第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

なお、当企業グループは、新型コロナウイルスの感染拡大防止と社員及び関係者の安全確保に向けて、新型コロナウイルスワクチン職域接種を実施いたしました。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当企業グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にありますものの、ワクチン接種の進展や大規模な政策効果により持ち直しの動きもみられます。しかしながら、当企業グループの事業環境におきましては、複数の原材料メーカーでのプラント被災や物流の停滞により、世界的に原材料の供給不足や価格高騰が継続しているうえ、足元でも原油価格がさらに上昇するなど、厳しい状況が続くことが見込まれます。

このような状況のなかで当企業グループは、これらに対応するとともに、年度方針である「事業の収益力強化」、「重点開発領域の創出と拡大」、「持続的成長に向けた経営資源の価値向上」の実現に取り組んでまいりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,109億65百万円(前年同期比12.6%増)と、前年同期と比べ増収になりましたうえ、営業利益は97億46百万円(前年同期比15.5%増)、経常利益は111億59百万円(前年同期比49.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は69億85百万円(前年同期比65.7%増)と、それぞれ増益になりました。

 

セグメントごとの経営成績につきましては、次のとおりです。

 

なお、第1四半期連結会計期間より、一部事業について、報告セグメントの区分を変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

 

① 色材・機能材関連事業

 高機能顔料や液晶ディスプレイカラーフィルター用材料は、外出自粛に伴いテレビやタブレット、パソコン用のディスプレイ向けに需要が好調でしたうえ、台湾や中国での拡販も進みました。

 汎用顔料は、リキッドインキ用は堅調に推移しましたが、情報系印刷インキ用は低調が続いたことに加え、原材料価格高騰の影響も受けました。インクジェットインキは、中国や欧米など海外を中心にデジタル印刷需要が堅調に推移しました。

 プラスチック用着色剤は、日用品や容器向けが好調でしたほか、欧州や東南アジアの不採算拠点からの撤退により採算改善が進みました。また、原材料価格の上昇を受けて販売価格の改定も進めさせていただいております。

 車載用リチウムイオン電池材料は、米国の拠点を立ち上げ、現地生産を開始しました。

 これらの結果、当事業全体の売上高は555億8百万円(前年同期比18.9%増)、営業利益は40億36百万円(前年同期比204.5%増)と、増収増益になりました。

 

 

② ポリマー・塗加工関連事業

 塗工材料は、スマートフォン向けに導電性接着シートや電磁波シールドフィルムが好調でしたうえ、液晶パネルや自動車向けの耐熱微粘着フィルムも好調に推移しました。

 接着剤は、国内ではスナックやペットフード向けなど包装用が、また海外でも食品包装用が堅調で、粘着剤も、国内のラベル用の需要が堅調でしたうえ、国内外で偏光板用なども好調でした。一方で、世界的な原材料の調達難や急激な価格高騰を受け、コスト削減や販売価格の改定を進めさせていただいておりますが、利益は大きく圧迫されました。

 缶用塗料は、国内では巣ごもり需要の取り込みや新製品の拡大で飲料缶用が堅調に推移し、海外でも中国やタイで需要が回復したものの、原材料価格高騰の影響を受けました。

 これらの結果、当事業全体の売上高は516億76百万円(前年同期比13.3%増)と増収になりましたが、営業利益は26億87百万円(前年同期比34.5%減)と、減益になりました。

 

③ パッケージ関連事業

 リキッドインキは、国内では、外出自粛に伴いお土産や衣料品の紙袋向けが低調でしたが、冷食や麺類等の家庭用食品向けが堅調に推移しましたうえ拡販も進み、建装材用も需要が回復しました。海外では、東南アジアで経済活動の制限により一部で需要が減少しましたが、中国やインド、中東では好調に推移しました。一方、世界的な原材料の調達難や価格高騰が継続しており、販売価格の改定を進めさせていただいておりますが、利益面で大きく影響を受けました。

