第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当企業グループが判断したものであります。

なお、2023年4月3日に当社100%子会社であるToyo Ink (Thailand) Co., Ltd.が株式を取得したタイ王国のThai Eurocoat Ltd.については、暫定的な会計処理を行っておりましたが、前連結会計年度末に確定したため、前中間連結会計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間における世界経済は、個人消費の持ち直しには足踏みもみられるものの、全般には緩やかに回復が続いております。先行きについても、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな回復が続くことが期待されますが、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響や中国経済の先行き懸念などが景気を下押しするリスクがあるなど先行きは不透明な状況にあります。

このような環境のなかで当企業グループは、年度方針である「高収益既存事業群への変革」、「戦略的重点事業群の創出」、「経営基盤の変革」の実現に取り組んでまいりました。

この結果、当中間連結会計期間の売上高は1,722億57百万円(前年同期比12.1%増)、営業利益は105億51百万円(前年同期比122.1%増)、経常利益は123億61百万円(前年同期比130.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は93億56百万円(前年同期比143.5%増)と、増収増益になりました。

 

セグメントごとの経営成績につきましては、次のとおりです。

 

① 色材・機能材関連事業

液晶ディスプレイカラーフィルター用材料は、中国や台湾での拡販が進んだことや、テレビ用の大型液晶パネルの稼働が高まり全体の出荷は増加しましたが、車載用や産業機器用などの中小型パネル向けは低迷が続きました。

プラスチック用着色剤は、海外で太陽電池用やエアコン用が好調に推移しましたが、国内では容器用や建材用が伸び悩みました。

インクジェットインキは、需要の増加に伴い国内外で販売が拡大しました。車載用リチウムイオン電池材料は、EV市況の停滞により販売が減少しましたが、今後の出荷増に対応する生産の準備が進みました。

これらの結果、当事業全体の売上高は437億95百万円(前年同期比11.3%増)、営業利益は21億66百万円(前年同期比47.9%増)と、増収増益になりました。

 

② ポリマー・塗加工関連事業

塗工材料は、スマートフォンの生産増加に加えて中国での拡販効果もあり、導電性接着シート等の機能性フィルムが好調に推移しました。また、半導体関連材料の実績化も進みました。

粘着剤は、国内ではディスプレイ用が復調した一方、ラベル用では低調が続き、原材料価格やコストの上昇もあり利益が圧迫されました。海外では、設備増強による拡販が進み好調に推移しました。接着剤は、包装用が国内で堅調でしたほか、東南アジアを中心に海外で販売が拡大し、工業用はリチウムイオン電池向けが顧客の稼働拡大に伴い好調でした。

缶用塗料は、国内では飲料缶用が堅調に推移し、海外では水産加工物向けの製缶需要の増加や環境調和型製品の採用拡大に加え、前期に実施したタイの塗料メーカー買収効果もあり、伸長しました。

これらの結果、当事業全体の売上高は426億31百万円(前年同期比17.3%増)、営業利益は34億79百万円(前年同期比81.7%増)と、増収増益になりました。

 

③ パッケージ関連事業

リキッドインキは、国内では、気候の温暖化傾向により冷菓や飲料向けが好調で、ペットフードやコンビニ向けも堅調に推移しました。段ボール用は、水産加工物の輸出減少や震災等により青果物の動きが鈍く低調でした。

海外では、中国で消費の低迷により伸び悩みましたが、インドでの拡販が進み、東南アジアや米国等では需要が堅調でしたうえ、韓国で環境に配慮した水性インキの拡販が進みました。

グラビアのシリンダー製版事業は、包装用が買い控えによる商品数の減少もあり改版需要が低迷しましたが、エレクトロニクス関連の精密製版は緩やかに回復基調となりました。

この事業環境のなか価格改定の効果があり、当事業全体の売上高は443億41百万円(前年同期比9.9%増)、営業利益は25億2百万円(前年同期比76.5%増)と、増収増益になりました。

 

④ 印刷・情報関連事業

国内では、情報系印刷市場の構造的な縮小が継続し、チラシや広告、出版向けは低調に推移しましたが、事業構造の変革によるコストダウンや原材料値上りに対する価格の見直しにより、利益面での改善が進みました。また機能性インキは、紙器パッケージ向けで消費者の買い控えの影響を受けたものの、省エネルギー対応の高感度UVインキが拡販により伸長しました。

