文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「暮らしを彩る、暮らしに役立つものづくりで、社会に貢献する」を理念として、「色彩を軸に、市場が求める価値をお客様と共に創造、実現し続ける企業」を目指しております。
(2)経営戦略等
2016年に公表した、高収益メーカーへの成長の通過点として2020年度連結経常利益15億円を目標とする5か年の経営計画「TOKYOink 2020」における経営戦略は以下のとおりであります。
①コア事業の更なる強化とコア事業周辺領域の事業を拡大することを目指した事業戦略
②素材を活かす要素技術と加工技術の拡充を目指した技術戦略
③株主価値の向上と事業戦略に応じた最適資本構成を目指した財務戦略
④人的資源の有効活用を目指した人事戦略
合わせて、基盤の整備として「現場力の徹底強化」を推進してまいります。
なお、2020年度は、「TOKYOink 2020」の最終年度であり、2020年度に策定する次期経営計画には、新型コロナウイルス感染症による経営環境への影響を注視し、経営戦略等へ反映してまいります。
(3)経営環境
わが国の経済は、2019年度中は中国経済の減速や消費税増税による影響があるものの全体としては緩やかな回復基調が継続しておりましたが、2020年に入ってからは、全世界に広がった新型コロナウイルス感染症の影響による急激な消費動向の変動により極めて不透明な状況にあります。
当社グループを取り巻く事業環境は、環境規制等による原材料供給問題、環境意識の高まりによる脱プラスチックの流れ、商業・出版印刷の更なるデジタルへのシフト、物流コストの上昇等による影響が見受けられる中、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により当社グループ製品の需要動向に影響が及んでおります。
新型コロナウイルス感染症の拡大や収束の時期等により、今後の市場動向、経済動向は大きく変動する可能性があり、当社グループ事業活動への影響を注視し、その影響が最小限となるよう努めてまいります。
(4)経営計画「TOKYOink 2020」について
2020年度は経営計画「TOKYOink 2020」の最終年度にあたり、高収益メーカーを目指して引き続きコア事業の更なる強化とコア事業周辺領域の事業の拡大を進めてまいりますが、今般の新型コロナウイルス感染症拡大の影響による世の中の変化を注視し、これからの市場が求める価値をお客様と共に創造、実現し続ける企業となることで、企業価値の向上に努めてまいります。
① セグメントごとの2019年度までの進捗と2020年度に優先的に対処すべき取り組み内容は以下のとおりであります。
(a) インキ事業
オフセットインキは、商業・出版印刷市場において更なるデジタル化が進行し、市場が縮小しております。
その中で、「選択と集中」をキーワードに品種統合や、生産体制変更、協業等を推進してまいりましたが、これらの動きを更に加速させ持続可能な事業体制の整備を進めてまいります。
グラビアインキは、機能性・高意匠性のコーティング製品とライスインキ、バイオマスインキ、バリア剤等の環境調和型製品のラインアップを進めてまいりました。市場ニーズを見据えながら、ラインアップの更なる拡充と拡販に取り組んでまいります。
インクジェットインクは、産業用途の受託と自社製品を両輪に新規案件の獲得に努めると同時に、今後、市場性が見込まれる軟包装向け新製品の開発も進めてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症対策としての外出自粛に伴い宣伝も自粛され、イベントも中止となることで、チラシ、パンフレット等の印刷物が減少し、オフセットインキの需要が減退しております。
(b) 化成品事業
フィルム、容器、自動車、各種産業用途の製品を中核とする既存領域の強化に加え、顧客対応力を武器に医療、光学用途等の周辺領域への事業展開を図っておりますが、これらの動きを更に加速させてまいります。
一方でプラスチックによる環境問題への対応として、環境負荷低減、生態系保護に寄与するバイオマス・生分解樹脂用マスターバッチ製品を拡充し、さらに、農業用途向け製品の拡販も進めてまいります。
添加剤マスターバッチにつきましては、環境対応やフードロス対策等の機能性を付与する差別化製品の開発・拡販を推進してまいります。さらに、少量添加で均一に着色出来る液体タイプのマスターバッチの供給体制を整えましたので、製品の特長を生かした透明度の高い色が多く使われる用途への販売により顧客満足度向上を目指してまいります。
また、生産体制の最適化にも着手し、大阪工場に次世代のものづくりを見据えた新規建屋の建設に着手いたしました。2020年度中に竣工し、生産設備を順次稼働させる予定であります。
なお、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響による国内の自動車生産台数の減少により、当社の自動車用マスターバッチ及びコンパウンド製品の販売にマイナス影響が出ております。
また、外出自粛にともなう百貨店、小売店等の休業により、包装資材の需要が減退し、そこに使用される当社マスターバッチ製品の販売へも影響が出ております。
(c) 加工品事業
プラスチックネット製品「ネトロン」は、工材分野の水処理用資材について海外向け市場が拡大しており、需要に対応すべく新規生産設備を導入いたしましたので、更なる拡販に努めてまいります。
包材分野では2019年度に増強した設備を活用して流通向け食品包装資材での拡販を継続して進めてまいります。
一軸延伸フィルムは、新規製品の市場投入を進めながら、一方で生産性向上に取り組んでまいります。
土木資材は、主力のジオセル製品について国土交通省認証の取得、さらに、その評価レベルを向上させた新工法を開発・導入することにより他社との差別化が進み、災害復旧や老朽更新等の案件に広く採用されております。このジオセル製品を軸にした新工法の開発・導入を更に進め付加価値の高いソリューションを提供してまいります。
農業資材は、開発を進めてきた多層断熱被覆資材の市場開拓を進めながら、新規ニーズの探索を引き続き進めております。
なお、現時点、加工品事業における新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、限定的となっております。
② 技術戦略として素材を活かす要素技術と加工技術の拡充を進めており、セグメントごとにおける進捗は以下のとおりであります。
(a) インキ事業
新たな要素技術・加工技術を用いて産業用インクジェット製品、各種環境調和型グラビアインキ、機能性・高意匠グラビアインキを開発し、上市いたしました。さらに、これまでの技術を活用、発展させ、軟包装用デジタル印刷商材として、電子線硬化方式の印刷に対応したインクジェットインクの開発に着手しております。また、各種分散体の受託生産に供する加工技術の幅を広げ、新規設備を導入することで、より広範囲な分野の受託対応が可能となっております。
(b) 化成品事業
これまでに培ってきた技術を応用してのバイオマス・生分解樹脂用マスターバッチのラインアップ、更には新たに導入した技術による液体タイプマスターバッチを上市いたしました。また、新たな分散プロセス、およびより高度で省力化に寄与する生産管理技術の導入を進めております。
(c) 加工品事業
回転異形押出製品である「ネトロン」の成形技術のブラッシュアップを行い、性能、生産性向上を実現いたしました。
2020年度も引き続き要素技術と加工技術の拡充に取り組み、新製品開発と既存製品の性能向上に努めてまいります。
また、2019年度には長年の懸案であった全社業務システムの全面刷新を実施し、新たな業務システムは2019年5月より順調に稼働しております。今後、このシステムを活用して業務の更なる効率化を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループの経営環境におけるリスクとしては、事業リスク、財務リスク等多岐にわたるものがあり、記載事項以外に予測し難いリスクも存在するため、当社グループの想定を超えた予測不能な事態が発生した場合、十分な対応がとれない可能性があります。
