文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、あるべき姿として「色彩を軸に、市場が求める価値をお客様と共に創造、実現し続ける企業」を掲げ、高収益メーカーであり続けることで、ありたい姿である「暮らしを彩る、暮らしに役立つものづくりで、社会に貢献する」ことを経営の基本方針としております。
(2)経営戦略等
当社グループは、高収益メーカーを目指すため、2016年度を初年度とした2020年度までの基本戦略と整備すべき基盤を定めた経営計画「TOKYOink2020」を策定いたしております。
「TOKYOink2020」では、コア事業の更なる強化とコア事業周辺領域の事業を拡大することを目指した事業戦略、素材を活かす要素技術と加工技術の拡充を目指した技術戦略、株主価値の向上と事業戦略に応じた最適資本構成を目指した財務戦略、人的資源の有効活用を目指した人事戦略の4つの経営戦略と、基盤の整備として「現場力の徹底強化」を掲げ、企業価値の向上を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、経営計画「TOKYOink2020」において、高収益メーカーへの成長の通過点として2020年度連結経常利益15億円を目標に掲げております。
(4)経営環境
わが国の経済は、緩やかな回復基調が継続しておりましたが、原材料価格や物流コストの上昇、米国の通商政策の動向、中国経済の減速や海外経済の不確実性により、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の中で、当社グループの各事業を取り巻く事業環境は下記のとおりであります。
インキ事業が関与する印刷市場では、出版物のデジタル化による商業・出版印刷の減少、包装印刷の漸増、オンデマンド印刷の伸長に伴い、インキ業界においては、オフセットインキの需要の減少が継続し、グラビアインキおよびインクジェットインクの需要の増加が見込まれます。
化成品事業が関与する多くの市場では、顧客の海外展開は進行していくものの、日本国内における高付加価値用途への樹脂性能向上の要求が高まっております。
加工品事業が関与する樹脂成形品市場においても、省力化・環境対応等のため、性能向上の要求が高まっております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
経営計画に掲げた目標を達成するため、各事業の対処すべき課題は下記のとおりであります。
インキ事業では、主力のオフセットインキが継続した市場縮小の中、販売競争が激化しておりますが、事業の「選択と集中」を推進、顧客満足度の視点から競争力を一層強化することで、収益の獲得できる事業体制へと変革することが課題であります。グラビアインキ、インクジェットインクは、機能性付与をコアとした戦略・差別化製品を開発し、新たなニーズ獲得により持続的に成長可能な事業基盤の構築を図ってまいります。また、インキ事業として、将来を見据えた生産体制の見直しを検討してまいります。
化成品事業では、包装資材用、日用品用、自動車用、産業資材用を主力とする各種産業用着色剤および機能性マスターバッチ等の顧客満足度を今以上に高めることで基盤を強化しながら、お客様が求める樹脂性能向上への関与を深めることで事業拡大を進めてまいります。また、国内生産拠点では、新規受注に対応した生産ラインの増強を行い、周辺事業領域の拡大を図っております。主力工場である吉野原工場では、一部設備の老朽化等に伴い、将来に向けた設備のスクラップ&ビルドを検討してまいります。
加工品事業では、プラスチックネット・一軸延伸フィルム等の樹脂成形品の性能向上と複合化を主軸に、包装・工業・土木・農業の各資材分野で新たな用途への展開を図ることで市場を拡大していくとともに、当社技術、ノウハウを生かしたものづくりで、一層の付加価値を高めた製品を提供してまいります。
なお、当社グループは、引き続き2020年度連結経常利益15億円の目標達成に向けて、当社グループ一丸となり、経営計画「TOKYOink2020」に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)原材料価格の変動について
当社グループは、原材料として合成樹脂や溶剤、顔料等を使用しております。原油価格の急騰、世界的な環境規制等により原材料価格が高騰した際には、製品価格への転嫁が遅れるリスクが存在し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)業界動向について
当社グループのインキ事業においては、商業・出版印刷市場の縮小が一層進行する可能性、また、化成品・加工品事業においては、マイクロプラスチックによる海洋環境問題により、今後国際社会が脱プラスチック化の影響を受ける可能性があります。そのため、需要の低迷、更なる競争の激化等が生じた場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)販売価格の動向について