海外では、中国で市況は低迷したものの教材向けの販売が拡大し、東南アジアでも紙器パッケージ向けが堅調でした。また、欧州や米国でもLEDや省エネルギー対応のUVインキの販売が好調に推移しました。

これらの結果、当事業全体の売上高は407億30百万円(前年同期比12.1%増)と増収になり、24億80百万円の営業利益(前年同期は41百万円の営業損失)となりました。

 

⑤ その他

上記のセグメントに含まれない事業や、持株会社であるartienceによる役務提供などを対象にしています。当中間連結会計期間においては、売上高は27億62百万円(前年同期比2.5%減)と減収になり、62百万円の営業損失(前年同期は12百万円の営業利益)となりました。

 

財政状態につきましては、次のとおりです。

 

当中間連結会計期間末における総資産は4,853億84百万円で、前連結会計年度末より375億85百万円増加しました。負債は2,034億41百万円で、前連結会計年度末より112億97百万円増加しました。純資産は2,819億42百万円で、前連結会計年度末より262億88百万円増加しました。

当中間連結会計期間末日の為替レートが前連結会計年度末日の為替レートに比べ、円安外貨高に振れたため、海外子会社で保有する資産、負債及び為替換算調整勘定が増加しました。また、海外での新工場建設に伴い有形固定資産が増加しました。さらに、日本国内の株価上昇を反映し、投資有価証券、繰延税金負債、その他有価証券評価差額金がそれぞれ増加しました。一方、親会社株主に帰属する中間純利益を計上したものの、自己株式の消却などにより、利益剰余金及び自己株式が減少しました。なお、一部の短期借入金の返済期限到来に伴い借り換えを実施したため、短期借入金が減少し、長期借入金が増加しております。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の中間期末残高は、期首残高より33億20百万円増加し、593億61百万円となりました。

営業活動により得られた資金は151億46百万円(前年同期比95億14百万円増)となりました。税金等調整前中間純利益及び減価償却費の計上などによる資金の増加や、売上債権の増加、棚卸資産の増加、法人税等の支払いなどによる資金の減少がありました。

投資活動により使用した資金は114億56百万円(前年同期比20億88百万円増)となりました。有形固定資産の取得による支出などによる資金の減少がありました。

財務活動により使用した資金は28億83百万円(前年同期比6億22百万円減)となりました。長期借入れによる収入及び収益分配請求権設定契約による収入などに伴う資金の増加や、長期借入金の返済による支出及び配当金の支払いなどによる資金の減少などがありました。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当企業グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間における当企業グループの研究開発活動の金額は、49億6百万円であります。また、当中間連結会計期間において、当企業グループの研究開発活動の状況における変更の内容は次のとおりであります。

当企業グループの研究開発活動において、新たな製品やソリューションを生み出す素材技術や科学技術の獲得を目的に、「R&D本部」内の「技術開発研究所」と「フロンティア研究所」の一部機能を統合し、「次世代技術研究所」としました。また、「フロンティア研究所」の一部機能であったバイオ研究部門を「インキュベーションセンター」に移管しました。マーケティング部門と研究開発部門とを統合したことで、事業化に向けた活動を一層推進してまいります。

 

(6) 主要な設備

当中間連結会計期間において、新たに確定した主要な設備の新設等の計画は、次のとおりです。

会社名
事業所名

所在地

セグメントの名称

設備の内容

投資予定金額

資金調達
方法

着手及び完了予定

総額

(百万円)

既支払額

(百万円)

着手

完了

トーヨーカラー㈱

富士製造所

静岡県

富士市

色材・機能材関連

リチウムイオン電池材料製造設備

2,720

192

自己資金

2024年1月

2025年9月

Toyo Ink India Pvt. Ltd.

インド

グジャラート

ポリマー・

塗加工関連

粘着剤製造設備

1,400

-

自己資金

2024年3月

2026年3月

トーヨーカラー㈱

富士製造所

静岡県

富士市

色材・機能材関連

リチウムイオン電池材料製造設備

1,830

4

自己資金

2024年3月

2025年5月

Toyo Ink Hungary Kft

ハンガリー

ペシュト

色材・機能材関連

リチウムイオン電池材料製造設備

4,730

-

収益分配請求権設定契約及び自己資金

2024年7月

2026年5月

 

(注)完成後の増加能力については、算出が困難であります。従って、完成後の増加能力は記載しておりません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。