当該リスクの顕在化する可能性の程度を鑑みた上で、顕在化した場合の経営成績等に与える影響度が高いと考えられる順に並べており、当該リスクの発生回避および発生時の対応に努める所存であります。
新型コロナウイルス感染症拡大により、当社グループの主たる関係性のある印刷業界や自動車業界の状況がもたらす当社グループ製品の需要動向に及ぼす影響が今後先行き不透明であるものの、当連結会計年度末時点においては限定的であると考えられます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
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リスク種類 |
リスク項目 |
リスク内容 |
リスクへの対応策 |
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事業リスク |
原材料価格変動 |
原油・ナフサ市況やグローバルな環境規制等による原材料価格の高騰リスク |
・複数の仕入先からの原材料購入による安定調達 ・自助努力によるコスト削減、販売先に対する製品価格への転嫁 |
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事業リスク |
業界動向 |
インキ事業における商業・出版印刷市場一層の縮小化に伴う紙媒体取扱いの減少リスク 化成品事業における脱プラスチック化、環境規制、フードロス対策等による既存市場縮小の懸念リスク |
・更なる「選択と集中」の加速、品種統合や生産体制変更・協業等の推進による事業体制の構築 ・既存領域との共有度が高い周辺事業(医療、光学製品等)領域への事業展開拡大 |
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事業リスク |
販売価格動向 |
市場価格の動向による販売数量の減少、販売価格の下落等のリスク |
・製品の開発、改良、コスト削減等の対策 ・競合先に対する差別化、技術・サービスの向上 |
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事業リスク財務リスク
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災害 |
地震・台風等の自然災害、火災等の事故による ①生産拠点等設備への損害リスク ②電力・水道等インフラの供給に障害発生リスク ③生産・出荷停滞による業績影響リスク ④原材料等サプライヤーの災害等による仕入先変更による一時的な仕入原価上昇リスク |
・生産機能の相互補完、生産工場の耐震補強 ・BCP策定による対応強化 ・各種保険への加入 ・防災訓練の実施、社員安否確認システムの活用 ・複数仕入先からの原材料等の購入 |
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リスク種類 |
リスク項目 |
リスク内容 |
リスクへの対応策 |
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事業リスク 財務リスク |
疫病 |
国内外における新型コロナウイルス感染症流行による ①業績影響リスク ②事業活動への影響リスク ③資金調達リスク |
・マスク着用、手洗い・うがいの徹底、手指の消毒等衛生管理、出社前の検温等感染予防策 ・顧客への訪問活動の自粛、国内外出張禁止 ・大人数による会議原則禁止、時差出勤・在宅勤務(テレワーク)の推進 ・Web会議システム、社内ネットワークへのアクセスツール等インフラの整備、活用促進
・化成品事業における感染防止用のマスク等衛生材・食品包装資材の需要増等、市況変化に柔軟に対応し新規案件への展開を図る ・化成品事業における各自動車メーカーの生産台数回復後を見据えた活動継続 ・加工品事業におけるスーパー等での食品等陳列方法の多様化をキャッチアップし、食品包装資材の継続拡大を図る ・複数金融機関とのコミットメントライン契約設定額の増額検討、同契約に関する財務制限条項抵触リスクの精査と見直し検討 |
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事業リスク |
品質管理 |
製品の欠陥及び使用原材料等の不具合による納入先から損害賠償の請求、社会的信用の低下リスク |
・ISO9001の遵守及び安全データシート(SDS)を活用した品質向上を図る ・製造物責任法に関する損害保険の加入 |
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事業リスク 財務リスク |
情報セキュリティ |
コンピュータウイルス感染リスク、個人情報や機密情報漏洩、システム障害リスク |
・情報セキュリティ対策の向上等、ハード面・ソフト面による様々な対策の実施 |
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財務リスク |
固定資産減損 |
生産拠点の地価動向、特定事業の収益性低下による生産設備使用価値の毀損リスク |
・資産収益性を高める事業活動の実施 |
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リスク種類 |
リスク項目 |
リスク内容 |
リスクへの対応策 |
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財務リスク |
投資有価証券減損 |
株式市場等の動向による保有株式評価の毀損リスク |
・保有先の財務状況等の把握 ・政策保有株式の保有可否の継続的な検証 |
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事業リスク |
海外展開 |
海外進出国の政治・経済・景気動向等社会情勢の変化、カントリーリスクの顕在化による業績影響リスク |
・進出国の適度な分散 ・貿易保険への加入 |
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財務リスク |
税務 |
将来課税所得見積の変更等による税金費用の変動リスク 海外進出国の税制による税金費用の変動リスク |
・税金費用最小化へ方策の立案実行 ・各海外進出国税制の把握 |
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財務リスク |
貸倒 |
予期せぬ取引先の経営破綻による債権回収不能リスク |
・与信債権管理運用基準による取引先状況の定期的なモニタリング ・債権保証契約による債権保全 |
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事業リスク 財務リスク |
法的規制 |
国内外の法令規制変更による法令対応費用の発生リスク 顔料、樹脂、溶剤等化学物質に関する法的規制リスク |
・法令関連部門の強化 ・化学物質に関する法令規制についての情報収集 ・規制外の代替物質の検討 |
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事業リスク 財務リスク |
知的財産 |
知的財産権の第三者からの侵害又は第三者への侵害により発生する損害賠償、使用差止等の請求リスク |
・同業他社の公開公報、登録公報の定期的確認 |
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財務リスク |
為替変動 |
外貨建取引による為替変動リスク |
・外貨建債権・債務残高のバランス ・先物為替予約の実施によるヘッジ |
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財務リスク |
金利変動 |
金融市場の急激な変動リスク |
・借入調達金利の固定化 |
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)におけるわが国の経済は、企業収益の底堅い推移や堅調な個人消費等により緩やかな回復基調で推移しておりましたが、米中貿易摩擦による中国経済の減速、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動、また、新型コロナウイルス感染症拡大により、急速な世界経済の低迷がもたらされ、景気の先行きは極めて不透明な状況に陥っております。
