではなく、最終的に株主の皆様のご判断に委ねるべきものと考えております。しかし、実際には、大規模買付者(下記3(1)で定義します)に関する十分な情報の提供がなくては、株主の皆様は、当企業グループの企業価値に及ぼす影響を適切に判断することはできません。当社は、大規模買付者による情報提供、当社取締役会による検討・評価といったプロセスを確保するとともに、当企業グループの企業価値又は株主共同の利益に対する明白な侵害を防止するため、大規模買付行為に対する対抗措置を準備しておくことも、また当社の取締役としての責務であると考えております。
当社は、創業から今日にいたるまで、事業と製品・サービスを通じて顧客・社員・社会における生活文化の創造に真摯に取り組んでまいりました。更に、当社は、今後の事業活動の発展はもとより、常に社会と共存し、株主の皆様をはじめとするステークホルダーの更なる満足度向上と信頼を得ることにより、企業価値・株主共同の利益の確保・向上に努めていきたいと考えております。
この基本的な考え方のもと、当企業グループは、目指す姿“SCC(Science Company Change)2017”に向けて、2008年度から3回の中期経営計画を進め、2014年度からは最終ステップになるSCC-Ⅲを推進してまいりました。2017年度からは、次の10年のありたい姿を新たな長期構想として掲げ、その実現に向けた活動を推進しております。長期構想では企業活動のコンセプトを「Scientific Innovation Chain 2027(SIC27)」とし、「技術・製品」、「ビジネスモデル」、「ネットワーク」、「モノづくり」、「経営基盤」の5つの基軸で、革新的に発想し、科学的に実行していき、その連鎖によって持続的に成長できる企業体質に変革することを目指してまいります。また、これまでのドメイン(ライフサイエンス、コミュニケーションサイエンス、サスティナビリティサイエンスの3つの事業領域)の枠組みを戦略的に拡大し、成長市場のみならず、社会課題の解決や、生命や地球環境の持続成長可能性に繋がる領域にも注力してまいります。このような中長期的な取り組みにおいて、当社は引き続き、ホールディングカンパニー体制を活かし、スピードを重視した事業運営や当企業グループ全体のフレキシブルな経営資源の活用を進めるとともに、環境対応やリスク対応、グローバル共生、企業の社会的責任(CSR)を重視した「持続可能な経営」を強化してまいります。
特定の株主又は株主グループ(以下「特定株主グループ」といいます。)によって当社の株式の一定規模以上の買付行為が行われた場合の対応策(以下「本施策」といいます。)は、特定株主グループの議決権保有割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権保有割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(当社取締役会が予め同意したものを除き、以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)が、当企業グループの企業価値に重大な影響を及ぼす場合において、上記に記載した基本方針に沿って当企業グループの企業価値を確保し又は向上させるため、大規模買付行為に適切な対応を行うことを目的としております。
a.取締役会に対する情報提供
b.取締役会における検討及び評価
c.独立委員会の設置
一定の大規模買付対抗措置の発動の要件をみたす場合は、当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、会社法その他の法令及び当社定款によって認められる相当な大規模買付対抗措置を決議することができます。
本施策の有効期間は、2020年3月開催予定の当社の定時株主総会終結時までとなっております。また、当社株主総会又は当社取締役会において本施策を廃止する旨の決議が行われた場合には、本施策は廃止されます。
本施策で引用する法令の規定は、2017年5月12日現在施行されている規定を前提としているものであり、同日以後、法令の新設又は改廃により、上記各項に定める条項ないし用語の意義等に修正を加える必要が生じた場合には、当社取締役会において、当該新設又は改廃の趣旨を考慮のうえ、上記各項に定める条項ないし用語の意義等を適宜合理的な範囲内で読み替えることができるものとします。
上記2に記載した企業価値の向上のための取組みは、当企業グループの企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。
