第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)におけるわが国の経済は、政府等による経済政策の効果により、景気回復への期待が膨らんでおりましたが、中国をはじめとする新興国における経済の減速、米国新政権の政策動向に対する懸念等により、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。

 このような状況の中、当社グループは、主力製品の増販およびあらゆるコストの低減により、引き続き利益の確保に努めてまいりました。

 こ結果、当連結会計年度の業績は、売上高が439億4千9百万円で前年度比22億6百万円の減収(4.8%減)となりましたが、営業利益は11億8千1百万円で前年度比5億9千5百万円の増益(101.4%増)、経常利益は15億4千万円で前年度比7億4百万円の増益(84.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億6千5百万円で前年度比7億1千3百万円の増益(202.6%)となりました。

 

 次に、セグメント別に概況をご報告いたします。

 

(インキ事業)

 オフセットインキは、市場縮小化が継続する厳しい環境の中で販売数量の確保に努めましたが、数量および売上高は前年度に比べ減少いたしました。

 グラビアインキは、食品包材向けに拡販に努め、顧客別対応に注力し、数量および売上高は前年度並みとなりました。

 インクジェットインクは、産業用機能性インクの伸長により、数量および売上高は前年度に比べ増加いたしました。

 印刷用材料は、オフセットインキと同様に市場の縮小化が進行する中、売上維持に努めましたが、売上高は前年度に比べ減少いたしました。

 印刷機械は、大型印刷機の設備入替等の需要が少なく、売上高は前年度に比べ減少いたしました。

 この結果、インキ事業の売上高は、150億6百万円で前年度比10億3千万円の減収(6.4%減)となりましたが、セグメント利益はコスト低減の効果もあり、6億2千6百万円で前年度比7千8百万円の増益(14.3%増)となりました。

 

(化成品事業)

 合成樹脂用着色剤は、包装フィルム、食品シート用途向け機能製品の伸長および自動車用途向け製品の受注が堅調に推移し、数量および売上高は前年度に比べ増加いたしました。

 合成樹脂成形材料は、スポット受注のため、数量および売上高は前年度に比べ若干の増加となりました。

 この結果、化成品事業の売上高は、202億7千3百万円で前年度比4億8千1百万円の増収(2.4%増)となり、セグメント利益は売上構成の変化およびコストの低減により、16億9千3百万円で前年度比4億5千1百万円の増益(36.4%増)となりました。

(加工品事業)

 水処理用資材は、順調に推移したものの、震災復興向け土木資材の工事減により、売上高は前年度に比べ大幅な減少となりました。

 この結果、加工品事業の売上高は、83億8千1百万円で前年度比16億5千4百万円の減収(16.5%減)となりましたが、セグメント利益は水処理用資材、環境対応型土木資材の増販および一軸延伸フィルムのコスト改善により、4億3千1百万円で前年度比1億8千9百万円の増益(78.1%増)となりました。

 

(不動産賃貸事業)

 不動産賃貸事業の売上高は、2億8千8百万円で前年度比3百万円の減収(1.0%減)、セグメント利益は1億4千2百万円で前年度比9百万円の減益(6.0%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は16億9千9百万円で、前連結会計年度末に比べ5千1百万円の増加(3.1%増)となりました。

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動によるキャッシュ・フローは、23億5千9百万円の収入となりました(前連結会計年度は24億8千4百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益14億8千5百万円、減価償却費13億7千5百万円が計上され、売上債権の減少3億4千4百万円、仕入債務の減少4億8千5百万円、たな卸資産の減少2億4千7百万円等によるものです。

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動によるキャッシュ・フローは、8億6千5百万円の支出となりました(前連結会計年度は11億2千5百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出8億6千5百万円等によるものです。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、14億3千万円の支出となりました(前連結会計年度は10億2百万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額9億3千万円、長期借入による純減額8千5百万円、配当金の支払額1億6千1百万円等によるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産数量合計(トン)

前年同期比(%)

インキ事業

32,268

(7,852)

〔4,286〕

97.3

(107.3)