このような状況の中、当社グループは、既存の事業領域における競争力強化と顧客満足の向上および周辺事業領域への拡大に引き続き努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高が425億7千2百万円で前年度比20億5千6百万円の減収(4.6%減)、営業利益は5億9千2百万円で前年度比6億4千6百万円の減益(52.2%減)、経常利益は8億8百万円で前年度比6億2千9百万円の減益(43.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億5千7百万円で前年度比3億7千万円の減益(36.1%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(インキ事業)
オフセットインキは、市場規模の縮小化と原材料価格の高止まりが継続する中で、選択と集中で売上確保に注力しましたが、想定以上の折込チラシ等の低迷もあり、数量および売上高は前年度に比べ減少いたしました。
グラビアインキは、紙用グラビアインキが低調でしたが、軟包装用環境対応製品など戦略製品が健闘し、売上高は前年度に比べ増加いたしました。
インクジェットインクは、受託インクは委託先の内製化により伸び悩み、産業用機能性インクは、建材用需要の減少により、数量および売上高は前年度に比べ減少いたしました。
印刷用材料および印刷機械は、オフセットインキと同様に市場が低迷する中で売上維持に注力いたしましたが、新たな設備投資が手控えられるなどの要因も重なり、売上高は前年度に比べ減少いたしました。
この結果、インキ事業の売上高は134億5千4百万円で前年度比11億4千9百万円の減収(7.9%減)、セグメント利益は2億9千8百万円で前年度比2億4百万円の減益(40.7%減)となりました。
(化成品事業)
マスターバッチは、世界的な脱プラスチックの影響、食品容器・包装資材関係が流通業界のフードロス対策や営業時間短縮等の影響、日用品向けや建材向けも個人消費や住宅着工件数の低迷の影響を受け、前年度に比べ減少いたしました。環境対応製品として上市した機能性マスターバッチ等は、堅調に推移しました。自動車関連マスターバッチは、消費税率変更や一部自動車メーカーの生産台数減少の影響がありましたが、計画どおりに推移いたしました。
樹脂コンパウンドは、消費低迷と自動車の生産台数減少の影響を受け、数量および売上高は前年度に比べ減少いたしました。
この結果、化成品事業の売上高は207億6千7百万円で前年度比9億2百万円の減収(4.2%減)、セグメント利益は15億3千4百万円で前年度比4億4百万円の減益(20.8%減)となりました。
(加工品事業)
ネトロン工材は、オリンピック用資材の物件終了に伴う販売が減少いたしましたが、水処理用資材の輸出需要増加等により、売上高は前年度に比べ増加いたしました。
ネトロン包材は、事業拡大により、売上高は前年度に比べ大幅に増加いたしました。
一軸延伸フィルムは、脱プラスチックおよびフードロス対策等、市場マインドの後退により食品包装用途が減少したため、売上高は前年度に比べ減少いたしました。
土木資材は、独自工法の確立で、災害復旧需要に対応したジオセルおよび周辺部材が採用され、好調に推移し、売上高は前年度に比べ増加いたしました。
農業用資材は、市況低迷により、売上高は前年度に比べ減少いたしました。
この結果、加工品事業の売上高は80億8千8百万円で前年度比3千5百万円の増収(0.4%増)、セグメント利益は6億7百万円で前年度比1億2千万円の増益(24.8%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業は、賃貸物件の売却により、売上高は2億6千万円で前年度比4千万円の減収(13.5%減)、セグメント利益は1億2千万円で前年度比5百万円の減益(4.2%減)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は432億5千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億9千6百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金の減少2億9千2百万円、受取手形及び売掛金の減少19億9千8百万円、たな卸資産の増加8千1百万円、有形固定資産の減少7億6千万円及び投資有価証券の減少5億7千7百万円等によるものです。
負債合計は193億5千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ31億7千1百万円減少いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少28億8千7百万円、短期借入金の増加3億4千万円、未払法人税等の増加1億1千2百万円、長期借入金の減少3億3千5百万円、繰延税金負債の減少4億7千6百万円、退職給付に係る負債の増加2億3千7百万円等によるものです。
純資産の部は239億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億2千4百万円減少いたしました。主な要因は利益剰余金の増加4億9千6百万円、自己株式の増加による減少2億1百万円及びその他の包括利益累計額の減少5億2千8百万円等によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は15億7千6百万円で、前連結会計年度末に比べ2億9千2百万円の減少(15.7%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、6億6千1百万円の収入となりました(前連結会計年度は16億7千5百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益8億3千万円、減価償却費13億5千2百万円が計上され、売上債権の減少19億9千9百万円、仕入債務の減少28億9千4百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4億4千2百万円の支出となりました(前連結会計年度は16億2千3百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出20億1千2百万円、有形固定資産の売却による収入15億7千3百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、6億2千1百万円の支出となりました(前連結会計年度は1億1千2百万円の収入)。主な要因は、短期借入金の純増額3億4千万円、長期借入による純減額3億7千2百万円、配当金の支払額2億1千5百万円等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産数量合計(トン) |
前年同期比(%) |
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インキ事業 |
26,657 (6,466) 〔3,785〕 |
85.3 (96.3) 〔99.4〕 |
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化成品事業 |
45,630 (107) 〔17,211〕 |
90.2 (66.1) 〔86.4〕 |
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加工品事業 |
4,748 (-) 〔1,820〕 |
101.1 (-) 〔-〕 |
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不動産賃貸事業 |
- (-) 〔-〕 |
- (-) 〔-〕 |
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合計 |
77.035 (6,574) 〔22,817〕 |
89.0 (95.6) 〔96.2〕 |
(注)1 ( )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。