本施策は、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かについて株主の皆様が適切に判断し、また、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために大規模買付者と協議又は交渉を行うことを可能とすることにより、当企業グループの企業価値及び株主共同の利益を確保するためのものであり、基本方針に沿うものです。
a.企業価値・株主共同の利益の確保・向上の目的
b.事前開示
c.株主意思の反映
d.取締役会の判断の客観性・合理性の確保
e.買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること
f.デッドハンド型買収防衛策ではないこと
当企業グループの経営成績及び財政状態等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。
エレクトロニクス関連材料や包装用材料、印刷インキなどの当企業グループの主力製品は、一般的な消費動向の影響を受ける傾向があります。経済動向の影響を受けづらい収益構造を構築するため、世界各国でのさらなる事業展開、SCMの構築と、エネルギー分野やライフサイエンス分野等で、高機能製品の開発・販売をさらに強化しております。また、人件費・経費といった総固定費や原材料費等の変動費の削減など、経営全般におけるコスト削減を進めております。しかしながら、今後、消費需要の落ち込みもしくは販売価格の下落により、当企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当企業グループで製造する製品の主原料は石油化学製品であり、石油化学製品の仕入価格は、原油・ナフサなどの市況変動に大きな影響を受けます。政治情勢、国際的な投機などの要因で原油・ナフサ市場が高騰し、需給バランスが変動することにより、購入価格の上昇や調達困難を招いた場合は、当企業グループの売上高及び利益の低下を招く可能性があります。
当企業グループは、世界各国で事業を展開しており、海外連結子会社の財務諸表項目の円換算額は、為替相場に左右されます。急激な為替レートの変動により、当企業グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、外貨建て取引について、為替予約などにより相場変動リスクの軽減措置を講じておりますが、同様の可能性があります。
当企業グループは、事業展開する内外各国において、事業活動に関わる一般的な法的規制の適用を受けております。これらの遵守のためCSR(コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ)統括委員会の傘下にCSR推進連絡会議及び専門部会であるリスクマネジメント部会、コンプライアンス部会、環境安全部会を設置・運用するとともに、財務報告の適正性確保のための内部統制システムの整備と運用の確保に努めております。しかしながら、国内及び海外事業に関連して、環境問題や製造物責任、特許侵害を始めとする当企業グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟紛争、その他の法律的手続きが今後発生しないという保証は無く、万一訴訟等が提起された場合、その争訟金額等によっては当企業グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当企業グループでは、事業を展開する上で、当企業グループ及び取引先の機密情報や個人情報などの秘密情報を保持しております。その多くは電子情報として保持・利用されておりますが、インターネットをはじめとするネットワーク環境において、コンピュータウィルスやセキュリティ侵害による情報漏洩、滅失又は毀損のリスクは増大する傾向にあります。当企業グループとしては、情報システム面で万全の対策を講じるとともに、情報セキュリティオフィスを設置し、情報管理強化と社員教育を通じてリスク低減に努めておりますが、万一不測の事態により情報漏洩、滅失又は毀損が発生した場合は、社会的信頼の失墜、秘密保持契約違反、当企業グループのノウハウの流出又は逸失による競争力の低下などが発生する可能性があります。
当企業グループの製品は、国内外のさまざまな業界の多数の顧客に納入しておりますが、顧客の経営状況によっては、これらに対する売上債権等を回収することができないこともあり得ます。現有債権につきましては回収不能見込額を既に引当金として計上するとともに、今後の貸倒れの発生が減少するように与信管理を強化しておりますが、予想を上回る回収不能が発生した場合には、当企業グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当企業グループは、海外においても生産及び販売活動を行っており、今後伸長が見込まれる海外市場への進出も拡大していく方針です。これらの海外市場への事業進出には以下のようなリスクが内在しており、これらの事象が発生した場合は、当企業グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・予期しえない法律・規制・不利な影響を及ぼす租税制度の変更