当社グループは、市場において厳しい競争に晒されております。製品の開発、改良、コスト削減等の対策を講じておりますが、市場価格の動向により販売数量の減少、販売価格の下落等のリスクが存在し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)災害について
地震、台風等の自然災害、あるいは火災等の事故により、当社グループの生産拠点等の設備に重大な損害を被った場合、生産及び出荷が停滞することに伴う売上高の減少、生産拠点等の修復または変更のために巨額の費用が必要となり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが供給を受けている主要な原材料等のサプライヤーにおける災害等により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。
(5)為替の変動について
当社グループの取引には外貨建て取引が含まれております。為替変動のリスク対策は講じておりますが、全てのリスクを排除することは不可能であり、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)法的規制について
当社グループの生産拠点においては、顔料、樹脂、溶剤等、各種の化学物質を取り扱っており、今後国内・海外を問わず環境に関する法的規制が強化されることがあります。その場合、関連費用等の発生により業績への悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)貸倒れについて
当社グループは多数の顧客へ販売しておりますが、債権を回収できない可能性があります。予期しない回収不能が発生した場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)固定資産の減損会計について
当社グループは製造設備、試験機器等の固定資産を保有しております。固定資産の減損に係る会計基準により減損損失が認識された資産グループは、帳簿価額を回収可能額まで減額し減損損失を計上することとなり、その場合は当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)金利の変動について
当社グループは、事業運営上必要資金について、金融機関からの借入調達を行っております。現行の金融市場に急激な変動が起こった場合には、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)におけるわが国の経済は、緩やかな回復基調が継続しておりましたが、原材料価格や物流コストの上昇、米国の通商政策の動向、中国経済の減速や海外経済の不確実性により、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループは、既存の事業領域における競争力強化と顧客満足の向上および周辺事業領域への拡大に引き続き努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高が446億2千8百万円で前年度比2億3千7百万円の減収(0.5%減)、営業利益は12億3千8百万円で前年度比2億2千5百万円の減益(15.4%減)、経常利益は14億3千5百万円で前年度比2億8千9百万円の減益(16.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億1千2百万円で前年度比1億4千5百万円の減益(12.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
当連結会計年度より事業管理区分を、生産・技術の特性が同じ領域となるよう見直した結果、従来「化成品事業」に含まれていた一部製品について「インキ事業」に変更しております。
なお、以下の前年度比較につきましては、前年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
また、当連結会計年度より「化成品事業」内の製品につき、合成樹脂用着色剤をマスターバッチ、合成樹脂成形材料を樹脂コンパウンドへ表記変更しております。
(インキ事業)
オフセットインキは、想定以上に市場縮小化が進行する中で売上確保に努めましたが、数量および売上高は前年度に比べ減少いたしました。
グラビアインキは、環境対応製品を上市し、新たな需要の開拓に努めましたが、既存製品は厳しい状況が継続し、数量および売上高は前年度に比べ減少いたしました。
インクジェットインクは、受託インクが中国の環境対応による原材料供給不足により伸び悩みました。産業用機能性インクは、堅調に推移し、今後もさらなる伸長を期待しております。
印刷用材料および印刷機械は、オフセットインキと同様に厳しい市場環境の中で売上維持に努めましたが、売上高は前年度に比べ減少いたしました。
この結果、インキ事業の売上高は、146億4百万円で前年度比5億8千1百万円の減収(3.8%減)となりましたが、コスト低減の効果もあり、セグメント利益は5億2百万円で前年度比2百万円の増益(0.6%増)となりました。
(化成品事業)