〔99.3〕

化成品事業

44,718

(150)

〔16,728〕

103.8

(104.3)

〔102.2〕

加工品事業

4,496

(-)

〔-〕

101.7

(-)

〔-〕

不動産賃貸事業

()

〔-〕

()

〔-〕

合計

81,483

(8,003)

〔21,014〕

101.0

(107.2)

〔101.6〕

(注)1  (  )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。

2  〔  〕内数字は外注分を示し、かつ内数であります。

 

(2)商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

インキ事業

3,485

88.7

化成品事業

88

73.1

加工品事業

4,778

72.6

不動産賃貸事業

合計

8,352

78.6

(注)  金額は仕入価額(消費税等抜き)によっております。

 

(3)受注状況

  当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。

 

(4)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

インキ事業

15,006

93.6

化成品事業

20,273

102.4

加工品事業

8,381

83.5

不動産賃貸事業

288

99.0

合計

43,949

95.2

(注)1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、あるべき姿として「色彩を軸に、市場が求める価値をお客様と共に創造、実現し続ける企業」を掲げ、高収益メーカーであり続けることで、ありたい姿である「暮らしを彩る、暮らしに役立つものづくりで、社会に貢献する」ことを経営の基本方針としております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、高収益メーカーを目指すため、2016年度を初年度とした2020年度までの基本戦略と整備すべき基盤を定めた経営計画「TOKYOink2020」を策定いたしております。

 「TOKYOink2020」では、コア事業の更なる強化とコア事業周辺領域の事業を拡大することを目指した事業戦略、素材を活かす要素技術と加工技術の拡充を目指した技術戦略、株主価値の向上と事業戦略に応じた最適資本構成を目指した財務戦略、人的資源の有効活用を目指した人事戦略の4つの経営戦略と、基盤の整備として「現場力の徹底強化」を掲げ、企業価値の向上を図ってまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、経営計画「TOKYOink2020」において、高収益メーカーへの成長の通過点として2020年度連結経常利益15億円を目標に掲げております。

 

(4)経営環境

 わが国の経済は、原油をはじめとした資源価格や為替市場の動向により、原材料価格や株式市場への影響を受けることが考えられます。一方、継続的な人口減等による国内市場の縮小化と、環境・安全に対する意識の高まりにより、国内市場の変化が想定されます。

 このような状況の中で、当社グループの各事業を取り巻く事業環境は下記のとおりであります。

 インキ事業が関与する印刷市場では、商業・出版印刷の減少、包装印刷の漸増、オンデマンド印刷の伸長に伴い、インキ業界においては、オフセットインキの需要の減少、グラビアインキおよびインクジェットインクの需要の増加が見込まれます。

 化成品事業が関与する多くの市場では、顧客の海外展開は進行していくものの、日本国内における高付加価値用途への樹脂性能向上の要求が高まっております。

 加工品事業が関与する樹脂成形品市場においても、省力化・環境対応等のため、性能向上の要求が高まっております。

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 経営計画に掲げた目標を達成するため、各事業の対処すべき課題は下記のとおりであります。

 インキ事業では、主力のオフセット印刷用製品を顧客満足度向上の視点から競争力を徹底的に強化すると共に、グラビア印刷用、インクジェット用製品について機能性付与を中核に新たなニーズの獲得により成長を図ります。

 化成品事業では、フィルム・容器・自動車・住設関連を主力とする各種産業用合成樹脂着色剤、添加剤製品の顧客満足度を今以上に高めることで基盤を強化しながら、お客様が求める樹脂性能向上への関与を土岐工場におけるクリーンライン等を利用し、その要望に応えながら事業領域を拡げていくと共に、タイを拠点にASEANを中心とした海外での事業拡大を進めてまいります。

 加工品事業では、プラスチックネット・一軸延伸フィルム等の樹脂成形品の性能向上と複合化を主軸に、包装・工業・土木・農業の各資材分野で新たな用途への展開を図ることで市場を拡大いたします。

 