・社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当企業グループの活動への悪影響
・不利な政治的要因の発生
・テロ、戦争、伝染病などによる社会的混乱
・予期しえない労働環境の急激な変化
当企業グループでは、大規模地震等の自然災害や新型インフルエンザ(パンデミック)等の不可避的な事業中断リスクを想定し、リスクに応じた緊急行動マニュアルの策定や定期的な実地訓練等による事業継続体制の整備に努めておりますが、予想を上回る被害の拡大や長期化が進みますと、建物や生産設備等をはじめとする資産の毀損、従業員の出勤不能、電力・水道の使用制限、原材料の調達困難、物流機能の停滞等により供給能力が低下し当企業グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当企業グループでは、製造工程で発生する廃棄物、大気や公共用水域への排出、騒音・振動、土壌汚染、電気機器に用いられていたポリ塩化ビフェニル、冷凍空調設備で使用されるフロン等について、国内外の様々な環境法規による規制を受けております。当企業グループでは、これらの規制を順守するとともに、エネルギー使用量、産業廃棄物発生量、用水使用量等の削減を進めております。しかしながら環境法規の順守又は環境改善のための追加的な義務に関連する費用が発生する場合は、業績等に影響が生じる可能性があります。
また、当企業グループは化学製造業を主な事業としており、原料や製品に危険物や化学物質を多数扱っております。CSR経営の一環として、CSR 統括委員会傘下の環境安全部会を中心に、火災等の事故発生防止や環境負荷低減に積極的に取り組んでおり、化学物質の使用に関して想定されるリスクに対しても、あらゆる回避策を講じております。しかしながら火災、漏洩等の不測の事態や法整備以前の過去の行為に起因する土壌・地下水汚染などが発生した場合には、当企業グループの生産能力や社会的信用の低下、土壌・地下水汚染対策費の発生などを招く恐れがあります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社及び国内子会社は、前連結会計年度より決算期を3月31日より、海外子会社の決算期と同様の12月31日に変更しました。このため、当連結会計年度の状況につきましては、国内会社、海外会社ともに2018年1月1日から12月31日までの期間を対象として記載しています。また前期との比較につきましては、当連結会計年度と同一の対象期間に調整しました前期数値との比較を記載しております。
当連結会計年度における世界経済の状況は、米国では個人消費に支えられて回復が続きましたうえ、中国を始めとするアジア諸国もスピードは鈍りながらも成長が継続しましたが、通商摩擦や政治的なリスクの高まりに伴い、景気の下振れ懸念も深まってきました。また我が国でも、景気は回復基調にありますものの、相次ぐ災害などの影響もあり停滞感が強まってきました。
このような環境ではありましたが、当企業グループは長期構想や中期経営計画を刷新し、新しいステップにチャレンジするため、次の3つを年度の方針として掲げ、経営活動を行なってまいりました。
第一の方針である「マーケットの潜在ニーズを先取りした迅速な製品開発、価値提供による事業拡大の推進」については、マーケティングや製品開発力の強化を図りながら、新製品や新市場、新事業を展開し、事業領域の拡大と成長戦略の実現を目指しました。
色材・機能材関連事業では、2018年1月より、液晶ディスプレイカラーフィルター用材料事業の生産・販売・技術機能を一体とした「東洋ビジュアルソリューションズ株式会社」を開業し、市場が拡大する中国への拡販や、イメージセンサー向け高機能材料の開発体制の強化を進めました。また漆黒色材やリチウムイオン電池用材料など、高意匠や高機能の分散体の開発、販売も進めています。ポリマー・塗加工関連事業では、新製品開発やクリーン生産技術の強化、ソリューション提案型マーケティングなどにより、エレクトロニクスやディスプレイ分野における粘着剤や塗工材料の拡販が進みました。また環境対応型の包装用接着剤や缶用塗料も、伸長が続いています。パッケージ関連事業では、地球環境大賞環境大臣賞を受賞したバイオマスインキを始めとして、世界各地域でニーズにあった環境対応製品を展開しました。また、マレーシアやベトナムに増設した生産設備の早期安定稼働を図りましたうえ、新たにミャンマーでの拠点設立にも着手しました。印刷・情報関連事業では、刷りやすさを追求した商業用オフセット輪転インキの新シリーズを発売するなど、従来型インキでの顧客ニーズに合わせた製品開発を進めるとともに、インクジェット用などの機能性インキの開発や、供給体制の強化を図りました。