マスターバッチは、水害、台風、暖冬の影響による若干の落ち込みや下期における原材料価格の変動による買い控えがありましたが、包装資材用、日用品用、自動車用、産業資材用の着色剤および機能性マスターバッチの受注が好調に推移し、数量および売上高は前年度に比べ増加いたしました。
汎用樹脂コンパウンドは、前期に比べ数量の減少はありましたが、銘柄構成の変化により、売上高は増加いたしました。また、機能性樹脂コンパウンドにつきましては、中国経済失速の影響を受け減少いたしました。
この結果、化成品事業の売上高は、216億6千9百万円で前年度比4億2千9百万円の増収(2.0%増)となりましたが、原材料価格の上昇と売上構成の変化による影響を受け、セグメント利益は19億3千8百万円で前年度比9千3百万円の減益(4.6%減)となりました。
(加工品事業)
ネトロン工材は、オリンピック用資材の需要が拡大しましたが、水処理用資材が低調に推移し、売上高は前年度に比べ減少いたしました。
ネトロン包材は、流通向け包装資材の拡販により、売上高は前年度に比べ増加いたしました。
一軸延伸フィルムは、食品包装用フィルムの受注が堅調に推移し、売上高は前年度並みとなりました。
土木資材は、前年度より本格的に市場へ投入したグランドセルが好調に推移したものの、震災復興向け土木資材および一般土木資材の受注減により、売上高は前年度に比べ減少いたしました。
農業資材は、施設園芸用被覆材が順調に推移し、売上高は前年度に比べ増加いたしました。
この結果、加工品事業の売上高は、80億5千3百万円で前年度比8千6百万円の減収(1.1%減)、セグメント利益は4億8千6百万円で前年度比6千4百万円の減益(11.7%減)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業の売上高は、3億1百万円で前年度比2百万円の増収(0.7%増)となりましたが、大規模修繕工事による費用増加のため、セグメント利益は1億2千5百万円となり、前年度比3千2百万円の減益(20.6%減)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産が458億2千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億6千7百万円減少いたしました。主な要因は、受取手形及び売掛金の減少6億3千7百万円、たな卸資産の増加9億1千4百万円、有形固定資産の増加1億5百万円及び投資有価証券の減少13億7千6百万円等によるものです。
負債合計は225億3千万円となり、前連結会計年度末に比べ4億8千7百万円減少いたしました。主な要因は、短期借入金の減少1億1千万円、未払法人税等の減少1億2千7百万円、長期借入金の増加5億6千2百万円、繰延税金負債の減少3億6千3百万円、退職給付に係る負債の減少1億円等によるものです。
純資産の部は232億9千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億8千万円減少いたしました。主な要因は、利益剰余金の増加7億9千6百万円及びその他の包括利益累計額の減少9億8千5百万円等によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は18億6千9百万円で、前連結会計年度末に比べ1億5千8百万円の増加(9.3%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、16億7千5百万円の収入となりました(前連結会計年度は23億7千万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益14億2千9百万円、減価償却費13億2百万円が計上され、売上債権の減少6億3千4百万円、たな卸資産の増加9億1千8百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、16億2千3百万円の支出となりました(前連結会計年度は14億5千7百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出15億2千6百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1億1千2百万円の収入となりました(前連結会計年度は8億9千7百万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額1億1千万円、長期借入による純増額6億1千万円、配当金の支払額2億1千6百万円等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より事業管理区分を、生産・技術の特性が同じ領域となるよう見直した結果、従来「化成品事業」に含まれていた一部製品について「インキ事業」に変更しております。
なお、以下の前年度比較につきましては、前年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産数量合計(トン) |
前年同期比(%) |
|
インキ事業 |
31,233 (6,714) 〔3,809〕 |