2 〔 〕内数字は外注分を示し、かつ内数であります。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
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インキ事業 |
2,327 |
82.8 |
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化成品事業 |
351 |
195.9 |
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加工品事業 |
4,029 |
92.8 |
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不動産賃貸事業 |
- |
- |
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合計 |
6,708 |
91.5 |
(注) 金額は仕入価額(消費税等抜き)によっております。
c.受注実績
当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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インキ事業 |
13,454 |
92.1 |
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化成品事業 |
20,767 |
95.8 |
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加工品事業 |
8,088 |
100.4 |
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不動産賃貸事業 |
260 |
86.5 |
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合計 |
42,572 |
95.4 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の財政状態
当連結会計年度末の総資産は432億5千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億9千6百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金の減少2億9千2百万円、受取手形及び売掛金の減少19億9千8百万円は、前連結会計年度末日が金融機関の休日であったことにより決済日が当連結会計年度になったことが影響しており、たな卸資産は、製品2億7千4百万円の増加、仕掛品3千2百万円の増加及び原材料1億5千5百万円等が増加した一方、商品は一部商品の商流を変更したことに伴い、3億8千3百万円の減少となりました。有形固定資産の減少7億6千万円は、不動産賃貸物件の売却等の影響があり、投資有価証券の減少5億7千7百万円は政策保有株式の売却による減少や保有株式の時価評価額の減少等が主な要因であると分析しております。
なお、第4四半期以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い、当社グループの生産拠点において、感染者等の発生による事業所の閉鎖、生産活動の停止等に備え、当社グループの顧客に対する製品供給体制を維持していくことを目的として、一部の製品、仕掛品の計画的な増産活動を行った結果、製品及び仕掛品のたな卸資産増加に一部影響を及ぼしております。
セグメント資産の状況は次のとおりであります。インキ事業は138億6千8百万円で前年度比9億5千万円の減少となりました。化成品事業は194億6千2百万円で前年度比3億6千9百万円の減少となりました。加工品事業は53億9千1百万円で前年度比1億8百万円の増加となりました。不動産賃貸事業は5億6千5百万円で前年度比14億6千6百万円の減少となり、報告セグメント合計は392億8千7百万円で前年度比26億7千8百万円の減少となりました。
負債合計は193億5千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ31億7千1百万円減少いたしました。主な要因として、支払手形及び買掛金の減少28億8千7百万円は、前連結会計年度末日が金融機関の休日であったことにより決済日が当連結会計年度になったことが影響しており、短期借入金は、新型コロナウイルスの感染症拡大が急速に進行した第4四半期において、当社グループの売上高が一時的に減少し、必要資金が充分確保出来ない事業継続懸念等、有事に備えて運転資金等手許資金を厚くしたこと等により、3億4千万円増加、未払法人税等の増加1億1千2百万円、長期借入金の減少3億3千5百万円、繰延税金負債は、税務上の買換資産圧縮積立金を取り崩したことにより4億7千6百万円減少、退職給付に係る負債は2億3千7百万円増加したこと等によるものと分析しております。
純資産の部は239億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億2千4百万円減少いたしました。主な要因は利益剰余金の増加4億9千6百万円、当連結会計年度に実施いたしました自己株式の取得による減少2億1百万円およびその他の包括利益累計額は、保有株式の時価下落等により5億2千8百万円減少したこと等によるものと分析しております。
また、当該純資産による自己資本比率は、54.9%となり、前年度比3.5%増となりました。
b.当社グループの当連結会計年度の経営成績
当社グループを取り巻く事業環境は、世界的な環境規制等による原材料供給不足や価格の高止まり継続による製造コストの上昇、環境意識の高まりによる脱プラスチックの流れ、商業・出版印刷の更なるデジタル化が進んでおります。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、当社グループ製品の需要動向に影響が及んでおります。
このような厳しい事業環境の中、当社グループは、高収益メーカーを目指して引き続きコア事業の更なる競争力強化と顧客満足度の向上および周辺事業領域の拡大を目指した事業戦略、素材を活かす要素技術と加工技術の拡充を目指した技術戦略を掲げ、かつ、今般の新型コロナウイルス感染症拡大の影響による社会情勢の変化を注視し、これからの市場が求める価値をお客様と共に創造・実現し続ける企業となることで、他社との差別化を図り、企業価値の向上に努めてまいります。
当連結会計年度の業績は、売上高が425億7千2百万円で前年度比20億5千6百万円の減収(4.6%減)となりました。これは、主に第4四半期におきまして、新型コロナウイルスの急速な感染拡大に伴い、特にインキ事業及び化成品事業における消費マインドの低下等が影響したことも一因であります。営業利益は当連結会計年度において基幹システムの変更に伴う一時費用の増加等もあり、5億9千2百万円で前年度比6億4千6百万円の減益(52.2%減)、経常利益は8億8百万円で前年度比6億2千9百万円の減益(43.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億5千7百万円で前年度比3億7千万円の減益(36.1%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、子会社である東京油墨貿易(上海)有限公司は、合計の総資産、売上高、当期純利益及び利益剰余金等の連結財務諸表に及ぼす影響の重要性が増したため、連結の範囲に含めております。
また、現段階において、当社グループにおける新型コロナウイルス感染症の影響と対策については以下のとおりであります。
原材料全般の調達環境悪化や価格の著しい変動等の影響は限定的であり、生産体制においては、社員の安全を最優先に顧客への製品供給体制等事業継続性を前提として、生産活動を行っております。全事業所における社員のマスク着用や手洗い・うがいの徹底、手指の消毒等衛生管理や出社前の検温等感染予防策に努めており、販売活動においては、政府による緊急事態宣言発令以前より、特に、顧客への訪問活動の自粛や国内外出張の禁止等措置を講じるとともに、営業、間接部門の社員に対して、大人数でのミーティングの原則禁止や時差出勤及び在宅勤務(テレワーク)の推進とそれを可能にするWeb会議システムや社内ネットワークへのアクセスツール等インフラ整備や活用促進を行ってまいりました。