第二の方針である「処方や生産プロセス、素材などモノづくりの全面的な見直しによる利益の確保・増大の実現」については、顔料やカラーフィルター用材料などの生産プロセスの見直しや、オフセットインキの購入樹脂原料の自製化などを進め、品質向上やコストダウンを図りました。またポリマー関連製品では、タイやインドに新たな生産設備を設置するなど、グローバルな供給体制の拡充とネットワークの強化を進めています。
第三の方針である「持続的成長に向けた経営資源・スタッフ機能の構造改革の実行」については、前期末からの国内外の決算期統一に伴い、事業や業績のグローバルな一体管理を進める一方、統合システムの展開に伴うデータ活用や業務の整理などにより、管理人員の縮減に取り組みました。また、本社社員食堂が「健康な食事・食環境」の認証を受けるなど、社員の健康に配慮した経営も実践しています。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は2,902億8百万円(前期比3.6%増)と増収になりましたが、原油価格の上昇や各国の環境規制に伴う需給バランスの悪化により、原材料価格が高騰しました影響で、営業利益は152億76百万円(前期比25.4%減)、経常利益は154億29百万円(前期比27.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は118億47百万円(前期比19.5%減)と、それぞれ減益になりました。
セグメントごとの経営成績につきましては、次のとおりです。
高機能顔料や液晶ディスプレイカラーフィルター用材料は、国内では顧客の生産ラインの閉鎖等もあり伸び悩みましたものの、中国や台湾、韓国では、高品位の大型テレビ需要に牽引され堅調に推移しました。しかし、市場変化に伴う液晶パネルの価格競争激化の中で、部材へのコストダウン要請が一層厳しくなり、利益は圧迫されました。
汎用顔料は、自動車塗料用の拡販が進みましたものの、出版などの印刷インキ用が低調に推移しました。また、環境規制に伴う供給不足などによる原材料価格の急騰が、利益を大幅に圧迫するなか、販売価格の改定も進めさせていただいております。
プラスチック用着色剤は、国内では容器用が堅調も、建材用などが低調に推移しましたが、海外では東南アジアでの事務機器向けが好調なうえ、韓国でのディスプレイ向けの拡販も進みました。
これらの結果、当事業全体の売上高は746億60百万円(前期比3.9%増)と増収になりましたが、営業利益は53億29百万円(前期比17.6%減)と減益になりました。
b. ポリマー・塗加工関連事業
塗工材料では、中国や韓国向けのスマートフォン用導電接着シートや、ディスプレイ用粘着フィルムが好調に推移しました。
接着剤は、国内では食品や飲料などの包装用が堅調に推移しましたうえ、リチウムイオン電池用が伸長しました。また海外でも、東南アジアやインドなどでの拡販が進みました。一方、原油価格上昇などに伴う原材料価格の急騰により、利益が圧迫されており、販売価格の改定も進めさせていただいております。また粘着剤も、韓国や台湾などでのディスプレイ用の拡販が進みましたうえ、国内でのラベル用も後半回復しましたが、原材料価格の急騰により利益は圧迫されました。
缶用塗料(フィニッシェス)は、欧米での環境対応製品の拡販が進みましたものの、国内ではコーヒー缶用の低調が続きましたうえ、東南アジアでも伸び悩みました。
これらの結果、当事業全体の売上高は660億99百万円(前期比4.1%増)と増収になりましたが、営業利益は60億35百万円(前期比23.3%減)と減益になりました。
国内のグラビアインキは、出版用の需要減少が続きましたが、主力の包装用がプライベートブランドやコンビニエンスストア向けを中心に堅調に推移しましたうえ、建装材用も好調に推移、溶剤販売も伸長しました。しかし、原油価格上昇などに伴う原材料価格の急騰が利益を圧迫、自助努力では吸収しきれないなか、販売価格の改定も進めさせていただいております。
海外でも、東南アジアやインド、中国、韓国などでの環境対応製品の拡販が進みましたが、原材料価格の上昇により利益は圧迫されました。
また、グラビアのシリンダー製版事業は、包装用が伸び悩みましたものの、エレクトロニクス関連の精密製版の拡販が進みました。