101.3 (89.9) 〔98.1〕 |
|
化成品事業 |
50,600 (163) 〔19,919〕 |
96.5 (90.5) 〔105.9〕 |
|
加工品事業 |
4,694 (-) 〔-〕 |
98.2 (-) 〔-〕 |
|
不動産賃貸事業 |
- (-) 〔-〕 |
- (-) 〔-〕 |
|
合計 |
86,528 (6,878) 〔23,728〕 |
98.3 (89.9) 〔104.6〕 |
(注)1 ( )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。
2 〔 〕内数字は外注分を示し、かつ内数であります。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
インキ事業 |
2,810 |
91.8 |
|
化成品事業 |
179 |
117.7 |
|
加工品事業 |
4,344 |
97.9 |
|
不動産賃貸事業 |
- |
- |
|
合計 |
7,334 |
95.9 |
(注) 金額は仕入価額(消費税等抜き)によっております。
c.受注実績
当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
インキ事業 |
14,604 |
96.2 |
|
化成品事業 |
21,669 |
102.0 |
|
加工品事業 |
8,053 |
98.9 |
|
不動産賃貸事業 |
301 |
100.7 |
|
合計 |
44,628 |
99.5 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債、繰延税金資産の回収可能性の検討等には、過去の実績や合理的な見積りを勘案した判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の経営成績等について
製品価格の改定、生産効率の向上を推進してまいりましたが、環境規制等の原材料価格上昇に伴う製造コストの増加等もあり、売上高は446億2千8百万円で前年度比2億3千7百万円の減収(0.5%減)、営業利益は12億3千8百万円で前年度比2億2千5百万円の減益(15.4%減)、経常利益は14億3千5百万円で前年度比2億8千9百万円の減益(16.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億1千2百万円で前年度比1億4千5百万円の減益(12.5%減)となりました。
インキ事業は商業・出版印刷の市場の縮小化が継続し、売上の数量、単価ともに減少しており、厳しい状況であります。
化成品事業は、原材料価格の上昇と売上構成の変化により増収減益となりました。加工品事業は、ネトロン包材および農業資材は好調でありましたが、ネトロン工材が低調に推移したため、売上高は前年度並みでしたが、セグメント利益で減益となりました。
また、インキ事業、化成品事業、加工品事業の各事業間シナジーの推進を実現してまいりました。今後につきましてもさらなるシナジーを追求した共同案件を推進してまいります。
財政状態の状況につきましては、当連結会計年度末の総資産が458億2千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億6千7百万円減少いたしました。主な要因は、受取手形及び売掛金の減少6億3千7百万円、たな卸資産の増加9億1千4百万円、有形固定資産の増加1億5百万円及び投資有価証券の減少13億7千6百万円等によるものです。
負債合計は225億3千万円となり、前連結会計年度末に比べ4億8千7百万円減少いたしました。主な要因は、短期借入金の減少1億1千万円、未払法人税等の減少1億2千7百万円、長期借入金の増加5億6千2百万円、繰延税金負債の減少3億6千3百万円、退職給付に係る負債の減少1億円等によるものです。
純資産の部は232億9千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億8千万円減少いたしました。主な要因は、利益剰余金の増加7億9千6百万円及びその他の包括利益累計額の減少9億8千5百万円等によるものです。この結果、自己資本比率は50.5%となり、前連結会計年度末に比べ0.3%増加となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高が18億6千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億5千8百万円の増加(9.3%増)となりました。
なお、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費等の収入が、有形固定資産の取得等の支出を若干上回り5千1百万円の収入となりました。(前連結会計年度は9億1千2百万円の収入)