 グラビアのシリンダー製版事業は、エレクトロニクス関連の精密製版が堅調で、軟包装や紙器関連の包装用も回復しました。

 これらの結果、当事業全体の売上高は535億58百万円(前年同期比8.9%増)と増収になりましたが、営業利益は14億76百万円(前年同期比45.8%減)と減益になりました。

 

④ 印刷・情報関連事業

 情報系印刷市場の構造的な縮小が、新型コロナウイルスの感染拡大と長期化、経済活動の制限でさらに進み、国内ではチラシや広告、出版向けが低調でしたが、同業他社との協業やコストダウン、原材料価格上昇に対する販売価格への一部転嫁など、事業体質の改善を進めました。

 海外では、中国やインドで需要が回復しましたほか、食品や医療品などの紙器向けが堅調に推移しました。また需要に合わせて、グローバルでの供給体制最適化や、各拠点の事業体制再構築にも取り組みました。

 これらの結果、当事業全体の売上高は488億47百万円(前年同期比9.0%増)、営業利益は9億96百万円(前年同期比19.7倍)と増収増益になりました。

 

⑤ その他

 上記のセグメントに含まれない事業や、東洋インキSCホールディングスなどによる役務提供などを対象にしています。売上高は44億71百万円(前年同期比3.9%減)と減収になりましたが、営業利益は5億69百万円(前年同期比158.3%増)と増益になりました。

 

財政状態につきましては、次のとおりです。

 

総資産の当第3四半期連結会計期間末残高は3,902億96百万円で、前連結会計年度末残高より100億68百万円増加しました。負債は1,684億48百万円で、前連結会計年度末残高より55億46百万円増加しました。純資産は2,218億47百万円で、前連結会計年度末残高より45億22百万円増加しました。
  当第3四半期連結会計期間末日の為替レートが前連結会計年度末日の為替レートに比べ、円安外貨高に振れたため、海外子会社で保有する資産、負債及び為替換算調整勘定が増加しました。また、原材料価格の上昇に伴い、たな卸資産が増加しました。さらには、日本国内の株価上昇を反映し、投資有価証券、繰延税金負債、その他有価証券評価差額金がそれぞれ増加しました。一方、前連結会計年度の末日が金融機関の休日であった影響や、自己株式の取得による支出及び配当金の支払いに伴い、現金及び預金は減少しました。なお、返済期限の1年以内到来に伴い、短期借入金が増加し、長期借入金が減少しました。

 

(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当企業グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、62億52百万円であります。また、当第3四半期連結累計期間において、当企業グループの研究開発活動の状況における変更の内容は次のとおりであります。
 当企業グループの研究開発活動において、新製品・新事業の創出を加速させるため、中核事業会社に研究所を新設いたしました。色材・機能材関連事業では、トーヨーカラー株式会社に「先端材料研究所」、ポリマー・塗加工関連事業では、トーヨーケム株式会社に「ポリマー材料研究所」、パッケージ関連事業及び印刷・情報関連事業では、東洋インキ株式会社に「機能材開発研究所」を新設し、2~5年の中期的な研究開発活動を強化してまいります。なお、長期的な開発テーマについては、引き続き当社の技術開発研究所及びフロンティア研究所(旧イノベーションラボ、マテリアルサイエンスラボ、ポリマーデザインラボ)が各研究所と連携し、研究開発活動を推進いたします。

 

(5) 主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設等の計画は、次のとおりです。

会社名

事業所名

所在地

セグメントの名称

設備の内容

投資予定金額

資金調達

方法

着手及び完了予定

総額

(百万円)

既支払額

(百万円)

着手

完了

ライオケム㈱

アメリカ

ジョージア

色材・機能材関連

色材・機能材関連製造設備

1,100

150

自己資金

2021年6月

2022年3月

 

(注)完成後の増加能力については、算定が困難であります。従って完成後の増加能力は記載しておりません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。