これらの結果、当事業全体の売上高は680億47百万円(前期比7.2%増)と増収になりましたが、営業利益は14億91百万円(前期比38.4%減)と減益になりました。
デジタル化に伴う情報系印刷市場の縮小傾向のなか、国内では製品別にビジネス規模の最適化やコストダウンを進める一方、海外ではグローバルな拠点拡充による売上拡大を図り、インドやトルコなどでの拡販が進みました。また、最先端技術を活用した高感度UVインキや、オンデマンド印刷向けインクジェット用インキなどの開発や拡販、事業間の連携強化によるビジネス拡大も図ってまいりました。
しかし、国内におけるチラシなどの商業印刷や新聞、雑誌などの既存のオフセットインキや、関連材料の需要は予想以上に低調に推移しましたうえ、原材料価格の上昇により利益も圧迫されました。
これらの結果、当事業全体の売上高は793億78百万円(前期比1.4%減)、営業利益は9億31百万円(前期比63.8%減)と、減収減益に終わりました。
上記のセグメントに含まれない事業や、東洋インキSCホールディングスなどによる役務提供などを対象にしていますが、売上高は72億28百万円(前期比9.7%増)と増収になりましたうえ、管理部門の経費節減等もあり、営業利益は14億81百万円(前期比31.0%増)と増益になりました。
財政状態につきましては、次のとおりです。
当連結会計年度末における総資産は3,735億35百万円で、前期末より49億24百万円減少しました。負債は1,524億43百万円で、前期より23億68百万円増加しました。純資産は2,210億91百万円で、前期末より72億92百万円減少しました。
当連結会計年度末日の為替レートが前連結会計年度末日の為替レートに比べ、円高外貨安に振れたため、海外子会社で保有する資産、負債及び為替換算調整勘定が減少しました。また、株価下落を反映し、投資有価証券、繰延税金負債、その他有価証券評価差額金がそれぞれ減少しました。一方、原材料価格急騰の影響を受け、原材料、支払手形及び買掛金は増加しました。
前連結会計年度は決算期変更の経過期間となることから、当社及び3月決算であった国内連結子会社につきましては2017年4月1日から2017年12月31日の9ヶ月間を連結対象期間としております。このため、各キャッシュ・フローに関する前期実績との比較は記載しておりません。
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の期末残高は、前期末残高より16億95百万円増加し、509億58百万円となりました。
営業活動により得られた資金は191億97百万円となりました。税金等調整前当期純利益計上による資金の増加や法人税等の支払いによる資金の減少などがありました。
投資活動により使用した資金は108億28百万円となりました。有形固定資産の取得などに伴う支出などによるものです。
財務活動により使用した資金は56億95百万円となりました。借入金の返済や配当金の支払いに伴う支出などによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
前連結会計年度は決算期変更の経過期間となることから、当社及び3月決算であった国内連結子会社につきましては2017年4月1日から2017年12月31日の9ヶ月間を連結対象期間としております。このため、前年同期比につきましては記載しておりません。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 生産金額は製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。
当企業グループにおける受注生産は極めて少なく、大部分が計画生産のため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額は、連結会社間の内部売上高を除いております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されていますが、その作成には経営者による会計方針の選択・適用と、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りにあたっては過去の実績等を勘案し合理的な判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性がありますため、これらの見積りと異なる場合があります。
当企業グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
a. 経営成績の分析