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、16億7千5百万円の収入となりました(前連結会計年度は23億7千万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益14億2千9百万円、減価償却費13億2百万円が計上され、売上債権の減少6億3千4百万円、たな卸資産の増加9億1千8百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、16億2千3百万円の支出となりました(前連結会計年度は14億5千7百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出15億2千6百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1億1千2百万円の収入となりました(前連結会計年度は8億9千7百万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額1億1千万円、長期借入による純増額6億1千万円、配当金の支払額2億1千6百万円等によるものです。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
インキ事業の関与する、印刷市場における商業・出版印刷の減少に起因した競争激化、また全事業において、原材料価格の変動による影響があります。
c.当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
事業運営上必要な運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入調達、設備投資資金は金融機関からの長期借入調達を基本としております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社グループでは、経営計画「TOKYOink2020」において、高収益メーカーへの成長の通過点として2020年度連結経常利益15億円を目標に掲げております。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(インキ事業)
売上高は、146億4百万円で前年度比5億8千1百万円の減収(3.8%減)、セグメント利益は5億2百万円で前年度比2百万円の増益(0.6%増)となりました。
セグメント資産は、150億4千9百万円で前連結会計年度末に比べ10億8千5百万円の減少となりました。
インキ事業は、オフセットインキの関与する印刷市場における商業・出版印刷市場の縮小が
継続する中、抜本的改革を推し進め、スリム化・得意分野へ特化した勝ち残れる事業体制へ変革中であります。
グラビアインキは、既存製品の販売が厳しい状況で推移する中、機能性等を軸に戦略製品・差別化製品の開発、販売を一層強化し、新たなマーケティング等新戦略による市場拡大に注力しております。
インクジェットインクは、受託インクが原材料の供給不足による伸び悩みがありましたが、産業用機能性インクは引き続き好調であり、当社グループの高成長事業として更に拡大すべく、展示会等の出展を活用した市場への情報発信を行い、新製品探索に向けた取組みを継続してまいります。
また、当社グループでは、グラビアインキ、インクジェットインク等成長・拡大製品群を開発製品と位置付け、当連結会計年度より発足した営業部門の新組織「市場開発本部」にて更なる利益訴求が出来る体制を構築いたしました。
(化成品事業)
売上高は、216億6千9百万円で前年度比4億2千9百万円の増収(2.0%増)、セグメント利益は19億3千8百万円で前年度比9千3百万円の減益(4.6%減)となりました。
セグメント資産は、187億6千8百万円で前連結会計年度末に比べ4億3千8百万円の増加となりました。
化成品事業は、既存領域との共有度が高い周辺事業領域への参入、生産と技術の高度化により、機能性、医療、光学製品領域への事業展開を行っております。また、バイオマス・生分解樹脂用マスターバッチの拡充により、環境負荷低減ニーズや生態系保護に対応した製品開発を加速させております。
海外の事業につきまして、タイ子会社は売上、利益ともに計画を上回る結果となりました。今後はタイを拠点としてASEAN地域での新規受注を推進し、事業を軌道に乗せるための活動を一層進めていく予定であります。
さらに、事業領域の拡大に伴う生産設備増強により新規案件の受注獲得に向け、吉野原工場及び土岐工場への新規生産ライン増設、大阪工場では新規建屋を建設準備中であり、自動化の推進による省力化、次世代のものづくり体制を目指した競争力のある生産ラインを構築してまいります。
(加工品事業)
売上高は、80億5千3百万円で前年度比8千6百万円の減収(1.1%減)、セグメント利益は4億8千6百万円で前年度比6千4百万円の減益(11.7%減)となりました。
セグメント資産は、52億8千2百万円で前連結会計年度末に比べ5千5百万円の増加となりました。
ネトロン工材は、水処理用資材が競合品との販売競争激化により、前年度に比べて売上が減少しましたが、海外向け大型需要の受注拡大に向け、競争力のある改良製品の市場投入により差別化、市場での優位性確保を図ってまいります。