4【事業等のリスク】

  当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

(1)原材料価格の変動について

当社グループの原材料にはポリエチレン、ポリプロピレン、溶剤等、石油製品を原料とするものが多く含まれております。したがって原油価格が急激に高騰した際には、製品価格への転嫁が遅れたり、逆に原油価格が急激に低下した際には、製品価格の低下が過剰に進行する等のリスクが存在し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)為替の変動について

当社グループの取引には外貨建て取引が含まれております。為替変動のリスク対策は講じておりますが、全てのリスクを排除することは不可能であり、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(3)災害について

地震、台風等の自然災害、あるいは火災等の事故により、当社グループの生産拠点等の設備に重大な損害を被った場合、生産及び出荷が停滞することに伴う売上高の減少、生産拠点等の修復または変更のために巨額の費用が必要となり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが供給を受けている主要な原材料等のサプライヤーにおける災害等により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。

(4)貸倒れについて

当社グループは多数の顧客へ販売しておりますが、債権を回収できない可能性があります。予期しない回収不能が発生した場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループは、「配合設計技術」、「プロセス制御技術(混合・溶解・分散)」、「成形加工技術」を基盤技術とし、これまで長年に亘り印刷インキおよびプラスチック用着色剤とその関連製品の生産に携ってまいりました。

 これらの基盤技術に新規技術の調査・探求、研究成果を融合させて改良を加え、暮らしに役立つより良い製品の創出に努力を重ねております。また製品の評価・解析技術力の向上と知的財産権の保全強化・注力した研究開発活動を行っております。

 開発・技術部門では、部門内連携を強化するため、コラボテーマ設定を行い、新規事業の創出・新製品の開発、顧客ニーズに迅速に対応できる体制を整備しております。

 次世代コア事業の製品創出には、多様性を持った技術が必要であり、企業、研究機関等との連携・共同研究を行い開発技術向上に努めてまいりました。

 IT、環境・エネルギー、医療などの新規事業創出分野では、微分散・合成反応技術を応用した製品部材を積極的に開発し、成果を上げております。

 これら研究開発活動のスピードを上げ、市場ニーズ・お客様の要望に対応した環境適合製品、新機能性製品を今後も創出し続けてまいります。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は12億7千7百万円であります。

 セグメント別の研究開発活動概要は次のとおりです。

 

(インキ事業)

 オフセットインキにつきましては、当連結会計年度は、当社の主力製品であるヒートセットオフ輪プロセスインキ「ガイア」、枚葉プロセスインキ「セルボ」に加え、新聞用高濃度インキ「ニューズメジャー」、高感度UVインキ「ジップキュアUV」の製品づくりに注力いたしました。

 使用エネルギー低減を目的とした、オフ輪インキの低温乾燥化対応や、枚葉インキでのパウダーレス化など、より環境に配慮した製品の市場提供に向けて開発・改良に邁進してまいりました。印刷市場の変化縮小に対応するべく、需要家である印刷会社からのニーズを確実に製品に反映した結果、製品選定が激化する市場に受入られ、インキ販売量確保に繋がりました。

 新聞インキについては、積極的な開発・改良設計に取り組み、高濃度新聞輪転用プロセスインキ「ニューズメジャークロマ」、高漆黒新聞墨インキ「ニューズメジャークロマ ブラック」は大きな性能向上が図られ販売シェアの獲得に至っております。

 紫外線硬化型(UV)インキについては、印刷適性の向上と製品ラインナップの充実させた結果、高感度紫外線硬化型インキ「ジップキュアUV」の販売が堅調に推移いたしました。

 その他、オフセット印刷用補助剤についても、環境負荷低減対応を第一優先課題と考え、有機則・PRTR非該当化により、安全な製品の提供に努めてまいりました。

 今後も、環境に配慮した高収益メーカーになるべく、地球と人にやさしい設計による製品の提供により、需要家の要望に応えてまいります。

 グラビアインキにつきましては、当連結会計年度は、食品包材用向けフィルム用インキ、成型用インキの開発・改良を進め、環境負荷低減製品および機能/意匠性・高付加価値製品の開発に取り組んでまいりました。