当社及び国内子会社は、前連結会計年度より決算期を3月31日より、海外子会社の決算期と同様の12月31日に変更しました。このため、当連結会計年度の状況につきましては、国内会社、海外会社ともに2018年1月1日から12月31日までの期間を対象としております。なお、前連結会計年度を同様の期間に置き換えた経営成績で比較分析しております。
当連結会計年度の売上高は、前期比101億41百万円(3.6%)増の2,902億8百万円(計画 3,000億円)となりました。その内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、国内印刷インキ市場の伸び悩みが続きましたうえ、後半には米中貿易摩擦などに伴う中国景気やスマートフォン市場の減速がありましたが、東南アジアやインドなどでの拡販が進み、増収となりました。
営業利益は、前期比51億98百万円(25.4%)減の152億76百万円(計画 185億円)となりました。原材料価格の高騰が続き、コストダウン等も進めましたものの、吸収できる範囲を超え、利益は大幅に圧迫されました。
経常利益は、営業利益の減少に加え、持分法による投資利益の減少や為替差損の増加により、前期比58億39百万円(27.5%)減の154億29百万円(計画 185億円)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失が減少したものの、経常利益の減少により、前期比28億66百万円(19.5%)減の118億47百万円(計画 135億円)となりました。
なお、セグメント別の経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
b. 財政状態の分析
財政状態の分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり、セグメント別の財政状態は、以下となります。
色材・機能材関連事業の資産1,046億3百万円(前期末より23億96百万円減少)。
ポリマー・塗加工関連事業の資産805億92百万円(前期末より2億84百万円増加)。
パッケージ関連事業の資産815億6百万円(前期末より13億9百万円増加)。
印刷・情報関連事業の資産974億74百万円(前期末より46億71百万円減少)。
その他関連事業の資産93億58百万円(前期末より5億49百万円増加)。
c. キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、509億58百万円と前期末より増加しており、有利子負債については、601億99百万円と前期末より15億73百万円減少しております。これにより、ネットした純有利子負債は100億円以下となり、DEレシオも0.30倍と圧縮され、さらに財務体質は強固になってきております。
当企業グループが提供する製品の市場は多岐に渡っておりますが、一般的な消費動向や、石油化学系原料の仕入価格、為替レートなどは、当企業グループの経営成績に大きく影響を与える要因になっております。
当連結会計年度では、為替は比較的に安定して推移したものの、ナフサ価格の高騰に加え、中国などでの環境規制の強化に伴う需給バランスの悪化から、当企業グループ全体で原材料の価格が55億円程度上昇し、営業利益を大幅に悪化させる要因となりました。年度末にかけてナフサ価格は落ち着きを見せてきたものの、需給バランスの悪化は解消されず、次期も原材料価格の高止まりは続くものと見込まれます。これに対し、当企業グループでは、調達手段の多様化やアライアンスの強化、石油代替原料の検討や樹脂の内製化などをはじめ、さまざまなコストダウンを進めるとともに、高機能製品へのシフトや、販売価格への適切な転嫁も図ってまいります。
その他、海外活動や災害への対応など、当企業グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりですが、これらの発生を抑制する活動を、CSR統括委員会傘下のリスクマネジメント部会を中心に、引き続き積極的に推進していきます。
当企業グループは、「人間尊重の経営」を経営哲学に掲げ、「世界にひろがる生活文化創造企業を目指す」ことを経営理念とし、「CS(顧客満足)、ES(社員満足)、SS(社会満足)、SHS(株主満足)を向上させる」ことを行動指針として、全ての企業活動を進めています。
また、長期構想「Scientific Innovation Chain 2027 (SIC27)」では、次なるターゲットである2027年に向けて提供していく価値を「For A Vibrant World」と定め、すべての生活者・生命・地球環境がいきいきと共生する世界に貢献する企業グループを目指しています。これに伴いドメインについても、これまでの枠組みを戦略的に拡大し、成長市場のみならず、社会課題の解決や、生命や地球環境の持続成長可能性に繋がる領域にも注力しています。