ネトロン包材は、流通向け食品包装資材の拡大を受け、生産設備増強により増産体制を確保いたしました。新たな顧客との取引開始により増販、収益力を強化いたします。
ネトロン工材、ネトロン包材ともに、新規用途を探索しており、新たなニーズ獲得による一層の競争力向上に取り組んでおります。
一軸延伸フィルムは、食品包装用フィルムが堅調に推移しておりますが、食品用途以外の産業用途向け需要の開発を推進中であり、生産性向上と生産体制見直しによる収益力強化にも継続して取り組んでおります。
土木資材は、「テラセル」、「グランドセル」での新工法開発による差別化、用途拡大を図り、各種土木学会や新技術発表会での工法普及に向けた市場アピールを積極的に取り組んでおります。また、災害エリアへの優先に資源を集中し、復旧に貢献しております。
農業資材は、多層断熱被覆資材である「エナジーキーパー」の更なる市場認知度アップに向けて、マーケットへの訴求を図り、信頼性や採用事例を増加させ、農材メーカーとしてのプレゼンスを高めてまいります。
(不動産賃貸事業)
売上高は、3億1百万円で前年度比2百万円の増収(0.7%増)、セグメント利益は1億2千5百万円で前年度比3千2百万円の減益(20.6%減)となりました。
セグメント資産は、20億3千2百万円で前連結会計年度末に比べ1億2千7百万円の減少となりました。
不動産賃貸事業は、埼玉県その他の地域において、倉庫及びオフィスビルを賃貸しております。当連結会計年度における売上高は安定しており、当社グループとしましては、保有不動産の有効活用を目的とした事業運営を行っております。
該当事項はありません。
当社グループは、「配合設計技術」、「プロセス制御技術(混合・溶解・分散)」、「成形加工技術」を基盤技術とし、これまで長年に亘り印刷インキおよびプラスチック用着色剤とその関連製品の生産に携ってまいりました。
これらの基盤技術に新規技術の調査・探求、研究成果を融合させて改良を加え、暮らしに役立つより良い製品の創出に努力を重ねております。近年、情報伝達技術の目覚ましい発達により、新たなサービスの利用が可能となってきており、さらに踏み込んだ製品の評価・解析技術力の向上と知的財産権の保全強化に注力した研究開発活動を行なっております。
開発・技術部門では、原材料から製品に至る過程での化学物質管理を一層強固にするため、設計・生産段階への化学物質に関する最新情報をすばやく取り込んだ「ものつくり」へと変化させてまいりました。
次世代事業の製品創出には、SDGsに沿った活動が相応しく、日本および国際社会の一員として各企業、研究機関等との連携・共同研究による技術開発に努めております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
セグメント別の研究開発活動概要は次のとおりです。
(インキ事業)
オフセットインキにつきましては、当社の主力製品であるヒートセットオフ輪プロセスインキ「ガイア」、枚葉プロセスインキ「ニューセルボ」に加え、新聞用高濃度インキ「ニューズメジャー」、高感度UVインキ「ジップキュアUVOL」の製品づくりに引き続き注力いたしました。 印刷用紙が低級紙にシフトする業界の流れに対応し、オフ輪インキの低級紙対応や、印刷環境を改善する枚葉インキのパウダーレス化など、業界の流れや環境に配慮した製品の市場提供に向けて開発・改良に邁進してまいりました。印刷市場の変化縮小による販売競争の激化に対応するべく、需要家である印刷会社からのニーズを確実に製品に反映した結果、顧客内シェアを確保できました。
新聞インキにつきましては、新聞発行部数が減少する中で、積極的な開発・改良設計に取り組み、高濃度新聞輪転用プロセスインキ「ニューズメジャークロマ」、高漆黒新聞墨インキ「ニューズメジャークロマ ブラック」の性能向上を図りました。
オフセットインキ市場で数量の伸びている紫外線硬化型(UV)インキにつきましては、印刷適性の向上と製品ラインナップの統合を充実させた結果、高感度紫外線硬化型インキ「ジップキュアUVOL」の販売は堅調に推移いたしました。
その他、オフセット印刷用補助剤につきましても、環境負荷低減対応を第一優先課題と考え、有機則・PRTR非該当化により、使い易いだけでなく、安全な製品の提供に努めてまいりました。
今後も、環境に配慮した高収益メーカーになるべく、地球と人にやさしい設計による製品の提供により、需要家の要望に応えてまいります。
グラビアインキにつきましては、食品包材向けフィルム用インキ、成型品用インキの開発・改良を進め、環境調和製品や機能性、意匠性を有する製品の開発に取り組んでまいりました。環境調和製品に関しましては、バイオマス由来材料を使用したインキの品種拡大を進め、バイオマスマーク登録を行ってまいりました。さらに、米ぬか由来材料を使用したインキの開発にも取り組み、ライスインキの品種拡大を進めました。
機能性製品に関しましては、遮光性インキ、帯電防止インキ、各種マットインキ、触感インキ、ヒートシール剤等の開発を行ってまいりました。
意匠性製品に関しましては、フィルム用・紙用見本帳を活用することで、食品包装や衛生材用途でパールや高輝度金・銀インキ等の採用事例を増やすことが出来ました。又、成型機を導入してトレー等の成型品での提案にも注力いたしました。