販売状況等つきましては、セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容に該当箇所を記載しております。
(インキ事業)
売上高は134億5千4百万円で前年度比11億4千9百万円の減収(7.9%減)、セグメント利益は2億9千8百万円で前年度比2億4百万円の減益(40.7%減)となりました。
インキ事業は、オフセットインキの需要先である印刷市場におきまして、オンデマンド印刷やデジタル化へのシフトが急速に進展し、商業・出版印刷市場が一層縮小しており、売上高は前年度と比べて減少いたしました。また、市場縮小化の影響により、限られた市場で各社の競争が一層激化した結果、セグメント利益も前年度と比較して大幅な減益であったと分析しております。
なお、第4四半期以降、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、不要不急の外出自粛や消費者動向の変化による購買意欲の減退等が影響し、折込チラシの低迷に一層拍車がかかり、売上高やセグメント利益の減少が顕著になったと考えております。
オフセットインキの当年度業績を踏まえた今後の見通しと対応につきましては、印刷市場の縮小継続の中、更なる「選択と集中」を加速させ、品種統合や生産体制の変更および協業等の推進により構造改革を推し進め、スリム化・得意分野へ特化した持続可能な事業体制の整備を進めてまいります。
なお、新型コロナウイルスによる需要減退の現状は、収束時期の不確実性が極めて高い状況で推移しており、外出自粛に伴い訪問による営業活動が制限されていることでの販売減少や、当社が主戦場としている商業・出版印刷市場がデジタル媒体や他の代替手法へ恒久的にシフトし、今後の市場回復が見込めない可能性等、社会全体の生活様式変化が起こる可能性があることから、注意深く事業運営の見極めと判断を行ってまいります。
グラビアインキは、既存製品の販売が消費低迷等により厳しい状況で推移する中、機能性・高意匠性の製品とライスインキ、バイオマスインキ、バリア剤等環境調和型製品を軸として、戦略製品・差別化製品の開発、販売を推し進めた結果、市場ニーズを捉えることが出来、売上高は前年度と比較して増加したと分析しております。今後も市場ニーズを見据えながら、ラインアップの更なる拡充を図り、新規案件や新規顧客を開拓し、市場拡大に注力してまいります。
なお、当年度では、新型コロナウイルスが業績に大きな影響を与えていると考えておりませんが、今後、軟包装用途の市場において、当該感染症の拡大により起因した外出自粛等の行動様式から、食事のテイクアウトを含めた在宅での食生活指向が高まり、食品包装用途の一部が堅調な動向で推移する可能性がありますが、長期的な視点では未だ先行き不透明であると考えます。加えて、外出自粛に伴い訪問による営業活動が制限されていることで、顧客との接点が減少し、新規販売等機会の減少が懸念されます。
インクジェットインクは、受託インクが委託先の内製化により売上高が減少、産業用機能性インクも、建材用需要が住宅着工件数低迷等の影響を受け、前年度と比較して売上高、利益とも減少したと分析しております。今後のインクジェットインクの当年度業績を踏まえた今後の見通しとして、産業用途において、受託案件と自社製品の両輪による高成長事業として、さらに拡大すべく、展示会等の出展や各種チャネルを通じた新規案件の探索を行っていく戦略およびデジタル印刷市場での差別化技術を確立し、新市場創造・参入へチャレンジしてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響によるインクジェットインクの需要動向は、市場を取り巻く消費環境の直接・間接的影響が現段階では不透明であり、今後の動向を注視してまいります。
(化成品事業)
売上高は207億6千7百万円で前年度比9億2百万円の減収(4.2%減)、セグメント利益は15億3千4百万円で前年度比4億4百万円の減益(20.8%減)となりました。
化成品事業は、フィルム、容器、自動車、各種産業用途の製品群を中核とする既存領域の強化を軸として、当社グループの強みである顧客対応力を活かした製品の開発・製造・販売に注力しております。
主力のマスターバッチは、環境問題に端を発した世界的な脱プラスチックの潮流、食品容器や包装資材における流通業界のフードロス対策による影響、日用品向けや建材向けも個人消費や住宅着工件数低迷の影響を受け、この分野における売上高が前年度と比較して減少いたしました。環境対応製品として今期上市した機能性マスターバッチ等は、顧客ニーズを捉えて堅調に売上を伸ばしました。また、自動車関連のマスターバッチは、消費税率変更に伴う自動車販売台数減少および一部自動車メーカーの生産台数減少の影響がありましたが、付加価値の高い製品の供給が下支えし、当初計画どおりに推移したと分析しております。
第4四半期以降は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、感染防止用のマスク等衛生材や当該感染症の拡大により起因した外出自粛等の行動様式から、食事のテイクアウトを含めた在宅での食生活指向の高まりによって、食品包装資材の需要が増加し、今後も収束までのロードマップが見通せるようになるまで暫くは現下の社会生活様式の継続が見込まれることからその分野での需要増加に対応した供給体制を確保してまいります。
樹脂コンパウンドは、自動車の生産台数減少の影響や各種産業用途向け製品の消費低迷の影響を受け、売上高が前年度と比較して減少いたしました。
化成品事業の当年度業績を踏まえた今後の見通しとして、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、衛生材や食品包装資材の需要増を見込む一方、自動車関連は各メーカーの工場稼働停止に伴う生産台数減少による大幅な下落が数か月超続く懸念があります。一方、各自動車メーカーも新型コロナウイルス感染症が減少に転じている局面において、徐々に生産活動を再開、海外市場への輸出が回復の兆しをみせる等、一定の需要が見込まれる中で稼働率が回復しつつある途上にあります。そして、社会全体が新しい生活様式に移行する段階において、移動形態における自動車のソーシャルディスタンスに対する役割や機運等自動車生産台数の回復後を見据えた活動を継続しております。また、既存領域との共有度が高い医療、光学製品等の周辺事業領域への事業展開を図り、更なる受注増へ繋げると共にプラスチックによる環境問題への対応として、環境負荷低減ニーズや生態系保護に寄与するバイオマス・生分解樹脂用マスターバッチの拡充や農業用途向け製品の拡販も進めてまいります。添加剤マスターバッチにつきましては、環境対応、フードロス対策等の機能性を付与した差別化製品の開発・拡販を進めており、更には当年度、液体タイプのリキッドカラー着色剤の本格販売を開始し、製品用途を拡げることにより顧客満足度向上を一層目指してまいります。
化成品事業につきましても、新型コロナウイルス感染症による影響から、外出自粛に伴い訪問による営業活動が制限されていることで、顧客との接点が減少し、新規販売等機会の減少が懸念されます。
海外の事業につきましては、タイ子会社が売上、利益ともに前年度および計画を下回る結果となりましたが、今後もタイを拠点としてASEAN地域での新規受注を推進し、事業を軌道に乗せるための活動を一層進めていくという事業計画に変更はございません。
さらに、事業領域の拡大に伴う生産体制の最適化にも着手中であり、大阪工場では新規建屋が2020年度中に竣工し、自動化推進による省力化、次世代のものづくり体制を目指した競争力のある生産ラインを順次稼働する予定であります。
(加工品事業)
売上高は80億8千8百万円で前年度比3千5百万円の増収(0.4%増)、セグメント利益は6億7百万円で前年度比1億2千万円の増益(24.8%増)となりました。