この長期構想の第一ステップとなる中期経営計画「SIC-Ⅰ」では、当企業グループが持続的に成長していくための礎を創り上げる期間と位置づけており、具体的には、成長に向けた既存事業の変革と新事業への挑戦や、持続可能性向上に向けたモノづくり革新の推進、経営基盤の刷新を進めております。中期経営計画の一年目となる当連結会計年度の目標とした年度計画指標の分析結果につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a. 経営成績の分析」に記載のとおりです。
当企業グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料費や労務費及び製造経費をはじめ、販売費及び一般管理費、新製品創出や事業領域拡大のための研究開発活動費などにあります。また、設備投資では、成長領域や事業拡大に合わせた生産設備投資によるグローバル供給体制の強化や、統合システム整備による事業や業績のグローバル一体管理を進めています。さらには、事業拡大を目的とした各種アライアンスや、人材・技術・事業などの戦略投資についても機動的に実施してまいります。
なお、これらの資金需要につきましては、主に手元資金や営業活動によるキャシュ・フローから創出するとともに、必要に応じて、金融機関からの借入なども実施していきます。また、国内では、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、当企業グループの余剰資金を効率的に運用しております。
今後の世界経済の動向は、緩やかな成長が続くと期待されますものの、減速懸念も次第に高まりつつあります。また、当企業グループにおいても、需要の伸び悩みに加え、原材料価格の高止まりが続くものと予想されます。
このような厳しい事業環境ではありますが、長期構想の第一ステップであり、当企業グループの礎を創り上げる期間と位置付けた中期経営計画「SIC-Ⅰ」の二年目として、次期はもう一度、この長期構想や中期経営計画の趣旨を見つめ直し、事業別には「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりの活動を進めることで、イノベーションの連鎖を本格化させ、真のサイエンス・カンパニーとしての飛躍を図ってまいります。
なお、次期の目標とする年度計画指標としては、売上高3,000億円、営業利益175億円、経常利益180億円、親会社に帰属する当期純利益120億円となっております。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約はありません。
当企業グループは、創業200周年を見据え、次の10年のありたい姿を新たな長期構想として掲げ、持続的な成長を実現する企業活動のコンセプト「Scientific Innovation Chain2027(SIC27)」を設定し、それに向けた中期経営計画「SIC-Ⅰ」を2018年度より展開しています。すべての生活者・生命・地球環境がいきいきと共存・共生する世界に貢献する企業グループを目指し、研究開発においては、サイエンス領域を広げて新技術を獲得し、新たな価値を創造し、お客様とともに成長、発展すべく積極的に活動を進めております。
当企業グループの目指す事業ドメインは①ライフサイエンスドメイン、②コミュニケーションサイエンスドメイン、③サスティナビリティサイエンスドメインであり、SIC27長期構想では、それらのドメインを11の領域に細分化し、それぞれの領域で戦略的に技術開発し、イノベーションの連鎖を起こすべく、日々取り組んでおります。
当企業グループにおける研究開発は、当社のグループテクノロジーセンター(イノベーションラボ、マテリアルサイエンスラボ、ポリマーデザインラボ、解析技術ラボ)、生産・物流センター(プロセスイノベーションラボ)及び国内・海外の各連結子会社の技術部門により推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、81億4百万円であり、各セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりです。
当事業では、色材開発で培った素材開発技術と当企業グループのコアである分散技術をより進化させて、独自の新素材やそれらを応用した機能性分散体の開発を続けております。
顔料及び顔料分散体事業関連では、世界各国の環境規制への対応、省エネルギー・廃棄物削減など環境負荷の低減を目指した環境配慮型色材の開発を進めております。さらに、カーボンナノチューブは、その漆黒性を活かした展開についても好評を得ております。