 環境負荷低減製品については、フィルム用インキのノントルエン/ノンMEK化を進め、更に生物由来成分を材料としたインキの開発にも取り組みました。

 機能性・高付加価値製品については、食品包材、化粧品包材、衛生用品包材用の高輝度金インキ、銀インキ、パールインキ等に注力し、需要家からの採用事例を増やすことが出来ました。

 今後も、各包装材料分野への展開を進めるとともに、これら機能/意匠性・高付加価値製品を充実させてまいります。

 インクジェットインクにつきましては、当連結会計年度は、受託製品の獲得と自社製品の開発及び拡販に取り組んでまいりました。

 受託製品については、低コストのラインを構築してなるべく多くの新規受託製品獲得を目指しております。

 自社製品については、塗料代替の外壁用UVインクジェット、内壁用UVインクジェット等、建材用インクが堅調に推移しました。またその他マーキング用、加飾用等の製品も順調に推移し、今後も新しい機能性UV硬化インクを中心とした開発に取り組み、様々な分野、用途において採用を目指します。

 当連結会計年度におけるインキ事業の研究開発費は3億4千6百万円であります。

 

(化成品事業)

 当連結会計年度は、自動車用、包装容器用途向けマスターバッチを主体に、マーケットニーズに応える製品の開発・改良に取り組んできました。

 マスターバッチ事業につきましては、これまでのポリオレフィン主体から非ポリオレフィン分野での比率を高めるべく、着色剤、添加剤の検討を進め標準品の設定を行いました。強化を進めている調色対応力とあわせ、拡販に繋げてまいります。

 コンパウンド事業につきましては、生産品目や生産工場の集約を進めてまいりました。今後はさらに自動化による省人化など技術提案を推進し、案件獲得とともに採算性重視・事業再構築に注力した収益改善活動に引き続き取り組みます。

 土岐第2工場のクリーン環境下における新製品の立ち上げについては、継続的に取り組んでおります。製品化に向けた試作は継続しており、食品、医療用途、電子材料関係、エネルギー分野、光学フィルム関係を中心に、ユーザーとの共同開発テーマを積極的に進め、環境下における差別化した新製品の開発および立ち上げに引き続き取り組んでまいります。

 タイ工場につきましては、自動車用途、添加剤マスターバッチの2つの柱を構築すべく、添加剤マスターバッチ標準品の設定など技術支援を行ってまいりました。東南アジア市場でのニーズに応える製品開発を目指し引き続き取り組みます。

 今後も生産・販売・技術が一体となり、マーケット情報を共有してユーザーニーズに沿った製品開発を進めてまいります。

 当連結会計年度における化成品事業の研究開発費は6億1千2百万円であります。

 

(加工品事業)

 当連結会計年度は、既存製品の改良と新規製品開発に取り組んでまいりました。

 ネトロン事業の軽包装分野については、フィルムとネットを複合させた包装資材である「スタンディングネット」の使用性向上の改良が完了し、次年度より新規設備を導入して改良品の生産を開始する見込みであります。工業材分野については「水処理向け製品」の継続的な品質向上により、他社が容易に真似の出来ない品質を確立した結果、当連結会計年度は大きく販売拡大ができました。また、トップ製品であり続けるために、顧客先の研究部門と協業して製品改良を継続してまいります。

 一軸延伸フィルム事業の既存分野では、ひねり用途のフィルム強度を改善した結果、フィルム破れ発生頻度を大きく低減でき、この用途での売上貢献ができました。産業用途の新製品開発については、化成品部門において特殊コンパウンドの開発がほぼ完了し、製膜量産機による試供品が評価中であります。早期に一軸延伸フィルム事業の新たな製品群の上市に努めてまいります。