今後も、様々な包装材料分野への展開を進めるとともに、これら機能性、意匠性を有する高付加価値製品を充実させてまいります。
インクジェットインクにつきましては、受託製品の獲得と自社製品の開発に取り組んでまいりました。受託製品に関しては、製造設備、生産工程の最適化ラインを構築しながら、より多くの新規受託製品獲得を目指しております。自社製品に関しては、塗料代替となる外壁用・内壁用UVインクジェットの建材用インクが堅調に推移しました。またその他マーキング用、加飾用等の製品も順調に推移し、今後も新しい機能性UV硬化インクを中心とした開発に取り組み、様々な分野、用途において採用を目指してまいります。
当連結会計年度におけるインキ事業の研究開発費は
(化成品事業)
当連結会計年度は、拡販銘柄として自動車用、食品包装用向けマスターバッチを中心に、開発・改良に取り組んでまいりました。
マスターバッチ分野ではこれまでのポリオレフィン主体から非ポリオレフィン分野での比率を高めるべく、生分解性樹脂及びバイオマス材料も含め、素材に合わせた調色体制の強化を進めてまいりました。今後も取り組みを継続してまいります。機能性製品としましては、難燃剤・耐候安定剤・加工助剤マスターバッチを上市いたしました。その他、製品銘柄の充実を目指し、CNF、CNT などのナノマテリアルの分散検討にも取り組み、新製品開発を目指しております。
コンパウンド分野は、受注による増産対応すべく、各工場への技術支援を行ってまいりました。また、3Dプリンター用フィラメントコンパウンドの上市も行いました。今後は自動化による省人化などを推進し、案件獲得とともに収益改善活動に引き続き取り組んでまいります。
土岐第2工場では、クリーン環境下における新製品の立ち上げ技術支援について取り組んでいます。製品化に向けた量産試作技術支援を継続して行い、食品・医療用、電子、エネルギー、光学フィルム関連材料を中心に、ユーザーとの共同開発テーマを積極的に進めています。今後も引き続きクリーン環境下における差別化製品の開発および、立ち上げに取り組んでまいります。
大阪工場は建屋更新のため生産性向上を目指した自動化ラインの検討を開始いたしました。
タイ工場につきましては、新規銘柄を中心に技術・生産整備を行ってまいりました。東南アジア市場でのニーズに応える製品開発を目指し引続き取り組んでまいります。
今後も生産・販売・技術が一体となり、マーケット情報を共有してニーズに沿った製品開発を進めてまいります。
当連結会計年度における化成品事業の研究開発費は
(加工品事業)
当連結会計年度においては、引き続き既存製品の改良と新規製品開発に取り組んでまいりました。
ネトロン分野では、金型加工技術の習得を重点課題と捉え、3D-CAD・CAMシステムを導入しモデリング技術の向上に努めました。また、トップラベル加工機を子会社に導入し、金型設計から試作まで一貫して対応できる体制を整え、製品開発を進めてまいりました。
一軸延伸フィルム分野では、ひねり包装用銘柄の性能・品質向上に注力致しました。客先の生産機と同型のひねり包装機を導入し、同じ条件でひねり包装評価を行なうことで、これらの性能・品質向上のスピードアップを図ることができました。顧客の生産機と相関性の高い評価方法を新たに導入することにより、顧客からの信用獲得に寄与できました。
土木分野においてはジオセルの表面シートを難燃化した「難燃性グランドセル」の開発及びジオセル同士の接続部材である「セルロック」の開発に着手し、期中の製品開発を進めてまいりました。
農材分野では、夏期の高温対策としてハウス用遮熱塗布材の開発に注力致しました。これまでの製品は、夏の期間を過ぎた後に塗布材を除去する必要がありましたが、開発品は不要となるため塗布したままで通年使用が可能となりました。これからも社内他事業との連携を深め、特徴のある素材を生かした製品化を進めてまいります。
当連結会計年度における加工品事業の研究開発費は
(その他)
当社の研究開発は、分散技術の高度化から、有機・無機顔料の微粒子化、その界面制御、そしてコート剤等の成分で重要な役割を果たすバインダー設計に必要な重合技術の確立へと、その活動の範囲を徐々に広げてまいりました。その中で当期では、特に光学系に関わる機能性材料について、研究機関との共同研究を行ってまいりました。また、またそれら機能性材料について、事業化検討を開始しました。「省力化」、「効率化」、「精密化」そして「安全」をキーワードに新規生産プロセスについて注力しています。
引き続き、機能性材料に関わる技術開発や新規プロセスの設計において、コンピューターシミュレーションやAIとIoTの活用検討を新たに加え、研究活動や当社事業に関わる技術検討の合理化ができるよう努めてまいります。新規の技術開発テーマの選定また現在検討中の技術開発を促進させるために、研究機関との共同研究も継続してまいります。
有望市場である、環境、エネルギー、そしてセンサー等(バイオ関連を含む)の各分野に注目し、新規事業創出を目的に活動を展開してまいります。
当連結会計年度におけるその他の研究開発費は202百万円であります。