メディア事業関連では、ディスプレイや画像センサーに使用されるカラーフィルター材料を中心に開発を進め、中国市場への製品展開が大きく進展しました。また、赤外線吸収材料も高評価を得ており、デバイスへの応用が期待されています。
着色事業関連では、機能性ナノ粒子の分散技術を応用した製品開発に取り組み、国内外で機能性繊維用途への展開を積極的に進めております。また、電磁波吸収体向けの機能性コンパウンドや、リサイクル材料を利用した環境対応・資源有効活用の技術開発も進めております。
機能材料事業関連では、リチウムイオン電池用分散体の増産を行っています。また、分散技術を無機材料に応用し、機能付与を可能とする分散液の開発を進め、電子部材・光学部材といった成長市場への展開を進めています。
当事業に係わる研究開発費は、27億52百万円です。
当事業では、事業の礎となるポリマー・サイエンス・テクノロジープラットフォームの拡充に取り組み、事業の高付加価値製品や環境調和製品の開発を続けております。
スマートフォン・タブレット市場向けで高い評価を受けている導電接着シートは、大きく拡販が進みました。第5世代向けには、新規電磁波シールドフィルムが採用され、樹脂や接着シート、電波吸収シートの開発も進みました。
粘接着剤は、ウレタン系粘着剤・アクリル系粘着剤の技術をさらに強化し、光学用粘着剤の開発が大きく進展しました。ラミネート接着剤は、特に環境調和型接着剤の拡販・開発が進みました。
電池周辺材料は、太陽電池バックシート用のほか、リチウムイオン電池用接着剤や、電極用樹脂の拡販・開発が進みました。
機能性コーティング剤の缶用塗料では、環境性能を有する新製品群が、海外市場で実績が拡大しました。引き続き、環境調和型塗料の開発を進めてまいります。
ヘルスケア関連では、国内・海外で貼付用粘着剤の拡販が進みました。また、貼付型医薬品事業については、新規ジェネリック貼付薬の開発が順調に進んでおります。
また、新たに開発したセンサーシート「Fichvita」が体験型アトラクションに採用されました。今後のIoT社会で拡張できるセンサーシステムとして、開発してまいります。
当事業に係わる研究開発費は、21億17百万円です。
当事業では、軟包装用のグラビア、フレキソインキを始め建装材用グラビアインキ、機能性インキの開発とサービスの提供をグローバルに展開しております。近年は、持続可能な開発目標の実現に向けた技術開発に重点を置き製品ラインナップを拡大しております。
軟包装用インキにおいては、非食用天然物由来原料を使用した汎用ラミネートインキを開発し、二酸化炭素排出削減に貢献しております。さらに、ラミネート用水性グラビアインキ及びラミネート用水性フレキソインキを開発し、揮発性有機化合物(VOC)排出削減のソリューションとして国内外で実績化が進んでおります。
また、プラスチックごみ汚染問題に対して、樹脂合成技術、分散技術を核としてリサイクルしやすい包材設計を推進する技術開発を行っております。
一方、機能性インキ分野では、高耐久性建材用トップコート剤を開発し、高い評価を頂いております。また、導電性インキの開発も進めております。
今後も、石化原料使用の削減、VOC排出削減、3R推進技術を進化させ、お客様とともに持続可能な開発目標の達成に貢献する製品とサービスを提供してまいります。
当事業に関わる研究開発費は、13億8百万円です。
当事業では、枯渇性資源に依存しない持続可能な社会の実現に向けて、脱石化天然物を使用した製品開発及び省エネルギー・省資源化のインキ開発・販売を積極的に行っております。
油性インキでは、再生植物油及び非食用の米ぬか油を使用したノンVOCインキ及び乾燥時のガス代削減可能な超低温乾燥オフ輪インキの開発など持続可能な社会に貢献するとともに、お客様の生産性向上、コスト削減に貢献する製品開発を継続して進めております。
UVインキでは、高い硬化性が得られる新型高感度インキを開発し、印刷工程時間短縮及び電気代削減を図ることで高い評価を得ています。
また、再生可能な植物由来の有機資源で化石資源を削減したバイオマス製品として、新たに紙器パッケージ用UVインキを上市し、環境・安全性に配慮した製品のラインアップ拡充を図りました。
インクジェットインキでは、サイン用途向けに意匠性を追求した高輝性インキ、LED硬化性型のインクジェット加飾ニスを拡充し、オンデマンド印刷用途向けには、一般コート紙への高速印刷が可能な水性インキ、色再現域を向上させたローマイグレーションUVインキ、後加工性に優れた食品包装用水性インキの開発を進めております。
当事業に係わる研究開発費は、19億16百万円です。
なお、上記の4つの事業に含まれない研究開発費は、9百万円であります。