 土木事業につきましては、基幹部材であるジオセルの用途拡大を図るために、新工法の開発を進めております。今期の国土交通省「新技術情報活用システム」NETIS登録申請には、新工法として「テラグリット工法」「テラセルマットレス工法」の2工法を掲げて、新規に追加することができました。また、産官学との共同研究は鉄道総合技術研究所、東京大学生産技術研究所、北見工業大学などと進めており、ジオセルの販売拡大に寄与いたしました。

 農材事業につきましては、ビニールハウス用保温資材である「エナジーキーパー」の普及を促進するために、構成部材の見直しを行い、従来品と保温性が同等で軽量化を実現した「エナジーキーパーR」を開発いたしました。次年度中に試験展張を行い、夏場の遮光性と冬場の保温性のデータ収集を行う予定であります。

 今後も、既存製品の改良と新規製品開発の両輪で加工品事業の販売拡大に努めてまいります。

 当連結会計年度における加工品事業の研究開発費は7千7百万円であります。

(その他)

 これまで分散技術の高度化に基づいて、有機・無機顔料の微粒子化、その界面制御そしてコート剤等の成分で重要な役割を果たすバインダー設計に必要な重合技術の確立を目指して活動を行い、それらの技術によって材料設計を行ってまいりました。次年度では、それらの技術をさらに差別化していくために、キーワードとして「精密設計」、そして「一次構造と高次構造の制御」を掲げ、技術の進化にチャレンジしてまいります。

 これらの技術を事業化に結びつけることができるように、当連結会計年度ではプロセス制御技術を加え、生産ベースでの検討も行ってまいりました。今後、このプロセス制御技術については、「精密制御」、そして「連続生産方式」をキーワードとして設定し、新たなプロセス構築の検討を行ってまいります。

 これら材料設計およびプロセス制御技術では、一部コンピューターシミュレーションを用い合理化を行っております。また技術開発を促進させて最新技術を得るために、研究機関との共同研究もさらに積極的に行っております。

 具体的には、今後成長すると思われるマーケットである、環境、エネルギー、そしてセンサー(バイオ、デバイス関連)分野に注目し、そこで使用される機能性材料をテーマとして挙げ、材料設計とそのプロセスについて研究活動を行っております。

 これらの研究活動成果は特許出願として積極的に進め、当活動を通じて人材育成に邁進してまいります。

 当連結会計年度におけるその他の研究開発費は2億4千万円であります。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その内容は「第5  経理の状況」に記載しております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

  当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は439億4千9百万円、経常利益は15億4千万円、親会社株主に帰属する当期純利益は10億6千5百万円で、その状況と分析は「第2  事業の状況  1  業績等の概要  (1)業績」の通りであります。

 

(3)当連結会計年度の財政状態の分析

当社グループの当連結会計年度末の総資産は454億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億6千4百万円増加いたしました。主な要因は、受取手形及び売掛金の減少3億3千5百万円、たな卸資産の減少2億5千1百万円、有形固定資産の減少1億円及び投資有価証券の時価上昇等に伴う増加9億5千5百万円等によるものです。

負債合計は225億3千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億2千2百万円減少いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少4億8千8百万円、短期借入金の減少9億3千万円、退職給付に係る負債の減少3億3千1百万円、繰延税金負債の増加3億5千1百万円、未払法人税等の増加7千6百万円等によるものです。

純資産の部は228億7千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億8千7百万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金の増加9億2百万円及びその他の包括利益累計額の増加6億5千2百万円等によるものです。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

  当社グループを取り巻く事業環境は、原油価格から起因する原材料価格の変動や為替相場の変動に大きく左右されます。「第2  事業の状況  4  事業等のリスク」に記載いたしました様に、今後も原油価格や為替相場が変動すると経営成績に重要な影響を及ぼす要因となります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

  当社グループの活動を維持するために必要な運転資金及び設備投資資金は、主に手元のキャッシュと借入により調達しております。キャッシュ・フローの状況は「第2  事業の状況  1  業績等の概要  (2)キャッシュ・フローの状況」のとおりでありますが、利益水準やキャッシュ・フローの動向等を考慮し、設備投資等を行っていく予定であります。