ネトロン工材は、オリンピック用資材の物件終了に伴う販売が減少しましたが、水処理用資材が海外向け市場の受注拡大や外部環境影響による需要増加の影響を受け、前年度と比較して売上が増加したと分析しております。特に海外市場において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、製品供給体制が競合他社より優位に働いたことも売上増加の要因と考えられます。ネトロン工材の当年度業績を踏まえた今後の見通しとしては、更なる需要拡大を見据えて新規生産設備を増強、本格稼働が販売拡大に寄与する見込みであること、競争力のある次世代製品の市場投入による差別化効果を背景に、市場での優位性確保を図ってまいります。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が、引き続き海外市場において、日本国内に生産拠点を持つ当社グループが製品の安定した供給体制の面で市場優位に働く可能性があります。
ネトロン包材は、流通向け食品包装資材の拡大を受け、前年度に生産設備増強を実施、増産体制を確保した結果、売上高、利益とも前年度と比較し大幅に増加いたしました。ネトロン包材の当年度業績を踏まえた今後の見通しは、流通向け食品包装資材の継続拡大に注力するとともに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、新常態(ニューノーマル)による社会環境変化への対応として、スーパー等小売流通業における食品等陳列方法の多様化をキャッチアップし、顧客ニーズ取込による改良品の拡販や販売見込みに応じた物流費低減策の実施により売上、利益ともに向上させる施策を講じてまいります。
一軸延伸フィルムは、化成品事業と同様に脱プラスチックやフードロス対策等、市場マインドの後退により、食品包装用途が減少したため前年度と比較し売上高が減少いたしました。特に第4四半期後半において、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、百貨店等が休業となったことにより贈答用食品包装用途の需要減少が見られたことも影響しております。当年度業績を踏まえた今後の見通しは、新規製品の市場投入を準備中であり、生産性向上と生産体制見直しによる収益力強化にも継続して取り組んでまいります。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、今後の食品包装用途の一部に影響があるものと推察されますが、一過性か否かの判断は現段階では不透明であり、慎重に市場動向を分析してまいります。
土木資材は、主力であるジオセル製品の「テラセル」、「グランドセル」の国土交通省審査認証の取得、評価レベル向上による信頼度獲得や新工法開発継続による他社製品との差別化戦略により、災害復旧需要や老朽更新等の案件が拡大し、売上高、利益が前年度と比較し増加したと分析しております。当年度の業績を踏まえ、今後もジオセル製品を軸にした新工法の開発・導入により付加価値の高いソリューションと社会機能維持に必要な災害復旧等の貢献を高次元で提供していく戦略を継続してまいります。なお、この分野における新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、顕著には表れておりません。背景としまして、当該分野は、災害復旧等社会基盤の維持に必須な資材の開発・提供であり、公共性が高い面も有していることが影響していると判断しております。
農業資材は、農業市況の低迷や台風災害の復旧が見込みより遅れたことが影響し、前年度と比較し売上高が減少したと分析しております。今後は遅れている台風災害の復旧に貢献することにより巻き返しを図る予定ですが、農業従事者の不足や原油価格下落により、開発を進めてきた多層断熱被覆資材である「エナジーキーパー」の需要減退懸念が課題と考えております。
加工品事業においても、新型コロナウイルス感染症による影響から、外出自粛に伴い訪問による営業活動が制限されていることで、顧客との接点が減少し、新規販売等機会の減少が懸念されます。
(不動産賃貸事業)
売上高は2億6千万円で前年度比4千万円の減収(13.5%減)、セグメント利益は1億2千万円で前年度比5百万円の減益(4.2%減)となりました。
不動産賃貸事業は、埼玉県その他の地域において、倉庫及びオフィスビルを賃貸しております。なお、当年度において、埼玉県に保有していた賃貸倉庫を売却いたしました。
当社グループとしましては、今後も保有不動産の有効活用を目的とした事業運営を行っております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは高収益メーカーを目指すため、2016年度を初年度とした5ヵ年の基本戦略と整備すべき基盤を定めた経営計画「TOKYOink 2020」を策定し、推進しております。その中において、経営基盤の強化と株主価値の向上を基本とし、財務リスクの対応を図り、事業戦略に応じた最適な資本構成を構築することを骨子として、財務体質の向上と資本効率を高めることを財務戦略の基本方針としております。
今後の更なる企業価値向上へ向けた最適な資源配分や株主還元を実施し、機動的な事業運営を引続き遂行してまいります。
b.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は15億7千6百万円で、前連結会計年度末に比べ2億9千2百万円の減少(15.7%減)となりました。
なお当社グループは、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローにつきまして、今後の事業展開に備えた設備等の投資や金融機関からの借入等負債返済へ充当可能な資金としての純額、若しくは、外部からの資金調達等の借入依存度を定量判断する目的として捉えており、有用な指標と認識しております。
当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費、仕入債務の減少額等による収入が、有形固定資産の取得等の支出を若干上回り2億1千8百万円の収入となりました。(前連結会計年度は5千1百万円の収入)
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、6億6千1百万円の収入となりました(前連結会計年度は16億7千5百万円の収入)。前連結会計年度と比較し、10億1千4百万円の減少となった主な要因は、税金等調整前当期純利益が8億3千万円となり前連結会計年度と比較し6億1百万円の減益であったこと、減価償却費13億5千2百万円が計上され、売上債権の減少19億9千9百万円による資金の増加は前連結会計年度と比較し13億6千5百万円の資金の増加となりましたが、仕入債務の減少28億9千4百万円による資金の減少は前連結会計年度と比較し29億3千万円の資金の減少となりました。これら売上債権の減少と仕入債務の減少は、前連結会計年度末日が金融機関の休日であったことにより決済日が当連結会計年度になったことが影響していると分析しております。また、たな卸資産の増加額は前連結会計年度と比較し8億4千6百万円減少したこと等によるものと分析しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4億4千2百万円の支出となりました(前連結会計年度は16億2千3百万円の支出)。前連結会計年度と比較し、11億8千万円の増加となった主な要因は、吉野原工場の化成品製造設備や大阪工場の新建屋建設等の設備投資による有形固定資産の取得による支出20億1千2百万円で前連結会計年度と比較し4億8千6百万円の資金が減少したこと、及び埼玉県に保有していた賃貸倉庫等有形固定資産の売却による収入15億7千3百万円により前連結会計年度と比較し15億7千1百万円の資金が増加したこと等によるものと分析しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、6億2千1百万円の支出となりました(前連結会計年度は1億1千2百万円の収入)。前連結会計年度と比較し、7億3千4百万円の減少となった主な要因は、短期借入金の純増額3億4千万円で前連結会計年度と比較し4億5千万円の増加となりました。これは前連結会計年度末日が金融機関の休日であったことにより運転資金調達の一部が当連結会計年度になったことによる影響や、新型コロナウイルスの感染症拡大が急速に進行した第4四半期において、当社グループの売上高が一時的に減少し、必要資金が充分確保出来ない事業継続懸念等、有事に備えて手許資金を一部手厚くしたこと等によるものであります。長期借入による純減額3億7千2百万円は前連結会計年度と比較し9億8千3百万円の減少となりました。これは不動産賃貸物件として保有しておりました倉庫を売却したこと等により手許資金が増加し、設備資金の調達を圧縮したことによる影響、また、資本政策に基づく株主還元として、自己株式の取得による支出2億1百万円や配当金の支払額2億1千5百万円等によるものと分析しております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
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第144期 2016年3月期 |
第145期 2017年3月期 |
第146期 2018年3月期 |
第147期 2019年3月期 |
第148期 2020年3月期 |
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自己資本比率(%) |
47.2 |
50.1 |
51.1 |
51.4 |
54.9 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
11.9 |
17.2 |
22.5 |
14.7 |
11.3 |
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キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
3.2 |
3.0 |
2.7 |
4.2 |
10.5 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
49.8 |
63.8 |
71.3 |
51.1 |
19.3 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
c.資本政策の基本的な方針
当社グループは、経営基盤の強化ならびに今後の企業価値向上へ向けた収益確保の源泉である設備投資や研究開発等に必要な内部留保を確保しつつ、株主還元を経営の重要課題の一つと考え、安定的かつ継続的に配当することを基本方針としております。
2020年2月7日開催の取締役会において、資本効率の向上を通じて株主利益の向上を図り、機動的な資本戦略と株主還元を実現するために、当社として初となる自己株式の取得を決議し、総額1億9千9百万円の自己株式を取得いたしました。なお、この自己株式の取得は、自己資金によって賄われました。
d.資金調達の基本的な方針
当社グループの主な資金需要として、短期的な資金需要は主として製造費用、販売費および一般管理費等運転資金であり、営業活動により獲得したキャッシュ・フローをベースに金融機関からの短期借入金により資金調達を行っております。また、長期的な資金需要は主に生産性向上や新規拡充を目的とした設備投資、次世代の研究開発活動および株主還元としての配当支払い等であり、主として内部留保資金の活用や金融機関からの固定金利による長期借入金により資金調達を行っております。
なお、当社グループ子会社については、財務戦略の一環として銀行など外部からの資金調達は行わず、親会社主導によるキャッシュ・マネジメント・システムを実施しております。グループ全体の資金状況を可視化し、調達の一元化と資金効率化、流動性管理の高度化を図っております。
2020年3月31日現在、短期借入金は23億9千万円、長期借入金は45億6千1百万円であり、リース債務は2億6千9百万円となり、有利子負債の合計は72億2千2百万円となっております。また、複数の金融機関との間で合計40億円のコミットメントライン契約を設定しており、事業展開に伴う機動的な資金調達への対応ができているものと考えます(借入実行残高17億2千万円、借入未実行残高22億8千万円)。
今般の新型コロナウイルス感染症の影響は、当社グループの事業運営に大きなインパクトを与えております。特に資金の流動性確保の観点では、第4四半期以降の売上高減少の一因であると考えており、営業活動を原資とした資金が万一不足する事態に備え、2020年3月末以降の現預金等手許資金を概ね月商の過半数を超える高い水準に保つような事業運営を図っております。
また、短期借入金や長期借入金の金融機関に対する信用枠を十分確保しながら、コミットメントラインの設定に関しては、財務制限条項の抵触に対するリスク対応を現状精査しており、財務制限条項の見直しや抵触に備えた対応を取ると共に、通常時では事業展開に伴う資金調達として十分対応出来ている契約設定額を、更に増額する検討を行い、複数の金融機関に対して既に打診を開始しております。
(契約債務)
2020年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
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年度別要支払額(百万円) |
||||
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契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
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短期借入金 |
2,390 |
2,390 |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
4,561 |
1,420 |
2,090 |
696 |
355 |
|
リース債務 |
269 |
110 |
126 |
31 |
- |
(注) 連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③重要な会計方針及び見積り及び当該見積もりに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)および(追加情報)」記載の通り、減損会計、繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債の検討等には、過去の実績や合理的な見積りを勘案した判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、「配合設計技術」、「プロセス制御技術(混合・溶解・分散)」、「成形加工技術」を基盤技術とし、これまで長年に亘り印刷インキおよびプラスチック用着色剤とその関連製品の生産に携わってまいりました。
これらの基盤技術に新規技術の調査・探求、研究成果を融合させて改良を加え、暮らしに役立つより良い製品の創出に努力を重ねております。近年、情報通信伝達技術の目覚ましい発達により、新たなサービスの利用が可能となってきており、さらに踏み込んだ製品の評価・解析技術力の向上と知的財産権の保全強化に注力した研究開発活動を行っております。
開発・技術部門では、原材料から製品に至る過程での化学物質管理を一層強固にするため、設計・生産段階への化学物質に関する最新情報をすばやく取り込んだ「ものつくり」へと変化させてまいりました。
次世代事業の製品創出には、SDGsに沿った活動がふさわしく、日本および国際社会の一員として各企業、研究機関等との連携・共同研究による技術開発に努めております。環境・エネルギー、医療などの新規事業創出分野では、微分散・合成反応技術を応用した製品部材を開発継続している中で今後、AIと情報通信技術・サービス等を利用することにより、研究開発活動のスピードを上げ、市場ニーズ・お客様の要望に対応した環境調和製品、新規機能製品を創出し続けてまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
セグメント別の研究開発活動概要は次のとおりです。
(インキ事業)
オフセットインキにつきましては、当社の主力製品であるヒートセットオフ輪プロセスインキ「ガイア」、枚葉プロセスインキ「ニューセルボ」に加え、新聞用高濃度インキ「ニューズメジャー」、高感度UVインキ「ジップキュアUVOL」の製品づくりに引き続き注力いたしました。印刷用紙が低級紙にシフトする業界の流れに対応し、オフ輪インキの低級紙対応を進めました。また、油性枚葉印刷がLED-UV 印刷にシフトしているのに合わせて高感度紫外線硬化型インキの性能向上などを推し進め、「ジップキュア UVOL」の販売は堅調に推移いたしました。業界の流れや環境に配慮した製品の市場提供に向けて開発・改良に邁進してまいりました。印刷市場の変化縮小による販売競争の激化に対応するべく、需要家である印刷会社からのニーズを確実に製品に反映した結果、顧客内シェアを確保できました。
新聞インキにつきましては、新聞発行部数が減少する中で、積極的な開発・改良設計に取り組み、高濃度新聞輪転用プロセスインキ「ニューズメジャークロマ」、高漆黒新聞墨インキ「ニューズメジャークロマブラック」性能向上を図りました。
その他、オフセット用印刷用補助剤につきましても、印刷機の不要な停止を極力減らす製品づくりや環境負荷低減対応を第一優先に考えた有機則・PRTR非該当製品の拡充により、使い易さだけでなく安全な製品の提供に努めてまいりました。今後も、環境に配慮した高収益メーカーとなるべく、地球と人にやさしい設計による製品の提供により、需要家の要望に応えてまいります。
グラビアインキにつきましては、食品包材向けフィルム用インキ、成型品用インキの開発・改良を進め、環境調和製品や機能性、意匠性を有する製品の開発に取り組んでまいりました。環境調和製品に関しましては、バイオマス由来材料を使用したインキの品種拡大を進め、バイオマスマーク登録を行ってまいりました。さらに米ぬか由来材料を使用したインキの開発にも取り組み、ライスインキの拡販を進めました。
機能性製品に関しましては、遮光性インキ、各種マットインキ、バリアインキ、ヒートシール剤等の開発を行ってまいりました。
意匠性製品に関しましては、フィルム用・紙用見本帳を活用することで食品包装や衛生材用途においてパール調インキや高輝度金・銀インキ等の採用事例を増やすことが出来ました。また、さらに輝度を上げた銀インキを開発し、パスター加工代替を狙った新たな製品提案を行いました。
今後も様々な包装材料分野への展開を進めるとともに、これら機能性、意匠性を有する高付加価値製品を充実させてまいります。
インクジェットインクにつきましては、受託製品の獲得と自社製品の開発に取り組んでまいりました。受託製品では、できるだけ多くの新規獲得を目指しております。
自社製品に関しては、建材塗料代替となる外壁用・内壁用UVインクジェットインク、マーキング用や加飾用等の機能性UVインクも順調に推移しております。今後も機能性UV効果インクを中心とした開発に取り組み、様々な分野、用途において採用を目指してまいります。
当連結会計年度におけるインキ事業の研究開発費は
(化成品事業)
当年度においては、拡販銘柄として自動車用、食品包装用向けマスターバッチを中心に、開発・改良に取り組んでまいりました。
マスターバッチ分野では、これまでのポリオレフィン主体から非ポリオレフィン分野での比率を高めるべく、生分解樹脂およびバイオマス材料も含め、素材に合わせた調色体制の強化を進めてまいりました。今後も取り組みを継続し拡販に繋げてまいります。機能性製品としましては、従来とは異なる難燃剤・耐候安定剤・加工助剤マスターバッチを上市しました。その他、製品銘柄の充実を目指し、CNF、CNT等のナノマテリアルの分散検討にも引き続き取り組み、多様な生産性を加え新たな製品開発を目指します。当年度は、新たに導入した技術による液状タイプのマスターバッチも上市しました。さらに、新たな分散プロセスとなる、より高度で省力化に寄与できる生産管理技術の導入を進めております。
コンパウンド分野は、受注による増産対応すべく、各工場への技術支援を行ってまいりました。また、3Dプリンター用フィラメントコンパウンドの上市準備も引き続き行ってまいりました。今後は自動化による省人化等を推進し、案件獲得とともに収益改善活動に引き続き取り組んでまいります。
土岐第2工場では、クリーン環境下における新製品立ち上げ技術支援について取り組んでおります。製品化に向けた量産試作技術支援を継続して行い、食品、医療、電子、エネルギー、光学フィルム関連材料を中心に、ユーザーとの共同開発テーマを積極的に進めています。今後も引き続きクリーン環境下における差別化製品の開発および立ち上げに取り組んでまいります。
大阪工場は建屋更新に伴う生産性向上ラインの検討を行いました。タイ工場につきましては、新規銘柄を中心に技術・生産整備を行ってまいりました。東南アジア市場でのニーズに応える製品開発を目指し引き続き取り組んでまいります。
今後も生産・販売・技術が一体となり、マーケット情報を共有してニーズに沿った製品開発を進めてまいります。
当連結会計年度における化成品事業の研究開発費は
(加工品事業)
当事業においては、主にネトロン、一軸延伸フィルム、土木資材、農業資材の生産性の改善と新規製品開発に取り組んでまいりました。
ネトロン分野においては、水処理用スペーサーの開発に注力するとともに、当社の成形技術を駆使して顧客からの開発要望に応えてまいりました。また、スペーサー製造ラインの増設に支援を行い、需要の増加に対応できる生産体制を構築いたしました。
食品包装用ネトロンにおいては、前年度末に子会社トーイン加工㈱へ導入した2次加工機が順調に稼働を開始し、本年度は大幅な生産増となりました。この様に新規製品開発と生産設備強化により、今後もトップメーカーとしての確固たる基盤を築いてまいります。また、回転異形成形技術のブラッシュアップを行い、一部の内製化を実施し、性能・生産性向上に取り組んでまいります。
一軸延伸フィルム分野においては、食品衛生法改正による食品用器具容器包装の管理面強化の要請を受け、安全性確保,品質向上を目的に子会社東洋整機樹脂加工㈱が2020年5月にISO9001認証を取得いたしました。また、老朽化した生産設備の更新については、順次進めてまいります。この様に管理面の強化,設備更新により顧客満足度を高めてまいります。
土木分野においては、ジオセルを使用した工法に関わる新規製品の開発を行ってまいりました。当年度は、ジオセル同士を接続する部材「セルロック」を上市し、接続強度の強化を図り安全性を向上させることが出来ました。今後も、施工性、安全性を向上させる製品の開発に取り組んでまいります。
農材分野においては、夏期における農業用ハウスの高温対策をテーマに社内他事業と連携を取りながら製品開発を進めてまいりました。さらに、農業用ハウスの遮光、遮熱資材の開発を進めており、次年度に試験展張を実施できる見込みとなりました。
これからも社内他事業との連携を深め、特徴のある素材を生かした新製品開発を進めてまいります。
当連結会計年度における加工品事業の研究開発費は
(その他)
当社の研究開発は、新事業創出を目的に活動を行ってまいりました。そのため、当社のコア技術である分散技術の高度化(有機顔料の微粒子化、有機顔料分子の表面官能基付与、リビングラジカル重合により構造を制御したバインダー設計)から、今後成長が期待される「エネルギー分野」、「センサー分野」そして「バイオ・ヘルスケア分野」に使用される機能性材料の設計へとその活動範囲を徐々に広げてまいりました。これらの具体的な研究テーマは、「社会的価値」と「経済的価値」を考慮し選定しております。また、これらの研究開発業務の効率化および最新技術の導入を図るために、公的研究機関および教育機関との共同研究を積極的に行ってきており、今後も継続してまいります。
一方、機能性材料の商品化を行うために、「省力化」、「効率化」、「精密化」そして「安全」をキーワードに新規生産プロセス構築についての検討を行ってまいりました。当社で設計した機能性材料をマーケットへ展開できるよう、今後も新規プロセス検討にも注力してまいります。
また引き続き、コンピューターシミュレーションやAIと情報通信技術の活用の検討を行うことにより、機能性材料に関わる技術開発や新規プロセス構築における研究活動、そして当社事業に関わる技術検討の合理化ができるよう努めてまいります。
これらの研究活動成果として特許出願を積極的に行い、当活動を通じて人材育成に邁進してまいります。
当連結会計年度におけるその他の研究開発費は182百万円であります。